JP5950946B2 - ノンハロゲン難燃剤、その製造方法、樹脂組成物、成型体及び成型部品 - Google Patents

ノンハロゲン難燃剤、その製造方法、樹脂組成物、成型体及び成型部品 Download PDF

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Description

本発明はノンハロゲン難燃剤とその製造方法、樹脂組成物、成型体及び成型部品に関する。本発明の樹脂組成物は、電気・電子機器の内部ないしは外部配線に使用される絶縁電線、絶縁電線、電気コード自動車用ケーブル、通信用電線、通信用ケーブル、電力用電線、電力用ケーブル、光ファイバコード、光ファイバケーブル、自動車用電線、自動車用ケーブル、自動車車両、鉄道車両、船舶、航空機、産業機材、電子機器、電子部品等に使用される。
従来より絶縁電線・ケーブル・コードや光ファイバ心線、光ファイバコード自動車用電線・ケーブル、自動車車両、鉄道車両、船舶、航空機、産業機材、電子機器、電子部品等には、難燃性、耐熱性、機械特性(例えば、引張特性、耐摩耗性)など種々の特性が要求されている。このため、これらの配線材に使用される被覆材料としては、ポリ塩化ビニル(PVC)コンパウンドや、分子中に臭素原子や塩素原子を含有するハロゲン系難燃剤を配合したポリオレフィンコンパウンドが主として使用されていた。
しかし、これらを燃焼した場合には、被覆材料に含まれるハロゲン化合物から腐食性ガスが発生することがあり、近年、この問題が議論されており、ハロゲン系ガスなどの発生の恐れがないノンハロゲン難燃材料で被覆した難燃樹脂の検討がおこなわれている。ノンハロゲン難燃材料は、ハロゲンを含有しない難燃剤を樹脂に配合することで難燃性を発現させており、種々の樹脂に対して、例えばポリオレフィン系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリエステル系樹脂に難燃剤として水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物を配合した材料が使用されている。このような金属水酸化物は高い難燃性を発現させるためにはハロゲン系難燃剤と比較して大量に配合する必要がある。金属水酸化物として水酸化マグネシウムは難燃効果が比較的高く、ポリオレフィン系樹脂等へのノンハロゲン難燃剤として広く使用されてきた。
さてこのような水酸化マグネシウムを配合した樹脂組成物は酸に対して弱く、例えば酸性雨、排気ガス中に含まれる窒素酸化物等、種々の酸性薬品等により物性が大幅に低下する。そこで水酸化マグネシウムの表面にリン酸エステル等により表面処理する方法が提案されている。しかしリン酸エステルで処理されている水酸化マグネシウムを用いると樹脂組成物の機械的強度は大幅に低下し、またその耐酸性も不十分であった。
また特許文献1(特開平01−320219号公報)は、不定形シリカで表面処理する方法を提案しているが、この方法を用いても耐酸性は不十分であり、さらに耐酸性を向上させようとすると、樹脂組成物の分散性が著しく低下したり、耐水性が悪くなり体積固有抵抗の著しい低下が生じたりする。
また特許文献2(特開2003−253266号公報)は、不定形シリカと種々の表面処理剤の両方で表面処理された水酸化マグネシウム及び樹脂組成物を提案している。不定形シリカとメチルハイドロジェンポリシロキサンの両方で処理された水酸化マグネシウム及びその樹脂組成物も提案されている。しかしこの樹脂組成物も耐酸性は不十分であり、樹脂組成物の機械的強度の低下も大きく、また樹脂分散の面でも課題がある。
上記以外の特許文献として、特許文献3(特開2008−169397号公報)は、水酸化マグネシウムを不定形シリカと、高級脂肪酸、高級脂肪酸アルカリ金属塩、多価アルコール高級脂肪酸エステル、アニオン系界面活性剤、リン酸エステル、シランカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、チタネートカップリング剤、オルガノシラン、メチルハイドロジェンポリシロキサンあるいはオルガノシラザンにより表面処理することを提案している。
特許文献4(特開平10−338818号公報)は、水酸化マグネシウム粒子の表面を、水酸化アルミニウムにより被覆することを提案している。特許文献5(特開2002−285162号公報)は、水酸化マグネシウム粒子を不定形シリカと、SiH基を有するシリコーン化合物とで表面処理することを提案している。しかしながら、特許文献3,4の水酸化マグネシウムを用いた樹脂組成物は耐酸性が不十分である。
特開平01−320219号公報 特開2003−253266号公報 特開2008−169397号公報 特開平10−338818号公報
本発明は、水酸化マグネシウム系難燃剤を含み、かつ耐酸性、耐水性、及び機械的強度に優れた樹脂組成物と成型体、成型体部品を提供することを目的とする。
