以下、本発明に係る搬送装置の実施形態について説明する。
〔第1実施形態〕
まず、搬送装置の第1実施形態について説明する。図1〜図3は、搬送装置の第1実施形態を示す。
[構成]
本実施形態に係る搬送装置は、鶏舎で産卵された鶏卵Eを流通用トレイ90に充填するためのファームパッカー等に用いられる。搬送装置は、図1に示すように、第1搬送部10、第1検出部20、移載部30、第2搬送部40、第2検出部50、判定部60および出力部70等を備える。
第1搬送部10は、鶏卵Eを第1搬送方向101に沿ってm(m≧2)列で搬送するつづみ型ローラコンベアである。本実施形態では、鶏卵Eを第1搬送方向101に沿って6列で搬送している。
図1および図2に示すように、第1搬送部10には、ガイド13に案内され、無限軌道をなす一対の第1伝動手段14と、第1伝動手段14の一方と他方とを繋ぐローラ軸15が第1搬送方向101に互いに間隔を隔てて取り付けられている。ローラ軸15のそれぞれには、複数のつづみ型ローラ16が等間隔で装着されている。鶏卵Eは、第1搬送方向101に対して前後に隣り合う一対のつづみ型ローラ16によって構成された第1保持部12によって保持されて、鶏卵Eの長軸が横(略水平)になった状態で搬送される。本実施形態では、1本のローラ軸15につづみ型ローラ16が6個取り付けられているため、第1保持部12によって鶏卵Eを6列で等間隔に保持して第1搬送方向101へ搬送することができる。
第1搬送部10には第1伝動手段14を駆動するための駆動部(図示せず)が設けられており、当該駆動部にはエンコーダが取り付けられている。これにより第1保持部12の位置情報に関する信号S1が第1搬送部10から判定部60へと送られる。このとき、無限軌道をなす一対の第1伝動手段14と前記駆動部との間で滑りが生じると、第1保持部12の位置情報が不明確になるため、第1伝動手段14の例としてチェーンやタイミングベルトを利用することが好ましい。
第1検出部20は、第1搬送部10に設けられており、第1検出部20には、第1保持部12によって6列で搬送されてくる鶏卵Eの有無を検知する6個の第1センサ部23が取り付けられている。第1センサ部23として、たとえば赤外線等を利用したフォトセンサがある。本実施形態では、第1検出部20は非接触の第1センサ部23を用いているが、第1保持部12に保持される鶏卵Eを検出できればよいので、非接触式のセンサだけでなく、接触式のセンサ等を用いることもできる。第1センサ部23によって、第1保持部12ごとに鶏卵Eが保持されているかどうかが検出され、検出結果の信号S2が第1検出部20から判定部60へと送られる。
移載部30は、第1搬送部10の第1保持部12に長軸が横(略水平)になった状態で保持されている鶏卵Eを、第2搬送部40の第2保持部43へ鶏卵Eの長軸が縦(略鉛直)の状態となるように移載する移載装置である。たとえば、移載装置として、特開平11−91714号公報に記載の移載装置がある。移載部30は、第1搬送部10と機械的に接続されており、常に第1搬送部10に同期して鶏卵Eを第2搬送部40へ移載する。
第2搬送部40は、第2搬送方向102に沿ってn(m>n≧1)列で搬送するバケットコンベアである。本実施形態では、鶏卵Eの長軸が縦(略鉛直)になった状態で、第2搬送方向102に沿って1列で搬送している。
図3に示すように、第2搬送部40は、無限軌道をなす第2伝動手段45と、第2伝動手段45に所定の間隔を隔ててバケット軸46が取り付けられている。バケット軸46のそれぞれには、半円錐状のバケット部材47が取り付けられており、向かい合った一対のバケット部材47は第2保持部43を構成する。さらに、第1搬送部10に比べ、第2搬送部40は高速で動作するため、第2搬送部40の上部には事故防止のためカバー44が設けられている。
第2保持部43は、鶏卵Eを長軸が縦(略鉛直)になった状態で鶏卵Eを保持して、第2搬送方向102に沿って移動する。本実施形態では1本のバケット軸46にバケット部材47が1個取り付けられており、対向する一対のバケット部材47によって第2保持部43を構成し、第2保持部43を第2搬送方向102に沿って設け、鶏卵Eを1列で搬送している。たとえば、第2搬送部40には、一対のバケット部材47からなる60個の第2保持部43が設けられており、それぞれにNo.1〜No.60の識別番号が電子情報として付与されている。
第2搬送部40には第2伝動手段45を駆動するための駆動部(図示せず)が設けられており、当該駆動部にはエンコーダが取り付けられている。これによりNo.1〜No.60の第2保持部43の位置情報に関する信号S3が第2搬送部40から判定部60へと送られる。このとき、第2伝動手段45と前記駆動部との間で滑りが生じると、第2保持部43の移動量が不明確になるため、第2伝動手段45の例としてチェーンやタイミングベルトを利用することが好ましい。
