JP5959757B2 - 電動機及びこれを備えた圧縮機、電動機の製造方法 - Google Patents
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Description
なお、ステータは、たとえば電磁鋼板を複数積層させて構成される鉄心コアと、樹脂などの絶縁体で構成されるインシュレータと、インシュレータに巻き付けられる巻線とを有している。この巻線はインシュレータに複数層巻き付けられるが、この巻き付け方法には各種の方法が提案されている。
たとえば、最内径側の巻線の位置ずれを抑制するため、この特許文献1に記載の技術のように隣接する2つのコアの巻き付け方法を左右非対称とし、最内径側の巻線の位置がずれないように隣接するコアの巻線で壁を作る方法が考えられる。
ことができる。
実施の形態.
図1は、実施の形態に係る電動機1bを備えた圧縮機100の概要構成例図である。図2は、本実施の形態に係る電動機1bのステータ2の説明図であってステータ2を上側から見た図である。図3は、本実施の形態に係る電動機1bのステータ2の説明図であってステータ2を側面から見た図である。
本実施の形態に係る電動機1bは、ステータ2の設計の煩雑さの抑制及び製造コストが増大することを抑制しながら、インシュレータ7に巻き付けられた巻線6が解けてしまうことを抑制することができる改良が加えられたものである。
圧縮機100は、密閉容器1と、密閉容器1内に冷媒を供給するための吸入パイプ1gと、吸入パイプ1gに接続される液だめ容器1hと、吸入パイプ1gに接続され、冷媒を圧縮する圧縮機構1dと、回転するシャフト1c、シャフト1cに接続されるローター3及びローター3を回転させるステータ2を有する電動機1bと、密閉容器1から圧縮された冷媒を吐出する吐出パイプ1fとを有しているものである。本実施の形態では、圧縮機100がローリングピストン型の圧縮機であるもの一例として示している。
密閉容器1は、圧縮機100の外郭を構成するものである。密閉容器1内には、圧縮機構1d及び電動機1bなどが少なくとも設けられている。密閉容器1は、上シェル1a1と、圧縮機100の胴体部及び下部の外郭を構成する下シェル1a2とから構成されている。上シェル1a1は、密閉容器1の上部を構成する端部側シェルであり、たとえば絞り加工などが施され、椀形状をしているものである。上シェル1a1は、密閉容器1の内外とを連通して設けられる吐出パイプ1fが接続されている。また、図示は省略しているが、上シェル1a1には、電動機1bに電流を流すのに利用されるガラス端子が設置される。
吸入パイプ1gの一方は、圧縮機構1dのシリンダと連通するように、密閉容器1の下シェル1a2に接続されているものである。吸入パイプ1gの他方は、液だめ容器1hに接続されている。液だめ容器1hは、圧縮機100に流入する冷媒音などを低減するマフラーとしての機能を有するものである。また、液だめ容器1hは、液冷媒を貯留することができるアキュムレータとしての機能も有している。この液だめ容器1hは、一方が吸入パイプ1gに接続されている。
圧縮機構1dは、液だめ容器1h及び吸入パイプ1gを介して供給される冷媒を圧縮し、密閉容器1の内部に放出するものである。圧縮機構1dは、下シェル1a2の内側面に取り付けられている。圧縮機構1dには、吸入パイプ1gから供給される冷媒を圧縮するシリンダ、及び当該シリンダを摺動自在に回転するピストンなどが設けられている。このピストンは、シャフト1cに接続され、シリンダ内を偏心運動する。圧縮機構1dには、上端面側及び下端面側にシャフト1cを回転自在に支持する軸受1eが設けられている。
電動機1bは、下端側が圧縮機構1dの軸受1eに接続されるシャフト1cと、シャフト1cが固定され自身の回転をシャフト1cに伝達するローター3と、複数相の巻線6が巻き付けられているステータ2とを有している。シャフト1cは、圧縮機構1dの接続位置の上側にローター3が固定され、ローター3の回転とともに自身が回転し、圧縮機構1dのピストンを回転させるものである。ローター3は、図示省略の永久磁石が設けられ、シャフト1cによって回転自在に支持されているものである。ローター3は、ステータ2の内側に対して、予め設定された間隔を空けて支持されている。