本発明者らは、水酸化マグネシウム粒子の表面に、SiO2及びアルコキシ変性シリコーン化合物及び/又はその加水分解物を含む被覆層を設けることで、耐酸性、耐水性、及び機械的強度に優れた樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、水酸化マグネシウム粒子と、その表面に形成され、SiO2及びアルコキシ変性シリコーン化合物及び/又はその加水分解物を含む被覆層と、を有するノンハロゲン難燃剤に関する。
本発明において、アルコキシ変性シリコーン化合物とは、アルコキシ基を側鎖及び/又は末端に有するシリコーン化合物である。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられ、2種以上のアルコキシ基が混在していても良い。
シリコーン化合物は、ジメチルシロキサン、ジフェニルシロキサン、メチルフェニルシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサンなどのシロキサンを繰り返し単位として有する化合物であり、これらの化合物の側鎖及び/又は末端の一部又は全部がアルコキシ基で置換されたものが、アルコキシ変性シリコーン化合物として例示される。なかでも無機材料の表面に存在するヒドロキシル基との反応性の観点より、アルコキシ基を側鎖に有するシリコーン化合物が好ましい。
また、アルコキシ変性シリコーン化合物の加水分解物とは、アルコキシ基の一部又は全部が加水分解されて、ヒドロキシル基が生成したものである。
具体的には、前記アルコキシ変性シリコーン化合物の加水分解物として、
RO-(Si-O・CH3・OR)m(Si-O・CH3・OH)n -R (1)
または
HO-(Si-O・CH3・OR)m(Si-O・CH3・OH)n -R (2)
または
HO-(Si-O・CH3・OR)m(Si-O・CH3・OH)n -H (3)
で表されるアルコキシ変性メチルシリコーン化合物などが挙げられる。
ただし、Rはメチル基、エチル基、イソプロピル基の少なくとも一員を示し、m,nは整数で、m≧0、n≧1、m+n=2〜10万である。なお前記のRは一種類の官能基である必要はなく、例えばメチル基とエチル基のように2種以上のアルキル基が混在していても良い。(Si-O・CH3・OR)m(Si-O・CH3・OH)nとの記載は、(Si-O・CH3・OR)mのブロックと(Si-O・CH3・OH)nのブロックとが別々に存在することではなく、(Si-O・CH3・OR)の部分がm個と、(Si-O・CH3・OH)の部分がn個存在することを示している。式(1),(2),(3)の違いは、出発材料のRO-(Si-O・CH3・OR)m+n -R等から加水分解が進行している程度に有る。そして式(1),(2),(3)のいずれのアルコキシ変性メチルシリコーン化合物でも良く、また式(1),(2),(3)の化合物が混在していてもよい。
m+nは好ましくは3〜100で、最も好ましくは3〜15である。なおこの明細書において、〜で範囲を示す場合、上限と下限を含むものとする。また難燃剤での1質量%等は、水酸化マグネシウム100質量%に対して1質量%等を意味する。SiO2含有量は特に限定するものではないが、0.3〜9質量%が好ましく、より好ましくは1〜7質量%、さらに好ましくは1.5〜5質量%とする。SiO2含有量が多すぎると、樹脂への難燃剤の分散性が低下して樹脂組成物等の外観が著しく低下したり、また耐酸性が著しく低下したりする。SiO2含有量が少なすぎると、耐酸性が低下する。アルコキシ変性シリコーン化合物含有量は特に限定するものではないが、同様に0.3〜9質量%が好ましく、より好ましくは1〜7質量%、さらに好ましくは1.5〜5質量%とする。アルコキシ変性シリコーン化合物の含有量が多すぎると、樹脂への難燃剤の分散性が著しく低下すると共に、アルコキシ変性シリコーン化合物中の有機物の揮発による発泡により樹脂組成物等の外観を著し損ね、また耐酸性が低下し、さらにコストアップである。またアルコキシ変性シリコーン化合物の含有量が少なすぎると、耐酸性の効果が低下する。好ましくは水酸化マグネシウム100質量%に対して、SiO2が0.3〜9質量%、アルコキシ変性シリコーン化合物が0.3〜9質量%含有され、より好ましくは水酸化マグネシウム100質量%に対して、SiO2が1〜7質量%、アルコキシ変性シリコーン化合物が1〜7質量%含有され、特に好ましくは水酸化マグネシウム100質量%に対して、SiO2が1.5〜5質量%、アルコキシ変性シリコーン化合物が1.5〜5質量%含有されている。
好ましくはSiO2が第1層目、前記アルコキシ変性シリコーン化合物及び/又はその加水分解物が第2層目として水酸化マグネシウム粒子表面を被覆するが、SiO2と前記のアルコキシ変性シリコーン化合物との混合物により被覆しても良い。
