JP5968826B2 - 加熱調理器 - Google Patents

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Description

本発明に係る実施形態は加熱調理器に関する。
加熱室内に熱風を供給して被加熱物を加熱するオーブン調理機構を備える加熱調理器が知られている。
オーブン調理機構は、通電によって発熱するヒータと、ヒータが過熱する空気を加熱室へ送風するファン装置と、を備える。
そして、複数のヒータを備え、通電するヒータを切り替えることによって加熱室内の一部分を集中的に加熱したり、全体を均一に加熱したりする電子レンジが知られている。
特開2007−232281号公報
ところで、ヒータの抵抗値には温度依存性があり、温度が高くなるほど抵抗値が大きくなる傾向がある。この傾向のため、ヒータに通電すると、発熱によってヒータの抵抗値が高まり、ヒータに流れる電流値が低下する。ヒータに流れる電流値が低下すると、ヒータの発熱量が低下し、ひいては加熱室内の温度上昇が遅れてしまう。
そこで、本発明は、加熱室内の温度を迅速に上昇させるオーブン調理機構を備える加熱調理器を提供する。
前記の課題を解決するため本発明の実施形態に係る加熱調理器は、被加熱物を出し入れ可能な加熱室を仕切る調理庫と、通電によって発熱する主発熱体および通電によって発熱する補助発熱体を含む複数の発熱体と、前記複数の発熱体のうち少なくとも1つが温めた空気を前記加熱室内に供給して前記加熱室内に熱風を生じさせるファン装置と、前記主発熱体に流れる電流値を測定する電流センサと、前記主発熱体に通電を開始した後、前記電流センサで測定される電流値が予め定める所定の閾値より低下した場合、未通電の前記補助発熱体にも通電を開始して前記加熱室内の温度上昇を促進させる制御部と、を備える。
本発明の実施形態に係る加熱調理器を示す正面図。 本発明の実施形態に係る加熱調理器を正面側から示す斜視図。 本発明の実施形態に係る加熱調理器を示す縦断面図。 本発明の実施形態に係る加熱調理器を示す横断面図。 本発明の実施形態に係る加熱調理器を示す機能ブロック図。 本発明の実施形態に係る加熱調理器においてヒータに流れる電流と加熱時間との関係を示す図。
以下、本発明に係る加熱調理器の実施の形態について、図1から図6を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る加熱調理器を示す正面図である。
図2は、本発明の実施形態に係る加熱調理器を正面側から示す斜視図である。
図1は扉3を閉じた加熱調理器1を示し、図2は扉3を開いた加熱調理器1を示す。
本実施形態に係る加熱調理器1は、所謂過熱水蒸気オーブンレンジであり、電子レンジ、オーブンおよびスチームレンジの機能を併せ持つ。図1および図2に示すように、加熱調理器1は、前面の開口2aを通じて被加熱物Oを出し入れ可能な加熱室2bを仕切る箱状の調理庫2と、調理庫2の開口2aを開閉する扉3と、を備える。
調理庫2は、加熱室2bを仕切る箱状の内箱5と、内箱5を囲う箱状の外箱6と、内箱5および外箱6を支えるトレイ7と、を備える。
内箱5は、加熱室2bを仕切る背壁5a、右側壁5b、左側壁5c、底壁5dおよび天壁5eを備える。背壁5a、右側壁5b、左側壁5c、底壁5dおよび天壁5eは、マイクロ波を反射して加熱室2b内に閉じ込める金属製の板材、例えば鋼板である。隣り合う壁は、かしめや溶接などの接合方法によって接合される。
背壁5aは、複数の小さな開口が上下二条に分かれて幅方向へ並ぶ上熱風吐出口8および下熱風吐出口9と、上熱風吐出口8および下熱風吐出口9の中央部に挟まれて複数の小さな開口が円状に並ぶ吸入口11と、を有する。吸入口11は背壁5aの略中央に配置される。
左側壁5cは、水平に並ぶ複数の小さな開口を有する蒸気噴出口13を備える。
