JP4564122B2 - 電子時計 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は太陽電池や、熱発電素子や、ユーザーの動的エネルギーを電気料に変換する発電装置などの外部環境のエネルギー採取型電源により駆動される電子時計の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子式時計は20年以上も前に開発され、その高精度の時刻表示および好携帯性ファッショ性があるため現在まで普及している。
【0003】
このような電子時計のエネルギー源としては通常は電池であるが、手間と費用がかかる電池取り替えなしで何年間動き続けるかは課題の1つである。
そのため最近では、太陽電池を採用した製品やユーザーの動的エネルギーを電気エネルギーに変換する発電装置を採用した製品が販売されている。
【0004】
図6は現在の太陽電池(ソーラセル)を採用した電子時計のシステムブロック図である。
電子時計は、モーター系603と、システムIC系602と、電源系601との3つの系から形成されいる。
【0005】
モーター系603は、モーターと、ヨークと、輪列等から形成させるモーター駆動系を示す。
システムIC系602は、時計を駆動するための発振分周と、負荷補償および電源経路を切り替えるためのMOS−FETであるスイッチA613およびスイッチB614等を備える集積回路系である。
【0006】
電源系601はクイックスタート用のコンデンサであるCSコンデンサ609と充電型電池であるMT電池608および4段ソーラセル607から構成されている。
【0007】
スイッチA613は低電位側電源625をMT電池608のマイナス電位するためのスイッチであり、スイッチB614はMT電池608への充電を行うためのスイッチである。
さらに、ツェナーダイオード610は、電圧が2.6VになるとオンするMT電池608への過充電防止のために備えられたダイオードである。
【0008】
ダイオード611はソーラセル607から低電圧側電源625への電流逆流防止のために備えられており、ダイオード615はソーラセル607からMT電池608への電流逆流防止のために備えられている。
【0009】
MT電圧測定回路616はMT電池608の電圧が1.20Vになったことをを測定する回路であり、CS電圧測定回路617はCSコンデンサ609の電圧が1.30Vになったことをを測定する回路である。
【0010】
回路618は、スイッチ制御を含む時刻表示のためのあらゆる機能を備えた総合的な電子回路を示す。
また、高電位電源626は電子時計全体の基準電源を示し、すべての系の高電位側は高電位電源626に接続されている。
【0011】
実際の動作状態を説明するために図7に各部の電圧変動模式図を示す。図中、縦軸は電圧を示し横軸は任意の時間を示す。
高光量領域716は比較的多量の光が照射されたときの状態を示し、低光量領域718は比較的少量光が照射されたときの状態を示し、中光量領域717は高光量領域716と抵抗量領域718の中間的な量の光が照射されたときの状態を示す。
【0012】
一点鎖線で示される4段ソーラセル607の電圧である4段セル電圧708は高光量領域716ではツェナーダイオード710で規定される2.6V迄上り、中光量領域717においては1.7Vから1.6V付近で上下しており、低光量領域718ではゼロVまで急激に下がる。
【0013】
波線で示されるMT電池608の電圧であるMT電圧711は高光量領域716および中光量領域717では4段ソーラセル607に時分割で充電され1.3V程度までになり、低光量領域ではモータ系103とシステムIC系602の電源として放電するために少しずつ下がる。
【0014】
切り替えポイント712では、MT電圧108が1.20Vを越えたのでモータ系603とシステムIC系602の電源として4段ソーラセル607からMT電池608に切り替わるポイントである。
【0015】
矢印710はモータ系103とシステムIC系602の電源である電源電圧の経路を示す。
高光量領域716および中光量領域717においてはMT電池608の容量が無いので、スイッチA613をオフ、スイッチB614を所定の周期にてオン−オフを繰り返すことによって充電しながら時刻表示を行う。
したがって、電源電圧は4段セル電圧708に沿ってゼロVから2.6Vまでの変動電圧となる。
【0016】
