JP5960451B2 - 薄膜の剥離方法、及び薄膜の剥離装置 - Google Patents

薄膜の剥離方法、及び薄膜の剥離装置 Download PDF

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本発明は、ベースフィルムの表面に、金や銀等の金属、可食性素材、化粧素材、合成樹脂等の有機素材、等により形成された薄膜を、ベースフィルムから剥離させてキャリアフィルムに保持させるための薄膜の剥離方法、及び薄膜の剥離装置に関するものである。
従来から、薄膜としての金箔や銀箔等の箔材は、工芸品等の分野において、合紙の間に挟んだ状態で使用に供されるのが一般的である。この箔材は、非常に薄く皺や破れが生じ易いため、箔打ち後に合紙の間に挟んだり箔材を使用したりする際に、竹箸などを用いて慎重に作業する必要があり、取扱が難しく熟練した技量が必要で誰でも容易に扱えるものではなかった。
一方、本願出願人は、合成樹脂等により形成したベースフィルムの表面に、離型剤をコーティングした上に、化粧剤、可食剤、及び化学剤等からなる所定厚さの層を形成した薄膜や、蒸着法やスパッタリング法等の方法を用いて薄膜としての金銀膜を形成したものを製造している。金銀の薄膜は、熱転写法やアルコール液にドブ漬けにして剥離している。ポリ乳酸等の化学剤の薄膜の現在の剥離方法は、ポリビニルアルコール等の水溶性を有する素材でポリ乳酸の薄膜の表面に所定厚さの保持層を形成し、厚みが有る保持層ごとベースフィルムから剥離して、その後、ポリ乳酸の上に形成する水溶性の保持層のポリビニルアルコールだけを水洗いして落として薄膜のポリ乳酸フィルムを製作していた。しかしながら、この場合、ベースフィルム上に形成するポリ乳酸膜が薄くなればなるほど薄膜が見え難く、皺や破損が発生して、所望のポリ乳酸膜を得るには長時間の手間を要し極めて困難がともなった。
これに対して、本願出願人は、表面に薄膜としての箔材を形成した長尺状のベースフィルムを箔材が下方を向くように搬送する搬送装置と、搬送装置における所定位置の下側に配置され複数の小孔部が形成された平盤部の小孔部を介して吸気及び排気が可能な吸脱着装置と、ベースフィルムに対して箔材のみを切断可能な切断装置とを用いて、ベースフィルム上の箔材を所定長さに切断し、吸脱着装置の近傍でベースフィルムを後面側へ急激に折り返すように搬送することで、その折り返し部位で箔材の切断した端部をベース部材から僅かに剥離させ、下側から吸脱着装置で箔材を吸着してベースフィルムから剥離させる方法を提案している(特許文献1を参照)。しかしながら、特許文献1のものでも、ベースフィルムに形成した箔材がある程度よりも薄くなると、箔材における切断された部位からの剥離が起こり難く破損率がとても高かった。そのため、より薄い箔材でも簡単に剥離させることが可能な剥離方法や剥離装置の開発が望まれていた。
なお、薄膜として、金属の他に、可食性素材、化粧素材、合成樹脂等の有機素材、等により形成した薄膜でも、その厚さが薄くなるほど上述と同様の問題が発生する。
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、薄膜が形成されたベースフィルムから、薄膜を損ねることなく簡単に剥離させることができると共に、剥離させた薄膜を容易に取扱うことができる薄膜の剥離方法、及び薄膜の剥離装置の提供を課題とするものである。
上記の課題を解決するために、本発明に係る薄膜の剥離方法は、「剥離可能な薄膜が形成されたベースフィルムに、該ベースフィルムとで前記薄膜を挟むように通気性を有したキャリアフィルムを重ね合せ、該キャリアフィルムを通して前記薄膜に負圧を作用させた状態で、前記ベースフィルムを前記キャリアフィルムに対して離反する方向へ相対的に移動させることで、前記ベースフィルムに形成された前記薄膜を前記キャリアフィルムへ保持させて前記ベースフィルムから前記薄膜を剥離する」ことを特徴とする。
ここで、「薄膜」とは、その厚さについては限定するものではないが、薄膜の素材の物性に応じて、ベースフィルムから自重により自然剥離しない程度の厚さから、ナノの厚さの形成可能な可及的に薄い厚さまでとすることができる。ナノとは、数十nm〜数百nm(例えば、50nm〜200nm)のことである。また、「薄膜」は、単一の素材により形成したものであっても良いし、複数の素材により形成したもの(例えば、多層構造、並列構造)であっても良いし、表面に色彩や模様等の装飾を有したものであっても良い。更に、「薄膜」の長さは、ベースフィルムと略同じ長さであっても良いし、ベースフィルムよりも短い長さであっても良い。
また、「薄膜」の素材としては、特に限定するものではないが、金、銀、プラチナ、バナジウム、その他の貴金属、適宜の合金、その他の金属類、炭素、無機化合物、たんぱく質、キトサン、フィブロイン、ポリ乳酸、その他合成樹脂を含む有機化合物、等を用いることができる。また、「薄膜」は、単層構造でも良いし多層構造でも良く、例えば、金銀等の極薄の金属層と、金属層を形成するための所定厚さの被形成層とを備えたものを例示することができる。この薄膜を換言すると、装飾等に用いることができる金属箔、食用に用いることができる可食フィルム、化粧に用いることができる化粧用フィルム、止血材や細菌被覆材及び浸透膜等に用いることができる医療用フィルム(例えば、体内の手術の後の切り口の上に貼る為にナノの薄さのフィルム)、半導体や触媒等に用いることができる工業用フィルム、等を例示することができる。
更に、「剥離可能な」とは、ベースフィルムに離型層を介して薄膜を形成することで剥離できるようにしたことである。なお、離型層(離型剤)としては、特に限定するものではないが、ポリビニルアルコール(PVA)、シリコン、等を例示することができる。
この薄膜の形成方法としては、薄膜の素材に応じた方法を用いれば良く、蒸着法、スパッタリング法、コーター機を使用する方法、スクリーン印刷、エッチング、等を例示することができる。なお、薄膜は、ベースフィルムの略全長に亘って形成してある。
また、「ベースフィルム」としては、特に限定するものではないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート等の合成樹脂フィルム、等を例示することができる。なお、ベースフィルムは、長尺状であっても良いし、短尺状であっても良い。
更に、「通気性を有した」とは、特に限定するものではないが、繊維状の素材同士の間に空隙を有したもの、発泡により多孔質状に形成したもの、貫通孔を穿設したもの、等を例示することができる。
また、「キャリアフィルム」としては、特に限定するものではないが、和紙のような通気性を有した紙、不織布、織布、網、通気孔を穿設したポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート等の合成樹脂フィルム又は発泡樹脂フィルム、等を例示することができる。なお、キャリアフィルムは、長尺状であっても良いし、短尺状であっても良い。また、キャリアフィルムとして、静電気の発生し易いものを用いても良く、これにより、キャリアフィルム付薄膜を製造した際に、静電気によって薄膜がキャリアフィルムに貼り付いて、薄膜を数mmの大きさにカットして使用する場合、薄膜が剥がれたり動いたりすることが少ないので、カットした薄膜をピンセットの先に挟んで使い易くすることができる。
