JP5095418B2 - 撥水性無機粉体 - Google Patents

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Description

本発明は、撥水性無機粉体及びその製造方法に関し、より詳しくは、基材となる無機粉体等をシリコン系化合物により処理して得られる安定性ある撥水性無機粉体及びその製造方法に関する。
従来から、シリカゲル粒子、アルミナ粒子、酸化チタン粒子、窒化チタン粒子、炭酸カルシウム粒子、タルク粒子、ヒドロキシアパタイト粒子等の無機微小粒子(以下、「無機粉体」ということがある。)は、化粧料、樹脂、塗料、印刷インク、ゴム等に配合するフィラー、顔料、触媒等として好適に使用されている。その場合、マトリクスである化粧料成分や樹脂成分に良好に分散させるため、当該無機粉体に撥水性を付与することが必要である。
無機粉体を撥水性処理するためには、多くの方法が知られている。なかでもシリコーンオイル等のシリコン系化合物で処理して撥水性とする方法は最も代表的な方法の一つである(例えば、特許文献1〜3及び非特許文献1を参照。)。
これらの方法においては、通常、有機溶媒に溶かしたシリコーンオイルを無機粉体に添加して撹拌・混合し、その後加熱して有機溶媒を除去するとともに、シリコーンオイルの被膜形成・焼き付けを行うものである。
しかしながら、この方法は、シリコーンオイルの分散媒(溶媒)として、メタノール、酢酸エチル等の有機溶媒を使用するため、使用する有機溶媒を大気放出することはできず、無機粉体へのシリコーンオイル被覆後に回収する工程が必要となる。また、本発明者らが検討したところによると、無機粉体の比表面積、細孔容積が小さい場合には、比較的少量のシリコーンオイルで撥水性が得られる。しかし、無機粉体がより多孔質となり、比表面積、細孔容積が大きくなるに従い、処理にムラが生じる。その結果、多量のシリコーンオイルを添加しないと撥水性が得られないといった問題点があることを見いだした。
また、無機粉体にアミノ変性シリコーンオイルを溶媒なしに添加し、雷かい機等のずり剪断式低速混練機により、粉体表面に力づくでシリコーンオイルを練り込み、さらにハンマーミル等で粉砕する方法も提案されている(例えば、特許文献4を参照。)。しかしながら、剪断力の印加により、必然的に処理粉体はすりつぶされて形状が変わってしまうので、粒子の形状を保持したまま表面処理することは困難であり、一般的に適用できる方法ではない。
さらに、本発明者らが、検討したところ、シリコーンオイルで表面処理して得られた撥水性無機粉体であっても、これを当該無機粉体が実際の使用に際し配合される種々の有機溶媒に分散させた場合、例えば極性又は非極性の有機溶媒の種類によっては、表面に形成したシリコーンオイル被膜の再溶出が起こり、安定的に分散しない場合があることを見いだした。
特開平10−245546号公報 特開2003−183027号公報 特開平5−339518号公報 特開2004−182729号公報 伊藤邦雄編著、「シリコーンハンドブック」(日刊工業新聞社、1990年、p156〜157)
本発明の目的は、有機溶媒が極性又は非極性のいずれであっても、表面処理したシリコーンオイルのようなシリコン系化合物の再溶出が実質的に抑制された安定な撥水処理無機粉体を提供すること、およびこのような無機粉体の撥水処理を、当該シリコーンオイルの分散媒として有機溶媒を使用せず、その水系エマルションを使用することにより効果的に行う撥水性無機粉体の製造方法を提供することである。
本発明者らは、かかる観点から鋭意検討したところ、無機粉体を撥水性処理する場合、通常は使用されていないシリコーンオイルの水系エマルションにより、かつ、特定のシリコーンオイルを選択使用することにより、意外なことに充分な撥水性を備え、かつ、極性有機溶媒及び非極性有機溶媒のいずれの溶媒においても、その再溶出が実質的に抑制された安定な撥水性無機粉体が得られることを見いだし、本発明を完成した。
本発明に従えば、以下の撥水性無機粉体が提供される。
(1)表面がシリコン系化合物で処理されている撥水性無機粉体において、上記シリコン系化合物は当該無機粉体との反応性基を有するものであり、当該無機粉体を極性有機溶媒及び非極性有機溶媒のいずれに分散させた場合においても、24時間分散後の当該シリコン系化合物の残存率(24時間後の当該無機粉体に残存するシリコン系化合物の当初に存在したシリコン系化合物に対する質量%をいう。)が90%以上を示すものであり、
(i)前記シリコン系化合物が、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アルコキシ変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、又はカルボキシル変性シリコーンオイルのいずれかの水系エマルションであり、
(ii)前記水系エマルションには、ソルビタン脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル系、ポリオキシエオチレン脂肪酸エステル系、N−アシルアミノ酸系、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系及びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系からなる群より選択される少なくとも1種の界面活性剤が配合されており、
(iii)前記水系エマルションは、前記シリコン系化合物を、前記界面活性剤の存在下に、高圧乳化して得られたものであり、
(iv)前記前記無機粉体が、真球状シリカゲルまたは不定形シリカゲルであり、
(v)前記無機粉体は、その比表面積が5〜2000m 2 /g、細孔容積が0.01〜5.0ml/gの多孔質粒子であり、かつ、
(vi)前記シリコン系化合物の無機粉体に対する固体基準の質量比(シリコン系化合物質量/無機粉体質量)が0.1/100〜20/100であることを特徴とする撥水性無機粉体。
本発明に従えば、有機溶媒が極性又は非極性のいずれであっても、表面処理したシリコーンオイル等のシリコン系化合物の再溶出が実質的に抑制された安定な撥水処理無機粉体が提供される。また本発明に従えば、無機粉体の撥水処理を、当該シリコーンオイルの分散媒として有機溶媒を使用せず、その水系エマルションを使用することにより効果的に行う安定な撥水性無機粉体の製造方法が提供される。