低光量領域718中のMT電圧711が1.20Vを越えるのと同時にスイッチA613およびスイッチB614をオンする。上記操作によって低電位側電源625をMT電池608とする。
したがって、電源電圧はMT電圧710に沿った電圧となる
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
電位変動型発電装置と充電型電池を用いた上記型電子時計のシステムでは充電時と駆動時の切り分けがあいまいのため、充電と駆動が互いに効率よく行われてなかった。
【0018】
〔発明の目的〕
本発明は、上記の課題を解決するために、システムの形態および状態に応じて充電と駆動が高効率で行えるシステムを備えた電子時計を提案することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、時刻表示を行うための機能を備えた時刻表示装置と、該時刻表示装置と並列に接続する充電型電池及び容量素子と、外部環境の変化に応じて摂取電力が変化する電源である電力変動型電源と、前記時刻表示装置と前記充電型電池と前記容量素子と前記電力変動型電源との接続経路の形態を制御する電源経路制御装置とを備えた電子時計において、前記電力変動型電源は、少なくとも1つの発電素子を備える複数の発電セルを接続することで該発電素子が多段接続となる構成であり、前記容量素子は、前記発電セルの1つと並列に接続されることにより、前記電源経路制御装置の制御と関係なく、前記時刻表示装置および前記電源経路制御装置を初期駆動する電圧を蓄え、前記電源経路制御装置は、前記摂取電力の値及び、前記充電型電池又は前記容量素子に蓄えている電圧に応じて、前記電力変動型電源が前記充電型電池のみを充電する状態と、前記容量素子のみを充電する状態と、を繰り返すように前記接続経路を制御することを特徴とする。
また、前記電力変動型電源は、熱エネルギー,光エネルギー,動的エネルギーのいずれかを電気エネルギーに変換する発電装置であってもよい。
また、前記発電セルより前記電力変動型電源の方が、出力する電圧が高いようにしてもよい。
【0020】
〔作用〕
太陽電池と充電型電池を用いた携帯電子時計における太陽電池の役割は、充電型電池への充電と時刻表示のための駆動の2つの役割を持つ。
図6に示すような従来技術のシステムにおいては、上述した2つの役割が完全には分離しておらず最適化されていなかった。
【0021】
そこで本発明では図5(a)〜(c)に示すような充電時と駆動時を明確に分離できるシステムとした。
この発明の電子時計システムにおいては、クイックスタートを2段ソーラセル104によってシステムICをまず起動した後、2段ソーラセル104と直列に接続された2段ソーラセル105から構成される4段ソーラセル107によってモータ駆動される。
【0022】
図5(a)に示すように、スイッチB114とスイッチA113をオフして、スイッチC112をオンすることにより、4段ソーラセル107は低電位電源線125の電源となり、CSコンデンサ109に充電する。
【0023】
所定の電圧まで達すると、図5(b)に示すように、スイッチC112をオフしてスイッチB114をオンすることにより、ソーラセル103は充電型電池であるMT電池108に充電することのみに使われる。
この間の指針の運針は、CSコンデンサ109内に保持された電荷によって駆動される。
【0024】
CSコンデンサ109の電圧が所定の電圧よりも下がると、図5(a)に示すように、スイッチB114をオフしてスイッチC112をオンすることにより、4段ソーラセル103はCSコンデンサ108に充電することのみに使われる。
【0025】
以上の操作を繰り返して、CSコンデンサ109とMT電池108への充電を行うことによって、必要以上のモータ駆動エネルギーを摂取しないと同時に、その余ったエネルギーを充電にふりむけることができる。
【0026】
また、低光量照射時には、図5(c)に示すように、スイッチC112をオフして、スイッチAとスイッチB114とをオンすることによって、4段ソーラセル107の代わりにMT電池108が低電位電源線125の電源となる。
ふたたび高光量が照射されて所定の電圧になったときは、図5(a)、および図5(b)の状態に戻る。
【0027】
本発明は以上の通りの動作を行うことにより高効率の充電と時刻表示が行えるので、時計の連続動作時間を延ばすことができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
