JP5952664B2 - 繊維用残香性保持増強剤 - Google Patents

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Description

本発明は、繊維用残香性保持増強剤、残香性が向上した繊維及びその製造方法に関する。
従来、繊維に香料を付与する方法については種々検討されている。例えば、特許文献1には、香科を吸着した無機系多孔質粉体及びシリコーン系化合物を含有する処理液を繊維構造物に付与した後、乾燥・熱処理する耐久性香気処理方法が開示されている。特許文献2には、無機アルコキシド、エポキシ基を有するシランカップリング剤及び香料からゾル−ゲル法により調製したゾル中に中空糸繊維素材を減圧下に保持する事により香料をカプセル化及び/又は包接化した多孔性ポリマーが中空糸繊維素材の中空部分に充填された徐放性繊維素材が開示されている。また、特許文献3には香料をマイクロカプセル化してバインダーと混ぜ、それを繊維に接着させる方法が開示されている。更には、香料を繊維ポリマー中にいれて混合紡糸する方法、香料を接着剤や樹脂バインダーと共に付与する方法等が開示されている。
一方、香料は、あらゆるハウスホールド製品、パーソナルケア商品に賦香されており、香りによって、使用した満足感や効果感を助長し、快適な生活を送る上で重要な部分を担っている。特に近年、衣料用洗剤や柔軟仕上げ剤においては、豊かな香りを長時間持続する製品を望むユーザーが増えている。特許文献4、5には、洗剤、柔軟剤組成物に配合される香料組成物について、沸点が250℃以上、logPが3以上といった香料を選択する事により残香性を向上する事ができたと記載されている。
また近年、香りに対する関心の高まりによって、購入時にすでに繊維に香りが付いている商品が多く発売されており、例として、香り付きパンティーストッキングやタオルなどが市販されているが、香りの持続性は不十分である。
特開平1−246478号広報 特開平6−158552号公報 特開平5−51870号公報 特表平10−507789号公報 特表平10−507793号公報
特許文献1の方法では、繊維に付着した香料の徐放性、持続性及び洗濯耐久性等の特性が充分ではなく、また、流通過程で移香してしまうといった欠点がある。特許文献2、3の方法では、洗濯耐久性向上の為に高温にて加熱固着を行うと、高温による香料の変質や香料の気化によるマイクロカプセルの破壊が起こるといった欠点がある。更には、香料を内包したマイクロカプセルは、そのままの状態では香りを放つ事ができず、物理的な力によりカプセルが破壊された時にのみ香りを放つ。従って、一度カプセルが破壊されると、一度に香料が放出される為、徐放性に欠ける。また、上記の何れの方法に於いても、香料と徐放担体を共に処理する方法である為、家庭で行う洗濯の様な一般的な方法ではないなどの問題がある。
一方、特許文献4,5の方法では、沸点が250℃以上、logP値が3以上の特定香料を配合した洗剤や柔軟剤組成物を洗濯時に用いても、乾燥した衣類への残香は充分とはいえない。また、従来、洗剤や柔軟仕上げ剤に含まれる香料の大部分は排水として流れてしまい、大変非効率であり、経済性にも欠けるという問題があった。
本発明の解決しようとする課題は、洗濯時に衣料に洗剤や柔軟剤等の香料を取り込み、更に取り込んだ香料の徐放性、持続性、及び洗濯耐久性に優れる繊維用の残香性保持増強剤、並びに残香性が向上した繊維を提供する事である。なお、ここで洗濯耐久性とは、繊維を繰り返し洗濯した場合においても、香料の匂いの強度の低下が著しくないことを意味する。
本発明は前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、熱膨張・発泡するマイクロカプセルを有する処理剤で繊維製品を処理することにより問題を解決することを見出した。
本発明の残香性保持増強剤により処理された繊維製品は、洗濯において水と共に洗い流されてしまう洗剤、柔軟剤等の香料を取り込み、その匂いを徐々に放出し、匂いを長く感じさせることができる。
本発明において、熱膨張マイクロカプセルとは熱をかける事により皮膜樹脂が軟化し、内容物が気化することで発泡、体積を膨張させるマイクロカプセルである。
本発明に使用する熱膨張マイクロカプセルの粒子径は平均で1〜100μmであり、熱膨張・発泡後の平均粒子径が5〜500μmのものである。
本発明に使用する熱膨張マイクロカプセルの発泡温度は100〜180℃であり、対象とする繊維にあわせた発泡温度のマイクロカプセルを選択し使用する。
本発明に基づく残香性保持増強剤の形態は粉末又は水又は有機溶剤へ分散させたものであり、好ましくは水に分散させたものである。
本発明に基づく残香性保持増強剤の繊維への処理方法は、残香性保持増強剤を水又は適切な有機溶剤に希釈分散させ、これを直接繊維へスプレーまたは塗工あるいは浸漬処理等にて行うが、繊維へ均一に処理するためには浸漬法が望ましい。
本発明に基づく残香性保持増強剤の洗濯耐久性を発揮させるためにはバインダーを併用することが必要であり、一般の繊維加工用バインダーを使用できるが、風合い等を考慮し選択する必要がある。
本発明に基づく残香性保持増強剤の効果を発揮させるためには、本発明に使用する熱膨張マイクロカプセルを繊維重量に対し0.1%以上均一に処理する必要があり、望ましくは0.2%以上必要である。
本発明を適用する繊維製品および繊維構造物は、洗濯を行う物全てを指す。
