JP2007176998A - 液晶被覆香料担持粒子、その水分散液、及びそれらの製造方法、並びに、繊維用仕上げ剤及び毛髪化粧料 - Google Patents

液晶被覆香料担持粒子、その水分散液、及びそれらの製造方法、並びに、繊維用仕上げ剤及び毛髪化粧料 Download PDF

Info

Publication number
JP2007176998A
JP2007176998A JP2005374381A JP2005374381A JP2007176998A JP 2007176998 A JP2007176998 A JP 2007176998A JP 2005374381 A JP2005374381 A JP 2005374381A JP 2005374381 A JP2005374381 A JP 2005374381A JP 2007176998 A JP2007176998 A JP 2007176998A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
fragrance
perfume
particles
coated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005374381A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroki Kuriyama
裕樹 栗山
Hiroaki Umezawa
宏明 梅澤
Sunao Kawaguchi
直 川口
Noriko Takahashi
典子 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Lion Corp
Original Assignee
Lion Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Lion Corp filed Critical Lion Corp
Priority to JP2005374381A priority Critical patent/JP2007176998A/ja
Publication of JP2007176998A publication Critical patent/JP2007176998A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Cosmetics (AREA)
  • Fats And Perfumes (AREA)

Abstract

【課題】繊維製品の風合い、柔軟性、帯電防止性、また、毛髪のなめらかさ、櫛通りの良さに何ら影響を与えることなく、洗濯後の繊維製品や洗髪後の毛髪の香気持続性を向上させることのできる、液晶被覆香料担持粒子、液晶被覆香料担持粒子の水分散液、及びそれらの製造方法、並びに、繊維用仕上げ剤及び毛髪化粧料を提供すること。
【解決手段】香料を担持する粒子と、前記香料を担持する粒子を被覆するシリコーン被覆層と、前記シリコーン被覆層を更に被覆する、カチオン性界面活性剤を含む液晶被覆層とを有することを特徴とする液晶被覆香料担持粒子、液晶被覆香料担持粒子の水分散液、及びそれらの製造方法、並びに、繊維用仕上げ剤及び毛髪化粧料
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶被覆香料担持粒子、液晶被覆香料担持粒子の水分散液、及びそれらの製造方法、並びに、繊維用仕上げ剤及び毛髪化粧料に関する。より詳細には、本発明は、香気持続性に優れた、液晶被覆香料担持粒子、液晶被覆香料担持粒子の水分散液、及びそれらの製造方法、並びに、前記液晶被覆担持粒子及び前記液晶被覆香料担持粒子の水分散液の少なくともいずれかを含んでなり、洗濯後の繊維、洗髪後の毛髪などに香気を持続して付与させておくことのできる、繊維用仕上げ剤及び毛髪化粧料に関する。
従来から、洗濯のすすぎ工程においては、柔軟性や帯電防止性などを付与する目的から、繊維用仕上げ剤が使用されている。この繊維用仕上げ剤においては、繊維用仕上げ剤そのものの香りも重要な要素である。繊維用仕上げ剤を用いた後の繊維製品に香気を付与する目的から、多くの繊維用仕上げ剤には香料が配合されている。しかし、繊維製品に付与した香気はあまり持続しないという欠点があった。このため、香料の安定性を向上させ、繊維用仕上げ剤を用いた後の、繊維製品に付与された香気の持続性を向上させるために、様々な工夫がなされている。
一方、従来から、洗髪のすすぎ工程においては、例えば、ヘアリンス、ヘアトリートメント、ヘアコンディショナー、ヘアパックなどの毛髪化粧料が使用されている。これらの毛髪化粧料を使用することにより、パーマ処理後や洗髪後、又はスタイリングの際に起こる、毛髪のパサつき、なめらかさの劣化、櫛通りの劣化などの毛髪の不具合を改善することができる。
また、これらの毛髪化粧料においては、毛髪化粧料そのものの香りも重要な要素である。洗髪後の毛髪に香気を付与するために、多くの毛髪化粧料には香料が配合されている。しかし、毛髪に付与した香気はあまり持続しないという欠点があった。このため、香料の安定性を向上させ、毛髪化粧料を用いた後の、毛髪に付与された香気の持続性を向上させるために、様々な工夫がなされている。
繊維製品や毛髪に付与された香気の持続性を向上させるための技術としては、例えば以下のようなものが挙げられる。
例えば、香料をマイクロカプセル又はベシクルに担持させ、また、これを、シリコン系バインダーを用いて繊維に付着させることにより、香気の耐久性、持続性を向上させた繊維製品が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、エステル結合とアミド結合を持つ柔軟基剤として特定のカチオン性界面活性剤と、特定の脂肪酸と、特定のアルコールまたはエステルと、特定の香料を含む柔軟剤組成物が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、香料などの有効成分を含むシリカカプセルを局所適用させる治療用組成物または化粧品組成物が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
しかし、例えば、前記特許文献1及び特許文献3に開示される技術では、すすぎ及び乾燥後の繊維製品や毛髪に香気を残すことは可能であるが、その後、経時的に香料が揮発してしまうために、繊維製品や毛髪における香気持続性が不充分であるという欠点があった。また、前記特許文献2に開示される技術では、すすぎ及び乾燥後の繊維製品の香気持続性は向上されるが、更なる香気持続性の向上が望まれていた。
従って、繊維製品の風合い、柔軟性、帯電防止性、また、毛髪のなめらかさ、櫛通りの良さに何ら影響を与えることなく、洗濯後の繊維製品や洗髪後の毛髪の香気持続性を更に向上させることのできる、繊維用仕上げ剤や毛髪化粧料の開発が望まれているのが現状である。
特開2004−68173号公報 特開平11−81134号公報 特表2003−534249号公報
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、繊維製品の風合い、柔軟性、帯電防止性、又は、毛髪のなめらかさ、櫛通りの良さに何ら影響を与えることなく、洗濯後の繊維製品や洗髪後の毛髪の香気持続性を向上させることのできる、液晶被覆香料担持粒子、液晶被覆香料担持粒子の水分散液、及びそれらの製造方法、並びに、繊維用仕上げ剤及び毛髪化粧料を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の液晶被覆香料担持粒子、及び液晶被覆香料担持粒子の水分散液を提供することにより前記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
従って、前記課題を解決する手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 香料を担持する粒子と、
前記香料を担持する粒子を被覆するシリコーン被覆層と、
前記シリコーン被覆層を更に被覆する、カチオン性界面活性剤を含む液晶被覆層と
を有することを特徴とする液晶被覆香料担持粒子である。
<2> 粒子が無機物粒子である<1>に記載の液晶被覆香料担持粒子である。
<3> <1>から<2>のいずれかに記載の液晶被覆香料担持粒子が水に分散されていることを特徴とする液晶被覆香料担持粒子の水分散液である。
<4> (i)粒子に香料を担持させる工程と、
(ii)工程(i)で得られた香料担持粒子をシリコーンに分散させる工程と、
(iii)工程(ii)で得られた香料担持粒子のシリコーン分散液と、カチオン性界面活性剤と、液晶形成水とを混合してシリコーン被覆香料担持粒子を液晶に分散させる工程と、
(iv)工程(iii)で得られたシリコーン被覆香料担持粒子の液晶分散液を水に分散させる工程と
を含むことを特徴とする<3>に記載の液晶被覆香料担持粒子の水分散液の製造方法である。
<5> <1>から<2>のいずれかに記載の液晶被覆香料担持粒子及び<3>に記載の液晶被覆香料担持粒子の水分散液の少なくともいずれかを含有することを特徴とする繊維用仕上げ剤である。
<6> 洗濯のすすぎ工程で用いられる<5>に記載の繊維用仕上げ剤である。
<7> <1>から<2>のいずれかに記載の液晶被覆香料担持粒子及び<3>に記載の液晶被覆香料担持粒子の水分散液の少なくともいずれかを含有することを特徴とする毛髪化粧料である。
<8> 洗髪のすすぎ工程で用いられる<7>に記載の毛髪化粧料である。
本発明によれば、前記従来における諸問題を解決することができ、繊維製品の風合い、柔軟性、帯電防止性、又は、毛髪のなめらかさ、櫛通りの良さに何ら影響を与えることなく、洗濯後の繊維製品や洗髪後の毛髪の香気持続性を向上させることのできる、液晶被覆香料担持粒子、液晶被覆香料担持粒子の水分散液、及びそれらの製造方法、並びに、繊維用仕上げ剤及び毛髪化粧料を提供することができる。
以下に、本発明の実施形態について説明する。
(液晶被覆香料担持粒子)
本発明の液晶被覆香料担持粒子は、香料を担持する粒子(以下、「香料担持粒子」と称することがある)と、前記香料担持粒子を被覆するシリコーン被覆層と、前記シリコーン被覆層を更に被覆する液晶被覆層とを少なくとも有し、更に必要に応じてその他の層を有する。
<香料を担持する粒子(香料担持粒子)>
前記香料を担持する粒子(香料担持粒子)としては、香料が粒子に担持されている状態のものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、香料が粒子表面に付着した状態のもの、香料が粒子内に包含された状態のもの、粒子が香料に含浸した状態のもの、などが挙げられる。
−香料−
