JP2010161998A - 咀嚼・嚥下容易な食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】パンとしての外観を維持したまま、咀嚼・嚥下機能の低下した人、特に、高齢者や病時あるいは回復期、あるいは病後の後遺症の残る人、離乳期の乳幼児等の咀嚼や嚥下機能が不十分な状態の人であっても、咀嚼・嚥下容易な食品を提供する。
【解決手段】穀粉類100質量部に対し、水の質量140質量部以下を含有する生地をイーストまたは膨張剤のいずれかまたは双方を利用して膨張せしめ、焼成処理あるいは加熱処理を行なうと共に、該焼成処理あるいは加熱処理を行った食品の100質量部に対して、液体あるいはゲル状組成物を50〜200質量部浸漬し、硬さが5×10 N/m2以下となる物性を備える。
【選択図】なし

Description

本発明は、咀嚼・嚥下機能の低下した人、特に、高齢者や病時あるいは回復期、あるいは病後の後遺症の残る人、離乳期の乳幼児等の咀嚼や嚥下機能が不十分な状態の人であっても、パンの外観を残した状態を維持したまま、安全且つ容易に咀嚼・嚥下可能な食品に関するものである。
従来、咀嚼・嚥下機能の低下した人が安全に喫食するために、通常の食品に比べて水分含量を多くした食品や、流動性の高い水・茶などの食品にゲル化剤を添加し適度な粘度を付与する方法が提供されている(例えば、特許文献1〜3参照)が、これらの方法は水分が多い食品などに適用範囲が限定されている。
また、咀嚼・嚥下機能の低下した人に対して、安全に喫食するために、軟食、きざみ食、つぶし食などのように食品を加工する方法もあるが、均一な外観により食の楽しみが失われ、食欲の低下や生活の質の低下を招いている。このような中で、食品を粉砕後再成形することで、安全且つ容易に嚥下できる食品でありながら、食の楽しみを向上させる食品の開発も行われている(例えば、特許文献4、5参照)。
また、食の欧米化によりパン食を好む高齢者が増えたにも関わらず、パン類は咀嚼・嚥下機能が低下した人にとっては、誤嚥・窒息の危険性の高いものとして、また、高齢者や咀嚼・嚥下機能の低下した人にとっては危険な食品とされている。
咀嚼・嚥下機能の低下した人に適したパン類に関しては、歯切れが良好で付着性の低い、あるいはソフトな物性の開発が行われている(例えば、特許文献6、7参照)。
しかしながら、これらの技術では、きざみ食やつぶし食程度にまで咀嚼・嚥下機能の低下した人にとっては咀嚼の負担が大きく、さらに誤嚥の危険性があるため、十分に対応できていない。
一方、咀嚼・嚥下機能の低下した人にパンを安全に提供する方法として、パン粥に調理する方法が用いられているが、パンの形状をとどめておらず、パンを喫食する楽しみは失われている。
特開2000−083617 特開2000−191553 特開2004−350680 特開平11−075769 特開2008−141994 特開2006−304692 特開2006−304693
本発明は、パンとしての外観を維持したまま、咀嚼・嚥下機能の低下した人、特に、高齢者や病時あるいは回復期、あるいは病後の後遺症の残る人、離乳期の乳幼児等の咀嚼や嚥下機能が不十分な状態の人であっても、咀嚼・嚥下容易な食品を提供することを目的とするものである。
本発明は、
穀粉類100質量部に対し、水の質量140質量部以下を含有する生地をイーストまたは膨張剤のいずれかまたは双方を利用して膨張せしめ、焼成処理あるいは加熱処理を行なうと共に、該焼成処理あるいは加熱処理を行った食品の100質量部に対して、液体あるいはゲル状組成物を50〜200質量部浸漬し、硬さが5×10 N/m2以下となる物性を備えた、
ことを特徴とし、
または、
上記穀粉類100質量部対し、糖類を0.5〜55質量部含有する、
ことを特徴とし、
または、
上記穀粉類100質量部対し、油脂類を0.5〜45質量部含有する、
ことを特徴とし、
または、
上記穀粉類100質量部対し、例えば増粘多糖類などの増粘安定剤を0.01〜5質量部含有する、
ことを特徴とし、
または、
上記生地を型に入れて焼成した、
ことを特徴とし、
または、
加圧加熱殺菌してなる、
ことを特徴とし、
または、
冷蔵、あるいは冷凍してなる、
ことを特徴とするものである。