さらに第2搬送部40は、第1搬送部10が鶏卵Eを第1搬送方向101へ搬送する速度に対して約6倍の速度で鶏卵Eを第2搬送方向102へ搬送している。これは、第1搬送部10によって6列で搬送されてきた鶏卵Eを1列の第2搬送部40で搬送するためであり、本実施形態では、第1搬送部10の駆動部に設けられたエンコーダが出力するエンコーダパルスと、第2搬送部40のエンコーダが出力するエンコーダパルスとをもとに1対6の速度比で第1搬送部10と第2搬送部40とが電気的に同期するように構成されている。
なお、本実施形態では第1搬送部10と第2搬送部40とがそれぞれ別の駆動部によって駆動されているが、第1搬送部10と第2搬送部40とを1対6の速度比となるように機械的に接続し、一つの駆動部によって駆動させてもよい。
第2検出部50は、第2搬送部40に設けられており、第2検出部50には1列で搬送されてくる鶏卵Eの有無を検知する1個の第2センサ部53が取り付けられている。第2センサ部53として、たとえば赤外線等を利用したフォトセンサがある。本実施形態では、第2検出部50は非接触の第2センサ部53を用いているが、第2保持部43に保持される鶏卵Eを検出できればよいので、非接触式のセンサだけでなく、接触式のセンサ等を用いることもできる。第2センサ部53によって、第2保持部43ごとに鶏卵が保持されているかどうかが検出されて、検出結果の信号S4が第2検出部50から判定部60へと送られる。
判定部60は、第1保持部12に保持される鶏卵Eの有無を検出した第1検出部20の検出結果と、当該第1保持部12に対応する第2保持部43に保持される鶏卵Eの有無を検出した第2検出部50の検出結果とを比較し、鶏卵Eの移載の成否を判定する。
前述のとおり、第1搬送部10と第2搬送部40は電気的に同期しているため、判定部60は、第1搬送部10から送られてくる第1保持部12の位置情報に関する信号S1または、第2保持部43の位置情報に関する信号S3から、どの第1保持部12が保持する鶏卵Eが、移載部30によって、どの第2保持部43へ移載されるかという対応関係をあらかじめ把握することができる。
第1検出部20によって第1保持部12に保持される鶏卵Eの存在を検出した後、当該第1保持部12に対応する第2保持部43に保持される鶏卵Eの存在を検出できた場合は、判定部60は、移載が成功であると判定する。また、第1検出部20によって第1保持部12に保持される鶏卵Eの存在を検出した後、当該第1保持部12に対応する第2保持部43に保持される鶏卵Eの存在を検出できない場合は、判定部60は、移載が失敗であると判定する。これらの判定結果の信号S5は、判定部60から出力部70へと送られる。
出力部70は、判定部60が判定した鶏卵Eの判定結果の信号S5を受け取り、当該判定結果を画像等で出力する。本実施形態では、判定部60が移載が失敗であると判定した場合に画像等を表示して作業者に移載の失敗を知らせるように構成されている。なお、出力部70は、画像だけでなく、音声、または画像と音声の両方で作業者に移載の成否情報を知らせてもよい。
また、第1搬送部10に6列設けられた第1保持部12の1列ごと、または、第1保持部12ごとの移載の成否を比較した情報を出力してもよいし、移載失敗の回数または移載失敗の頻度が閾値を超えたときに、画像等を表示して作業者に知らせてもよい。このようにすることで、第1搬送部10の各列に対応する移載部30のどの箇所で移載失敗が多く発生しているか、または、どの第1保持部で移載失敗が多く発生しているかという情報を作業者が知ることができる。そして、第2搬送部40に設けられたNo.1〜No.60の第2保持部43ごとの移載の成否、または、移載の成否を比較した情報を出力することで、どの第2保持部43で移載失敗が多く発生しているかという情報を作業者が知ることができる。
No.1〜No.60の第2保持部43のうち、特定の第2保持部43について移載失敗の回数または移載失敗の頻度が閾値を超えたときに、その第2保持部43に何らかの不具合が発生していると判定部60が判定し、出力部70から警告音等を発してもよい。このようにすることで、第2保持部43のNo.1〜No.60について個別の移載の成否を作業者が即座に知ることができる。さらに、これらの情報を記憶し、後から作業者が知ることができる様にしてもよい。
[動作]
次に、図1〜3に基づき、本実施形態に係る搬送装置の動作について説明する。
