JPH05222672A

JPH05222672A - 繊維コンディショニング用芳香性マイクロカプセル

Info

Publication number: JPH05222672A
Application number: JP4257016A
Authority: JP
Inventors: Liang Sheng Tsaur; リヤン・シエン・ツアー; Samuel Qcheng Lin; サミユエル・チエン・リン
Original assignee: Unilever NV
Current assignee: Unilever NV
Priority date: 1991-09-25
Filing date: 1992-09-25
Publication date: 1993-08-31
Anticipated expiration: 2013-12-14
Also published as: CA2078717A1; EP0539025B1; AU664859B2; AU2535792A; ES2124720T3; DE69227883T2; EP0539025A3; US5246603A; EP0539025A2; DE69227883D1; JP2837042B2; CA2078717C

Abstract

(57)【要約】【目的】複合マイクロカプセル、及びマイクロカプセル
の製造方法、並びにマイクロカプセルを混入するタンブ
ル乾燥機製品。【構成】マイクロカプセルは、水溶性ポリマー中に埋封
される蝋物質と芳香性油の乳化性混合物から作られる粒
子を包含する。マイクロカプセルは約１００μ未満の直
径を有し、乾燥機中の芳香性物質の放出を制御し、処理
加工及び保存中の芳香性物質の損失を防止するためにタ
ンブル乾燥機製品中に混入するのに有用である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、繊維上への芳香の沈着
を改良するために用いられるマイクロカプセルを生成す
るための芳香物と蝋の乳化性混合物から成る粒子を封入
する水溶性ポリマーに関する。

【０００２】

【従来の技術】乾燥したての繊維製品に快適な香りを提
供し、並びに繊維コンディショニング製品の芳香を改良
又は増強するための芳香物質の使用は、望ましく、且つ
Ｗｉｅｒｅｎｇａ等に発行された米国特許第４，９５
４，２８５号に説明されているように当業界では十分公
知である。しかしながら、繊維上へのこのような香料の
有効な沈着、並びに繊維コンディショニング製品の製造
は、今日まで達成されていない。揮発性香料は、タンブ
ル乾燥機シートの製造中に、並びにそれらを消費者が保
存及び使用する間に失われがちである。

【０００３】これらの問題を処理するために、従来の技
術において種々の技法が試みられてきた。概して、これ
らの技法は、コーティングで揮発性芳香性油を閉じ込め
るか、又は好適な担体と混合することを包含する。

【０００４】芳香性油を固体担体と混合及び吸着して製
品に芳香を供給することにより、固体芳香性粒子も調製
されている。

【０００５】米国特許第４，１５２，２７２号では、粒
子は香料／蝋混合物から生成される。その結果生じた粒
子は主に、水性繊維コンディショナー組成物中に混入さ
れる。この種の香料／蝋粒子は、シート上に沈着する溶
融繊維柔軟剤活性物質が８０℃まで温度が上がるため
に、タンブル乾燥機シート中にこのような粒子を製造す
るには望ましくない。このような製造温度は、処理加工
温度以下の融点を有する粒子を含有する香料の大部分を
溶融させて、乾燥繊維製品上に沈着されるよりもむしろ
シートの製造中に芳香の大部分を放出する。処理加工温
度以上の融点を有する蝋／香料粒子のためには、香料を
溶融活性柔軟剤物質で抽出する。

【０００６】米国特許第４，９５４，２８５号、第４，
５３６，３１５号、及び第４，０７３，９９６号では、
芳香性油をクレー又はシリカのような無機担体で混合及
び吸着させて、洗剤及び繊維柔軟剤に香料を供給する。
米国特許第４，３２６，９６７号及び欧州特許第３３
４，６６６号では、香料を蝋又は固体界面活性剤中に乳
化し、乾燥機中のような熱処理中に芳香性油を放出す
る。

【０００７】水溶性ポリマー、水不溶性ポリマー、及び
水溶性及び水不溶性ポリマーの一部である香料組成物を
包含する洗剤組成物中に混入されるポリマーを含有する
芳香物質は、米国特許第４，８４２，７６１号に記載さ
れている。２つのポリマーは、一方が他方のマトリック
ス中に離散体を形成するように物理的に互いに会合す
る。

【０００８】概して、これらの自由流動性固体粒子は芳
香性油の制御された放出に備えるものであるが、芳香性
油は一般に、十分には保護されないので、処理加工中に
頻繁に損失又は脱安定化される。さらに使用中に所望の
時に芳香物質を抽出するのはむつかしい。

【０００９】米国特許第４，８４２，７６１号では、香
料カプセルは、衣類又は繊維製品上に沈着する量を増大
するためにはサイズの増大に大いに依っており、処理加
工中の香料損失を補償する。さらに、芳香性油を放出す
るためには、粒子は大量の水を要する（例えば洗浄又は
すすぎ液）。したがって、’７６１特許のポリマーマト
リックスは、乾燥周期の最後に芳香を有効に供給しな
い。

【００１０】水分散性ポリマーは、米国特許第４，２７
６，３１２号、第３，９７１，８５２号、第３，８２
１，４３６号、第３，７５８，２２３号、第３，４５
５，８３８号、第３，１５９，５８５号、及び第３，０
９１，５６７号に記載されているような慣用的噴霧乾燥
法で芳香性油を封入するのに用いられている。このよう
な固体粒子は、芳香性油を、アラビアゴム、でんぷん、
又はゼラチンのような水分散性ポリマーの水溶液中に乳
化することにより製造する。次に、乳濁液を熱風のカラ
ム中に噴霧して、水溶性ポリマー内部に閉じ込められた
又は封入された油を有する自由流動性マイクロカプセル
を生成する。このような噴霧乾燥法は、芳香封入粒子を
製造するために広く用いられている。しかしながら、慣
用的方法は、香料蝋混合物の大型凝集体が形成されるが
これは噴霧乾燥されないため、本発明の複合マイクロカ
プセルの製造には適していない。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、繊維コンディショニング製品の処理加工、保
存、及び使用中の大部分の芳香性物質の放出及び損失を
防止し、乾燥中の繊維製品上に芳香物質の大部分を放出
する芳香物質封入粒子を提供する。

【００１２】さらに、芳香性粒子を繊維柔軟組成物中に
混入し、計量分配手段に適用して、繊維製品をコンディ
ショニングするために自動衣類乾燥機中で使用するため
の製品を製造する。

【００１３】本発明の別の目的は、処理加工、保存、及
び使用中の芳香性油の損失を避けるための本発明のマイ
クロカプセルを生成するための新規の方法を提供する。

【００１４】本発明の要約本発明は、蝋と香料の乳化性混合物から生成された個々
のコア粒子を封入する水溶性ポリマーを包含する複合マ
イクロカプセルに関する。乳化性混合物は、１００℃未
満、好ましくは３５℃〜９０℃、最も好ましくは４５℃
〜８５℃の融点を有する。乳化性混合物は、５μ未満、
好ましくは１μ未満の直径を有するコア粒子を生成する
ために水性溶液中で乳化可能である必要がある。マイク
ロカプセルの直径は、１００μ以下、好ましくは約４０
μ未満である。