本発明のノンハロゲン難燃剤の製造方法では、水酸化マグネシウム水懸濁液に水溶性の珪素化合物もしくはコロイダルシリカを加えてSiO2被覆層を形成し、次いで、アルコキシ変性シリコーン化合物を用いて、アルコキシ変性シリコーン化合物及び/又はその加水分解物を含む被覆層を形成することができる。SiO2及びアルコキシ変性シリコーン化合物等の混合物により被覆層を形成する場合、水溶性の珪素化合物もしくはコロイダルシリカの水分散液にアルコキシ変性シリコーン化合物を添加して攪拌した混合水分散液を予め調整しておき、これを水酸化マグネシウム水懸濁液に加えて混合被覆層を形成する方法が挙げられる。
具体的な製造方法としては、Mg(OH)2換算で濃度が1〜50g/dLの水酸化マグネシウム水懸濁液に、温度20〜95℃の条件下で、水溶性の珪素化合物を加え、無機酸等の添加により、pH調整(中和)を行ってSiO2被覆層を形成し、次いで温度20〜95℃、pH6〜12の条件下で、アルコキシ変性シリコーン化合物を加えて、アルコキシ変性シリコーン化合物及び/又はその加水分解物を含む被覆層を形成する。あるいは、pH6〜12のコロイダルシリカ水分散液を水酸化マグネシウム水懸濁液に加え、温度20〜95℃で一定時間保つことでSiO2被覆層を形成でき、続いて、アルコキシ変性シリコーン化合物を加えても良い。
その際、アルコキシ変性シリコーン化合物としては、RO-(Si-O・CH3・OR)m+n -Rで表されるアルコキシ変性メチルシリコーン化合物を使用することが好ましい。ただし、Rはメチル基、エチル基、イソプロピル基の少なくとも一員を示し、m,nは整数で、m≧0、n≧1、m+n=2〜10万である。SiO2は水ガラス等として添加しても良く、コロイダルシリカ等として添加しても良い。水ガラスとする際のSi:Naの比は任意である。
アルコキシ変性シリコーン化合物は、例えば、最初(Si-O・CH3・OR)m+n の骨格を有しており、骨格中のORが水と反応して加水分解し、(Si-O・CH3・OR)m(Si-O・CH3・OH)nの骨格に変化する。反応温度は20〜95℃、pHは6〜12が適当で、20℃未満ではアルコキシ変性シリコーン化合物と第1層目のSiO2や下地の水酸化マグネシウム表面との反応が不十分で、95℃を超えると均一な表面処理が難しく、耐酸性が低下する。pHが6未満の場合は、表面処理時に水酸化マグネシウムが完全に溶解消失してしまう。またpHが12超では、表面処理剤であるSiO2やアルコキシ変性シリコーン化合物が水酸化マグネシウムを結合しないため耐酸性が劣る。
用いられる珪素化合物としては、珪酸ナトリウム、珪酸カリウムなどの珪酸塩が挙げられる。また、pH調整のための無機酸としては硫酸、塩酸等が使用でき、pH調整後のpHとしては6〜10が好ましく、6〜9がより好ましい。
また本発明は、樹脂成分100質量%に対して、前記のようなノンハロゲン難燃剤が10〜300質量%含有されている樹脂組成物にある。樹脂成分は、樹脂成分100質量%に対し、30質量%以下の割合で軟化剤、耐酸化剤等の合成樹脂以外の成分を含んでいても良い。本発明のノンハロゲン難燃剤を用いた樹脂組成物、成型体、成型部品では、耐酸性と耐水性及び機械的強度とに優れる。好ましくは、前記樹脂成分100質量%に対して、前記ノンハロゲン難燃剤が120〜300質量%含有されている。また好ましくは、前記樹脂成分はポリオレフィン系樹脂を主成分とする。
本発明はまた、上記の樹脂組成物を用いて成型された成型体、あるいは上記の樹脂組成物を用いて被覆された電線,ケーブル,光ファイバコード,または光ファイバケーブルから成る成型部品にある。
SiO2は水酸化マグネシウムと非常に強い結合を有し、水酸化マグネシウムの酸による劣化を抑えることができ、特に酢酸等の有機酸への効果が高い。その一方でSiO2で完全に水酸化マグネシウムの表面を覆うと、水酸化マグネシウムの樹脂に対する分散性が大幅に低下し、均一に分散した樹脂組成物を得ることは不可能である。一方で式(1)等に示すアルコキシ変性シリコーン化合物は撥水性を有し、酸物質を水酸化マグネシウム表面に近づけない働きを有する。また式(1)等で示されるアルコキシ変性シリコーン化合物は、メチルハイドロジェンシリコーン等の他のオルガノシロキサン化合物よりも強く水酸化マグネシウムと結合するので、耐酸性を著しく向上させる。これは式(1)等のアルコキシ変性シリコーン化合物が水酸化マグネシウムと加水分解反応して結合するためである。さらに式(1)等で示されるアルコキシ変性シリコーン化合物は、有機酸に対しても無機酸に対しても耐酸性を向上させ、特に無機酸に対する効果が大きい。
SiO2は水に接すると水を内部に包含する性質を有しており、したがってSiO2で表面処理された水酸化マグネシウムは耐水性が非常に悪く、組成物を水に浸堰されると体積固有抵抗が大幅に低下するような問題があった。しかし式(1)等のアルコキシ変性シリコーン化合物は水酸化マグネシウムと強く結合し、撥水性を有するため、樹脂組成物等の耐水性を向上させる。
ノンハロゲン難燃剤には、第3成分による表面処理を追加できる。これらの処理材料は、本発明の効果を逸脱しない物質と量に限定される。追加して処理される材料としては、前記以外の変性シリコーン化合物、種々のシランカップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、チタネート系カップリング剤や脂肪酸系材料、リン酸エステル、或いはアルミナ、チタニア、ジルコニア等で処理することができる。これらの処理剤の量は、特には限定しないが水酸化マグネシウム100質量%に対して通常0.05〜7質量%程度である。