(電子時計システム構成説明:図1)
以下、図面を用いて本発明の電子時計における最適な実施形態を説明する。
図1は本発明の実施形態による電子時計システム構成を示す図面である。システムは、モーター系103と、システムIC系102および電源系101の3つの系から形成されいる。
モーター系103はモーター、ヨーク、コイル等から形成させるモーター駆動系を示す。システムIC系102は時計を駆動するための発振、分周負荷補償および電源切り替え機能等をもつ集積回路系である。
【0029】
電源系は、4段ソーラセル107と、リチウムイオン充電型電池からなるMT電池108と、指針の運針が停止した状態からのスタート(クイックスタート)用コンデンサであるCSコンデンサ109とから構成されている。
【0030】
ダイオード111は、2ソーラセル104から低電圧側電源625への電流逆流防止のために備えられており、ダイオード115は、4段ソーラセル107からMT電池608への電流逆流防止のために備えられている。
【0031】
4段ソーラセル107は、全システム電源の基準である高電位電源線126を基準に4つのソーラセルが直列に接続された電源であり、光の当たり具合によってゼロVから3V程度までの電圧を生じる。
4段ソーラセル107は、2段ソーラセル104と2段ソーラセル106とから構成されている。
【0032】
2段ソーラセル104のカソードはダイオード111のカソードに接続されており、2段ソーラセル106のカソードはダイオード115のカソードに接続されている。
2段ソーラセル104はクイックスタート時のシステムIC系102を最初に駆動するための電源となる。
【0033】
CSコンデンサ109の一方の端子は高電位電源線126と接続され、他方の端子は低電に電源125に接続されている。
MT電池108の一方の端子は高電位電源線126と接続され、他方の端子はダイオード111のカソードに接続されている。
【0034】
システムIC系102中のツェナーダイオード110は4段ソーラセル107によるMT電池108への過充電防止のための2.6Vツェナーダイオードである。MT電圧測定回路116はMT電池108の電圧検出回路であり1.20Vを検出するように設定してある。
CS電圧測定回路117はCSコンデンサの電圧検出回路であり1.50V、1.30V、1.10Vおよび1.00Vを検出するように設定してある。
【0035】
スイッチA113は低電位電源線125とMT電池108を必要に応じて導通させるための回路であり、MOSトランジスタ素子で形成されている。
スイッチB114は4段ソーラセル107でMT電池108を充電させるための回路であり、MOSトランジスタ素子で形成されている。
【0036】
スイッチC112は低電に電源125と4段ソーラセル107のカソードを導通させるためのスイッチング回路であり、MOSトランジスタ素子で形成されている。
スイッチA、スイッチB114およびスイッチC112のオン,オフはいずれもロジック回路122によって制御される。
【0037】
レギュレータ回路A119は、供給される電源電圧として0.4Vの安定した電源電圧を供給するための回路である。
発信分周回路120は、システムIC系102を駆動するための源信となる水晶を発振させる回路と発生したクロックパルスを分周する回路であり、0.4Vで駆動される。
レベルシフタ回路A121は、0.4V系信号を0.7V系信号にする回路である。
【0038】
レギュレータ回路B118は、供給される電源電圧として0.7Vの安定した電源電圧を供給するための回路である。
ロジック回路122は、運針を精度良く確実に行い、スイッチA113、スイッチB114およびスイッチC112を制御するための回路である。ロジック回路122は、0.7Vで駆動される。
レベルシフタB123は、0.7V信系号を低電位電源の電位で決まる電圧系にするレベルシフタである。
【0039】
ドライバ124は、モータを駆動するため、出力インピーダンスの低いMOSトランジスタ素子で形成される。
【0040】
〔電子時計の駆動を規定するための項目別電圧範囲の説明:図2〕
図2は本発明による電子時計の駆動を規定するための項目別電圧範囲のプロファイルを示す。図中、横軸は部分を示し縦軸は各部分の電圧範囲を示す。
SC電圧範囲211はソーラセルの電圧変化の可能性を示し、4段ソーラセル107の電圧範囲である4段セル電圧範囲201と2段ソーラセル104の電圧範囲である2段セル電圧範囲202に分けて示してある。
