JP5953943B2 - 窒化物半導体結晶の製造方法、反応容器および部材 - Google Patents
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Description
該反応容器内の空間に対して露出している、該反応容器及び該反応容器内で使用される部材の表面の少なくとも一部が、Pt、Ir、Ag、PdおよびRhからなる群より選択される少なくとも1種の貴金属を含み、且つ表面粗さ(Ra)が0.08μm〜3.0μmであることを特徴とする窒化物半導体結晶の製造方法。
[2] 反応容器内で超臨界および/または亜臨界状態の溶媒存在下にて窒化物半導体結晶の成長を行い窒化物半導体結晶を製造する方法であって、
該反応容器内の空間に対して露出している、該反応容器及び該反応容器内で使用される部材の表面の少なくとも一部が、表面粗さ(Ra)が0.08μm〜3.0μmであり、
該窒化物半導体結晶の成長をハロゲンを含有する鉱化剤を用いて行うことを特徴とする窒化物半導体結晶の製造方法。
[3] 該反応容器内の空間に対して露出している、該反応容器及び該反応容器内で使用される部材の表面の総面積のうち、50%以上の表面粗さ(Ra)が0.08μm〜3.0μmであることを特徴とする[1]または[2]に記載の窒化物半導体結晶の製造方法。
[4] 該反応容器が、表面粗さ(Ra)が0.08μm〜3.0μmである表面を含む結晶成長領域を有することを特徴とする[1]〜[3]のいずれか一項に記載の窒化物半導体結晶の製造方法。
[5] 前記反応容器が、白金族金属又は白金族を含む合金からなるカプセルであることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか一項に記載の窒化物半導体結晶の製造方法。
[6] 前記反応容器がPtとIrを含む合金からなるカプセルであることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか一項に記載の窒化物半導体結晶の製造方法。
[7] 前記合金のIr含有率が30重量%以下であることを特徴とする[6]に記載の窒化物半導体結晶の製造方法。
[8] 前記反応容器が、白金族金属又は白金族を含む合金でライニングされた内壁を有する耐圧性容器であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか一項に記載の窒化物半導体結晶の製造方法。
[9] 内壁がPtとGaを含む合金でライニングされていることを特徴とする[8]に記載の窒化物半導体結晶の製造方法。
[10] 内壁がIr又はIrを含む合金でライニングされていることを特徴とする[1]〜[9]のいずれか一項に記載の窒化物半導体結晶の製造方法。
[11] 成長温度が500〜700℃であることを特徴とする[1]〜[10]のいずれか一項に記載の窒化物半導体結晶の製造方法。
[12] 成長圧力が120〜700MPaであることを特徴とする[1]〜[11]のいずれか一項に記載の窒化物半導体結晶の製造方法。
[13] 少なくともフッ素を含む鉱化剤を用いることを特徴とする[1]〜[12]のいずれか一項に記載の窒化物半導体結晶の製造方法。
[14] 少なくともフッ素と1以上のハロゲン元素を含む鉱化剤を用いることを特徴とすることを特徴とする[1]〜[12]のいずれか一項に記載の窒化物半導体結晶の製造方法。
該反応容器内の空間に対して露出している、該反応容器及び該反応容器内で使用される部材の表面の少なくとも一部が、Pt、Ir、Ag、PdおよびRhからなる群より選択される少なくとも1種の貴金属を含み、且つ表面粗さ(Ra)が0.08μm〜3.0μmであることを特徴とする反応容器。
[16] 該反応容器内の空間に対して露出している、該反応容器及び該反応容器内で使用される部材の表面の総面積のうち、50%以上の表面粗さ(Ra)が0.08μm〜3.0μmであることを特徴とする[15]に記載の反応容器。
[17] 該反応容器が、表面粗さ(Ra)が0.08μm〜3.0μmである表面を含む結晶成長領域を有することを特徴とする[15]または[16]に記載の反応容器。
[18] 前記反応容器が、白金族金属又は白金族を含む合金からなるカプセルであることを特徴とする[15]〜[17]のいずれか一項に記載の反応容器。
[19] 前記反応容器がPtとIrを含む合金からなるカプセルであることを特徴とする[15]〜[18]のいずれか一項に記載の反応容器。