本発明の樹脂組成物は、樹脂に上記のノンハロゲン難燃剤を分散することによって得られ、成型体は樹脂組成物を成型機によって成型することによって得られる。このようなノンハロゲン難燃剤は、通常樹脂中に樹脂成分100質量%に対して10〜400質量%加えられる。耐酸性の効果を非常に大きく達成できる範囲としては特には限定しないが、好ましくは樹脂成分100質量%中50〜350質量%、さらに好ましくは120〜300質量%である。あまりノンハロゲン難燃剤の量が多いと樹脂物性に劣化が生じたり、均一分散しづらくなり、耐酸性が悪くなる。
ノンハロゲン難燃剤を加えて樹脂組成物を形成しうる樹脂は、熱可塑性樹脂、熱硬化樹脂などがあり、特に熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン系エラストマー、ポリブタジエン、イソプレン、エチレンープロピレン系ゴム、エチレン−プロピレン系ゴム等のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル、ポリアミド及びそのエラストマー、ポリウレタン、変性PPO、変性PPEやポリスチレン、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ゴムなどがあげられる。これらの中でもポリオレフィンやポリエステル、ポリアミドのエラストマーが好ましいが、熱可塑性樹脂の種類は任意である。
本発明においてノンハロゲン難燃剤樹脂を分散させた樹脂組成物には、他のノンハロゲン難燃剤を併用できる。併用できる量は、質量を単位として、例えば全体のノンハロゲン難燃剤の2/3以下、好ましくは1/2以下である。本発明においてノンハロゲン難燃剤樹脂を分散させた樹脂組成物には、それぞれ必要に応じて各種の添加剤を配合することができる。それらの添加剤としては、例えば難燃剤、老化防止剤、耐候剤、銅害防止剤、熱安定剤、可塑剤、潤滑剤、滑剤、充填剤、着色剤、相溶化剤、耐電防止剤、発泡剤、架橋剤、架橋助剤など種々の添加剤があげられる。またこれらの添加剤は1種及び2種以上配合しても良い。
このような本ノンハロゲン難燃剤を熱可塑性樹脂に分散させる方法としては。例えばロール混練機、バンバリーミキサー、ニーダー、単軸混練機、2軸混練機によって混合される。また成型体は本ノンハロゲン難燃剤を分散させ又は分散させつつ、押出成型機、射出成型機、ブロー成型機、プレス成型機、カレンダー成型機等、積層成型等で成型される。また得られた樹脂組成物や成型体は加熱処理又は電子線、紫外線処理等の種々の方法で架橋反応を施してもよい。架橋方法としては化学架橋法、電子線架橋、シラン架橋法などがあげられる。
以下にこの発明の最適実施例を示し、実施例は特許請求の範囲を限定するものではない。
(難燃剤aの製造 実施例)
100L容量のポリエチレン製容器に3.8N−HCl溶液を67L入れ、攪拌下に汎用水酸化マグネシウム(以下、「Mg(OH)2」とも記載する)粉末7.4kgを少量ずつ全量加えて溶解しろ過した。なおHClとMg(OH)2は当量で溶解させており、ろ別して得られた人工MgCl2溶液をEDTA滴定法で定量分析した結果、MgCl2濃度で170g/Lであった。この人工MgCl2溶液を44L分取し、これに8.3N−NaOH溶液17Lを攪拌下にゆっくりと添加し(Mg2+とOHのモル数比は1:1.8)、4.1kgのMg(OH)2を析出させた。さらに純水を加え、67Lのサスペンジョンを調製した。このサスペンジョンを100L容量のハステロイC-276製接液部を有するオートクレーブ内に流し込み、攪拌下に190℃で5時間の水熱処理を行った。
水熱処理後のスラリーをろ過後、固形分に対し20倍容量以上の純水で充分洗浄した。その後、再び純水に戻し、Mg(OH)2固形分濃度として100g/Lの乳化スラリーを調整した。この乳化スラリー33Lを70L容量のSUS316製容器に採取し(Mg(OH)2固形分質量として100g相当)、攪拌しながら80℃になるまでスラリーを加温した。スラリー温度を80℃に維持したままで攪拌下に、3号ケイ酸ソーダ溶液(三輪化学工業株式会社製,溶液中のSiO2濃度は29質量%)を、Mg(OH)2固形分質量に対しSiO2換算で3質量%添加した後、10質量%濃度に調整した硫酸水溶液を約1時間かけてpH9.0になるまで滴下後、80℃で30分間の熟成を行って不定形シリカを粒子表面に生成させた。続いて、メトキシ変性メチルシリコーン(信越化学工業株式会社製,商品名:AFP-1)を、Mg(OH)2固形分質量に対し3質量%添加した後、80℃で1時間の表面処理を行った。
添加時のメトキシ変性メチルシリコーンは化学式が、
RO-(Si-O・CH3・OR)m+n -R (4)