扉3は、調理庫2の前面下端部に配置されて左右に延びる揺動中心線の周りに揺動する。扉3は、この揺動中心線の周りに揺動して調理庫2の前面2cに接すると加熱室2bを閉鎖する。他方、扉3は、調理庫2の前面2cから離れて回転中心線の周りに揺動し略水平に倒れると、開口2aを全開する。
また、扉3は加熱条件を設定可能な操作部15を備える。操作部15は、入力部16と、表示部17と、を備える。
入力部16は、加熱条件設定ダイヤル18と、加熱開始指示スイッチ19と、解除指示スイッチ21と、飲物キー22aと、茹物キー22bと、電子レンジキー22cと、オーブンキー22dと、スチームキー22eと、を備える。
加熱条件設定ダイヤル18は、回転操作に基づいて手動運転または自動運転などの運転モードの選択、加熱条件(加熱時間や、加熱温度)の選択、自動調理メニューの選択など各種選択項目を順次に切り替える。また、加熱条件設定ダイヤル18は、押下操作に基づいて択一的に選択された項目の決定を受け付ける。
加熱開始指示スイッチ19は、決定された運転モード、加熱条件、自動調理メニューに対する運転開始の指示を受け付ける。
解除指示スイッチ21は、加熱条件設定ダイヤル18や加熱開始指示スイッチ19が受け付けた操作内容をリセットするための指示を受け付ける。つまり、解除指示スイッチ21は、加熱条件設定ダイヤル18が受け付けた選択や決定を取り消したり、開始した運転を停止させたりするための指示を受け付ける。
飲物キー22a、茹物キー22b、電子レンジキー22c、オーブンキー22d、およびスチームキー22eは、加熱調理器1の運転モードの切り替え操作を受け付けるメニューキー22である。メニューキー22は静電容量式のタッチセンサであり、直列容量分圧比較方式など公知の検出方式を採用できる。
飲物キー22aは、加熱調理器1の運転モードを水、牛乳、清酒などの飲料の加熱に好適な制御モードに強制設定するための指示を受け付ける。
茹物キー22bは、加熱調理器1の運転モードを野菜などの茹物の加熱に好適な制御モードに強制設定するための指示を受け付ける。
電子レンジキー22cは、加熱調理器1の運転モードを電子レンジモードに強制設定するための指示を受け付ける。
オーブンキー22dは、加熱調理器1の運転モードをオーブンモードに強制設定するための指示を受け付ける。
スチームキー22eは、加熱調理器1の運転モードをスチームモードに強制設定するための指示を受け付ける。
表示部17は、加熱条件設定ダイヤル18の操作に基づく選択項目や決定項目、加熱開始指示スイッチ19や解除指示スイッチ21の操作に基づく加熱調理器1の運転状態などを表示する。
また、本実施形態に係る加熱調理器1は、スチームレンジの調理用蒸気になる水を貯留する着脱自在な貯槽23と、調理庫2から出る排水を貯留する着脱自在な受け皿24と、を備える。
貯槽23は加熱調理器1の左前底部に配置される。受け皿24は加熱調理器1の右前底部に配置される。
貯槽23および受け皿24は、加熱調理器1の正面へ向かって引き出し状に着脱可能であり、前面に把手を備える。
さらに、本実施形態に係る加熱調理器1は、トレイ7の正面に配置されるカバー部材25を備える。カバー部材25は、扉3の下方に配置されて加熱調理器1あるいは調理庫2の全幅に渡って延びる。カバー部材25は、貯槽23、受け皿24を着脱自在に保持する。
図3は、本発明の実施形態に係る加熱調理器を示す縦断面図である。
図3に示すように、本実施形態に係る加熱調理器1のトレイ7と外箱6とは、協働して内箱5を囲み、隙間26を隔てて加熱室2bを支える。
加熱調理器1は、内箱5の背壁5aと外箱6の背壁6aとを隔てる隙間26aに配置されるオーブン調理機構29を備える。オーブン調理機構29は加熱室2b内に熱風を供給して被加熱物Oを加熱する。オーブン調理機構29は、加熱室2b内の被加熱物Oを加熱する加熱装置の一つである。