なお、通気性としてキャリアフィルムの通気率は、10%〜50%とすることが望ましく、20%〜30%とすることが更に望ましい。これよりも通気率が低いとベースフィルムから薄膜を充分に剥離させることができなくなる虞があり、また、これよりも通気率が高いと剥離した薄膜がキャリアフィルムに強く貼り付いて使用し辛くなったり薄膜に皺等の欠陥が生じたりする虞があるためである。また、キャリアフィルムとして紙や不織布等の微細な孔が均密に形成されたものを用いた場合、キャリアフィルムを通して負圧を薄膜へ均等に作用させることができ、ベースフィルムから薄膜を確実に綺麗に剥離させることができる。
また、剥離させた薄膜を保持し易くするために、キャリアフィルムの接着性を高めるようにしても良い。例えば、キャリアフィルムに和紙や不織布等のような含浸性を有したものを用いた場合では、キャリアフィルム内に接着剤を適宜含ませるようにしたり、キャリアフィルムの表面に接着剤からなる接着層(或いは接着領域)を形成するようにしたりしても良い。なお、接着剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カゼイン、ゼラチン、ポリアクリル酸、カルボキシルビニルポリマー、セラック、プルラン、等を例示することができる。また、薄膜をキャリアフィルムに接着剤で僅かに貼り付けるようにした場合、蓋然的に、薄膜がキャリアフィルムから動き難くなるので、例えば、キャリアフィルムに弾力性を有したものを用いて、カットする際に薄膜がキャリアフィルム側へ喰い込むのを可及的に抑制することができる。また、キャリアフィルム付薄膜の薄膜のみをハーフカットする場合、幅5mm〜60mmの間で短冊状、及び5mm〜60mmの四角形、六角形、丸形、ハート形等にカットして使用することができ、従来では困難であった様々な大きさや形状の薄膜を簡単に提供することができる。
本発明によると、ベースフィルムに形成した剥離可能な薄膜を、ベースフィルムとキャリアフィルムとで挟み、通気性を有したキャリアフィルムを通して薄膜に負圧を作用させた状態で、ベースフィルムをキャリアフィルムから離反する方向へ移動させている。つまり、負圧によって薄膜をキャリアフィルムに吸い付けた状態で、ベースフィルムを離反させているので、ベースフィルムから薄膜を、皺を発生させずに破損させずに綺麗で簡単に高速度で剥離させることができる。
また、キャリアフィルムを通して薄膜に負圧を作用させることで、薄膜をキャリアフィルムに保持させて、ベースフィルムから薄膜を剥離させるようにしているので、この剥離方法によれば、通気性を有するキャリアフィルムに保持された薄膜、つまり、キャリアフィルム付薄膜を製造することができる。
なお、負圧を作用させる際に、キャリアフィルムが局所的に負圧によって変形するのを阻止することが望ましい。これにより、薄膜を良好な状態で剥離させることができると共に、キャリアフィルムとして剛性の低いものを用いることが可能となり、剥離させた薄膜を柔軟に保持することができる。
また、本発明に係る薄膜の剥離方法は、上記の構成に加えて、「前記キャリアフィルムと重ね合わせた前記ベースフィルムを、一端側から前記キャリアフィルムに対して離反する方向へ順次相対的に移動させる」ことを特徴としても良い。
ところで、薄膜を剥離させる際に、ベースフィルムを、キャリアフィルムの面に対して直角方向へ真っ直ぐに相対移動させるようにした場合、ベースフィルムから薄膜を剥離させるための力が、その面全体に作用することとなり、ベースフィルムの相対移動に多大な力(エネルギー)が必要となる問題が生じる虞がある。また、面に対して直角方向へ真っ直ぐ離反させるようにした場合、薄膜の端部から離れた中央側でベースフィルムとの間が真空状態となり易くなり、キャリアフィルム側から負圧を作用させても、その真空状態によって薄膜がベースフィルムから離れず、確実に剥離させられない虞がある。
これに対して、本発明によると、キャリアフィルムに対してベースフィルムを一端側から順次離反させるようにしているので、ベースフィルムから薄膜を剥離させるための力が線に近い状態に作用することとなり、相対的に小さい力でも剥離させることができ、ベースフィルムから薄膜を簡単に剥離させることができる。
また、ベースフィルムを一端側から順次離反させるようにしているので、ベースフィルムと薄膜との間で真空状態が発生するのを回避させることができると同時に、キャリアフィルム側から作用する負圧により、剥離した薄膜とベースフィルムとの間に形成された空間内の空気により薄膜をキャリアフィルム側へ押し付けて、剥離を促進させることができ、ベースフィルムから薄膜を確実に剥離させることができる。
更に、ベースフィルムを一端側から順次離反させるようにしているので、例えば、ベースフィルム及びキャリアフィルムを長尺状とし、薄膜がベースフィルムに沿って長尺状に形成されていても、一端側から順次キャリアフィルムに保持させて長尺状の薄膜を剥離させることができ、これまで製造することができなかったような長尺状の薄膜を皺、破損の発生も無く毎分10m〜30mの高速で製造することができる。
上記の方法により剥離された薄膜は、薄膜に通気性を有したキャリアフィルムが付いているので、薄膜が非常に薄くても、キャリアフィルムによって形状を保持することができ、薄膜を良好な状態でカットしたり運搬したりして使用することができる。
また、薄膜を保持するキャリアフィルムが通気性を有し手指で把持できるので、例えば、キャリアフィルムに薄膜を保持させた状態で、薄膜を所定の使用対象物に貼り付けてから、キャリアフィルムを剥がすような作業を行う場合、キャリアフィルムを剥がす際に、キャリアフィルムを通してキャリアフィルムと薄膜との間に呼気等で給気できるので、キャリアフィルムが剥がれ易く貼り付け易くなり、熟練の職人でなくても薄膜の貼り付け作業等を簡単に行うことができる。
ところで、ベースフィルムに剥離可能に形成された薄膜は、ベースフィルムに接した側の面(裏面)と、接した側とは反対側の面(表面)とでは、薄膜の素材によっては互いの面の状態が異なっている場合がある。具体的には、例えば、薄膜の素材としてベースフィルムとの接着性の低いものの場合では、表面側が光沢のない状態でも裏面側が光沢のある状態となることがある。また、薄膜の素材としてベースフィルムとの接着性が高いものの場合では、ベースフィルムとの間に離型層を介在させるため、表面側が光沢のある状態でも裏面側が光沢のない状態となる。更に、薄膜の表面に色彩や模様等の装飾を有したものの場合では、表面側と裏面側とでは上述と同様の理由により装飾の見栄えが異なってしまうこととなる。これに対して、本発明のキャリアフィルム付薄膜は、キャリアフィルムに付いている状態では薄膜の裏面側が表面へ露出した状態となっているので、キャリアフィルムに付けた状態で薄膜を使用対象物に貼り付けると、薄膜の表面側が外から見える表面となり、薄膜をベースフィルムに形成された状態と同じ状態(向き)で使用対象物に転写することができる。
なお、薄膜に対してキャリアフィルムを大きく(例えば、両端が10mm〜50mm幅広)することが望ましく、これにより、薄膜を運搬したり使用したりする際に、キャリアフィルムにおける薄膜よりも外側の部分を左右両手指で把持することで、薄膜に触れずに両手指を自由に動かして作業等を行うことができ、薄膜をより良好な状態で使用対象物に使用することができる。
また、薄膜にキャリアフィルムが付いているので、キャリアフィルムの色彩や模様等を薄膜とは異ならせることで、薄膜をより薄くしたり透明な薄膜としたりして使用者等が薄膜を認識し辛くなっても、使用者等に対して薄膜を認識させ易くすることができ、薄膜を使用し易くすることができる。
