JP5945412B2 - エンジンシステム - Google Patents

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Description

本発明は、混合気を燃焼室で圧縮して燃焼させ軸動力を出力するエンジンと、
エンジン負荷に応じて前記エンジンの出力を制御する出力制御を実行する制御手段とが備えられ、
前記制御手段は、前記エンジン負荷に応じて、前記燃焼室で燃焼する混合気の空燃比をストイキ範囲内に設定するストイキ燃焼モードと前記燃焼室で燃焼する混合気の空燃比を前記ストイキ範囲よりも燃料が希薄なリーン範囲内に設定するリーン燃焼モードとに前記エンジンの燃焼モードを切替自在に構成されているエンジンシステムに関する。
この種のエンジンシステムとして、エンジンの燃焼モードが、エンジン負荷に応じて、混合気の空燃比をストイキ範囲内(例えば空気過剰率換算で1.0程度)に設定するストイキ燃焼モードと混合気の空燃比をストイキ範囲超のリーン範囲(例えば空気過剰率換算で1.4〜1.6)内に設定するリーン燃焼モードとに切り替え自在に構成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
かかるエンジンシステムは、例えば、圧縮機がエンジンにて駆動される空調用の圧縮式のヒートポンプ回路を備えたエンジン駆動式のヒートポンプシステムや、エンジンにて駆動される発電機を備えたエンジン駆動式の熱電併給システムとして構成される。
つまり、ストイキ燃焼モードは、リーン燃焼モードに比べて高出力が得られ、リーン燃焼モードは、ストイキ燃焼モードに比べて高効率が得られるので、エンジン負荷が大きい高負荷域では、エンジンがストイキ燃焼モードで運転され、逆に、エンジン負荷が小さい低負荷域では、エンジンがリーン燃焼モードで運転される。
また、エンジンから排出される排ガス中の有害成分を浄化するために、エンジンからの排ガスが通流する排気路には三元触媒が排ガスの通過が自在に設けられている。そして、エンジンがストイキ燃焼モードで運転されるときは、三元触媒において、排ガス中のNOxが還元除去されると共にCO及びHCが酸化除去され、一方、エンジンがリーン燃焼モードで運転されるときは、三元触媒において、NOxを殆ど含まない排ガスに含まれているCO及びHCが酸化除去される。
そして、このようなエンジンシステムでは、制御手段が、空調負荷等の大きさの変化によりエンジン負荷が高負荷域から低負荷域へ減少側に変化すると、燃焼モードをストイキ燃焼モードからリーン燃焼モードに切り替え、逆に、空調負荷等の大きさの変化によりエンジン負荷が低負荷域から高負荷域へ増加側に変化すると、燃焼モードをリーン燃焼モードからストイキ燃焼モードに切り替える。尚、この種の従来のエンジンシステムでは、ストイキ燃焼モードとリーン燃焼モードとの間で燃焼モードを切り替えるときの前記エンジン負荷の閾値である燃焼モード切替値は、一定値に設定されていた。
特開2008−286066号公報
高負荷域で設定されるストイキ燃焼モードでは、高出力を得るべくエンジンに投入する熱量が大きくなるがそれに対する混合気の熱容量は比較的小さいため、燃焼室における燃焼温度が比較的高くなる。よって、高温に晒される排気バルブなどの構成部品の耐熱性等が、エンジンシステムの寿命やメンテナンス頻度を決定する因子となる場合があるので、寿命等の面では、ストイキ燃焼モードの積算運転時間ができるだけ短くなるように、上記燃焼モード切替値をできるだけ高く設定することが望まれる。
しかしながら、エミッションの面では排ガス中のNOxを三元触媒で完全に除去可能なストイキ燃焼モードが有利であるなど、他の面ではストイキ燃焼モードの積算運転時間を短くしすぎないほうが良い場合があり、燃焼モード切替値を一義的に決定するのは困難であった。
また、エンジンへの要求出力は、需要者側の需要状況や当該システムの用途などにより変化するため、上述のようにエンジン負荷に応じて燃焼モードを切り替える場合には、ストイキ燃焼モードとリーン燃焼モードとの積算運転時間のバランスについても変化することになる。
