JP4842571B2 - 撥水性無機粉体又は撥水性樹脂ビーズの製造方法 - Google Patents
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Description
〔1〕
無機粉体に当該粉体と親和性が高いシリコン系化合物の水系エマルションを添加し、実質的に乾燥状態で混合・撹拌しながら当該粉体を表面処理する第1工程と、処理された粉体を加熱して当該シリコン系化合物を粉体表面に焼き付けるとともに、前記エマルションの水系媒体を分離する第2工程とからなる撥水性無機粉体の製造方法において、前記シリコン系化合物の水系エマルションが、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイルのいずれかの水系エマルションであることを特徴とする、水中に投入して24時間経過後も全く沈降することがない撥水性無機粉体の製造方法。
前記無機粉体が、その比表面積が5〜2000m2/g、細孔容積が0.01〜5.0ml/gの多孔質粒子である〔1〕項に記載の撥水性無機粉体の製造方法。
前記シリコン系化合物の無機粉体に対する固体基準の質量比(シリコン系化合物質量/無機粉体質量)=1/100〜20/100である〔1〕項に記載の撥水性無機粉体の製造方法。
前記第1工程における表面処理を1分〜6時間行う〔1〕項に記載の撥水性無機粉体の製造方法。
前記第2工程における加熱処理を50〜250℃で30分〜12時間行う〔1〕項に記載の撥水性無機粉体の製造方法。
前記無機粉体が真球状シリカゲルまたは不定形シリカゲルである〔1〕項〜〔5〕項のいずれかに記載の撥水性無機粉体の製造方法。
〔7〕
樹脂ビーズに当該ビーズと親和性が高いシリコン系化合物の水系エマルションを添加し、実質的に乾燥状態で混合・撹拌しながら当該ビーズを表面処理する第1工程と、処理されたビーズを加熱して当該シリコン系化合物を樹脂ビーズ表面に焼き付けるとともに、前記エマルションの水系媒体を分離する第2工程とからなる撥水性樹脂ビーズの製造方法において、前記シリコン系化合物の水系エマルションが、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイルのいずれかの水系エマルションであることを特徴とする、水中に投入して24時間経過後も全く沈降することがない撥水性樹脂ビーズの製造方法。
前記シリコン系化合物の樹脂ビーズに対する固体基準の質量比(シリコン系化合物質量/樹脂ビーズ質量)=0.1/100〜20/100である〔7〕項に記載の撥水性樹脂ビーズの製造方法。
前記第1工程における表面処理を1分〜6時間行う〔7〕項に記載の撥水性樹脂ビーズの製造方法。
前記第2工程における加熱処理を50〜150℃で30分〜12時間行う〔7〕項に記載の撥水性樹脂ビーズの製造方法。
図1は、本発明の撥水性無機粉体等の製造方法を説明するフローシートである。当該方法は、基材となる無機粉体等10に、シリコン系化合物の水系エマルション20を添加して、実質的に乾燥状態で混合・撹拌しながら当該粉体の表面処理を行う第1工程30と、処理した無機粉体等の加熱・焼き付けを行う第2工程40よりなり、第2工程では、また、水系媒体50が分離除去され、撥水性無機粉体等60が得られる。
本発明において撥水性処理の対象となる無機粉体10としては、特に限定するものではないが、例えば以下の化合物の微小粒子が例示される。
シリカ(シリカゲル、ホワイトカーボン、エアロジル、非晶質シリカを含む。)、マイカ、タルク、セリサイト、カオリン、クレー、ベントナイト、活性炭、カーボンブラック等;
塩化アルミニウム、塩化チタン、塩化ジルコニウム、フッ化カルシウム等のハロゲン化物;
ニッケル、銅、亜鉛、スズ、コバルト、鉄、アルミニウム、モリブデン、マンガン、タングステン、ガリウム、インジウム、テクネチウム、チタン、ジルコニウム、セリウム、タンタル、ニオブ、ハフニウム等;及び