まず、鶏卵Eは、不図示の鶏舎等で産卵され、第1搬送方向101の上流からバーコンベア等に載って運ばれ、方向整列装置によって鶏卵Eの鋭端と鈍端の方向が揃えられた後、第1搬送部10によって等間隔で6列に並んで搬送される。
第1搬送部10では、第1搬送方向101に対して前後に隣り合う一対のつづみ型ローラ16により構成された第1保持部12によって、鶏卵Eは、その長軸が横(略水平)になった状態で保持されて搬送される。このとき、第1搬送部10の駆動部(図示せず)に設けられたエンコーダから第1保持部12の位置情報に関する信号S1が判定部60へ送られる。
第1保持部12に保持された鶏卵Eは、そのまま第1搬送方向101へ搬送され、第1検出部20の直下を通過する。第1保持部12が第1検出部20の直下に到達すると、第1検出部20に設けられている第1センサ部23によって第1保持部12に鶏卵Eが保持されているかどうかの検出が行われる。検出が行われると、第1検出部20から検出結果の信号S2が判定部60へ送られる。
第1検出部20によって検出が行われた後、鶏卵Eはさらに第1搬送方向101へ搬送され、第1搬送部10の終端に設けられた移載部30に到達する。移載部30に到達した鶏卵Eは、移載部30によって第2搬送部40に移載される。第2搬送部40は、鶏卵Eを第2搬送方向102へ1列で搬送する。
第2搬送部40では、第2搬送方向102に対して前後に隣り合い、かつ、対向するように設けられた一対のバケット部材47により構成された第2保持部43によって、鶏卵Eは、その長軸が縦(略鉛直)になった状態で保持されて搬送される。このとき、第2搬送部40の駆動部(図示せず)に設けられたエンコーダから第2保持部43の位置情報に関する信号S3が判定部60へ送られる。
第2保持部43に保持された鶏卵Eは、そのまま第2搬送方向102へ搬送され、第2検出部50の直下を通過する。第2保持部43が第2検出部50の直下に到達すると、第2検出部50に設けられている第2センサ部53によって第2保持部43に鶏卵Eが保持されているかどうかの検出が行われる。検出が行われると、第2検出部50から検出結果の信号S4が判定部60へ送られる。
判定部60は、第1搬送部10から送られてくる第1保持部12の位置情報に関する信号S1および第2保持部43の位置情報に関する信号S3の少なくとも一つと、第1保持部12に保持される鶏卵Eの有無を検出した第1検出部20の検出結果の信号S2と、当該第1保持部12に対応する第2保持部43に保持される鶏卵Eの有無を検出した第2検出部50の検出結果の信号S4とを利用して鶏卵Eの移載の成否を判定する。判定部60による判定結果の信号S5は、判定部60から出力部70へと送られる。
たとえば、第1検出部20によって第1保持部12に保持される鶏卵Eの存在を検出した後、当該第1保持部12に対応する第2保持部43に保持される鶏卵Eの存在を検出できない場合は、判定部60は、移載が失敗であると判定し、その判定結果が出力部70へ送られる。
出力部70は、判定部60が判定した鶏卵Eの判定結果の信号S5を受け取り、判定部60が移載が失敗であると判定した場合には画像等を表示して作業者に移載の失敗を知らせる。なお、出力部70は、画像だけでなく、音声、または画像と音声の両方で作業者に移載の成否情報を知らせてもよく、さらに、これらの情報を記憶し、後から作業者が知ることができる様にしてもよい。
第2検出部50によって検出が行われた後、鶏卵Eはさらに第2搬送方向102へ搬送され、下流にに設けられた充填部80に到達する。充填部80に到達した鶏卵Eは、トレイ搬送部82によって搬送される流通用トレイ90に充填される。流通用トレイ90は第3搬送方向103の上流に設けられたトレイ供給部83からトレイ搬送部82上に供給される。
〔効果〕
本実施形態に係る搬送装置によれば、移載部30で移載が失敗した場合、移載の失敗を作業者が知ることができる。さらに、出力部70に第1搬送部10に設けられた6列の第1保持部12ごとの移載の成否を比較した情報を表示することで相対的に移載失敗の多い列を知ることできるので、適切なタイミングでメンテナンス等が行える。
また、第2搬送部40に設けられたNo.1〜No.60の第2保持部43ごとの移載の成否を比較した情報を出力部70に表示することで、60個の第2保持部43の中から不具合があるものを容易に特定することができる。
〔第2実施形態〕
次に、搬送装置の第2実施形態について説明する。図4は、搬送装置の第2実施形態を示す。なお、上記第1実施形態と同じ構成については同一の符号を付して説明を省略する。
[構成]