ここで、上記の使用対象物としては、例えば、ケーキ、おにぎり、パン、トースト、クッキー、等の食品、漆地を施した椀、漆器、半乾燥接着剤を塗布した屏風、仏具、建材、建築物、彫刻物、電器製品、雑貨、車両、革製品、繊維製品、文具、化粧品、及び化粧パック、全身美容パック、手術の時の臓器等の出血止め、切り傷の早期治癒、細菌付着防止、ガラス等の上面や中間に貼った機能性ガラス、等を例示することができる。
また、長尺状に形成したキャリアフィルム付薄膜を任意の長さに切断する方法としては、トムソン刃、カット刃、ギロチン式、レーザー光線、ロータリーダイカット等を用いることができ、薄膜をキャリアフィルムに保持させた状態で切断することで、薄膜を傷付けることなく綺麗に切断することができ、作業性が良好である。
本発明に係る薄膜の剥離装置は、「複数の貫通孔を有し、該貫通孔を通して裏面側から表面側へ負圧が作用可能とされた板状の支持部材と、該支持部材の表面へ通気性を有したキャリアフィルムを供給するキャリア供給機構と、該キャリア供給機構から前記支持部材へ供給された前記キャリアフィルムを回収するキャリア回収機構と、該キャリア回収機構によって前記キャリアフィルムが回収される前に、剥離可能な薄膜が形成されたベースフィルムを、前記薄膜が前記キャリアフィルムとで挟まれるように該キャリアフィルムの表面へ供給するベース供給機構と、該ベース供給機構によって供給されて前記支持部材の表面側に位置した前記ベースフィルムを、前記キャリア回収機構によって前記キャリアフィルムが回収される前に、前記支持部材の表面に対して相対的に離反させて回収するベース回収機構とを具備する」ことを特徴とする。
ここで、「支持部材」の形状としては、特に限定するものではないが、外周が円形状又は多角形状とされた筒状、平板状、円弧状又は湾曲状、無端環状(ベルト状)、等を例示することができる。また、「支持部材」の素材としては、特に限定するものではないが、金属、合成樹脂、発泡樹脂、紙類、木、網、等を例示することができる。
なお、貫通孔を通して作用させる負圧は、エジェクタ式、歯車式、ピストン式、等のバキューム装置を用いて発生させれば良い。また、貫通孔を通して作用させる負圧は、常時作用させるようにしても良いし、キャリアフィルムやベースフィルムの供給や回収に応じて間欠的に作用させるようにしても良い。
また、「キャリア供給機構」としては、特に限定するものではないが、「長尺状のキャリアをボビン等に巻いた状態で回転可能に支持し、支持したキャリアをローラ又はキャリア回収機構側等からの引っ張りにより供給するもの」、「短尺状のキャリアを複数支持し、支持したキャリアをローラ又は吸着盤等により送って供給するもの」、等を例示することができる。
更に、「キャリア回収機構」としては、「長尺状のキャリアフィルムをモータにより回転駆動するボビン等に巻き取って回収するもの」、「短尺状のキャリアフィルムをローラ、吸着盤、把持部材等により保持して回収するもの」、等を例示することができる。
また、「ベース供給機構」としては、「長尺状のベースフィルムをボビン等に巻いた状態で回転可能に支持し、支持したベースフィルムをローラ又はベース回収機構側等からの引っ張りにより供給するもの」、「短尺状のベースフィルムを複数支持し、支持したベースフィルムをローラ又は吸着盤等により送って供給するもの」、等を例示することができる。なお、ベースフィルムの供給における「キャリアフィルムが回収される前に」とは、「キャリアフィルムが支持部材に供給されている状態、つまり、支持部材の貫通孔を通してキャリアフィルムに負圧が作用している状態」、又は「キャリアフィルムが支持部材へ供給される前の状態、支持部材の貫通孔を通してキャリアフィルムに負圧が作用する前の状態」の何れかのことである。
また、「ベース回収機構」としては、「長尺状のベースフィルムをモータより回転駆動するボビン等に巻き取って回収するもの」、「短尺状のベースフィルムをローラ、吸着盤、把持部材等により保持して回収するもの」、等を例示することができる。
なお、ベース回収機構における「キャリアフィルムが回収される前に」とは、キャリアフィルムが支持部材に供給されている状態、つまり、キャリアフィルムを通して薄膜に負圧が作用している状態のことである。
本発明によると、複数の貫通孔を通して表面側へ負圧が作用する支持部材の表面側に、キャリア供給機構により通気性を有したキャリアフィルムを供給すると共に、ベース供給機構により薄膜が形成された面をキャリアフィルム側へ向けてキャリアフィルムの表面へ供給することで、キャリアフィルムを通してベースフィルムの薄膜に負圧が作用し、支持部材の貫通孔への吸着力によって薄膜がキャリアフィルム上に貼り付く。その後、この状態で、ベース回収機構によりベースフィルムを回収すると、負圧の作用により薄膜がキャリアフィルム側へ保持されるように剥離することとなる。そして、キャリア回収機構により支持部材からキャリアフィルムを回収することで、ベースフィルムに形成されていた薄膜をキャリアフィルムに保持させた状態で得ることができる。
而して、上記構成によれば、薄膜を良好な状態でベースフィルムから簡単に剥離させることが可能な薄膜の剥離装置を具現化することができると共に、キャリアフィルムに薄膜が保持されたキャリアフィルム付薄膜を製造することができる。
なお、上記構成において、キャリアフィルム及びベースフィルムを長尺状とすると共に、それらを予めボビン等に巻いた状態とし、それら長尺状のキャリアフィルム及びベースフィルムを、キャリア供給機構及びベース回収機構から支持部材の表面を介してキャリア回収機構及びベース回収機構の夫々のボビン等へ巻き取られるように構成しても良い。これにより、ベースフィルムに形成された薄膜を連続して剥離させることができ、薄膜(キャリア付薄膜)の生産性を高めて、コストを低減させることができる。なお、この場合、長尺状のベースフィルムに形成される薄膜は、ベースフィルムに沿って長尺状に形成しても良いし、ベースフィルムの長手方向に対して所定長さの短尺状に複数形成しても良く、何れの場合でも良好に薄膜を剥離させることができる。
このように、本発明によれば、薄膜が形成されたベースフィルムから、薄膜を損ねることなく簡単に剥離させることができると共に、剥離させた薄膜を容易に取扱うことができる薄膜の剥離方法、及び薄膜の剥離装置を提供することができる。
本発明の一実施形態である薄膜の剥離装置を概略で示す正面図である。 図1の薄膜の剥離装置を更に概略で示す斜視図である。 図1の薄膜の剥離装置における要部を拡大して断面で示す説明図である。 ャリアフィルム付薄膜を示す斜視図である。 図4とは異なる形態のキャリアフィルム付薄膜を示す斜視図である。 図1とは異なる形態の薄膜の剥離装置を概略で示す説明図である。
本発明の一実施形態である薄膜の剥離装置1を、図1乃至図5を参照して詳細に説明する。なお、薄膜の剥離装置1を、以下、単に剥離装置1と称す。本実施形態の剥離装置1は、剥離可能な薄膜2が形成されたベースフィルム3から、薄膜2を剥離させ、キャリアフィルム4に保持させてキャリアフィルム付薄膜5を製造することができるものである。