特に、総積算運転時間に対するストイキ燃焼モードでの積算運転時間の割合であるストイキ燃焼モード運転割合が、設計時の適正値を過度に上回ることになると、高温に晒される排気バルブなどの構成部品が予測よりも早く熱損傷してしまいエンジン寿命等が予測を下回ってしまうなどの寿命面での問題や、リーン燃焼モードによる高効率化が十分に発揮できなくなって全体の効率が低下するなどの効率面での問題が生じる場合がある。逆に、同ストイキ燃焼モード運転割合が、設計時の適正値を過度に下回ることになると、三元触媒でのNOx除去が十分ではなくなるなどのエミッション面での問題が生じる場合がある。
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、エンジン負荷に応じてストイキ燃焼モードとリーン燃焼モードとにエンジンの燃焼モードを切替自在に構成されたエンジンシステムにおいて、効率やエミッションなどの性能面や寿命面において想定どおりの仕様を実現するべく適切な状態で燃焼モードの切り替えを行うことができる技術を提供する点にある。
この目的を達成するために、本発明に係るエンジンシステムは、
混合気を燃焼室で圧縮して燃焼させ軸動力を出力するエンジンと、
エンジン負荷に対応する目標回転数に応じて前記エンジンの出力を制御する出力制御を実行する制御手段とが備えられ、
前記制御手段は、前記エンジン負荷に対応する目標回転数に応じて、前記燃焼室で燃焼する混合気の空燃比をストイキ範囲内に設定するストイキ燃焼モードと前記燃焼室で燃焼する混合気の空燃比を前記ストイキ範囲よりも燃料が希薄なリーン範囲内に設定するリーン燃焼モードとに前記エンジンの燃焼モードを切替自在に構成されているエンジンシステムであって、
その第1特徴構成は、
前記制御手段は、
総積算運転量に対する前記ストイキ燃焼モードでの積算運転量に関するストイキ燃焼モード積算運転量の割合であるストイキ燃焼モード運転割合を認識可能な運転状態を監視すると共に、
前記ストイキ燃焼モードと前記リーン燃焼モードとの間で燃焼モードを切り替えるときの前記エンジン負荷に対応する目標回転数の閾値である燃焼モード切替値を前記ストイキ燃焼モード運転割合に応じて補正する切替値補正処理を実行し、
前記切替値補正処理として、前記ストイキ燃焼モード運転割合が所定の設定割合よりも高い場合に前記燃焼モード切替値を上昇させる切替値上昇処理を実行し、前記ストイキ燃焼モード運転割合が所定の設定割合よりも低い場合に前記燃焼モード切替値を低下させる切替値低下処理を実行する点にある。
尚、本願において積算運転量とは、夫々の燃焼モードにおいて蓄積されるエンジンへ負担に関連する量を示し、例えば積算運転時間や、そのエンジン負荷の運転時間での積分値(即ち仕事量)等を、積算運転量とすることができる。
本特徴構成によれば、制御手段が上記燃焼モード切替値を、総積算運転量に対するストイキ燃焼モード積算運転量の割合であるストイキ燃焼モード運転割合に応じて補正することで、ストイキ燃焼モード積算運転量とリーン燃焼モード積算運転量とのバランスを設計時での想定どおりの適切なものに近づけることができるので、効率やエミッションなどの性能面や寿命面において想定どおりの仕様を実現するべく適切な状態で燃焼モードの切り替えを行うことができる。
即ち、上記ストイキ燃焼モード運転割合が、設計時の適正値を過度に上回る場合には、上記燃焼モード切替値を高めに調整することで、エンジン負荷に対応する目標回転数が低下しているときにはストイキ燃焼モードからできるだけ早いタイミングでリーン燃焼モードに切り替わり、逆に、エンジン負荷に対応する目標回転数が上昇しているときにはリーン燃焼モードからストイキ燃焼モードへできるだけ遅いタイミングで切り替わる状態となって、リーン燃焼モードでの運転が積極的に行われることになる。よって、ストイキ燃焼モード運転割合が低下して適正な割合に近づき、寿命や効率の向上を図ることができる適正な状態に遷移することになる。
