JP5953722B2 - 電子時計 - Google Patents
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Description
このような太陽電池としては、複数のセル(発電部)を有するものが採用されることが一般的である。
このように、二次電池を充電可能な構成を有する電子時計では、使用環境に応じて当該二次電池に供給される充電電流の電圧値、すなわち、発電装置による発電電流の電圧値が不明であるため、二次電池の過充電を防止する過充電防止機能を組み込むことが一般的である。
また、制御ICが大型化すると、当該制御ICが実装される回路基板も大型化する。このため、回路基板の製造コストが増大するだけでなく、ムーブメントにおける当該回路基板の配置自由度が低下するという問題がある。
また、制御ICを小型化できることから、当該制御ICが実装される回路基板も小型化できる。従って、当該回路基板の製造コストを削減でき、この点においても、電子時計の製造コストを更に低減できる。この他、回路基板を小型化できることから、電子時計における当該回路基板の配置自由度を向上できる。
本発明によれば、前述の電子時計の効果をより好適に奏することができる。また、3つのセルを有する太陽電池の表面積(各セルにおいて光が入射される面の合計面積)と、4つのセルを有する太陽電池の表面積とが同じである場合には、当該4つのセルを有する太陽電池に比べて、3つのセルを有する太陽電池では、発電量を大きくすることができる。従って、二次電池の充電を速やかに行うことができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る電子時計1の構成を示すブロック図である。
本実施形態に係る電子時計1は、アナログ式電子時計として構成され、内部に設けられた太陽電池で発電した電力により、同じく内部に設けられた二次電池を充電するとともに、当該電力又は二次電池から供給される電力により駆動して、時刻の計時及び時刻の表示を行うものである。
このような電子時計1は、図1に示すように、表示装置2、二次電池3及び太陽電池4を有する。
表示装置2は、太陽電池4による発電電流、又は、二次電池からの供給電流により駆動して、時刻を表示する。この表示装置2は、時刻を表示する表示手段21と、当該表示手段21の動作を制御する制御手段22とを有する。
表示手段21は、詳しい図示を省略するが、指針と、当該指針を回転させるステップモーター及び複数の歯車を有するムーブメントとを有する。このステップモーターの好ましい動作電圧範囲は、0Vより大きく0.8V以下であり、このため、表示手段21の駆動電圧は、表示装置2の後述する駆動下限電圧である1.2Vより低い値となっている。なお、本実施形態では、表示手段21の駆動電圧を当該駆動下限電圧(1.2V)より低くするために、上記ステップモーターの動作電圧範囲を0Vより大きく0.8V以下としている。しかしながら、当該ステップモーターの動作電圧範囲は、適宜設定されうるものであり、例えば2.4V以上の電圧を印加しても、ステップモーターは駆動可能である。
このような電子時計1はアナログ式電子時計として構成されるため、表示手段21は、指針及びムーブメントを有する構成である。しかしながら、電子時計1がデジタル式電子時計として構成される場合には、表示手段21は、液晶パネル等の表示デバイスにより構成される。
一方、電子時計1がデジタル式電子時計として構成される場合には、制御手段22は、前述の表示デバイスの駆動を制御して、当該表示デバイスに内部時刻を表示させる。
なお、電子時計1がデジタル式電子時計として構成される場合には、駆動下限電圧は、表示装置2が正常に時刻を表示可能な電圧値となる。また、表示手段21の駆動電圧は、前述の表示デバイスの駆動電圧となり、制御手段22の動作駆動電圧は、内部時刻を計時して、かつ、当該表示デバイスの駆動制御を実施可能な電圧となる。
二次電池3は、例えば、チタニウム−リチウムイオン二次電池により構成され、表示装置2を動作させる電力を当該表示装置2に出力する。なお、本実施形態では、当該二次電池3は1.5V系の二次電池である。
この二次電池3は、太陽電池4から供給される電流により充電されるが、入力される電流(充電電流)の電圧が所定電圧値以上である場合には、過充電が生じて劣化が進む。この所定電圧値は、本発明の劣化開始電圧に相当し、本実施形態で採用される二次電池3の劣化開始電圧は2.4Vである。具体的に、当該二次電池3の好ましい使用電圧範囲は0.5V以上2.4V未満とされている。このため、2.4V以上の電圧が印加されると、二次電池3に劣化が生じる。
なお、二次電池3の耐圧としては、2.6V以上2.8V以下の値であることが多いが、耐圧に近い状態で二次電池3が使用されると、容量抜け等の品質低下が生じうる。このため、本実施形態では、二次電池3の劣化開始電圧は2.4Vとしている。
太陽電池4は、入射される光により発電し、生じた発電電流を制御手段22に出力する。この発電電流は二次電池3に供給され、当該二次電池3が充電される。この太陽電池4は、それぞれ同じ発電能力を有する発電部であるセル41を3つ有する。すなわち、当該各セル41の起電圧は、それぞれ同じであり、本実施形態では、0.6V以上0.8V未満である。
この太陽電池4では、図2に示すように、二次電池3の電池電圧が低い場合には、高照度環境下(単位面積当たりの入射光量が多い環境下)での発電電流の値と、低照度環境下(単位面積当たりの入射光量が少ない環境下)での発電電流の値とは異なる。すなわち、高照度環境下での発電量は、低照度環境下での発電量より大きい。