で表され、表面処理の過程で加水分解されて、式(1),(2)または(3)の化合物に変化する。
m≧0、n≧1であり、m+nは約7で,m+nが3〜15の範囲では特性は同等で、m+nはより広くは3〜100の範囲で変化させることができ、m+nは最も広くは2以上10万以下とする。Rはメチル基であるが、エチル基またはイソプロピル基でもよく、メチル基の場合はメトキシ基を、エチル基の場合はエトキシ基を、イソプロピル基の場合はイソプロポキシ基を構成する。m=0、n=1で、m+nが1の場合、メチルトリメトキシシランとなるが、これはメトキシ変性メチルシリコーンとは異なる物質で、水酸化マグネシウム粒子表面を被覆した際の特性もこの発明とは異なる。メトキシ変性メチルシリコーン中のOH基は第1層目のSiO2あるいは下地の水酸化マグネシウム粒子表面との結合を担い、OH基を水素原子により置換すると、ノンハロゲン難燃剤の耐酸性が低下する。なおSi原子にメチル基ではなく、プロピル基、デシル基等の大形のアルキル基を結合させると、ノンハロゲン難燃化剤とした際の耐酸性が不足する。
表面処理後に真空ろ過を行い、Mg(OH)2固形分質量に対し5倍容量以上の純水で洗浄した。洗浄後に乾燥、粉砕してMg(OH)2の粉末(本発明の難燃剤a)を得た。表面処理の過程で硫酸滴下(pH調整)によってSiO2が生成する。生成した不定形シリカは全量水酸化マグネシウム表面に付着して第1層目の被覆層となり、アルコキシ変性メチルシリコーンの皮膜が第2層目として生成した。
(難燃剤bの製造 実施例)
Mg(OH)2固形分質量に対し、3号ケイ酸ソーダ溶液をSiO2換算で5質量%、および、メトキシ変性メチルシリコーンを5質量%添加した以外は、難燃剤aと同様にして難燃剤bを製造した。
(難燃剤cの製造 実施例)
Mg(OH)2固形分質量に対し、3号ケイ酸ソーダ溶液をSiO2換算で0.3質量%、および、メトキシ変性メチルシリコーンを3質量%添加した以外は、難燃剤aと同様にして難燃剤cを製造した。
(難燃剤dの製造 実施例)
Mg(OH)2固形分質量に対し、3号ケイ酸ソーダ溶液をSiO2換算で3質量%、および、メトキシ変性メチルシリコーンを0.3質量%添加した以外は、難燃剤aと同様にして難燃剤dを製造した。
(難燃剤eの製造 実施例)
Mg(OH)2固形分質量に対し、3号ケイ酸ソーダ溶液をSiO2換算で1質量%、および、メトキシ変性メチルシリコーンを7質量%添加した以外は、難燃剤aと同様にして難燃剤eを製造した。
(難燃剤fの製造 実施例)
Mg(OH)2固形分質量に対し、3号ケイ酸ソーダ溶液をSiO2換算で7質量%、および、メトキシ変性メチルシリコーンを1.5質量%添加した以外は、難燃剤aと同様にして難燃剤fを製造した。
(難燃剤gの製造 実施例)
Mg(OH)2固形分質量に対し、3号ケイ酸ソーダ溶液をSiO2換算で1.5質量%、および、メトキシ変性メチルシリコーンを7質量%添加した以外は、難燃剤aと同様にして難燃剤gを製造した。
(難燃剤hの製造 実施例)
Mg(OH)2固形分質量に対し、3号ケイ酸ソーダ溶液をSiO2換算で1質量%、および、メトキシ変性メチルシリコーンを0.3質量%添加した以外は、難燃剤aと同様にして難燃剤hを製造した。
(難燃剤iの製造 実施例)
Mg(OH)2固形分濃度として100g/Lの乳化スラリー33Lを70L容量のSUS316製容器に採取し(Mg(OH)2固形分質量として100g相当)、攪拌しながら80℃になるまでスラリーを加温した。スラリー温度を80℃に維持したままで攪拌下に、3号ケイ酸ソーダ溶液(三輪化学工業株式会社製,溶液中のSiO2濃度は29質量%)を、Mg(OH)2固形分質量に対しSiO2換算で2質量%添加した後、10質量%濃度に調整した硫酸水溶液を約1時間かけてpH9.0になるまで滴下後、80℃で30分間の熟成を行って不定形シリカを粒子表面に生成させた。続いて上記のメトキシ変性メチルシリコーン化合物(信越化学工業株式会社製,商品名:AFP-1)を、Mg(OH)2固形分質量に対し2質量%添加した後、80℃で1時間攪拌した。さらに、酢酸でpH3.0に調整した0.5wt%のビニルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製,商品名:KBM-1003)水溶液を、Mg(OH)2固形分質量に対しビニルトリメトキシシランが0.6質量%となるように添加した後、80℃で8時間攪拌して表面処理を行った以外は、難燃剤aと同様にして難燃剤iを製造した。
(難燃剤jの製造 実施例)
Mg(OH)2固形分質量に対し、3号ケイ酸ソーダ溶液をSiO2換算で2質量%、メトキシ変性メチルシリコーンで2質量%、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製,商品名:KBM-503)を0.6質量%添加した以外は、難燃剤iと同様にして難燃剤jを製造した。
(難燃剤kの製造 実施例)
Mg(OH)2固形分質量に対し、3号ケイ酸ソーダ溶液をSiO2換算で9質量%、および、メトキシ変性メチルシリコーンを9質量%添加した以外は、難燃剤aと同様にして難燃剤kを製造した。
