JP5972636B2 - 地下空間構造 - Google Patents

地下空間構造 Download PDF

Info

Publication number
JP5972636B2
JP5972636B2 JP2012077775A JP2012077775A JP5972636B2 JP 5972636 B2 JP5972636 B2 JP 5972636B2 JP 2012077775 A JP2012077775 A JP 2012077775A JP 2012077775 A JP2012077775 A JP 2012077775A JP 5972636 B2 JP5972636 B2 JP 5972636B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
underground space
foundation
underground
space structure
building
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012077775A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013204396A (ja
Inventor
活也 山内
活也 山内
▲鶴▼見 明俊
明俊 ▲鶴▼見
祐治 鎌崎
祐治 鎌崎
中村 剛
中村  剛
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Forestry Co Ltd
JFE Metal Products and Engineering Inc
Original Assignee
Sumitomo Forestry Co Ltd
JFE Metal Products and Engineering Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Forestry Co Ltd, JFE Metal Products and Engineering Inc filed Critical Sumitomo Forestry Co Ltd
Priority to JP2012077775A priority Critical patent/JP5972636B2/ja
Publication of JP2013204396A publication Critical patent/JP2013204396A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5972636B2 publication Critical patent/JP5972636B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Underground Structures, Protecting, Testing And Restoring Foundations (AREA)
  • Lining And Supports For Tunnels (AREA)