また、無機粉体の形状は特に限定するものでなく、球状、真球状、楕円球状、不定形、破砕形状、円筒状、ペレット状、四角状、針状、円柱状、破砕状等いずれであってもよい。
本発明において使用するシリコン系化合物とは、無機微小粒子の表面に接触、付着、吸着等してその表面を被覆し、つぎの加熱工程により、当該無機粉体の表面に焼き付けられ、固定化されて、安定して撥水性を付与しうる当該粉体と親和性が高いものであれば特に限定するものではないが、例えば式(1)で表されるいわゆるシリコーンオイル(またはポリシロキサンとも称される。)が好ましい。以下、シリコン系化合物としてシリコーンオイルを使用する場合を例として述べる。
なお、式において、R1、R2が置換基であるものを側鎖型、R3、R4が置換基であるものを末端型といい、R3、R4がのいずれかが置換基であるものを片末端型、R3、R4の両者が置換基であるものを両末端型という。
すなわち、式(1)において、R1、R2、R3、R4が、水素、アルキル基、またはフェニル基であるもの(いわゆるストレートシリコーンオイル)としては、メチルハイドロジェンシリコーンオイル(R1=H、R2、R3、R4=CH3)、ジメチルシリコーンオイル(R1、R2、R3、R4=CH3)、ジエチルシリコーンオイル(R1、R2=C2H5、R3、R4=CH3)、ジイソプロピルシリコーンオイル(R1、R2=C3H7、R3、R4=CH3)、ジブチルシリコーンオイル(R1、R2=C4H9、R3、R4=CH3)、ジアミルシリコーンオイル(R1、R2=C5H11、R3、R4=CH3)、ジヘキシルシリコーンオイル(R1、R2=C6H13、R3、R4=CH3)、ジラウリルシリコーンオイル(R1、R2=C11H23、R3、R4=CH3)、ジステアリルシリコーンオイル(R1、R2=C17H35、R3、R4=CH3);
また、いわゆる変性(反応性)シリコーンオイルとしては、R1、R2、R3、R4の少なくとも一つとして、グリシジル基、グリシドキシエチルグリシドキシプロピル等のエポキシ基;アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、イソプロピルアミノ基、アニリノ基、トルイジノ基、キシリジノ基等のアミノ基;カルボキシル基(カルボン酸基(−COOH)ともいう。)、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、アセトキシ基、ベンゾキシロキシ基等のカルボキシル基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、フェノキシ基等のアルコキシル基;ポリオキシアルキレン基、メルカプト基及びアリール基(ただしフェニル基を除く。)、ビニル基、イソプロペニル基、アリル基等のアルケニル基;アクリロイル基、メタクリロイル基、メタクリロキシプロピル等のアシール基、ポリエーテル基が導入されたものである。
本発明においては、これらのシリコーンオイルは、水系エマルションの形態で、無機粉体に添加され実質的に乾燥状態で混合・撹拌しながら当該粉体を表面処理する第1工程30が行われる。
いわゆるストレートシリコーンオイルの水系エマルションとしては、PolonMR、PolonMWS、PolonMK−206(以上メチルハイドロジェンシリコーンオイル)、PolonMF−7、PolonMF−17、PolonMF−32、KM722A、KM740、KM742、KM782、KM785、KM786、KM787、KM788、KM797、KM860A、KM862、KM905,KM9705(以上ジメチルシリコーンオイルエマルション)、KM871P(メチルフェニルシリコーンオイルエマルション)、(以上、信越化学工業社製)、LE−45、LE−46,LE−48、LE−460、LE−463