JP2007161814A - ノンハロゲン難燃性樹脂組成物およびそれを用いたノンハロゲン難燃性電線・ケーブル - Google Patents

ノンハロゲン難燃性樹脂組成物およびそれを用いたノンハロゲン難燃性電線・ケーブル Download PDF

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Abstract

【課題】ノンハロゲンの高難燃性を有し、機械的特性に優れ、また耐油性を有すると共に、識別のための着色性にも優れた難燃樹脂組成物を提供することにある。
【解決手段】VAの含有量が50〜70質量%のEVA100質量部に対し、金属水酸化物が50〜150質量部、有機リン系難燃剤が15〜50質量部、シラン系増粘剤が5〜15質量部からなる難燃性樹脂組成物であって、前記金属水酸化物の添加量が90〜50質量部の範囲に於いては、前記金属水酸化物の添加量を減量させるごとに、前記有機リン系難燃剤を増加させて添加し、かつ金属水酸化物が100〜150質量部の範囲に於いては、金属水酸化物の添加量を増加させるごとに、前記シラン系増粘剤を減少させて添加した、着色性を有するノンハロゲン難燃性樹脂組成物とすることによって、解決される。
【選択図】なし

Description

本発明は、ノンハロゲンの難燃性樹脂組成物およびそれを用いたノンハロゲン難燃性電線・ケーブル、また特に難燃性シースとして用いたノンハロゲン難燃性舶用電線・ケーブルに関するものである。
燃焼時に有害なハロゲンガスを発生しないいわゆるハロゲンフリーの難燃性電線・ケーブルとしては、導体上にポリオレフィン等の樹脂およびハロゲンフリーの難燃剤からなる難燃性樹脂組成物を被覆してなるものが知られている。そしてこのような難燃性樹脂組成物の難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物を用いるのが一般的となっている。しかし、金属水酸化物自体の難燃効果はハロゲン系の難燃剤に比較するとそれ程大きくないため、十分な難燃性を得ようとする場合には金属水酸化物を多量に配合することが必要であるが、金属水酸化物を多量に配合すると電気的特性の低下の問題、また樹脂組成物のせん断粘度を上昇させ押出し成形性の低下や成形品の外観不良等を招く。さらには、樹脂組成物の硬度や曲げ弾性率等の機械的特性も増大させるので、可とう性に乏しい絶縁電線・ケーブルとなる等の問題がある。また、ポリオレフィン系の難燃性樹脂組成物は耐熱性が不十分であったり、押出し加工をしながら架橋する場合には特別な装置が必要である等の問題もあった。さらに、難燃性をより高めるために金属水酸化物に加えて赤燐等を併用することが行われるが、赤燐を添加したものは識別のための着色性が制限されるので、この問題の解決も望まれていた。さらにまた、難燃性シース材料として用いる場合には、引張特性等の機械的特性に優れ、高度なノンハロゲンの難燃性を要求されたり、ゴムの押出し加工ラインによっても押出し加工性や架橋性が良好な難燃性樹脂組成物が要求される。特に舶用電線に場合には、併せて耐油性にも優れていることが定められており、この特性も満足させる必要がある。
このような技術として特許文献1に見られる。すなわち、電線被覆難燃性シース用難燃性樹脂組成物として、酢酸ビニル含有量が30〜70重量%であって、かつ100℃のムーニー粘度が5〜65であるゴム状のエチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に、水酸化マグネシウム及び/又は水酸化アルミニウム70〜250重量部、含リンチタネートカップリング剤0.2〜3重量部並びにヒンダードフェノール系及び/又はアミン系老化防止剤を0.1〜5重量部添加した難燃性樹脂組成物である。そしてこの難燃性樹脂組成物は、ハロゲンフリーであって、機械的特性と電気的特性を付与したものであるとしている。しかしながら、前記の電線被覆難燃性シース用難燃性樹脂組成物は、難燃性の指標であるOIが足らず、未架橋であるために耐油性が不足し、また押出し加工性の点に於いても弾性が低すぎてゴム製造ラインでの押出しが不可能であった。また、車両用の耐熱性絶縁電線の絶縁被覆材料に関して、特許文献2が見られる。すなわち、熱可塑性エラストマー、低結晶性ポリオレフィンおよび無機難燃剤からなる可とう性と難燃性に優れたハロゲンフリーの樹脂組成物が記載されている。しかしながら、この難燃性樹脂組成物も難燃性の指標であるOIが足らず、未架橋であるために耐油性が不足し、また押出し加工性の点に於いても弾性が低すぎてゴム製造ラインでの押出しが不可能であった。