本発明の撥水性無機粉体の製造方法を説明するフローシートである。
符号の説明
10 無機粉体
20 高圧乳化処理工程
20a シリコン系化合物
20b 界面活性剤
20c 水系媒体
20’c 水系媒体
30 シリコン系化合物の水系エマルション
40 乾燥状態で混合・撹拌し表面処理を行う第1工程
50 処理した無機粉体の加熱・焼き付けを行う第2工程
60 撥水性無機粉体
以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の撥水性無機粉体の製造方法を説明するフローシートである。当該方法は、基材となる無機粉体10に、シリコン系化合物の水系エマルション30を添加して、実質的に乾燥状態で混合・撹拌しながら当該粉体の表面処理を行う第1工程40と、処理した無機粉体の加熱・焼き付けを行う第2工程50よりなる。第2工程では、また、水系媒体20’cが分離除去され、撥水性無機粉体60が得られる。なお、シリコン系化合物の水系エマルション30は、シリコン系化合物20a、界面活性剤20b、及び水系媒体20cを、高圧乳化処理20して調整することが好ましい。
(無機粉体)
本発明において撥水性処理の対象となる無機粉体10としては、特に限定するものではないが、例えば、以下の化合物の微小粒子が例示される。
シリカ(シリカゲル、ホワイトカーボン、エアロジル、非晶質シリカを含む。)、マイカ、タルク、セリサイト、カオリン、クレー、ベントナイト、活性炭、カーボンブラック等;
酸化チタン(アナタース型、ルチル型)、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化クロム、酸化第一コバルト、四三酸化コバルト、酸化第二コバルト、酸化第一ニッケル、酸化第二ニッケル、酸化タングステン、酸化トリウム、酸化モリブデン、二酸化マンガン、三酸化マンガン、酸化ウラン、酸化トリウム、酸化バリウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化第一銅、酸化第二銅、酸化第一スズ、酸化第二スズ、一酸化鉛、四三酸化鉛、二酸化鉛、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酸化ニオブ、酸化ルテニウム、チタン酸バリウム、酸化銀、酸化ゲルマニウム等の酸化物;
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化ジルコニウム、水酸化チタン、水酸化クロム等の水酸化物;
塩化アルミニウム、塩化チタン、塩化ジルコニウム、フッ化カルシウム等のハロゲン化物;
硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム、硫酸チタニウム、硫酸ストロンチウム、硫化亜鉛、硫化カドミウム、硫化アンチモン、硫化カルシウム、硫化銀、硫化ゲルマニウム、硫化コバルト、硫化スズ、硫化鉛、硫化ニッケル、硫化マンガン、硫化亜鉛等の硫酸塩や硫化物;
リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、リン酸アルミニウム等のリン酸塩;窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化マグネシウム、窒化チタン、窒化アルミニウム、窒化鉄、窒化バナジウム、窒化ジルコニウム、窒化タンタル等の窒化物;ケイ化モリブデン、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、ケイ酸アルミニウム、ゼオライト等のケイ素化合物、ケイ酸塩;
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;炭化ケイ素、炭化チタン、炭化タンタル、炭化ジルコニウム、炭化タングステン、炭化モリブデン、炭化ハフニウム、炭化クロム、炭化バナジウム、炭化ホウ素、炭化ウラン、炭化ベリリウム等の炭化物等;
金、銀、パラジウム、ロジウム、イリジウム、レニウム、ルテニウム、オスミウム等;ニッケル、銅、亜鉛、スズ、コバルト、鉄、アルミニウム、モリブデン、マンガン、タングステン、ガリウム、インジウム、テクネチウム、チタン、ジルコニウム、セリウム、タンタル、ニオブ、ハフニウム等;
アルミニウム−マグネシウム合金、鉄−炭素合金、鉄−銅合金、鉄−ニッケル−クロム合金、銀−金合金、パラジウム−金合金、銀−パラジウム合金、銅−ニッケル合金、ニッケル−コバルト合金、ニッケル−マグネシウム合金、スズ−鉛合金等。
これらの無機粉体の平均粒径は、特に規定するものではないが、通常、0.01〜1000μm、好ましくは0.1〜100μm、さらに好ましくは1〜50μm程度である。なお、本明細書で、平均粒径とは、体積基準の平均粒径を意味する。
上記無機粉体において、好ましくは、これらが多孔質粒子であるもの、または多孔質化されているものである。当該多孔質粒子としては、その比表面積が好ましくは5〜2000m2/g、より好ましくは10〜800m2/gのものである。また、細孔容積が好ましくは0.01〜5.0ml/g、より好ましくは0.01〜2.0ml/gの多孔質粒子である。なお、比表面積はBET法、細孔容積は水銀圧入法等で測定したものである。
また、無機粉体の形状は特に限定するものでなく、球状、真球状、楕円球状、不定形、破砕形状、円筒状、ペレット状、四角状、針状、円柱状、破砕状、鱗片状、葉状、薄片状、板状、金平糖状、多角形状等いずれであってもよい。例えば、好ましくは、無機粉体が真球状シリカゲルまたは不定形シリカゲルである。
(シリコン系化合物)
本発明において使用するシリコン系化合物は、無機微小粒子の表面に接触、付着、吸着等によりその表面を被覆し、次の加熱工程により、当該無機粉体の表面に焼き付けられ、固定化されて、安定して撥水性を付与しうる当該粉体と親和性が高いものであり、かつ、当該無機粉体との反応性基を有するものである。例えば、無機粉体がシリカゲルの場合は、その表面のシラノール基との反応性基を有することが望ましい。このようなものとしては、式(1)で表されるいわゆるシリコーンオイル(またはポリシロキサンとも称される。)が好ましい。以下、シリコン系化合物としてシリコーンオイルを使用する場合を例として述べる。
Figure 0005095418
