JP6163583B2 - 固形食材を結着させた食品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固形食材用結着剤、並びに固形食材を結着させた食品及びその製造方法に関する。
近年、消費者のライフスタイルの多様化に伴い、手軽に食することができる食品が提案されている。
例えば、オーツ麦、シリアルパフ、米フレークなどが入ったグラノーラにドライフルーツなどを混ぜ込んだ固形食材を結着し、一口サイズとした食品が提案されている(例えば、図1参照)。
前記提案では、水あめとプルランとを用いて固形食材を結着させているものの、崩れやすく、また、バリバリとした食感となってしまい、固形食材の食感や風味が感じられないという問題がある。
また、固形食材を結着させた食品としては、水あめや融解した砂糖を利用するおこしがある(例えば、図2参照)。前記おこしでは、食品が崩れることを防止することができるものの、バリバリとした食感で、甘さの強いものとなってしまい、固形食材の食感や風味が感じられないという問題がある。
また、シリアルなどの固形食材をチョコレートで絡めて固めた食品も提案されている(例えば、図3、特許文献1参照)。前記提案では、食品が崩れることを防止でき、また、固形食材の食感も得られるものの、チョコレートの風味になってしまい、固形食材の風味が感じられないという問題がある。
また、細かくした固形食材を、プルランを用いて結着させた食品も提案されている(例えば、図4参照)。前記提案では、食品が崩れることを防止することができるものの、熱風乾燥により固めるため、設備にかかるコストが大きく、また、固形食材を細かくしているため、外観から固形食材の素材感を感じることができないという問題がある。
したがって、適度な硬度を有し、形状が崩れにくく、かつ、固形食材の食感、風味、外観などの素材感を感じることができる固形食材を結着させた食品、前記固形食材を結着させた食品を簡易に、低コストで製造することができる製造方法、並びに固形食材を任意の形状に容易に成形することができ、焼成前の成形物の保形性に優れ、前記固形食材を結着させた食品及びその製造方法に使用することができる固形食材用結着剤の速やかな提供が強く求められている。
特表2014−512833号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、適度な硬度を有し、形状が崩れにくく、かつ、固形食材の食感、風味、外観などの素材感を感じることができる固形食材を結着させた食品、前記固形食材を結着させた食品を簡易に、低コストで製造することができる製造方法、並びに固形食材を任意の形状に容易に成形することができ、焼成前の成形物の保形性に優れ、前記固形食材を結着させた食品及びその製造方法に使用することができる固形食材用結着剤を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> カルシウム反応性増粘多糖類と、カルシウム化合物とを含むことを特徴とする固形食材用結着剤である。
<2> 固形食材が、グラノーラを含む前記<1>に記載の固形食材用結着剤である。
<3> カルシウム反応性増粘多糖類が、ペクチンである前記<1>から<2>のいずれかに記載の固形食材用結着剤である。
<4> カルシウム化合物が、乳酸カルシウムである前記<1>から<3>のいずれかに記載の固形食材用結着剤である。
<5> 固形食材を結着させた食品の製造方法であって、
固形食材と、カルシウム化合物とを含む原料組成物と、カルシウム反応性増粘多糖類を含む結着液とを混合し、混合物を得る工程と、
前記混合物を型に充填し、成形物を得る工程と、
前記成形物を型から取り出す工程と、
前記取り出した成形物を焼成する工程とを含むことを特徴とする食品の製造方法である。
<6> 原料組成物が、加工デンプンを更に含む前記<5>に記載の食品の製造方法である。
<7> 結着液が、カルシウム反応性増粘多糖類以外の増粘多糖類と、糖類及び糖アルコールの少なくともいずれかとを更に含む前記<5>から<6>のいずれかに記載の食品の製造方法である。
<8> 固形食材が、グラノーラを含む前記<5>から<7>のいずれかに記載の食品の製造方法である。
<9> カルシウム反応性増粘多糖類が、ペクチンである前記<5>から<8>のいずれかに記載の食品の製造方法である。
<10> カルシウム化合物が、乳酸カルシウムである前記<5>から<9>のいずれかに記載の食品の製造方法である。
<11> 固形食材を結着させた食品であって、
前記<1>から<4>のいずれかに記載の固形食材用結着剤を用いたことを特徴とする食品である。
<12> 前記<5>から<10>のいずれかに記載の食品の製造方法により製造された前記<11>に記載の食品である。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、適度な硬度を有し、形状が崩れにくく、かつ、固形食材の食感、風味、外観などの素材感を感じることができる固形食材を結着させた食品、前記固形食材を結着させた食品を簡易に、低コストで製造することができる製造方法、並びに固形食材を任意の形状に容易に成形することができ、焼成前の成形物の保形性に優れ、前記固形食材を結着させた食品及びその製造方法に使用することができる固形食材用結着剤を提供することができる。
図1は、従来の固形食材を結着させた食品の一例を示す図である。 図2は、おこしの一例を示す図である。 図3は、固形食材をチョコレートで絡めて固めた食品の一例を示す図である。 図4は、細かくした固形食材を、プルランを用いて結着させた食品の一例を示す図である。 図5は、実施例1で製造された固形食材を結着させた食品−1−1の一例を示す図である。 図6は、実施例5で製造された固形食材を結着させた食品−5の一例を示す図である。 図7は、実施例6で製造された固形食材を結着させた食品−6の一例を示す図である。 図8は、実施例7で製造された固形食材を結着させた食品−7の一例を示す図である。 図9は、実施例8で製造された固形食材を結着させた食品−8の一例を示す図である。 図10は、実施例9で製造された固形食材を結着させた食品−9の一例を示す図である。 図11は、実施例10で製造された固形食材を結着させた食品−10の一例を示す図である。
(固形食材用結着剤)
本発明の固形食材用結着剤は、カルシウム反応性増粘多糖類と、カルシウム化合物とを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