前記香料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、繊維用仕上げ剤や毛髪化粧料に一般的に使用される香料成分を1種類以上含む香料などが挙げられる。前記香料成分の具体例としては、例えば、アルデヒド類、フェノール類、アルコール類、エーテル類、エステル類、ハイドロカーボン類、ケトン類、ラクトン類、ムスク類、天然香料、動物性香料などが挙げられる。
前記アルデヒド類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウンデシレンアルデヒド、ラウリルアルデヒド、アルデヒドC−12MNA、ミラックアルデヒド、α−アミルシンナミックアルデヒド、シクラメンアルデヒド、シトラール、シトロネラール、エチルバニリン、ヘリオトロピン、アニスアルデヒド、α−ヘキシルシンナミックアルデヒド、オクタナール、リグストラール、リリアール、リラール、トリプラール、バニリン、ヘリオナールなどが挙げられる。
前記フェノール類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オイゲノール、イソオイゲノールなどが挙げられる。
前記アルコール類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、バクダノール、シトロネロール、ジハイドロミルセノール、ジハイドロリナロール、ゲラニオール、リナロール、ネロール、サンダロール、サンタレックス、ターピネオール、テトラハイドロリナロール、フェニルエチルアルコールなどが挙げられる。
前記エーテル類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、セドランバー、グリサルバ、メチルオイゲノール、メチルイソオイゲノールなどが挙げられる。
前記エステル類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シス−3−ヘキセニルアセテート、シス−3−ヘキセニルプロピオネート、シス−3−ヘキセニルサリシレート、p−クレジルアセテート、p−t−ブチルシクロヘキシルアセテート、アミルアセテート、メチルジヒドロジャスモネート、アミルサリシレート、ベンジルサリシレート、ベンジルベンゾエート、ベンジルアセテート、セドリルアセテート、シトロネリルアセテート、デカハイドロ−β−ナフチルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、エリカプロピオネート、エチルアセトアセテート、エリカアセテート、ゲラニルアセテート、ゲラニルフォーメート、ヘディオン、リナリルアセテート、β−フェニルエチルアセテート、ヘキシルサリシレート、スチラリルアセテート、ターピニルアセテート、ベチベリルアセテート、o−t−ブチルシクロヘキシルアセテート、マンザネート、アリルヘプタノエートなどが挙げられる。
前記ハイドロカーボン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、d−リモネン、α−ピネン、β−ピネン、ミルセンなどが挙げられる。
前記ケトン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、α−イオノン、β−イオノン、メチル−β−ナフチルケトン、α−ダマスコン、β−ダマスコン、δ−ダマスコン、シス−ジャスモン、メチルイオノン、アリルイオノン、カシュメラン、ジハイドロジャスモン、イソイースーパー、ベルトフィックス、イソロンジフォラノン、コアボン、ローズフェノン、ラズベリーケトン、ダイナスコンなどが挙げられる。
前記ラクトン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、γ−デカラクトン、γ−ウンデカラクトン、γ−ノナラクトン、γ−ドデカラクトン、クマリン、アンブロキサンなどが挙げられる。
前記ムスク類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シクロペンタデカノライド、エチレンブラシレート、ガラキソライド、ムスクケトン、トナリッド、ニトロムスク類などが挙げられる。
前記天然香料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オレンジ油、レモン油、ライム油、プチグレン油、ユズ油、ネロリ油、ベルガモット油、ラベンダー油、ラバンジン油、アビエス油、アニス油、ベイ油、ボアドローズ油、イランイラン油、シトロネラ油、ゼラニウム油、ペパーミント油、ハッカ油、スペアミント油、ユーカリ油、レモングラス油、パチュリ油、ジャスミン油、ローズ油、シダー油、ベチバー油、ガルバナム油、オークモス油、パイン油、樟脳油、白檀油、芳樟油、テレピン油、クローブ油、クローブリーフ油、カシア油、ナツメッグ油、カナンガ油、タイム油などの精油が挙げられる。
前記動物性香料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、じゃ香、霊猫香、海狸香、竜誕香などが挙げられる。
前記香料は、前記香料成分のうち1種のみで構成されるものであってもよく、2種以上で構成されるものであってもよい。
前記液晶被覆香料担持粒子における、前記香料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、後述するように、前記香料と、前記香料が担持される粒子との含有比が、特定の範囲内となるような量であることが好ましい。
また、前記香料のうち、70質量%以上は、1.0〜7.0のClogP値を有する香料成分で構成されていることが好ましい。
ここで、ClogP値とは、化学物質について、1−オクタノール中及び水中の平衡濃度の比を表す1−オクタノール/水分配係数Pを、底10に対する対数logPの形態で表した値である。前記ClogP値は、f値法(疎水性フラグメント定数法)により、化合物の化学構造をその構成要素に分解し、各フラグメントの有する疎水性フラグメント定数・f値を積算して求めることができる(例えば、Clog 3 Reference Manual DaylightSoftware 4.34,Albert Leo,David Weininger, Version 1,March 1994 参照)。
一般に、香料はClogP値が大きいほど疎水的であることから、ClogP値が小さい香料成分を多く含んで構成された香料は、ClogP値が大きい香料成分を多く含んで構成された香料よりも親水的な香料であるといえる。
従って、前記ClogP値が、前記好ましい範囲内であると、親水性の香料成分と疎水性の香料成分とがバランス良く組み合わされているために、より香気バランスに優れた香料となる点で有利である。また、前記液晶被覆香料担持粒子の香気持続性をより向上させることができる点で有利である。
前記香料は、そのまま使用してもよいし、他の油溶性成分に溶解させて使用してもよい。前記他の油溶性成分としては、前記液晶被覆香料担持粒子に含まれる他の成分によって、反応、溶解、変性などしない成分であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−粒子−
前記粒子は、前記香料を担持することにより、前記香料に徐放性を付与し、香気持続性を向上させる目的で使用される。
前記粒子は、前記液晶被覆香料担持粒子に含まれる他の成分によって、反応、溶解、変性などしない成分であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機物粒子、無機物粒子などが挙げられる。これらの中でも、香料の安定性が保持され、かつ粒子自身が香料に溶出したりせず安定性が保持されるという点で、無機物粒子が好ましい。
前記有機物粒子としては、例えば、セルフィアSCP−100(旭化成ケミカルズ(株)製、トレフィルE−600(東レ・ダウコーニング(株)製)、マイクロスフェアーF−30(松本油脂製薬(株)製)などが挙げられる。
前記無機物粒子としては、例えば、シリカ、活性炭、硫酸カルシウム、フッ化カルシウム、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸マグネシウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、ゼオライトなどが挙げられる。これらの中でも、繊維用仕上げ剤や毛髪化粧料に配合した場合でも安定であり、かつ生体安定性も高いという点で、シリカ、活性炭、硫酸カルシウム、珪酸カルシウムが好ましい。
前記粒子としては、商業的に入手できるものを使用することもできる。例えば、前記シリカの市販品としては、サイロページ#720、サイロページ#760、サイリシア250、サイリシア350、サイリシア420、サイリシア435、サイリシア530、サイリシア710、サイロホービック200、サイロホービック507(以上、富士シリシア化学(株)製)、ゴッドボールD−25C、ゴッドボールE−16C、ゴッドボールE−2C、ゴッドボールB−6C、ゴッドボールAF−6C、ゴッドボールSF−16C(以上、鈴木油脂工業(株)製)などが挙げられる。
前記粒子の吸油量としては、100mL/100g以上が好ましい。前記吸油量が100mL/100g未満であると、前記香料を担持できる量が少なくなるために、香気持続性が不充分となることがある。ここで、前記吸油量は、JIS K5101により測定することができる。
また、前記粒子の形状は、前記香料を所望の量で担持することのできる形状であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、多孔質粒子形状、中空カプセル形状、微粒子が凝集してなる二次粒子形状などが挙げられる。
また、前記粒子の平均粒子径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.05〜10μmが好ましく、0.1〜5μmがより好ましい。前記粒子径が、0.05μm未満であると、香料の担持許容量が少なくなることがあり、10μmを超えると、前記液晶被覆香料担持粒子を水に分散させた場合、粒子が沈降しやすく、水分散液の均一性が損われる懸念がある。一方、前記粒子径が、前記より好ましい範囲内であると、香料により良く徐放性を付与することができ、また、前記液晶被覆香料担持粒子を水に分散させた場合にも、より水分散液の均一性が保持される点で有利である。
また、前記粒子としては、疎水性粒子及び親水性粒子のいずれも使用することができる。
一般的に、疎水性粒子は疎水性香料を、親水性粒子は親水性香料をより効率的に担持することができる。ここで、疎水性粒子は、例えば、前記親水性粒子を疎水処理することにより得ることができる。前記香料の種類に応じて、前記粒子を適宜選択することにより、前記香料をより効率的に担持することができ、前記液晶被覆香料担持粒子の香気持続性をより向上させることができる。