特公平6−27225号公報 特開平1−132645号公報
よって本発明が解決しようとする課題は、ノンハロゲンの高難燃性を有し引張特性に優れ、また耐油性を有すると共に加工性にも優れたノンハロゲンの難燃樹脂組成物であって、高難燃性(OIが35以上)、引張特性(強度が9.5MPa以上、伸びが200%以上)並びに耐油性(強度の残率および伸びの残率が±40%以内)に優れると共に、識別のための着色性にも優れたノンハロゲンの難燃樹脂組成物を提供することにある。また、前記ノンハロゲンの難燃樹脂組成物を用いることによって、前記の特性を有するノンハロゲン難燃性電線・ケーブルを提供することにある。さらには、前記ノンハロゲンの難燃樹脂組成物を電線・ケーブルのシース材料として用いることによって、前記の特性を有する船用ノンハロゲン難燃性舶用電線・ケーブルを提供することにある。
前記解決しようとする課題は、請求項1に記載されるように、酢酸ビニルの含有量が50〜70質量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対し、金属水酸化物が50〜150質量部、有機リン系難燃剤が15〜50質量部、シラン系増粘剤が5〜15質量部からなる難燃性樹脂組成物であって、前記金属水酸化物の添加量が90〜50質量部の範囲に於いては、金属水酸化物の添加量を100質量部から10質量部減量させるごとに、前記有機リン系難燃剤をその最小添加量である15質量部に対して5質量部の割合で増加させて添加し、かつ金属水酸化物が100〜150質量部の範囲に於いては、金属水酸化物の添加量を90質量部から10質量部増加させるごとに、前記シラン系増粘剤をその最大添加量である15質量部に対して1質量部の割合で減少させて添加した、着色性を有するノンハロゲン難燃性樹脂組成物とすることによって、解決される。
特に、請求項2に記載されるように、前記金属水酸化物が、水酸化マグネシウムまたは水酸化アルミニウムのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の着色性を有するノンハロゲン難燃性樹脂組成物とすることによって、解決される。
さらに、請求項3に記載されるように、請求項1または2に記載される着色性を有するノンハロゲン難燃性樹脂組成物を、導体或いは絶縁体上に被覆したノンハロゲン難燃性電線・ケーブルとすることによって、解決される。そして、特に請求項4に記載されるように、請求項1または2に記載される着色性を有するノンハロゲン難燃性樹脂組成物を、難燃性シース材料として用いたノンハロゲン難燃性舶用電線・ケーブルとすることによって、解決される。
酢酸ビニル(以下VA)の含有量が50〜70質量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(以下EVA)100質量部に対し、金属水酸化物が50〜150質量部、有機リン系難燃剤が15〜50質量部、シラン系増粘剤が5〜15質量部からなる難燃性樹脂組成物であって、前記金属水酸化物の添加量が90〜50質量部の範囲に於いては、金属水酸化物の添加量を100質量部から10質量部減量させるごとに、前記有機リン系難燃剤をその最小添加量である15質量部に対して5質量部の割合で増加させて添加し、かつ金属水酸化物が100〜150質量部の範囲に於いては、金属水酸化物の添加量を90質量部から10質量部増加させるごとに、前記シラン系増粘剤をその最大添加量である15質量部に対して1質量部の割合で減少させて添加した、着色性を有するノンハロゲン難燃性樹脂組成物(以下難燃性樹脂組成物)としたので、ノンハロゲンの高難燃性を有し引張特性に優れ、また耐油性を有すると共に加工性にも優れたノンハロゲンの難燃樹脂組成物であって、高難燃性(OIが35以上)、引張特性(強度が9.5MPa以上、伸びが200%以上)並びに耐油性(強度の残率および伸びの残率が±40%以内)に優れると共に、識別のための着色性にも優れたノンハロゲンの難燃樹脂組成物である。特に前記金属水酸化物を水酸化マグネシウムまたは水酸化アルミニウムとすることによって、前述の効果を確実に有すると共に、押出し加工性にも優れたノンハロゲンの難燃樹脂組成物である。