前記カルシウム反応性増粘多糖類と、前記カルシウム化合物とは、使用する際に反応させる。
<カルシウム反応性増粘多糖類>
前記カルシウム反応性増粘多糖類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ペクチン、カラギナン、ジェランガム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、単独では粘度がそれほど高くなく、また、焼成後の食感に優れる点で、ペクチンが好ましい。
前記カルシウム反応性増粘多糖類は、冷水に可溶性のものであってもよいし、冷水に可溶性でないものであってもよいが、ハンドリングに優れる点で、冷水に可溶性のものが好ましい。
前記カルシウム反応性増粘多糖類は、市販品を用いることができる。
前記カルシウム反応性増粘多糖類の前記固形食材用結着剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<カルシウム化合物>
前記カルシウム化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、乳酸カルシウム、塩化カルシウム、グルコン酸カルシウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、溶解性が高く、呈味に悪影響を及ぼさない点で、乳酸カルシウムが好ましい。
前記カルシウム化合物は、市販品を用いることができる。
前記カルシウム化合物の前記固形食材用結着剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する、原料組成物におけるその他の成分、結着液におけるその他の成分などが挙げられる。前記その他の成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分の前記固形食材用結着剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<固形食材>
前記固形食材としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グラノーラ、パフ類、ナッツ類、フルーツ素材などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、グラノーラを含むことが好ましく、グラノーラ、パフ類、ナッツ類及びフルーツ素材を含むことがより好ましい。
前記フルーツ素材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ドライフルーツ、フリーズドライ、エアドライの果物などが挙げられる。
前記固形食材の形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記形状としては、例えば、粒状、フレーク状などが挙げられる。
前記大きさとしては、例えば、目的とする固形食材を結着させた食品の大きさに応じて、適宜選択することができる。また、前記固形食材は、厚みが大きいものであってもよい。
前記固形食材のかさ比重としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、15g/100mL〜65g/100mLが好ましく、20g/100mL〜60g/100mLがより好ましく、25g/100mL〜55g/100mLが特に好ましい。前記かさ比重が前記好ましい範囲内であると、保形性に優れた食品とし易い点で、有利である。
本発明の固形食材用結着剤を用いることにより、少ない使用量で固形食材を任意の形状に容易に成形(以下、「一体化」と称することがある)することができ、また、焼成前の成形物の保形性に優れ、更に、固形食材の食感や風味をそのまま維持することができる。また、本発明の固形食材用結着剤によれば、大きなサイズの固形食材を結着させることもできるので、固形食材を結着させた食品において、固形食材の素材感を外観からも感じることができる。
(固形食材を結着させた食品及び固形食材を結着させた食品の製造方法)
本発明の固形食材を結着させた食品は、本発明の固形食材用結着剤を使用して得られる。
前記固形食材を結着させた食品の製造方法としては、本発明の固形食材用結着剤を用いる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、本発明の固形食材を結着させた食品の製造方法により製造することが好ましい。
以下、本発明の固形食材を結着させた食品の製造方法と併せて、本発明の固形食材を結着させた食品を説明する。
<固形食材を結着させた食品の製造方法>
本発明の固形食材を結着させた食品の製造方法は、混合工程と、成形工程と、取出し工程と、焼成工程とを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の工程を含む。
<<混合工程>>
前記混合工程は、固形食材と、カルシウム化合物とを含む原料組成物と、カルシウム反応性増粘多糖類を含む結着液とを混合し、混合物を得る工程である。
−原料組成物−
前記原料組成物は、固形食材と、カルシウム化合物とを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
−−固形食材−−
前記固形食材は、上記した固形食材用結着剤の固形食材の項目に記載したものと同様である。
前記固形食材の前記原料組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、80.0質量%〜99.5質量%が好ましく、88.0質量%〜97.0質量%がより好ましく、90.0質量%〜95.0質量%が特に好ましい。前記固形食材の含有量が、80.0質量%未満であると、固形食材の食感を感じにくくなることがあり、99.5質量%を超えると、カルシウム化合物の投入量が少なくなるため、必要な量のカルシウム化合物を確実に分散できないことがある。一方、前記好ましい範囲内であると、原料組成物とカルシウム化合物とを望ましい量で使用することができる点で、有利である。
−−カルシウム化合物−−
前記カルシウム化合物は、上記した固形食材用結着剤のカルシウム化合物の項目に記載したものと同様である。