一方、上記ストイキ燃焼モード運転割合が、設計時の適正値を過度に下回る場合には、上記燃焼モード切替値を低めに調整することで、エンジン負荷に対応する目標回転数が低下しているときにはストイキ燃焼モードからできるだけ遅いタイミングでリーン燃焼モードに切り替わり、逆に、エンジン負荷に対応する目標回転数が上昇しているときにはリーン燃焼モードからストイキ燃焼モードへできるだけ早いタイミングで切り替わる状態となって、ストイキ燃焼モードでの運転が積極的に行われることになる。よって、ストイキ燃焼モード運転割合が上昇して適正な割合に近づき、三元触媒等によるエミッションの改善を図ることができる適正な状態に遷移させることができる。
さらに、切替値補正処理において上記切替値上昇処理を実行すれば、ストイキ燃焼モード運転割合が設定割合よりも高い場合には燃焼モード切替値が上昇して、リーン燃焼モードでの運転が積極的に行われることになるので、結果、ストイキ燃焼モード運転割合の設定割合超における更なる上昇が抑制され、寿命や効率の向上を重視した状態に維持することができる。
一方、切替値補正処理において上記切替値低下処理を実行すれば、ストイキ燃焼モード運転割合が設定割合よりも低い場合には燃焼モード切替値が低下して、ストイキ燃焼モードでの運転が積極的に行われることになるので、結果、ストイキ燃焼モード運転割合の設定割合未満における更なる低下が抑制され、三元触媒等によるエミッションの改善を重視した状態に維持することができる。
本発明に係るエンジンシステムの第特徴構成は、上記第特徴構成に加え、
前記制御手段が、前記切替値補正処理において前記切替値低下処理を実行する場合に、当該切替値低下処理において前記燃焼モード切替値の設定範囲を所定の下限値以上に制限する点にある。
エンジン負荷に対応する目標回転数が比較的低い場合に燃焼モードをストイキ燃焼モードに設定すると、スロットルバルブの開度が極めて小さくなって燃焼室における燃焼温度が低くなるので、排ガス温度も低くなり、結果、三元触媒の排ガス処理能力が低下する場合がある。
そこで、本特徴構成によれば、切替値低下処理における燃焼モード切替値の下限値が設定されているので、エンジン負荷に対応する目標回転数が燃焼モード切替値の下限値未満である場合には、燃焼モードがストイキ燃焼モードに切り替わることがなくなる。よって、ストイキ燃焼モードでの運転時においては、排ガス温度を常に三元触媒での必要温度以上に保つことができ、また、エンジン負荷に対応する目標回転数がストイキ燃焼モードでは排ガス温度が同必要温度以下になる恐れがある下限値未満になる場合には、リーン燃焼モードに切り替えるなどして、他の手段によるエミッション改善を図ることができる。
本発明に係るエンジンシステムの第特徴構成は、上記第特徴構成に加え、
前記エンジンからの排ガスが通流する排気路に排ガスが通過自在に設けられた三元触媒と、当該三元触媒の温度を検出する触媒温度検出手段とを備え、
前記制御手段が、前記ストイキ燃焼モードにおいて、前記触媒温度検出手段の検出結果に基づき点火時期を制御して前記触媒温度検出手段で検出される前記三元触媒の温度を所定温度以上に維持する点火時期昇温制御を実行する点にある。
ストイキ燃焼モードにおいて点火時期を遅角化すると、効率低下に伴ってスロットルバルブの開度が増加するので、燃焼室の燃焼温度が高くなって、排ガス温度が高くなる。
そこで、本特徴構成によれば、ストイキ燃焼モードにおいて、点火時期昇温制御が実行されるため、エンジン負荷に対応する目標回転数の低下に伴い三元触媒の温度が排ガスの処理能力を保つために必要な温度よりも低くなる恐れがある場合には、点火時期が遅角化されることで排ガス温度の低下が抑制されるので、三元触媒の排ガス処理能力の低下が解消され、エミッション改善が図られることになる。
よって、燃焼モード切替値の下限値をできるだけ低い値に設定して、例えば三元触媒等によるエミッションの改善を重視し、ストイキ燃焼モードでの運転を積極的に行うような状態で、燃焼モードの切替を行うことができる。
本発明に係るエンジンシステムの第特徴構成は、上記第乃至上記第特徴構成に加え、
前記制御手段が、前記切替値補正処理において前記切替値上昇処理を実行する場合に、当該切替値上昇処理において前記燃焼モード切替値の設定範囲を所定の上限値以下に制限する点にある。