【００１５】乳化性混合物は、任意に界面活性剤と混合
し得る。乳化性混合物と水溶性ポリマーの乳濁液を生成
し、次に乳濁液を噴霧乾燥して、マイクロカプセルを生
成することにより、マイクロカプセルを調製する。マイ
クロカプセルは、自動衣類乾燥機中の繊維製品上に放出
するための計量分配手段（ｄｉｓｐｅｎｓｉｎｇｍｅ
ａｎｓ）を覆い得る。このような適用においては、洗濯
繊維製品からの水分は少なくとも部分的に水溶性ポリマ
ーを溶解し、香料はマイクロカプセル又は放出コア粒子
から拡散する。衣類乾燥機内の乾燥周期の温度は、コア
物質の蝋を溶融することにより香料の放出を促進し得
る。

【００１６】本発明における乳化性混合物を生成するた
めに用い得る蝋物質は、パラフィン蝋及び微晶質蝋のよ
うな炭化水素を含む。用い得る界面活性剤物質は、陽イ
オン、陰イオン、又は非イオン界面活性剤、例えば、Ｃ
₁₆、Ｃ₃₀、Ｃ₄₀又はＣ₅₀の平均炭素鎖長第一アルコール
から得られるエトキシル化第一アルコール非イオン界面
活性剤；繊維柔軟成分；又はアルキルスルホン酸塩であ
る。好ましい界面活性剤物質は、エトキシル化第一アル
コール、及び第四アンモニウム化合物のような陽イオン
繊維柔軟化合物である。

【００１７】本発明に使用するのに適した水溶性ポリマ
ーとしては、１００，０００未満の分子量を有する合成
ポリマー及び天然又は修飾天然ポリマーが挙げられる。

【００１８】複合マイクロカプセルの好ましい態様の詳細な説明本発明の複合マイクロカプセルは、繊維製品上に香料組
成物の最終的放出を提供するためにタンブル乾燥機製品
に添加し得る。マイクロカプセルは、任意に界面活性剤
を混合する蝋と香料組成物の乳化性混合物の小粒子から
成る。粒子は、水溶性ポリマーマトリックス中に別々に
埋封される。したがって、繊維製品上に香料芳香を沈着
させるために多数回放出方法を用い得る。特に、ポリマ
ーマトリックスは、湿った繊維製品に接触すると、一部
又は完全に溶解し、粒子の香料が拡散する。拡散は、粒
子の蝋を溶融することにより促される。マイクロカプセ
ルをタンブル製品中に混入して、乾燥中の繊維製品上の
香料芳香の沈着を放出的に制御し得る。

【００１９】マイクロカプセルの水溶性ポリマーマトリ
ックスは、少なくとも一部は、洗濯中の洗濯繊維製品と
接触すると溶解する。次いで、香料が、放出粒子から、
又は依然として部分的に溶解したポリマー物質内にある
粒子から拡散する。

【００２０】乳化性物質は、慣用的示差走査熱量計で測
定した場合、乳化性混合物が流動性液体になる点以上の
最高転移温度として示される融点を有する。コア物質は
水性溶液中で乳化性である必要がある。粒子の融点は、
約１００℃未満、好ましくは約３５℃〜約９０℃、最も
好ましくは約４５℃〜約８５℃である。好ましい態様で
は、複合粒子の一部は、乾燥周期の終わりに無傷で繊維
製品上に残存し、したがって消費者が繊維製品にアイロ
ンをかけたり又は着用する間も芳香物質が放出され得
る。

【００２１】本発明のマイクロカプセルは、当業界で用
いられる従来技術の方法より多量の芳香性組成物を乾燥
衣類上に沈着させる点で有益である。さらに、本発明の
タンブル乾燥機製品の製造中に、芳香性物質はほとんど
失われない。したがって、香料組成物は、繊維製品上
に、香料について上記のようなより多量の香料芳香を付
与するためにマイクロカプセルを生成するためにはほと
んど必要でない。芳香物質の拡散はさらに、周囲に芳香
を発散するというより、意図された目的のために芳香性
物質が有効に用いられるように、保存中は有意に低減さ
れる。

【００２２】マイクロカプセルは、直径が１００μ未
満、好ましくは約３〜約１００μ、最も好ましくは約３
〜約４０μである。マイクロカプセル中に埋封される粒
子は、約５μ、好ましくは１μ未満の平均直径を有す
る。球形マイクロカプセルが好ましいが、しかしなが
ら、本発明の範囲内で当業界で公知の任意の幾何学的形
状を用い得る。

【００２３】好ましくは、マイクロカプセルは室温では
固体であるが、しかしゲル形態であってもよい。

【００２４】乳化性物質 “乳化性混合物”という用語は、任意に界面活性剤を含
有する蝋と香料の混合物を示すのに用いるが、これは水
に溶融及び分散すると乳濁液を生じ、約１００℃未満、
好ましくは３５℃〜９０℃、最も好ましくは４５℃〜８
５℃の融点を有する。

【００２５】乳化性混合物の融点は、乳化性液体が流動
性又は注入性になる融点より上の最高転移温度（慣用的
示差走査熱量計で測定し得る）として示される。

【００２６】本発明の蝋は、パラフィン及び微晶質蝋の
ような炭化水素を含む。任意の界面活性剤としては、陽
イオン界面活性剤、好ましくは繊維柔軟物質；エトキシ
ル化第一アルコール非イオン界面活性剤、好ましくはＣ
₁₆、Ｃ₃₀、Ｃ₄₀又はＣ₅₀の平均炭素鎖長第一アルコール
から得られるもの；アルキルスルホン酸塩、高分子界面
活性剤のような陰イオン界面活性剤、並びにその混合物
が挙げられる。

【００２７】本発明に用いるパラフィン及び微晶質蝋
は、好ましくは自己乳化性であるが、しかしこのような
乳化性蝋を非自己乳化性蝋と混合して、本発明の範囲内
の物質を生成し得る。

【００２８】本発明の範囲内で意図される蝋質物質を、
以下の表１に示す：

【００２９】

【表１】

【００３０】Ｕｎｉｌｉｎ７００のような非自己乳化
性蝋を、ほぼ同じ割合でＤｕｒｏｘｏｎＪ−３２４の
ような自己乳化性蝋と混合して、本発明の範囲内の物質
を生成し得る。自己乳化性蝋対非自己乳化性蝋の比率
は、好ましくは約１：３〜約１００％自己乳化性蝋、の
範囲であって、好ましくは約１：１である。