前記カルシウム化合物の前記原料組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.05質量%〜2質量%が好ましく、0.1質量%〜1質量%がより好ましく、0.3質量%〜0.8質量%が特に好ましい。前記カルシウム化合物の含有量が、0.05質量%未満であると、成形物の保形性が劣ることがあり、2質量%を超えると、前記原料組成物との混合が困難になることがある。一方、前記好ましい範囲内であると、成形物の保形性に優れ、また、前記原料組成物との混合を容易に行うことができる点で、有利である。
−−その他の成分−−
前記原料組成物におけるその他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、糖類、でん粉、加工デンプンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、食品を冷却した後に硬さがしっかりと発現する傾向にあり、所望の食感を付与し易く、また、甘味が出ない点で、加工デンプンを含むことが好ましい。
前記加工デンプンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ファリネックスAG100(松谷化学工業株式会社製)が好ましい。
前記加工デンプンの前記原料組成物における含有量としては、特に制限はなく、固形食材に応じて適宜選択することができる。例えば、前記固形食材がグラノーラを含む場合の前記加工デンプンの前記原料組成物における含有量としては、前記グラノーラのサクサク、カリカリとした食感をより感じられる点で、0.1質量%〜10質量%が好ましく、0.5質量%〜8質量%がより好ましい。
−結着液−
前記結着液は、カルシウム反応性増粘多糖類を少なくとも含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
−−カルシウム反応性増粘多糖類−−
前記カルシウム反応性増粘多糖類は、上記した固形食材用結着剤のカルシウム反応性増粘多糖類の項目に記載したものと同様である。
前記カルシウム反応性増粘多糖類の前記結着液における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01質量%〜5質量%が好ましく、0.05質量%〜2質量%がより好ましく、0.08質量%〜1質量%が特に好ましい。前記カルシウム反応性増粘多糖類の含有量が、0.01質量%未満であると、成形物の保形性が劣ることがあり、5質量%を超えると、粘度が上昇するため結着液の製造が困難となったり、前記原料組成物との混合が困難になったりすることがある。一方、前記好ましい範囲内であると、成形物の保形性に優れ、また、前記原料組成物との混合を容易に行うことができる点で、有利である。
−−その他の成分−−
前記結着液におけるその他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルシウム反応性増粘多糖類以外の増粘多糖類、糖類、糖アルコール類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、カルシウム反応性増粘多糖類以外の増粘多糖類と、糖類及び糖アルコール類の少なくともいずれかとを含むことが好ましい。
前記カルシウム反応性増粘多糖類以外の増粘多糖類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プルランなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、甘さを出さずに固形食材を固めることができる点で、プルランを含むことが好ましい。
前記カルシウム反応性増粘多糖類以外の増粘多糖類は、市販品を用いることができる。
前記カルシウム反応性増粘多糖類以外の増粘多糖類の前記結着液における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1質量%〜20質量%が好ましく、0.5質量%〜15質量%がより好ましく、1質量%〜10質量%が特に好ましい。前記カルシウム反応性増粘多糖類以外の増粘多糖類の含有量が、0.1質量%未満であると、焼成工程後の食品が崩れやすくなることがあり、20質量%を超えると、粘度が上昇するため結着液の製造が困難となったり、前記原料組成物との混合が困難となったり、成形工程において型に充填しにくくなったりすることがあり、また、食品のガリガリとした食感が強くなることがある。一方、前記好ましい範囲内であると、焼成工程後の食品の保形性に優れ、また、前記原料組成物との混合を容易に行うことができる点で、有利である。
前記糖類又は糖アルコール類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、糖類として、砂糖、マルトース、ブドウ糖などや糖アルコールとして、トレハロース、ソルビトール、マルチトールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、甘味が少ない点で、トレハロースが好ましい。
前記糖類又は糖アルコール類は、市販品を用いることができる。
前記糖類及び糖アルコール類の少なくともいずれかの前記結着液における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1質量%〜20質量%が好ましく、3質量%〜15質量%がより好ましく、5質量%〜10質量%が特に好ましい。前記糖類及び糖アルコール類の少なくともいずれかの含有量が、1質量%未満であると、前記混合物の水分量が多くなり、固形食材がふやけたりすることがあり、20質量%を超えると、前記混合物の水分量が少なくなり、前記原料組成物との混合が困難となることがある。一方、前記好ましい範囲内であると、固形食材の形状を維持しつつ、前記原料組成物との混合を容易に行うことができる点で、有利である。
−混合−
前記混合の方法、条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記混合により、前記カルシウム化合物が溶解し、前記カルシウム反応性増粘多糖類と反応し、粘性が生じる。