[20] 前記合金のIr含有率が30重量%以下であることを特徴とする[19]に記載の反応容器。
[21] 前記反応容器が、白金族金属又は白金族を含む合金でライニングされた内壁を有する耐圧性容器であることを特徴とする[15]〜[20]のいずれか一項に記載の反応容器。
[22] 内壁がPtとGaを含む合金でライニングされていることを特徴とする[21]に記載の反応容器。
[23] 内壁がIr又はIrを含む合金でライニングされていることを特徴とする[15]〜[21]のいずれか一項に記載の反応容器。
該部材の表面の少なくとも一部が、Pt、Ir、Ag、PdおよびRhからなる群より選択される少なくとも1種の貴金属を含み、且つ表面粗さ(Ra)が0.08μm〜3.0μmであることを特徴とする部材。
[25] 前記部材の表面の総面積のうち、50%以上の表面粗さ(Ra)が0.08μm〜3.0μmであることを特徴とする[24]に記載の部材。
[26] 前記部材が白金族金属又は白金族を含む合金からなることを特徴とする[24]または[25]に記載の部材。
[27] 前記部材がPtとIrを含む合金からなることを特徴とする[24]〜[26]のいずれか一項に記載の部材。
[28] 前記合金のIr含有率が30重量%以下であることを特徴とする[27]に記載の部材。
本発明の窒化物半導体結晶の製造方法は、反応容器内でアモノサーマル法により窒化物半導体結晶を製造する方法である。すなわち、反応容器内で超臨界および/または亜臨界状態の溶媒存在下にて窒化物半導体結晶の成長を行い窒化物半導体結晶を製造する方法であって、以下の[条件1]または[条件2]の少なくとも一方を満たすものである。本発明の窒化物半導体結晶の製造方法は、[条件1]と[条件2]の両方を満たすものであることが好ましい。
[条件2] 反応容器内の空間に対して露出している、該反応容器及び該反応容器内で使用される部材の表面の少なくとも一部が、表面粗さ(Ra)が0.08μm〜3.0μmであり、なおかつ、窒化物半導体結晶の製造においてハロゲンを含有する鉱化剤を使用する。
本発明における「反応容器」とは、超臨界および/または亜臨界アンモニア等の溶媒がその内壁の表面に直接接触しうる状態で窒化物半導体結晶の製造を行うための容器を意味する。本発明では、オートクレーブなどの耐圧性容器を反応容器として用いてもよいし、耐圧性容器内に設置される内筒などのカプセルを反応容器として用いてもよい。
本発明では上記材料を1種類あるいは2種類以上組み合わせて用いてもよい。また、上記の貴金属を含む材料と組み合わせて用いてもよい。
表面粗さ(Ra)を上記の範囲に調整する方法は、特に限定されず、反応容器の表面に対して公知の処理方法を適宜行えばよい。例えば、バイトによる切削加工、砥石による研削加工、バフ研磨および電解研磨などの処理を行い、表面粗さ(Ra)を上記の範囲に調整することが好ましい。
一方、IrまたはIr合金を含む表面を有する反応容器を用いる場合は、IrとGaが合金を形成しないため、GaN半導体結晶の育成を行った後であっても表面にGa−Ir膜は形成されない。このため、Irを含む表面を有する反応容器は、GaN半導体結晶の製造に繰り返して好ましく用いることができる。
本発明の製造方法に用いることができる別の結晶製造装置の具体例を図2に示す。この結晶製造装置では、カプセルを使用せず、オートクレーブ内で結晶成長を行う。このため、オートクレーブが本発明でいう反応容器に相当する。
通常、反応容器内の結晶成長領域が過飽和状態にあるため窒化物半導体結晶が析出する。このとき、結晶成長領域において最も結晶が析出しやすい場所は、核発生エネルギーを必要としない種結晶の表面である。次に析出しやすい場所は、反応容器の内壁や反応容器内に設置された部材の表面である。これは、何もない溶液中での核発生は大きなエネルギーを必要とするが、物質表面における核発生エネルギーは格段に小さくなり、容易に核発生が起こり結晶が成長することによる。
これらの理由から、上記の特定の範囲に表面粗さ(Ra)を規定することにより、反応容器などの表面に付着した結晶の除去が容易になったものと考えられる。