オーブン調理機構29は、加熱室2b内を加熱して被加熱物Oを調理する加熱装置の一つである。なお、オーブン調理機構29はグリル調理機構を兼ねている。
オーブン調理機構29は、通電によって発熱する複数のヒータ32と、複数のヒータ32のうち少なくとも1つが温めた空気を加熱室2b内に供給して加熱室2b内に熱風を生じさせるファン装置31と、ケーシング33と、を備える。
複数のヒータ32は加熱室2b内の空気を加熱する発熱体である。複数のヒータ32は、通電によって発熱する高出力の主ヒータ35と、通電によって発熱する低出力の補助ヒータ36と、を含む。
主ヒータ35は、ファン装置31の周囲を環状に囲み、上熱風吐出口8の後方に配置される上辺部35aと、下熱風吐出口9の後方に配置される下辺部35bと、を備える。
補助ヒータ36も、ファン装置31の周囲を環状に囲み、上熱風吐出口8の後方に配置される上辺部36aと、下熱風吐出口9の後方に配置される下辺部36bと、を備える。
また、補助ヒータ36は、図3中に二点鎖線で示すように、加熱室2bの天井部、つまり内箱5の天壁5eに設けられていても良く、加熱室2bの底面部、つまり内箱5の底壁5dに設けられていても良い。補助ヒータ36が加熱室2bの天井部に設けられる場合、補助ヒータ36は内箱5の天壁5eに配置されて上方へ窪む凹部37に収容される。補助ヒータ36が加熱室2bの底面部に設けられる場合、補助ヒータ36は内箱5の底壁5dに配置されて下方へ窪む凹部38に収容される。
ファン装置31は、ケーシング33の背面に固定されるファンモータ41と、ケーシング33に収容されて吸入口11を臨みファンモータ41の回転軸に固定される遠心ファン42と、を備える。
ケーシング33は、板金加工品であり、ファン装置31の遠心ファン42およびヒータ32を収容し、背壁5aの上熱風吐出口8、下熱風吐出口9、吸入口11の後方に熱風の加熱流路を仕切る。
オーブン調理機構29は、ファン装置31を駆動させて加熱室2b内の空気を吸入口11からケーシング33内に吸入し、遠心ファン42の周囲へ吐出される空気をヒータ32で加熱し、熱せられた空気を上熱風吐出口8および下熱風吐出口9から加熱室2b内へ吐出して加熱室2b内の被加熱物Oを加熱する。
また、加熱調理器1は、加熱室2b内に高周波電波としてのマイクロ波を照射して被加熱物Oを加熱する電子レンジ調理機構43を備える。電子レンジ調理機構43も、加熱室2b内を加熱して被加熱物Oを調理する加熱装置の一つである。電子レンジ調理機構43は被加熱物Oへマイクロ波を照射して加熱する高周波加熱装置である。
電子レンジ調理機構43は、隙間26aの下半に位置してマイクロ波を発生可能なマグネトロン44と、内箱5とトレイ7とを隔てる隙間26bに位置してマグネトロン44が発生させるマイクロ波を内箱5の下方へ導く導波管45と、内箱5内へマイクロ波を拡散させるアンテナ46と、アンテナ46を回転駆動させるアンテナ駆動部47と、を備える。
アンテナ46は、内箱5の底壁5dに配置されて下方に窪む凹部38に収容される。アンテナ46は、板形状を呈し、マイクロ波の拡散において指向性を有するものであっても良いし、無指向性のものであっても良い。アンテナ駆動部47はモータである。
電波透過板48は、マイクロ波を透過するセラミックなどの板であり、アンテナ46を覆うように内箱5の凹部38を塞いで加熱室2b内に平坦な底面を形成する。
電子レンジ調理機構43は、マグネトロン44でマイクロ波を生じ、このマイクロ波を導波管45で内箱5の下方へ導き、アンテナ46で拡散させて加熱室2b内に照射し、加熱室2b内の被加熱物Oを加熱する。
一方、外箱6は内面に広がる断熱材49を備える。断熱材49は、内箱5が放射する熱や、内箱5と外箱6とを隔てる隙間26を対流する気体(高温の空気や水蒸気)から伝わる熱が調理庫2の外面へ直接的に伝わることを抑制する。