エンジン負荷に対応する目標回転数が比較的高い場合に燃焼モードをリーン燃焼モードに設定すると、スロットルバルブの開度に限界があるため、必要な出力を得ることができない場合がある。
そこで、本特徴構成によれば、切替値上昇処理における燃焼モード切替値の上限値が設定されているので、エンジン負荷に対応する目標回転数が燃焼モード切替値の上限値以上である場合には、燃焼モードがリーン燃焼モードに切り替わることがなくなる。よって、リーン燃焼モードでの運転時においては、スロットルバルブの開度調整範囲内において適切な出力調整を行うことができ、また、エンジン負荷に対応する目標回転数がリーン燃焼モードでは必要な出力を得ることができない恐れがある上限値以上になる場合には、ストイキ燃焼モードに切り替えるなどして、他の手段による出力上昇を図ることができる。
本発明に係るエンジンシステムの第5特徴構成は、上記第4特徴構成に加え、
前記制御手段が、前記リーン燃焼モードにおける前記出力制御として、前記エンジン負荷に対応する目標回転数が所定値よりも低い場合にはスロットルバルブの開度調整により前記エンジンの出力を制御するスロットルバルブ出力制御を行い、前記エンジン負荷に対応する目標回転数が所定値以上の場合には前記混合気の空燃比調整により前記エンジンの出力を制御する空燃比出力制御を行う点にある。
リーン燃焼モードにおいて混合気の空燃比を効率面やエミッション面で可能な範囲内で低下させると、燃焼室への投入熱量が増加するので、出力が上昇する。
そこで、本特徴構成によれば、リーン燃焼モードにおいてエンジン負荷に対応する目標回転数が所定値以上と高い場合には、上記スロットルバルブ出力制御に代えて上記空燃比出力制御が実行されるため、スロットルバルブ出力制御ではエンジン負荷に対応する目標回転数の上昇に伴いスロットル開度が全開になってそれ以上の開度増加ができない場合でも、混合気の空燃比が低下されて出力上昇が行われるので、スロットルバルブの開度限界による出力不足が解消され、必要な出力を得ることができる。
よって、燃焼モード切替値の上限値をできるだけ高い値に設定して、例えば寿命や効率の向上を重視し、リーン燃焼モードでの運転を積極的に行うような状態で、燃焼モードの切替を行うことができる。
本発明の実施形態に係るエンジンシステムの全体構成を示すブロック図 本発明の実施形態に係るエンジンシステムにおける基本制御動作を示すフロー図 本発明の実施形態に係るエンジンシステムにおける切替値補正処理を示すフロー図
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
図1に示すように、エンジンシステムは、混合気Mを燃焼室2で圧縮して燃焼させて駆動力を出力するエンジン1、そのエンジン1にて駆動される圧縮機31を有する圧縮式のヒートポンプ回路30、及び、エンジン負荷に応じてエンジン1の出力を制御する制御手段としての制御装置20等を備えて、エンジン駆動式のヒートポンプシステムとして構成されている。
エンジン1の燃焼室2には、混合気Mを吸引する吸気路3、及び、エンジン1から排出される排ガスEが通流する排気路4が接続されている。
吸気路3には、混合器5を介して、天然ガス系都市ガス等の燃料ガスGを供給する燃料供給路6が接続されている。
そして、吸気路3の端部から吸気される空気Aと燃料供給路6から供給される燃料ガスGとが混合器5で混合されて、その混合気Mが吸気路3を通して燃焼室2に吸気され、燃焼室2において、その混合気Mが圧縮されると共に圧縮状態で点火プラグ(図示省略)にて点火されて燃焼・膨張することにより、クランクシャフト7が回転されて駆動力が出力され、燃焼により発生した排ガスEが排気路4を通して排気される。つまり、このエンジン1は、通常の4サイクル式に構成されている。
更に、このエンジン1には、クランクシャフト7にギア連結されて、エンジン1の起動時にバッテリ(図示省略)駆動によりクランクシャフト7を強制的に回転させるセルモータ8、及び、クランクシャフト7の回転数、即ち、エンジン1の回転数を検出する回転数センサ9が設けられている。
セルモータ8は、制御装置20により制御され、回転数センサ9の検出情報は、制御装置20に入力されるように構成されている。