なお、ここで、前記粒子の疎水性、親水性は、例えば、簡易的には、前記粒子に水を滴下することにより、判断することができる。この場合、前記粒子は、水が吸収されやすいほど親水性が高く、水をはじきやすいほど疎水性であると判断できる。
前記粒子は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記粒子を2種以上併用する場合は、前記疎水性粒子と前記親水性粒子とをバランスよく配合することにより、より多くの種類の前記香料成分を担持させることができ、より香気バランスに優れた香りを付与することが可能となる。
−香料と粒子の含有比−
ここで、前記液晶被覆香料担持粒子における、前記香料と前記粒子との含有比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、質量比で、香料/粒子=1/4〜20/1が好ましく、1/3〜10/1がより好ましく、1/2〜5/1が特に好ましい。前記香料が、前記粒子に対して、質量比で、1/4未満であると、香気が弱すぎることがあり、20/1を超えると、香料の徐放効果が低下し、香気持続性が不充分となることがある。一方、前記香料が、前記粒子に対して、質量比で1/2〜5/1の範囲内であると、所望の香気を得ることができ、かつ、より香気持続性を向上させることができる点で、有利である。
<シリコーン被覆層>
前記シリコーン被覆層は、前記香料担持粒子の表面を被覆する、シリコーンからなる層である。
−シリコーン−
前記シリコーンは、前記シリコーン被覆層として前記香料担持粒子を更に被覆することにより、香料に更なる徐放性を付与する目的、及び、香料の安定性を更に向上させる目的で使用される。これにより、洗濯のすすぎ工程後の繊維製品や洗髪のすすぎ工程後の毛髪の香気持続性を、更に向上させることができる。前記シリコーンはまた、洗濯のすすぎ工程後の繊維製品の滑り性を良くし、風合いを良くする目的で、かつ、洗髪のすすぎ工程後の毛髪の滑り性を良くし、なめらかな使用感を付与する目的で使用される。
前記シリコーンとしては、特に制限はなく、変性シリコーン及び未変性シリコーンのいずれであってもよい。中でも、未変性ジメチルシリコーン、アミノ変性シリコーン、アミノ・ポリエーテル変性シリコーン、アミド変性シリコーン、アミド・ポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルキル・ポリエーテル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーンなどが好ましい。
これらの中でも、前記液晶被覆香料担持粒子を繊維用仕上げ剤に使用する場合は、繊維に対して好ましい使用感を付与できる点で、ポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性シリコーンがより好ましい。
また、前記液晶被覆香料担持粒子を毛髪化粧料に使用する場合は、毛髪に対して好ましい使用感を付与できる点で、未変性ジメチルシリコーンがより好ましい。
前記シリコーンとしては、商業的に入手できるものを使用することもできる。前記シリコーンの市販品としては、例えば、GE東芝シリコーン(株)製のポリエーテル変性シリコーン(品番TSF4445、TSF4446、TSF4460)、信越化学工業(株)製のポリエーテル変性シリコーン(品番KF353A、KF945A、KF6013、KF6015、KF6016、KF6017)、東レ・ダウコーニング(株)製のポリエーテル変性シリコーン(品番SH3775C,SH3775M,SH3772C、SH3748、SH3749)、GE東芝シリコーン(株)製のアミノ変性シリコーン(品番TSF4700、TSF4701、TSF4702、TSF4703)、東レ・ダウコーニング(株)製のアミノ変性シリコーン(SF8417、BY16−828、BY16−849、BY16−850)、東レ・ダウコーニング(株)製のアルキル・アラルキル・ポリエーテル変性シリコーン(品番SF8419)、信越化学工業(株)製のジメチルシリコーン(品番KF−96H)、東レ・ダウコーニング(株)製のジメチルシリコーン(品番SH200C)などが挙げられる。
−シリコーンと粒子との含有比−
ここで、前記液晶被覆香料担持粒子における、前記シリコーンの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記シリコーンと前記粒子との質量比として、シリコーン/粒子=1/5〜20/1が好ましく、1/3〜10/1がより好ましく、1/1〜5/1が特に好ましい。前記シリコーンが、前記粒子に対して、質量比で、1/5未満であると、前記香料担持粒子のシリコーンによる被覆が不充分となるために、香料の徐放効果が低下し、香気持続性が低下してしまうことがあり、20/1を超えると、前記液晶被覆香料担持粒子中の香料含有量が低下するために、香気が弱くなることがある。一方、前記質量比が、1/1〜5/1の範囲内であると、所望の香気を得ることができ、かつ、より香気持続性を向上させることができる点で有利である。
<液晶被覆層>
前記液晶被覆層は、前記シリコーン被覆層で被覆された香料担持粒子(以下、シリコーン被覆香料担持粒子と称することがある)を更に被覆する層である。前記液晶被覆層としては、カチオン界面活性剤を含む液晶状態の層であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、必要に応じて、更にカチオン界面活性剤以外のその他の成分を含むことが好ましい。
−カチオン性界面活性剤−
前記カチオン性界面活性剤は、液晶被覆層を形成して、前記シリコーン被覆層を更に被覆することにより、香料により更なる徐放性を付与する目的、及び、香料の安定性をより更に向上させる目的で使用される。また、前記カチオン性界面活性剤は、前記液晶被覆香料担持粒子を、繊維製品や毛髪に吸着、滞留させることができるので、洗濯のすすぎ工程後の繊維製品や洗髪のすすぎ工程後の毛髪の香気持続性を、より更に向上させることができる。前記カチオン性界面活性剤はまた、洗濯のすすぎ工程後の繊維製品や洗髪のすすぎ工程後の毛髪に、柔軟性や帯電防止性を付与する目的で使用される。
前記カチオン性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて選択することができるが、例えば、下記式(I)で表される化合物、アミノ酸系カチオン界面活性剤、イミダゾリン塩、イミダゾリニウム塩などが挙げられる。
・X 式(I)
(式(I)中、Rは炭素数10〜24のアルキル基又はアルケニル基であり、Rは炭素数1〜3のアルキル基あるいは炭素数10〜24のアルキル基又はアルケニル基であり、Rは炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基あるいは炭素数10〜24のアルキル基又はアルケニル基であり、R、R及びRはそれぞれ無置換であってもよく、−O−、−CONH−、−COO−などの官能基で分断されていてもよく、−OHなどの官能基で置換されていてもよい。Rは炭素数1〜3のアルキル基又はベンジル基あるいは水素であり、Xはハロゲン原子又はモノアルキル硫酸基である。)
前記式(I)で表される、第4級アンモニウム塩の化合物としては、例えば、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジベヘニルジメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、オクチルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ジ牛脂アルキルジメチルアンモニウムブロマイド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライド、オレイルトリメチルアンモニウムクロライド、牛脂トリメチルアンモニウムクロライド、ヤシ油トリメチルアンモニウムクロライド、オクチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、デシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアロイルオキシエチルジメチルアンモニウムクロライド、ジオレオイルオキシエチルジメチルアンモニウムクロライド、N−ステアロイルオキシエチル−N−,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェート、N,N−ジステアロイルオキシエチル−N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェート、N−オレオイルオキシエチル−N−,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェート、N−ステアロイルオキシエチル−N−,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルアンモニウムメチルサルフェート、N,N−ジステアロイルオキシエチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルアンモニウムメチルサルフェート、N,N,N−トリステアロイルオキシエチル−N−メチルアンモニウムメチルサルフェート、N−オレオイルオキシエチル−N−,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルアンモニウムメチルサルフェート、N,N−ジオレオイルオキシエチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルアンモニウムメチルサルフェート、N,N,N−トリオレオイルオキシエチル−N−メチルアンモニウムメチルサルフェートなどが挙げられる。
また、前記式(I)で表される、第3級アミン塩の化合物としては、例えば、ジステアリルメチルアミン塩酸塩、ジオレイルメチルアミン塩酸塩、ジステアリルメチルアミン硫酸塩、N−ステアロイルオキシエチル−N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)アミンメチル硫酸塩、N,N−ジステアロイルオキシエチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミンメチル硫酸塩、N,N,N−トリステアロイルオキシエチルアミンメチル硫酸塩、N−オレオイルオキシエチル−N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)アミンメチル硫酸塩、N,N−ジオレオイルオキシエチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミンメチル硫酸塩、N,N,N−トリオレオイルオキシエチルアミンメチル硫酸塩などが挙げられる。