本実施形態に係る搬送装置は、ファームパッカー等によって鶏卵Eが充填された流通用トレイ90がトラック等でGPセンターへ運ばれた後、鶏卵Eを重量等の物理的性状に応じて等階級に分類するための選別充填システムに用いられる。搬送装置は、図4に示すように、第1搬送部10、第1検出部21、移載部31、第2搬送部41、第2検出部51、判定部60および出力部70等を備える。
第1搬送部10は、第1実施形態の第1搬送部10と同じ構成を備えており、鶏卵Eを6列で第1搬送方向101へ搬送する。鶏卵Eは、第1保持部12によって、その長軸が横(略水平)になった状態で保持されて搬送される。第1搬送部10の駆動部(図示せず)にはエンコーダが取り付けられている。これにより第1保持部12の位置情報に関する信号S1が第1搬送部10から判定部60へと送られる。
第1検出部21は、第1搬送部10に設けられており、第1検出部21には、第1保持部12によって6列で搬送されてくる鶏卵Eを検査するためのヒビ卵検査部24および汚卵検査部25および計量部26が含まれる。このような第1検出部21を構成するヒビ卵検査部24の例として、たとえば、特開平11−108905号公報に開示された装置がある。また、汚卵検査部25の例として、特開2002−207013に開示された装置がある。さらに、計量部26の例として、特開2001−190175開示された装置がある。
本実施形態では、第1検出部21は、ヒビ卵検査部24、汚卵検査部25および計量部26のすべて備えているが、第1保持部12に保持される鶏卵Eを検出できればよいので、これらの検査部のうち少なくとも一つを備えていればよい。なお、第1検出部21は、第1保持部12に保持される鶏卵E検査できるか、検査ができない(鶏卵Eが第1保持部に存在しない)かがわかればよいので、このほかの検査装置を用いることもできる。第1検出部21によって、第1保持部12ごとに鶏卵Eが検出され、検出結果の信号S2が第1検出部21から判定部60へと送られる。
移載部31は、第1搬送部10の第1保持部12に長軸が横(略水平)になった状態で保持されている鶏卵Eを、第2搬送部41の第2保持部43へ鶏卵Eの長軸が縦(略鉛直)の状態となるように移載する移載装置である。このような移載装置の例として、たとえば、特開2008−179475号公報に開示された装置がある。移載部31は、第1搬送部10と機械的に接続されており、常に第1搬送部10に同期して鶏卵Eを第2搬送部41へ移載する。
第2搬送部41は、第2搬送方向102に沿ってn(m>n≧1)列で搬送するバケットコンベアである。本実施形態では、鶏卵Eの長軸が縦(略鉛直)になった状態で、第2搬送方向102に沿って2列で搬送している。
第2搬送部41は、無限軌道をなす第2伝動手段45と、第2伝動手段45に所定の間隔を隔ててバケット軸46が取り付けられている(図3参照)。バケット軸46のそれぞれには、半円錐状のバケット部材47が2個ずつ取り付けられており、対向する一対のバケット部材47によって第2保持部43を構成し、第2保持部43を第2搬送方向102に沿って設け、鶏卵Eを2列で搬送している。たとえば、第2搬送部41には、一対のバケット部材47からなる120個の第2保持部43が設けられており、それぞれにNo.1〜No.120の識別番号が電子情報として付与されている。
第2搬送部41には第2伝動手段45を駆動するための駆動部(図示せず)が設けられており、当該駆動部にはエンコーダが取り付けられている。これによりNo.1〜No.120の第2保持部43の位置情報に関する信号S3が第2搬送部41から判定部60へと送られる。このとき、第2伝動手段45と前記駆動部との間で滑りが生じると、第2保持部43の移動量が不明確になるため、第2伝動手段45の例としてチェーンやタイミングベルトを利用することが好ましい。
第2搬送部41は、第1搬送部10が鶏卵Eを第1搬送方向101へ搬送する速度に対して約3倍の速度で鶏卵Eを第2搬送方向102へ搬送している。これは、第1搬送部10によって6列で搬送されてきた鶏卵Eを2列の第2搬送部41で搬送するためであり、本実施形態では、第1搬送部10の駆動部に設けられたエンコーダが出力するエンコーダパルスと、第2搬送部41のエンコーダが出力するエンコーダパルスをもとに1対3の速度比で第1搬送部10と第2搬送部41とが電気的に同期するように構成されている。
なお、本実施形態では第1搬送部10と第2搬送部41がそれぞれ別の駆動部によって駆動されているが、第1搬送部10と第2搬送部41を1対3の速度比となるように機械的に接続し、一つの駆動部によって駆動させてもよい。