Description

本発明は、地下空間構造に関し、特に、地中に設置された複数のライナープレートを用いて地下空間を形成する地下空間構造に関する。
例えば木造の住宅建築物等の比較的小規模な建物では、施工が難しいことや、建築コストが割高になることなどから、地下室等の地下空間が設けられることは極めてまれであるが、近年、例えば住宅用の狭い土地を有効利用できるようにしたり、断熱性や遮音性に優れた屋内空間を形成できるようにすることなどを目的として、比較的小規模な建物においても、地下室等の地下空間を設けることが要望されている。
建物の下方の地中に地下室等の地下空間を形成する場合、地下空間の構造体は、周囲の地盤からの土圧や水圧に耐え得る強固な構造とする必要があるため、例えば基礎地盤を掘削して型枠を設置した後に、コンクリートを打設することで、現場打ちコンクリートによって構築する方法が一般に採用されている。また、現場打ちコンクリートによることなく、地下室の構造体を効率良く構築できるようにしたり、精度良く構築できるようする技術も開発されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
特開昭50−141811号公報 特開昭61−290123号公報 特開平10−280435号公報 特開2002−295170号公報 特開2010−65400号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載の地下構造体や地下室の構築方法によれば、施工は容易になるが、プレキャストコンクリート製の筒体や、相当の厚さを備える鋼板製の筒体や、シールド工法において使用されるセグメントなどを用いて地下室の構造体が構築されるので、工事が大規模になって、建物の全体の建築コストが割高になる。
一方、主に土木工事において用いられる簡易な山留め材料として、ライナープレートが知られている(例えば、特許文献4、特許文献5参照)。ライナープレートは、例えば2.7〜7mm程度の厚さを有する薄い鋼板を、縦方向の断面が波形形状となるように加工すると共に、好ましくは横長矩形の正面形状を備えるように形成された部材である(図3(a)〜(c)、図4(a)〜(c)参照)。また、ライナープレートは、周方向に一体として連設されると共に、上下方向に複数段に連設されることで、円形、長円形、矩形等の上面形状を有する山留め壁を形成できるように、円弧状、直線状、L字状等の上面形状を有している。さらに、ライナープレートの上下の縁部には、ライナープレートを上下方向に接合するための、周方向に延設する周方向接合フランジが、ライナープレートの左右の縁部には、ライナープレートを周方向に接合するための、上下方向に延設する上下方向接合フランジが各々設けられている。
そして、上下方向接合フランジによる縦方向ジョイント部を介して、複数のライナープレートを周方向に環状に接合一体化すると共に、これらを複数段に積み重ねて、周方向接合フランジによる横方向ジョイント部を介して上下方向に接合一体化することで、所望の高さの山留め壁を簡易に且つ容易に形成できるようなっている。このようなライナープレートによる山留め壁は、例えば土木工事における推進工法用立坑や、深礎工法用立坑や、集水井等を構築する際に多用されている。
そして、上述のようなライナープレートによる簡易な山留め壁を、建物の下方の地中に地下空間を設けるための構造体の構成材料として用いることで、建築コストを割高にすることなく、地下空間を形成することが可能になると考えられるが、ライナープレートによる山留め壁は、周囲の地盤からの土圧や水圧を効率良く且つ効果的に支持することが可能である一方で、鉛直方向の荷重に対する支持力を予定したものではないので、上方からの建物の荷重を安定した状態で支持することは困難である。
また、ライナープレートによる山留め壁は、周囲の地盤からの土圧や水圧を簡易に且つ強固に支持できることから、これを例えば上方からの圧縮荷重に対する強度は大きいが、側方からの曲げ荷重に対する強度は小さいコンクリートと組み合わせることで、建物からの荷重を安定した状態で支持できる基礎構造体を、コンクリートの厚さを低減して効率良く地中に形成できるものと考えられる。
本発明は、ライナープレートを用いることで、建築コストを割高にすることなく、周囲の地盤からの土圧や水圧を効果的に支持して簡易に地下空間を形成することができると共に、建物の基礎構造体としても機能して、建物からの荷重を安定した状態で支持することのできる地下空間構造を提供することを目的とする。
本発明は、地中に設置された複数のライナープレートを用いてべた基礎を備える建物に地下空間を形成する地下空間構造であって、コンクリート製の基礎底盤部と周壁部とによって周囲を囲まれることで、建物からの荷重と地盤からの土圧や水圧とを支持した状態で前記地下空間が形成されており、前記コンクリート製の周壁部は、上下方向に複数段に連設された前記ライナープレートを外型枠として、前記基礎底盤部の周縁部から上方に立設して構築された地中埋設部と、該地中埋設部の上端部からさらに上方に立上って構築された立上り基礎部とからなり、該コンクリート製の立上り基礎部に支持されて建物の床部が設けられており、該床部に形成された出入り口から前記地下空間に出入り可能となっており、前記地下空間が形成される領域を除いた部分の建物の基礎は、基礎スラブと立上り部とからなる前記べた基礎となっており、地下空間が形成される区画を囲う前記立上り部は、前記コンクリート製の周壁部の前記立上り基礎部によって構成されている地下空間構造を提供することにより、上記目的を達成したものである。
そして、本発明の地下空間構造は、複数段に連設された前記ライナープレートの外周面に、断熱塗料が塗着されていることが好ましい。
また、本発明の地下空間構造は、複数段に連設された前記ライナープレートの外周面と、これの外周部分の地山との間に断熱性充填材が充填されていることが好ましい。