以下、実施例により詳細説明する。特に示さない限り、%は重量%である。また、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(T/C布への処理例)
発泡温度が150℃付近で平均粒子径が8μmの熱膨張マイクロカプセル(松本油脂製薬(株)製、商品名:マツモトマイクロスフェアーFN−100SS)を5部、ポリカルボン酸系分散剤を0.5部、増粘剤を0.1部、アクリルシリコン系柔軟剤を20部、水、及びその他74.6部を均一に混合し、残香性保持増強剤1を製造した。
T/Cニット布((株)色染社製、混率50/50、目付180g/m)に残香性保持増強剤1が着量15g/m、アクリルバインダーが着量7g/mとなるようにパディング加工を行い、80℃で10分乾燥し、更に150℃で2分キュアリングを行い試験試料とした。その時の繊維表面上の電子顕微鏡写真を図1に示す。
また、洗濯耐久性能評価として、連続洗濯(JIS L 0217:103法に基づく)10回を行った物を洗濯後試料とした。
(綿ニット布への処理例)
発泡温度が130℃付近で平均粒子径が12μmの熱膨張マイクロカプセル(松本油脂製薬(株)製、商品名:マツモトマイクロスフェアーF−30)を5部、ポリカルボン酸系分散剤を0.5部、増粘剤を0.1部、アクリルシリコン系柔軟剤を20部、水、及びその他74.6部を均一に混合し、残香性保持増強剤2を製造した。
綿ニット布((株)色染社製、目付190g/m)に残香性保持増強剤2が着量15g/m、アクリルバインダーが着量7g/mとなるようにパディング加工を行い、80℃で10分乾燥し、更に130℃で2分キュアリングを行い試験試料とした。
また、洗濯耐久性能評価として、連続洗濯(JIS L 0217:103法に基づく)10回を行った物を洗濯後試料とした。
(PETトロピカル布への処理例)
発泡温度が170℃付近で平均粒子径が15μmの熱膨張マイクロカプセル(松本油脂製薬(株)製、商品名:マツモトマイクロスフェアーFN−100S)を5部、ポリカルボン酸系分散剤を0.5部、増粘剤を0.1部、アクリルシリコン系柔軟剤を20部、水、及びその他74.6部を均一に混合し、残香性保持増強剤3を製造した。
PETトロピカル布((株)色染社製、目付200g/m)に残香性保持増強剤3が着量15g/m、アクリルバインダーが着量7g/mとなるようにパディング加工を行い、80℃で10分乾燥し、更に170℃で2分キュアリングを行い試験試料とした。
また、洗濯耐久性能評価として、連続洗濯(JIS L 0217:103法に基づく)10回を行った物を洗濯後試料とした。
[比較例1]
(キュアリング温度不足の処理例)
実施例1と同様にして、T/Cニット布に残香性保持増強剤1が着量15g/mとなるようにパディング加工を行い、80℃で10分乾燥し、更に130℃で2分キュアリングを行い試験試料とした。
[比較例2]
(着量0.1%以下の処理例)
実施例1と同様にして、T/Cニット布に残香性保持増強剤1が着量3g/mとなるようにパディング加工を行い、80℃で10分乾燥し、更に150℃で2分キュアリングを行い試験試料とした。
[残香性能の評価]
以下の方法で市販の衣料用洗剤で処理した後の残香性及びその洗濯耐久性を評価した。実施例1〜3、比較例1〜2の結果を表1に示す。また、実施例1の結果をグラフ化したものを図2に示す。
約20×15cmの大きさに裁断した残香性が向上した繊維と未処理布を市販の衣料用洗剤(香りつづくトップ、ライオン(株))を用いて全自動洗濯機(三菱全自動洗濯機NAW−50S)で洗濯した(洗剤10g、水道水18L、洗濯5分−注水濯ぎ2回−脱水3分)。その後、屋内にて吊り干しで自然乾燥(一晩放置)を行い、評価処理布を得た。自然乾燥後(吊り干し一晩放置後)から1週間後までの評価処理布の香りの強さを6人のパネラーで経時的に評価した。以下に示す評価基準で評価を行い、6人の評価点を平均した。
2:良く匂う
1:匂う
0:匂わない
電子顕微鏡(トプコン(株)社製走査型電子顕微鏡SM−300)による発泡後の残香性保持増強剤の繊維付着例を示す図である。 実施例1で得た試験試料の残香性及びその洗濯耐久性の評価結果を示す図である。
以上のごとく、残香性保持増強剤を使用することにより、洗濯時における洗剤、柔軟剤等の匂いを強く残す事の出来る繊維製品を提供することができる。

Claims (4)

  1. 洗濯時に使用する洗剤・柔軟剤等の香りを強く残す残香性保持力増強用繊維処理剤であって、熱可塑性樹脂を皮膜に持ち、加熱処理により膨張・発泡する熱膨張性マイクロカプセル、バインダー、増粘剤及び分散剤を含有することを特徴とする残香性保持力増強用繊維処理剤。
  2. 熱膨張性マイクロカプセルの平均粒子径が1〜100μmであり、熱膨張・発泡後の平均粒子径が5〜500μmであることを特徴とする請求項1に記載の残香性保持力増強用繊維処理剤。
  3. 熱膨張性マイクロカプセルの熱膨張・発泡温度が100℃から180℃であることを特徴とする請求項1又は2に記載の残香性保持力増強用繊維処理剤。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の残香性保持力増強用繊維処理剤を用いる繊維の処理方法であって、前記処理剤により繊維をスプレー、塗工又は浸漬処理し、前記熱膨張性マイクロカプセルを繊維重量に対し0.1重量%以上含有させた後、100℃から180℃に加熱処理し該熱膨張性マイクロカプセルを膨張・発泡させることを特徴とする残香性保持力を増強する繊維の処理方法。
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