第2検出部51は、第2搬送部41に設けられており、第2検出部51には2列で搬送されてくる鶏卵Eの内部を検査する異常卵検査部54で構成されている。このような第2検出部51を構成する異常卵検査部54の例として、たとえば、特開2001−133411号公報に開示された装置がある。
なお、第2検出部51は、第2保持部43に保持される鶏卵Eを検査できるか、検査ができない(鶏卵Eが第2保持部43に存在しない)かがわかればよいので、このほかの検査装置を用いることもできる。第2検出部51によって、第2保持部43ごとに鶏卵Eが検出され、検出結果の信号S2が第2検出部51から判定部60へと送られる。
判定部60は、第1保持部12に保持される鶏卵Eの有無を検出した第1検出部21の検出結果と、当該第1保持部12に対応する第2保持部43に保持される鶏卵Eの有無を検出した第2検出部51の検出結果とを比較し、鶏卵Eの移載の成否を判定する。
前述のとおり、第1搬送部10と第2搬送部41は電気的に同期しているため、判定部60は、第1搬送部10から送られてくる第1保持部12の位置情報に関する信号S1または、第2保持部43の位置情報に関する信号S3から、どの第1保持部12が保持する鶏卵Eが、移載部31によって、どの第2保持部43へ移載されるかという対応関係をあらかじめ把握することができる。
第1検出部21によって第1保持部12に保持される鶏卵Eを検出できた後、当該第1保持部12に対応する第2保持部43に保持される鶏卵Eを検出できた場合は、判定部60は、移載が成功であると判定する。また、第1検出部21によって第1保持部12に保持される鶏卵Eを検出できた後、当該第1保持部12に対応する第2保持部43に保持される鶏卵Eを検出できない(鶏卵Eが第2保持部43に存在しない)場合は、判定部60は、移載が失敗であると判定する。これらの判定結果の信号S5は、判定部60から出力部70へと送られる。
出力部70は、判定部60が判定した鶏卵Eの判定結果の信号S5を受け取り、画像等で出力する。本実施形態では、判定部60が移載が失敗であると判定した場合に画像等を表示して作業者に移載の失敗を知らせるように構成されている。なお、出力部70は、画像だけでなく、音声、または画像と音声の両方で作業者に移載の成否情報を知らせてもよい。
また、第1搬送部10に設けられた6列の第1保持部12ごとの移載の成否を比較した情報、または、第2搬送部41に設けられた2列の第2保持部43ごとの移載の成否を比較した情報を出力してもよいし、移載失敗の回数または移載失敗の比率が閾値を超えたときに、画像等を表示して作業者に知らせてもよいし、第1搬送部10に設けられた6列の第1保持部12ごとの移載の成否と、第2搬送部41に設けられた2列の第2保持部43ごとの移載の成否とを組み合わせることで、移載部31の不具合箇所を特定し、その情報を出力してもよく、さらに、これらの情報を記憶し、後から作業者が知ることができる様にしてもよい。
さらに、第2搬送部41に設けられたNo.1〜No.120の第2保持部43ごとの移載の成否を比較した情報を出力することで、No.1〜No.120の第2保持部43のうち、特定の第2保持部43について移載失敗の頻度が高い場合は、その第2保持部43に何らかの不具合が発生していると判定し、出力部70から警告音等を発してもよい。このようにすることで、第2保持部43のNo.1〜No.120について個別の移載の成否を作業者が知ることができるができる。
[動作]
次に、図4に基づき、本実施形態に係る搬送装置の動作について説明する。
まず、鶏卵Eは、トラック等で鶏舎からGPセンターへ運ばれた後、第1搬送方向101の上流でローラーバーコンベア(図示せず)に載せられ、方向整列装置によって鶏卵Eの鋭端と鈍端の方向が揃えられた後、等間隔で6列に並んで搬送され、洗浄・乾燥工程を経て、第1搬送部10に載り移る。
第1搬送部10では、第1搬送方向101に対して前後に隣り合う一対のつづみ型ローラ16により構成された第1保持部12によって、鶏卵Eは、その長軸が横(略水平)になった状態で保持されて搬送される。このとき、第1搬送部10の駆動部(図示せず)に設けられたエンコーダから第1保持部12の位置情報に関する信号S1が判定部60へ送られる。
第1保持部12に保持された鶏卵Eは、そのまま第1搬送方向101へ搬送され、ヒビ卵検査部24の直下を通過する。第1保持部12がヒビ卵検査部24の直下に到達すると、ヒビ卵検査部24に設けられた小型ハンマー(図示せず)による打診よって鶏卵Eのヒビの検査が行われる。検査が行われると、ヒビ卵検査部24から検査が行われたことを示す信号S2が判定部60へ送られる。