本発明における窒化物半導体結晶の製造条件としては、通常のアモノサーマル法における窒化物半導体結晶の成長条件を適宜選択して採用することができる。例えば、本発明における窒化物半導体結晶の成長時の温度は、下限値が500℃以上であることが好ましく、515℃以上であることがより好ましく、530℃以上であることがさらに好ましい。上限値は、700℃以下であることが好ましく、650℃以下であることがより好ましく、630℃以下であることがさらに好ましい。本発明における窒化物半導体結晶の成長時の圧力は、通常120MPa以上に設定することが好ましく、150MPa以上に設定することがより好ましく、180MPa以上に設定することがさらに好ましい。また、700MPa以下に設定することが好ましく、500MPa以下に設定することがより好ましく、350MPa以下に設定することがさらに好ましく、300MPa以下に設定することが特に好ましい。
鉱化剤の濃度は、充填するアンモニア量に対して、0.1〜10mol%とすることが好ましい。鉱化剤としては、ハロゲンを含有する鉱化剤を用いることが好ましく、フッ素を含む鉱化剤を用いることが好ましく、フッ素とその他のハロゲン元素を含む鉱化剤を用いることがさらに好ましい。
反応容器としてカプセルを用いる場合は、カプセルを封止した後、封止したカプセルを耐圧性容器内に設置したのち、耐圧性容器を密閉する。耐圧性容器を密閉後、耐圧性容器内に窒素ガスなどの不活性ガスを流通させてもよいし、真空排気装置で脱気してもよい。または、その両方を組み合わせて行なってもよい。
耐圧性容器およびカプセルなどの容器内への種結晶の装填は、通常は、原料物質、鉱化剤を充填する際に同時に行うか、または原料物質および鉱化剤を充填した後に装填する。種結晶は、ワイヤーで吊してもよいし、治具に固定してもよい。装填後には、必要に応じて加熱脱気をしてもよい。
反応容器内での窒化物半導体結晶の成長は、熱電対を有する電気炉などを用いて反応容器を加熱昇温することにより、反応容器内をアンモニア等の溶媒の超臨界および/または亜臨界状態に保持することにより行われる。加熱の方法、所定の反応温度への昇温速度に付いては特に限定されないが、通常、数時間から数日かけて行われる。必要に応じて、多段の昇温を行ったり、温度域において昇温スピードを変えたりすることもできる。また、部分的に冷却しながら加熱したりすることもできる。
所望の結晶を生成させるための反応時間を経た後、降温させる。降温方法は特に限定されないが、ヒーターの加熱を停止してそのまま炉内に容器を設置したまま放冷してもかまわないし、容器を電気炉から取り外して空冷してもかまわない。必要であれば、冷媒を用いて急冷することも好適に用いられる。
さらに必要に応じて、真空状態にするなどして容器内のアンモニア等の溶媒を十分に除去した後、乾燥し、容器の蓋等を開けて生成した窒化物半導体結晶および未反応の原料および鉱化剤等の添加物を取り出すことができる。本発明によれば、反応容器の表面や反応容器内で使用される部材の表面に付着する窒化物結晶の量を抑えることができるため、育成した窒化物半導体結晶を比較的容易に取り出すことができる。
上記のようにして、本発明の方法により窒化物半導体結晶を製造することができる。所望の結晶構造を有する窒化物半導体結晶を製造するためには、製造条件を適宜調整することが必要である。
本発明の製造方法によれば、比較的径が大きな窒化物半導体結晶も得ることができる。例えば、好ましくは最大径が50mm以上である窒化物半導体結晶を得ることも可能である。窒化物半導体結晶の最大径は、76mm以上であることがより好ましく、100mm以上であることがさらに好ましい。
実施例1は、図1の結晶製造装置を用いて行った。
RENE41製オートクレーブ1(内容積約345cm3)を耐圧容器として用い、Pt−Ir製カプセル(Ir含有率:20重量%)20を反応容器として結晶成長を行った。Pt−Irカプセルは初回使用品であり表面には金属光沢が見られた。Pt−Irカプセルの内壁表面粗さ(Ra)は0.76μmであった。カプセルへの充填作業は十分に乾燥した窒素雰囲気グローブボックス内にて行った。原料8として多結晶GaN粒子をカプセル下部領域(原料溶解領域9)内に設置した。次に鉱化剤として十分に乾燥した純度99.999%のNH4Iと純度99.999%のGaF3をカプセル内に投入した。
その後、オートクレーブ1の外面の温度が室温に戻るまで自然冷却し、オートクレーブに付属したバルブ10を開放し、オートクレーブ内のNH3を取り除いた。その後オートクレーブ1を計量しNH3の排出を確認した後、オートクレーブの蓋を開け、カプセル20を取り出した。カプセル上部に付属したチューブに穴を開けカプセル内部からNH3を取り除いた。