式(1)において、R1、R2、R3、R4は、それぞれ独立して、水素、炭素数1〜30
のアルキル基、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシ基、フェニル基、ポリオキシアルキレン基、ポリエーテル基、メルカプト基及びアリール基から選択される。また、mは1以上450以下の整数、nは0または1以上450以下の整数を表す。ただし、R1、R2、R3、R4 のうち、すべてがアルキル基及び/又はフェニル基であることはない。
なお、式(1)において、R1、R2が置換基であるものを側鎖型、R3、R4が置換基であるものを末端型といい、R3、R4のいずれかが置換基であるものを片末端型、R3、R4の両者が置換基であるものを両末端型という。
式(1)で表示されるシリコーンオイルを例示すれば、典型的には、例えばメチルハイドロジェンシリコーンオイル、アルコキシ変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、又はカルボキシル変性シリコーンオイルである。
(ストレートシリコーンオイル)
式(1)において、R1、R2、R3、R4が、水素、アルキル基、またはフェニル基であるもの。(ただし、R1、R2、R3、R4 のうち、すべてがアルキル基及び/又はフェニル基であることはない。)
ストレートシリコーンオイルとしては、メチルハイドロジェンシリコーンオイル(R1=H、R2、R3、R4=CH3)、エチルハイドロジェンシリコーンオイル(R1=H、R2=C25、R3、R4=CH3)、イソプロピルハイドロジェンシリコーンオイル(R1=H、R2=C37、R3、R4=CH3)、ブチルハイドロジェンシリコーンオイル(R1=H、R2=C49、R3、R4=CH3)、アミルハイドロジェンシリコーンオイル(R1=H、R2=C511、R3、R4=CH3)、ヘキシルハイドロジェンシリコーンオイル(R1=H、R2=C613、R3、R4=CH3)、ラウリルハイドロジェンシリコーンオイル(R1=H、R2=C1123、R3、R4=CH3)、ステアリルハイドロジェンシリコーンオイル(R1=H、R2=C1735、R3、R4=CH3)、フェニルハイドロジェンシリコーンオイル(R1=φ(φはフェニル基を示す。以下同じ。)、R2=H、R3、R4=CH3)等が挙げられる。
(変性シリコーンオイル)
いわゆる変性(反応性)シリコーンオイルとしては、R、R、R、Rの少なくとも一つとして、無機粉体との反応性基である、グリシジル基、グリシドキシエチルグリシドキシプロピル等のエポキシ基;アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、イソプロピルアミノ基、アニリノ基、トルイジノ基、キシリジノ基等のアミノ基;カルボキシル基(カルボン酸基(−COOH)ともいう。);メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;アセトキシ基、ベンゾキシ基等のアシロキシ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、プトキシ基、フェノキシ基等のアルコキシル基;ポリオキシアルキレン基;メルカプト基;アリール基(ただしフェニル基を除く。);アクリロイル基、メタクリロイル基、メタクリロキシプロピル基等のアシル基;ポリエーテル基等が導入されたものが好ましい。
(乾燥状態における粉体の混合・処理工程/第1工程)
本発明においては、これらのシリコーンオイルは、水系エマルションの形態で、無機粉体に添加され実質的に乾燥状態で混合・撹拌しながら当該粉体を表面処理する第1工程40が行われる。
当該シリコーンオイルの水系エマルションは、上記したシリコーンオイルを適当な界面活性剤とともに水系媒体中で強く撹拌して当該シリコーンオイルを水系媒体中で微小液滴として分散せしめ、いわゆるO/W型エマルションとして使用する。
(界面活性剤)
本発明で使用する界面活性剤としては、イオン性のアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、及び非イオン性のノニオン系界面活性剤の何れもが使用可能である。なかでもソルビタン脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル系、N−アシルアミノ酸系、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系、及びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系からなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤が配合されていることが好ましい。
また、親水性/親油性の調節が容易であり、より安定的で微細なシリコーンオイルのエマルションが形成される点では、ノニオン系界面活性剤が特に好ましい。ノニオン系界面活性剤としては、例えば以下のものが例示される。ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンジオレエート、ソルビタントリオレエート等のソルビタン脂肪酸エステル;
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンジステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタンジオレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;
ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンジステアレート等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル;
ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等が挙げられる。
上記のうち、特により安全性の要求される分野に使用する場合には、脂肪酸エステル系のものが最も好ましい。