燃料供給路6には、燃料ガスGの供給量を調整することにより混合気Mの空燃比を調整可能な燃料供給弁10が設けられ、吸気路3には、燃焼室2に吸気される混合気Mの吸気量を調整可能なスロットルバルブ11が設けられている。
排気路4には、排ガスEの酸素濃度を検出する酸素濃度センサ12、排ガスEが通過自在な三元触媒13、及び、その三元触媒13を出た直後の排ガスEの温度を三元触媒13の温度として検出する触媒温度検出手段としての触媒温度センサ14が夫々設けられている。
燃料供給弁10及びスロットルバルブ11は、制御装置20により制御され、酸素濃度センサ12の検出情報、及び、触媒温度センサ14の検出情報は、夫々、制御装置20に入力されるように構成されている。
尚、酸素濃度センサ12は、排気路4において三元触媒13の上流側の箇所に設けられ、触媒温度センサ14は、排気路4において三元触媒13の下流側の箇所に設けられている。
排ガスEの酸素濃度を検出する酸素濃度センサとして、排気路4における三元触媒13の上流側に設けた酸素濃度センサ12に加えて、排気路4における三元触媒13の下流側の箇所に設けて、その酸素濃度センサの検出情報も制御装置20に入力されるように構成しても良い。又、触媒温度センサ14は、三元触媒13の内部に設けても良い。
圧縮式のヒートポンプ回路30には、圧縮機31に加えて、室外空気熱交換器32、室内機33及び膨張弁34、並びに、圧縮機31にて圧縮された冷媒の送出先を室外空気熱交換器32側と室内機33側とに切り替える四方弁35等を備えて構成されている。尚、室内機33及び膨張弁34は、空調対象空間内に設置される室内ユニットUiに装備され、室内機33及び膨張弁34以外の部材、即ち、エンジン1、圧縮機31、室外空気熱交換器32及び四方弁35等は、空調対象空間外に設置される室外ユニットUeに装備される。
圧縮機31は、動力伝達機構40によってエンジン1に伝動連結され、エンジン1の軸動力により圧縮機31を駆動して冷媒を圧縮することにより、後述するように、冷房運転や暖房運転等の空調運転を行うように構成されている。
動力伝達機構40は、エンジン1のクランクシャフト7に固定されたエンジン側プーリ41と、圧縮機31の駆動軸31aにクラッチ手段としての電磁クラッチ42を介して連結された圧縮機側プーリ43と、それらエンジン側プーリ41と圧縮機側プーリ43とにわたって巻回されたベルト44等を備えて構成されている。
電磁クラッチ42は、制御装置20により制御される。つまり、制御装置20により電磁クラッチ42のオンオフが切り替えられ、その電磁クラッチ42のオンオフの切り替えにより、エンジン1と圧縮機31との伝動連結が断続されて、エンジン1にエンジン負荷がかかる状態とエンジン負荷がかからない状態とに切り替えられるように構成されている。
圧縮式のヒートポンプ回路30を冷房運転するときには、図1の四方弁35の状態として実線で示すように、圧縮機31の吐出側が室外空気熱交換器32に接続され且つ圧縮機31の流入側が室内機33に接続されるように、四方弁35が切り替えられる。このように四方弁35が切り替えられると、圧縮機31にて圧縮された高温高圧の冷媒蒸気が室外空気熱交換器32にて放熱して凝縮し、その凝縮した冷媒液が膨張弁34を通過して低温低圧化して室内機33に流入して、その室内機33にて吸熱蒸発し、その蒸発した冷媒蒸気が圧縮機31に戻るといった形態で、冷媒がヒートポンプ回路30を循環することになる。
そして、室内機33において冷媒液が吸熱して蒸発する際に発生する冷熱を利用して、空調対象空間の冷房等を行うように構成される。
一方、圧縮式のヒートポンプ回路30を暖房運転するときには、図1の四方弁35の状態として破線で示すように、圧縮機31の吐出側が室内機33に接続され且つ圧縮機31の流入側が室外空気熱交換器32に接続されるように、四方弁35が切り替えられる。このように四方弁35が切り替えられると、圧縮機31にて圧縮された高温高圧の冷媒蒸気が室内機33にて放熱して凝縮し、その凝縮した冷媒液が膨張弁34を通過して低温低圧化して室外空気熱交換器32に流入して、その室外空気熱交換器32にて吸熱蒸発し、その蒸発した冷媒蒸気が圧縮機31に戻るといった形態で、冷媒がヒートポンプ回路30を循環することになる。