また、請求項1または2に記載される着色性を有する難燃性樹脂組成物を、導体或いは絶縁体上に被覆したノンハロゲン難燃性電線・ケーブル(以下、難燃性電線・ケーブル)としたので、OIが35以上の高難燃性を有し、引張強度が9.5MPa以上、引張伸びが200%以上の機械的特性を有し、また引張強度の残率および引張伸びの残率が±40%以内の耐油性を有すると共に、識別のための着色性にも優れたノンハロゲンの難燃性電線・ケーブルを得ることができる。
そして、特に請求項1または2に記載される着色性を有する難燃性樹脂組成物を、難燃性シース材料として用いたノンハロゲン難燃性舶用電線・ケーブル(以下、難燃性舶用電線・ケーブル)とすることによって、前述の特性を有すると共に舶用電線・ケーブルとして要求される耐油性を十分に満足するものである。
以下に本発明を詳細に説明する。請求項1に記載される本発明は、VAの含有量が50〜70質量%のEVA100質量部に対し、金属水酸化物が50〜150質量部、有機リン系難燃剤が15〜50質量部、シラン系増粘剤が5〜15質量部からなる難燃性樹脂組成物であって、前記金属水酸化物の添加量が90〜50質量部の範囲に於いては、金属水酸化物の添加量を100質量部から10質量部減量させるごとに、前記有機リン系難燃剤をその最小添加量である15質量部に対して5質量部の割合で増加させて添加し、かつ金属水酸化物が100〜150質量部の範囲に於いては、金属水酸化物の添加量を90質量部から10質量部増加させるごとに、前記シラン系増粘剤をその最大添加量である15質量部に対して1質量部の割合で減少させて添加した、着色性を有する難燃性樹脂組成物である。
まず、前記難燃性樹脂組成物のベース樹脂となるEVAについて述べる。ここで用いるEVAは、VAの含有量が50〜70質量%のEVAである。これは、一般的に使用されているEVAに比べてVA含有量が高く、ゴム弾性を示しまた柔軟性に富むものである。このために、通常のゴム製造ラインによって押出し架橋を行うことが可能となる。またVA含有量が50〜70質量%と極性部位を多く含むために、耐油性に優れたものとなる。さらには、VA含有量の高いEVAは燃焼時に不燃性のガスを多く発生することになり、難燃性も向上できる。このような特性は、特に舶用電線・ケーブルの難燃性シース材料として有用である。そしてこのようなEVAの具体例としては、バイエル社のレバプレン700(VA含有量が70質量%)、レバプレン500(VA含有量が50質量%)等を挙げることができる。
また、前記難燃性樹脂組成物の難燃剤としては、金属水酸化物および有機リン系難燃剤が使用される。前記金属水酸化物としては、種々の金属水酸化物を使用することができるが、特に請求項2に記載されるような水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムが好ましい。そして水酸化マグネシウムとしては、合成水酸化マグネシウム、天然水酸化マグネシウムを、単独でもしくは組合わせて用いても良いし、粒子径を粒子径5μm以下で、平均粒子径2〜4μmのものを用いるのが好ましい。また前記金属水酸化物は、その表面を脂肪酸類、シランカップリング剤等によって表面処理したものを用いるのが好ましい。そしてその添加量は、50〜150質量部とされる。これは、50質量部未満ではOIが35以上の高難燃性とならず、また150質量部を超えると特に引張伸びが低下し、押出し加工性も悪くなるためである。
また有機リン系難燃剤としては、ポリリン酸アンモニウム(リン工業社のアデカスタブFP−2000やFP−2100)等が使用される。このような有機リン系難燃剤を用いることによって、難燃剤として赤燐を使用した場合のように着色性を妨害しないので、種々の着色が可能となり識別性を有する難燃性電線・ケーブルとすることができる。また、その添加量は基本的には、15質量部未満ではOIが35以上の難燃性に寄与せず、また50質量部を超えて添加しても、効果の向上は見られずコスト的に不利になる。しかしながら、前述の組成割合の難燃性樹脂組成物に関する種々の実験から、前記有機リン系難燃剤の添加量は、前記金属水酸化物の添加量が90〜50質量部の範囲に於いては、金属水酸化物の添加量を100質量部から10質量部減量させるごとに、前記有機リン系難燃剤をその最小添加量である15質量部に対して5質量部の割合で増加させて添加するのが良いことが確認された。このような配合組成とすることによって、ノンハロゲンで酸素指数(以下OI)が35以上の高難燃性であると共に、着色性を得ることが可能となる。また、難燃剤としての金属水酸化物の添加量を低下させることができるので、押出し加工性をより向上させることが可能となる。