【００３１】本発明の別の態様は、陽イオン繊維柔軟成
分のような界面活性剤とパラフィン蝋との組み合わせで
あって、繊維柔軟成分対蝋の比率が約１：１で、香料組
成物を埋封する粒子を生成する。

【００３２】タンブル乾燥機製品を生成するのに用いる
ための下記の任意の慣用的繊維柔軟成分は、マイクロカ
プセルの粒子を生成するために蝋又は高分子アルコール
と組み合わせて用い得る。

【００３３】水溶性ポリマー本発明に用いるのに適した水溶性ポリマーとしては、１
００，０００未満の分子量を有する合成ポリマー、及び
天然又は修飾天然ポリマーが挙げられる。

【００３４】合成水溶性ポリマーの例を下記に示す：（１）ポリビニルピロリジン；（２）水溶性セルロース；（３）ポリビニルアルコール；（４）エチレン無水マレイン酸コポリマー；（５）メチルビニルエーテル無水マレイン酸コポリマ
ー；（６）ポリエチレンオキシド；（７）水溶性ポリアミド又はポリエステル；（８）ポリアクリル酸のようなアクリル酸のコポリマー
又はホモポリマー、ポリスチレンアクリル酸ポリマー、
あるいは２つ又はそれ以上の混合物。

【００３５】水溶性ヒドロキシルアルキル及びカルボキ
シアルキルセルロースの例としては、ヒドロキシエチル
及びカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチル及
びカルボキシエチルセルロース、ヒドロキシメチル及び
カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルカル
ボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルカ
ルボキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルカルボ
キシプロピルセルロース、ヒドロキシブチルカルボキシ
メチルセルロース等が挙げられる。さらに有用なのは、
これらのカルボキシアルキルセルロースのアルカリ金属
塩、特に好ましくは、ナトリウム及びカリウム塩であ
る。

【００３６】水溶性天然及び修飾天然ポリマーの例は、
デンプン、ガム、及びゼラチンである。デキストリンを
含めた、そのミリアド形態の修飾デンプンは、加水分解
ガム及び加水分解ゼラチン同様、本発明内で有用であ
る。本発明の範囲内の種々の修飾デンプンが、Ｓｃｈｏ
ｃｈ等により米国特許第２，８７６，１６０号に記載さ
れている。

【００３７】本発明の範囲内の好適な加水分解ガムとし
ては、アラビアガム、ラーチガム、ペクチン、トラガカ
ントガム、イナゴマメガム、グアーガム、アルジネー
ト、カラジーナン、カルボキシメチルセルロースのよう
なセルロースガム、及びカラヤガムが挙げられる。

【００３８】本発明に適した修飾デンプンは、０．２５
〜約２０、好ましくは５〜１５のデキストロース当量を
有する。

【００３９】９５までのデキストロース当量を有する広
範囲のデンプン加水分解物も有用である。近年まで、マ
ルトデキストリン及びデキストリンとも呼ばれるこれら
のデンプン加水分解物は、酸加水分解により種々のデン
プンから生成された。この酸法から生じる加水分解物
は、水に完全に溶解するわけではなく、元のデンプンを
含有する。好適なデンプンは、トウモロコシ、ｗａｘｙ
ｍａｉｚｅ、タピオカ等から得られる。

【００４０】香料組成物乳化性混合物の香料組成物は、不溶性であるが水分散性
であり、揮発性又は不揮発性である油組成物を特徴とす
る。マイクロカプセルを用いる製品に芳香を付与するた
めには、香料組成物を混合する必要がある。例えば、タ
ンブル乾燥機シートは、清潔さ及びさわやかな洗濯物の
感じを付与するために、レモンの香り、木の香り、ブー
ケの香り等を混入する。

【００４１】Ｈｏｏｐｅｒによる米国特許第４，１３
４，８３８号及び第４，３２２，３０８号（その記載内
容は、参照により本明細書中に含めるものとする）に記
載の消臭剤組成物は、本発明の範囲内で利用し得る。

【００４２】マイクロカプセルの水溶性ポリマーを少な
くとも一部溶解することにより、香料はマイクロカプセ
ルから放出されて、繊維製品上に沈着する。芳香物質は
暴露又は放出粒子から拡散する。次に、温度を粒子に適
用すると、蝋が事実上溶融して、香料拡散速度が促進さ
れる。

【００４３】好ましい態様では、乾燥周期の終わりに洗
濯繊維製品中に残存する水は、主としてタンブル乾燥機
中の機械的作用により繊維製品上に沈着したマイクロカ
プセルの水溶性ポリマーを事実上溶解する。その後、乾
燥機内の温度が約４０℃から上は６０〜９０℃まで上が
ると、沈着粒子の蝋が事実上溶融して、乾燥周期の終わ
りに繊維製品上に芳香物質を放出する。本発明の範囲内
では、熟練した職人は、周期の終期の多量の芳香物質の
放出を制御するためにより高い融点を有する蝋を洗濯す
ると理解すべきである。

【００４４】本発明の別の態様では、マイクロカプセル
は、乾燥繊維製品上へのマイクロカプセルの沈着、並び
に蒸気及び高温を用いてアイロンをかける際だけの芳香
物質の放出を提供するよう処理し得る。消費者が着用す
る間に芳香物質を放出するよう、発汗及び体温を用いて
もよい。これは消臭剤を用いて粒子を生成する場合の特
殊な態様である。

【００４５】方法複合マイクロカプセルは、噴霧乾燥及び水性分散系によ
り調製される。水性分散系は、蝋物質と芳香性油を一緒
に乳化して乳化混合物を生成することにより、攪拌機、
温度制御装置、及び冷却器を装備した反応器内で生成さ
れる。反応器を加熱し、蝋物質及び香料が溶融して滑ら
かな均質溶液を生じるまで、ある温度に保持する。次
に、均質溶液に水を添加して、水性蝋／香料乳濁液を生
成する。次に乳濁液を冷却し、水溶性ポリマーを添加し
て、安定乳濁液を生成し、これを噴霧乾燥して、蝋物質
及び香料の粒子を含有する固体マイクロカプセルを生成
する。

【００４６】界面活性剤が望ましい場合は、反応器中の
乳化混合物に添加する。

【００４７】タンブル乾燥機製品生成された複合マイクロカプセルを有効量の繊維コンデ
ィショニング組成物と混合し、計量分配手段上に被覆し
て、タンブル乾燥機製品を生成する。このような製品は
タンブル乾燥機内の繊維製品をコンディショニングし、
心地よい芳香を付与する。繊維コンディショニング組成
物は、約３５℃〜約１５０℃という好ましい融点（又は
軟化点）を有する。