前記アミノ酸系カチオン界面活性剤としては、例えば、ヤシ油脂肪酸L−アルギニンエチル−DL−ピロリドンカルボン酸、4−グアニジノブチルラウリルアミド酢酸などが挙げられる。
前記イミダゾリン塩としては、例えば、1−オクタデカノイルアミノエチル−2−ヘプタデシルイミダゾリン塩酸塩、1−オクタデセノイルアミノエチル−2−ヘプタデセニルイミダゾリン塩酸塩などが挙げられる。
前記イミダゾリニウム塩としては、例えば、メチル−1−牛脂アミドエチル−2−牛脂アルキルイミダゾリニウムメチルサルフェート、メチル−1−ヘキサデカノイルアミドエチル−2−ペンタデシルイミダゾリニウムクロライド、エチル−1−オクタデセノイルアミドエチル−2−ヘプタデセニルイミダゾリニウムエチルサルフェートなどが挙げられる。
−カチオン性界面活性剤とシリコーンとの含有比−
ここで、前記液晶被覆香料担持粒子における、前記カチオン性界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記カチオン性界面活性剤と前記シリコーンとの質量比として、カチオン性界面活性剤/シリコーン=1/10〜20/1が好ましく、1/5〜15/1がより好ましく、1/2〜10/1が特に好ましい。前記カチオン性界面活性剤の含有量が、前記シリコーンに対して、質量比で、1/10未満であると、液晶被覆層によるシリコーン被覆香料担持粒子の被覆が不充分となることがあり、20/1を超えると、シリコーン被覆香料担持粒子の割合が少なくなるために、香気が弱くなることがある。一方、前記質量比が、1/2〜10/1の範囲内にあると、所望の香気を得ることができ、かつ、液晶被覆層によるシリコーン被覆香料担持粒子の被覆がより充分に行われる点で、好ましい。
−その他の成分−
前記その他の成分(前記液晶被覆層に含まれる、前記カチオン性界面活性剤以外の成分)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ノニオン性界面活性剤、高級アルコールなどが挙げられる。
――ノニオン性界面活性剤――
前記液晶被覆香料担持粒子を、繊維用仕上げ剤に配合する場合は、前記液晶被覆層はノニオン性界面活性剤を含むことが好ましい。前記ノニオン性界面活性剤は、繊維用仕上げ剤中での前記液晶被覆香料担持粒子の分散性を向上させるのに効果的である。
前記ノニオン性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、一般的には、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドなどが挙げられる。
より具体的には、モノラウリン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリル、ジイソステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸POE(15)グリセリル、モノイソステアリン酸POE(20)ソルビタン、モノヤシ油脂肪酸POE(20)ソルビタン、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン、トリオレイン酸POE(20)ソルビタン、テトラオレイン酸POE(40)ソルビット、テトラオレイン酸POE(60)ソルビット、POE(40)ひまし油、POE(50)ひまし油、POE(40)硬化ひまし油、POE(60)硬化ひまし油、POE(100)硬化ひまし油、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(25EO)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(40EO)、POE(20)セチルエーテル、POE(30)セチルエーテル、POE(40)セチルエーテル、POE(20)オレイルエーテル、POE(20)イソデシルエーテル、POE(60)イソヘキサデシルエーテル、POE(40)イソトリデシルエーテル、POE(50)イソトリデシルエーテル、POE(20)ベヘニルエーテル、POE(25)オクチルドデシルエーテル、POE(20)POP(4)セチルエーテル、POE(7.5)ノニルフェニルエーテル、POE(15)ノニルフェニルエーテル、POE(15)ステアリルアミン、POE(15)ステアリン酸アミドなどが挙げられる。
前記ノニオン性界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ここで、前記液晶被覆香料担持粒子における、前記ノニオン性界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記ノニオン性界面活性剤と前記カチオン性界面活性剤との質量比として、0〜5/1が好ましく、1/30〜3/1がより好ましく、1/10〜1/1が特に好ましい。前記ノニオン性界面活性剤の含有量が、前記カチオン性界面活性剤に対して、質量比で5/1を超えると、例えば、前記繊維用仕上げ剤を調製した際の粘度が上昇し、物性が悪化してしまうことがある。一方、前記質量比が、1/10〜1/1の範囲内であると、物性を悪化させることなく、繊維用仕上げ剤中での前記液晶被覆香料担持粒子の分散性をより向上させることができる点で、有利である。
――高級アルコール――
前記液晶被覆香料担持粒子を、毛髪化粧料に配合する場合は、前記液晶被覆層は高級アルコールを含むことが好ましい。前記高級アルコールは、毛髪や皮膚をなめらかにするのに効果的である。
前記高級アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコールなどを挙げることができる。これらの中でも、毛髪や皮膚に塗布した際のなめらかさに優れる点で、炭素数が16以上である高級アルコールが好ましい。
前記高級アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ここで、前記液晶被覆香料担持粒子における、前記高級アルコールの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記高級アルコールと前記カチオン性界面活性剤との質量比として、0〜10/1が好ましく、1/7〜7/1がより好ましく、1/5〜5/1が特に好ましい。前記高級アルコールの含有量が、前記カチオン性界面活性剤に対して、質量比で10/1を超えると、例えば、前記毛髪化粧料を調製した際の粘度が上昇し、物性が悪化してしまうことがある。一方、前記質量比が、1/5〜5/1の範囲内であると、物性を悪化させることなく、毛髪や皮膚をなめらかにする効果をより向上させることができる点で、有利である。
(液晶被覆香料担持粒子の製造方法)
前記液晶被覆香料担持粒子は、例えば、図1に示されるような工程(i)〜(iv)を含む製造方法により、好ましく製造することができる。
<工程(i)>
前記工程(i)では、前記粒子(図1中、2)に前記香料(図1中、1)を担持させる。
前記粒子に前記香料を担持させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記粒子に前記香料を噴霧又は滴下することで、前記香料を前記粒子に含浸させる方法、前記香料に前記粒子を添加することで、前記香料を前記粒子に含浸させる方法などが挙げられる。
これらの中でも、前記粒子の吸油量が多く、前記香料が前記粒子に全て担持される場合は、前記粒子への前記香料の含浸を均一に行うため、例えば、造粒機や容器回転型混合機に前記粒子を投入して、前記粒子を攪拌、混合させておき、ここに前記香料を噴霧又は滴下することにより含浸させることが好ましい。前記造粒機や容器回転型混合機としては、例えば、レーディゲミキサー((株)マツボー製)、ブロシェアミキサー(大平洋機工(株)製)等の攪拌造粒機、グラニュレックス(フロイント産業(株)製)等の転動造粒機、パン型造粒機DPZ−01(アズワン(株)製)、ボーレコンテナーミキサー(寿工業(株)製)等の容器回転型混合機などが挙げられる。
ここで、前記香料の前記粒子への含浸は、前記香料を前記粒子に均一に担持させるため、噴霧器を用いて噴霧することにより行うことが好ましい。前記噴霧器としては、一般的に使用されるガラス製噴霧器やスプレーなどを用いることができる。
また、前記粒子の吸油量に対して前記香料が多い場合は、前記香料が全量は前記粒子に担持されず、一部染み出してスラリー状になることがあるが、この場合も同様に、前記造粒機や容器回転型混合機に前記粒子を投入して、攪拌、混合させておき、ここに前記香料を添加することにより含浸させることができる。あるいは、香料をプロペラ羽根やパドル羽根を備えた一般的な攪拌槽に入れて攪拌させておき、攪拌下に前記粒子を投入し、汎用の条件で前記香料に前記粒子を分散させることにより、前記粒子に前記香料を含浸させてもよい。
なお、前記工程(i)における、前記香料と前記粒子との使用量比としては、特に制限はなく、前記液晶被覆香料担持粒子中における前記香料と前記粒子との含有比が、前記したような好ましい範囲内となるように、適宜選択されることが好ましい。
前記工程(i)により、前記粒子に前記香料が担持された、香料担持粒子(図1中、3)を得ることができる。
<工程(ii)>
前記工程(ii)では、前記工程(i)で得られた香料担持粒子を、シリコーン(図1中、4)に分散させる。
前記香料担持粒子を、シリコーンに分散させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プロペラ羽根やパドル羽根を備えた一般的な攪拌槽を用いて、汎用の条件で行うことができる。
前記工程(ii)において、前記香料担持粒子の前記シリコーンへの分散を行う際の温度としては、後述する工程(iii)で使用されるカチオン性界面活性剤の相転移温度に対して、[相転移温度+0]〜[相転移温度+20]℃が好ましく、[相転移温度+5]〜[相転移温度+10]℃がより好ましい。前記温度が、[相転移温度+0]℃未満であると、次工程(iii)の段階において、更に加温が必要となるため、新たな加温設備を追加する必要があり、[相転移温度+20]℃を超えると、香料が揮発しやすく、また、香料成分の劣化が懸念される。一方、前記温度が、前記より好ましい範囲内であると、香料の揮発や香料成分の劣化がおこることなく、液晶被覆香料担持粒子の製造をより効率的に行うことができる点で、有利である。
なお、前記工程(ii)における前記シリコーンの使用量としては、特に制限はなく、前記液晶被覆香料担持粒子中における前記シリコーンと前記粒子との含有比が、前記したような好ましい範囲内となるように、適宜選択されることが好ましい。
前記工程(ii)により、前記香料担持粒子のシリコーン分散液(図1中、5)を得ることができる。
<工程(iii)>
前記工程(iii)では、前記工程(ii)で得られた香料担持粒子のシリコーン分散液と、カチオン性界面活性剤(図1中、6)と、液晶形成水(図1中、7)とを混合する。