本発明の食品は、パンの外観を残した状態を維持したまま、咀嚼・嚥下機能の低下した人、特に、高齢者や病時あるいは回復期、あるいは病後の後遺症の残る人、離乳期の乳幼児等の咀嚼や嚥下機能が不十分な状態の人であっても、咀嚼・嚥下容易な食品を前述した人々に提供することができるとの優れた効果を奏する。
まず、咀嚼・嚥下機能低下者用である本発明の食品に使用する生地について述べる。
本発明で使用するパン生地は、穀粉類100質量部に対し、例えば、吸水40〜140質量部を含有する生地をイーストまたは例えばベーキングパウダー、重曹などの膨張剤のいずれかまたは複数を含有するものである。
上記穀粉類としては、特に限定されるものではないが、小麦粉(薄力粉、中力粉、準強力粉、強力粉)、小麦胚芽、全粒粉、小麦ふすま、デュラム粉、大麦粉、米粉、ライ麦粉、ライ麦全粒粉、大豆粉、ハトムギ粉、でんぷん(コーンスターチ、馬鈴薯でんぷん、タピオカでんぷん、化工でんぷん等)等を挙げることができ、そして、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。また、上記穀粉類としては、市販されているパン類用ミックスを用いてもよい。
上記穀粉類100質量部に対して、例えば吸水40〜140質量部であると記述したが、好ましくは、60〜110質量部である。
吸水が140質量部を超えると、加熱処理後の窯落ちが激しく、咀嚼・嚥下容易な食品として適した物性が得られないからである。
生地に例えば牛乳、全卵、液糖などの水分が多く含まれる液状の成分を添加する場合には、これらの含有する水分も勘案して吸水を調整することが望ましい。
膨張剤としては、イースト、またはベーキングパウダー、重曹などの膨張剤のいずれかまたは複数を含有することが望ましい。十分な生地の膨張が得られれば、特に使用する成分及び使用量に制限はないが、イーストのみを使用する場合、望ましくは穀粉類100質量部に対し0.5〜6質量部である。
上記糖類としては、特に制限されるものではないが、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、乳糖、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖等が挙げられる。本発明で用いる生地では、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
尚、上記糖類は、加糖練乳、ジャム、果汁、フルーツソース、チョコペースト等の、糖類を含有し、生地に均一に混合可能な食品の形態で用いることもできる。
本発明で用いる生地において、上記糖類の含有量は、上記穀粉類100質量部に対し、0.5〜55質量部であり、好ましくは2〜35質量部である。0.5質量部未満であると、加熱後の物性が硬くなるため、咀嚼・嚥下容易な食品として適した物性が得られない。尚、糖類の含有量は、上記糖類を含有する食品を使用する場合は、その純糖類含量で計算する。
上記油脂類としては、特に制限されるものではないが、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、カカオ脂、サル脂、牛脂、豚脂、乳脂、魚油、鯨油等の各種の植物油脂及び動物油脂、並びにこれらに水素添加、分別及びエステル交換から選択された一又は二以上の処理を施した加工油脂や、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)等が挙げられる。本発明で用いる生地では、これらの油脂類の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記油脂類は、通常、油脂類を含有する食品の形態で用いられ、その代表的な例としては、マーガリン、ショートニング、バター、粉末油脂、液状油等の油脂組成物が挙げられるが、その他に、純生クリーム・ホイップ用クリーム(コンパウンドクリーム)・植物性ホイップ用クリーム、クリームチーズ、チョコペースト等の、生地に均一に混合可能な油脂を含有する食品も用いることができる。
本発明で用いる生地において、上記油脂類の含有量は、上記穀粉類100質量部に対し、0.5〜45質量部であり、好ましくは2〜35質量部である。 0.5質量部未満であると、加熱後の物性が硬くなるため、咀嚼・嚥下容易な食品として適した物性が得られない。45質量部を超えると、加熱後の食品の内相にくちゃつきが生じ、咀嚼・嚥下容易な食品として適した物性が得られないからである。