具体的には、剥離装置1は、負圧や正圧を供給することが可能な気圧供給機構10と、気圧供給機構10から内部に負圧が供給可能とされ、両端が閉鎖された円筒状で外周面に複数の貫通孔15aを有した支持部材15と、支持部材15の内部に負圧を供給可能な気圧供給機構10と、長尺状のキャリアフィルム4を巻かれた状態で支持すると共に支持部材15の外周面へ支持したキャリアフィルム4を供給可能なキャリア供給機構20と、支持部材15へ供給されたキャリアフィルム4を巻き取って回収するキャリア回収機構30と、薄膜2が形成された長尺状のベースフィルム3を巻かれた状態で支持すると共に支持部材15の外周面に供給されたキャリアフィルム4の外周面へ支持したベースフィルム3を供給可能なベース供給機構40と、キャリアフィルム4の外周面へ供給されたベースフィルム3を巻き取って回収するベース回収機構50と、支持部材15を回転駆動させる支持部材駆動機構60と、を主に備えている。
また、剥離装置1は、気圧供給機構10、支持部材15、キャリア供給機構20、キャリア回収機構30、ベース供給機構40、ベース回収機構50、及び支持部材駆動機構60等を支持する装置本体70と、装置本体70の所定位置に取付けられ薄膜2、ベースフィルム3、及びキャリアフィルム4を検知するワーク検知機構80と、ワーク検知機構80からの検知信号が入力されると共に気圧供給機構10、キャリア回収機構20、ベース回収機構50、及び支持部材駆動機構60等を制御する制御部(図示は省略)と、を備えている。この装置本体70は、横長平板状で略水平に載置される底ベース71と、底ベース71の上面から上方へ立設された平板状の立壁ベース72と、底ベース71の下面四隅に取付けられる脚部73と、を備えている。
剥離装置1の気圧供給機構10は、装置本体70における立壁ベース72に支持され、立壁ベース72の前面からその面に対して直角方向へ突出する円柱状の軸部材11と、軸部材11を軸方向へ貫通すると共に軸部材11の外周面に開口する負圧供給通路12と、負圧供給通路12へ負圧を供給すると共に立壁ベース72の後面側の底ベース71上に取付けられ加圧された気体により負圧を発生させるエジェクタ13と、を主に備えている。気圧供給機構10の軸部材11は、立壁ベース72における上下方向の略中央の位置に支持されている。
また、気圧供給機構10は、軸部材11を軸方向へ貫通すると共に軸部材11の外周面に開口する正圧供給通路14と、加圧された気体の供給をエジェクタ13又は正圧供給通路14の何れかに切り替える気圧切替バルブ(図示は省略)と、を備えている。なお、負圧供給通路12及び正圧供給通路14における軸部材11の前端側の開口は、所定の蓋部材によって気密に閉鎖されている。また、図示は省略するが、気圧供給機構10には、エアストレイナー、減圧弁、リリーフ弁、等が備えられている。
剥離装置1の支持部材15は、気圧供給機構10の軸部材11によって両端が回転可能に支持されている。また、支持部材15は、立壁ベース72に接近した後端にプーリ15bが一体的に形成されている。支持部材15の外周面には、複数の貫通孔15aが所定間隔で形成されている。
剥離装置1のキャリア供給機構20は、装置本体70における立壁ベース72に回転可能に支持され、立壁ベース72の前面から、その面に対して直角方向へ突出した円柱状の軸部材21と、軸部材21の両端に固定される円盤状の一対のボビン固定板22と、を備えている。キャリア供給機構20の軸部材21は、図示するように、正面視で立壁ベース72の左端付近で上下方向の中央から下寄りの位置に支持されている。また、キャリア供給機構20のボビン固定板22は、軸部材21の先端側に固定されるボビン固定板22が、軸部材21に対して脱着可能とされており、一対のボビン固定板22により長尺状のキャリアフィルム4が巻かれた円筒状のボビン90を挟持して支持することができるようになっている。
また、キャリア供給機構20は、立壁ベース72に回転可能に支持され、立壁ベース72の前面から、その面に対して直角方向へ突出した二つのガイドローラ23を備えている。キャリア供給機構20における二つのガイドローラ23は、支持部材15と軸部材21との間で左右方向へ離間して配置されている。軸部材21に近い側のガイドローラ23の軸芯は、支持部材15の軸芯と略同じ高さに配置されており、また、支持部材15に近い側のガイドローラ23の軸芯は、支持部材15の軸芯と支持部材15の外周上端との間の略中央の高さに配置されている。これら二つのガイドローラ23は、ボビン90に巻かれたキャリアフィルム4を支持部材15へ案内するためのものである。
剥離装置1のキャリア回収機構30は、立壁ベース72の後面に回転軸が前方へ突出するように立壁ベース72の後面側に取付けられるキャリア回収モータ31と、キャリア回収モータ31の回転軸に後端が連結されると共に前端が立壁ベース72を貫通して前方へ延出し、立壁ベース72に回転可能に支持される軸部材32と、立壁ベース72の前面側で軸部材32に固定される円盤状の一対のボビン固定板33と、を備えている。キャリア回収機構30のキャリア回収モータ31は、トルク調整が可能なモータとされている。
キャリア回収機構30の軸部材32は、図示するように、正面視で立壁ベース72の上端付近で、左右方向の位置が支持部材15とキャリア供給機構20の軸部材21との間の略中央付近の位置に支持されている。また、キャリア回収機構30のボビン固定板33は、軸部材32の先端側に固定されるボビン固定板33が、軸部材32に対して脱着可能とされており、一対のボビン固定板33により長尺状のキャリアフィルム4を巻き取る円筒状のボビン90を挟持して支持することができるようになっている。
また、キャリア回収機構30は、立壁ベース72に回転可能に支持され、立壁ベース72の前面から、その面に対して直角方向へ突出した支持ローラ34と、支持ローラ34と平行に配置される押圧ローラ35と、押圧ローラ35を回転可能に支持すると共に支持ローラ34へ向って付勢する押圧機構36と、を備えている。キャリア回収機構30の支持ローラ34と押圧ローラ35は、それらの軸芯が、支持部材15の軸芯とキャリア回収機構30における軸部材32の軸芯とを結んだ線よりも上側に位置するように支持されている。
キャリア回収機構30の押圧機構36は、押圧ローラ35を回転可能に支持するローラ支持部材36aと、ローラ支持部材36aを支持ローラ34と押圧ローラ35の軸芯を通る線上に沿ってスライド可能に支持するスライド支持部材36bと、スライド支持部材36bとローラ支持部材36aとの間に配置され押圧ローラ35を支持ローラ34側へ付勢する押圧バネ36cと、スライド支持部材36bに取付けられ押圧ローラ35が支持ローラ34から離れる方向へ移動する移動距離を規制するためのストッパ部材36dと、を備えている。なお、ストッパ部材36dは、ボルトの回転によって移動を規制する距離を変更することができるようになっている。
キャリア回収機構30は、支持ローラ34、押圧ローラ35、及び押圧機構36によって、支持ローラ34と押圧ローラ35との間を通るキャリアフィルム4(キャリアフィルム付薄膜5)に対して、押圧バネ36cの付勢力に応じた圧力を加えることができるようになっている。
剥離装置1のベース供給機構40は、装置本体70における立壁ベース72に回転可能に支持され、立壁ベース72の前面から、その面に対して直角方向へ突出した円柱状の軸部材41と、軸部材41の両端に固定される円盤状の一対のボビン固定板42と、を備えている。ベース供給機構40の軸部材41は、図示するように、正面視で立壁ベース72の下端付近で、左右方向の位置が支持部材15とキャリア供給機構20の軸部材21との間の略中央付近の位置に支持されている。