前記結着液の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記原料組成物に対して、5質量%〜30質量%が好ましく、7質量%〜20質量%がより好ましく、10質量%〜15質量%が特に好ましい。前記結着液の添加量が、5質量%未満であると、前記原料組成物との混合が困難となることがあり、25質量%を超えると、前記混合物における水分量が多くなり過ぎることがある。一方、前記好ましい範囲内であると、前記原料組成物との混合を容易に行うことができ、また、前記混合物における水分量を適切な量とすることができる点で、有利である。
−水分量−
本発明の製造方法によれば、前記混合物における水分量が少なくても容易に混合することができる。
前記混合物における水分量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、6質量%〜16質量%が好ましく、8質量%〜14質量%がより好ましく、9質量%〜12質量%が特に好ましい。前記水分量が、6質量%未満であると、前記混合が困難となることがあり、16質量%を超えると、前記混合において前記固形食材がふやけ、つぶれてしまったり、また、後述の焼成工程に要する時間が長くなり、前記固形食材の風味が損なわれてしまったり、生産性が低下してしまったりすることがある。一方、前記好ましい範囲内であると、前記混合において前記固形食材がふやけることを抑制することができ、また、後述の焼成工程を短時間とすることができ、固形食材の風味の低減を抑制することができる点で、有利である。
前記混合工程では、後述する取出し工程で成形物を型から剥離しやすくすることができる点で、前記混合物に食用油脂を添加することが好ましい。
前記食用油脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、食用植物油脂、食用動物油脂、食用精製加工油脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、前記混合物の表面への塗布性と分散性に優れる点で、融点が20℃〜40℃の固形脂が好ましい。
前記食用油脂は、市販品を用いることができる。
前記食用油脂の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、後述する取出し工程で成形物を型から剥離しやすくすることができる点で、前記混合物全体にいきわたる量とすることが好ましい。
<<成形工程>>
前記成形工程は、前記混合物を型に充填し、成形物を得る工程である。
−型−
前記型としては、特に制限はなく、目的とする食品の形状に応じて適宜選択することができ、例えば、大きさが一口サイズで、形状が半球状の型、大きさが一口サイズで、形状が薄い厚みの円形状の型、大きさが一口サイズで、形状がかまぼこ形状の型、バー形状の型などが挙げられる。
本発明の方法によれば、任意の形状の食品を製造することができる。
−充填−
前記充填の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、手で充填する方法、すり込み成形機を用いる方法などが挙げられる。
前記成形工程では、ふわっとした食感を維持しつつ成形することができ、大量生産することができる点で、すり込み成形機を用いる方法が好ましい。
前記充填する混合物の密度としては、特に制限はなく、食品に求める食感などに応じて適宜選択することができる。
<<取出し工程>>
前記取出し工程は、前記成形物を型から取り出す工程である。
本発明の方法によれば、前記取り出した成形物が、運搬時の振動などにより崩れることを抑制することができ、保形性に優れる。
前記取り出す方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができる。
<<焼成工程>>
前記焼成工程は、前記取り出した成形物を焼成する工程である。
前記焼成の方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができ、例えば、オーブンを用いる方法、熱風乾燥機を用いる方法などが挙げられる。これらの中でも、設備に要するコストが低く、また、前記固形食材が、大きな食材や厚みのある食材であっても対応することができる点で、オーブンを用いる方法が好ましい。
前記オーブンは、電気式であってもよいし、ガス式であってもよい。
前記焼成の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記焼成の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明の製造方法によれば、短時間で焼成することができるので、前記固形食材の風味の低減を抑制することができる。
<<その他の工程>>
前記その他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結着液調製工程、原料組成物調製工程、冷却工程などが挙げられる。
−結着液調製工程−
前記結着液調製工程は、前記結着液を調製する工程である。
前記調製の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水に、前記カルシウム反応性増粘多糖類、必要に応じて、前記結着液におけるその他の成分を添加し、混合することにより、調製することができる。
−原料組成物調製工程−
前記原料組成物調製工程は、前記原料組成物を調製する工程である。
前記調製の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記固形食材と、必要に応じて、前記原料組成物におけるその他の成分とを混合することにより、調製することができる。
−冷却工程−
前記冷却工程は、前記焼成した食品を冷却する工程である。
前記冷却の方法、温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明の固形食材を結着させた食品の製造方法によれば、熱風乾燥機のような大掛かりな設備を用いなくても、すり込みタイプの成形機のような簡易な装置を用いて固形食材を結着させた食品を製造することができる。
本発明の固形食材を結着させた食品は、優れた硬度を有し、崩れにくく、かつ、固形食材の風味や食感を有する。
前記固形食材を結着させた食品の水分値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、Kett赤外水分計で測定(105℃、15分間)した値で4%以下が好ましく、3%程度がより好ましい。