インシュレータ上部7bには、図示省略のキャビティー部が形成されており、U相、V相及びW相に電気を供給するのに利用されるリード線9が接続されたマグメイト8が埋め込まれている。また、図2に示すように、U相、V相及びW相は、お互いがジャンパー線10を介して電気的に接続されている。
吐出パイプ1fは、圧縮機構1dで圧縮された密閉容器1内の高温、高圧冷媒を吐出する配管である。この吐出パイプ1fは、一方が流路の切り替えなどを行うのに利用される図示省略の四方弁などに接続され、他方が密閉容器1の内外を連通するように上シェル1a1に接続されている。
図4は、ステータ2に装着されたインシュレータ7などの概要構成例図である。図5は、インシュレータ7に巻線6を巻き付けた状態の概要構成例図である。なお、図4(a)及び図5(a)はステータ2の内周面側からインシュレータ7などを見た図であり、図4(b)及び図5(b)はステータ2の下側(圧縮機構1d側)からインシュレータ7などを見た図であり、図4(c)及び図5(c)はインシュレータ7の側面側からインシュレータ7などを見た図であり、図4(d)及び図5(d)はステータ2の上側(上シェル1a1側)からインシュレータ7などを見た図である。図4及び図5を参照して、インシュレータ7及び巻線6について説明する。
インシュレータ7は、インシュレータ7の外周側の一部を構成するインシュレータ下部7a及びインシュレータ上部7bに加えて、巻線6が巻き付けられる部分である巻付部7cと、内側面がローター3の外周面と対向し、外側面が巻線6と対向する内周部7dとを有している。なお、以下の説明においては、インシュレータ下部7a及びインシュレータ上部7bを含むインシュレータ7の外周側部分を外周部7Aと称する。
このように、インシュレータ7は、外周部7A、巻付部7c及び内周部7dを有しているということである。
巻線6は、インシュレータ7の巻付部7cの周囲に複数層巻き付けらるものであり、たとえば銅線などで構成されるものである。巻線6は、インシュレータ7の巻付部7cを1周するごとに、ピッチ方向にずらして巻き付けられている。ここで、ピッチ方向とはステータ2の外径側から内径側に向かう方向と平行な方向である。巻線6は、ある任意の層について内径側から外径側にピッチ方向にずらして巻き付けたら、この任意の層の次の層は外径側から内径側にピッチ方向にずらして巻き付けられる。そして、さらに次の層は内径側から外径側にピッチ方向にずらして巻き付けられる。以後、この動作を繰り返すことで巻線6はインシュレータ7に巻き付けられる。たとえば、後述の図6では、奇数層が内径側から外径側に巻き付けられ、偶数層が外径側から内径側に巻き付けられる。
ここで、巻線6は、1ピッチ以上とばして巻き付けられる場合がある。さらに、内径側から外径側にずらして巻き付けられる巻線6と、外径側から内径側にずらして巻き付けられる巻線6とが同一の層に混在する場合がある。これについては、後段の図6〜図8で詳しく説明する。
図6は、実施の形態に係る電動機1bのインシュレータ7に巻き付けられた巻線6の説明図である。図7は、図6に示す巻線6のうち第1の巻線部6A及び隙間6Cについて示した説明図である。図8は、図6に示す巻線6のうち第2の巻線部6Bについて示した説明図である。なお、図6に示す線Lは、巻線6の層が線Lを超えてしまうと、隣接するインシュレータ7に巻き付けられた巻線6と干渉してしまい、電動機1bの信頼性を損ねることとなるので、この線Lを超えない範囲で巻線6を巻き付けることを示したものである。図6〜図8を参照して、巻線6の詳細構成について説明する。
そして、巻線6は、第1の巻線部6Aと第2の巻線部6Bとにおいて交差し、交差部分でシャフト1c方向に膨らむ。すなわち、図6で示すA−A’で断面視したときに、第2の巻線部6B(図6の太い方の実線)がシャフト1c方向に膨らんで、第7層目側から第8層目側に突出する。この膨らんだ部分が、第8層目の巻き始めの巻線6が解けてしまうことを抑制する壁(解け防止壁W)としての役割を果たしている。
このように、第2の巻線部6Bのうち第8層目(第n+1層目)に切り替わる直前のものは、第8層目(第n+1層目)に切り替わった直後の巻線6がステータ2の内径側にずれるのを妨げるように、第1の巻線部6Aと交差している位置が第8層目(第n+1層目)側に突出している。