さらに、本発明の地下空間構造は、複数の前記ライナープレートの接合フランジによるジョイント部に、止水用パッキン材が挟み込まれていることが好ましい。
さらにまた、本発明の地下空間構造は、複数段に連設された前記ライナープレートの横方向ジョイント部には、上下の周方向接合フランジの間に挟み込まれて、補強鋼材が取り付けられていることが好ましい。
また、本発明の地下空間構造は、前記周壁部が、矩形平面形状を有するように形成されていることが好ましい。
本発明の地下空間構造によれば、ライナープレートを用いることで、建築コストを割高にすることなく、周囲の地盤からの土圧や水圧を効果的に支持して簡易に地下空間を形成することができると共に、建物の基礎構造体としても機能して、建物からの荷重を安定した状態で支持することができる。
本発明の好ましい一実施形態に係る地下空間構造の構成を説明する断面図である。 本発明の好ましい一実施形態に係る地下空間構造の構成を説明する、図1のA−Aに沿った平断面図である。 (a)はL形ライナープレートの正面図、(b)は(a)のB−Bに沿った断面図、(c)はL形ライナープレートの上面図である。 (a)はS形ライナープレートの正面図、(b)は(a)のC−Cに沿った断面図、(c)はS形ライナープレートの上面図である。 ライナープレートのジョイント部の構成を説明する断面図である。 ライナープレートのジョイント部を補強鋼材で補強した状態を説明する断面図である。
本発明の好ましい一実施形態に係る地下空間構造10は、図1及び図2に示すように、建物として、例えば住宅建築物の下方の地中に地下空間11を形成するための構造体として採用されたものである。また本実施形態の地下空間構造10は、簡易な山留め材料として用いられて、周囲の地盤からの土圧や水圧を効果的に支持することが可能なライナープレート12,13と、圧縮荷重に対する強度は大きいが側方からの曲げ荷重に対する強度の小さいコンクリートと組み合わせることで、コンクリート製の周壁部14の厚さを低減して、効率良く且つ簡易に地下空間11を形成することが可能になっていると共に、建物からの荷重をコンクリート製の周壁部14及び基礎底盤部15によって安定した状態で支持することで、基礎構造体としても機能することが可能になっている。
ここで、ライナープレート12,13は、主に土木工事において用いる簡易な山留め材料として公知の部材であり、例えば図3(a)〜(c)及び図4(a)〜(c)に示すように、例えば2.7〜7mm程度の厚さを有する薄い鋼板を、縦方向の断面が波形形状となるように加工すると共に、例えば500mm程度の高さの横長矩形の正面形状を備えるように形成された、作業員の手作業によっても組立が可能な軽量の山留め部材である。ライナープレート12,13は、本実施形態では、L字形の上面形状の備えるL形ライナープレート12と、直線状の上面形状の備えるS形ライナープレート13とを、周方向に連設させて、矩形環状の断面形状を有する山留め外殻壁16を形成するようになっている(図2参照)。またライナープレート12,13の上下の縁部には、ライナープレート12,13を上下方向に接合するための、複数のボルト孔17が形成された周方向に延設する周方向接合フランジ12a,13aが、ライナープレート12,13の左右の縁部には、ライナープレート12,13を周方向に接合するための、複数のボルト孔17が形成された上下方向に延設する上下方向接合フランジ12b,13bが各々設けられている。
ライナープレート12,13は、公知の工法と同様に、例えば建物の下方の基礎地盤を掘り下げながら、掘り下げられた掘削穴の側壁面を覆って当該ライナープレート12,13を設置すると共に、掘り下げの進行に伴って、設置したライナープレート12,13の下方に、下段のライナープレート12,13を、掘削壁面を覆って順次差し込んで行く方法によって容易に地中に設置することができる。また、設置されたライナープレート12,13は、上下方向接合フランジ12b,13bによる縦方向ジョイント部16bを介して、周方向に矩形環状に接合一体化されると共に、周方向接合フランジ12a,13aによる横方向ジョイント部16aを介して、上下方向に複数段に接合一体化される。これらによって、矩形環状に組み立てられたライナープレート12,13が複数段に積み重ねられて、所望の高さの山留め外殻壁16が、周囲の地盤からの土圧や水圧を効果的に支持する山留め壁として、主として作業員の手作業によって簡易に且つ容易に形成されることになる。
そして、本実施形態の地下空間構造10は、地中に設置された上述の複数のライナープレート12,13を用いてべた基礎30を備える建物に地下空間11を形成する構造体であって、図1及び図2に示すように、コンクリート製の基礎底盤部15と周壁部14とによって周囲を囲まれることで、建物からの荷重と地盤からの土圧や水圧とを支持した状態で地下空間11が形成されており、コンクリート製の周壁部14は、上下方向に複数段に連設されたライナープレート12,13を外型枠として、基礎底盤部15の周縁部から上方に立設して構築された地中埋設部14aと、この地中埋設部14aの上端部からさらに上方に立上って構築された立上り基礎部14bとからなり、このコンクリート製の立上り基礎部14bに支持されて建物の床部18が設けられており、この床部18に形成された出入り口19から地下空間11に出入り可能となっており、地下空間11が形成される領域を除いた部分の建物の基礎は、基礎スラブ30aと立上り部30bとからなるべた基礎30となっており、地下空間11が形成される区画を囲う立上り部30bは、コンクリート製の周壁部14の立上り基礎部14bによって構成されている。