トレイ7は加熱調理器1の底面の四隅にあり加熱調理器1全体の重量を支える柱状の脚部50を備える。
さらに、加熱調理器1は、加熱室2b内の被加熱物Oの温度を測定する温度測定装置51を備える。温度測定装置51は内箱5の背壁5aと天壁5eとの角、つまり加熱室2b内の頂部の奥に配置されて加熱室2b内を測定する。
さらに、加熱調理器1は、オーブン調理機構29、電子レンジ調理機構43、蒸気調理機構52(図4において後述する。)の運転を調整する制御基板53を隙間26bに備える。
図4は、本発明の実施形態に係る加熱調理器を示す横断面図である。
図4に示すように、本実施形態に係る加熱調理器1は、加熱室2b内の被加熱物Oを調理用蒸気で加熱可能な蒸気調理機構52を備える。蒸気調理機構52は、加熱室2b内の被加熱物Oを加熱する加熱装置の一つである。
蒸気調理機構52は、貯槽23と、加熱室2b内に調理用蒸気を供給して被加熱物Oを加熱可能な蒸気発生装置55と、貯槽23から蒸気発生装置55へ水を汲み上げる電動ポンプ56と、電動ポンプ56と蒸気発生装置55とを流体的に接続するホース57と、を備える。
なお、蒸気調理機構52が貯槽23から水を汲み上げて調理用に発する蒸気を「調理用蒸気」と呼ぶ。また、単に「蒸気」と呼ぶ場合、オーブン調理機構29、電子レンジ調理機構43および蒸気調理機構52の加熱によって被加熱物から発する蒸気と調理用蒸気との両方を含む。
蒸気発生装置55は、内箱5の左側壁5cと外箱6の左側壁6cとを隔てる隙間26cに配置される。蒸気発生装置55は、蒸気噴出口13から加熱室2b内に調理用蒸気を供給して被加熱物Oを加熱する。蒸気発生装置55は、水を加熱し調理用蒸気を発生させる蒸発ヒータ58を備える。
図5は、本発明の実施形態に係る加熱調理器を示す機能ブロック図である。
図5に示すように、本実施形態に係る加熱調理器1は、表示部17、加熱条件設定ダイヤル18、加熱開始指示スイッチ19、解除指示スイッチ21、飲物キー22a、茹物キー22b、電子レンジキー22c、オーブンキー22d、スチームキー22e、オーブン調理機構29、電子レンジ調理機構43、蒸気調理機構52、温度測定装置51、制御装置61の他に、扉開閉センサ62と、報知部63と、を備える。
扉開閉センサ62は、所謂マイクロスイッチであり、複数のマイクロスイッチを組み合わせて扉3が閉じられているか否かを確実に検出する。
報知部63は、オーブン調理機構29または電子レンジ調理機構43の運転終了を使用者に知らせるためのブザー音を鳴らす。
オーブン調理機構29は、主ヒータ35に流れる電流値を測定する電流センサ65を備える。
電子レンジ調理機構43は、入力電圧の変動にともない変化する物理量(マグネトロン44の陽極電流)を検出してアナログ電気信号を出力する検出部としての陽極電流検出回路66を備える。
制御装置61は、制御基板53に実装されるマイクロコンピュータからなり、中央処理部(図示省略)、メモリ(図示省略)、I/O部(図示省略)およびタイマ(図示省略)を備える。制御装置61は、加熱条件設定ダイヤル18、加熱開始指示スイッチ19、解除指示スイッチ21、飲物キー22a、茹物キー22b、電子レンジキー22c、オーブンキー22d、スチームキー22eに受け付けられた操作に基づいて、オーブン調理機構29、電子レンジ調理機構43および蒸気調理機構52の運転を制御する。制御装置61は、扉開閉センサ62で扉3が閉じられている場合に、オーブン調理機構29の運転を許可し、電子レンジ調理機構43の運転を許可する。
また、制御装置61は、報知部63を作動させてブザー音を鳴らし、オーブン調理機構29の運転終了、電子レンジ調理機構43の運転終了、および蒸気調理機構52の運転終了を使用者に報知する。