前記固形食材を結着させた食品の硬度としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、テクスチャーアナライザーを用い、径が36mmのプランジャーで5mm/秒の速さで食品全体を圧縮させて測定した際の荷重の平均値が、2kg〜5kgが好ましく、3kg〜4kgがより好ましい。
前記固形食材を結着させた食品の、テクスチャーアナライザーを用い、径が36mmのプランジャーで5mm/秒の速さで食品全体を圧縮させて測定した際のピークの個数としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、適度な硬さを有しつつ、固形食材の素材感がより感じられやすい点で、40個〜90個が好ましく、50個〜80個がより好ましく、60個〜70個がより好ましい。
以下に実施例、比較例、及び試験例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例等に何ら限定されるものではない。
(実施例1:固形食材を結着させた食品−1−1)
<結着液調製工程>
下記組成の結着液を調製した。
・ ペクチン ・・・ 0.5質量%
(LM SN 325C、ユニテックフーズ株式会社製)
・ プルラン(プルラン、株式会社林原製) ・・・ 10.0質量%
・ トレハロース(トレハ、株式会社林原製) ・・・ 6.0質量%
・ 水 ・・・ 83.5質量%
<原料組成物調製工程>
ボールに、グラノーラと、5mm〜10mmの立方体状のドライフルーツと、原料組成物全体に対して0.5質量%の乳酸カルシウムと、原料組成物全体に対して5質量%の加工デンプン(ファリネックスAG100、松谷化学工業株式会社製)とを投入し、混合して原料組成物とした。
なお、前記グラノーラと、前記5mm〜10mmの立方体状のドライフルーツとの混合物のかさ比重は、30g/100mLとした。
<混合工程>
前記原料組成物に対して12質量%の前記結着液を加え、混合した。
前記混合後、食用油脂(ジュアンフロリア、太陽油脂株式会社製)を加え、全体にいきわたるように混合した。
<成形工程>
前記食用油脂を加えた混合物を、大きさが一口サイズで、形状が半球状の型に手で充填し、均一に圧力をかけた。
<取出し工程>
前記型から成形物を取り出した。
<焼成工程>
前記成形物を天板に並べ、オーブンで焼成した(上火:130℃、下火:130℃、18分間)。
<冷却工程>
前記焼成後、室温まで冷却し、固形食材を結着させた食品−1−1を得た。前記固形食材を結着させた食品−1−1の一例を図5に示す。図5に示されるように、前記固形食材を結着させた食品−1−1は、外観からもグラノーラの素材感が感じられた。
前記固形食材を結着させた食品−1−1の水分値を、Kett赤外水分計で測定(105℃、15分間)したところ、3%程度であった。
<評価:形状>
前記固形食材を結着させた食品−1−1は、取出し工程後オーブンへ運ぶ際に、その形状が崩れることがなく、成形工程で成形した形状を維持しており、保形性に優れていた。
<評価:硬度>
前記固形食材を結着させた食品−1−1を50cm程度の高さから落下させたところ、崩れることがなく、焼成工程後の形状を維持していた。
<評価:食感及び風味>
前記固形食材を結着させた食品−1−1は、グラノーラのサクサク、カリカリした食感が感じられるものであった。また、グラノーラの風味も維持されていた。
(比較例1:固形食材を結着させた食品−1−2)
<結着液調製工程>
実施例1の結着液調製工程において、ペクチンを用いず、トレハロースの量を6.0質量%から6.5質量%に変えた以外は、実施例1と同様にして結着液を調製した。
<原料組成物調製工程>
実施例1の原料組成物調製工程において、乳酸カルシウムを用いなかった以外は、実施例1と同様にして原料組成物を調製した。
<混合工程、成形工程、取出し工程、焼成工程、冷却工程>
実施例1と同様にして、混合工程、成形工程、取出し工程、焼成工程、及び冷却工程を行い、固形食材を結着させた食品−1−2を得た。
前記固形食材を結着させた食品−1−2の水分値を、Kett赤外水分計で測定(105℃、15分間)したところ、3%程度であった。
<評価:形状>
前記固形食材を結着させた食品−1−2は、取出し工程後オーブンへ運ぶ際に、その形状が崩れやすく、成形工程で成形した形状を維持することが困難であり、前記実施例1と比べて保形性に劣るものであった。
<評価:硬度>
前記固形食材を結着させた食品−1−2を50cm程度の高さから落下させたところ、崩れることがなく、焼成工程後の形状を維持していた。
<評価:食感及び風味>
前記固形食材を結着させた食品−1−2は、グラノーラのサクサク、カリカリした食感が感じられるものであった。また、グラノーラの風味も維持されていた。
(実施例2:固形食材を結着させた食品−2−1)
<結着液調製工程>
下記組成の結着液を調製した。
・ ペクチン ・・・ 0.3質量%
(LM SN 325C、ユニテックフーズ株式会社製)
・ プルラン(プルラン、株式会社林原製) ・・・ 2.5質量%
・ トレハロース(トレハ、株式会社林原製) ・・・ 7.2質量%
・ 水 ・・・ 90.0質量%
<原料組成物調製工程>
実施例1と同様にして、原料組成物を調製した。
<混合工程>
横型ミキサー(二軸、一般的に焼き菓子用の生地の製造に用いられるミキサー)に、前記原料組成物と、前記原料組成物に対して11質量%の前記結着液を加え、混合した。
前記混合後、食用油脂(ジュアンフロリア、太陽油脂株式会社製)を加え、全体にいきわたるように混合した。
<成形工程>
前記成形工程及び後述の取出し工程では、クランチチョコレートの成形に一般的に用いられるすり込み成形機を使用した。
具体的には、前記食用油脂を加えた混合物を、大きさが一口サイズで、形状が半球状の型に落とし込み、次いで、すり込み充填機で前記型内にすり込み、その後、上面スクレーパーで前記型の上面をスクレープした。
<取出し工程>
前記型から成形物を取り出した。
<焼成工程>
実施例1と同様にして、前記成形物をオーブンで焼成した。
<冷却工程>
前記焼成後、室温まで冷却し、固形食材を結着させた食品−2−1を得た。
前記固形食材を結着させた食品−2−1の水分値を、Kett赤外水分計で測定(105℃、15分間)したところ、3%程度であった。
前記固形食材を結着させた食品−2−1は、前記実施例1と同様に、外観からもグラノーラの素材感が感じられた。
<評価:形状>