また、ベース供給機構40のボビン固定板42は、軸部材41の先端側に固定されるボビン固定板42が、軸部材41に対して脱着可能とされており、一対のボビン固定板42により長尺状のベースフィルム3が巻かれた円筒状のボビン91を挟持して支持することができるようになっている。なお、ベース供給機構40のボビン固定板42は、キャリア回収機構30のボビン固定板33よりも、若干小径とされている。
また、ベース供給機構40は、立壁ベース72に回転可能に支持され、立壁ベース72の前面から、その面に対して直角方向へ突出したガイドローラ43と、ガイドローラ43と支持部材15との間に配置されベースフィルム3の裏面(下面)を摺動可能に支持する板状のガイド板44と、を備えている。ベース供給機構40のガイドローラ43は、図示するように、正面視軸部材41の上側で、外周上端が支持部材15の外周下端と略同じ高さとなる位置に支持されている。また、ベース供給機構40のガイド板44は、上面が支持部材15とガイドローラ43の接線上に略位置し、正面視右端が支持部材15の外周下端付近まで延出している。また、ガイド板44は、正面視右端側の下面が、右方向へ向うに従って上方へ向うように傾斜している。
剥離装置1のベース回収機構50は、立壁ベース72の後面に回転軸が前方へ突出するように立壁ベース72の後面側に取付けられるベース回収モータ51と、ベース回収モータ51の回転軸に後端が連結されると共に前端が立壁ベース72を貫通して前方へ延出し、立壁ベース72に回転可能に支持される軸部材52と、立壁ベース72の前面側で軸部材52に固定される円盤状の一対のボビン固定板53と、を備えている。ベース回収機構50のベース回収モータ51は、トルク調整が可能なモータとされている。
ベース回収機構50の軸部材52は、図示するように、正面視ベース供給機構40の軸部材41と略同じ高さで、立壁ベース72の右下隅付近の位置に支持されている。また、ベース回収機構50のボビン固定板53は、軸部材52の先端側に固定されるボビン固定板53が、軸部材52に対して脱着可能とされており、一対のボビン固定板53により長尺状のベースフィルム3を巻き取る円筒状のボビン91を挟持して支持することができるようになっている。ベース回収機構50のボビン固定板53は、ベース供給機構40のボビン固定板42と同径とされている。
また、ベース回収機構50は、支持部材15の下側の位置で装置本体70における立壁ベース72に回転可能に支持され、立壁ベース72の前面から、その面に対して直角方向へ突出した剥離ローラ54と、剥離ローラ54の下側で回転軸が前方へ突出するように立壁ベース72の後面側に取付けられるローラ駆動モータ55と、ローラ駆動モータ55の回転軸に後端が連結されると共に前端が立壁ベース72を貫通して前方へ延出し、立壁ベース72に回転可能に支持される駆動ローラ56と、駆動ローラ56と平行に配置される押圧ローラ57と、押圧ローラ57を回転可能に支持すると共に駆動ローラ56へ向って付勢する押圧機構58と、を備えている。このベース回収機構50は、剥離ローラ54、駆動ローラ56、及び押圧ローラ57が、上下方向に略並んで配置されている。
ベース回収機構50の剥離ローラ54は、その軸芯が正面視支持部材15の軸芯よりも下寄りの位置で、外周が支持部材15の外周と接するほどに接近した位置に支持されている。ベース回収機構50のローラ駆動モータ55は、回転速度及び回転角度を高精度で制御することが可能なステッピングモータとされている。
ベース回収機構50の押圧機構58は、押圧ローラ57を回転可能に支持するローラ支持部材58aと、ローラ支持部材58aを駆動ローラ56と押圧ローラ57の軸芯を通る線上に沿ってスライド可能に支持するスライド支持部材58bと、スライド支持部材58bとローラ支持部材58aとの間に配置され押圧ローラ57を駆動ローラ56側へ付勢する押圧バネ58cと、スライド支持部材58bに取付けられ押圧ローラ57が駆動ローラ56から離れる方向へ移動する移動距離を規制するためのストッパ部材58dと、を備えている。なお、ストッパ部材58dは、ボルトの回転によって移動を規制する距離を変更することができるようになっている。
ベース回収機構50は、押圧機構58により駆動ローラ56と押圧ローラ57とでそれらの間を通るベースフィルム3を、押圧バネ58cの付勢力に応じた力で押圧することができると共に、ローラ駆動モータ55により駆動ローラ56を回転駆動させることで、押圧したベースフィルム3を剥離ローラ54側から引っ張って軸部材52(ボビン91)側へ送ることができるようになっている。
剥離装置1の支持部材駆動機構60は、回転軸が立壁ベース72を貫通して前方へ延出するように、立壁ベース72の後面に取付けられる支持部材モータ61と、支持部材モータ61の回転軸に固定される駆動プーリ62と、駆動プーリ62及び支持部材15のプーリ15bに巻き掛けられる駆動ベルト63と、を備えている。支持部材駆動機構60の支持部材モータ61は、回転速度及び回転角度を高精度で制御することが可能なステッピングモータとされている。支持部材駆動機構60の駆動プーリ62は、図示するように、正面視支持部材15の右上の位置に支持されている。
支持部材駆動機構60は、支持部材モータ61により駆動プーリ62を回転駆動させることで、駆動ベルト63を介して支持部材15を、気圧供給機構10の軸部材11回りに回転駆動させることができるようになっている。
剥離装置1のワーク検知機構80は、キャリア供給機構20に支持されたキャリアフィルム4の有無を検知するキャリアフィルム供給側センサ81と、キャリアフィルム付薄膜2の有無を検知する製品検知センサ82と、キャリア回収機構30でボビン90に巻き取られたキャリアフィルム付薄膜2が満杯になったか否かを検知する製品満杯センサ83と、ベース供給機構40に支持された薄膜が形成されたベースフィルム3の有無を検知するベースフィルム供給側センサ84と、薄膜2が剥離されてベース回収機構50のボビン91に巻き取られるベースフィルム3の有無を検知するベースフィルム回収側センサ85と、ベース回収機構50でボビン91に巻き取られたベースフィルム3が満杯になったか否かを検知する回収満杯センサ86と、を備えている。
なお、本実施形態では、ワーク検知機構80における各センサ81,82,83,84,85,86が、発光部からの照射した光を受光部で受けることで検知対象物を検知する光電センサとされている。
ワーク検知機構80は、キャリアフィルム供給側センサ81、製品満杯センサ83、ベースフィルム供給側センサ84、ベースフィルム回収側センサ85、及び回収満杯センサ86における夫々の検知対象の反対側に配置され、検知光を反射させる反射板87を備えている。
ワーク検知機構80の、キャリアフィルム供給センサ81は、キャリア供給機構20における軸部材21の正面視右上の位置に配置され、キャリア供給機構20のボビン固定板22に挟持されたボビン90から正面視左側のガイドローラ23へ供給されるキャリアフィルム4を検知することができるようになっている。また、製品検知センサ82は、ベース回収機構50における剥離ローラ54の正面視右側に配置されベースフィルム3から剥離してキャリアフィルム4に保持された薄膜2を検知することができるようになっている。更に、製品満杯センサ83は、キャリア回収機構30における軸部材32の正面視左上側に配置され、ボビン固定板33に挟持されたボビン90に巻き取られたキャリアフィルム付薄膜5の巻き取られた直径を検知することができるようになっている。