さらに、制御装置61は、加熱条件設定ダイヤル18、飲物キー22a、茹物キー22b、電子レンジキー22c、オーブンキー22d、スチームキー22eのそれぞれが受け付けた操作に基づく自動調理メニュー、選択項目および決定項目、加熱開始指示スイッチ19や解除指示スイッチ21が受け付けた操作に基づく加熱調理器1の運転状態などを表示部17に表示させる。
なお、自動調理メニューとは、予め設定された加熱条件(加熱出力の上下や加熱時間からなる加熱プロファイル)で加熱装置(オーブン調理機構29、電子レンジ調理機構43、蒸気調理機構52)を制御し、被加熱物Oを加熱、調理するシーケンシャルな調理メニューである。
制御装置61は、オーブン調理機構29を運転する場合、先ず主ヒータ35を運転する。そして、制御装置61は、主ヒータ35に通電を開始した後、電流センサ65で測定される電流値が予め定める所定の閾値tiより低下した場合、未通電の補助ヒータ36にも通電を開始して加熱室2b内の温度上昇を促進させる。
ヒータの抵抗値には温度依存性があり、温度が高くなるほど抵抗値が大きくなる傾向がある。この傾向のため、主ヒータ35に通電すると、発熱によって主ヒータ35の抵抗値が高まり、主ヒータ35に流れる電流値が低下する。主ヒータ35に流れる電流値が低下すると、主ヒータ35の発熱量が低下し、ひいては加熱室2b内の温度上昇が遅くなる。そこで、本実施形態に係る加熱調理器1は、発熱によって減少する主ヒータ35側への電力を、補助ヒータ36へ供給して加熱室2b内の温度上昇を促進している。
また、制御装置61は、主ヒータ35に通電を開始した後、温度測定装置51で測定される温度が予め定める所定の閾値ttより大きくなった場合、未通電の補助ヒータ36にも通電を開始して加熱室2b内の温度上昇を促進させても良い。
本実施形態におけるオーブン調理機構29の運転制御について詳述する。
図6は、本発明の実施形態に係る加熱調理器においてヒータに流れる電流と加熱時間との関係を示す図である。
図6に示すように、本実施形態に係る加熱調理器1の所定の閾値tiは、コンセント容量1500ワットに対して、発熱により主ヒータ35へ流れなくなる電流を補助ヒータ36で有効に活用する範囲で設定される。一例として、供給される商用交流電源の電圧値を例えば100ボルトとし、主ヒータ35の出力を1400ワット、補助ヒータ36の出力を100ワットとすると、所定の閾値tiは13アンペアに設定される。
制御装置61が主ヒータ35への電力供給を開始すると、加熱室2b内の温度は徐々に上昇する。このとき主ヒータ35の抵抗は主ヒータ35の温度上昇にともない大きくなる。そうすると、電流センサ65が測定する電流値、つまり主ヒータ35を流れる電流値は徐々に低下し、やがて所定の閾値tiよりも低くなる(図6中、破線A)。そして、加熱室2b内の温度上昇が遅くなる(図6中、破線B)。そこで、主ヒータ35を流れる電流値が所定の閾値tiよりも低くなると、制御装置61は補助ヒータ36への電力供給を開始する。つまり、加熱調理器1は、加熱による主ヒータ35の出力低下を主ヒータ35と協働する補助ヒータ36によって補う。これにより、加熱調理器1は、商用交流電源のコンセント容量1500ワットを最大限活用しつつ加熱室2b内の温度上昇を促進させる。
他方、制御装置61は、電流センサ65による測定に代えて、加熱室2b内の温度の上昇から主ヒータ35に流れる電流の低下を推測し、補助ヒータ36と協働させることもできる。この場合、制御装置61は、温度測定装置51によって加熱室2b内の温度の上昇を監視し、加熱室2b内の温度が所定の閾値ttより大きくなると、補助ヒータ36への電力供給を開始する。
本実施形態に係る加熱調理器1は、ヒータ32の加熱を開始した後、主ヒータ35の抵抗が大きくなって加熱室2b内の温度上昇が鈍ってくると、補助ヒータ36へ通電することによって加熱室2b内の温度上昇を早めることができる。これにより、加熱調理器1は、商用交流電源のコンセント容量1500ワットを最大限活用することができる。