【００４８】ある態様では、約０．５％〜約８０％の複
合マイクロカプセルを、好ましくは約１％〜約２０％、
最も好ましくは約２％〜約１０％のマイクロカプセル
を、コンディショニング組成物と混合する。芳香物質は
マイクロカプセル中に混入されるため、製造、保存及び
使用中に失われる芳香物質は、慣用的方法により並びに
当業界の他の封入技法により混入される芳香物質を含有
するシート上で有意に低減する。

【００４９】本発明に用い得る繊維コンディショニング
組成物を、タンブル乾燥機内で繊維コンディショニング
組成物を有効に放出する計量分配手段上に被覆する。こ
のような計量分配手段は一回使用又は多数回使用用とし
て設計される。このような多数回使用製品の１つは、数
回の乾燥周期中に有効な繊維柔軟剤を付与するのに十分
なコンディショニング組成物を放出可能なように密閉す
るスポンジ物質を包含する。この多数回使用製品は、多
孔性スポンジを組成物で充填して製造する。使用に際し
て、組成物は溶融し、スポンジの孔を通って濾し出さ
れ、繊維を柔軟にし、コンディショニングする。このよ
うな充填スポンジを用いて、常用乾燥機で数回の洗濯量
の繊維製品を処理し得るし、使用後に乾燥機内に残留し
て、他の場所に行ったり無くなったりしないと思われる
という利点を有する。

【００５０】別の製品は、組成物を放出可能なように密
閉し、混合物の硬化栓で密封される布又は紙袋を包含す
る。乾燥機の作用及び熱により袋が開いて、組成物が放
出されて、その軟化が実行される。

【００５１】非常に好ましい製品は、紙、あるいは織布
又は不織布基質のシートのような柔軟性支持体に放出可
能なように添付される柔軟剤及び相溶性オルガノシリコ
ーンを含有する組成物を包含する。このような製品を自
動洗濯物乾燥機に入れると、乾燥機の熱、湿度、分配
力、及びタンブリング作用により支持体から組成物が取
り出され、繊維製品上に沈着される。

【００５２】シート配座はいくつかの利点を有する。例
えば、慣用的乾燥機に使用するための有効量の組成物
は、簡単な浸漬又はパジング法によりシート支持体上及
び中に容易に吸着される。したがって、末端使用者は繊
維の柔軟性及び他の利点を得るのに必要な組成物の量を
量る必要がない。さらに、シートの平らな形状は、広い
表面積を提供し、このため、乾燥機のタンブリング作用
により繊維製品上に本物質が有効に放出及び分布され
る。

【００５３】本製品に用いる支持体は、密な、あるいは
より好ましくは開放又は多孔性構造を有する。本明細書
中で支持体として用い得る好適な物質の例としては、
紙、織布、及び不織布が挙げられる。“布”という用語
は、本明細書中では、自動乾燥機内で乾燥される衣類繊
維製品を包含する“繊維”という用語と区別して、メー
カーの製品用の織布又は不織布支持体を意味する。

【００５４】ほとんどの物質がある程度まで液体物質を
吸収し得ることは公知である；しかしながら、“吸収
剤”という用語は、本明細書中で用いる場合は、水の重
量の４〜１２倍、好ましくは５〜７倍の吸収容量（即
ち、液体を取り込む及び保持する支持体の能力を示すパ
ラメーター）を有する支持体を意味する。

【００５５】支持体が発泡プラスチック物質である場
合、吸収容量は好ましくは１５〜２２の範囲であるが、
しかしある種の特殊な発泡体は、４〜１２の範囲の吸収
容量を有し得る。

【００５６】吸収容量値の測定は、米国連邦規格Ｕ．
Ｓ．ＦｅｄｅｒａｌＳｐｅｃｉｆｉｃａｔｉｏｎ（Ｕ
Ｕ−Ｔ−５９５ｂ）に記載された容量試験手順を用い
て、それに以下のような修正を加えて、実施する：１．蒸留水の代わりに水道水を用いる；２．検体を、３分ではなく３０秒間浸漬する；３．排水時間は１分ではなく１５秒間とする；そして４．折返し縁付き皿を有する捩り秤で直ちに検体を計量
する。

【００５７】次に、上記の規格で示された式によって、
吸収容量値を算出する。この試験に基づけば、１層の密
な漂白紙（例えば、約３２ポンド／３，０００平方フィ
ートの基礎重量を有するクラフト紙又は接着紙）は、
３．５〜４の吸収容量を有する；市販の家庭用１層タオ
ルペーパーは、５〜６の値を有する；市販の２層家庭用
タオルペーパーは、７〜約９．５の値を有する。

【００５８】本明細書中の本発明の支持体として用い得
る好適な物質としては、他には、スポンジ、紙並びに織
布及び不織布が挙げられるが、これらはすべて上記の必
要な吸収要件を有する。

【００５９】好ましい不織布支持体は一般に、ウェブ又
はカード化繊維構造（この場合、繊維の長さはカード化
させるのに適している）を有するか、又は繊維又はフィ
ラメントがでたらめに、又は無作為配列で（即ち、しば
しば存在する場合には繊維の部分的配位、並びに完全に
でたらめな分布配位）、あるいは事実上整列して分布さ
れる繊維マットを包含する接着結合繊維又はフィラメン
ト製品として限定される。繊維又はフィラメントは天然
（ウール、絹、ジュート、麻、木綿、リネン、サイザル
麻、又はラミー）、あるいは合成（レーヨン、セルロー
スエステル、ポリビニル誘導体、ポリオレフィン、ポリ
アミド、又はポリエステル）のものである。

【００６０】好ましい吸収特性は、不織布を用いて得る
のが特に容易であって、単に布の厚みを厚くすることに
より、即ち複数のカード化ウェブ又はマットを必要な吸
収特性を得るのに適した厚さに重ねることにより、ある
いは十分な厚さの繊維をスクリーン上に沈着させること
により提供される。布の厚みを布の吸収容量に直接関連
させ、さらに不織布を、交差又は毛管作用により組成物
に含浸するのに特に適したものにするのは、各繊維間の
自由空間であるために、ある直径又はデニールの繊維
（一般に約１０デニールまで）が用いられる。したがっ
て、要求される吸収容量を得るのに必要な任意の厚さを
用い得る。

【００６１】組成物用の支持体がスクリーン上にでたら
めに又は無作為配列で沈着する繊維から作られる不織布
である場合、製品はあらゆる方向に優れた強度を示し、
自動衣類乾燥機中で用いた場合に引裂又は分離しにく
い。