前記固形食材を結着させた食品−2−1は、取出し工程後オーブンへ運ぶ際に、その形状が崩れることがなく、成形工程で成形した形状を維持しており、保形性に優れていた。
<評価:硬度>
前記固形食材を結着させた食品−2−1を50cm程度の高さから落下させたところ、崩れることがなく、焼成工程後の形状を維持していた。
<評価:食感及び風味>
前記固形食材を結着させた食品−2−1は、グラノーラのサクサク、カリカリした食感が感じられるものであった。また、グラノーラの風味も維持されていた。
前記実施例2の結果から、本発明の製造方法によれば、結着液の組成を調整することで、固形食材を結着させた食品を大量に生産可能であることが示された。
(比較例2:固形食材を結着させた食品−2−2)
<結着液調製工程>
実施例2の結着液調製工程において、ペクチンを用いず、トレハロースの量を7.2質量%から7.5質量%に変えた以外は、実施例2と同様にして結着液を調製した。
<原料組成物調製工程>
実施例1の原料組成物調製工程において、乳酸カルシウムを用いなかった以外は、実施例1と同様にして原料組成物を調製した。
<混合工程、成形工程、取出し工程、焼成工程、冷却工程>
実施例2と同様にして、混合工程、成形工程、取出し工程、焼成工程、及び冷却工程を行い、固形食材を結着させた食品−2−2を得た。
前記固形食材を結着させた食品−2−2の水分値を、Kett赤外水分計で測定(105℃、15分間)したところ、3%程度であった。
<評価:形状>
前記固形食材を結着させた食品−2−2は、取出し工程後オーブンへ運ぶ際に、その形状が崩れやすく、成形工程で成形した形状を維持することが困難であり、前記実施例2と比べて保形性に劣るものであった。
<評価:硬度>
前記固形食材を結着させた食品−2−2を50cm程度の高さから落下させたところ、崩れることがなく、焼成工程後の形状を維持していた。
<評価:食感及び風味>
前記固形食材を結着させた食品−2−2は、グラノーラのサクサク、カリカリした食感が感じられるものであった。また、グラノーラの風味も維持されていた。
(実施例3:固形食材を結着させた食品−3)
<結着液調製工程>
実施例1と同様にして、結着液を調製した。
<原料組成物調製工程>
実施例1の原料組成物調製工程において、加工デンプンを用いなかった以外は、実施例1と同様にして原料組成物を調製した。
<混合工程、成形工程、取出し工程、焼成工程、冷却工程>
実施例1と同様にして、混合工程、成形工程、取出し工程、焼成工程、及び冷却工程を行い、固形食材を結着させた食品−3を得た。
前記固形食材を結着させた食品−3の水分値を、Kett赤外水分計で測定(105℃、15分間)したところ、3%程度であった。
前記固形食材を結着させた食品−3は、前記実施例1と同様に、外観からもグラノーラの素材感が感じられた。
<評価:形状>
前記固形食材を結着させた食品−3は、取出し工程後オーブンへ運ぶ際に、その形状が崩れることがなく、成形工程で成形した形状を維持しており、保形性に優れていた。
<評価:硬度>
前記固形食材を結着させた食品−3を50cm程度の高さから落下させたところ、崩れることがなく、焼成工程後の形状を維持していた。
<評価:食感及び風味>
前記固形食材を結着させた食品−3は、グラノーラの風味は維持されていたものの、実施例1の固形食材を結着させた食品−1−1と比較して、サクサク、カリカリした食感が若干弱いものであった。
前記実施例3の結果から、加工デンプンの量を調節することにより、固形食材を結着させた食品の硬度を維持しつつ、食感を調節可能であることが示された。
(実施例4:固形食材を結着させた食品−4)
<結着液調製工程>
実施例1と同様にして、結着液を調製した。
<原料組成物調製工程>
実施例1と同様にして、原料組成物を調製した。
<混合工程>
実施例1において、食用油脂を用いなかった以外は、実施例1と同様にして混合工程を行った。
<成形工程、取出し工程、焼成工程、冷却工程>
実施例1と同様にして、成形工程、取出し工程、焼成工程、及び冷却工程を行い、固形食材を結着させた食品−4を得た。
前記固形食材を結着させた食品−4の水分値を、Kett赤外水分計で測定(105℃、15分間)したところ、3%程度であった。
前記固形食材を結着させた食品−4は、前記実施例1と同様に、外観からもグラノーラの素材感が感じられた。
<評価:形状>
前記固形食材を結着させた食品−4は、取出し工程後オーブンへ運ぶ際に、その形状が崩れることがなく、成形工程で成形した形状を維持しており、保形性に優れていた。
<評価:硬度>
前記固形食材を結着させた食品−4を50cm程度の高さから落下させたところ、崩れることがなく、焼成工程後の形状を維持していた。
<評価:食感及び風味>
前記固形食材を結着させた食品−4は、グラノーラのサクサク、カリカリした食感が感じられるものであった。また、グラノーラの風味も維持されていた。
前記実施例4では、混合工程で食用油脂を用いなかったため、成形物がややべたつき、取出し工程における取り出しがやや困難であった。したがって、食用油脂を用いることにより、固形食材を結着させた食品の硬度及び食感を維持しつつ、製造を効率良く行えることが示された。
(実施例5:固形食材を結着させた食品−5)
<結着液調製工程>
実施例1と同様にして、結着液を調製した。
<原料組成物調製工程>
実施例1と同様にして、原料組成物を調製した。
<混合工程>
実施例1と同様にして混合工程を行った。
<成形工程>
実施例1において、大きさが一口サイズで、形状が半球状の型を用いていた点を、大きさが一口サイズで、形状が薄い厚みの円形状の型に変えた以外は、実施例1と同様にして成形工程を行った。
<取出し工程、焼成工程、冷却工程>
実施例1と同様にして、取出し工程、焼成工程、及び冷却工程を行い、固形食材を結着させた食品−5を得た。前記固形食材を結着させた食品−5の一例を図6に示す。図6に示されるように、前記固形食材を結着させた食品−5は、外観からもグラノーラの素材感が感じられた。
前記固形食材を結着させた食品−5の水分値を、Kett赤外水分計で測定(105℃、15分間)したところ、3%程度であった。
<評価:形状>
前記固形食材を結着させた食品−5は、取出し工程後オーブンへ運ぶ際に、その形状が崩れることがなく、成形工程で成形した形状を維持しており、保形性に優れていた。
<評価:硬度>
前記固形食材を結着させた食品−5を50cm程度の高さから落下させたところ、崩れることがなく、焼成工程後の形状を維持していた。
<評価:食感及び風味>