ヒビ卵検査部24によってヒビの検査が行われた後、鶏卵Eはさらに第1搬送方向101へ搬送され、汚卵検査部25の直下を通過する。第1保持部12が汚卵検査部25の直下に到達すると、汚卵検査部25に設けられたカメラ(図示せず)によって鶏卵Eの卵殻に付着した汚れの検査が行われる。検査が行われると、汚卵検査部25から検査が行われたことを示す信号S2が判定部60へ送られる。
汚卵検査部25によって鶏卵Eの卵殻に付着した汚れの検査が行われた後、鶏卵Eはさらに第1搬送方向101へ搬送され、第1搬送部10の終端に設けられた計量部26に到達する。計量部26に到達した鶏卵Eは、計量部26に設けられたロードセル(図示せず)によって鶏卵Eの計量が行われる。計量が行われると、計量部26から計量が行われたことを示す信号S2が判定部60へ送られる。
計量部26によって計量が行われた後、鶏卵Eは、移載部31に到達する。移載部31に到達した鶏卵Eは、移載部31によって第2搬送部41に移載される。第2搬送部41は、鶏卵Eを第2搬送方向102へ2列で搬送する。
第2搬送部41では、第2搬送方向102に対して前後に隣り合い、かつ、対向するように設けられた一対のバケット部材47により構成された第2保持部43(図3参照)によって、鶏卵Eは、その長軸が縦(略鉛直)になった状態で保持されて搬送される。このとき、第2搬送部41の駆動部(図示せず)に設けられたエンコーダから第2保持部43の位置情報に関する信号S3が判定部60へ送られる。
第2保持部43に保持された鶏卵Eは、そのまま第2搬送方向102へ搬送され、第2検出部51を通過する。第2保持部43が第2検出部51に到達すると、第2検出部51に設けられている異常卵検査部54によって鶏卵E内部の異常が検査される。検査が行われると、異常卵検査部54から検査が行われたことを示す信号S4が判定部60へ送られる。
判定部60は、第1搬送部10から送られてくる第1保持部12の位置情報に関する信号S1および第2保持部43の位置情報に関する信号S3の少なくとも一つと、第1保持部12に保持される鶏卵Eを検出した第1検出部21(ヒビ卵検査部24・汚卵検査部25・計量部26)の検出が行われたことを示す信号S2と、当該第1保持部12に対応する第2保持部43に保持される鶏卵Eを検出した第2検出部51(異常卵検査部54)の検出が行われたことを示す信号S4とを利用して鶏卵Eの移載の成否を判定する。判定部60による判定結果の信号S5は、判定部60から出力部70へと送られる。
たとえば、ヒビ卵検査部24によって第1保持部12に保持される鶏卵Eの検査が行われた後、異常卵検査部54によって当該第1保持部12に対応する第2保持部43に保持される鶏卵Eの検査が行われなかった(鶏卵Eが第2保持部43に存在しない)場合は、判定部60は、移載が失敗であると判定し、その判定結果が出力部70へ送られる。
出力部70は、判定部60が判定した鶏卵Eの判定結果の信号S5を受け取り、判定部60が移載が失敗であると判定した場合には画像等を表示して作業者に移載の失敗を知らせる。なお、出力部70は、画像だけでなく、音声、または画像と音声の両方で作業者に移載の成否情報を知らせてもよく、さらに、これらの情報を記憶し、後から作業者が知ることができる様にしてもよい。
第2検出部51によって検出が行われた後、鶏卵Eはさらに第2搬送方向102へ搬送される。第2搬送方向102の下流には、鶏卵Eの重量等の物理的性状に応じた集合場所である充填部81が複数設けられており、鶏卵Eは、その物理的性状に応じて充填部81によって仮置用トレイ91に充填される。このような充填部81の例として、たとえば、特開2002−205707公報に開示された装置がある。
仮置用トレイは、トレイ搬送部82によって第3搬送方向103の上流に設けられたトレイ供給部83からトレイ搬送部82上へ供給される。また、仮置用トレイ91は6×5のマトリックス状に設けられた卵座92を有しており、当該卵座92によって30個の鶏卵Eを長軸が縦(略鉛直)の状態で保持することができる。30個の鶏卵Eが充填された仮置用トレイ91は、トレイ搬送部82の下流に設けられた保管庫に保管される。なお、第2搬送方向102の下流には、トレイ搬送部82のほかに、卵パックを搬送する搬送部が設けられており、当該搬送部上に設けられた充填部81によって卵パックに鶏卵Eが充填される。
〔効果〕
本実施形態に係る搬送装置によれば、ヒビ卵検査部24や汚卵検査部25、計量部26、異常卵検査部54を利用することで、搬送部に鶏卵Eを検出するためだけのセンサを設けなくとも、移載の失敗を作業者が知ることができる。また、本実施形態に係る選別充填システムにおいては、鶏卵Eは、仮置用トレイ91に充填されるだけでなく、小売店で店頭に並べられる卵パックにも充填が行われるので、製品出荷の遅れにつながる移載の失敗を減らすことができる。