実施例2では、表面粗さ(Ra)が0.64μmである初回使用品のPt−Ir製カプセル(Ir含有率:20重量%)と、表面粗さ(Ra)が0.12μmである初回使用品の白金製バッフル板を用いた。実施例2で用いたカプセルとバッフル板のサイズは、実施例1で用いたカプセルとバッフル板のサイズと同じとした。実施例1と同じ条件と方法により窒化物半導体結晶の製造を行った結果、実施例1と同様に、C面、M面いずれの種結晶上にも全面に均一に窒化ガリウム結晶が析出し、カプセル内壁には窒化ガリウムの微結晶が粒子状に付着した。実施例1と同じ方法により、カプセルをKOH水溶液に浸漬する処理を行ったところ、目視およびルーペによる観察では内壁に付着した微結晶は十分に除去されたことが確認され、カプセルは容易に再利用可能であることが確認された。
実施例3では、実施例1により窒化物半導体結晶の製造を1回行った後のカプセルと部材を用いて行った。実施例3で用いたカプセルの表面粗さ(Ra)は0.38μmであり、バッフル板の表面粗さ(Ra)は0.28μmであり、カプセルとバッフル板の表面には、全面にわたって厚みが10〜40μmのGa−Pt合金皮膜が形成されていた。また、実施例3で用いた種結晶支持枠の表面粗さ(Ra)は0.35μmであり、10〜40μmのGa−Pt合金皮膜が形成されていた。実施例3で用いたカプセル及びカプセル内で使用される部材の表面の総面積のうち、表面粗さ(Ra)が0.08μm〜3.0μmである面積の割合は99%であった。
実施例1と同じ条件と方法により窒化物半導体結晶の製造を行った結果、実施例1と同様に、C面、M面いずれの種結晶上にも全面に均一に窒化ガリウム結晶が析出し、カプセル内壁には窒化ガリウムの微結晶が粒子状に付着した。実施例1と同じ方法により、カプセルをKOH水溶液に浸漬する処理を行ったところ、目視およびルーペによる観察では内壁に付着した微結晶は十分に除去されたことが確認され、カプセルは容易に再利用可能であることが確認された。
カプセル内壁の表面粗さ(Ra)を3.10μmとした点だけを変更して、実施例1と同じ条件と方法により窒化物半導体結晶の製造を行うと、カプセル内壁には窒化ガリウムの粒状の微結晶が密集して付着する。付着する微結晶の量は実施例よりも多い。実施例1と同じ方法により、カプセルをKOH水溶液に浸漬する処理を行っても、窒化ガリウム微結晶は十分に除去されない。
カプセル内壁の表面粗さ(Ra)を0.06μmとした点だけを変更して、実施例1と同じ条件と方法により窒化物半導体結晶の製造を行うと、カプセル内壁には窒化ガリウムの微結晶が膜状に付着する。付着する微結晶の量は実施例と同等であるが個々の粒子が小さく密集している。実施例1と同じ方法により、カプセルをKOH水溶液に浸漬する処理を行っても、窒化ガリウム微結晶は十分に除去されない。
内壁の表面粗さ(Ra)が3.10μmであってW製のカプセルを用いた点を除いて、実施例1と同じ方法にしたがって窒化物半導体結晶の製造を行うと、カプセル内壁は比較的大きな粒状の結晶と微細な結晶が混合密集し付着する。付着する微結晶の量は実施例よりも多い。実施例1と同じ方法により、カプセルをKOH水溶液に浸漬する処理を行っても、充分に除去されておらずまだらに残存していた。
試験例1は、図2の結晶製造装置を用いて行った。
本試験例において、試験片を入れたオートクレーブ中にて種結晶上に窒化ガリウム半導体結晶を育成した後、試験片に付着した窒化ガリウム結晶の除去容易性を試験することにより、試験片と除去容易性の関係を検討した。
白金を内張りすることでライニングを行った、内寸が直径15mm、長さ154mmのInconel625製オートクレーブ1(内容積約27cm3)を用い、実験を行った。オートクレーブ1の内面2を十分に洗浄し乾燥した。試験片を支持するために使用する白金製ワイヤー、白金製育成枠、白金製バッフル板、白金メッシュ製原料カゴも同様に洗浄乾燥させた。窒化物結晶成長用の原料8として多結晶GaN粒子を用いた。12.98gを秤量し白金メッシュ製原料カゴに充填した。鉱化剤として十分に乾燥させた塩化アンモニウムの試薬を0.74g秤量し、白金メッシュ製原料カゴに多結晶GaN原料と一緒に充填した後、オートクレーブ下部の原料溶解領域9内に原料8として設置した。次にオートクレーブ下部の原料溶解領域と上部の結晶成長領域をほぼ2分する位置に白金製のバッフル板5を設置した。