尚、油脂類の含有量は、上記油脂類を含有する食品の形態で使用する場合は、その純油脂含量で計算する。
上記生地は、増粘安定剤を、上記穀粉類100質量部に対し0.01〜5質量部、好ましくは0.05〜3質量部含有するものであることが好ましい。0.01質量部未満であると、均一な気泡の形成が阻害され、ソフトな物性が失われ咀嚼・嚥下容易な食品として適した物性が得られない。
上記増粘安定剤としては、従来から食品に用いられている増粘安定剤を特に制限なく用いることができるが、好ましくは、ゼラチン、分解ゼラチン、アルギン酸、アルギン酸エステル、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸ナトリウム、LMペクチン、海藻抽出物、海藻エキス、寒天、グルコマンナン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ローカストビーンガム、グアーガム及びキサンタンガムの中から選ばれた1種又は2種以上を用いる。
生地に上記増粘安定剤を含有させる方法は、特に限定されず、粉状の増粘安定剤をそのまま、上記の穀粉類、糖類、油脂類等と共に混合して使用する方法、増粘安定剤を水に溶解したものを使用する方法等、適宜選択可能である。
上記生地には、上記の各成分以外に、通常のパン類の生地に使用可能な成分(以下、その他の成分という)を特に限定せず使用することができる。該その他の成分としては、例えば、全卵・卵黄・卵白・乾燥卵白等の卵類、甘味料、着色料、酸化防止剤、デキストリン、カゼイン・ホエー・クリーム・脱脂粉乳・発酵乳・牛乳・全粉乳・ヨーグルト・練乳・全脂練乳・脱脂練乳・濃縮乳等の乳や乳製品、ナチュラルチーズ・プロセスチーズ・ゴーダチーズ・チェダーチーズ等のチーズ類、アルコール類、グリセリン脂肪酸エステル・グリセリン酢酸脂肪酸エステル・グリセリン乳酸脂肪酸エステル・グリセリンコハク酸脂肪酸エステル・グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル・ソルビタン脂肪酸エステル・ショ糖脂肪酸エステル・ショ糖酢酸イソ酪酸エステル・ポリグリセリン脂肪酸エステル・ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル・プロピレングリコール脂肪酸エステル・ステアロイル乳酸カルシウム・ステアロイル乳酸ナトリウム・ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド・卵黄レシチン、大豆レシチン等の乳化剤、無機塩類、食塩、イーストフード、生地改良剤、チョコチップ等のカカオ及びカカオ製品、コーヒー及びコーヒー製品、ハーブ、豆類、小麦蛋白や大豆蛋白といった植物蛋白、保存料、苦味料、酸味料、pH調整剤、日持ち向上剤、果実、調味料、香辛料、香料、野菜類・肉類・魚介類等の食品素材、コンソメ・ブイヨン等の植物及び動物エキス、食品添加物等が挙げられる。これらのその他の成分は、本発明の目的を損なわない限り、任意に使用することができるが、好ましくは生地中において、穀粉類100質量部に対し、合計で100質量部以下となる範囲で使用する。
本発明の食品は、通常のパン類の製造方法、ストレート法、中種法、湯種法、長時間中種法、100%中種法、水種法、速成法、ノータイム法、あるいは菓子類の製造方法であるオールインミックス法、シュガーバッター法等の各種製造方法から適宜選択可能である。
イーストを使用した場合は適宜ホイロをとった後、ベーキングパウダー、重曹などの膨張剤のみを使用した場合は生地製造後、例えば焼成、高周波加熱、蒸し等の加熱処理を行うことにより、きめ細かいスポンジ状の内相を備えたパン様の食品となる。
上記生地を、型に入れて焼成することにより、通常のパン生地に比較して吸水が多い生地であっても、分割成形等の工程に問題を生ずることなく、通常のプルマン型食パン様の形状に焼成することが可能である。
上記加熱処理を行った食品を必要に応じて適宜の大きさにスライス等の加工を行った後、100質量部に対して、例えば水、シロップ、コンソメスープ等の液体、あるいは例えばゼラチン溶液、寒天溶液などのゲル状組成物を50〜200質量部浸漬することにより、焼成した場合に形成されるクラスト部分においても、硬さが5×10 N/m2以下となる物性を備えた咀嚼・嚥下容易な食品を製造することができる。食品を浸漬する水、シロップ、コンソメスープ等の液体、あるいは例えばゼラチン溶液、寒天溶液などのゲル状組成物は、75〜150質量部が望ましい。50質量部以下の場合、浸漬が不十分となり硬さが5×10