ここで、前記液晶形成水とは、シリコーン被覆香料担持粒子を被覆させる液晶を形成させるために添加する水を指す。
前記工程(iii)を行う方法としては特に制限はなく、前記工程(ii)で得られた香料担持粒子のシリコーン分散液と、カチオン性界面活性剤と、液晶形成水とを混合する順序にも特に制限はない。例えば、カチオン性界面活性剤と前記香料担持粒子のシリコーン分散液との混合後、液晶形成水を混合する方法、カチオン性界面活性剤と前記シリコーン分散液と液晶形成水とを全て同時に混合する方法などが挙げられる。
−カチオン性界面活性剤と香料担持粒子のシリコーン分散液との混合後、液晶形成水を混合する方法−
カチオン性界面活性剤と前記香料担持粒子のシリコーン分散液との混合後、液晶形成水を混合する方法においては、まず、前記カチオン性界面活性剤と前記香料担持粒子のシリコーン分散液とを混合する。次いで、得られた混合物に、液晶形成水を加え、シリコーン被覆香料担持粒子の液晶分散液を形成させる。
まず、前記工程(ii)で得られた、前記香料担持粒子のシリコーン分散液を、カチオン性界面活性剤に添加し、混合することにより、シリコーン被覆香料担持粒子がカチオン性界面活性剤に分散された状態の分散液を調製する。
前記混合方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の混合装置を使用して混合することができる。前記混合装置としては、通常の攪拌の行える攪拌機であれば特に制限はなく、例えば、パドル・プロペラ羽根等を備えた攪拌槽、アジホモミキサー、ラインミキサー、スタティックミキサーなどが挙げられる。
また、前記混合時の温度としては、前記カチオン性界面活性剤の相転移温度に対して、[相転移温度+0]〜[相転移温度+20]℃が好ましく、[相転移温度+5]〜[相転移温度+10]℃がより好ましい。前記温度が、[相転移温度+0]℃未満であると、粘度が高まり、シリコーン被覆香料担持粒子のカチオン性界面活性剤を含む液晶による被覆性が低下することがあり、
[相転移温度+20]℃を超えると、香料が揮発しやすく、また、香料成分の劣化が懸念される。一方、前記温度が、前記より好ましい範囲内であると、シリコーン被覆香料担持粒子のカチオン性界面活性剤を含む液晶による被覆性、及び香料の安定性の点で、有利である。
次いで、前記シリコーン被覆香料担持粒子をカチオン性界面活性剤に分散させた混合物に、液晶形成水を高剪断下に混合し、液晶を形成させる。
前記高剪断を行う装置としては、その機種には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、液晶が形成されるに従い、系の粘度が高くなることを考慮すれば、高粘度物を全体混合でき、かつ、剪断力の高い羽根を有するものが好ましい。このような装置の具体例としては、例えば、ラインミキサー、パワーミキサー、スパイラルミキサー、アジホモミキサー、逆流ミキサー、ハイブリッドミキサーなどが挙げられる。
ここで、前記液晶の形成温度は、前記カチオン性界面活性剤の相転移温度以上であることを必要とする。前記液晶形成温度が相転移温度に満たないと、液晶が形成されない。前記液晶の形成温度と、前記カチオン性界面活性剤の相転移温度との温度差は、特に制限されるものではなく、液晶形成が可能な温度範囲内で適宜選定することができるが、通常、液晶の形成温度は[相転移温度+5]〜[相転移温度+20]℃が好ましく、[相転移温度+10]〜[相転移温度+15]℃がより好ましい。
−カチオン性界面活性剤と香料担持粒子のシリコーン分散液と液晶形成水とを同時に混合する方法−
カチオン性界面活性剤と前記香料担持粒子のシリコーン分散液と液晶形成水とを同時に混合する方法においては、カチオン性界面活性剤と前記香料担持粒子のシリコーン分散液と液晶形成水とを全部を同時に容器内に添加し、混合することにより、シリコーン被覆香料担持粒子の液晶分散液を形成させる。
全部を同時に容器内に添加し、混合する場合の混合方法としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の混合装置を使用して混合することができる。前記混合装置としては、各成分を混合しながら、高剪断を付加して混練することのできる装置であれば、その機種には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、液晶が形成されるに従い、系の粘度が高くなることを考慮すれば、高粘度物を全体混合でき、かつ、剪断力の高い羽根を有するものが好ましい。このような装置の具体例としては、例えば、ラインミキサー、パワーミキサー、スパイラルミキサー、アジホモミキサー、逆流ミキサー、ハイブリッドミキサーなどが挙げられる。
ここで、前記混合温度は、前記カチオン性界面活性剤の相転移温度以上であることを必要とする。前記液晶形成温度が相転移温度に満たないと、液晶が形成されない。前記液晶の形成温度と、前記カチオン性界面活性剤の相転移温度との温度差は、特に制限されるものではなく、液晶形成が可能な温度範囲内で適宜選定することができるが、通常、液晶の形成温度が[相転移温度+5]〜[相転移温度+20]℃が好ましく、[相転移温度+10]〜[相転移温度+15]℃がより好ましい。
前記工程(iii)における、前記液晶形成水の使用量は、特に制限はなく、使用するカチオン性界面活性剤やシリコーンなどの油性成分の種類によって適宜選定されるが、質量比で、〔液晶形成水と混合される対象物中の油相及び油性成分〕:液晶形成水=1:0.5〜1:2となるような量が好ましい。前記液晶形成水の使用量が、前記好ましい範囲未満であると、液晶が形成されないことがあり、前記好ましい範囲を超えると、増粘しやすく、液晶の形成効率が低下し、シリコーン被覆香料担持粒子の液晶分散液の製造性、安定性が低下することがある。
なお、前記工程(iii)における前記カチオン性界面活性剤の使用量としては、特に制限はなく、前記液晶被覆香料担持粒子中における前記カチオン性界面活性剤と前記シリコーンとの含有比が、前記したような好ましい範囲内となるように、適宜選択されることが好ましい。
なお、前記液晶被覆香料担持粒子における前記その他の成分として、前記ノニオン性界面活性剤を使用する場合は、前記(iii)の工程において、前記カチオン性界面活性剤と混合して使用することが好ましい。また、前記液晶被覆香料担持粒子における前記その他の成分として、前記高級アルコールを使用する場合は、前記(iii)の工程において、前記カチオン性界面活性剤と混合して使用することが好ましい。
前記工程(iii)における前記ノニオン性界面活性剤又は高級アルコールの使用量にも、特に制限はなく、前記液晶被覆香料担持粒子中における前記ノニオン性界面活性剤又は高級アルコールと前記カチオン性界面活性剤との含有比が、前記したような好ましい範囲内となるように、適宜選択されることが好ましい。
前記工程(iii)により、シリコーン被覆香料担持粒子(図1中、9)の液晶分散液(図1中、11)を得ることができる。
<工程(iv)>
前記工程(iv)では、前記工程(iii)で得られたシリコーン被覆香料担持粒子の液晶分散液を、水(図1中、12)に分散させる。
前記工程(iv)は、前記シリコーン被覆香料担持粒子の液晶分散液と水とを混合することにより行うことができる。ここで、前記シリコーン被覆香料担持粒子の液晶分散液と水との添加順序に特に制限はなく、同時に容器内に添加してもよい。
前記混合を行うための装置としては、特に制限はなく、例えば、通常の乳化分散用の装置を使用することができる。前記装置としては、例えば、高剪断型分散装置などが挙げられ、具体的には、ホモミキサー、マイルダー、クレアミックス、ラインミキサー、アジホモミキサー、ホモミックラインフロー、ディスパーミキサー、逆流ミキサーなどが挙げられる。前記装置は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。また、使用する系の粘度は、通常、数10〜数100mPa・s程度であるので、前記装置は、掻き取り羽根を有していてもよいし、有していなくてもよい。
前記装置の剪断力としては、通常の乳化分散工程における剪断力、即ち、通常の乳化分散に使用される機械の使用範囲内の剪断力であればよい。ただし、前記シリコーン被覆香料担持粒子の液晶分散液の粘度の高さに応じて、剪断時間を調整することが好ましい。
また、前記シリコーン被覆香料担持粒子の液晶分散液と水との混合温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記カチオン性界面活性剤の相転移温度以下でも混合可能であるが、カチオン性界面活性剤が固まってくることを考慮すれば、前記相転移温度以上であることが好ましい。
前記工程(i)〜(iv)を含む製造方法により、液晶被覆香料担持粒子の水分散液(図1中、15)を得ることができる。すなわち、前記工程(i)〜(iv)を含む製造方法により、前記液晶被覆香料担持粒子(図1中、14)を得ることができる。
(液晶被覆香料担持粒子の確認方法)
前記液晶被覆香料担持粒子が形成されたか否かは、例えば、偏光顕微鏡、透過型電子顕微鏡などを用いて観察を行い、判断することができる。
前記液晶被覆香料担持粒子の平均粒子径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.05〜10μmが好ましく、0.1〜5μmがより好ましい。前記粒子径が、0.05μm未満であると、香料の担持許容量が少なくなることがあり、10μmを超えると、前記液晶被覆香料担持粒子の水分散液中の液晶被覆香料担持粒子が沈降しやすく、水分散液の均一性が損われる懸念がある。一方、前記粒子径が、前記より好ましい範囲内であると、香料により良く徐放性を付与することができ、液晶被覆香料担持粒子の水分散液の均一性が保持される点で有利である。
前記液晶被覆香料担持粒子の水分散液における、前記液晶被覆香料担持粒子の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記液晶被覆香料担持粒子の水分散液中、5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。前記含有量が、5質量%未満であると、前記液晶被覆香料担持粒子の水分散液の性能が充分に発揮されないことがあり、40質量%を超えると、粘度が上昇するために、水分散液の物性が悪化することがある。一方、前記含有量が、前記より好ましい範囲内であると、水分散液の物性が良く、前記液晶被覆香料担持粒子の水分散液の性能がより充分に発揮される点で、有利である。
以上のようにして、前記液晶被覆香料担持粒子、又は前記液晶被覆香料担持粒子の水分散液を製造することができ、前記液晶被覆香料担持粒子、及び前記液晶被覆香料担持粒子の水分散液の少なくともいずれかを、例えば、繊維用仕上げ剤、毛髪化粧料などに用いることができる。
(繊維用仕上げ剤)