【００６２】好ましくは、不織布は、水撚り又は空気撚
りであって、セルロース系繊維から、特に再生セルロー
ス又はレーヨンから作られる。このような不織布は、任
意の標準布地油剤で滑らかにする。好ましくは、繊維は
長さ５ｍｍ〜５０ｍｍで、１．５〜５デニールである。
好ましくは、繊維は少なくとも一部はでたらめに配位さ
れ、疎水性又は事実上疎水性のバインダー樹脂と一緒に
接着結合される。好ましくは、布は約７０重量％の繊維
及び３０重量％のバインダー樹脂ポリマーを包含し、約
１８〜４５ｇ／ｍ²の基礎重量を有する。

【００６３】吸収支持体に繊維コンディショニング組成
物を塗布する場合、吸収支持体に含浸される又はそれを
被覆する量は、総コンディショニング組成物対乾燥未処
理支持体（繊維＋結合剤）の比を基礎にして約１０：１
〜０．５：１の範囲の重量比が便利である。好ましく
は、コンディショニング組成物の量は、乾燥未処理支持
体の重量の約５：１〜約１：１、最も好ましくは約３：
１〜１：１の範囲である。

【００６４】本発明の好ましい態様によれば、グラビア
アプリケーターロール上を通過させて、乾燥機シート支
持体を被覆する。このロールを通過する際に、約１２．
５ｇ／ｍ²のレベルで角皿に入れられた溶融繊維柔軟組
成物の薄い均一層でシートが被覆される。次に、冷却ロ
ール上を支持体が通過すると、溶融柔軟組成物は固化す
る。この種のアプリケーターは、シートの均一均質コテ
ィングを得るために用いる。

【００６５】液化組成物の塗布後、組成物が事実上固化
するまで製品を室温に保つ。その結果生じた、上記の組
成物支持体比で製造された乾燥製品は、依然として柔軟
である；シート製品は、ロールで包装するのに適してい
る。シート製品は任意にスリットし又は押抜きして、所
望により製造工程中の任意の便利な時点で、不粘着性面
を提供し得る。

【００６６】本発明に用いる繊維コンディショニング組
成物は、１つずつ又は互いに混合して用い得るある種の
繊維柔軟剤を含む。

【００６７】繊維柔軟剤成分本発明で用いるのに適した繊維柔軟剤は、下記の種類の
化合物から選択される：（ｉ）陽イオン第四アンモニウム塩。対イオンはメチル
の硫酸塩又は任意のハロゲン化物であって、本発明の乾
燥機添加製品には硫酸メチルが好ましい。陽イオン第四
アンモニウム塩の例を以下に示すが、これらに限定され
ない：（１）少なくとも２つのＣ_8-30、好ましくはＣ_12-22ア
ルキル鎖を有する非環状第四アンモニウム塩：例えば、
ジ獣脂ジメチルアンモニウムメチルスルフェート、ジ
（水素化獣脂）ジメチルアンモニウムメチルスルフェー
ト、ジステアリルジメチルアンモニウムメチルスルフェ
ート、ジココジメチルアンモニウムメチルスルフェート
等；（２）イミダゾリニウム型の環状第四アンモニウム塩、
例えばジ（水素化獣脂）ジメチルイミダゾリニウムメチ
ルスルフェート、１−エチレン−ビス（２−獣脂−１−
メチル）イミダゾリニウムメチルスルフェート等；（３）ジアミド第四アンモニウム塩：例えば、メチル−
ビス（水素化獣脂アミドエチル）−２−ヒドロキシエチ
ルアンモニウムメチルスルフェート、メチルビス（獣脂
アミドエチル）−２−ヒドロキシプロピルアンモニウム
メチルスルフェート等；（４）生物分解性第四アンモニウム塩、例えばＮ，Ｎ−
ジ（タロウオイル−オキシ−エチル）−Ｎ，Ｎ−ジメチ
ルアンモニウムメチルスルフェート、及びＮ，Ｎ−ジ
（タロウオイル−オキシ−プロピル）−Ｎ，Ｎ−ジメチ
ルアンモニウムメチルスルフェート。繊維コンディショ
ニング組成物が生物分解性第四アンモニウム塩を用いる
場合、組成物のｐＨは、好ましくは約２〜約５に調整す
る。生物分解性第四アンモニウム塩は、例えば米国特許
第４，１３７，１８０号、第４，７６７，５４７号、及
び第４，７８９，４９１号に記載されている。

【００６８】（ｉｉ）少なくとも１つ、好ましくは２つ
のＣ₈〜Ｃ₃₀、好ましくはＣ₁₂〜Ｃ₂₂アルキル鎖を有す
る第三脂肪アミン。その例としては、硬化獣脂アミン、
及び環状アミン、例えば１−（水素化獣脂）アミドエチ
ル−２−（水素化獣脂）イミダゾリンが挙げられる。本
発明の組成物のために用い得る環状アミンは、米国特許
第４，８０６，２５５号に記載されている。

【００６９】（ｉｉｉ）１分子当たり８〜３０個の炭素
原子及び１個のカルボキシル基を有するカルボン酸。ア
ルキル部分の炭素原子数は８〜３０個、好ましくは１２
〜２２個である。アルキル部分は直鎖又は分枝鎖で、飽
和又は不飽和であって、直鎖飽和アルキルが好ましい。
本発明の組成物に用いるためには、ステアリン酸が好ま
しい脂肪酸である。これらのカルボン酸の例としては、
少量の他の酸を含有する商用銘柄のステアリン酸等があ
る。

【００７０】（ｉｖ）ソルビタンエステル又はステアリ
ン酸グリセロールのような多価アルコールのエステル。
ソルビタンエステルは、ソルビトール又はイソソルビト
ールとステアリン酸のような脂肪酸との縮合物質であ
る。好ましいソルビタンエステルはモノアルキルであ
る。ソルビタンエステルの一般的な例は、ソルビタンと
ステアリン酸イソソルビトールの混合物であるＳＰＡＮ
６０（ＩＣＩ）である。

【００７１】（ｖ）脂肪アルコール、エトキシル化脂肪
アルコール、アルキルフェノール、エトキシル化アルキ
ルフェノール、エトキシル化脂肪アミン、エトキシル化
モノグリセリド、及びエトキシル化ジグリセリド。

【００７２】（ｖｉ）鉱油、及びポリエチレングリコー
ルのようなポリオール。

【００７３】これらの柔軟剤は、米国特許第４，１３
４，８３８号にさらに限定的に記載されている。本発明
で用いるのに好ましい繊維柔軟剤は、非環状第四アンモ
ニウム塩であって、本発明の乾燥機製品には、ジ（水素
化）獣脂ジメチルアンモニウムメチルスルフェートが最
も好ましい。特に好ましいのは、ジ（水素化）獣脂ジメ
チルアンモニウムメチルスルフェートと脂肪酸、特にス
テアリン酸との混合物である。

【００７４】シート上の繊維柔軟組成物の量は、繊維柔
軟成分の、例えば年度及び融点のような正常コーティン
グパラメーターに依存し、一般的には約０．５ｇ〜約５
ｇ、好ましくは約１ｇ〜約３．５ｇである。