次いで、導管がNH3ボンベ12に通じるように操作した後、再びバルブ10を開け連続して外気に触れることなくNH3をオートクレーブ1に充填した。その後、流量制御に基づき、17.5リットルのNH3を毎分2リットルの流量で充填した後、バルブ10を閉じた。NH3投入前後の重量変化を測定することにより、NH3の投入量が12.17gであることを確認した。
加熱終了後、オートクレーブ1の下部外面の温度が150℃になるまでプログラムコントローラーを用いておよそ8時間で降温した後、ヒーターによる加熱を止め、電気炉内で自然放冷した。オートクレーブ1の下部外面の温度がほぼ室温にまで降下したことを確認した後、まず、オートクレーブに付属したバルブを開放しオートクレーブ1内のNH3を取り除いた。次に真空ポンプでオートクレーブ1内のNH3を完全に除去した。その後、オートクレーブの蓋を開け内部から支持枠、バッフル板、原料カゴを取り出した。種結晶上には、GaN単結晶の成長が認められた。
表面粗さ(Ra)が0.09μmであるPt−Ir試験片(サイズとIr含有率は試験例1と同じ)を用いて試験例1と同じ試験を行うと、試験片の表面には粒子状に窒化ガリウム微結晶が付着する。付着する微結晶の量は試験例1および下記の試験例3よりも少ない。試験例1と同じ方法により、試験片をKOH水溶液に浸漬する処理を行うと、試験片に付着した微結晶は十分に除去される。
表面粗さ(Ra)が3.10μmであるPt−Ir試験片(サイズとIr含有率は試験例1と同じ)を用いて試験例1と同じ試験を行うと、試験片の表面には比較的大きな粒状の結晶と微細な結晶が混合密集し付着する。試験例1と同じ方法により、試験片をKOH水溶液に浸漬する処理を行っても、試験片に付着した微結晶は十分に除去されず、まだらに残存する。
2 オートクレーブ内面
3 ライニング
4 ライニング内面
5 バッフル板
6 結晶成長領域
7 種結晶
8 原料
9 原料溶解領域
10 バルブ
11 真空ポンプ
12 アンモニアボンベ
13 窒素ボンベ
14 マスフローメータ
15 試験片
20 カプセル
21 カプセル内面
Claims (31)
- 反応容器内で超臨界および/または亜臨界状態の溶媒存在下にて窒化物半導体結晶の成長を行い窒化物半導体結晶を製造する方法であって、
該反応容器内の空間に対して露出している、該反応容器の表面の少なくとも一部が、Pt、Ir、Ag、PdおよびRhからなる群より選択される少なくとも1種の貴金属を含み、且つ表面粗さ(Ra)が0.08μm〜3.0μmであることを特徴とする窒化物半導体結晶の製造方法。 - 反応容器内で超臨界および/または亜臨界状態の溶媒存在下にて窒化物半導体結晶の成長を行い窒化物半導体結晶を製造する方法であって、
該反応容器内の空間に対して露出している、該反応容器の表面の少なくとも一部が、表面粗さ(Ra)が0.08μm〜3.0μmであり、
該窒化物半導体結晶の成長をハロゲンを含有する鉱化剤を用いて行うことを特徴とする窒化物半導体結晶の製造方法。 - 該反応容器内の空間に対して露出している、該反応容器の表面の総面積のうち、50%以上の表面粗さ(Ra)が0.08μm〜3.0μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の窒化物半導体結晶の製造方法。
- 該反応容器内の空間がバッフル板で互いに区画された結晶成長領域と原料溶解領域とから構成されており、該結晶成長領域に対して露出する該反応容器の表面に、表面粗さ(Ra)が0.08μm〜3.0μmである部分を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の窒化物半導体結晶の製造方法。
- 前記反応容器が、白金族金属又は白金族を含む合金からなるカプセルであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の窒化物半導体結晶の製造方法。
- 前記反応容器がPtとIrを含む合金からなるカプセルであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の窒化物半導体結晶の製造方法。
- 前記合金のIr含有率が30重量%以下であることを特徴とする請求項6に記載の窒化物半導体結晶の製造方法。
- 前記反応容器が、白金族金属又は白金族を含む合金でライニングされた内壁を有する耐圧性容器であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の窒化物半導体結晶の製造方法。