、LE−3430、FZ−4110、FZ−4116、FZ−4112、FZ−4129、FZ−4138、FZ−4157、FZ−4158、FZ−4170、FZ−4174、FZ−4185、FZ−4188(以上ジメチルシリコーンオイルエマルション)(以上、日本ユニカー社製)、BY22−007、BY22−080、BY22−029、BY22−050A、BY22−019、BY22−020、BY22−034、BY22−055、BY22−067(以上ジメチルシリコーンオイルエマルション、東レ・ダウコーンニング・シリコーン社製)、TSM630、TSM631、TSM6341、TSM6343、YMR7212(以上ジメチルシリコーンオイルエマルション、GE東芝シリコーン社製)が挙げられる。
第1工程を実施するための装置としては、無機粉体を収容し、これを効率よく撹拌しながら、シリコーンオイルのごときシリコン系化合物の水系エマルションを供給し、当該粉体を混合・撹拌しながら、その表面処理を実施することが出来る装置であれば、特に限定するものではなく、無機粉体を収容する静置型またはそれ自体回転する容器及び/又は固体撹拌翼を備えた通常の固体混合装置が使用される。例えば、V型混合機、二重円錐型混合機、リボン型混合機、回転式又は連続式ミューラー型混合機、垂直スクリュー型混合機、単軸又は複軸ローター型混合機等に、好ましくは、水系エマルションの供給ノズルや滴下手段を備えた装置が適宜使用できる。また、少量の無機粉体を処理する場合は、回動、揺動、振動、八の字運動、往復動、上下動、ピストン運動等の動きを印加しうる混合機器に、当該無機粉体と水系エマルションを収容した小型容器をセットし、当該小型容器に対し、回動、揺動等の所望の混合運動を印加することもできる。かかる装置としては、例えば、ターブラーシェイカーミキサー(シンマルエンタープライゼス社製)があげられる。
本発明においては、第1工程において処理された粉体を加熱してシリコン系化合物を粉体表面に焼き付けるとともに、前記エマルションの水系媒体を分離する第2工程40を行う。
当該加熱・加熱下において、シリコン系化合物で処理された無機粉体から水系媒体である水等が蒸発、除去せしめられるが、この過程で、当該水系媒体中に分散していたシリコーンオイル等のシリコン系化合物は蒸発することなく互いに近接し、当該無機粉体の外表面、及び特に細孔内表面において、被膜を形成しながら、焼き付けられると考えられる。
以上の無機粉体にシリコン系化合物の水系エマルションを添加して処理し撥水性性粉体を製造する方法は、樹脂ビーズに対しても基本的に適用可能であり、これに大きな撥水性を付与することができる。
いわゆる樹脂ビーズとは、種々の産業分野で使用されている粒径0.05〜100μm程度のポリマー微粒子を包括的に指称する用語である。このような樹脂ビーズ(ポリマー微粒子)は、例えば、化粧品改質材、塗料用機能化材(レオロジーコントロール)、トナー用添加材、プラスチック改質材、医療用診断検査薬坦体、液晶用スペーサ、再帰性反射材料、ブラスト処理剥離材、UVインクの加飾材(疑似エッチング、ノングレア、エンボス付与)等に好適に使用されている。
樹脂ビーズとしては、その目的、要求機能、必要特性等に応じて、種々の物性を有する種々の樹脂が選択使用される。
すなわち、樹脂ビーズの物性は、平均粒子径が0.05〜100μm、好ましくは0.1〜50μm、さらに好ましくは1〜20μm程度のものである。
樹脂ビーズは、無機粉体と同様にして、すでに述べたシリコーンオイルの水系エマルションを使用し、図1に示した工程に従って処理される。