〔第3実施形態〕
次に、搬送装置の第3実施形態について説明する。図5および図6は、搬送装置の第3実施形態を示す。なお、前述の第1実施形態および第2実施形態と同じ構成については同一の符号を付して説明を省略する。
[構成]
本発明の実施形態に係る搬送装置は、選別充填システムによってによって仮置用トレイ91に再充填された鶏卵を小売店へ出荷するための容器へ詰め替えるリパッカー等に用いられる。リパッカー等に用いられる搬送装置は、図5に示すように、第1搬送部11、第1検出部22、移載部32、第2搬送部42、第2検出部52、判定部60および出力部70等を備える。
第1搬送部11は、第2実施形態のトレイ搬送部82と同じ構成を備えており、鶏卵Eが充填された仮置用トレイ91を等間隔で第4搬送方向104へ搬送する。仮置用トレイ91は6×5のマトリックス状に設けられた卵座92を有しており、当該卵座92によって30個の鶏卵Eを長軸が縦(略鉛直)の状態で保持している。
鶏卵Eは、卵座92によって、その長軸が縦(略鉛直)の状態で保持されて搬送される。第1搬送部11の駆動部(図示せず)にはエンコーダが取り付けられている。これにより卵座92の位置情報に関する信号S1が第1搬送部11から判定部60へと送られる。このとき、第1搬送部11と仮置用トレイ91との間で滑りが生じると、卵座92の位置情報が不明確になるため、第1搬送部11の搬送面上には仮置用トレイ91を位置決めするためのドグを設けることが好ましい。
第1検出部22は、第1搬送部11に設けられており、第1検出部22には、卵座92に保持された状態で6列で搬送されてくる鶏卵Eの有無を検知する6個の第1センサ部23が取り付けられている。第1センサ部23として、たとえば赤外線等を利用したフォトセンサがある。第1センサ部23によって、卵座92ごとに鶏卵Eが保持されているかどうかが検出されると、検出結果の信号S2が第1検出部22から判定部60へと送られる。
移載部32は、図5および図6に示すように、第1搬送部11の卵座92に長軸が縦(略鉛直)の状態で保持されている鶏卵Eを吸盤33によって吸着し、第2搬送部42によって搬送される鶏卵包装用容器93の凹部94へ鶏卵Eの長軸が縦(略鉛直)の状態のまま移載する移載装置である。このような移載装置の例として、たとえば、特開2011−225262号公報に開示された装置がある。移載部32は、第1搬送部11上の二点鎖線で描かれた位置で、仮置用トレイ91から吸盤33によって鶏卵Eを吸着し、移載方向105に沿って水平に90度旋回して第2搬送部42上の実線で描かれた位置まで移動し、鶏卵包装用容器93に鶏卵Eを移載する。
第2搬送部42は、第4搬送方向104に沿って鶏卵包装用容器93を搬送する容器搬送装置である。本実施形態では、鶏卵包装用容器93の凹部94が第4搬送方向104に沿って2列となるように鶏卵包装用容器93を搬送している。本実施形態では、鶏卵包装用容器93は、小売店で店頭に並べられる一般的な透明な合成樹脂製の卵パックである。
第2搬送部42には、駆動部(図示せず)が設けられており、当該駆動部にはエンコーダが取り付けられている。これにより第2搬送部42上の鶏卵包装用容器93の凹部94の位置情報に関する信号S3が第2搬送部42から判定部60へと送られる。このとき、第2搬送部42と鶏卵包装用容器93との間で滑りが生じると、凹部94の位置情報が不明確になるため、第2搬送部42の搬送面には鶏卵包装用容器93を位置決めするための容器搬送ドグ48が設けられている。
第2検出部52は、第2搬送部42に設けられており、第2検出部52には鶏卵包装用容器93の凹部94に充填され、2列で搬送されてくる鶏卵Eの有無を検知する2個の第2センサ部53が取り付けられている。第2センサ部53として、たとえば赤外線等を利用したフォトセンサがある。第2センサ部53によって、鶏卵包装用容器93の凹部94ごとに鶏卵が保持されているかどうかが検出されると、検出結果の信号S4が第2検出部52から判定部60へと送られる。
判定部60は、第1搬送部11から送られてくる卵座92の位置情報に関する信号S1と、鶏卵包装用容器93の凹部94の位置情報に関する信号S3と、仮置用トレイ91の卵座92に保持される鶏卵Eの有無を検出した第1検出部22の検出結果の信号S2と、当該卵座92に対応する鶏卵包装用容器93の凹部94に充填されてる鶏卵Eの有無を検出した第2検出部52の検出結果の信号4とを利用して鶏卵Eの移載の成否を判定する。判定部60による判定結果の信号S5は、判定部60から出力部70へと送られる。