また、本実施形態に係る加熱調理器1は、加熱室2b内の温度上昇の鈍化を主ヒータ35に流れる電流値、または加熱室2b内の温度から推測して、補助ヒータ36への通電を制御する。したがって、加熱調理器1は、電流センサ65および温度測定装置51のいずれか一方を備えていれば良い。
さらに、本実施形態に係る加熱調理器1は、補助ヒータ36をケーシング33内の他に内箱5の天壁5eの凹部37や、内箱5の底壁5dの凹部38に配置してもよく、加熱調理器1全体の大きさを拡大させることなく小型に保ったまま設置場所を確保できる。
したがって、本実施形態に係る加熱調理器1によれば、加熱室2b内の温度を迅速に上昇させるオーブン調理機構29を備えることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 加熱調理器
2 調理庫
2a 開口
2b 加熱室
2c 前面
3 扉
5 内箱
5a 背壁
5b 右側壁
5c 左側壁
5d 底壁
5e 天壁
6 外箱
6a 背壁
6c 左側壁
7 トレイ
8 上熱風吐出口
9 下熱風吐出口
11 吸入口
13 蒸気噴出口
15 操作部
16 入力部
17 表示部
18 加熱条件設定ダイヤル
19 加熱開始指示スイッチ
21 解除指示スイッチ
22 メニューキー
22a 飲物キー
22b 茹物キー
22c 電子レンジキー
22d オーブンキー
22e スチームキー
23 貯槽
24 受け皿
25 カバー部材
26 隙間
26a 隙間
26b 隙間
26c 隙間
29 オーブン調理機構
32 ヒータ
31 ファン装置
33 ケーシング
35 主ヒータ
35a 上辺部
35b 下辺部
36 補助ヒータ
36a 上辺部
36b 下辺部
37 凹部
38 凹部
41 ファンモータ
42 遠心ファン
43 電子レンジ調理機構
44 マグネトロン
45 導波管
46 アンテナ
47 アンテナ駆動部
48 電波透過板
49 断熱材
50 脚部
51 温度測定装置
52 蒸気調理機構
53 制御基板
55 蒸気発生装置
56 電動ポンプ
57 ホース
58 蒸発ヒータ
59 撮影部
61 制御装置
62 扉開閉センサ
63 報知部
65 電流センサ
66 陽極電流検出回路

Claims (4)

  1. 被加熱物を出し入れ可能な加熱室を仕切る調理庫と、
    通電によって発熱する主発熱体および通電によって発熱する補助発熱体を含む複数の発熱体と、
    前記複数の発熱体のうち少なくとも1つが温めた空気を前記加熱室内に供給して前記加熱室内に熱風を生じさせるファン装置と、
    前記主発熱体に流れる電流値を測定する電流センサと、
    前記主発熱体に通電を開始した後、前記電流センサで測定される電流値が予め定める所定の閾値より低下した場合、未通電の前記補助発熱体にも通電を開始して前記加熱室内の温度上昇を促進させる制御部と、を備える加熱調理器。
  2. 被加熱物を出し入れ可能な加熱室を仕切る調理庫と、
    通電によって発熱する主発熱体および通電によって発熱する補助発熱体を含む複数の発熱体と、
    前記複数の発熱体のうち少なくとも1つが温めた空気を前記加熱室内に供給して前記加熱室内に熱風を生じさせるファン装置と、
    前記加熱室内の温度を測定する温度測定装置と、
    前記主発熱体に通電を開始した後、前記温度測定装置で測定される温度が予め定める所定の閾値より大きくなった場合、未通電の前記補助発熱体にも通電を開始して前記加熱室内の温度上昇を促進させる制御部と、を備える加熱調理器。
  3. 前記補助発熱体は、前記加熱室の天井部に設けられている請求項1または2に記載の加熱調理器。
  4. 前記補助発熱体は、前記加熱室の底面部に設けられている請求項1から3のいずれか1項に記載の加熱調理器。
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