【００７５】任意の成分としては、増白剤又は蛍光剤、
着色剤、殺菌剤、及び殺細菌剤が挙げられる。

【００７６】以下の実施例で本発明の態様ををさらに説
明する。本明細書中及び請求の範囲で示される部、百分
率及び割合はすべて、別記しない限り、重量である。

【００７７】

【実施例】

実施例１ポリビニルアルコール溶液中に分散された自己乳化性
蝋、非自己乳化性蝋、及び香料混合物の配合物を含有す
る乳濁液を、以下の工程により調製した。２０ｇの自己
乳化性ＤｕｒｏｘｏｎＪ−３２４蝋（融点１０５〜１
１５℃，Ｄｕｒａｃｈｅｍ），２０ｇの非自己乳化性Ｕ
ｎｉｌｉｎ７００蝋（融点１１０℃，Ｐｅｔｒｏｌｉ
ｔｅ）、０．５０ｇの水酸化カリウム、及び２０ｇの脱
イオン水を、攪拌機、温度調節器、及び冷却器を装備し
た５００ｍｌ反応器に入れた。反応器を加熱し、蝋が溶
融して滑らかな均一溶液を生じるまで１００℃に保持し
た。１６ｇの沸騰脱イオン水を溶融水混合物に徐々に添
加し、無色透明溶液が観察されるまで１００℃に保持し
た。この後、４４ｇの香料（Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａ
ｌＦｌａｖｏｕｒｓ＆Ｆｒａｇｒａｎｃｅｓ）を
１００℃の蝋混合物に徐々に添加して蜂蜜様粘性溶液を
生じた。次に、８０ｇの沸騰脱イオン水を反応器に添加
して、乳状蝋／香料混合乳濁液を生成した。この乳濁液
に、１３６ｇのポリビニルアルコール溶液（分子量２，
０００，１７．６％固体）を添加し、乳濁液を水浴で４
０〜５０℃に冷却して、安定乳濁液を生成した。その結
果生じた乳濁液を、ＹａｍａｔｏＧＡ３１ミニ噴霧
乾燥機を用いて１２０℃入口空気温度で噴霧乾燥して、
４０％の香料を有するマイクロカプセルを生成した。

【００７８】実施例２ポリビニルアルコール溶液中に分散された自己乳化性蝋
及び香料の配合物を含有する乳濁液を、以下のように調
製した。攪拌機、温度調節器、及び冷却器を装備した１
リットルの反応器に、４５ｇの自己乳化性Ｕｎｉｔｈｏ
ｘ４５０蝋（融点９０℃，Ｐｅｔｒｏｌｉｔｅ）を入
れた。反応器を加熱し、蝋がすべて溶融するまで９５℃
に保持した。９０ｇの香料（ＩＦＦ）を５〜８分間に亘
って反応器に徐々に添加して、温度を９０℃に保持し、
透明溶液を生じた。この後、２２２ｇの熱脱イオン水
（９０℃）を溶融蝋と香料の混合物に添加して、乳状乳
濁液を生成した。３９０ｇのポリビニルアルコール溶液
（分子量２，０００，２３．１％固体）を反応器に添加
し、乳濁液を水浴で４０〜５０℃に冷却した。次に、そ
の結果生じた乳濁液を、ＹａｍａｔｏＧＡ３１ミニ
噴霧乾燥機を用いて１５０℃入口空気温度及び７０℃出
口空気温度で噴霧乾燥して、４０％の香料を有するマイ
クロカプセルを製造した。

【００７９】実施例３ポリビニルアルコール溶液中に分散された自己乳化性蝋
及び香料の配合物を含有する乳濁液を、以下のように調
製した。攪拌機、温度調節器、及び冷却器を装備した１
リットルの反応器に、２２．５ｇのＵｎｉｔｈｏｘ４
５０蝋、及び２２．５ｇのジ獣脂ジメチルアンモニウム
メチルスルフェートを入れた。反応器を加熱し、蝋がす
べて溶融するまで９５℃に保持した。９０ｇの香料（Ｉ
ＦＦ）を５〜８分間に亘って反応器に徐々に添加して、
温度を９０℃に保持し、透明溶液を生じた。この後、２
２２ｇの熱脱イオン水（９０℃）を溶融蝋と香料の混合
物に添加して、乳状乳濁液を生成した。３９０ｇのポリ
ビニルアルコール溶液（分子量２，０００，２３．１％
固体）を反応器に添加し、乳濁液を水浴で４０〜５０℃
に冷却した。次に、その結果生じた乳濁液を、Ｙａｍａ
ｔｏＧＡ３１ミニ噴霧乾燥機を用いて１５０℃入口
空気温度及び７０℃出口空気温度で噴霧乾燥して、４０
％の香料を有するマイクロカプセルを製造した。

【００８０】実施例４ポリビニルアルコール溶液中に分散された自己乳化性蝋
び香料の配合物を含有する乳濁液を、以下のように調製
した。攪拌機、温度調節器、及び冷却器を装備した１リ
ットルの反応器に、２２．５ｇのＵｎｉｔｈｏｘ４５
０蝋（融点１１０℃，Ｐｅｔｒｏｌｉｔｅ）を入れた。
反応器を加熱し、蝋がすべて溶融するまで９５℃に保持
した。９０ｇの香料（ＩＦＦ）を５〜８分間に亘って反
応器に徐々に添加して、温度を９０℃に保持して、透明
溶液を生じた。この後、２２２ｇの熱脱イオン水（９０
℃）を溶融蝋と香料の混合物に添加して、乳状乳濁液を
生成した。３９０ｇのポリビニルアルコール溶液（分子
量２，０００，２３．１％固体）を反応器に添加し、乳
濁液を水浴で４０〜５０℃に冷却した。次に、その結果
生じた乳濁液を、ＹａｍａｔｏＧＡ３１ミニ噴霧乾
燥機を用いて１５０℃入口空気温度及び７０℃出口空気
温度で噴霧乾燥して、４０％の香料を有するマイクロカ
プセルを製造した。