N/m2以下とならない恐れがある。
このようにして得られた食品は、加熱処理後の粉砕やパン粥製造時のような組織を破壊する工程を必要とすることなく、厚生労働省が定める高齢者用食品の表示許可基準(5×10 N/m2以下)を満たす物性となり、咀嚼・嚥下機能の低下した人、特に、高齢者や病時あるいは回復期、あるいは病後の後遺症の残る人、離乳期の乳幼児等の咀嚼や嚥下機能が不十分な状態の人であっても、パンの外観を残した状態を維持したまま、安全且つ容易に咀嚼・嚥下可能な食品を提供することができる。
この食品は包装後、加圧加熱殺菌、あるいは冷蔵または冷凍保存により長期保存することも可能である。
次に、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限を受けるものではない。
〔実施例1〕咀嚼・嚥下容易な食品の製造
小麦粉85質量部、でんぷん15質量部、糖類8質量部、油脂10質量部、脱脂粉乳3質量部、食塩2質量部、生イースト3質量部、増粘安定剤0.2質量部、パン改良剤0.3質量部、水75質量部をミキサーに投入し、低速で2分、中速で2分混合し、焼成用の型に入れた後、温度摂氏38度、相対湿度85%で1時間ホイロを取り、温度摂氏210度に設定したオーブンで30分焼成し、パン様の食品を得た。冷却後、厚さ18.5mmにスライスし、食品100質量部に対し水100質量部を浸漬させることにより、咀嚼・嚥下容易な食品を得た。
上記のようにして得られた咀嚼・嚥下容易な食品の硬さをクリープメーター物性試験システム(RE2−3305S 株式会社 山電製)で測定した。
硬さの測定方法は、厚生労働省の定める高齢者用食品の表示許可基準の取り扱いについての別紙、高齢者用食品の試験方法に従って実施した。
得られた食品の硬さは、クラム部分で1.8×10 N/m2、クラスト部分でも4.8×10 N/m2と厚生労働省の定める高齢者用食品の表示許可基準の5×10 N/m2以下であった。
〔実施例2〕咀嚼・嚥下容易な食品の製造
小麦粉85質量部、でんぷん15質量部、糖類35質量部、油脂20質量部、液卵黄20質量部、脱脂粉乳3質量部、食塩1.8質量部、生イースト7質量部、増粘安定剤0.2質量部、パン改良剤0.3質量部、水55質量部をミキサーに投入し、低速で2分、中速で2分混合し、焼成用の型に入れた後、温度摂氏38度、相対湿度85%で1時間ホイロを取り、温度摂氏210度に設定したオーブンで30分焼成し、パン様の食品を得た。冷却後、厚さ18.5mmにスライスし、食品100質量部に対し水100質量部を浸漬させることにより、咀嚼・嚥下容易な食品を得た。
上記のようにして得られた咀嚼・嚥下容易な食品の硬さをクリープメーター物性試験システム(RE2−3305S 株式会社 山電製)で測定した。硬さの測定方法は、厚生労働省の定める高齢者用食品の表示許可基準の取り扱いについての別紙、高齢者用食品の試験方法に従って実施した。
得られた食品の硬さは、クラム部分で2.8×10 N/m2、クラスト部分でも2.6×10 N/m2と厚生労働省の定める高齢者用食品の表示許可基準の5×10 N/m2以下であった。
〔比較例1〕通常のプルマンブレッドの製造
小麦粉60質量部、生イースト1質量部、パン改良剤0.1質量部、及び水34質量部をミキサーボウルに投入し、フックを使用し、低速で2分、中速で2分混合し、中種生地を得た。捏ね上げ温度は摂氏24度であった。この中種生地を生地ボックスに入れ、温度摂氏28度、相対湿度85%の恒温室で、4時間中種醗酵を行なった。終点温度は摂氏29度であった。この中種醗酵の終了した生地を再びミキサーボウルに投入し、さらに、小麦粉40質量部、食塩1.9質量部、脱脂粉乳2質量部、上白糖5質量部及び水27質量部を添加し、低速で3分、中速で3分ミキシングした。ここで練込油脂(マーガリン:油分含量80質量%)5質量部を投入し、フックを使用し、低速で3分、中速で3分、高速で1分ミキシングを行ない、穀粉類100質量部に対し、糖類含量が5質量部、油脂含量が4質量部である一般的な食パン生地を得た。得られた食パン生地の捏ね上げ温度は摂氏28度であった。ここで、フロアタイムを30分とった後、230gに分割・丸目を行なった。次いで、ベンチタイムを20分とった後、モルダー成形し、6本をU字にして3斤型プルマン型に入れ、温度摂氏38度、相対湿度85%で1時間ホイロを取り、温度摂氏210度に設定したオーブンで30分焼成し、プルマンブレッドを得た。