(1)ステータ2のインシュレータ7に巻線6を巻き付ける方式としては、一つのインシュレータ7に集中的に巻線6を巻き付ける集中巻と、複数のティースに跨がって巻線6を巻き付ける分布巻きがある。(2)さらに、インシュレータ7に巻き付けられた巻線6は、シャフト1cと平行な方向が長辺であり、シャフト1cに直交する方向が短辺となる。巻線6をインシュレータ7に巻き付ける際には、長辺又は短辺のいずれかで、ステータ2の径方向にずらして巻き付けられる。インシュレータ7の長辺側(第1長手面7c3及び第2長手面7c4)でずらす場合は、長辺側において隣接する2層の巻線6がクロスする長辺クロス方式である。一方、インシュレータ7の短辺側でずらす場合は、短辺側において隣接する2層の巻線6がクロスする短辺クロス方式である。本実施の形態1では、集中巻、及び短辺クロス方式を採用した電動機1bを例に説明している。
また、本実施の形態では、短辺クロス方式を採用した例を説明したが、長辺クロス方式を採用し、長辺側に隙間6Cを設けたものであってもよい。
第7層目の巻線6の予め設定された箇所に1ピッチ以上分の隙間6Cを形成するように、第7層目の巻線6をステータ2の外径側から内径側に巻き付ける。これが、隙間形成工程である。具体的には、巻線6を巻線6をステータ2の外径側から内径側に向かう方向に10回程度巻き回す(図7のN−6参照)。次に、2ピッチ分の隙間6Cを形成して巻線6を巻き付け(図7のN−5参照)、さらに2回ほど巻線6をステータ2の外径側から内径側に向かう方向に巻き付ける(図7のN−3及びN−2参照)。
図9は、従来の巻線の巻き付け方法についての説明図である。図9に示すように、たとえば、巻線6の層の切り替わり部分である第8層目の巻き始めの巻線6は、前層(第7層目)の巻線6に対して交差する箇所が存在していることがわかる。この箇所は、交差による膨らみにより巻線6の固定力が不足し、巻線6が解けてしまいやすい。
Claims (6)
- ティースに予め設定されたピッチで巻線が複数層巻き付けられたコアを有するステータを備え、隣接する層の前記巻線が傾斜するように巻き付けられた電動機において、
前記巻線の第n層目は、
予め設定された箇所に前記巻線の1ピッチ以上分の隙間を形成するように、前記ステータの外径側から内径側に巻き付けられた第1の巻線部と、
前記隙間を埋めるように前記第1の巻線部から連続して前記ステータの内径側から外径側に巻き付けられ、前記第1の巻線部と交差する第2の巻線部とを有し、
前記隙間は、
前記ティースのステータ径方向における中間部であって前記第n層目から第n+1層目に切り替わる位置に設けられている
電動機。 - 前記巻線の第n層目は、
前記第1の巻線部のうち前記隙間よりも前記ステータの内径側のものと、前記第2の巻線部とが交差するように巻き付けられている
請求項1に記載の電動機。 - 前記第2の巻線部は、
前記第1の巻線部のうち1ピッチ以上分の前記隙間を形成するように巻き付けられた前記巻線と交差し、前記第n+1層目側に突出して解け防止壁を形成する前記巻線を有している
請求項2に記載の電動機。 - 前記第n層目よりも前記第n+1層目の方が前記巻線の巻き数が少ない
請求項1〜3のいずれか一項に記載の電動機。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の電動機を備えた
圧縮機。 - 電磁鋼板であるティースに予め設定されたピッチで巻線が巻き付けられたコアを有するステータを備え、隣接する層の前記巻線が傾斜するように巻き付けられた電動機の製造方法において、
第n層目の前記巻線に1ピッチ以上分の隙間が前記ティースのステータ径方向における中間部に形成されるように、前記第n層目の前記巻線を前記ステータの外径側から内径側に巻き付ける隙間形成工程と、
前記隙間形成工程で形成した前記隙間を埋めるとともに前記隙間形成工程の前記巻線と交差するように、前記ステータの内径側から外径側に前記巻線を巻き付ける隙間埋め工程と、
第n+1層目の前記巻線のうち巻き始めのものが、前記隙間埋め工程の前記隙間を埋めるように巻き付けた前記巻線と当接するように前記巻線を巻き付ける層切替工程と、
を有する
電動機の製造方法。
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