- 該合金がPtとGaを含む合金であることを特徴とする請求項8に記載の窒化物半導体結晶の製造方法。
- 該反応容器が、該反応容器内の空間に対して露出している、Ir又はIr合金を含む表面を有することを特徴とする請求項1〜5および8のいずれか一項に記載の窒化物半導体結晶の製造方法。
- 成長温度が500〜700℃であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の窒化物半導体結晶の製造方法。
- 成長圧力が120〜700MPaであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の窒化物半導体結晶の製造方法。
- 少なくともフッ素を含む鉱化剤を用いることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の窒化物半導体結晶の製造方法。
- 少なくともフッ素と1以上のハロゲン元素を含む鉱化剤を用いることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の窒化物半導体結晶の製造方法。
- 超臨界および/または亜臨界状態の溶媒存在下にて窒化物半導体結晶を育成するための反応容器であって、
該反応容器内の空間に対して露出している、該反応容器の表面の少なくとも一部が、Pt、Ir、Ag、PdおよびRhからなる群より選択される少なくとも1種の貴金属を含み、且つ表面粗さ(Ra)が0.08μm〜3.0μmであることを特徴とする反応容器。 - 該反応容器内の空間に対して露出している、該反応容器の表面の総面積のうち、50%以上の表面粗さ(Ra)が0.08μm〜3.0μmであることを特徴とする請求項15に記載の反応容器。
- 該反応容器の空間がバッフル板で互いに区画された結晶成長領域と原料溶解領域とから構成されており、該結晶成長領域に対して露出する該反応容器の表面に、表面粗さ(Ra)が0.08μm〜3.0μmである部分を有することを特徴とする請求項15または16に記載の反応容器。
- 前記反応容器が、白金族金属又は白金族を含む合金からなるカプセルであることを特徴とする請求項15〜17のいずれか一項に記載の反応容器。
- 前記反応容器がPtとIrを含む合金からなるカプセルであることを特徴とする請求項15〜18のいずれか一項に記載の反応容器。
- 前記合金のIr含有率が30重量%以下であることを特徴とする請求項19に記載の反応容器。
- 前記反応容器が、白金族金属又は白金族を含む合金でライニングされた内壁を有する耐圧性容器であることを特徴とする請求項15〜17のいずれか一項に記載の反応容器。
- 該合金がPtとGaを含む合金であることを特徴とする請求項21に記載の反応容器。
- 該反応容器が、該反応容器内の空間に対して露出している、Ir又はIr合金を含む表面を有することを特徴とする請求項15〜18および21のいずれか一項に記載の反応容器。
- 超臨界および/または亜臨界状態の溶媒存在下にて窒化物半導体結晶を育成するための反応容器中に設置する部材であって、
該部材の表面の少なくとも一部が、Pt、Ir、Ag、PdおよびRhからなる群より選択される少なくとも1種の貴金属を含み、且つ表面粗さ(Ra)が0.08μm〜3.0μmであることを特徴とする部材。 - 前記部材の表面の総面積のうち、50%以上の表面粗さ(Ra)が0.08μm〜3.0μmであることを特徴とする請求項24に記載の部材。
- 前記部材が白金族金属又は白金族を含む合金からなることを特徴とする請求項24または25に記載の部材。
- 前記部材がPtとIrを含む合金からなることを特徴とする請求項24〜26のいずれか一項に記載の部材。
- 前記合金のIr含有率が30重量%以下であることを特徴とする請求項27に記載の部材。
- 前記溶媒が、アンモニアであることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の窒化物半導体結晶の製造方法。
- 前記溶媒が、アンモニアであることを特徴とする請求項15〜23のいずれか一項に記載の反応容器。
- 前記溶媒が、アンモニアであることを特徴とする請求項24〜28のいずれか一項に記載の部材。
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