また、アニオン系界面活性剤としては、高級アルキル硫酸エステル塩;脂肪酸石けん;アルキルエーテル硫酸エステル塩;高級脂肪酸アミドスルホン酸塩;N−アシルサルコシン酸塩;スルホコハク酸塩;リン酸エステル;アルキルベンゼンスルホン酸塩;N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ラウロイル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル-L−グルタミン酸ナトリウム、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸・硬化牛脂脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸カリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸、N−ステアロイル−L−グルタミン酸、N−ラウロイル−L−アスパラギン酸ナトリウム等のN−アシルアミノ酸系のものが挙げられる。これらのうち、より高い安全性が要求される分野に使用する場合には、N−アシルアミノ酸系のものが最も好ましい。
また、カチオン系界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩等が挙げられる。
また、両性界面活性剤としては、イミダゾリン系界面活性剤、ベタイン系界面活性剤等が挙げられる。
界面活性剤の使用量としては、特に限定するものではないが、シリコーンオイル100質量部に対し、1〜50質量部、好ましくは5〜30質量部、さらに好ましくは10〜20質量部程度である。
(高圧乳化工程)
本発明においては、シリコーンオイル等のシリコン系化合物を、界面活性剤の存在下に水系媒体中にて乳化してシリコン系化合物の水系エマルション30を調製する。水系媒体の使用量としては、特に限定するものではないが、シリコーンオイル100質量部に対し、20〜200質量部、好ましくは60〜160質量部、さらに好ましくは80〜120質量部である。また、当該乳化を高圧乳化工程に処して行うことが好ましい。
この高圧乳化とは、高圧ポンプで、乳化すべきシリコン系化合物、界面活性剤、及び水系媒体を含む液体を高圧に加圧し、細管内に圧入し、当該細管内を超高速で流し、これに伴うせん断力、流体同士及び細管壁面への衝突、キャビテーション(Cavitation)等により、ボールミル等のごとき分散メディアをなんら使用することなく、極めて微細な分散粒子を形成させる方法である。
すなわち、より具体的には、シリコン系化合物、界面活性剤、及び水系媒体を、まず高圧ポンプにより、例えば1〜300MPa(10〜3000kg/cm2)程度に加圧する。次いで、この加圧液体を、当該ポンプに接続された、細溝、細管、細パイプ、オリフィス等(以下「細溝等」という。)の細管路が形成されたユニット(通常「ジェネレータ」または「ノズル」という。)に圧入する。通常この細溝等の溝径は、20μm〜1mm程度である。圧入された加圧流体は、当該細溝等の管路内を超高速(例えば、100〜800m/s)で流動する。
この超高速流は、まず細溝等の管壁とのせん断力により微粒子化される。(流体の壁面における流速は0であり、一方、細溝等の中心速度は、例えば800m/sの超高速であるから、急激な速度勾配が存在し、従って極めて大きいせん断力が発生することが理解される。)
また、平行に走行する細溝等を複数形成し、当該複数の細溝等を流路途中で、互いに対向するように90°に屈曲せしめ、正面で合流するように構成することにより、当該高速流体同士が激しく正面衝突し、その大きな衝撃で、微粒化される。この場合、細溝等の壁面の屈曲部位(又は角部)で、高速流体が衝突する衝撃によっても、微細粒化される。
さらにまた、当該細溝等の細管内では、流体は超高速度で流動するため、その圧力(静圧)が急激に低下し、超高圧の状態から急激に圧力が開放されることになるから、激しいキャビテーションが発生し、微粒子が形成されるのである。すなわち、当該減圧により、流路内は水の蒸気圧以下になり、微小な水蒸気の気泡が大量に発生し、これにより粒子が急激に分散、微細化される。
高圧乳化工程においては、以上のような複数の微細化メカニズムが発生、複合して、原理的にきわめて微細、かつ、均一な微粒子が、湿式粉砕メディアなど使用せずに、形成される。なお、上記の種々の微細化メカニズムは複合するものであるが、そのうち、特に、高速流体同士の衝突及び高速流体と細溝等の屈曲部壁面との衝突メカニズムを主体とするものを、「衝突型高圧乳化装置」という。また、高速流体が多数の細溝等(オリフィスを含む)の管内を超高速で流動する際の壁面とのせん断力によるメカニズムを主体とするものを「貫通型高圧乳化装置」ということがある。
また、一回の操作(ワンパス)で得られる乳化物を再度処理液として、高圧乳化装置に再び供給して、乳化処理を繰り返し行ってもよい。すなわち高圧乳化工程を複数回繰り返し行ってもよい。例えば、2〜10パス、好ましくは3〜6パスの高圧乳化処理を実施してもよい。かくして、ワンパスの場合は、比較的粒径分布はブロードであるが、パスを繰り返すと、より微細で粒径分布のシャープな、すなわち粒径の揃った分散体を得ることが可能であり、好ましい操作である。
なお実際の高圧乳化装置としては、各社から販売されており、目標粒径、粒度分布、生産量等に応じて、所望の高圧乳化装置を入手し、適用することができる。例えば、ナノマイザー(吉田機械興業社製、ナノマイザー社製)、マイクロフライダイザー(マイクロフライディック社製)、アルティマイザー(スギノマシン社製)、マイクロフルイダイザー(みずほ工業社製)等が挙げられる。
(予備混合)
実際の乳化工程(本乳化工程)を実施する場合においては、シリコーンオイルと水系媒体は、互いに相溶性が無いため二相分離しやすいので、予め撹拌する等の方法で両者をある程度均一に混合しておく(予備乳化)ことが好ましい。
予備混合を実施する場合、界面活性剤を添加して通常の撹拌機で撹拌するといった一般的な手法で十分である。撹拌機としては、プロペラ型撹拌機、パドル型撹拌機、アンカー型撹拌機、ホモミキサー、ウルトラミキサー、コロイドミル、ボールミル、サンドミル、ロールミル等任意のものが使用可能である。
本発明においては、上記のようにして、高圧乳化工程によりシリコーンオイルの水系エマルションをその都度調整して使用することが最も好ましい。また、場合によっては、水系エマルションタイプとして市販されている以下のものを適宜選択使用することもできる。なお、本発明において、水系媒体とは、水を主体とする溶媒を意味し、純粋の水の外に、少量の水以外の有機性溶媒等を含有していてもよい。含有される有機性溶媒の量は、適宜使用できる。