本発明の繊維用仕上げ剤は、前記液晶被覆香料担持粒子、及び前記液晶被覆香料担持粒子の水分散液の少なくともいずれかを含有していれば、特に制限はなく、その形態としては、例えば、柔軟剤、糊剤、帯電防止剤、撥水剤などが挙げられる。前記柔軟剤、糊剤は、例えば、洗濯のすすぎ工程に使用することにより、繊維製品に風合いや柔軟性、香気を与えることができ、前記帯電防止剤、撥水剤は、例えば、トリガー、ディスペンサー、エアゾールなどに中身を充填し、繊維製品に噴霧することによって、繊維製品に風合いや柔軟性、香気を与えることができる。
前記繊維用仕上げ剤中の、前記液晶被覆香料担持粒子の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。前記含有量が、5質量%未満であると、繊維用仕上げ剤としての効果が不充分となることがあり、40質量%を超えると、粘度が上昇するために、繊維用仕上げ剤の物性が悪化することがある。一方、前記含有量が、前記より好ましい範囲内であると、繊維用仕上げ剤の物性が良く、繊維用仕上げ剤としての効果がより充分に発揮される点で、有利である。
前記繊維用仕上げ剤は、前記液晶被覆香料担持粒子以外にも、その他の成分を含有することができる。ここで、前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸、食塩、塩化アンモニウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム等の水溶性塩、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコール、ヘキシレングリコール等の溶剤、尿素、殺菌剤、酸化防止剤、染料、顔料、色素、炭化水素、セルロース誘導体、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、香料などが挙げられる。
前記その他の成分の含有量としても、特に制限はなく、本発明の効果を損なわない範囲内で、目的に応じて適宜選択することができる。
また、前記繊維用仕上げ剤のpHは、特に洗濯のすすぎ工程で使用される場合、前記液晶被覆香料担持粒子の安定性の点で、pH2〜6であることが好ましい。前記pHは、例えば、繊維用仕上げ剤の製造工程において、各種酸及び塩基を使用して調整することができる。なお、前記酸としては、有機酸及び無機酸のいずれも使用することができるが、有機酸を使用すると、経時により前記繊維用仕上げ剤が増粘する傾向があるために、塩酸、硫酸などの無機酸を使用することが好ましい。
前記繊維用仕上げ剤の製造方法としては、特に制限はなく、例えば、公知の製造方法から、目的に応じて適宜選択することができる。
前記繊維用仕上げ剤は、特に洗濯のすすぎ工程で用いることにより、前記液晶被覆香料担持粒子を効率的に、衣料品などの繊維製品に吸着、滞留させることができる。それにより繊維製品の風合い、柔軟性、帯電防止性に何ら影響を与えることなく、洗濯後の繊維製品の香気持続性を向上させることができる。更に、洗濯のすすぎ工程で使用するごとに、このような効果を発揮することが可能である。
(毛髪化粧料)
本発明の毛髪化粧料は、前記液晶被覆香料担持粒子、及び前記液晶被覆香料担持粒子の水分散液の少なくともいずれかを含有していれば、特に制限はなく、その形態としては、例えば、リンス、コンディショナー、トリートメントなどが挙げられる。
前記毛髪化粧料中の、前記液晶被覆香料担持粒子の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。前記含有量が、5質量%未満であると、毛髪化粧料としての効果が不充分となることがあり、40質量%を超えると、粘度が上昇するために、毛髪化粧料の物性が悪化することがある。一方、前記含有量が、前記より好ましい範囲内であると、毛髪化粧料の物性が良く、毛髪化粧料としての効果がより充分に発揮される点で、有利である。
前記毛髪化粧料は、前記液晶被覆香料担持粒子以外にも、その他の成分を含有することができる。ここで、前記その他の成分としては、特に制限はなく、一般的に化粧料に使用される成分などの中から、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記した以外の界面活性剤、前記した以外の油分、グリセリン、ソルビトール等の保湿剤、乳化安定剤、耐寒剤、増粘剤、植物抽出物、動物抽出物、動植物代謝物、タンパク誘導体、生薬、殺菌剤、pH調節剤、色素などが挙げられる。
前記その他の成分の含有量としても、特に制限はなく、本発明の効果を損なわない範囲内で、目的に応じて適宜選択することができる。
前記毛髪化粧料の製造方法としては、特に制限はなく、例えば、公知の製造方法から、目的に応じて適宜選択することができる。
前記毛髪化粧料は、特に洗髪のすすぎ工程で使用することにより、前記液晶被覆香料担持粒子を効率的に毛髪に吸着、滞留させることができる。それにより洗髪後の毛髪のなめらかさ、櫛通りの良さに何ら影響を与えることなく、洗髪後の毛髪の香気持続性を向上させることができる。さらに、洗髪のすすぎ工程で使用するごとに、このような効果を発揮することが可能である。
(効果)
本発明の液晶被覆香料担持粒子及び液晶被覆香料担持粒子の水分散液は、香料が粒子に担持され、更にシリコーン被覆層で被覆され、更に液晶被覆層で被覆されていることから、香料に充分な徐放性が付与されており、従って、香気持続性に優れるものである。また、本発明の液晶被覆香料担持粒子及び液晶被覆香料担持粒子の水分散液を含有した繊維用仕上げ剤や毛髪化粧料などは、洗濯後の繊維製品や洗髪後の毛髪などに所望の香気を付与することができ、更にその香気を、経時的に持続させることが可能である。
以下、実施例に基づき、本発明についてさらに詳細に説明する。以下に説明する実施例は、本発明を好適に説明する例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではない。
(実施例1〜13及び比較例1〜3:液晶被覆香料担持粒子の水分散液(繊維用仕上げ剤用)の調製)
表1に示す組成に従って、各実施例1〜13及び比較例1〜3の液晶被覆香料担持粒子の水分散液(繊維用仕上げ剤用)を調製した。なお、表1中の各成分を、表3〜7中に具体的に示す。
〔実施例1〕
パン型造粒機(アズワン(株)製、型式DPZ−01)に、粒子(b1)の粉末20gを投入し、回転(20rpm)させながら、ガラス製噴霧器を用いて香料(a1)20gを噴霧し、香料を粒子に含浸させた。得られた粉末(香料担持粒子)のうち6.4gを、50℃に加温したシリコーン(c1)7.0gに添加し、プロペラ翼で5分間、攪拌(羽根周速(Ut)2.5m/s、d/D=0.5、添加温度:50℃)することにより、香料担持粒子をシリコーンに分散させた。
別に、カチオン性界面活性剤(D1)59.7g及びノニオン性界面活性剤としてイソトリデシルアルコールの平均EO45モル付加物(純分:75質量%、残部は水)8.4gをプロペラ翼で5分間、攪拌(羽根周速(Ut)2.5m/s、d/D=0.5、添加温度:50℃)・混合しておき(これを油相とする)、ここに上記で調製した、香料担持粒子をシリコーンに分散させた混合物を添加し、プロペラ翼で5分間、攪拌(羽根周速(Ut)2.5m/s、d/D=0.5、添加温度:50℃)することにより、シリコーン被覆香料担持粒子をカチオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤に分散させた。
次に、上記で得られたシリコーン被覆香料担持粒子をカチオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤に分散させた混合物と液晶形成水65.6gを、パドル羽根で3分間、攪拌(羽根周速6.0m/s、d/D=0.8、添加温度:50℃)することにより、シリコーン被覆香料担持粒子の液晶分散液を形成させた。
その後、上記工程で得られたシリコーン被覆香料担持粒子の液晶分散液に水196.7gを添加し、パドル羽根で3分間、攪拌(羽根周速2.9m/s、d/D=0.5、添加温度:30℃)し、更に塩化カルシウム水溶液6.2g(塩化カルシウム分:1.4g、残部は水)を添加して、引き続きパドル羽根で3分間、攪拌(羽根周速2.9m/s、d/D=0.5、添加温度:30℃)することにより、液晶被覆香料担持粒子の水分散液350gを調製した。
〔実施例2〕
前記香料を香料(a2)に変更した以外は、前記実施例1と同様の方法により、液晶被覆香料担持粒子の水分散液350gを調製した。
〔実施例3〕
前記香料を香料(a3)に変更した以外は、前記実施例1と同様の方法により、液晶被覆香料担持粒子の水分散液350gを調製した。
〔実施例4〕
前記粒子を粒子(b2)に変更した以外は、前記実施例1と同様の方法により、液晶被覆香料担持粒子の水分散液350gを調製した。
〔実施例5〕
前記香料を香料(a2)に、前記粒子を粒子(b2)に変更した以外は、前記実施例1と同様の方法により、液晶被覆香料担持粒子の水分散液350gを調製した。
〔実施例6〕
前記香料を香料(a3)に、前記粒子を粒子(b2)に変更した以外は、前記実施例1と同様の方法により、液晶被覆香料担持粒子の水分散液350gを調製した。
〔実施例7〕
前記粒子を粒子(b3)に変更した以外は、前記実施例1と同様の方法により、液晶被覆香料担持粒子の水分散液350gを調製した。
〔実施例8〕
前記シリコーンをシリコーン(c2)に変更した以外は、前記実施例1と同様の方法により、液晶被覆香料担持粒子の水分散液350gを調製した。
〔実施例9〕
前記カチオン性界面活性剤をカチオン性界面活性剤(D2)67.6gに変更し、液晶被覆香料担持粒子を形成した後に添加する水の量を188.8gに変更した以外は、前記実施例1と同様の方法により、液晶被覆香料担持粒子の水分散液350gを調製した。
〔実施例10〜13〕
各成分の含有量を表1に示すとおりにそれぞれ変更した以外は、前記実施例1と同様の方法により、液晶被覆香料担持粒子の水分散液350gを調製した。なお、液晶被覆香料担持粒子を形成した後に添加する水は、残部として、最終的に得られる水分散液が350gとなるような量でそれぞれ使用した。
〔比較例1〕
香料(a1)3.2gを、50℃に加温したシリコーン(c1)7.0gに添加し、プロペラ翼で5分間、攪拌(羽根周速(Ut)2.5m/s、d/D=0.5、添加温度:50℃)することにより、香料をシリコーン中に分散させた。
別に、カチオン性界面活性剤(D1)59.7g及びノニオン性界面活性剤としてイソトリデシルアルコールの平均EO45モル付加物(純分:75質量%、残部は水)8.4gをプロペラ翼で5分間、攪拌(羽根周速(Ut)2.5m/s、d/D=0.5、添加温度:50℃)・混合しておき(これを油相とする)、ここに上記で調製した、香料を分散させたシリコーンを添加し、プロペラ翼で5分間、攪拌(羽根周速(Ut)2.5m/s、d/D=0.5、添加温度:50℃)することにより、香料を分散させたシリコーンを、更にカチオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤に分散させた組成物を得た。