そして、室内機33において冷媒蒸気が放熱して凝縮する際に発生する温熱を利用して、空調対象空間の暖房等を行うように構成される。
つまり、上述のように、圧縮機31が動力伝達機構40によってエンジン1に伝動連結されることで、エンジン1には、圧縮式のヒートポンプ回路30にかかる空調負荷に応じたエンジン負荷がかかることになる。
そして、制御装置20は、エンジン負荷に応じて、空調負荷に応じて目標回転数を求めて、回転数センサ9にて検出されるエンジン1の回転数が目標回転数になるように、スロットルバルブ11の開度を調整して燃焼室2への混合気Mの吸気量を調整することにより、エンジン1の出力を制御する所謂スロットルバルブ出力制御を行うように構成されている。
又、制御装置20は、酸素濃度センサ12にて検出される酸素濃度を監視しながら、燃料供給弁10の開度を調整することにより、燃焼室2で燃焼する混合気Mの空燃比をストイキ範囲(例えば、空気過剰率換算で1.0程度)内に設定するストイキ燃焼モードと燃焼室2で燃焼する混合気Mの空燃比をストイキ範囲超のリーン範囲内(例えば、空気過剰率換算で1.4〜1.6)に設定するリーン燃焼モードとにエンジン1の燃焼モードを切り替え自在に構成されている。
説明を加えると、図示を省略するが、このエンジン駆動式のヒートポンプシステムのリモートコントローラには、空調目標温度を設定する温度設定部が備えられ、又、空調対象空間の温度を検出する室温センサが設けられている。これら温度設定部の設定情報及び室温センサの検出情報が制御装置20に入力されるように構成され、制御装置20は、温度設定部にて設定される空調目標温度と室温センサにて検出される空調対象空間の温度との偏差を空調負荷として求めるように構成されている。
そして、エンジン1の目標回転数として、空調負荷が所定負荷以上(即ち、エンジン負荷が所定の燃焼モード切替値以上)の高負荷域に対応して、ストイキ側回転数範囲が設定され、空調負荷が所定負荷未満の低負荷域に対応して、ストイキ側回転数範囲未満のリーン側回転数範囲が設定されている。又、空調負荷が高負荷域のときは、エンジン1の燃焼モードがストイキ燃焼モードに設定され、空調負荷が低負荷域のときは、エンジン1の燃焼モードがリーン燃焼モードに設定される。
即ち、このストイキ側回転数範囲とリーン側回転数範囲との間の閾値が、ストイキ燃焼モードとリーン燃焼モードとの間で切り替えるときのエンジン負荷の閾値である燃焼モード切替値に対応する。
そして、制御装置20は、空調負荷が高負荷域のときは、空調負荷に応じて目標回転数を燃焼モード切替値以上のストイキ側回転数範囲内で定めて、酸素濃度センサ12にて検出される排ガスEの酸素濃度がストイキ範囲内の空燃比に応じて設定されたストイキ側目標濃度(例えば、略ゼロ)になるように燃料ガスGの供給量を調整すべく、燃料供給弁10の開度を調整し、並びに、回転数センサ9にて検出されるエンジン1の回転数が空調負荷に応じた目標回転数になるように混合気Mの吸気量を調整すべく、スロットルバルブ11の開度を調整する。
又、制御装置20は、空調負荷が低負荷域のときは、空調負荷に応じて目標回転数を燃焼モード切替値未満のリーン側回転数範囲内で定めて、酸素濃度センサ12にて検出される排ガスEの酸素濃度がリーン範囲内の空燃比に応じて設定されたリーン側目標濃度になるように燃料ガスGの供給量を調整すべく、燃料供給弁10の開度を調整し、並びに、回転数センサ9にて検出されるエンジン1の回転数が空調負荷に応じた目標回転数になるように混合気Mの吸気量を調整すべく、スロットルバルブ11の開度を調整する。
つまり、制御装置20は、エンジン1の回転数を燃焼モード切替値以上に調整する場合には、エンジン1の燃焼モードをストイキ燃焼モードに設定して、所定負荷以上の空調負荷に対応する出力を得、一方、エンジン1の回転数を燃焼モード切替値未満に調整する場合には、エンジン1の燃焼モードをリーン燃焼モードに設定して、所定負荷未満の空調負荷に対応する出力を得るように構成されていることになる。