(水系エマルション)
いわゆるストレートシリコーンオイルの水系エマルションとしては、PolonMR、PolonMWS、PolonMK−206(以上メチルハイドロジェンシリコーンオイル、信越化学工業社製)等が挙げられる。
また、変性シリコーンオイルの水系エマルションとしては、PolonMF−18、PolonMF−24、ソフナーシル−10(以上エポキシ変性シリコーンオイルエマルション)、PolonMF−14、PolonMF−14D、PolonMF−14EC、PolonMF−29、PolonMF−39、PolonMF−44、PolonMF−52、KM907、X−52−2265(以上アミノ変性シリコーンオイルエマルション)(以上、信越化学工業社製);LE−9300、FZ−315、FZ−4602(以上エポキシ変性シリコーンオイルエマルション)、FZ−4632、FZ−4635、FZ−4640、FZ−4645、FZ−4658、FZ−4671、FZ−4678、(以上アミノ変性シリコーンオイルエマルション)、FZ−4633、FZ−4638(以上カルボキシル変性シリコーンオイルエマルション)、FZ−2105(ポリエーテル変性シリコーンオイル)(以上、日本ユニカー社製);SM8704C/SM8904(アミノ変性シリコーンオイルエマルション)、HMW2220(ジビニル変性シリコーンオイルエマルション)(以上、東レ・ダウコーンニング・シリコーン社製);TEX153(アミノ変性シリコーンオイルエマルション)、XS65−B8865(エポキシ変性シリコーンオイルエマルション)、XA69−B5476(アミノポリエーテル変性シリコーンオイルエマルション)(以上、GE東芝シリコーン社製)等が挙げられる。
本発明においては、基材となる無機粉体10に、上記のようにして調製した特定のシリコン系化合物の水系エマルション30を添加して、実質的に乾燥状態で混合・撹拌しながら、まず、当該粉体の表面処理(第1工程)40を粉体混合装置により行う。
(粉体混合装置)
第1工程を実施するための装置としては、無機粉体を収容し、これを効率よく撹拌しながら、シリコーンオイルのごときシリコン系化合物の水系エマルションを供給し、当該粉体を混合・撹拌しながら、その表面処理を実施することが出来る装置であれば、特に限定するものではない。すなわち、無機粉体を収容する静置型またはそれ自体回転する容器及び/又は固体撹拌翼を備えた通常の固体混合装置が使用される。例えば、V型混合機、二重円錐型混合機、リボン型混合機、回転式又は連続式ミューラー型混合機、垂直スクリュー型混合機、単軸又は複軸ローター型混合機等に、好ましくは、水系エマルションの供給ノズルや滴下手段を備えた装置が適宜使用できる。また、少量の無機粉体を処理する場合は、回動、揺動、振動、八の字運動、往復動、上下動、ピストン運動等の動きを印加しうる混合機器に、当該無機粉体と水系エマルションを収容した小型容器をセットし、当該小型容器に対し、回動、揺動等の所望の混合運動を印加することもできる。かかる装置としては、例えば、ターブラーシェイカーミキサー(シンマルエンタープライゼス社製)が挙げられる。
第1工程を実施する際に、シリコン系化合物固体基準の無機粉体に対する質量比は、当該無機粉体の種類、特に比表面積や細孔容積により変わりうる。通常、シリコン系化合物質量/無機粉体質量=0.1/100〜50/100、好ましくは0.1/100〜20/100であることが望ましい。シリコン系化合物の量があまり少ない場合は、撥水性を充分付与することが困難になり、また、シリコン系化合物の量がこれよりあまり多い場合は、それ以上の撥水性が付与されるわけではなく経済的に無意味である。なお、供給されたシリコン系化合物は物質収支に従って、ほぼ全てが無機粉体の表面に固定される。
当該シリコン系化合物の質量は、原理的には、当該無機粉体の外表面および細孔内面積(特に比表面積)を被覆するために必要な質量を使用すべきである。しかし、本発明者らの検討によれば、細孔容積または吸油量を基準として、大体、これに対応するシリコン系化合物の水系エマルション量を使用することで、当該混合・撹拌を実質的に濡れのない、または、スラリーとならない乾燥状態で実施することができ、かつ、満足すべき撥水性を付与することができる。
第1工程の混合・撹拌下における表面処理時間は、処理粉体の種類、処理粉体量、シリコン系化合物の水系エマルションの種類や量、及び無機粉体の温度等によって変わりうるが、通常、1分〜6時間、好ましくは10分〜3時間程度行われる。また、第1工程は、特に加熱せずに室温で実施することで充分であるが、場合によっては20〜90℃、さらには30〜60℃程度で実施することも可能である。加温下、または加熱下に第1工程を実施する場合は、上記した固体混合機にはさらに加熱手段を備えたものを使用することが好ましい。
(加熱処理・焼き付け工程/第2処理工程)
本発明においては、第1工程において処理された粉体を加熱してシリコン系化合物を無機粉体表面に焼き付けるとともに、前記エマルションの水系媒体20’cを分離する第2工程50を行う。
(加熱・乾燥装置)
当該加熱・乾燥下において、シリコン系化合物で処理された無機粉体から水系媒体である水等が蒸発、除去せしめられる。この過程で、当該水系媒体中に分散していたシリコーンオイル等のシリコン系化合物は蒸発することなく互いに近接し、当該無機粉体の外表面、及び特に細孔内表面において、被膜を形成しながら、焼き付けられると考えられる。
かかる機能を奏する加熱・乾燥を行うための好ましい乾燥装置としては、一般的な乾燥器をいずれも好適に使用することができる。例えば、箱型乾燥機、通気バンド乾燥機、トンネル乾燥機、噴霧乾燥機、流動層乾燥機、媒体流動層乾燥機、通気回転乾燥等の各種の乾燥機を使用することができる。加熱源としては、水蒸気、加熱媒体、電気加熱、赤外線加熱等特に限定するものではない。なお、場合によっては、第1工程で使用する固体混合装置に適当な加熱手段を付加せしめ、第1工程を行ったあとに、当該固体混合装置においてそのまま加熱処理を実施することも可能である。
第2工程における加熱処理は、シリコン系化合物が、無機粉体の表面特に細孔内表面に強固に焼き付けられる温度で行われる。通常、50〜250℃で30分〜12時間、好ましくは80〜200℃で40分〜10時間、さらに好ましくは100〜190℃で1〜8時間行われる。