当該混合処理工程を実施するための装置としては、無機粉体の処理に使用したものと同様の装置が使用可能であり、例えば、V型混合機、二重円錐型混合機、リボン型混合機、回転式又は連続式ミューラー型混合機、垂直スクリュー型混合機、単軸又は複軸ローター型混合機等が使用できる。好ましくは、水系エマルションの供給ノズルや滴下手段を備えた装置である。また、少量の樹脂ビーズを処理する場合は、回動、揺動、振動、八の字運動、往復動、上下動、ピストン運動等の動きを印加しうる混合機器に、当該樹脂ビーズと水系エマルションを収容した小型容器をセットし、当該小型容器に対し、回動、揺動等の所望の混合運動を印加する装置を使用することもできる。かかる装置としては、すでに述べた、ターブラーシェイカーミキサー(シンマルエンタープライゼス社製)等があげられる。
本発明においては、無機粉体の場合と同様にして混合処理された樹脂ビーズを加熱してシリコン系化合物を当該樹脂ビーズの表面に焼き付けるとともに、前記エマルションの水系媒体を分離する。
当該加熱・加熱下において、シリコン系化合物で処理された樹脂ビーズから水系媒体である水等が蒸発、除去せしめられるが、この過程で、当該水系媒体中に分散していたシリコーンオイル等のシリコン系化合物は実質的に蒸発することなく互いに近接し、当該樹脂ビーズの外表面、及び多孔質ビーズの場合は特に細孔内表面において、被膜を形成しながら、焼き付けられると考えられる。
(1)表面処理すべき無機粉体として真球状シリカゲル(粒子径:5μm、比表面積:119m2/g、細孔容積:0.50ml/g)30gを使用した。また、シリコン系化合物の水系エマルションとして、メチルハイドロジェンシリコーンオイルの水系エマルション(信越化学工業社製、商品名:Polon−MR)1.5gを脱塩水14.4mlであらかじめ希釈して調整した。なお、シリカゲル:シリコーンオイルエマルション(シリコーンオイル純分固体換算)=100:3であった。
(1)表面処理すべき無機粉体として真球状シリカゲル(粒子径:5μm、比表面積:756m2/g、細孔容積:0.88ml/g)30gを使用した。また、シリコン系化合物の水系エマルションとして、メチルハイドロジェンシリコーンオイルの水系エマルション(信越化学工業社製、商品名:Polon−MR)2.5gを脱塩水25.4mlであらかじめ希釈して調整した。なお、シリカゲル:シリコーンオイルエマルション(シリコーンオイル純分固体換算)=100:5であった。
(1)表面処理すべき無機粉体として真球状シリカゲル(粒子径:5μm、比表面積:756m2/g、細孔容積:0.88ml/g)30gを使用した。また、シリコン系化合物の水系エマルションとして、アミノ変性シリコーンオイルの水系エマルション(信越化学工業社製、商品名:X−52−2265、シリコーンオイル成分:40%)7.5gを脱塩水18.9mlであらかじめ希釈して調整した。なお、シリカゲル:シリコーンオイルエマルション(シリコーンオイル純分固体換算)=100:10であった。
(1)表面処理すべき無機粉体として真球状シリカゲル(粒子径:5μm、比表面積:756m2/g、細孔容積:0.88ml/g)30gを使用した。また、シリコン系化合物の水系エマルションとして、アミノ変性シリコーンオイルの水系エマルション(信越化学工業社製、商品名:X−52−2265、シリコーンオイル成分:40%)3.75gを脱塩水24.5mlであらかじめ希釈して調整した。なお、シリカゲル:シリコーンオイルエマルション(シリコーンオイル純分固体換算)=100:5であった。
(1)表面処理すべき無機粉体として真球状シリカゲル(粒子径:5μm、比表面積:703m2/g、細孔容積:1.85ml/g)30gを使用した。また、シリコン系化合物の水系エマルションとして、アミノ変性シリコーンオイルの水系エマルション(信越化学工業社製、商品名:X−52−2265、シリコーンオイル成分:40%)7.5gを脱塩水51.8mlであらかじめ希釈して調整した。なお、シリカゲル:シリコーンオイルエマルション(シリコーンオイル純分固体換算)=100:10であった。