次に、上記で得られた組成物と液晶形成水65.6gを、パドル羽根で3分間、攪拌(羽根周速6.0m/s、d/D=0.8、添加温度:50℃)することにより、液晶を形成させた。
その後、上記工程で得られた液晶に水196.7gを添加し、パドル羽根で3分間、攪拌(羽根周速2.9m/s、d/D=0.5、添加温度:30℃)し、更に塩化カルシウム水溶液6.2g(塩化カルシウム分:1.4g、残部は水)を添加して、引き続きパドル羽根で3分間、攪拌(羽根周速2.9m/s、d/D=0.5、添加温度:30℃)することにより、液晶の水分散液を調製した。ここに、粒子(b1)の粉末3.2gを添加し、プロペラ翼で5分間、攪拌(羽根周速(Ut)2.5m/s、d/D=0.5、添加温度:30℃)することにより、液晶の水分散液と、粒子(b1)との混合液350gを得た。
〔比較例2〕
実施例1に示す香料担持粒子6.4gを、別に調製しておいた、カチオン性界面活性剤(D1)59.7g及びノニオン性界面活性剤としてのイソトリデシルアルコールの平均EO45モル付加物(純分:75質量%、残部は水)8.4gを、プロペラ翼で5分間、攪拌(羽根周速(Ut)2.5m/s、d/D=0.5、添加温度:50℃)・混合した混合物(これを油相とする)に添加し、プロペラ翼で5分間、攪拌(羽根周速(Ut)2.5m/s、d/D=0.5、添加温度:50℃)することにより、香料担持粒子がカチオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤で被覆された組成物を得た。
次に、上記で得られた組成物と液晶形成水65.6gを、パドル羽根で3分間、攪拌(羽根周速6.0m/s、d/D=0.8、添加温度:50℃)することにより、液晶を形成させた。
その後、上記工程で得られた液晶に水196.7gを添加し、パドル羽根で3分間、攪拌(羽根周速2.9m/s、d/D=0.5、添加温度:30℃)し、更に塩化カルシウム水溶液6.2g(塩化カルシウム分:1.4g、残部は水)を添加して、引き続きパドル羽根で3分間、攪拌(羽根周速2.9m/s、d/D=0.5、添加温度:30℃)することにより、液晶の水分散液を調製した。
ここに、50℃に加温したシリコーン(c1)7.0gを添加し、プロペラ翼で5分間、攪拌(羽根周速(Ut)2.5m/s、d/D=0.5、添加温度:30℃)することより、香料担持粒子がカチオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤で被覆された液晶の水分散液と、シリコーンとの混合液350gを得た。
〔比較例3〕
実施例1に示す香料担持粒子6.4gをシリコーン7.0gに分散させた混合物を、ノニオン性界面活性剤としてのイソトリデシルアルコールの平均EO45モル付加物(純分:75質量%、残部は水)8.4gに、プロペラ翼で5分間、攪拌(羽根周速(Ut)2.5m/s、d/D=0.5、添加温度:50℃)・混合しながら添加することにより、シリコーン被覆香料担持粒子がノニオン性界面活性剤で被覆された組成物を得た。
次に、上記で得られた組成物と液晶形成水65.6gを、パドル羽根で3分間、攪拌(羽根周速6.0m/s、d/D=0.8、添加温度:50℃)することにより、シリコーン被覆香料担持粒子がノニオン性界面活性剤で被覆された組成物と水の混合物を得た。
その後、上記工程で得られた混合物に水196.7gを添加し、パドル羽根で3分間、攪拌(羽根周速2.9m/s、d/D=0.5、添加温度:30℃)し、更に塩化カルシウム水溶液6.2g(塩化カルシウム分:1.4g、残部は水)を添加して、引き続きパドル羽根で3分間、攪拌(羽根周速2.9m/s、d/D=0.5、添加温度:30℃)した。
ここに、カチオン性界面活性剤(D1)59.7gを添加し、プロペラ翼で5分間、攪拌(羽根周速(Ut)2.5m/s、d/D=0.5、添加温度:30℃)し、シリコーン被覆香料担持粒子がノニオン性界面活性剤で被覆された組成物と、カチオン性界面活性剤とが混合された水分散液350gを得た。
〔香気持続性の評価〕
前記のようにして得られた、実施例1〜13の液晶被覆香料担持粒子の水分散液と、比較例1〜3の水分散液(繊維用仕上げ剤用)について、以下のようにして香気持続性を評価した。
<仕上げ処理方法>
二槽式洗濯機CW−C30A1(三菱電機製)を用いて、市販綿Tシャツ18枚(計約1.5Kg)の布類を洗濯工程に供した。洗濯工程は、洗浄10分、脱水1分、ためすすぎ3分、脱水1分、ためすすぎ3分、脱水1分、仕上げ処理3分、脱水1分であり、洗浄、すすぎ、仕上げ処理の際はいずれも30L、25℃の水を用いた。洗浄時には、市販洗剤「トップ」(ライオン(株)製)を20g/30Lの濃度で使用した。仕上げ処理時には、水量30Lに対して、実施例1〜13、比較例1〜3の分散液を、各10g加えた。この後、25℃、45%RHの雰囲気下で、24時間、つり干し乾燥した。
上記処理後のTシャツの香気持続性を、以下の評価方法に従い、評価した。
<香気持続性の評価方法>
前記処理後の香気持続性の評価は、前記処理方法にて仕上げたTシャツについて、専門パネラー10人による官能評価を、以下に示す評価基準で行った。なお、比較例1にて得られた分散液を対照として評価し、処理直後、及び処理後更に7日間経過した後の、残香強度について評価した。
−評価基準−
+2:対照よりはっきりと香る
+1:対照よりやや香る
0 :対照と同等
−1:対照の方がやや香る
−2:対照の方がはっきりと香る
更に、10名の結果から平均値を算出し、その値から以下に示す残香強度の評点をつけた。結果を表1に示す。
−残香強度の評点−
3:+2.0以下、+1.5以上
2:+1.5未満、+1.0以上
1:+1.0未満、+0.5以上
0:+0.5未満、−2.0以上
(実施例14〜15及び比較例4:液晶被覆香料担持粒子の水分散液(毛髪化粧料用)の調製)
表2に示す組成に従って、各実施例14〜15の液晶被覆香料担持粒子の水分散液と、比較例4の水分散液(毛髪化粧料用)を調製した。なお、表2中に示す各成分を、表3〜7中に具体的に示す。
〔実施例14〕
パン型造粒機(アズワン(株)製、型式DPZ−01)に粒子(b1)の粉末20gを投入し、回転(20rpm)させながら、ガラス製噴霧器を用いて、香料(a2)40gを噴霧し、香料を粒子に含浸させた。得られた粉末(香料担持粒子)のうち5.3gを、50℃に加温したシリコーン(c3)17.5gに添加し、プロペラ翼で5分間、攪拌(羽根周速(Ut)2.5m/s、d/D=0.5、添加温度:50℃)することにより、香料担持粒子をシリコーンに分散させた。
別に、カチオン性界面活性剤(d10、アーカード22−80(ライオン(株)製))21.9g及び高級アルコールとしてステアリルアルコール(コノール30SS、新日本理化(株)製)24.5gをプロペラ翼で5分間、攪拌(羽根周速(Ut)2.5m/s、d/D=0.5、添加温度:60℃)・混合しておき(これを油相とする)、ここに上記で調製した、香料担持粒子をシリコーンに分散させた混合物を添加し、プロペラ翼で5分間、攪拌(羽根周速(Ut)2.5m/s、d/D=0.5、添加温度:50℃)することにより、シリコーン被覆香料担持粒子をカチオン性界面活性剤及び高級アルコールに分散させた。
次に、上記で得られたシリコーン被覆香料担持粒子をカチオン性界面活性剤及び高級アルコールに分散させた混合物と液晶形成水63.6gを、パドル羽根で3分間、攪拌(羽根周速6.0m/s、d/D=0.8、添加温度:50℃)することにより、液晶を形成させた。
その後、上記工程で得られたシリコーン被覆香料担持粒子の液晶分散液に、水190.9gを添加し、パドル羽根で3分間、攪拌(羽根周速2.9m/s、d/D=0.5、添加温度:30℃)し、更にD−ソルビット液29.2g(ソルビトール分:17.5g、東和化成工業(株)製)、メチルパラベン0.7g(吉富ファインケミカル(株)製)を添加して、引き続きパドル羽根で3分間、攪拌(羽根周速2.9m/s、d/D=0.5、添加温度:30℃)することにより、液晶被覆香料担持粒子の水分散液350gを調製した。
〔実施例15〕
前記香料を香料(a3)に変更した以外は、前記実施例14と同様の方法により、液晶被覆香料担持粒子の水分散液350gを調製した。
〔比較例4〕
実施例14に示す香料担持粒子5.3gをシリコーン17.5gに分散させた混合物を、ステアリルアルコール(コノール30SS、新日本理化(株)製)24.5gに、プロペラ翼で5分間、攪拌(羽根周速(Ut)2.5m/s、d/D=0.5、添加温度:60℃)・混合しながら添加することにより、シリコーン被覆香料担持粒子が高級アルコールで被覆された組成物を得た。
次に、上記で得られた組成物と液晶形成水63.6gを、パドル羽根で3分間、攪拌(羽根周速6.0m/s、d/D=0.5、添加温度:50℃)することにより、シリコーン被覆香料担持粒子が高級アルコールで被覆された組成物と水の混合物を得た。
その後、上記工程で得られた混合物に水190.9gを添加し、パドル羽根で3分間、攪拌(羽根周速2.9m/s、d/D=0.5、添加温度:30℃)し、さらにD−ソルビット液29.2g(ソルビトール分:17.5g、東和化成工業(株)製)、メチルパラベン0.7g(吉富ファインケミカル(株)製)引き続きパドル羽根で3分間、攪拌(羽根周速2.9m/s、d/D=0.5、添加温度:30℃)した。
ここに、カチオン性界面活性剤(d10、アーカード22−80(ライオン(株)製))22.4gを添加し、プロペラ翼で5分間、攪拌(羽根周速(Ut)2.5m/s、d/D=0.5、添加温度:30℃)することにより、水分散液350gを調製した。
〔香気持続性の評価〕
前記のようにして得られた、実施例14〜15の液晶被覆香料担持粒子の水分散液と、比較例4の水分散液(毛髪化粧料用)について、以下のようにして香気持続性を評価した。
<コンディショニング処理方法>
20〜30代の女性30名(髪の長さ:ショート〜セミロング〜ロング、損傷度:ほとんど傷んでいない、やや傷んでいる、かなり傷んでいる)の毛髪を、市販のシャンプー「植物物語」(ライオン(株)製)を用いて洗浄した。その後、コンディショニング時には、実施例14、15、比較例4の、液晶被覆香料担持粒子の水分散液3gを毛髪に均一に塗布し、1分間、40℃の流水ですすいだ。更にドライヤーで毛髪を乾燥させた。
上記処理後の毛髪の香気持続性を、以下の評価方法に従い、評価した。
<香気持続性の評価方法>
コンディショニング後の香気持続性の評価は、上記コンディショニングを行った女性30人による官能評価を、以下に示す評価基準で行った。なお、比較例4にて得られた分散液を対照とし、コンディショニング処理直後、及びコンディショニング処理後更に1日経過した後の、残香強度を評価した。
−評価基準−