出力部70は、判定部60が判定した鶏卵Eの判定結果の信号S5を受け取り、画像等で出力する。本実施形態では、判定部60が移載が失敗であると判定した場合に画像等を表示して作業者に移載の失敗を知らせるように構成されている。なお、出力部70は、画像だけでなく、音声、または画像と音声の両方で作業者に移載の成否情報を知らせてもよく、さらに、これらの情報を記憶し、後から作業者が知ることができる様にしてもよい。
[動作]
次に、図5および図6に基づき、本実施形態に係る搬送装置の動作について説明する。
選別充填システムによってによって仮置用トレイ91に再充填された鶏卵Eは、保管庫(図示せず)に一時的に保管され、小売店への出荷計画に応じて前記保管庫から取り出され、第1搬送部11に載せられる。第1搬送部11に載せられた仮置用トレイ91は、第4搬送方向104へ搬送される。このとき、第1搬送部11の駆動部(図示せず)に設けられたエンコーダから仮置用トレイ91の卵座92の位置情報に関する信号S1が判定部60へ送られる。
鶏卵Eは、そのまま第4搬送方向104へ搬送され、第1検出部22の直下を通過する。卵座92が第1検出部22の直下に到達すると、第1検出部22に設けられている第1センサ部23によって当該卵座92に鶏卵Eが保持されているかどうかの検出が行われる。検出が行われると、第1検出部22から検出結果の信号S2が判定部60へ送られる。
第1検出部22によって検出が行われた後、鶏卵Eはさらに第4搬送方向104へ搬送され、第1搬送部11上の二点鎖線で描かれた移載部32の直下に到達する。移載部32の直下に到達した鶏卵Eは、移載部32の吸盤33によって吸着され、移載方向105に沿って水平に90度旋回して第2搬送部42上の実線で描かれた移載部32の位置まで移動し、鶏卵包装用容器93の凹部94に鶏卵Eが移載される。
鶏卵Eは、その長軸が縦(略鉛直)になった状態で鶏卵包装用容器93の凹部94に保持されて搬送される。このとき、第2搬送部42の駆動部(図示せず)に設けられたエンコーダから鶏卵包装用容器93の凹部94の位置情報に関する信号S3が判定部60へ送られる。
鶏卵包装用容器93の凹部94に保持された鶏卵Eは、そのまま第4搬送方向104へ搬送され、第2検出部52の直下を通過する。鶏卵包装用容器93の凹部94が第2検出部52の直下に到達すると、第2検出部52に設けられている第2センサ部53によって鶏卵包装用容器93の凹部94に鶏卵Eが保持されているかどうかの検出が行われる。検出が行われると、第2検出部52から検出結果の信号S4が判定部60へ送られる。
判定部60は、第1搬送部11から送られてくる卵座92の位置情報に関する信号S1と、鶏卵包装用容器93の凹部94の位置情報に関する信号S3と、仮置用トレイ91の卵座92に保持される鶏卵Eの有無を検出した第1検出部22の検出結果の信号S2と、当該卵座92に対応する鶏卵包装用容器93の凹部94に充填されてる鶏卵Eの有無を検出した第2検出部52の検出結果の信号4とを利用して鶏卵Eの移載の成否を判定し、判定部60による判定結果の信号S5は、判定部60から出力部70へと送られる。
たとえば、第1検出部22によって仮置用トレイ91の卵座92に保持される鶏卵Eの存在を検出した後、当該卵座92に対応する鶏卵包装用容器93の凹部94に保持される鶏卵Eの存在を検出できない場合は、判定部60は、移載が失敗であると判定し、その判定結果が出力部70へ送られる。
出力部70は、判定部60が判定した鶏卵Eの判定結果の信号S5を受け取り、判定部60が移載が失敗であると判定した場合には画像等を表示して作業者に移載の失敗を知らせる。なお、出力部70は、画像だけでなく、音声、または画像と音声の両方で作業者に移載の成否情報を知らせてもよく、さらに、これらの情報を記憶し、後から作業者が知ることができる様にしてもよい。
第2検出部52によって検出が行われた後、鶏卵Eはさらに第4搬送方向104へ搬送され、封かん機によって蓋95が閉じられたあと、コンテナに移し替えられ、トラック等で小売店へ出荷される。
〔効果〕
本実施形態に係る搬送装置によれば、リパッカーによる容器への充填における移載の失敗を作業者が知ることができる。また、作業者は移載部32に設けられている吸盤33ごとの移載の成否を知ることができるので、移載の失敗が発生した場合は速やかにメンテナンス等を行う事ができる。
なお、本発明に係る搬送装置は、鶏卵に限らず、種々の農畜産物に用いることができる。
今回開示された実施形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。