前記固形食材を結着させた食品−5は、グラノーラのサクサク、カリカリした食感が感じられるものであった。また、グラノーラの風味も維持されていた。
(実施例6:固形食材を結着させた食品−6)
<結着液調製工程>
実施例1と同様にして、結着液を調製した。
<原料組成物調製工程>
実施例1と同様にして、原料組成物を調製した。
<混合工程>
実施例1と同様にして混合工程を行った。
<成形工程>
実施例1において、大きさが一口サイズで、形状が半球状の型を用いていた点を、大きさが一口サイズで、形状がかまぼこ形状の型に変えた以外は、実施例1と同様にして成形工程を行った。
<取出し工程、焼成工程、冷却工程>
実施例1と同様にして、取出し工程、焼成工程、及び冷却工程を行い、固形食材を結着させた食品−6を得た。前記固形食材を結着させた食品−6の一例を図7に示す。図7に示されるように、前記固形食材を結着させた食品−6は、外観からもグラノーラの素材感が感じられた。
前記固形食材を結着させた食品−6の水分値を、Kett赤外水分計で測定(105℃、15分間)したところ、3%程度であった。
<評価:形状>
前記固形食材を結着させた食品−6は、取出し工程後オーブンへ運ぶ際に、その形状が崩れることがなく、成形工程で成形した形状を維持しており、保形性に優れていた。
<評価:硬度>
前記固形食材を結着させた食品−6を50cm程度の高さから落下させたところ、崩れることがなく、焼成工程後の形状を維持していた。
<評価:食感及び風味>
前記固形食材を結着させた食品−6は、グラノーラのサクサク、カリカリした食感が感じられるものであった。また、グラノーラの風味も維持されていた。
(実施例7:固形食材を結着させた食品−7)
<結着液調製工程>
実施例1と同様にして、結着液を調製した。
<原料組成物調製工程>
実施例1と同様にして、原料組成物を調製した。
<混合工程>
実施例1と同様にして混合工程を行った。
<成形工程>
実施例1において、大きさが一口サイズで、形状が半球状の型を用いていた点を、バー形状の型に変えた以外は、実施例1と同様にして成形工程を行った。
<取出し工程、焼成工程、冷却工程>
実施例1と同様にして、取出し工程、焼成工程、及び冷却工程を行い、固形食材を結着させた食品−7を得た。前記固形食材を結着させた食品−7の一例を図8に示す。図8に示されるように、前記固形食材を結着させた食品−7は、外観からもグラノーラの素材感が感じられた。
前記固形食材を結着させた食品−7の水分値を、Kett赤外水分計で測定(105℃、15分間)したところ、3%程度であった。
<評価:形状>
前記固形食材を結着させた食品−7は、取出し工程後オーブンへ運ぶ際に、その形状が崩れることがなく、成形工程で成形した形状を維持しており、保形性に優れていた。
<評価:硬度>
前記固形食材を結着させた食品−7を50cm程度の高さから落下させたところ、崩れることがなく、焼成工程後の形状を維持していた。
<評価:食感及び風味>
前記固形食材を結着させた食品−7は、グラノーラのサクサク、カリカリした食感が感じられるものであった。また、グラノーラの風味も維持されていた。
(実施例8:固形食材を結着させた食品−8)
<結着液調製工程>
実施例1と同様にして、結着液を調製した。
<原料組成物調製工程>
実施例1において、グラノーラと、5mm〜10mmの立方体状のドライフルーツとの混合物のかさ比重を30g/100mLとしていた点を、28g/100mLに変えた以外は、実施例1と同様にして原料組成物調製工程を行った。
<混合工程、成形工程、取出し工程、焼成工程、冷却工程>
実施例1と同様にして、混合工程、成形工程、取出し工程、焼成工程、及び冷却工程を行い、固形食材を結着させた食品−8を得た。前記固形食材を結着させた食品−8の一例を図9に示す。図9に示されるように、前記固形食材を結着させた食品−8は、外観からもグラノーラの素材感が感じられた。
前記固形食材を結着させた食品−8の水分値を、Kett赤外水分計で測定(105℃、15分間)したところ、3%程度であった。
<評価:形状>
前記固形食材を結着させた食品−8は、取出し工程後オーブンへ運ぶ際に、その形状が崩れることがなく、成形工程で成形した形状を維持しており、保形性に優れていた。
<評価:硬度>
前記固形食材を結着させた食品−8を50cm程度の高さから落下させたところ、崩れることがなく、焼成工程後の形状を維持していた。
<評価:食感及び風味>
前記固形食材を結着させた食品−8は、グラノーラのサクサク、カリカリした食感が感じられるものであった。また、グラノーラの風味も維持されていた。
(実施例9:固形食材を結着させた食品−9)
<結着液調製工程>
下記組成の結着液を調製した。
・ ペクチン ・・・ 0.5質量%
(LM SN 325C、ユニテックフーズ株式会社製)
・ プルラン(プルラン、株式会社林原製) ・・・ 5.0質量%
・ トレハロース(トレハ、株式会社林原製) ・・・ 3.0質量%
・ 水 ・・・ 91.5質量%
<原料組成物調製工程>
実施例1において、グラノーラと、5mm〜10mmの立方体状のドライフルーツとの混合物のかさ比重を30g/100mLとしていた点を、かさ比重が51g/100mLのアーモンド(メッシュサイズ6M)に変えた以外は、実施例1と同様にして原料組成物調製工程を行った。
<混合工程>
実施例1において、原料組成物に対して12質量%の結着液を加えていた点を、25質量%に変えた以外は、実施例1と同様にして混合工程を行った。
<成形工程、取出し工程、焼成工程、冷却工程>
実施例1と同様にして、成形工程、取出し工程、焼成工程、及び冷却工程を行い、固形食材を結着させた食品−9を得た。前記固形食材を結着させた食品−9の一例を図10に示す。図10に示されるように、前記固形食材を結着させた食品−9は、外観からもアーモンドの素材感が感じられた。
前記固形食材を結着させた食品−9の水分値を、Kett赤外水分計で測定(105℃、15分間)したところ、3%程度であった。
<評価:形状>
前記固形食材を結着させた食品−9は、取出し工程後オーブンへ運ぶ際に、その形状が崩れることがなく、成形工程で成形した形状を維持しており、保形性に優れていた。
<評価:硬度>
前記固形食材を結着させた食品−9を50cm程度の高さから落下させたところ、崩れることがなく、焼成工程後の形状を維持していた。
<評価:食感及び風味>