+2:対照よりはっきりと香る
+1:対照よりやや香る
0 :対照と同等
−1:対照の方がやや香る
−2:対照の方がはっきりと香る
更にその30名の結果から平均値を算出し、その値から以下に示す残香強度の評点をつけた。結果を表2に示す。
−残香強度の評点−
3:+2.0以下、+1.5以上
2:+1.5未満、+1.0以上
1:+1.0未満、+0.5以上
0:+0.5未満、−2.0以上
Figure 2007176998
Figure 2007176998
表1〜2中の香料a1〜a3の組成を、以下の表3に示す。
Figure 2007176998
表1〜2中の粒子b1〜b3を、以下の表4に示す。
Figure 2007176998
表1〜2中のシリコーンc1〜c3を、以下の表5に示す。
Figure 2007176998
表1〜2中のカチオン性界面活性剤D1〜D2の組成を、以下の表6〜7に示す。なお、表7中のR1〜R4、Xは、前記式(I)中のR1〜R4、Xにそれぞれ対応するものとする。
Figure 2007176998
Figure 2007176998
d1〜d6:アシルオキシエチル基は、炭素数18の飽和脂肪酸と炭素数18の不飽和基を1個有する不飽和脂肪酸とが混合しており、飽和アシル(又は炭化水素基)/不飽和アシル(又は不飽和炭化水素基)の割合が、質量比で60/40であり、また、不飽和アシル(又は不飽和炭化水素基)の立体異性体のシス/トランス比は45/55である。
d7〜d9:長鎖炭化水素基は、炭素数18の飽和脂肪酸と炭素数18の不飽和基を1個有する不飽和脂肪酸とが混合しており、飽和炭化水素基/不飽和炭化水素基の割合が、質量比で80/20であり、また、不飽和炭化水素基の立体異性体のシス/トランス比は45/55である。
d10:アーカード22−80(ライオン(株)製)。粧原基に準拠したベヘニルトリメチルアンモニウムクロライドで、純分約80%の固体。表中にはベヘニルトリメチルアンモニウムクロライドの純分相当量を記載した。
表1及び表2の結果から、実施例1〜15の液晶被覆香料担持粒子の水分散液については、処理後における対照との残香強度の差に比べ、経時後における対照との残香強度の差が、明らかに大きいことがわかる。したがって、実施例1〜15の液晶被覆香料担持粒子の水分散液を使用することにより、仕上げ処理した繊維製品、及びコンディショニング処理した毛髪の香気持続性をより向上できることが示された。
本発明の液晶被覆香料担持粒子及び液晶被覆香料担持粒子の水分散液は香気持続性に優れることから、例えば、繊維製品や毛髪に対して所望の香気を持続して付与することができ、そのため、例えば、繊維用仕上げ剤、毛髪化粧料などに好適に使用することができる。
図1は、本発明の液晶被覆香料担持粒子及び液晶被覆香料担持粒子の水分散液の製造方法の1例を示す模式図である。
符号の説明
1 香料
2 粒子
3 香料担持粒子
4 シリコーン
5 香料担持粒子のシリコーン分散液
6 カチオン性界面活性剤
7 液晶形成水
8 シリコーン被覆層
9 シリコーン被覆香料担持粒子
10 カチオン性界面活性剤を含む液晶
11 シリコーン被覆香料担持粒子の液晶分散液
12 水
13 カチオン性界面活性剤を含む液晶被覆層
14 液晶被覆香料担持粒子
15 液晶被覆香料担持粒子の水分散液

Claims (8)

  1. 香料を担持する粒子と、
    前記香料を担持する粒子を被覆するシリコーン被覆層と、
    前記シリコーン被覆層を更に被覆する、カチオン性界面活性剤を含む液晶被覆層と
    を有することを特徴とする液晶被覆香料担持粒子。
  2. 粒子が無機物粒子である請求項1に記載の液晶被覆香料担持粒子。
  3. 請求項1から2のいずれかに記載の液晶被覆香料担持粒子が水に分散されていることを特徴とする液晶被覆香料担持粒子の水分散液。
  4. (i)粒子に香料を担持させる工程と、
    (ii)工程(i)で得られた香料担持粒子をシリコーンに分散させる工程と、
    (iii)工程(ii)で得られた香料担持粒子のシリコーン分散液と、カチオン性界面活性剤と、液晶形成水とを混合してシリコーン被覆香料担持粒子を液晶に分散させる工程と、
    (iv)工程(iii)で得られたシリコーン被覆香料担持粒子の液晶分散液を水に分散させる工程と
    を含むことを特徴とする請求項3に記載の液晶被覆香料担持粒子の水分散液の製造方法。
  5. 請求項1から2のいずれかに記載の液晶被覆香料担持粒子及び請求項3に記載の液晶被覆香料担持粒子の水分散液の少なくともいずれかを含有することを特徴とする繊維用仕上げ剤。
  6. 洗濯のすすぎ工程で用いられる請求項5に記載の繊維用仕上げ剤。
  7. 請求項1から2のいずれかに記載の液晶被覆香料担持粒子及び請求項3に記載の液晶被覆香料担持粒子の水分散液の少なくともいずれかを含有することを特徴とする毛髪化粧料。
  8. 洗髪のすすぎ工程で用いられる請求項7に記載の毛髪化粧料。
JP2005374381A 2005-12-27 2005-12-27 液晶被覆香料担持粒子、その水分散液、及びそれらの製造方法、並びに、繊維用仕上げ剤及び毛髪化粧料 Pending JP2007176998A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005374381A JP2007176998A (ja) 2005-12-27 2005-12-27 液晶被覆香料担持粒子、その水分散液、及びそれらの製造方法、並びに、繊維用仕上げ剤及び毛髪化粧料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005374381A JP2007176998A (ja) 2005-12-27 2005-12-27 液晶被覆香料担持粒子、その水分散液、及びそれらの製造方法、並びに、繊維用仕上げ剤及び毛髪化粧料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007176998A true JP2007176998A (ja) 2007-07-12

Family

ID=38302499

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005374381A Pending JP2007176998A (ja) 2005-12-27 2005-12-27 液晶被覆香料担持粒子、その水分散液、及びそれらの製造方法、並びに、繊維用仕上げ剤及び毛髪化粧料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007176998A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010037472A (ja) * 2008-08-07 2010-02-18 Kao Corp 着香剤組成物
JP2010185145A (ja) * 2009-02-10 2010-08-26 Kao Corp 繊維製品処理剤組成物
JP2012201988A (ja) * 2011-03-23 2012-10-22 Kao Corp 液体柔軟剤組成物
JP2013082633A (ja) * 2011-10-06 2013-05-09 Mikimoto Pharmaceut Co Ltd 組成物
WO2017164321A1 (ja) * 2016-03-23 2017-09-28 ライオン株式会社 液体柔軟剤組成物
WO2020075582A1 (ja) * 2018-10-09 2020-04-16 大阪ガスケミカル株式会社 化粧料添加剤およびその製造方法
WO2023112678A1 (ja) * 2021-12-14 2023-06-22 株式会社 資生堂 組成物

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010037472A (ja) * 2008-08-07 2010-02-18 Kao Corp 着香剤組成物
JP2010185145A (ja) * 2009-02-10 2010-08-26 Kao Corp 繊維製品処理剤組成物
JP2012201988A (ja) * 2011-03-23 2012-10-22 Kao Corp 液体柔軟剤組成物
JP2013082633A (ja) * 2011-10-06 2013-05-09 Mikimoto Pharmaceut Co Ltd 組成物
WO2017164321A1 (ja) * 2016-03-23 2017-09-28 ライオン株式会社 液体柔軟剤組成物
WO2020075582A1 (ja) * 2018-10-09 2020-04-16 大阪ガスケミカル株式会社 化粧料添加剤およびその製造方法
WO2023112678A1 (ja) * 2021-12-14 2023-06-22 株式会社 資生堂 組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102256588B (zh) 微胶囊及其用途
JP6214553B2 (ja) ポリウレアマイクロカプセルの製造方法
JP2007176998A (ja) 液晶被覆香料担持粒子、その水分散液、及びそれらの製造方法、並びに、繊維用仕上げ剤及び毛髪化粧料
JP5670751B2 (ja) 界面活性剤を含有する組成物における親油性活性材料の堆積
JP4740801B2 (ja) 繊維製品用液体仕上げ剤組成物
BR112012029551B1 (pt) processo para preparação de microcápsulas de poliureia
JP5726682B2 (ja) 繊維製品用処理剤組成物
JP2010285737A (ja) 香りが長続きする繊維製品用処理剤組成物
JP5364305B2 (ja) 香り持続性マイクロカプセル
JP2011130986A (ja) 消臭剤組成物
JP5671715B2 (ja) 香料の乳化分散物
JP4842002B2 (ja) 繊維処理剤組成物
JP2005508209A5 (ja)
JP2005508209A (ja) カプセル
JP5586220B2 (ja) 繊維製品処理剤
JP5337680B2 (ja) 液状繊維製品処理剤組成物
JP5725662B2 (ja) 柔軟剤組成物
JP2017101343A (ja) 液体柔軟剤組成物
JP2020023766A (ja) 繊維製品用賦香剤組成物。
CN1863897B (zh) 织物漂洗组合物
JPS6051588B2 (ja) 織物処理用液状調合物及びその製法
JP7477986B2 (ja) 繊維製品処理剤組成物
JP7350634B2 (ja) 繊維製品処理剤組成物
JP5536342B2 (ja) 水性酸性着香性組成物
JP2012061446A (ja) カプセル粒子含有乳化物の製造方法