【0041】
4段ソーラセル電圧範囲201は、まったく光が照射されない場合のゼロVから4段のソーラセル素子から構成されることよりツェナーダイオード110で規制される2.6Vまで変化する可能性がある。
2段ソーラセル電圧範囲202はまったく光の当たらない場合のゼロVから2段のソーラセル素子から構成されることより1.6V付近まで変化する可能性がある。
【0042】
電源選択212は4段ソーラセル107および2段ソーラセル104を電源として駆動するSC電源電圧範囲204とMT電池108と共に電源とするMT電圧範囲203を示す。
【0043】
SC電源電圧範囲204は、定常時すなわちクイックスタート時でない場合の1.50Vを基準として、スイッチC112をオン、オフすることによって
1.50Vから1.30Vまで変動する。
ただし、2段ソーラセル104が1.60Vまで上昇する可能性があるので最高値は1.60Vとなる。
【0044】
MT電源電圧範囲203は、1.30Vを基準としてスイッチC112をオフし、スイッチA113とスイッチB114をオンすることによって1.50VからゼロVまで変動する。
ただし、クイックスタート時はSC電源電圧範囲204がゼロVから1.60Vまで変動する。
【0045】
運針形態213は定常状態の運針の形態を示す。モータ駆動能力のないゼロVから1.00Vは運針を停止電圧範囲207となり、MT電池108の残量がなく光量もない状態であると認められる1.00V〜1.10Vでは2秒運針電圧範囲206となり、1.10Vから1.60Vまでは通常運針電圧範囲205となる。
【0046】
ここで、クイックスタート時はSC電源電圧範囲204がゼロVから1.60Vまで2秒運針する。
【0047】
充電214は4段ソーラセル107によるMT電池104への充電の電圧範囲を示し、ダイオード115のVthで決まる0.3V程度からツェナーダイオード110で決まる2.6Vまでの充電電圧範囲208となる。
【0048】
駆動電圧範囲215は、各機能の駆動電圧範囲を示し、発振電圧範囲209は0.4V程度、ロジック電圧範囲210は0.7V程度、モータ電圧範囲は運針を開始する1.00Vから1.60Vの範囲で、それぞれ駆動する。
【0049】
〔プロファイルのフローチャート説明:図3〕
図3はプロファイルに従ったフローチャートを示す。フローチャートはクイックスタートルーチン317と、運針停止ルーチン318と、電源切り替えルーチン319と、運針形態ルーチン320との4つのルーチンから構成され、さらにクイックスタート状態321とクイックスタートルーチン317以外のルーチンである定常状態ルーチン322とに分けることができる。
【0050】
クイックスタート状態321は、運針が停止した状態において光が照射されることによって比較的早いうちに運針を開始しながら、MT電池108を所定の電位になるまで充電するまでの状態を意味する。
【0051】
定常状態322は、クイックスタート状態321によってMT電池108を所定の電位になるまで充電してから、MT電池108の容量がなくなって運針停止になるまでの通常の安定した運針期間を示す。
【0052】
以下に図3のフローチャートについて説明する。図3中、クイックスタートルーチン317は、操作302による運針停止状態から操作306によって、MT電圧測定回路116によって測定されたMT電池108の電圧(MT電圧)が、1.20V以上になるまでのルーチンを意味する。
【0053】
操作301の運針停止状態から操作302によってスイッチC112をオン、スイッチA113とスイッチB114をオフにする。
【0054】
つぎに操作303、操作304によってCS電圧測定回路117によってCSコンデンサ109の電圧(CS電圧)を測定する。その結果、電圧が1.00V未満なら運針を停止し、1.60V未満なら操作300によって2秒運針を行いながら操作302の状態を保持し、1.60V以上であれば操作305によりスイッチB114をオン、スイッチA113とスイッチC112をオフにする。
【0055】
すなわち、4段ソーラセル107が取得したエネルギーは、操作302によってCSコンデンサ109に充電され、操作305によってMT電池108の充電される。
【0056】
操作304によってMT電圧はMT電圧測定回路116によって測定される。