また、ワーク検知機構80のベースフィルム供給側センサ84は、ベース供給機構40における軸部材41の正面視左上側に配置され、ベース供給機構40のボビン固定板42に挟持されたボビン91から上側のガイドローラ43へ供給されるベースフィルム3を検知することができるようになっている。また、ベースフィルム回収側センサ85は、ベース回収機構50の駆動ローラ56と軸部材52との間に配置され、押圧ローラ57からベース回収機構50におけるボビン固定板53に挟持されたボビン91へ送られるベースフィルム3を検知することができるようになっている。更に、回収満杯センサ86は、ベース回収機構50における軸部材52の正面視左上側に配置され、ボビン固定板53に挟持されたボビン91に巻き取られたベースフィルム3の巻き取られた直径を検知することができるようになっている。
ワーク検知機構80のキャリアフィルム供給側センサ81、ベースフィルム供給側センサ84、及びベースフィルム回収側センサ85は、反射板87からの検知光が検知されると、供給するキャリアフィルム4やベースフィルム3が、無くなったことを検知することができるようになっている。また、製品満杯センサ83、及び回収満杯センサ86は、反射板87からの検知光が検出されなくなると、キャリアフィルム付薄膜5や回収したベースフィルム3が各ボビン90,91において満杯となったことを検知することができるようになっている。
なお、本実施形態では、通気性を有したキャリアフィルム4は、通気性が20%〜30%で、40g/m〜60g/mの和紙を用いており、幅が160mmの長尺状に形成されている。また、ベースフィルム3は、ポリエチレンテレフタレート(PET)のフィルムを用いており、幅がキャリアフィルム4よりも狭い120mmの長尺状に形成されている。
また、薄膜2は、全体が50nm〜200nmの厚さに形成されている。この薄膜2は、離型剤をコーティングしたベースフィルム3の表面に、化粧剤、可食剤、及び化学剤等を、コーター機を用いて所定の厚さの層を形成したものと、更にその上に金、銀、プラチナ、等の金属を蒸着法又はスパッタリング法等を用いて500Å〜1000Åの厚さに形成したものである。また、薄膜2は、ベースフィルム3と同じ幅で、略同じ長さの長尺状に形成されている。
また、本実施形態では、剥離装置1における支持部材15は、金属により形成されており、直径が約100mm、軸方向の長さが約180mm、板厚が2mm〜5mmとされ、貫通孔15aの直径が0.5mm〜1mm、周方向及び軸方向の穿設ピッチが3mm〜5mmの間隔で形成されている。更に、本実施形態では、薄膜2(ベースフィルム3やキャリアフィルム4)の送り速度が、0.5m/min〜30m/minの速度で送られるようになっている。また、ボビン90,91の幅(軸方向の長さ)は、キャリアフィルム4やベースフィルム3の幅と同じ幅に形成されている。更に、剥離装置1では、送られるキャリアフィルム4やベースフィルム3が、それらの幅方向の中心が略一致するように、各部材が夫々配置支持されている。
次に、本実施形態における剥離装置1の動きについて説明する。初めに、ボビン90に巻かれた長尺状のキャリアフィルム4と、ボビン91に巻かれ薄膜2が形成された長尺状のベースフィルム3とを用意する。なお、ベースフィルム3については、薄膜2が外周面側を向くようにボビン91に予め巻いておく。まず、キャリア回収機構30とベース回収機構50における夫々のボビン固定板33,53の間に、空のボビン90,91を挟持固定する。次に、キャリアフィルム4が巻かれたボビン90を、キャリア供給機構20における二つのボビン固定板22の間へ挟持固定する。この時、ボビン90からキャリアフィルム4を繰り出すと、ボビン固定板22が正面視時計回りの方向へ回転するように、ボビン90を挟持固定する。
一対のボビン固定板22の間にキャリアフィルム4が巻かれたボビン90を固定したら、キャリアフィルム4の先端を引っ張り、キャリアフィルム4が、キャリア供給機構20における正面視左側のガイドローラ23では下側、正面視右側のガイドローラ23では上側、支持部材15では下側、そして、キャリア回収機構30における支持ローラ34と押圧ローラ35との間を順次通るように巻き回した上で、キャリアフィルム4の先端を、キャリア回収機構30のボビン固定板33に挟持固定されたボビン90に取付ける。これにより、キャリアフィルム4が支持部材15の外周に対して略U字状に巻き付いた状態となる。
続いて、薄膜2を形成したベースフィルム3が巻かれたボビン91を、ベース供給機構40における二つのボビン固定板42の間へ挟持固定する。この時、ボビン91からベースフィルム3を繰り出すと、ボビン固定板42が正面時計回りの方向へ回転するように、ボビン91を挟持固定する。ベースフィルム3が巻かれたボビン91を挟持固定したら、ベースフィルム3の先端を引っ張り、ベースフィルム3が、ベース供給機構40におけるガイドローラ43の上側、ガイド板44の上側、支持部材15とベース回収機構50における剥離ローラ54との間、剥離ローラ54と駆動ローラ56との間、そして、駆動ローラ56と押圧ローラ57との間を順次通るように巻き回した上で、ベースフィルム3の先端を、ベース回収機構50のボビン固定板53に挟持固定されたボビン91に取付ける。
これにより、ベースフィルム3に形成された薄膜2が、支持部材15の外周側でキャリアフィルム4と接触し、ベースフィルム3とキャリアフィルム4とで挟まれた状態となり、キャリアフィルム4及びベースフィルム3のセットが完了する。なお、ベースフィルム3については、先端から所定の長さ(セットした状態で薄膜2が支持部材15に到達しない長さ)まで、薄膜2を形成しないようにすることが望ましく、薄膜2の無用な消費を抑制することができる。
キャリアフィルム4及びベースフィルム3をセットしたら、気圧供給機構10のエジェクタ13へ加圧気体を供給し、負圧を発生させると共に、負圧供給通路12を介して軸部材11外周の支持部材15内へ負圧を供給する。支持部材15内に負圧が供給されると、支持部材15の外周面に形成された複数の貫通孔15aを通して、支持部材15の外周側の空気が支持部材15内へ吸引される。この時、支持部材15の外周に巻かれたキャリアフィルム4は、負圧による吸引によって支持部材15の外周面に吸着すると共に、通気性を有したキャリアフィルム4により、キャリアフィルム4の外周面側からもキャリアフィルム4を通して支持部材15内へ空気が吸引されることとなる。
そして、支持部材15内へ負圧を供給した状態で、支持部材モータ61、ローラ駆動モータ55、キャリア回収モータ31、及びベース回収モータ51を、夫々適宜方向へ略同時に回転駆動させる。具体的には、支持部材15、駆動ローラ56、及びベース回収機構50のボビン91が正面視反時計回りの方向へ、キャリア回収機構30のボビン90が正面視時計回りの方向へ、夫々回転するようにモータ31,51,55,61を回転駆動させる。また、各モータ31,51,55,61の回転速度は、キャリアフィルム4とベースフィルム3の送り速度が略一致するように制御する。
このように、各モータ31,51,55,61を回転駆動させることで、キャリア供給機構20から繰り出されて支持部材15へ供給されたキャリアフィルム4が、キャリア回収機構30でボビン90に巻き取られると共に、ベース供給機構40から繰り出されて支持部材15へ供給されたベースフィルム3が、ベース回収機構50のボビン91に巻き取られることとなる。