また前記難燃性樹脂組成物には、機械的な補強効果を持たせるためにシラン系増粘剤が5〜15質量部添加されるが、このシラン系増粘剤の添加量も、金属水酸化物が100〜150質量部の範囲に於いては、金属水酸化物の添加量を90質量部から10質量部増加するごとに、シラン系増粘剤の最大添加量である15質量部に対して1質量部の割合で減少させて添加するのが良い。前記シラン系増粘剤の添加量を前述のようにするのは、5質量未満では特に引張強度が不足し、また15質量部を超えて添加しても効果がそれ程向上せず、コスト的にもメリットがないためである。以上のような組成の難燃性樹脂組成物とすることによって、ノンハロゲンの高難燃性(OIが35以上)、引張特性(強度が9.5MPa以上、伸びが200%以上)並びに耐油性(強度の残率および伸びの残率が±40%以内)に優れると共に、識別のための着色性にも優れたノンハロゲンの難燃樹脂組成物である。特に前記金属水酸化物を水酸化マグネシウムまたは水酸化アルミニウムとすることによって、前述の効果を確実に発揮すると共に、押出し加工性にも優れたノンハロゲンの難燃樹脂組成物である。
以下の実施例並びに比較例によって、その効果を説明する。結果は、表1および表2の実施例並びに表5の比較例に見られるように、VAの含有量が50〜70質量%のEVA100質量部に対し、金属水酸化物が50〜150質量部、有機リン系難燃剤が15〜50質量部、シラン系増粘剤が5〜15質量部からなる難燃性樹脂組成物であって、前記金属水酸化物の添加量が90〜50質量部の範囲に於いては、金属水酸化物の添加量を100質量部から10質量部減量させるごとに、前記有機リン系難燃剤をその最小添加量である15質量部に対して5質量部の割合で増加させて添加することが好ましいことが判る。また、表3および表4の実施例並びに表6の比較例に示した結果から、金属水酸化物が100〜150質量部の範囲に於いては、金属水酸化物の添加量を90質量部から10質量部増加させるごとに、前記シラン系増粘剤をその最大添加量である15質量部に対して1質量部の割合で減少させて添加するのが好ましいことが判る。以下に詳細に説明する。
各表に記載するノンハロゲンの難燃性樹脂組成物の各配合成分としては、EVAがバイエル社のレバプレン700(VA含有量70質量%)およびレバプレン500(VA含有量50質量%)、水酸化マグネシウムが協和化学社のキスマ5A(脂肪酸表面処理)、水酸化アルミニウムは昭和電工社のハイジライト、有機リン系難燃剤はリン工業社のポリリン酸アンモニウムであるアデカスタブFP−2000、シラン系増粘剤として日本アエロジル社のアエロジル、架橋剤として日本油脂社のDCP(ジクミルパーオキサイド)、耐候性剤(HALS)としてバスペシャリティケミカル社のチソープ622、架橋助剤として日本化成社のTAIC(トリアリルイソシアヌレート)を用いた。
前記難燃性樹脂組成物について、以下の特性を調べた。JIS K6251に準拠して引張強度(MPa)および引張伸び(%)を測定した。引張強度が9.0MPa以上、引張伸びが200%以上を合格として○印で記載した。また難燃性の目安として、OIを東洋精機社のD形キャンドル式燃焼試験機を用いて測定し、OIが35以上のものを合格として○印で記載した。さらに耐油性について、舶用電線規格IEC60092−359、SHF−2による強度の残率および伸びの残率を測定した。それぞれの残率が±40%以内を合格として、○印で記載した。また、難燃性樹脂組成物の押出し加工性の目安として、100℃におけるムーニー粘度を島津製作所社製のMooney Viscometer SMV−202によって測定し、ムーニー粘度が30〜45を合格として○印で記載した。表1、表2、表3および表4は実施例、表5および表6は比較例の結果である。なお、表5および6の比較例には、有機リン系難燃剤に代えて赤燐を添加した例によって、着色性を調べた結果を記載した。