三元触媒13は、例えば、アルミナ等の無機担体に白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属成分を担持して構成され、酸化性成分と還元性成分とがつりあった状態の理論当量比の排ガスEが通過することで、その排ガスE中のNOx、CO及びHCの排出物を同時に除去するように構成されている。
つまり、エンジン1がストイキ燃焼モードで運転されるときは、排ガスEが三元触媒13を通過すると、その排ガスE中のNOxが還元されると共に、CO及びHCが酸化されることになり、NOx、CO及びHCが同時に除去される。
一方、エンジン1がリーン燃焼モードで運転されるときは、排ガスEが三元触媒13を通過すると、主に、CO及びHCが酸化されて除去されることになり、又、排ガスEには元々NOxが殆ど含まれていないので、NOxは排出量が規定値以下に抑えられることになる。
更に、このエンジンシステムでは、制御装置20が、総積算運転時間(総積算運転量の一例)に対するストイキ燃焼モードでの積算運転時間であるストイキ燃焼モード積算運転時間(ストイキ燃焼モード積算運転量の一例)の割合であるストイキ燃焼モード運転割合を認識可能な運転状態を監視すると共に、ストイキ燃焼モードとリーン燃焼モードとの間で燃焼モードを切り替えるときのエンジン負荷の閾値である燃焼モード切替値をストイキ燃焼モード運転割合に応じて補正する切替値補正処理を実行するように構成されている。
以下に、このような制御装置20での制御動作について、説明を加える。
〔基本制御動作〕
制御装置20による基本的な制御動作について、図2に示すフローチャートに基づいて説明する。このフローチャートは、本願における燃焼モード選択を行うための基本的な制御動作である。
先ず、後述する切替値補正処理(ステップ#1)が実行された後に、空調負荷に応じて定めた目標回転数Lが所定の燃焼モード切替値L0以上であるか否かが判定される(ステップ#2)。
そして、空調負荷が高負荷域でありそれに応じて目標回転数Lが燃焼モード切替値L0以上となる場合には、燃焼モードがストイキ燃焼モードに設定され(ステップ#11)、逆に、空調負荷が低負荷域でありそれに応じて目標回転数Lが燃焼モード切替値未満となる場合には、燃焼モードがリーン燃焼モードに設定され(ステップ#21)、後に上述したスロットルバルブ出力制御(ステップ#14)が実行される。
また、ステップ#11で燃焼モードがストイキ燃焼モードに設定された場合には、触媒温度センサ14で検出される三元触媒13の温度t(以下、「触媒温度t」と呼ぶ。)が所定温度t0以下であるかが判定される(ステップ#12)。
そして、触媒温度tが所定温度t0以下の場合のみ、スロットルバルブ出力制御(ステップ#14)が実行される前に、エンジン1の点火時期を所定分遅角化させる点火時期昇温制御(ステップ#13)が実行される。
このステップ#13の点火時期昇温制御では、制御装置20は、触媒温度センサ14の検出結果に基づき点火時期を制御して同触媒温度tを所定温度以上に維持する。
即ち、点火時期を遅角化させることで、エンジン1の効率は低下するが、それに伴って後のスロットルバルブ出力制御(ステップ#14)においてスロットルバルブ11の開度が増加されるので、燃焼室2の燃焼温度が高くなって、排ガスEの温度が高くなり、結果、触媒温度tは上記所定温度t0よりも若干低い所定温度以上に維持されることになる。
一方、ステップ#21で燃焼モードがリーン燃焼モードに設定された場合には、目標回転数Lが燃焼モード切替値L0よりも小さい所定回転数L1以上であるかが判定される(ステップ#22)。
そして、目標回転数Lが所定回転数L1以上でなく低い場合には、スロットルバルブ出力制御(ステップ#23)が実行されるが、目標回転数Lが所定回転数L1以上であり高い場合には、スロットルバルブ11が全開状態でありスロットルバルブ出力制御では出力上昇を見込めないとして、スロットルバルブ出力制御に代えて、混合気Mの空燃比を低下させる空燃比出力制御(ステップ#24)が実行される。