本実施形態では、地下空間11が形成される領域を除いた部分の建物の基礎は、基礎スラブ30aと立上り部30bとからなるべた基礎30となっており、このべた基礎30の角部分の領域の基礎地盤を掘り下げて、地下空間構造10が構築されるようになっている。すなわち、本実施形態では、べた基礎30の角部分における、立上り部30bによって4方を囲まれる例えば2730mm×1820mm程度の広さの矩形形状の区画を、地下空間11が形成される領域として、基礎地盤を下方に掘り下げることで、地下空間構造10が構築されるようになっている。また、本実施形態では、地下空間11が形成される矩形形状の区画の4方を囲う立上り部30bは、後述するように、ライナープレート12,13を外型枠として構築された周壁部14の地中埋設部14aからさらに上方に立上って構築された、立上り基礎部14bによって構成されるようになっている。これによって、地下空間11が形成される区画を囲う立上り部30b(立上り基礎部14b)に負荷される、上方からの建物の荷重は、地下空間構造10の周壁部14及び基礎底盤部15を介して、基礎底盤部15の直下部分の基礎地盤からも支持できるようになっている。
本実施形態の地下空間構造10を構成する基礎底盤部15は、好ましくは鉄筋コンクリート製の底盤部となっており、例えば上述の方法によって、ライナープレート12,13を設置しながら地下空間11が形成される領域の基礎地盤を例えば1660mm程度の所定の深さまで掘り下げて、例えば3段に設置したライナープレート12,13による、例えば1500mm程度の高さの矩形環状の山留め外殻壁16を形成した後に構築される。すなわち、基礎底盤部15は、例えば形成した山留め外殻壁16によって周囲を山留めされた中空内部の底面に、基礎砕石を例えば100mm程度の厚さで敷き均して転圧し、補強用の鉄筋を配筋してから、コンクリートを打設して硬化させることにより、例えば180mm程度の厚さで容易に構築することができる。
本実施形態では、基礎底盤部15と共に地下空間構造10を構成する周壁部14は、好ましくは地中埋設部14aのコンクリートの上方に、立上り基礎部14bのコンクリートをさらに打ち継ぐことによって構築される。すなわち、周壁部14の地中埋設部14aは、山留め外殻壁16の中空内部の底部に基礎底盤部15を形成した後に、地中に設置されているライナープレート12,13による山留め外殻壁16を外型枠として、これの内側に鉄筋及び内型枠を組み立ててから、コンクリートを打設することで、容易に構築することができる。これによって、地中埋設部14aは、基礎底盤部15の周縁部から山留め外殻壁16の上端部まで、例えば1230mm程度の高さで立設して形成されると共に、縦方向の断面が波形形状となっているライナープレート12,13の凹凸面によって影響を受けない最小のコンクリート厚さが、例えば170mm程度となるように形成されことになる。
また、周壁部14の立上り基礎部14bは、地中埋設部14aを形成した後に、例えば地中埋設部14aに用いた内型枠をさらに上方に延設させて組み立てると共に、組み立てた内型枠の外側に鉄筋及び外型枠を組み立ててから、コンクリートを打設することにより、地中埋設部14aの上方に連続して打ち継ぐようにして、容易に構築することができる。これらによって、周壁部14が、好ましくは立上り基礎部14bの内側面を、地中埋設部14aの内側面と面一に連続させた状態で、矩形平面形状を有するように容易に形成されることになる。
なお、周壁部14の立上り基礎部14bを形成する際に、建物のべた基礎30の基礎スラブ30aと連続する部分の外型枠から外側に張り出して、立上り基礎部14bと基礎スラブ30とを接続一体化させる接続鉄筋を配筋しておくことにより、周壁部14を構築した後に、これと連続させて、建物のべた基礎30の基礎スラブ30aを容易に形成することが可能になる。
ここで、本実施形態では、山留め外殻壁16を構成する複数段に連設されたライナープレート12,13の外周面に、断熱塗料が塗着されていることが好ましい。複数段に連設されたライナープレート12,13の外周面に、断熱塗料が塗着されていることにより、地下空間構造10によって形成される地下空間11に、優れた断熱性能を容易に且つ効果的に付与することが可能になる。断熱塗料としては、多機能性断熱塗材や遮熱塗料として公知の、各種の断熱塗料を用いることができる。より具体的には、例えばロケット開発で培われた断熱技術による多機能性断熱塗材である、商品名「GAINA(ガイナ)」(株式会社日進産業製)や、商品名「遮熱塗料ミラクール」(株式会社ミラクール製)を用いることができる。
これらの断熱塗料は、ライナープレート12,13を地中に設置する前に、予め工場等においてこれらの外周面に塗着しておくことができる他、例えば基礎地盤を開削してライナープレート12,13を地中に設置する場合には、ライナープレート12,13を設置した後に、これらの外周面に断熱塗料を塗着することもできる。断熱塗料は、コンクリートの表面に直接塗着させることが困難であるが、本実施形態では、ライナープレート12,13を外型枠として用いて周壁部14の地中埋設部14aが形成されるので、薄い鋼板からなるライナープレート12,13を介することで、地中埋設部14aの外周面に断熱塗料を容易に塗着させることが可能になる。
また、本実施形態では、山留め外殻壁16を構成する複数段に連設されたライナープレート12,13の外周面と、これの外周部分の地山との間に、断熱性充填材20を充填することが好ましい(図2参照)。ライナープレート12,13の外周面と外周部分の地山との間に断熱性充填材20を充填することにより、地下空間構造10によって形成される地下空間11に、優れた断熱性能を容易に且つ効果的に付与することが可能になると共に、外周部分の地山が緩むのを、効果的に回避することが可能になる。ライナープレート12,13の外周面と外周部分の地山との間に充填される断熱性充填材20としては、例えば気泡グラウト、発泡ウレタン等の、公知の各種の断熱性充填材20を用いることができる。