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表1の実施例1〜31から明らかなように、VA含有量が50〜70質量%のEVAをベースポリマーとして用いた場合、シラン系増粘剤の添加量が5〜15質量部の範囲に於いては、水酸化マグネシウム(キスマ5A)、水酸化アルミニウム(ハイジライト)共に100〜150質量部、有機リン系難燃剤が15〜50質量部の範囲に於いて、ノンハロゲンであって、OIが35以上、引張強度が9.0MPa以上、引張伸びが200%以上と優れ、また耐油性に関しても舶用電線規格IEC60092−359、SHF−2による強度の残率および伸びの残率が±40%以内であり、ムーニー粘度が30〜45と押出し加工性にも優れたノンハロゲンの難燃性樹脂組成物が得られることが判る。すなわち、シラン系増粘剤の添加量が5質量部の場合には実施例1〜15に記載するように、またシラン系増粘剤の添加量が15質量部の場合は、実施例16〜31に示すとおり、このような組成範囲に於いて全ての特性を満足することになる。
また表2に示す実施例32〜61から明らかなように、本発明の難燃性樹脂組成物は、VA含有量が50〜70%のEVAをベースポリマーとして用いることにより、前記金属水酸化物の添加量が90〜50質量部の範囲に於いては、金属水酸化物の添加量を100質量部から10質量部減量するごとに、前記有機リン系難燃剤の添加量を、その最小添加量である15質量部に対して5質量部の割合で増加させて添加させることが良いことが判る。すなわち、シラン系増粘剤の量を5質量部とした場合には(実施例32〜46)、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム共に、その添加量が90質量部の場合には有機リン系難燃剤を20質量部、添加量が80質量部の場合には有機リン系難燃剤を25質量部、添加量が70質量部の場合には有機リン系難燃剤を30質量部、添加量が60質量部の場合には有機リン系難燃剤を35質量部、添加量が50質量部の場合には有機リン系難燃剤を40質量部と増加させることによって、ノンハロゲンであってOIが35以上の高難燃性であり、引張強度が9.0MPa以上、引張伸びが200%以上と優れ、また耐油性に関しても舶用電線規格IEC60092−359、SHF−2による強度の残率および伸びの残率が±40%以内であり、ムーニー粘度が30〜45と押出し加工性にも優れたノンハロゲン難燃性樹脂組成物が得られることが判る。また、シラン系増粘剤の量を15質量部とした場合も(実施例47〜61)、同様に金属水酸化物の添加量を100質量部から10質量部減量するごとに、前記有機リン系難燃剤の添加量を、その最小添加量である15質量部に対して5質量部の割合で増加させて添加させることによって、前述の特性が得られることが判る。
また表3の実施例62〜85に示すように、VA含有量が50〜70質量%のEVAをベースポリマーとして用い、シラン系増粘剤の量を5〜15質量部の範囲に於いて、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム共に90〜50質量部、有機リン系難燃剤が15〜50質量部の範囲とすることによって、ノンハロゲンであってOIが35以上の高難燃性であり、引張強度が9.0MPa以上、引張伸びが200%以上と優れ、また耐油性に関しても舶用電線規格IEC60092−359、SHF−2による強度の残率および伸びの残率が±40%以内であり、ムーニー粘度が30〜45と押出し加工性にも優れたノンハロゲン難燃性樹脂組成物が得られることが判る。
さらに、表4に示す実施例86〜121から明らかなように、本発明の難燃性樹脂組成物は、VA含有量が50〜70質量%のEVAをベースポリマーとし、有機リン系難燃剤の添加量が15〜50質量部の範囲に於いて、金属水酸化物の添加量が100〜150質量部の範囲ではシラン系増粘剤の添加量を、金属水酸化物の添加量を90質量部から10質量部増加させるごとに、シラン系増粘剤の最大添加量である15質量部から1質量部の割合で減少させて添加するのが良いことが判る。