(難燃剤lの製造 比較例)
Mg(OH)2固形分質量に対し、3号ケイ酸ソーダ溶液をSiO2換算で3質量%のみで添加した以外は、難燃剤aと同様にして難燃剤lを製造した。
(難燃剤mの製造 比較例)
Mg(OH)2固形分質量に対し、3号ケイ酸ソーダ溶液をSiO2換算で0.3質量%のみで添加した以外は、難燃剤aと同様にして難燃剤mを製造した。
(難燃剤oの製造 比較例)
Mg(OH)2固形分質量に対し、3号ケイ酸ソーダ溶液をSiO2換算で9質量%のみで添加した以外は、難燃剤aと同様にして難燃剤oを製造した。
(難燃剤pの製造 比較例)
Mg(OH)2固形分質量に対し、3号ケイ酸ソーダ溶液をSiO2換算で3質量%、および、メチルハイドロジェンシリコーン(信越化学工業株式会社製,商品名:KF-99)を1質量%添加した以外は、難燃剤aと同様にして難燃剤pを製造した。
(難燃剤qの製造 比較例)
Mg(OH)2固形分質量に対し、3号ケイ酸ソーダ溶液をSiO2換算で3質量%、および、メチルハイドロジェンシリコーン(信越化学工業株式会社製,商品名:KF-99)を5質量%添加した以外は、難燃剤aと同様にして難燃剤qを製造した。
(難燃剤rの製造 比較例)
Mg(OH)2固形分質量に対し、3号ケイ酸ソーダ溶液をSiO2換算で3質量%、および、メチルハイドロジェンシリコーン(信越化学工業株式会社製,商品名:KF-99)を3質量%添加した以外は、難燃剤aと同様にして難燃剤qを製造した。
(難燃剤sの製造 比較例)
Mg(OH)2固形分濃度として100g/Lの乳化スラリー33Lを70L容量のSUS316製容器に採取し(Mg(OH)2固形分質量として100g相当)、攪拌しながら80℃になるまでスラリーを加温した。スラリー温度を80℃に維持したままで攪拌下に、3号ケイ酸ソーダ溶液(三輪化学工業株式会社製,溶液中のSiO2濃度は29質量%)を、Mg(OH)2固形分質量に対しSiO2換算で1質量%添加した後、10質量%濃度に調整した硫酸水溶液を約1時間かけてpH9.0になるまで滴下後、80℃で30分間の熟成を行って不定形シリカを粒子表面に生成させた。続いて、80℃に調整した3wt%のステアリル燐酸エステルナトリウム水溶液を、Mg(OH)2固形分質量に対しステアリル燐酸エステルが3質量%となるように添加した後、80℃で1時間攪拌して表面処理を行った以外は、難燃剤aと同様にして難燃剤sを製造した。
(難燃剤tの製造 比較例)
Mg(OH)2固形分濃度として100g/Lの乳化スラリー33Lを70L容量のSUS316製容器に採取し(Mg(OH)2固形分質量として100g相当)、攪拌しながら80℃になるまでスラリーを加温した。スラリー温度を80℃に維持したままで攪拌下に、80℃に調整した3wt%のステアリル燐酸エステルナトリウム水溶液を、Mg(OH)2固形分質量に対しステアリル燐酸エステルが2.3質量%となるように添加した後、80℃で1時間攪拌して表面処理を行った以外は、難燃剤aと同様にして難燃剤tを製造した。
(難燃剤uの製造 比較例)
Mg(OH)2固形分質量に対し、ステアリル燐酸エステルナトリウム水溶液をステアリル燐酸エステルのみで3質量%となるように添加した以外は、難燃剤tと同様にして難燃剤uを製造した。
(難燃剤vの製造 比較例)
Mg(OH)2固形分質量に対し、ステアリン酸ナトリウム水溶液をステアリン酸のみで3質量%となるように添加した以外は、難燃剤tと同様にして難燃剤vを製造した。
(難燃剤wの製造 比較例)
Mg(OH)2固形分質量に対し、オレイン酸ナトリウム水溶液をオレイン酸のみで2.5質量%となるように添加した以外は、難燃剤tと同様にして難燃剤wを製造した。
(難燃剤xの製造 比較例)
Mg(OH)2固形分質量に対し、3号ケイ酸ソーダ溶液をSiO2換算で3質量%、および、ステアリン酸ナトリウム水溶液をステアリン酸を3質量%添加した以外は、難燃剤tと同様にして難燃剤xを製造した。
(難燃剤yの製造 比較例)
Mg(OH)2固形分濃度として100g/Lの乳化スラリー33Lを70L容量のSUS316製容器に採取し(Mg(OH)2固形分質量として100g相当)、攪拌しながら80℃になるまでスラリーを加温した。スラリー温度を80℃に維持したままで攪拌下に、80℃で、20質量%濃度のコロイダル不定形シリカ溶液(日産化学工業株式会社製、商品名:スノーテックスO)を、Mg(OH)2固形分質量に対しSiO2換算で3質量%添加した。その後、デシルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製,商品名:KBM-3103C)を 3質量%添加して1時間攪拌して表面処理を行った以外は、難燃剤aと同様にして難燃剤yを製造した。
(難燃剤zの製造 比較例)