前記固形食材を結着させた食品−9は、アーモンドの食感が感じられるものであった。また、アーモンドの風味も維持されていた。
(実施例10:固形食材を結着させた食品−10)
<結着液調製工程>
下記組成の結着液を調製した。
・ ペクチン ・・・ 0.5質量%
(LM SN 325C、ユニテックフーズ株式会社製)
・ プルラン(プルラン、株式会社林原製) ・・・ 5.0質量%
・ トレハロース(トレハ、株式会社林原製) ・・・ 3.0質量%
・ 水 ・・・ 91.5質量%
<原料組成物調製工程>
実施例1において、グラノーラと、5mm〜10mmの立方体状のドライフルーツとの混合物のかさ比重を30g/100mLとしていた点を、かさ比重が49g/100mLのアーモンド(4つ割)に変えた以外は、実施例1と同様にして原料組成物調製工程を行った。
<混合工程>
実施例1において、原料組成物に対して12質量%の結着液を加えていた点を、25質量%に変えた以外は、実施例1と同様にして混合工程を行った。
<成形工程、取出し工程、焼成工程、冷却工程>
実施例1と同様にして、成形工程、取出し工程、焼成工程、及び冷却工程を行い、固形食材を結着させた食品−10を得た。前記固形食材を結着させた食品−10の一例を図11に示す。図11に示されるように、前記固形食材を結着させた食品−10は、外観からもアーモンドの素材感が感じられた。
前記固形食材を結着させた食品−10の水分値を、Kett赤外水分計で測定(105℃、15分間)したところ、3%程度であった。
<評価:形状>
前記固形食材を結着させた食品−10は、取出し工程後オーブンへ運ぶ際に、その形状が崩れることがなく、成形工程で成形した形状を維持しており、保形性に優れていた。
<評価:硬度>
前記固形食材を結着させた食品−10を50cm程度の高さから落下させたところ、崩れることがなく、焼成工程後の形状を維持していた。
<評価:食感及び風味>
前記固形食材を結着させた食品−10は、アーモンドの食感が感じられるものであった。また、アーモンドの風味も維持されていた。
(実施例11:固形食材を結着させた食品−11)
<結着液調製工程>
下記組成の結着液を調製した。
・ ペクチン ・・・ 0.3質量%
(LM SN 325C、ユニテックフーズ株式会社製)
・ プルラン(プルラン、株式会社林原製) ・・・ 3.5質量%
・ トレハロース(トレハ、株式会社林原製) ・・・ 6.7質量%
・ 水 ・・・ 89.5質量%
<原料組成物調製工程>
実施例1と同様にして、原料組成物を調製した。
<混合工程>
実施例1において、原料組成物に対して12質量%の結着液を加えていた点を、18質量%に変えた以外は、実施例1と同様にして混合工程を行った。
<成形工程、取出し工程>
実施例1と同様にして、成形工程、及び取出し工程を行った。
<焼成工程>
実施例1において、焼成時間を18分間としていた点を、27分間に変えた以外は、実施例1と同様にして焼成工程を行った。
<冷却工程>
実施例1と同様にして、冷却工程を行い、固形食材を結着させた食品−11を得た。
前記固形食材を結着させた食品−11の水分値を、Kett赤外水分計で測定(105℃、15分間)したところ、3%程度であった。
前記固形食材を結着させた食品−11は、外観からもグラノーラの素材感が感じられたものの、実施例1で得られた固形食材を結着させた食品−1−1と比較すると、色味が暗く濃くなっていた。
<評価:形状>
前記固形食材を結着させた食品−11は、取出し工程後オーブンへ運ぶ際に、その形状が崩れることがなく、成形工程で成形した形状を維持しており、保形性に優れていたものの、混合工程において固形食材が潰れやすい傾向にあった。
<評価:硬度>
前記固形食材を結着させた食品−11を50cm程度の高さから落下させたところ、崩れることがなく、焼成工程後の形状を維持していた。
<評価:食感及び風味>
前記固形食材を結着させた食品−11は、グラノーラのサクサク、カリカリした食感があり、また、グラノーラの風味もあったものの、実施例1で得られた固形食材を結着させた食品−1−1と比較すると、詰まったような食感が感じられ、グラノーラの風味が弱かった。
(試験例1)
テクスチャーアナライザー(英弘精機株式会社製)を用い、以下の試料について測定し、荷重の平均値及びピークの個数を求めた。なお、前記測定は、径が36mmのプランジャーで5mm/秒の速さで試料全体を圧縮させて行った。結果を表1に示す。
<試料>
(1) 実施例1で製造した固形食材を結着させた食品−1−1
(2) 従来の水あめとプルランとを用いて固形食材を結着させた食品(図1参照)
(3) 従来の水あめや融解した砂糖を利用したおこし(図2参照)
(4) 従来のチョコレートを用いて固形食材を固めた食品(図3参照)
前記荷重の平均値は、値が大きいほど試料が硬く崩れにくいことを示す。
前記ピークの個数は、値が大きいほど試料中の固形食材の素材感が感じやすいことを示し、値が小さいほど全体的な均一感があることを示す。
表1の結果から、本発明の食品である試料(1)では、荷重の平均値が3.920kgであり、適度な硬さを有し、かつピークの個数が61.75個であり、固形食材の素材感を感じやすいことが確認された。
一方、試料(2)は硬さが十分ではなく、試料(3)は硬さが硬すぎ、試料(4)は硬さが硬すぎ、また固形食材の素材感が感じられなかった。

Claims (5)

  1. 固形食材を結着させた食品の製造方法であって、
    固形食材と、カルシウム化合物とを含む原料組成物と、カルシウム反応性増粘多糖類を含む結着液とを混合し、混合物を得る工程と、
    前記混合物を型に充填し、成形物を得る工程と、
    前記成形物を型から取り出す工程と、
    前記取り出した成形物を焼成する工程とを含み、
    前記固形食材が、グラノーラを含むことを特徴とする食品の製造方法。
  2. 原料組成物が、加工デンプンを更に含む請求項1に記載の食品の製造方法。
  3. 結着液が、カルシウム反応性増粘多糖類以外の増粘多糖類と、糖類及び糖アルコール類の少なくともいずれかとを更に含む請求項1から2のいずれかに記載の食品の製造方法。
  4. カルシウム反応性増粘多糖類が、ペクチンである請求項1から3のいずれかに記載の食品の製造方法。
  5. カルシウム化合物が、乳酸カルシウムである請求項1から4のいずれかに記載の食品の製造方法。
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