上記のごとくしてシリコン系化合物で処理された無機粉体60は高い撥水性が付与されており、例えば水中に投入して24時間経過後も全く沈降することがないものである。
なお、本発明によれば、以下の実施例に示すように、無機粉体に、当該無機粉体と反応性基を有するシリコーンオイル等のシリコン系化合物の水系エマルションを添加し、実質的に乾燥状態で混合・撹拌しながら当該粉体を表面処理し、さらに当該粉体を加熱してシリコン系化合物を粉体表面に焼き付けることにより、従来のように有機溶媒に溶解したシリコン系化合物を使用して表面処理する場合に比較して、はるかに少量のシリコン系化合物により、高い撥水性を有する無機粉体の製造することができる。
これは、撥水処理を施す必要のある無機粉体の表面(特に多孔質粒子の場合は細孔内表面)は、例えばシラノール基のような親水性基が多数存在するため、水性媒体の方がこれらの基と親和性が高くその表面を濡らし易い。従って、細孔内を完全に充填するのに必要な媒体量よりも少ない量であっても、細孔内の表面を十分に濡らすことができ、実質的にその表面をシリコーンオイルで十分に覆うことが出来る。これに対し、シリコーンオイルに対し常用される酢酸エチル等の有機溶媒を使用した場合は、表面の親水性基のため当該表面を濡らしにくいので、細孔内の表面を完全に濡らすためには細孔内を完全に満たす量の溶媒が必要となり、水性媒体と比べはるかに大量の溶媒が必要となると思われる。
さらに、本発明のシリコン系化合物処理無機粉体は、当該シリコン系化合物が安定的に当該粒子表面を覆っているので、当該処理粒子を極性有機溶媒及び非極性有機溶媒に投入、分散させた場合、いずれの溶媒の場合でも、当該シリコン系化合物が、当該有機溶媒に実質的に再溶出することはないのである。
すなわち、当該シリコン系化合物被膜の安定性は、以下に規定する「シリコン系化合物残存率(以下、単に「シリコン残存率」ということがある。)」により、評価することができる。本発明のシリコン系化合物表面処無機粉体のシリコン残存率は、極性、非極性、いずれの有機溶媒の場合でも、90%以上という、極めてすぐれものであり、実質的に再溶出は無いと評価してよい。
(シリコン残存率の評価方法)
シリコン系化合物で表面処理して得られた無機粉体1gを、極性有機溶媒又は非極性有機溶媒の10gに投入、分散せしめ、該分散液を室温で24時間静置する。次いで、得られたスラリー状分散液を、目開き0.5μmのろ紙を用いて固液分離し、分離した粉末を120℃で2時間乾燥する。得られた乾燥粉末について全窒素・炭素測定機((株)住化分析センター製、型式;SUMGRAPH NC−80)で全炭素率を測定する。測定された全炭素率を、先に測定したブランクの処理粉末の全炭素率で除することにより、上記極性有機溶媒又は非極性有機溶媒における処理粉末の全炭素残存率(%)を算出する。算出された全炭素残存率とシリコン残存率とは率としては同じ値であることから、ジリコン残存率が求められる。
シリコン残存率(残存率は、質量%である。)は、無機粉体の表面を被覆したシリコン系化合物の再溶出の程度を示す指標であって、この値が100%に近いほど、当該シリコン系化合物が粒子表面に安定的に固着されており、再溶出が防止されていることを示す。実質的には、シリコン残存率は、90%以上あること、特には95%以上であることが望ましい。
本発明の無機粉体は、後記する実施例に示すように、極性有機溶媒あるいは非極性溶媒のいずれにおいても、そのシリコン残存率は90%以上であり、再溶出の実質的に無い、安定化された処理粉体である。
シリコン残存率90%を維持できる溶媒としては、特に限定されるものではないが、粒子表面における溶媒との相互作用に起因する物質移動を抑制する観点から、25℃における溶媒の水への溶解度が0.02%以上、あるいは親水性又は疎水性の指標であるオクタノール水分配係数が3以下である溶媒がより好ましい。具体的には、極性有機溶媒では、メタノール、エタノール、1−プロパノール、ラウリルアルコール、ブタノール、グリセリン、エチレングリコ−ル、プロピレングリコール、カルビトール(ジエチレングリコール=モノエチルエーテル)、セロソルブ(エチレングリコール=モノエチルエーテル)、アセトン、酢酸、ジオキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソノナン酸イソノニル、酢酸エチル等が挙げられる。非極性有機溶媒ではベンゼン、トルエン、四塩化炭素、クロロホルム、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、エチルエーテル等が挙げられる。
なお、通常のシリコン系化合物により処理された粉体は、極性有機溶媒に対してシリコン残存率が大きい場合は、非極性有機溶媒に対しては当該残存率は、低くなり、逆に非極性有機溶媒に対して残存率が高い場合は、極性有機溶媒に対する値が低くなってしまうのが通例である。本発明におけるごとく、極性有機溶媒及び非極性有機溶媒の両者に対して優れたシリコン残存率を示すことは、極めて驚くべきことと言ってよい。
この理由は、詳細には明確にすることは出来ないが、シリコン系化合物として、無機粉体との反応性基を有するシリコーンオイルを選択使用していること、当該特定のシリコーンオイルを通常の処理と異なり、あえて水系エマルションとして表面処理に使用していること、及び、高圧乳化工程により当該シリコーンオイルを非常に微小な液滴にまで、剪断したエマルションとしているため、当該微小液滴と無機粉体との接触面積が増大してより強い力で粒子表面に固着されること等のメカニズムが総合して、安定的に固着されるのではないかと推測している。
なお、本発明で、無機粉体の表面がシリコーンオイル等のシリコン系化合物で処理されていることは、該粉体を水に添加した際の撥水挙動、FT−IRによる解析等により、容易に確認できる。
(合成例1)(無機粉体との反応性基を有するシリコーンオイルエマルションの調製)
シリコーンオイルとして、シリカのシラノール基との反応性基を有するエトキシ変性シリコーンオイル(信越シリコーン社製、商品名:KF-9909、動粘度20mm2/s)を選択した。その500g中に界面活性剤としてポリオキシエチレン脂肪酸エステル(三洋化成工業社製、商品名:イオネットMO-600)75gを溶解した溶液に、脱塩水を425ml添加した。