さらに、本実施形態では、山留め外殻壁16を構成する複数のライナープレート12,13の接合フランジ12a,13a,12b,13bによるジョイント部16a,16bに、図5に示すように、止水用パッキン材21が挟み込まれていることが好ましい。すなわち、ライナープレート12,13の周方向接合フランジ12a,13aによる横方向ジョイント部16aと、ライナープレート12,13の上下方向接合フランジ12b,13bによる縦方向ジョイント部16bの全体に、止水用パッキン材21が挟み込まれている。複数のライナープレート12,13の接合フランジ12a,13a,12b,13bによるジョイント部16a,16bに、止水用パッキン材21が挟み込まれていることにより、山留め外殻壁16のジョイント部16a,16bの止水性を効果的に向上させることが可能になる。止水用パッキン材21としては、例えばブチルゴム、シリコンゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM)等の合成ゴムを用いることができる。より具体的には、商品名「エプトシーラー」(日東電工株式会社製)を好ましく用いることができる。「エプトシーラー」は、各種機器の間隙を充填する発泡シール材で、EPDMの混和物を半独立半連続状態で発泡させたものである。また「エプトシーラー」は、より高発泡に発泡させることが可能であり、発泡体の圧縮割合によって、防水用、防風用、防塵用、防音用、断熱用等として使い分けることができる。
さらにまた、本実施形態では、複数段に連設されたライナープレート12,13の横方向ジョイント部16aには、図6に示すように、上下の周方向接合フランジ12a,13aの間に挟み込まれて、例えばH形鋼等からなる補強鋼材22が取り付けられていることが好ましい。横方向ジョイント部16aに補強鋼材22が取り付けられていることにより、山留め外殻壁16を簡易に且つ効果的に補強することが可能になる。補強鋼材22は、複数の単位部材を、継手板22aを介して矩形環状に接合一体化することで、矩形環状の断面形状を有する山留め外殻壁16に沿って連続させて、補強リングとして機能させることができる。補強鋼材22による補強リングは、複数段に積み重ねられたライナープレート12,13の各段の横方向ジョイント部16aの全てに設ける必要は必ずしもなく、例えば1段の横方向ジョイント部16aに取り付けてけておくだけでも、山留め外殻壁16を簡易に且つ効果的に補強することが可能である。
上述のように、周壁部14の立上り基礎部14bを構築したら、従来の工法と同様にして、べた基礎30を形成した後に、図1に示すように、例えば立上り基礎部14bの上に土台23を設置すると共に、この土台23に支持させて、土台梁24や、例えば剛床パネルからなる床部18等を設置することで、床部18に形成された出入り口19から地下空間11に出入り可能な、本実施形態の地下空間構造10が形成される。また、形成された地下空間11には、これの内壁面を覆って、例えば押出法ポリスチレンフォーム等からなる断熱材、ボード下地、せっこうボード、構造用合板、フロア張り等が、適宜取り付けられる。
そして、上述の構成を備える本実施形態の地下空間構造10によれば、ライナープレート12,13を用いることで、建築コストを割高にすることなく、周囲の地盤からの土圧や水圧を効果的に支持して簡易に地下空間11を形成することが可能になると共に、建物の基礎構造体としても機能して、建物からの荷重を安定した状態で支持することが可能になる。
すなわち、本実施形態の地下空間構造10によれば、コンクリート製の基礎底盤部15と周壁部14とによって周囲を囲まれることで、地下空間11が形成されており、周壁部14は、上下方向に複数段に連設されたライナープレート12,13を外型枠として、基礎底盤部15の周縁部から上方に立設して構築された地中埋設部14aと、この地中埋設部14aの上端部からさらに上方に立上って構築された立上り基礎部14bとからなり、この立上り基礎部14bに支持されて建物の床部18が設けられているので、周囲の地盤からの土圧や水圧を簡易に且つ強固に支持できるライナープレート12,13による山留め外殻壁16と、上方からの圧縮荷重に対する強度は大きいが、側方からの曲げ荷重に対する強度は小さいコンクリートと組み合わせることで、コンクリートの厚さを低減して効率良く且つ安価に、周囲の地盤からの土圧や水圧を強固に支持するコンクリート製の周壁部14を形成することを可能にして、建築コストを抑制することが可能になると共に、コンクリート製の周壁部14や基礎底盤部15の圧縮強度によって、建物の荷重を強固に支持する基礎構造体を形成することが可能になる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、ライナープレートによる山留め外殻壁は、建物の下方の基礎地盤を掘り下げながら、掘り下げられた掘削穴の側壁面を覆って、ライナープレートを下方に順次取り付けてゆく方法によって地中に設置されるものである必要は必ずしもない。相当の広さの敷地を確保できる場合には、建物の下方の基礎地盤を開削してから、ライナープレートを複数段に取り付ける方法によって設置することもできる。また、ライナープレートを3段設置して、外型枠となる山留め外殻壁を形成する必要は必ずしもなく、ライナープレートを2段又は4段以上設置することで、外型枠となる山留め外殻壁の高さを適宜設定することもできる。地下空間は、天井高さを例えば2100mm以上確保することで、地下室(居室)として利用することもできる。
10 地下空間構造
11 地下空間
12 L形ライナープレート
12a 周方向接合フランジ
12b 上下方向接合フランジ
13 ライナープレート
13a 周方向接合フランジ
13b 上下方向接合フランジ
14 周壁部
14a 周下方向接合フランジ
14b 上下方向接合フランジ
15 基礎底盤部
16 山留め外殻壁
16a 横方向ジョイント部
16b 縦方向ジョイント部
17 ボルト孔
18 床部
19 出入り口
20 断熱性充填材
21 止水用パッキン材
22 補強鋼材
30 べた基礎
30a 基礎スラブ
30b 立上り部