【００８１】実施例５疎水性に変性したデンプン溶液中に分散された自己乳化
性蝋び香料の配合物を含有する乳濁液を、以下のように
調製した。攪拌機、温度調節器、及び冷却器を装備した
５００ｍｌの反応器に、３０ｇのＵｎｉｔｈｏｘ４５
０蝋（融点９０Ｃ，Ｐｅｔｒｏｌｉｔｅ）を入れた。反
応器を加熱し、蝋がすべて溶融するまで９５℃に保持し
た。６０ｇの香料（ＩＦＦ）を５〜８分間に亘って反応
器に徐々に添加して、温度を９０℃に保持して、透明溶
液を生じた。この後、９０ｇの熱脱イオン水（９０℃）
を溶融蝋と香料の混合物に添加して、乳状乳濁液を生成
した。１００ｇのＣａｐｓｕｌ溶液（Ｎａｔｉｏｎａｌ
ＳｔａｒｃｈａｎｄＣｈｅｍｉｃａｌＣｏｒ
ｐ．，３０％固体）を反応器に添加し、乳濁液を水浴で
４０〜５０℃に冷却した。次に、その結果生じた乳濁液
を、ＹａｍａｔｏＧＡ３１ミニ噴霧乾燥機を用いて
１２０℃入口空気温度及び６０℃出口空気温度で噴霧乾
燥して、５０％の香料を有するマイクロカプセルを製造
した。

【００８２】カプセルの特徴調製されたカプセルの組成及び特徴を表Ｉに示す。カプ
セルをｎ−ヘキサンで洗浄して、可洗性香料油％を測定
する。２ｇのカプセルをＢｕｃｈｎｅｒ漏斗中に計量す
る。４０ｇのヘキサンを漏斗に添加する。真空をかけて
ヘキサンを除去し、洗浄カプセルを風乾して、一定重量
にする。次に、除去された香料の量とカプセル中に含有
される総油量から可洗油％を算出する。

【００８３】

【表２】

【００８４】実施例６本実施例は、実施例２に記載されているのと同じ方法に
よる香料／蝋マイクロカプセルの製造のための非乳化性
コア物質の混合物を用いて得られた結果の比較を示す。
１９ｇのＣ₃₀アルコール（Ｕｎｉｌｉｎｅ４２５，Ｐ
ｅｔｒｏｌｉｔｅ）を５００ｍｌ反応器に入れた。反応
器を加熱し、蝋がすべて溶融するまで９５℃に保持し
た。１９ｇの香料（ＩＦＦ）を溶融蝋に徐々に添加し
て、温度を９０℃に保持し、透明溶液を生じた。次に、
１１４ｇの熱脱イオン水を反応器に添加した。この添加
後、１５２ｇのポリビニルアルコール溶液（２５％固
体，分子量２，０００）を反応器に添加し、反応器を水
浴で４０℃に冷却した。安定乳濁液を生じる代わりに、
蝋／香料混合物は噴霧乾燥できない大きな凝集体を生じ
ることが観察された。

【００８５】実施例７米国特許第３，０９１，５６７号に記載されている方法
を用いて、蝋及び香料混合物を、変性デンプンＣａｐｓ
ｕｌ（ＮａｔｉｏｎａｌＳｔａｒｃｈａｎｄＣｈ
ｅｍｉｃａｌＣｏｒｐ．）に封入した。Ｃａｐｓｕｌ
は、香料及び風味剤の噴霧乾燥封入用に特に意図された
ｗａｘｙｍａｉｚｅから得られた変性食用デンプンで
ある。４０ｇのＣａｐｓｕｌと１６０ｇの脱イオン水を
５００ｍｌ反応器に添加した。反応器を加熱し、Ｃａｐ
ｓｕｌがすべて溶解するまで９０℃に保持した。同時
に、２０ｇのＵｎｉｌｉｎｅ４２５蝋（Ｐｅｔｒｏｌ
ｉｔｅ）及び２０ｇの香料（ＩＦＦ）を９０℃で溶融す
ることにより、蝋及び香料混合物を調製した。蝋及び香
料混合物を反応器に添加し、９０℃で３０分間Ｃａｐｓ
ｕｌ溶液とともに攪拌した。次に、この結果生じた乳濁
液を水浴で４０℃に冷却した。安定乳濁液を生じる代わ
りに、蝋／香料混合物は噴霧乾燥できない大きな凝集体
を生じることが観察された。

【００８６】実施例８実施例２に記載の方法により、ポリビニルアルコールを
用いてマイクロカプセルを生成した。本実施例では、コ
ア物質は蝋を伴わず、香料のみである。４０ｇの香料
（ＩＦＦ）を１６４ｇのポリビニルアルコール（２４．
５％固体，分子量２，０００）中に乳化して、安定香料
乳濁液を生成した。香料乳濁液を、ＹａｍａｔｏＧＡ
３１ミニ噴霧乾燥機を用いて１２０℃入口空気温度及
び６０℃出口空気温度で噴霧乾燥した。噴霧乳濁液は乾
燥室の壁を密に被覆し、自由流動香料カプセルを製造す
るのに使用できなかった。

【００８７】実施例９：繊維柔軟剤シート調製ポリエステル支持体上に被覆される香料含有繊維柔軟剤
組成物を包含する繊維柔軟剤乾燥機シートを、以下のよ
うに調製した。３６ｇの香料マイクロカプセルと、７０
重量％のジ獣脂ジメチルアンモニウムメチルスルフェー
ト及び３０重量％のＣ_16-18脂肪酸を包含する９００ｇ
の溶融柔軟剤活性物質とを、７５℃で４〜６分間混ぜ合
わせて調製した。添加完了後、溶融柔軟剤活性物質を７
９℃に予め熱した３ローラーＬｙｏｎｓＢｅｎｃｈ
Ｃｏａｔｅｒに移した。次に、溶融柔軟剤活性物質を、
１．６ｇ／シートの被覆重量で９インチ×１１インチポ
リエステル支持体上に被覆した。シート調製には、実施
例２及び実施例３の香料マイクロカプセルを用いた。同
一手順を用いて、４重量％の遊離香料油を含有する柔軟
剤シートを作った。

【００８８】実施例１０本試験は、乾燥後の繊維製品への香料付着性における香
料マイクロカプセル対遊離（非封入）香料油の効率を比
較する。本試験では、６ｌｂｓ．の新たに洗濯した繊
維製品をＫｅｎｍｏｒｅ電気乾燥機（ＬａｄｙＫｅ
ｎｍｏｒｅ）中で４０分乾燥する。乾燥開始時に、９イ
ンチ×１１インチの香料含有繊維柔軟剤シートを衣類の
一番上に置く。試験のために２つの乾燥機を用いる。一
方の乾燥機では、遊離香料油を含有するシートを用い、
他方の乾燥機は香料マイクロカプセルを入れる。乾燥終
了時に、繊維製品を乾燥機から取り出す。処理繊維製品
からの匂いを比較する。評価結果（表ＩＩ）は、総香料
レベルが低い場合でさえ（１．６重量％対４重量％）、
遊離香料油を含有するシートで処理したものより、実施
例２又は実施例３のマイクロカプセルを含有するシート
で処理した繊維製品の方が香料の匂いが強かった、とい
うことを示す。