この混合液を、T.K.HOMO MIXER(特殊機化工業社製)で10000rpmで15分間予備乳化した。当該予備乳化液を、高圧乳化機(吉田機械興業社製、機種名:Nanomaizer markII、型式:NM2-L200)を用いて、オリフィス径120μmの貫通型ジェネレータで120MPaの圧力で4パス処理して乳化を行った。
この乳化したエマルション粒子のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA−920型)による平均粒子径は、0.16μmであった。
(合成例2)(無機粉体との反応性基のないシリコーンオイルエマルションの調製)
シリコーンオイルとして、ジメチルシリコーンオイル(信越シリコーン社製、商品名:KF-96-100CS、動粘度100mm2/s)を選択した。その500g中に、界面活性剤としてポリオキシエチレン脂肪酸エステル(三洋化成工業社製、商品名:イオネットMO-600)75gを溶解した溶液に、脱塩水を425ml添加した。
この混合液を、T.K.HOMO MIXER(特殊機化工業社製)で10000rpmで15分間予備乳化した。当該予備乳化液を、高圧乳化機(吉田機械興業社製、機種名:Nanomaizer markII、型式:NM2-L200)を用いて、オリフィス径120μmの貫通型ジェネレータで120MPaの圧力で4パス処理して乳化を行った。
この乳化したエマルション粒子のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA−920型)による平均粒子径は、0.20μmであった。
〔実施例1〕
(1)表面処理すべき無機粉体として真球状シリカゲル(平均粒子径:5μm、比表面積:756m2/g、細孔容積:0.88ml/g)30gを使用した。また、合成例1で調製した、エトキシ変成シリコーンオイルの水系エマルション0.3gを脱塩水26.1mlであらかじめ希釈して調製した。なお、シリカゲル:シリコーンオイルエマルジョン(シリコーンオイル純分固体換算)の固体基準の質量比=100:0.5であった。
(2)無機粉体を容積1000mLのポリエチレン容器に装入し、粉体混合機としてターブラーシェイカーミキサー(シンマルエンタープライゼス社製)にセットした。上記シリコーンオイルエマルションを分割添加しながら、30分間よく粉体状態で混合し、表面処理した。
(3)表面処理した粉体混合物を120℃に加熱して3時間乾燥し、目的のシリコーンオイルで撥水化処理したシリカゲルを得た。当該シリカゲル0.1gを、水50mlが入ったビーカーに投入し、その撥水性を確認したところ、シリカゲル粉体は、24時間後も全く沈むことはなく、高い撥水性を有していることが確認された。
(4)また、このシリコーンオイルで処理したシリカゲルの各有機溶媒に対するシリコン残存率を測定したところ、トルエン:92% クロロホルム:92% イソノナン酸イソノニル:95% メタノール:98%であった。
〔実施例2〕
(1)表面処理すべき無機粉体として真球状シリカゲル(平均粒子径:3μm、比表面積:756m2/g、細孔容積:0.88ml/g)30gを使用した。また、合成例1で調製した、エトキシ変成シリコーンオイルの水系エマルション0.3gを脱塩水26.1mlであらかじめ希釈して調製した。なお、シリカゲル:シリコーンオイルエマルジョン(シリコーンオイル純分固体換算)の固体基準の質量比=100:0.5であった。
(2)無機粉体を容積1000mLのポリエチレン容器に装入し、粉体混合機としてターブラーシェイカーミキサー(シンマルエンタープライゼス社製)にセットした。上記シリコーンオイルエマルションを分割添加しながら、30分間よく粉体状態で混合し、表面処理した。
(3)表面処理した粉体混合物を120℃に加熱して3時間乾燥し、目的のシリコーンオイルで撥水化処理したシリカゲルを得た。当該シリカゲル0.1gを、実施例1と同様に水50mlが入ったビーカーに投入し、その撥水性を確認したところ、シリカゲル粉体は、24時間後も全く沈むことはなく、高い撥水性を有していることが確認された。
(4)また、このシリコーンオイルで処理したシリカゲルの各有機溶媒に対するシリコン残存率を測定したところ、トルエン:90% クロロホルム:93% イソノナン酸イソノニル:95% メタノール:97%であった。
〔実施例3〕
(1)表面処理すべき無機粉体として真球状シリカゲル(平均粒子径:5μm、比表面積:703m2/g、細孔容積:1.85ml/g)30gを使用した。また、合成例1で調製した、エトキシ変成シリコーンオイルの水系エマルション0.3gを脱塩水55.2mlであらかじめ希釈して調製した。なお、シリカゲル:シリコーンオイルエマルジョン(シリコーンオイル純分固体換算)の固体基準の質量比=100:0.5であった。
(2)無機粉体を容積1000mLのポリエチレン容器に装入し、粉体混合機としてターブラーシェイカーミキサー(シンマルエンタープライゼス社製)にセットした。上記シリコーンオイルエマルションを分割添加しながら、30分間よく粉体状態で混合し、表面処理した。
(3)表面処理した粉体混合物を120℃に加熱して3時間乾燥し、目的のシリコーンオイルで撥水化処理したシリカゲルを得た。当該シリカゲル0.1gを、実施例1と同様に水50mlが入ったビーカーに投入し、その撥水性を確認したところ、シリカゲル粉体は、24時間後も全く沈むことはなく、高い撥水性を有していることが確認された。
(4)また、このシリコーンオイルで処理したシリカゲルの各有機溶媒に対するシリコン残存率を測定したところ、トルエン:92% クロロホルム:92% イソノナン酸イソノニル:96% メタノール:96%であった。
〔比較例1〕
(1)表面処理すべき無機粉体として真球状シリカゲル(平均粒子径:5μm、比表面積:703m2/g、細孔容積:0.88ml/g)30gを使用した。また、合成例2で調製した、ジメチルシリコーンオイルの水系エマルション18gを脱塩水8.4mlであらかじめ希釈して調製した。なお、シリカゲル:シリコーンオイルエマルジョン(シリコーンオイル純分固体換算)の固体基準の質量比=100:30であった。
(2)無機粉体を容積1000mLのポリエチレン容器に装入し、粉体混合機としてターブラーシェイカーミキサー(シンマルエンタープライゼス社製)にセットした。上記シリコーンオイルエマルションを分割添加しながら、30分間よく粉体状態で混合し、表面処理した。