Claims (6)

  1. 地中に設置された複数のライナープレートを用いてべた基礎を備える建物に地下空間を形成する地下空間構造であって、
    コンクリート製の基礎底盤部と周壁部とによって周囲を囲まれることで、建物からの荷重と地盤からの土圧や水圧とを支持した状態で前記地下空間が形成されており、
    前記コンクリート製の周壁部は、上下方向に複数段に連設された前記ライナープレートを外型枠として、前記基礎底盤部の周縁部から上方に立設して構築された地中埋設部と、該地中埋設部の上端部からさらに上方に立上って構築された立上り基礎部とからなり、
    コンクリート製の立上り基礎部に支持されて建物の床部が設けられており、該床部に形成された出入り口から前記地下空間に出入り可能となっており、
    前記地下空間が形成される領域を除いた部分の建物の基礎は、基礎スラブと立上り部とからなる前記べた基礎となっており、地下空間が形成される区画を囲う前記立上り部は、前記コンクリート製の周壁部の前記立上り基礎部によって構成されている地下空間構造。
  2. 複数段に連設された前記ライナープレートの外周面に、断熱塗料が塗着されている請求項1記載の地下空間構造。
  3. 複数段に連設された前記ライナープレートの外周面と、これの外周部分の地山との間に断熱性充填材が充填されている請求項1又は2記載の地下空間構造。
  4. 複数の前記ライナープレートの接合フランジによるジョイント部に、止水用パッキン材が挟み込まれている請求項1〜3のいずれか1項記載の地下空間構造。
  5. 複数段に連設された前記ライナープレートの横方向ジョイント部には、上下の周方向接合フランジの間に挟み込まれて、補強鋼材が取り付けられている請求項1〜4のいずれか1項記載の地下空間構造。
  6. 前記周壁部は、矩形平面形状を有するように形成されている請求項1〜5のいずれか1項記載の地下空間構造。
JP2012077775A 2012-03-29 2012-03-29 地下空間構造 Active JP5972636B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012077775A JP5972636B2 (ja) 2012-03-29 2012-03-29 地下空間構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012077775A JP5972636B2 (ja) 2012-03-29 2012-03-29 地下空間構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013204396A JP2013204396A (ja) 2013-10-07
JP5972636B2 true JP5972636B2 (ja) 2016-08-17