この際に、支持部材15の外周面では、通気性を有したキャリアフィルム4を通して、キャリアフィルム4の外周側に負圧が作用する状態となり、この状態で、薄膜2を挟むようにベースフィルム3がキャリアフィルム4の外周面に位置すると、キャリアフィルム4を通して薄膜2とベースフィルム3に負圧が作用することとなる。そして、負圧が作用した状態で、ベースフィルム3がベース回収機構50の剥離ローラ54によって支持部材15(キャリアフィルム4)の外周面から遠ざかる方向へ引っ張られるので、薄膜2のみが負圧によりキャリアフィルム4側へ吸い付いた状態となり、ベースフィルム3から薄膜2が剥離することとなる。
そして、支持部材15の外周面では、キャリアフィルム4及びベースフィルム3が、夫々キャリア回収機構30側及びベース回収機構50側へ送られることで、ベースフィルム3における剥離ローラ54により引っ張られる部位で、薄膜2が順次キャリアフィルム4側へ剥離して、キャリアフィルム4に保持されることとなる。
このように、ベースフィルム3から剥離してキャリアフィルム4に保持された薄膜2は、キャリアフィルム付薄膜5として、キャリアフィルム4と伴にキャリア回収機構30のボビン90に巻き取られることとなり、而して、キャリアフィルム付薄膜5を製造することができる。
その後、ワーク検知機構80の製品満杯センサ83や回収満杯センサ86で、キャリアフィルム付薄膜5や回収したベースフィルム3が、ボビン90,91に巻き取られて満杯になったことが検知されると、各モータ31,51,55,61の駆動が停止して、図示しない、報知手段によってその旨が報知されるようになっている。或いは、キャリアフィルム供給側センサ81やベースフィルム供給側センサ84で、キャリアフィルム4やベースフィルム3が、ボビン90,91から無くなったことが検知されると、各モータ31,51,55,61の駆動が停止して、図示しない、報知手段によってその旨が報知されるようになっている。更には、製品検知センサ82やベースフィルム回収側センサ85において、正常な状態とは異なった状態が検知されると、各モータ31,51,55,61の駆動が停止して、図示しない、報知手段によって不具合が発生した旨の報知がされるようになっている。
なお、本実施形態の剥離装置1は、気圧供給機構10によって支持部材15内へ加圧気体による正圧を供給することができるようになっているので、例えば、使用によって支持部材15の貫通孔15aが目詰まりした場合、正圧を供給して目詰まりを解消させることができ、メンテナンスを簡単に行うことができるようになっている。
また、図5に示すように、キャリアフィルム付薄膜5における長尺の薄膜2だけを短冊のようにハーフカットして製造することができる。なお、短冊の他に、碁盤の目、六角形、丸形、ハード形、動物の形、葉や樹木の形、キャラクタの形、等の形にハーフカットしたり、薄膜2をキャリアフィルム4とともに切断したりして製造することができる。
このように、本実施形態によると、ベースフィルム3に形成した剥離可能な薄膜2を、ベースフィルム3とキャリアフィルム4とで挟み、通気性を有したキャリアフィルム4を通して薄膜2に負圧を作用させた状態で、ベースフィルム3をキャリアフィルム4から離反する方向へ移動させている。つまり、負圧によって薄膜2をキャリアフィルム4に吸い付けた状態で、ベースフィルム3を離反させているので、ベースフィルム3から薄膜2を簡単に剥離させることができる。
また、キャリアフィルム4を通して薄膜2に負圧を作用させることで、薄膜2をキャリアフィルム4に保持させて、ベースフィルム3から薄膜2を剥離させるようにしているので、通気性を有するキャリアフィルム4に保持された薄膜2、つまり、キャリアフィルム付薄膜5を製造することができる。
また、キャリアフィルム4に対してベースフィルム3を一端側から順次離反させるようにしているので、ベースフィルム3から薄膜2を剥離させるための力が線状に作用することとなり、相対的に小さい力でも剥離させることができ、ベースフィルム3から薄膜2を綺麗で簡単に高速に剥離させることができる。
更に、ベースフィルム3を一端側から順次離反させるようにしているので、ベースフィルム3から薄膜2を連続的に剥離させることができ、これまで製造することができなかったような長尺状の薄膜2(キャリアフィルム付薄膜5)を製造することができる。
また、ベース回収機構50では、剥離ローラ54に巻き掛けられたベースフィルム3を、駆動ローラ56と押圧ローラ57とで挟持すると共に、駆動ローラ56の回転駆動によって引っ張るようにしているので、ベースフィルム3から薄膜2を剥離させる力が、ボビン固定板53に挟持固定されボビン91側へ伝わるのを可及的に低減させることができ、ボビン91に対してベースフィルム3を均質に巻き付けることができる。なお、キャリア回収機構30の支持ローラ34に、駆動用のモータを接続して回転駆動させるようにしても良く、これにより、ベース回収機構50の駆動ローラ56と同様の作用をさせることができ、キャリア回収機構30におけるボビン固定板33に挟持固定されたボビン90に対して、キャリアフィルム付薄膜5を均質に巻き付けることができる。
更に、キャリア回収機構30において、支持ローラ34と押圧ローラ35とで、キャリアフィルム4に保持された薄膜2(キャリアフィルム付薄膜5)を押圧するようにしているので、キャリアフィルム4に所定の接着剤を含ませたものを使用した場合、支持ローラ34と押圧ローラ35との押圧により、薄膜2をキャリアフィルム4へ軽く接着させることができ、キャリアフィルム4へ薄膜2を確実に保持させることができる。
また、ベース供給機構40において、ベースフィルム3を平板状のガイド板44により案内して支持部材15へ供給するようにしているので、薄膜2が形成されたベースフィルム3が波打ったような状態で支持部材15側へ供給されるのを防止することができ、薄膜2に皺等が入るのを防止することができ、後工程の短冊や碁盤の目等にハーフカットしてもキャリアフィルム4から薄膜2が剥がれ落ち難い。
また、本実施形態では、通気性を有したキャリアフィルム4として、和紙を用いているので、キャリアフィルム4を通して負圧を薄膜2へ均等に作用させることができ、ベースフィルム3から薄膜2を綺麗に剥離させることができる。また、キャリアフィルム4に和紙を用いているので、キャリアフィルム4に所定の接着剤を含ませておけば、キャリアフィルム付薄膜5に対して薄膜2のみを切断するハーフカットを行っても、キャリアフィルム4に対して薄膜が相対移動するのを防止することが可能となり、カットする際に薄膜がキャリアフィルム側へ喰い込むのを可及的に抑制することができ、薄膜2を綺麗に切断することができる。
更に、本実施形態によると、キャリアフィルム付薄膜5を製造することができるので、薄膜2が非常に薄くても、キャリアフィルム4によって形状を保持することができ、薄膜2を良好な状態で運搬したり使用したりすることができる。特に、薄膜2よりキャリアフィルム4が両端に10mm〜50mm出ていると両手指で挟んで作業できる。
また、薄膜2を保持するキャリアフィルム4が通気性を有しており、薄膜2を所定の使用対象物に貼り付けてから、キャリアフィルム4を剥がすような作業を行う場合、キャリアフィルム4を剥がす際に、キャリアフィルム4を通してキャリアフィルム4と薄膜2との間に呼気で給気されるので、キャリアフィルム4が剥がれ易くなり、熟練の職人でなくても貼り付け作業等を簡単に行える薄膜2とすることができる。