Mg(OH)2固形分質量に対し、20質量%濃度のコロイダル不定形シリカ溶液をSiO2換算で3質量%、および、メチルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製,商品名:KBM-13)を3質量%添加した以外は、難燃剤yと同様にして難燃剤zを製造した。実施例(難燃剤a〜k)及び比較例(難燃剤l〜z)の組成を表1〜表3に示し、%は水酸化マグネシウムを100質量%とする質量%を意味する。
Figure 0005950946
Figure 0005950946
Figure 0005950946
このように処理された水酸化マグネシウムを用い、表1〜表3の配合物をバンバリーミキサーにて所定の配合で混合し、220℃で混練を行い、フィーダールーダーにてペレットを作成した。また本材料を用い、ロール、プレスにて1mmシートを作成した。プレス温度は220℃で成型した。また25mmの押出機にて導体径1/0.8TAの外側に2.4mmの外径で得られた樹脂材料を被覆し、電線を得た。押出ヘッド温度は表1に記載した。得られたシート、電線に、以下の試験を行った。
1.引張試験
シートをJIS K7256(2004)3号ダンベルに成型し、JIS K7113に基づき試験を行った。引張強さが10MPa以上、伸びは100%以上で合格である。
2.耐酸性試験1
シートをJIS 3号ダンベルに成型し、重量を測定した後に、10%塩酸に40℃24時間浸堰した。浸堰後シートを取りだし、シートを蒸留水にて十分に洗浄した後に常温で乾燥させ、重量を測定した。その後にJIS K7113に基づき引張試験を行った。引張強さ残率、伸び残率ともに80%以上で合格である。さらに重量変化は−15%以下であれば合格である。
3.耐酸性試験2
シートをJIS 3号ダンベルに成型し、重量を測定した後に、10%硫酸に40℃24時間浸堰した。浸堰後シートを取りだし、シートを蒸留水にて十分に洗浄した後に常温で乾燥させ、重量を測定した。その後にJIS K7113に基づき引張試験を行った。引張強さ残率、伸び残率ともに80%以上で合格である。さらに重量変化は−15%以下であれば合格である。
4.耐酸性試験3
シートをJIS 3号ダンベルに成型し、重量を測定した後に、10%酢酸に40℃24時間浸堰した。浸堰後シートを取りだし、シートを蒸留水にて十分に洗浄した後に常温で乾燥させ、重量を測定した。その後にJIS K7113に基づき引張試験を行った。引張強さ残率、伸び残率ともに80%以上で合格である。さらに重量変化は−15%以下であれば合格である。
5.引張試験(電線)
電線から導体を引き抜き管状片を作成し、JIS C3005の条件で引張試験を行った。引張速度は200mm/分で行った。引張強さが10MPa以上、伸びは100%以上で合格である。
6.耐酸性試験4
シートをJIS 3号ダンベルに成型し、重量を測定した後に、10%塩酸に40℃24時間浸堰した。浸堰後シートを取りだし、シートを蒸留水にて十分に洗浄した後に常温で乾燥させ、重量を測定した。その後にJIS C3005の条件で引張試験を行った。引張速度は200mm/分で行った。引張強さ残率、伸び残率ともに80%以上で合格である。さらに重量変化は−15%以下であれば合格である。
7.耐酸性試験5
シートをJIS 3号ダンベルに成型し、重量を測定した後に、10%酢酸に40℃24時間浸堰した。浸堰後シートを取りだし、シートを蒸留水にて十分に洗浄した後に常温で乾燥させ、重量を測定した。その後にJIS C3005の条件で引張試験を行った。引張速度は200mm/分で行った。引張強さ残率、伸び残率ともに80%以上で合格である。さらに重量変化は−15%以下であれば合格である。
8.体積固有抵抗
20℃の水槽に電線両端を出した状態で20m浸堰させ、JIS C3005のより浸水後1時間後に絶縁抵抗を測定した。電圧は500Vにて測定した。次にそのまま24時間浸水させ、浸水後の絶縁抵抗を測定した。絶縁抵抗は体積固有抵抗に計算で換算した。合格基準はベース材料により異なり、エチレン酢酸ビニルの場合は1時間浸水後で1013Ω・cm以上、24時間浸水後で1013Ω・cm以上であり、エチレン−αオレフィン共重合体、ポリプロピレンで1時間浸水後で1015Ω・cm以上、24時間浸水後で1015Ω・cm以上であり、ポリエステルエラストマーで1時間浸水後1013Ω・cm以上、24時間浸水後で1012Ω・cm以上である。
9.分散状態試験
電線の表面を観察し、白い水酸化マク゛ネシウムの凝集を確認した。目視で白い水酸化マグネシウムの凝集が見られないものを○、電線10mmの長さで2個以下の凝集物が確認されたものを△、それ以上の凝集が確認されたものを×とした。
実施例の試験結果を表4,表5に、比較例の試験結果を表6,表7に示す。表中で、KS204Tは日本ポリエチレン(株)製のメタロセン系プラストマー、SP0540は(株)プライムポリマー製の低密度ポリエチレン、PB222Aはサンアロマー(株)製のランダムポリプロピレン、EV180は三井・デュポンポリケミカル社製のエチレン酢酸ビニル共重合体である。NUC6510は日本ユニカー(株)製のエチレン酢酸ビニル共重合体、SEPS4077はクラレ社製の水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー、ダイアナプロセスオイルPW90は出光興産(株)製の鉱物油系軟化剤、ハイトレル4477は東レ・デュポン社製のポリエーテルエステルブロック共重合体、イルガノックスはチバ社製のヒンダードフェノール系酸化防止剤である。