すなわち、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム共に、その添加量が11質量部の場合にはシラン系増粘剤を15質量部、金属水酸化物の添加量が120質量部の場合にはシラン系増粘剤を14質量部、金属水酸化物の添加量が130質量部の場合にはシラン系増粘剤を13質量部、金属水酸化物の添加量が140質量部の場合にはシラン系増粘剤を12質量部、金属水酸化物の添加量が150質量部の場合にはシラン系増粘剤を11質量部と、金属水酸化物を10質量部減量するごとに、シラン系増粘剤を1質量部の割合で減少させて添加することによって、ノンハロゲンの高難燃性を有し引張特性に優れ、また耐油性を有すると共に加工性にも優れたノンハロゲンの難燃樹脂組成物であって、高難燃性(OIが35以上)、引張特性(強度が9.5MPa以上、伸びが200%以上)並びに耐油性(強度の残率および伸びの残率が±40%以内)に優れたノンハロゲンの難燃樹脂組成物が得られることが判る。これ等の実施例のノンハロゲンな粘性樹脂組成物は、識別のための着色性にも優れていることが確認された。
以上の実施例に対して表5および6の比較例から明らかなとおり、比較例のノンハロゲン難燃性樹脂組成物では、引張強度、引張伸び、難燃性の目安としたOI、耐油性に関する強度の残率および伸びの残率、および押出し加工性の目安とした100℃におけるムーニー粘度のいずれかが不合格となる。以下に詳細に述べる。表5の比較例1〜28に示すように、シラン系増粘剤の添加量が5質量部の場合には、水酸化マグネシウム並びに水酸化マグネシウムの添加量が100質量部以下と少ないとOIが35未満と高難燃性が得られない。(比較例1〜20)また、比較例21〜28のように、水酸化マグネシウム並びに水酸化マグネシウムの添加量が160質量部と多くなると、引張伸びが200%未満と不合格となる。特に、比較例25〜28のように有機リン系難燃剤の量も50質量部の場合には、併せてムーニー粘度が高くなり押出し加工性が悪くなる。なお、比較例29および30に示した有機リン系難燃剤に代えて赤燐を難燃剤とする場合は、着色剤を添加しても赤燐の着色に影響されて目的とする着色が得られなかった。
さらに、表6の比較例31〜38から明らかなように、シラン系増粘剤が15質量部の場合には、水酸化マグネシウム並びに水酸化マグネシウムの添加量が100〜150質量部に於いては、引張伸びが200%未満と小さく、またムーニー粘度も高くなって押出し加工性が悪くなる。さらに比較例39〜42のように、水酸化マグネシウム並びに水酸化マグネシウムの添加量が160質量部と多くなると、やはり引張伸びが200%未満と小さく、またムーニー粘度も高くなって押出し加工性が悪い。また比較例43〜46の場合のように、水酸化マグネシウム並びに水酸化マグネシウムの添加量が40質量部と少ないと、OIが35未満と高難燃性が得られない。さらに、シラン系増粘剤の添加量が4質量部(比較例47〜50)の場合には、ムーニー粘度が高くなり押出し加工性が悪い。比較例51〜58に見られるように、シラン系増粘剤の添加量が16質量部の場合には、有機リン系難燃剤の添加量が15質量部では、引張伸びとムーニー粘度が不合格となり、またシラン系増粘剤の添加量が50質量部の場合には、引張伸びが200%未満となる。
以上述べた本発明のノンハロゲン難燃性樹脂組成物は、通常有機過酸化物によって架橋される。具体的な有機過酸化物としては、DCP、ターシャリーブチルクミルパーオキサイド、α,α´ビス−ターシャリーブチルパーオキシ−m−イソプロピルベンゼン等が挙げられる。また有機過酸化物の添加量は、EVA100質量部に対して2質量部までとされる。これは、2質量部を超えて添加しても架橋による効果が期待できないためである。さらに架橋助剤として、日本化成社のTAIC(トリアリルイソシアヌレート)等が、EVA100質量部に対して0.5質量部まで添加される。また耐候性剤としてHALS(ヒンダートアミンライトスタビライザー)が、EVA100質量部に対して0.2質量部まで添加される。具体的には、チバスペシャリティケミカル社のチソープ622等を挙げることができる。さらに、カーボンブラックを顔料として添加しても、識別可能な着色を行うことができる。また必要に応じて種々の添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合しても良い。このようなノンハロゲン難燃性樹脂組成物は、ノンハロゲン難燃性電線・ケーブルの被覆材料、特にノンハロゲン難燃性の舶用電線・ケーブルのシース材料として有用である。そしてこの難燃性樹脂組成物は、前述した各成分を二軸混練押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなど通常用いられる混練機で溶融・混練して得られる。得られた難燃性樹脂組成物は、通常用いられる電線製造用の押出し成形機を用いて、導体上や絶縁心線上に押出し被覆することができる。