しかしながら、二次電池3の電池電圧が高くなるに従って、高照度環境下での発電電流の値と、低照度環境下での発電電流の値との差は小さくなる。このように、太陽電池4は、二次電池3の電池電圧に応じて発電量は変化する。しかしながら、太陽電池4の起電圧は、高照度環境下でも低照度環境下でも略同じである。
なお、二次電池3の電池電圧が最大に近くなると(満充電に近くなると)、太陽電池4による発電量は低下し、当該電池電圧が最大となると、二次電池3に供給される電力はほぼ0となる。
3つのセルを有する太陽電池全体の表面積(各セルにおいて光が入射される面の合計面積)と、4つのセルを有する太陽電池全体の表面積とが同じである場合、図3に示すように、当該3つのセルを有する太陽電池の起電圧は、4つのセルを有する太陽電池の起電圧より低くなる。
このように、二次電池3の電池電圧が1.8V以下である状態では、4つのセルを有する太陽電池の発電量より、3つのセルを有する太陽電池の発電量の方が大きい。このことから、当該状態においては、3つのセルを有する太陽電池を採用することにより、二次電池3を速やかに充電できる。そして、本実施形態に係る電子時計1では、3つのセル41を有する太陽電池4が採用されている。
以下、太陽電池4に設けられるセル41の数の決定方法について説明する。
本実施形態に係る電子時計1では、二次電池3に過充電が生じることを防止する過充電防止機能を、制御手段22を構成する制御ICに設けずに、当該過充電の発生を防止している。これは、以下の条件により決定された数のセル41を有する太陽電池4を採用していることによるものである。
なお、前述のように、太陽電池4に設けられる各セル41の起電圧は、それぞれ同じである。
本実施形態では、前述のように、二次電池3の定格電圧は1.5Vである。また、図4に示すように、二次電池3の劣化開始電圧は2.4Vであり、表示装置2の駆動下限電圧は1.2Vである。更に、1つのセル41の起電圧は0.6V以上0.8V未満である。
また、表示装置2の駆動下限電圧は1.2Vであり、1つのセル41の起電圧が0.6V以上0.8V未満であることから、セル41は2以上必要である。そして、当該セル41の数と前述の第2条件とから、太陽電池4に必要なセル41の数は3以上となる。
このため、太陽電池4に必要なセル数の範囲は、図4における斜線部分となり、当該セル数は3となる。なお、第2条件が満たされることにより、前述の第3条件及び第4条件から、表示装置2(表示手段21及び制御手段22)は正常に駆動及び動作する。
従って、太陽電池4に同じ起電圧のセル41を3つ設けることにより、制御手段22に二次電池3の過充電を防止する機能を設けることなく当該過充電の発生を防止できるだけでなく、表示装置2を正常に駆動させることができる。
以上説明した本実施形態に係る電子時計1によれば、以下の効果がある。
太陽電池4の起電圧は、二次電池3の劣化開始電圧より低い。これによれば、太陽電池4が置かれる環境が低照度環境でも高照度環境下でも、二次電池3には、劣化開始電圧より高い電圧が印加されることがない。このため、二次電池3に過充電が生じることを防止できる。従って、制御手段22を構成する制御ICに過充電防止機能を設ける必要がないので、当該制御IC、ひいては、電子時計1の製造コストを低減できる。
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記実施形態では、二次電池3の劣化開始電圧、表示装置2の駆動下限電圧、表示手段21の駆動下限電圧及び制御手段22の駆動電圧に基づいて、3つのセル41を有する太陽電池4が採用されたが、本発明はこれに限らない。すなわち、当該電圧値に基づいて決定されたセル41の数を有する太陽電池が採用されればよい。
前記実施形態では、アナログ式電子時計として構成された電子時計1を例示したが、本発明はこれに限らない。すなわち、デジタル式電子時計に、本発明を適用してもよい。
Claims (2)
- 入射光により発電する太陽電池と、
前記太陽電池により生じた電力により充電される二次電池と、
前記太陽電池により生じた電力及び前記二次電池から出力される電力の少なくともいずれかにより駆動され、時刻を表示する表示装置とを有し、
前記太陽電池は、それぞれ同じ起電圧のセルを複数有し、各セルは直列に接続され、かつ、1つのセルに短絡による不具合が発生しても、正常に発電可能な他のセルで生じた発電電流を供給可能に構成され、
前記表示装置は、
時刻を表示する表示手段と、
前記表示手段の駆動を制御する制御手段とを有し、
前記各セルの起電圧の総和である前記太陽電池の起電圧は、前記二次電池が過充電状態となる電圧である劣化開始電圧より低く、
前記太陽電池が有する前記セルの総数から1減算した数の前記セルのそれぞれの起電圧の和は、前記表示装置の駆動下限電圧以上であり、
前記制御手段が前記表示手段を駆動する駆動電圧は、前記駆動下限電圧より低く、
前記制御手段の動作電圧は、前記駆動下限電圧より低く、
前記駆動下限電圧は、前記表示装置が正常に時刻を表示可能な電圧を示す
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1に記載の電子時計において、
前記太陽電池は、前記セルを3つ有し、
前記二次電池の定格電圧は、1.5Vであり、
前記劣化開始電圧は、2.4Vであり、
前記駆動下限電圧は、1.2V以下であり、
1つの前記セルの起電圧は、0.6V以上0.8V未満である
ことを特徴とする電子時計。
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