(3)表面処理した粉体混合物を120℃に加熱して3時間乾燥し、目的のシリコーンオイルで撥水化処理したシリカゲルを得た。当該シリカゲル0.1gを、実施例1と同様に水50mlが入ったビーカーに投入し、その撥水性を確認したところ、シリカゲル粉体は、24時間後も全く沈むことはなく、高い撥水性を有していることが確認された。
(4)しかしながら、このシリコーンオイルで処理したシリカゲルの各有機溶媒に対するシリコン残存率を測定したところ、トルエン:73% クロロホルム:72% イソノナン酸イソノニル:83% メタノール:95%であった。
〔比較例2〕
(1)表面処理すべき無機粉体として真球状シリカゲル(平均粒子径:5μm、比表面積:703m2/g、細孔容積:1.85ml/g)30gを使用した。また、合成例2で調製した、ジメチルシリコーンオイルの水系エマルション18gを脱塩水37.5mlであらかじめ希釈して調製した。なお、シリカゲル:シリコーンオイルエマルジョン(シリコーンオイル純分固体換算)の固体基準の質量比=100:30であった。
(2)無機粉体を容積1000mLのポリエチレン容器に装入し、粉体混合機としてターブラーシェイカーミキサー(シンマルエンタープライゼス社製)にセットした。上記シリコーンオイルエマルションを分割添加しながら、30分間よく粉体状態で混合し、表面処理した。
(3)表面処理した粉体混合物を120℃に加熱して3時間乾燥し、目的のシリコーンオイルで撥水化処理したシリカゲルを得た。当該シリカゲル0.1gを、実施例1と同様に水50mlが入ったビーカーに投入し、その撥水性を確認したところ、シリカゲル粉体は、24時間後も全く沈むことはなく、高い撥水性を有していることが確認された。
(4)しかしながら、このシリコーンオイルで処理したシリカゲルの各有機溶媒に対するシリコン残存率を測定したところ、トルエン:70% クロロホルム:68% イソノナン酸イソノニル:81% メタノール:97%であった。
〔比較例3〕
(1)表面処理すべき無機粉体として真球状シリカゲル(平均粒子径:5μm、比表面積:756m/g、細孔容積:0.88ml/g)30gを使用した。また、合成例2で調製したジメチルシリコーンオイルの水系エマルション0.3gを脱塩水8.4mlであらかじめ希釈して調製した。なお、シリカゲル:シリコーンオイルエマルジョン(シリコーンオイル純分固体換算)の固体基準の質量比=100:0.5であった。
(2)無機粉体を容積1000mLのをポリエチレン容器に装入し、粉体混合機としてターブラーシェイカーミキサー(シンマルエンタープライゼス社製)にセットした。上記シリコーンオイルエマルションを分割添加しながら、30分間粉体状態でよく混合し、表面処理した。
(3)表面処理した粉体混合物を120℃に加熱して3時間乾燥し、目的のシリコーンオイルで撥水化処理したシリカゲルを得た。当該シリカゲル0.1gを、実施例1と同様に水50mlが入ったビーカーに投入し、その撥水性を確認したところ、シリカゲル粉体は、投入直後に水中に沈降し、撥水性を得ることはできなかった。
(4)このシリコーンオイルで処理したシリカゲルの各有機溶媒に対するシリコン残存率を測定したところ、トルエン:75%、クロロホルム:76%、イソノナン酸イソノニル:79%%、メタノール:93%であった。
本発明に従えば、有機溶媒が極性又は非極性のいずれであっても、表面処理したシリコン系化合物の再溶出が実質的に抑制された安定な撥水処理無機粉体が提供される。
また、かかる無機粉体の撥水処理を、シリコン系化合物の分散媒として有機溶媒を使用せず、その水系エマルションを使用することにより効果的に行う撥水性無機粉体の製造方法が提供される。
本発明の方法で得られた高い撥水性を有し、シリコン系化合物で処理された安定化無機粉体は、化粧料、樹脂、塗料、印刷インク、ゴム等に配合するフィラー、顔料、触媒等として好適に使用される。

なお、2005年12月28日に出願された日本特許出願2005−377091号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (1)

  1. 表面がシリコン系化合物で処理されている撥水性無機粉体において、上記シリコン系化合物は当該無機粉体との反応性基を有するものであり、当該無機粉体を極性有機溶媒及び非極性有機溶媒のいずれに分散させた場合においても、24時間分散後の当該シリコン系化合物の残存率(24時間後の当該無機粉体に残存するシリコン系化合物の当初に存在したシリコン系化合物に対する質量%をいう。)が90%以上を示すものであり、
    (i)前記シリコン系化合物が、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アルコキシ変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、又はカルボキシル変性シリコーンオイルのいずれかの水系エマルションであり、
    (ii)前記水系エマルションには、ソルビタン脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル系、ポリオキシエオチレン脂肪酸エステル系、N−アシルアミノ酸系、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系及びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系からなる群より選択される少なくとも1種の界面活性剤が配合されており、
    (iii)前記水系エマルションは、前記シリコン系化合物を、前記界面活性剤の存在下に、高圧乳化して得られたものであり、
    (iv)前記前記無機粉体が、真球状シリカゲルまたは不定形シリカゲルであり、
    (v)前記無機粉体は、その比表面積が5〜2000m 2 /g、細孔容積が0.01〜5.0ml/gの多孔質粒子であり、かつ、
    (vi)前記シリコン系化合物の無機粉体に対する固体基準の質量比(シリコン系化合物質量/無機粉体質量)が0.1/100〜20/100であることを特徴とする撥水性無機粉体。
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