具体的には、請求項3に記載されるように、請求項1または2に記載される着色性を有する難燃性樹脂組成物を、導体或いは絶縁体上に被覆したノンハロゲンの難燃性電線・ケーブルである。例えば、外径が8〜10mm程度の導体上に、押出し被覆によって厚さ1〜2mm程度の絶縁体層として施され、架橋されることによって架橋絶縁電線が得られる。また、絶縁芯線上にシースとして、1〜2mm程度の厚さに施され、架橋されることによって架橋電線となる。このような架橋ノンハロゲン難燃性電線・ケーブルは、自動車用の絶縁電線、電子機器類等の絶縁電線・ケーブルとして十分使用することができる。得られたノンハロゲンの難燃性電線・ケーブルは、OIが35以上の高難燃性を有し、引張強度が9.5MPa以上、引張伸びが200%以上の機械的特性を有し、また引張強度の残率および引張伸びの残率が±40%以内の耐油性を有すると共に、識別のための着色性にも優れたものであるから、目的の色に着色されたノンハロゲンの難燃性電線・ケーブルとすることができる。
また特に、請求項4に記載されるように、請求項1または2に記載される着色性を有する難燃性樹脂組成物を、難燃性シース材料として用いたノンハロゲン難燃性舶用電線・ケーブルとすることによって、前述の特性を有すると共に舶用電線・ケーブルとして要求される耐油性を十分に満足するものである。すなわち、舶用電線・ケーブルは船舶等に使用される汎用の電線・ケーブルであるが、舶用電線規格であるIEC60092−359に合格することが必要であり、その設置環境によっては特に、耐油性に優れていることが必要とされる。例えば、前記実施例のノンハロゲンの難燃性樹脂組成物をシース材料として、架橋ゴム絶縁心線上に押出し被覆することによって、実用的な舶用電線が得られる。このような舶用電線・ケーブルは、ノンハロゲンの高難燃性(OIが35以上)、引張特性(強度が9.5MPa以上、伸びが200%以上)並びに耐油性(強度の残率および伸びの残率が±40%以内)に優れ、難燃剤として有機リン系難燃剤を使用したことによって識別のための着色性にも優れているので、目的の色に着色した舶用電線・ケーブルとして使用できる。
本発明のノンハロゲン難燃性樹脂組成物は、着色された種々のノンハロゲン難燃性電線・ケーブル用として使用される。特に、この難燃性樹脂組成物をシースに用いた舶用電線・ケーブルは、ノンハロゲンで高い難燃性を有し、機械的特性や耐油性に優れると共に着色性にも優れたものである。

Claims (4)

  1. 酢酸ビニルの含有量が50〜70質量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対し、金属水酸化物が50〜150質量部、有機リン系難燃剤が15〜50質量部、シラン系増粘剤が5〜15質量部からなる難燃性樹脂組成物であって、前記金属水酸化物の添加量が90〜50質量部の範囲に於いては、金属水酸化物の添加量を100質量部から10質量部減量させるごとに、前記有機リン系難燃剤をその最小添加量である15質量部に対して5質量部の割合で増加させて添加し、かつ金属水酸化物が100〜150質量部の範囲に於いては、金属水酸化物の添加量を90質量部から10質量部増加させるごとに、前記シラン系増粘剤をその最大添加量である15質量部に対して1質量部の割合で減少させて添加した、着色性を有することを特徴とするノンハロゲン難燃性樹脂組成物。
  2. 前記金属水酸化物が、水酸化マグネシウムまたは水酸化アルミニウムのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の着色性を有することを特徴とするノンハロゲン難燃性樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載される着色性を有するノンハロゲン難燃性樹脂組成物を、導体或いは絶縁体上に被覆したことを特徴とするノンハロゲン難燃性電線・ケーブル。
  4. 請求項1または2に記載される着色性を有するノンハロゲン難燃性樹脂組成物を、難燃性シース材料として用いたことを特徴とするノンハロゲン難燃性舶用電線・ケーブル。
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