その測定の結果、電圧が1.20V未満であれば操作307により2秒運針し、1.20V以上であれば定常状態322の最初の操作である操作308で示される運針停止ルーチン318に進む。
【0057】
その操作308は、CS電圧測定回路117によって測定した結果のCS電圧が1.00V未満ならば指針の運針を停止し、1.00V以上なら操作309から操作313からなる電源切り替えルーチン321に進む。
【0058】
操作309、操作310、操作311は、4段ソーラセル107を電源とする場合の操作である。操作309によりCS電圧が1.50V以下なら操作310によりスイッチC112をオンさせてスイッチB114をオフして4段ソーラセル107によってCSコンデンサ109に充電し、操作316により通常運針する。
【0059】
操作309によりCS電圧が1.50Vより高い場合は、操作310によりスイッチC112をオフさせてスイッチB114をオンして4段ソーラセル107によってMT電池108を充電する。
【0060】
操作312、操作313は、MT電池108を電源とする場合の操作である。
操作312によりCS電圧が1.30V以下であるならば操作310により、スイッチC112をオフさせてスイッチB114およびスイッチAをオンしてMT電池108によってCSコンデンサ109に充電する。
【0061】
つぎに操作314、操作315および操作316による運針形態ルーチンに進む。操作314によりCS電圧が1.10V以下なら操作315により2秒運針し、1.10V以上なら操作316により通常運針する。
【0062】
以上の操作を操作308より繰り返すことにより、定常状態322における運針と電源は操作される。
【0063】
〔各部の電圧変動説明:図4〕
図4は実際の動作状態を説明するためにMT電圧が1.20Vまで上昇するまでのクイックスタート状態401からMT電圧411が1.20V以上になった後の定常状態402に移行するまでの各部の電圧変動を示す。
【0064】
図4中、縦軸は電圧を示し横軸は任意の時間を示す。高光量領域416は比較的多量の光が照射された状態を示し、低光量領域418は比較的少量の光が照射された状態を示し、中光量領域417は高光量領域416と抵抗量領域418の中間的な量の光が照射された状態を示す。
【0065】
一点鎖線にて示される4段ソーラセル107の電圧である4段セル電圧408は、高光量領域416ではツェナーダイオード110で規定される2.6V迄上り、中光量領域417では1.7Vから1.6V付近で上下しており、低光量領域ではゼロVまで急激に下がる。
【0066】
2点差線にて示される2段ソーラセル104の電圧である2段セル電圧409は、高光量領域では1.6V程度まで上がり、中光量領域417では0.7Vから0.8V付近で上下しており、低光量領域ではゼロVまで急激に下がる。
【0067】
波線にて示されるMT電池108の電圧であるMT電圧411は、高光量領域416および中光量領域417では、4段ソーラセル107に余裕に応じて時分割で充電され1.3V程度までになり、低光量領域ではモータ系103とシステムIC系102の電源として放電するために少しずつ下がる。
【0068】
実線にて示される電圧は、モータ系103とシステムIC系102の電源電圧420を示す。
高光量領域416では2段ソーラセル104および4段ソーラセル107によって電源電圧420は1.60Vまで上昇し、上昇しきったフル充電領域404では2段ソーラセル104のみを電源として、4段ソーラセル107でMT電池108を充電する。
【0069】
中光量領域417では電源電圧420は、1.50V以下になったところで4段ソーラセル107によるMT電池108への充電をやめて、電源として使うようスイッチングされ、1.50V以上になったところで4段ソーラセル107はMT電池108への充電専用として使うようスイッチングされる。
【0070】
すなわち、上記の動作を繰り返すことによって電源電圧420は1.50V付近で安定する。
なお、4段ソーラセル107が充電を行っている間は電源としてCSコンデンサ109に蓄積された電荷を電源としている。
【0071】
低光量領域418では電源電圧420はCS電圧が1.30V以下になったところでMT電池108を電源として使うようスイッチングされ、1.30Vより上になったところでMT電池108を電源とすることをやめるようスイッチングされる。
【0072】