(1)表面処理すべき無機粉体として真球状シリカゲル(粒子径:5μm、比表面積:703m2/g、細孔容積:1.85ml/g)30gを使用した。また、シリコン系化合物の水系エマルションとして、アミノ変性シリコーンオイルの水系エマルション(信越化学工業社製、商品名:X−52−2265、シリコーンオイル成分:40%)3.75gを脱塩水53.6mlであらかじめ希釈して調整した。なお、シリカゲル:シリコーンオイルエマルション(シリコーンオイル純分固体換算)=100:5であった。
実施例2において真球状シリカゲルを破砕して破砕状シリカゲルとした以外は、実施例6と同様な実験を行った。得られた破砕状シリカゲルを、実施例1と同様に水中に投入し、その撥水性を確認したところ、24時間経過後も全く沈降せず、高い撥水性を有していることが確認された。
実施例2において真球状シリカゲルを酸化亜鉛に代えた以外は、実施例2と同様な実験を行った。得られた酸化亜鉛を実施例1と同様に水中に投入し、その撥水性を確認したところ、24時間後も全く沈むことはなく、高い撥水性を有していることが確認された。
実施例2においてシリコン系化合物の水系エマルションを、カルボキシル変性シリコーンオイル水系エマルション(日本ユニカー社製、商品名:FZ−4633)とした以外は、実施例2と同様な方法で処理を行った。なお、シリカゲル:シリコーンオイルエマルション(シリコーンオイル純分固体換算)=100:10であった。
得られたシリコーンオイルで撥水化処理した真球状シリカゲルを、実施例1と同様に水中に投入し、その撥水性を確認したところ、24時間後も全く沈むことはなく、高い撥水性を有していることが確認された。
実施例2においてシリコン系化合物の水系エマルションを、エポキシ変性シリコーンオイル水系エマルション(信越化学工業社製、商品名:Polon MF−18)とした以外は、実施例2と同様な方法で処理を行った。なお、シリカゲル:シリコーンオイルエマルション(シリコーンオイル純分固体換算)=100:10であった。
得られたシリコーンオイルで撥水化処理した真球状シリカゲルを、実施例1と同様に水中に投入し、その撥水性を確認したところ、24時間後も全く沈むことはなく、高い撥水性を有していることが確認された。
(1)表面処理すべき無機粉体として真球状シリカゲル(粒子径:3μm、比表面積:756m2/g、細孔容積:0.88ml/g)30gを使用した。また、シリコン系化合物としてメチルハイドロジェンシリコーンオイル(信越化学工業社製、商品名:KF−99)6gを酢酸エチル26.4mlであらかじめ希釈して調整した。なお、シリカゲル:シリコーンオイル(シリコーンオイル純分固体換算)=100:20であった。
(1)表面処理すべき無機粉体として真球状シリカゲル(粒子径:3μm、比表面積:756m2/g、細孔容積:0.88ml/g)30gを使用した。また、シリコン系化合物としてジメチルシリコーンオイル(信越化学工業社製、商品名:KF−96)9gを酢酸エチル26.4mlであらかじめ希釈して調整した。なお、シリカゲル:シリコーンオイル(シリコーンオイル純分固体換算)=100:30であった。
比較例1においてシリコン系化合物としてアミノ変性シリコーンオイル(信越化学工業社製、商品名:KF−8044)とした以外は比較例1と同様な方法で処理を行った。なお、シリカゲル:シリコーンオイル=100:20であった。
得られた真球状シリカゲルの撥水性を確認したところ、24時間経過する前にすべて沈降してしまい、この粉体は充分な撥水性はないことがわかった。すなわち、シリコーンオイルを有機溶媒に溶解した場合は、シリコーンエマルションの場合に比較して多量のシリコーンオイルを使用しているにかかわらず、充分な撥水性を無機粉体に付与することはできない。