Family

ID=49523779

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012077775A Active JP5972636B2 (ja) 2012-03-29 2012-03-29 地下空間構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5972636B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6206965B2 (ja) * 2014-03-28 2017-10-04 住友林業株式会社 地下空間構造体及び地下空間構造体の構築施工方法
JP2018066169A (ja) * 2016-10-19 2018-04-26 有限会社ジェイウォール静岡 建物外壁の接合具、建物外壁の接合構造及び建物外壁の接合方法

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57205630A (en) * 1981-06-08 1982-12-16 Masao Shimura Construction of basement
JPH01290849A (ja) * 1988-05-16 1989-11-22 Masuo Kanbe 地下室側壁の骨組構造
JP3084141B2 (ja) * 1992-07-15 2000-09-04 株式会社さとうベネック 深礎工法
JP2790158B2 (ja) * 1992-10-08 1998-08-27 防衛庁技術研究本部長 組立式構造物
JPH0881964A (ja) * 1994-09-07 1996-03-26 Asahi Chem Ind Co Ltd 地下部付建築物の躯体構造及びその施工法
JPH1068287A (ja) * 1996-08-27 1998-03-10 Nippon Kokan Light Steel Kk ライナープレート
JPH1143955A (ja) * 1997-07-28 1999-02-16 Maeda Corp 既存建物の地下室構築方法
JP3653483B2 (ja) * 2001-07-10 2005-05-25 旭化成ホームズ株式会社 構造地下室の構造及び施工方法
JP2003221996A (ja) * 2002-01-31 2003-08-08 Jfe Metal Products & Engineering Inc ライナープレート立坑の内巻き型補強リング構造
CN1518626A (zh) * 2002-04-22 2004-08-04 茶野佳博 建筑用衬砌板及使用它的建筑物
JP2005256541A (ja) * 2004-03-15 2005-09-22 Nippon Step Kogyo Kk マンホール蓋及びマンホール蓋の断熱層形成方法
JP4799605B2 (ja) * 2008-11-17 2011-10-26 株式会社テスク 鉄筋コンクリート外断熱建物用の通気性断熱複合パネル、及び該パネルを用いた外断熱外壁構造
JP2011084895A (ja) * 2009-10-14 2011-04-28 Kumagai Gumi Co Ltd トンネル覆工装置及び覆工コンクリート形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013204396A (ja) 2013-10-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101640795B1 (ko) 가시설용 차수식 흙막이 패널 구조체와 그 시공방법
WO2011114507A1 (ja) 新設地下構造物の施工方法
JP5972636B2 (ja) 地下空間構造
JP6143068B2 (ja) 建物の地下構造
JP6043454B1 (ja) 地下構造物の構築方法、及び地下構造物
KR20120106037A (ko) 가설 흙막이 구조물 및 그 설치방법
JP5769104B2 (ja) 軟弱地盤における建物の基礎構造
JP4997207B2 (ja) 地下構造物の施工方法
JP3641227B2 (ja) 地下構造躯体の施工法
KR102289576B1 (ko) 흙막이판을 이용한 탑다운 방식 지하구조물 축조 공법
JP2006002428A (ja) 既存床の補強工法および既存建物の免震化工法
KR20210098162A (ko) 주열식 강관 벽체를 이용한 지중구조물 및 그 시공방법
US20060239782A1 (en) Methods and apparatuses for shaping concrete slab-on-ground foundations
JP2010059621A (ja) 地中構造物、地中構造物の構築方法
KR101736009B1 (ko) 층고절감이 가능한 시공단계 단순접합식 역타 시공방법
JP7248481B2 (ja) 深基礎構造
JP6206965B2 (ja) 地下空間構造体及び地下空間構造体の構築施工方法
JP2019044423A (ja) 地下室の施工方法
JP4371764B2 (ja) 地下室の構造及び施工方法
JP2000064328A (ja) 防振型地下構造物における連続地中壁
JP4546357B2 (ja) 既存構造体の跳ね出し躯体の床下部分を改築施工する工法
JP5769103B2 (ja) 地下室の設置構造
JP3288611B2 (ja) 地下室構造及び地下室の施工方法
KR910003748B1 (ko) 역타설 콘크리이트 연속벽 설치에 의한 굴착 지하구조를 축조하는 공법
JP2941893B2 (ja) コンクリート製組立型地下室

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130813

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20130813

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20130813

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150226

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151201

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20151218

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160128

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160705

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160713

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5972636

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250