また、本実施形態の剥離装置1で製造されるキャリアフィルム付薄膜5は、キャリアフィルム4に付いている状態では薄膜2の裏面側が表面へ露出した状態となっているので、キャリアフィルム4に付けた状態で薄膜2を使用対象物に貼り付けると、薄膜2の表面側が外から見える表面となり、両手指を使って薄膜2をベースフィルム3に形成された状態と同じ状態(向き)で使用対象物に転写することができる。
更に、キャリアフィルム付薄膜5は、薄膜2よりもキャリアフィルム4の幅が大きいので、薄膜2を運搬したり使用したりする際に、キャリアフィルム4における薄膜2よりも外側の部分を用いることで、薄膜2に触れずに作業等を行うことができ、薄膜2をより良好な状態で使用することができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、上記の実施形態では、支持部材15として円筒状のものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、図6に模式的に示すように、無端環のベルト状のものとしても良い。なお、同様の構成のものについては同じ符号を付し、説明は省略する。剥離装置1では、ベルト状の支持部材15に、図示は省略するが、その周方向(回転方向)に対して直角方向へ貫通した貫通孔15aが複数形成されている。この剥離装置1では、支持部材15におけるキャリアフィルム4が接する部位の裏面側(内周側)に、気圧供給機構10が配置されており、当該部位において、支持部材15の表面側へ負圧を作用させることができるようになっている。また、剥離ローラ54は、支持部材15(キャリアフィルム4)における気圧供給機構10から負圧が作用させられる部位の下流端よりも上流側の位置から、ベースフィルム3をキャリアフィルム4から遠ざかる方向へ移動させることができる位置に配置されており、ベースフィルム3から薄膜2を良好に剥離させてキャリアフィルム4へ保持させることができる。従って、この剥離装置1においても、上記の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、上記の実施形態では、支持部材15として回転するものを示したが、これに限定するものではなく、支持部材15を固定させて、支持部材15の外周面上をキャリアフィルム4が摺動するようにしても良く、上記と同様の作用効果を奏することができる。なお、支持部材15に対して、キャリアフィルム4を摺動させる場合は、支持部材15の形状を、円筒状や無端環状に限定する必要は無く、円弧状、湾曲状、平板状、等の種々の形状としても良く、上記と同様の作用効果を奏することができる。
更に、上記の実施形態では、キャリア回収機構30において、支持ローラ34と押圧ローラ35とでキャリアフィルム付薄膜5を単に押圧するものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、キャリアフィルム4に熱により接着する接着剤を含ませた場合、押圧に加えてキャリアフィルム付薄膜5へ、熱風を吹き付けたり輻射熱を作用させたりしても良く、接着剤で薄膜2をキャリアフィルム4に軽く接着させて薄膜2を使い易くできる。
また、上記の実施形態では、ベース供給機構40において、ガイド板44上でベースフィルム3を単に摺動させるものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、ガイド板44から薄膜2が形成されたベースフィルム3に対して、熱や振動等を作用させても良く、ベースフィルム3から薄膜2を剥離させ易くすることができる。
更に、上記の実施形態では、二層構造の薄膜2を示したが、これに限定するものではなく、単層構造、或いは、三層以上の多層構造としても良い。また、上記の実施形態では、薄膜2として銀を用いたものを示したが、これに限定するものではなく、その他の金属、炭素、無機化合物、たんぱく質、キトサン、フィブロイン、ポリ乳酸、その他合成樹脂を含む有機化合物、等を用いることができる。換言すると、この薄膜2の素材として、装飾等に用いることができる金属箔、食用に用いることができる可食フィルム、化粧に用いることができる化粧用フィルム、止血材や被覆材及び浸透膜等に用いることができる医療用フィルム(化学フィルム)、半導体や触媒等に用いることができる工業用フィルム、等としても良い。なお、薄膜2を、厚さが50nm〜200nmの可食フィルム、化粧用フィルム、化学フィルム等としても良い。
また、上記の実施形態では、ベースフィルム3として、ポリエチレンテレフタレートを用いたものを示したが、これに限定するものではなく、ベースフィルム3として、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート等の合成樹脂フィルム、等としても良い。
また、上記の実施形態では、キャリアフィルム4として紙(和紙)を用いたものを示したが、これに限定するものではなく、不織布、織布、網、通気孔を穿設したポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート等の合成樹脂フィルム又は発泡樹脂フィルム、等としても良い。
更に、薄膜2、ベースフィルム3、及びキャリアフィルム4は、その幅が60mm〜2000mmとしても良く、それらの幅に合わせて剥離装置1の支持部材15を、直径が100mm〜500mm、軸方向の長さが100mm〜2000mmの範囲内で、適宜選択しても良い。
1 薄膜の剥離装置
2 薄膜
3 ベースフィルム
4 キャリアフィルム
5 キャリアフィルム付薄膜
10 気圧供給機構
15 支持部材
15a 貫通孔
20 キャリア供給機構
30 キャリア回収機構
40 ベース供給機構
50 ベース回収機構
60 支持部材駆動機構
70 装置本体
80 ワーク検知機構
特開2011−37151号公報

Claims (3)

  1. 剥離可能な薄膜が形成されたベースフィルムに、該ベースフィルムとで前記薄膜を挟むように通気性を有したキャリアフィルムを重ね合せ、該キャリアフィルムを通して前記薄膜に負圧を作用させた状態で、前記ベースフィルムを前記キャリアフィルムに対して離反する方向へ相対的に移動させることで、前記ベースフィルムに形成された前記薄膜を前記キャリアフィルムへ保持させて前記ベースフィルムから前記薄膜を剥離することを特徴とする薄膜の剥離方法。
  2. 前記キャリアフィルムと重ね合わせた前記ベースフィルムを、一端側から前記キャリアフィルムに対して離反する方向へ順次相対的に移動させることを特徴とする請求項1に記載の薄膜の剥離方法。
  3. 複数の貫通孔を有し、該貫通孔を通して裏面側から表面側へ負圧が作用可能とされた板状の支持部材と、
    該支持部材の表面へ通気性を有したキャリアフィルムを供給するキャリア供給機構と、
    該キャリア供給機構から前記支持部材へ供給された前記キャリアフィルムを回収するキャリア回収機構と、
    該キャリア回収機構によって前記キャリアフィルムが回収される前に、剥離可能な薄膜が形成されたベースフィルムを、前記薄膜が前記キャリアフィルムとで挟まれるように該キャリアフィルムの表面へ供給するベース供給機構と、
    該ベース供給機構によって供給されて前記支持部材の表面側に位置した前記ベースフィルムを、前記キャリア回収機構によって前記キャリアフィルムが回収される前に、前記支持部材の表面に対して相対的に離反させて回収するベース回収機構と
    を具備することを特徴とする薄膜の剥離装置。
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