(1)表面処理すべき樹脂ビーズとしてアクリル樹脂ビーズ(岩瀬コスファ社製、商品名:マイクロスフェア−M−100、平均粒子径:5〜20μm)100gを使用した。また、シリコン系化合物の水系エマルションとして、アミノ変性シリコーンオイルの水系エマルション(信越化学工業社製、商品名:アミノ変性シリコーンEM、シリコーン成分40%)2.5gを脱塩水2.5mlであらかじめ希釈して調整した。なお、アクリル樹脂ビーズ:シリコーンオイルエマルション(シリコーンオイル純分固体換算)=100:1であった。
実施例10において、処理すべき樹脂ビーズをナイロン樹脂ビーズ(岩瀬コスファ社製、商品名:ORGASOL 2002 EXD NAT 1、平均粒子径:10μm、比表面積:1.5m2/g)を使用するほかは、全く同様の実験を行った。得られたナイロン樹脂ビーズを同様にして水中に投入したところ、当該ビーズは24時間後も全く沈降せず、高い撥水性を有していることが確認された。なお、当該ナイロン樹脂ビーズを本発明の方法による撥水処理せずに、水中に投入したところ、ただちに沈降してしまった。
20 シリコン系化合物の水系エマルション
30 乾燥状態で混合・撹拌し表面処理を行う第1工程
40 処理した無機粉体等の加熱・焼き付けを行う第2工程
50 水系媒体
60 撥水性無機粉体等
Claims (10)
- 無機粉体に当該粉体と親和性が高いシリコン系化合物の水系エマルションを添加し、実質的に乾燥状態で混合・撹拌しながら当該粉体を表面処理する第1工程と、処理された粉体を加熱して当該シリコン系化合物を粉体表面に焼き付けるとともに、前記エマルションの水系媒体を分離する第2工程とからなる撥水性無機粉体の製造方法において、前記シリコン系化合物の水系エマルションが、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイルのいずれかの水系エマルションであることを特徴とする、水中に投入して24時間経過後も全く沈降することがない撥水性無機粉体の製造方法。
- 前記無機粉体が、その比表面積が5〜2000m2/g、細孔容積が0.01〜5.0ml/gの多孔質粒子である請求項1に記載の撥水性無機粉体の製造方法。
- 前記シリコン系化合物の無機粉体に対する固体基準の質量比(シリコン系化合物質量/無機粉体質量)=1/100〜20/100である請求項1に記載の撥水性無機粉体の製造方法。
- 前記第1工程における表面処理を1分〜6時間行う請求項1に記載の撥水性無機粉体の製造方法。
- 前記第2工程における加熱処理を50〜250℃で30分〜12時間行う請求項1に記載の撥水性無機粉体の製造方法。
- 前記無機粉体が真球状シリカゲルまたは不定形シリカゲルである請求項1〜5のいずれかに記載の撥水性無機粉体の製造方法。
- 樹脂ビーズに当該ビーズと親和性が高いシリコン系化合物の水系エマルションを添加し、実質的に乾燥状態で混合・撹拌しながら当該ビーズを表面処理する第1工程と、処理されたビーズを加熱して当該シリコン系化合物を樹脂ビーズ表面に焼き付けるとともに、前記エマルションの水系媒体を分離する第2工程とからなる撥水性樹脂ビーズの製造方法において、前記シリコン系化合物の水系エマルションが、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイルのいずれかの水系エマルションであることを特徴とする、水中に投入して24時間経過後も全く沈降することがない撥水性樹脂ビーズの製造方法。
- 前記シリコン系化合物の樹脂ビーズに対する固体基準の質量比(シリコン系化合物質量/樹脂ビーズ質量)=0.1/100〜20/100である請求項7に記載の撥水性樹脂ビーズの製造方法。
- 前記第1工程における表面処理を1分〜6時間行う請求項7に記載の撥水性樹脂ビーズの製造方法。
- 前記第2工程における加熱処理を50〜150℃で30分〜12時間行う請求項7に記載の撥水性樹脂ビーズの製造方法。
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