実施例では、耐酸性と耐水性(体積固有抵抗)、引張強さ、伸び、及び外観に優れている。特に式(1)のアルコキシ変性メチルシリコーン化合物を、デシルトリメトキシシラン(難燃剤y)あるいはメチルトリメトキシシラン(難燃剤z)に変更すると、耐酸性が低下する。比較例の表6,表7において編み掛けした部分は性能不足の個所を示し、実施例の表4,表5と比較例の表6,表7を比較すると、実施例では引っ張り強さと伸びの初期性能と、耐酸性、体積固有抵抗及び外観の全てを満足するが、比較例ではこれらを全て満足するものが得られないことが分かる。また実施例においては、難燃剤a、b、i、j(不定形シリカと式(1)のメトキシ変性メチルシリコーンが共に2〜5質量%)で特に優れた結果が得られ、難燃剤e、f、g(不定形シリカと式(1)のメトキシ変性メチルシリコーンが1〜7質量%)で次に優れた結果が得られ、難燃剤c、d、h、k(不定形シリカと式(1)のメトキシ変性メチルシリコーンが0.3〜9質量%)では他の実施例に比べて劣る結果が得られた。
Figure 0005950946
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Claims (10)

  1. 水酸化マグネシウム粒子と、その表面に形成され、SiO2及び、シロキサンを繰り返し単位として有し側鎖にアルコキシ基を有するアルコキシ変性シリコーン化合物の加水分解物を含む被覆層と、を有し、
    前記アルコキシ変性シリコーン化合物の加水分解物が、
    RO-(Si-O・CH 3 ・OR)m(Si-O・CH 3 ・OH)n -R (1)
    または
    HO-(Si-O・CH 3 ・OR)m(Si-O・CH 3 ・OH)n -R (2)
    または
    HO-(Si-O・CH 3 ・OR)m(Si-O・CH 3 ・OH)n -H (3)
    (ただし、Rはメチル基、エチル基、イソプロピル基の少なくとも一員を示し、m,nは整数で、m≧0、n≧1、m+n=2〜10万である。)
    で表されるノンハロゲン難燃剤。
  2. 前記SiO2が第1層目、前記アルコキシ変性シリコーン化合物の加水分解物が第2層目として水酸化マグネシウム粒子表面を被覆していることを特徴とする、請求項1のノンハロゲン難燃剤。
  3. 水酸化マグネシウム100質量%に対してSiO2が0.3〜9質量%、前記のアルコキシ変性シリコーン化合物が0.3〜9質量%含有されていることを特徴とする、請求項1又は2のノンハロゲン難燃剤。
  4. 水酸化マグネシウム100質量%に対してSiO2が1〜7質量%、前記のアルコキシ変性シリコーン化合物が1〜7質量%含有されていることを特徴とする、請求項3のノンハロゲン難燃剤。
  5. 水酸化マグネシウム100質量%に対してSiO2が1.5〜5質量%、前記のアルコキシ変性シリコーン化合物が1.5〜5質量%含有されていることを特徴とする、請求項4のノンハロゲン難燃剤。
  6. 水酸化マグネシウム水懸濁液に水溶性の珪素化合物もしくはコロイダルシリカを加えてSiO2被覆層を形成し、次いで、シロキサンを繰り返し単位として有し側鎖にアルコキシ基を有するアルコキシ変性シリコーン化合物を用いて、アルコキシ変性シリコーン化合物の加水分解物を含む被覆層を形成する、ノンハロゲン難燃剤の製造方法であって、
    前記アルコキシ変性シリコーン化合物の加水分解物が、
    RO-(Si-O・CH 3 ・OR)m(Si-O・CH 3 ・OH)n -R (1)
    または
    HO-(Si-O・CH 3 ・OR)m(Si-O・CH 3 ・OH)n -R (2)
    または
    HO-(Si-O・CH 3 ・OR)m(Si-O・CH 3 ・OH)n -H (3)
    (ただし、Rはメチル基、エチル基、イソプロピル基の少なくとも一員を示し、m,nは整数で、m≧0、n≧1、m+n=2〜10万である。)
    で表されるノンハロゲン難燃剤の製造方法。
  7. 樹脂成分100質量%に対して、請求項1〜5のいずれかのノンハロゲン難燃剤が10〜300質量%含有されている樹脂組成物。
  8. 前記樹脂成分100質量%に対して前記表面処理された水酸化マグネシウムが120〜300質量%含有されていることを特徴とする、請求項の樹脂組成物。
  9. 請求項7または8の樹脂組成物を用いて成型された成型体。
  10. 請求項7または8の樹脂組成物を用いて被覆された電線,ケーブル,光ファイバコード,または光ファイバケーブルから成る成型部品。
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