【００８９】

【表３】

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】（ａ）陽イオン第四アンモニウム塩、少な
くとも１つ及び好ましくは２つのＣ₈〜Ｃ₃₀アルキル基
を有する第三脂肪アミン、１分子当たり８〜３０個の炭
素原子及び１個のカルボキシ基を有するカルボン酸、多
価アルコールのエステル、脂肪アルコール、エトキシル
化脂肪アルコール、アルキルフェノール、エトキシル化
アルキルフェノール、エトキシル化脂肪アミン、エトキ
シル化モノグリセリド、エトキシル化ジグリセリド、鉱
油、ポリオール、及びその混合物から成る群から選択さ
れる繊維柔軟剤を含む有効量の繊維柔軟組成物；（ｂ）各マイクロカプセル物質が約１００℃より低い融
点を有する蝋物質と香料組成物の乳化性混合物の個々の
粒子並びに１００，０００未満の分子量を有する合成ポ
リマー、天然ポリマー、又は変性天然ポリマー、及びそ
の混合物から成る群から選択される水溶性ポリマーから
なり、蝋物質及び香料組成物が水溶性ポリマー中に分散
している噴霧乾燥複合マイクロカプセル；並びに（ｃ）繊維上に繊維柔軟組成物及びマイクロカプセルを
放出するための計量分配手段を含む自動衣類乾燥機中で
繊維をコンディショニングするように適合したタンブル
乾燥機製品。
【請求項２】蝋物質が炭化水素ベースのパラフィン蝋
及び炭化水素ベースの微晶質蝋から成る群から選択され
る請求項１記載のタンブル乾燥機製品。
【請求項３】蝋と芳香性油の乳化性混合物がさらに界
面活性剤を含有する請求項１記載のタンブル乾燥機製
品。
【請求項４】界面活性剤がＣ₁₆、Ｃ₃₀、Ｃ₄₀又はＣ₅₀
の平均炭素鎖長アルコールから得られる非イオン界面活
性剤、陽イオン繊維柔軟成分、又はその混合物である請
求項３記載のタンブル乾燥機製品。
【請求項５】界面活性剤がエトキシル化第一アルコー
ル又は陽イオン繊維柔軟化合物である請求項３記載のタ
ンブル乾燥機製品。
【請求項６】合成ポリマーが、ポリビニルピロリド
ン、水溶性セルロース、ポリビニルアルコール、ポリエ
チレンオキシド、アクリル酸又はメタクリル酸、あるい
はその混合物のホモ−又はコポリマー、無水マレイン酸
エチレンコポリマー、メチルビニルエーテル無水マレイ
ン酸コポリマー、水溶性ポリアミド又はポリエステル、
あるいはその混合物から成る群から選択される物質であ
る請求項１記載のタンブル乾燥機製品。
【請求項７】合成ポリマーがポリビニルピロリドン又
はポリビニルアルコールである請求項６記載のタンブル
乾燥機製品。
【請求項８】天然ポリマーがデンプン、ガム、又はゼ
ラチンである請求項１記載のタンブル乾燥機製品。
【請求項９】各々の複合マイクロカプセルが１００μ
未満の直径を有する請求項１記載のタンブル乾燥機製
品。
【請求項１０】各々のマイクロカプセルが約３〜約１
００μの直径を有する請求項９記載のタンブル乾燥機製
品。
【請求項１１】各々のマイクロカプセルが約３〜約４
０μの直径を有する請求項１０記載のタンブル乾燥機製
品。
【請求項１２】粒子が約５μ未満の平均直径を有する
請求項１記載のタンブル乾燥機製品。
【請求項１３】粒子が約１μ未満の平均直径を有する
請求項１２記載のタンブル乾燥機製品。
【請求項１４】製品が約０．５％〜約８０％の複合マ
イクロカプセルを含む請求項１記載のタンブル乾燥機製
品。
【請求項１５】（ａ）約１００℃未満の融点を有する蝋
物質と芳香性油との乳化性混合物から成る粒子であっ
て、室温で固体又はアシル形態であり、約５μ未満の平
均直径を有する粒子；及び（ｂ）粒子を封入して複合マイクロカプセルを形成する
水溶性ポリマーからなり、それにより、液体と接触した
際にポリマーが溶解し、かつ約１００℃以下の温度で蝋
物質が融解して芳香性油を放出するマイクロカプセルで
あって、噴霧乾燥法によって形成されている、芳香性油
を有する複合マイクロカプセル。
【請求項１６】乳化性混合物が炭化水素ベースのパラ
フィン蝋及び炭化水素ベースの微晶質蝋から成る群から
選択される蝋を含有する請求項１５記載の複合マイクロ
カプセル。
【請求項１７】乳化性混合物がさらに、Ｃ₁₆、Ｃ₃₀、
Ｃ₄₀又はＣ₅₀の平均炭素鎖長アルコールから得られる非
イオン界面活性剤、陽イオン繊維柔軟成分、又はその混
合物から成る群から選択される界面活性剤を含有する請
求項１５記載の複合マイクロカプセル。
【請求項１８】水溶性ポリマーが合成ポリマー、天然
ポリマー、又は変性天然ポリマーである請求項１５記載
の複合マイクロカプセル。
【請求項１９】合成ポリマーが、ポリビニルピロリド
ン、水溶性セルロース、ポリビニルアルコール、ポリエ
チレンオキシド、アクリル酸又はメタクリル酸、あるい
はその混合物のホモ−又はコポリマー、無水マレイン酸
エチレンコポリマー、メチルビニルエーテル無水マレイ
ン酸コポリマー、水溶性ポリアミド又はポリエステル、
あるいはその混合物から成る群から選択される物質であ
る請求項１８記載の複合マイクロカプセル。
【請求項２０】各マイクロカプセルが約３〜約１００
μの直径を有する請求項１５記載の複合マイクロカプセ
ル製品。
【請求項２１】各マイクロカプセルが約３〜約４０μ
の直径を有する請求項２０記載の複合マイクロカプセル
製品。
【請求項２２】粒子が約５μ未満の平均直径を有する
請求項１５記載の複合マイクロカプセル製品。
【請求項２３】蝋物質対芳香性油の比が約１：４〜約
４：１である請求項１５記載の複合マイクロカプセル製
品。
【請求項２４】（ａ）蝋物質及び芳香性油を選択して１
００℃未満の融点を有する乳化性混合物を生成し；（ｂ）水溶性ポリマーを選択し；（ｃ）均質溶液が得られるまで反応器中で乳化性混合物
を溶融し；（ｄ）均質溶液に水を添加して水性乳濁液を生成し；（ｅ）水溶性ポリマーを水性乳濁液に添加し、その結果
生じた混合物を冷却して、安定した乳濁液を生成し；（ｆ）安定乳濁液を噴霧乾燥して、約１００μ未満の直
径を有する複合マイクロカプセルを生成する工程から成
る芳香性油を含有する複合マイクロカプセルの製造方
法。