上記のようにして得られた通常のプルマンブレッドの硬さをクリープメーター物性試験システム(RE2−3305S 株式会社 山電製)で測定した。硬さの測定方法は、厚生労働省の定める高齢者用食品の表示許可基準の取り扱いについての別紙、高齢者用食品の試験方法に従って実施した。
通常のプルマンブレッドの硬さは、クラム部分で1.3×10 N/m2、クラスト部分では5.4×10 N/m2と厚生労働省の定める高齢者用食品の表示許可基準の5×10 N/m2よりも大きく、咀嚼・嚥下機能の低下した人には安全且つ容易に咀嚼・嚥下可能とは言いがたいものであった。
また、本発明と同様に通常のプルマンブレッド100質量部に対し水100質量部を浸漬させた後、上記と同じ方法で硬さを測定したところ、クラム部分で7.2×10 N/m2、クラスト部分では2.5×10 N/m2と厚生労働省の定める高齢者用食品の表示許可基準の5×10 N/m2よりも大きく、同様の処理によっても咀嚼・嚥下機能の低下した人には安全且つ容易に咀嚼・嚥下可能とは言いがたいものであった。
以上の結果から、本発明で得られた食品は、パンとしての外観を維持したまま、咀嚼・嚥下機能の低下した人、特に、高齢者や病時あるいは回復期、あるいは病後の後遺症の残る人、離乳期の乳幼児等の咀嚼や嚥下機能が不十分な状態の人であっても、咀嚼・嚥下容易な食品であるといえる。
本発明により、パンとしての外観を維持したまま、咀嚼・嚥下機能の低下した人、特に、高齢者や病時あるいは回復期、あるいは病後の後遺症の残る人、離乳期の乳幼児等の咀嚼や嚥下機能が不十分な状態の人であっても、咀嚼・嚥下容易な食品を提供することができる。この食品に対し、厚生労働省の定める高齢者用食品の表示許可基準を満たす物性の食品、例えば高齢者用食品として提供されている惣菜系食品や適当な粘度のある野菜ピューレ等をかけて栄養バランスの良い食事として提供することができる。あるいはジャム、フルーツソース、カスタードクリーム、チョコレートソース等の甘味のあるソース類をかけて提供することで、安全且つ容易に咀嚼・嚥下可能なデザート類を提供することができ、咀嚼・嚥下機能の低下した人の生活の質の向上に寄与できる。

Claims (7)

  1. 穀粉類100質量部に対し、水の質量140質量部以下を含有する生地をイーストまたは膨張剤のいずれかまたは双方を利用して膨張せしめ、焼成処理あるいは加熱処理を行なうと共に、該焼成処理あるいは加熱処理を行った食品の100質量部に対して、液体あるいはゲル状組成物を50〜200質量部浸漬し、硬さが5×10 N/m2以下となる物性を備えた、
    ことを特徴とする咀嚼・嚥下容易な食品。
  2. 上記穀粉類100質量部対し、糖類を0.5〜55質量部含有する、
    ことを特徴とする請求項1記載の咀嚼・嚥下容易な食品。
  3. 上記穀粉類100質量部対し、油脂類を0.5〜45質量部含有する、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の咀嚼・嚥下容易な食品。
  4. 上記穀粉類100質量部対し、例えば増粘多糖類などの増粘安定剤を0.01〜5質量部含有する、
    ことを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の咀嚼・嚥下容易な食品。
  5. 上記生地を型に入れて焼成した、
    ことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3または請求項4記載の咀嚼・嚥下容易な食品。
  6. 加圧加熱殺菌してなる、
    ことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4または請求項5記載の咀嚼・嚥下容易な食品。
  7. 冷蔵、あるいは冷凍してなる、
    ことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5または請求項6記載の咀嚼・嚥下容易な食品。
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