上記の動作を繰り返すことによって電源電圧420は、1.30V付近で安定する。
なお、4段ソーラセル107が充電を行っている間は電源としてCS109に蓄積された電荷を電源としている。また、4段ソーラセル107が1.50Vを越えると電源電圧は中光量領域あるいは高光量領域の動作に戻る。
【0073】
以上のように安定した時計システム動作と充電電池への合理的な充電が行えることとなる。
【0074】
この実施形態では2段ソーラセル104を簡略のため4段ソーラセルの1部としたが、もちろん別系列として専用の2段ソーラセルを備えても同様である。
今回はシステムIC系102の起動電源として2段のソーラセルを用いる実施形態で説明したが、条件によっては1段や3段等段数を変更することは可能である。
【0075】
また、この実施形態においてはソーラセルとMT型充電池を備えた電子時計の場合について説明したが、熱発電や動的発電等の電位変動型電源と充電型電池を用いた電子時計についても同様である。
さらに、本発明においては指針で時刻表示するアナログ型電子時計について説明したが、もちろんデジタル式電子時計等の時刻表示手段を採用した電子時計についても同じように、以上説明した実施形態は適用可能である。
【0076】
電源を切り替える基準については、本発明では電圧変化をモニタして行った実施形態で説明したが、光量測定等の外部環境をモニタする方法やモータ系やシステムIC系の消費電流をモニタする方法などによっても行なうことができる。
【0077】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の電子時計によれば、外部環境をエネルギー源とする電位変動型の電源と充電型電池を備えた電子時計において、充電と時刻表示を効率良く切り分けた長寿命の電子時計を作製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における電子時計の構造を示すシステムブロック図である。
【図2】本発明の実施形態における電子時計のシステムプロファイル図である。
【図3】本発明の実施形態における電子時計のシステムフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態における電子時計の各部電圧の相関模式図である。
【図5】本発明の実施形態における電子時計の状態別システムブロック図である。
【図6】従来技術における電子時計のシステムブロック図である。
【図7】従来技術における電子時計の各部電圧の相関模式図である。
【符号の説明】
102:システムIC 104:2段ソーラセル
107:4段ソーラセル 108:MT電池
109:CSコンデンサ 113:スイッチA
114:スイッチC 115:スイッチB
208:モータ電圧範囲 317:クイックスタート状態
318:定常状態 408:4段セル電圧
409:2段セル電圧 411:MT電圧
420:電源電圧
Claims (3)
- 時刻表示を行うための機能を備えた時刻表示装置と、該時刻表示装置と並列に接続する充電型電池及び容量素子と、外部環境の変化に応じて摂取電力が変化する電源である電力変動型電源と、前記時刻表示装置と前記充電型電池と前記容量素子と前記電力変動型電源との接続経路の形態を制御する電源経路制御装置とを備えた電子時計において、
前記電力変動型電源は、少なくとも1つの発電素子を備える複数の発電セルを接続することで該発電素子が多段接続となる構成であり、
前記容量素子は、前記発電セルの1つと並列に接続されることにより、前記電源経路制御装置の制御と関係なく、前記時刻表示装置および前記電源経路制御装置を初期駆動する電圧を蓄え、
前記電源経路制御装置は、前記摂取電力の値及び、前記充電型電池又は前記容量素子に蓄えている電圧に応じて、前記電力変動型電源が前記充電型電池のみを充電する状態と、前記容量素子のみを充電する状態と、を繰り返すように前記接続経路を制御することを特徴とする電子時計。 - 前記電力変動型電源は、熱エネルギー,光エネルギー,動的エネルギーのいずれかを電気エネルギーに変換する発電装置であることを特徴とする請求項1に記載の電子時計。
- 前記発電セルより前記電力変動型電源の方が、出力する電圧が高いことを特徴とする請求項1または2に記載の電子時計。
Priority Applications (1)
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