このステップ#24の空燃比出力制御では、制御装置20は、目標回転数Lの増加に伴い、スロットルバルブ11の開度を増加させることなく、混合気Mの空燃比を低下させることで、エンジン1の出力上昇を実現するため、スロットルバルブ11の開度は全開状態又はそれ以下に維持されることになり、当該スロットルバルブ11の開度限界による出力不足が解消され、必要な出力が得られることになる。
そして、以上のように、制御装置20による基本制御動作では、上述したステップ#1〜ステップ#24の各処理が適宜繰り返し実行されることになる。
〔切替値補正処理〕
次に、上記ステップ#1で実行される切替値補正処理を、図3に示すフローチャートに基づいて説明する。
この切替値補正処理では、先ず、ストイキ燃焼モード及びリーン燃焼モードの夫々における積算運転量として、リーン燃焼モードでの積算運転時間であるリーン燃焼モード積算運転時間Tlとストイキ燃焼モードでの積算運転時間であるストイキ燃焼モード積算運転時間Tsとが夫々計測され、リーン燃焼モード積算運転時間Tlとストイキ燃焼モード積算運転時間Tsとの合計である総積算運転時間Ttに対するストイキ燃焼モード積算運転時間Tsの割合がストイキ燃焼モード運転割合Rsとして求められる(ステップ#31)。
そして、このようにして求めたストイキ燃焼モード運転割合Rsが所定の設定割合R0以上であるかが判定される(ステップ#32)。
尚、ここで設定割合R0としては、エンジン1の寿命設計時において想定していたストイキ燃焼モード運転割合Rsの値(例えば50%程度)が用いられる。
上記ステップ#32にてストイキ燃焼モード運転割合Rsが設定割合R0以上であると判定された場合には、基本的には、ステップ#34に示す切替値上昇処理が実行されて、現在の燃焼モード切替値L0に所定の設定調整幅aを加えて新たな燃焼モード切替値L0とする形態で、燃焼モード切替値L0が上昇される。この切替値上昇処理が実行されることで、リーン燃焼モードでの運転が積極的に行われることになってストイキ燃焼モード運転割合Rsの設定割合R0超における更なる上昇が抑制されることになり、寿命や効率の向上が重視された状態となる。
一方、上記ステップ#32にてストイキ燃焼モード運転割合Rsが設定割合R0以上でないと判定された場合には、基本的には、ステップ#36に示す切替値低下処理が実行されて、現在の燃焼モード切替値L0から所定の設定調整幅bを差し引いて新たな燃焼モード切替値L0とする形態で、燃焼モード切替値L0が低下される。この切替値低下処理が実行されることで、ストイキ燃焼モードでの運転が積極的に行われることになってストイキ燃焼モード運転割合Rsの設定割合R0未満における更なる低下が抑制されることになり、三元触媒13等によるエミッションの改善を重視した状態となる。
上記ステップ#34の切替値上昇処理において燃焼モード切替値L0の設定範囲を所定の上限値L0max以下に制限するために、その切替値上昇処理の前に、燃焼モード切替値L0に所定の設定調整幅aを加えた値が上限値L0max以下に維持されるかが判定され(ステップ#33)、維持されると判定した場合のみ切替値上昇処理(ステップ#34)が行われる。
尚、この上限値L0maxは、リーン燃焼モードで対応可能な目標回転数Lの最大値に設定されており、例えば、スロットルバルブ11を全開状態とし且つ図2に示す空燃比出力制御(ステップ#24)を実行して混合気Mの空燃比を運転が維持できる許容範囲内の最小値に設定した場合のエンジン回転数として決定することができる。
上記ステップ#36の切替値低下処理において燃焼モード切替値L0の設定範囲を所定の下限値L0min以上に制限するために、その切替値低下処理の前に、燃焼モード切替値L0から所定の設定調整幅bを差し引いた値が下限値L0min以上に維持されるかが判定され(ステップ#35)、維持されると判定した場合のみ切替値低下処理(ステップ#36)が行われる。
尚、この下限値L0minは、ストイキ燃焼モードで対応可能な目標回転数Lの最小値に設定されており、例えば、スロットルバルブ11の開度を小さくしたときに三元触媒の温度を所定温度以上に維持するべく、図2に示す点火時期昇温制御(ステップ#13)を実行して点火時期を運転が維持できる許容範囲内の最遅時期に設定した場合のエンジン回転数として決定することができる。
そして、以上のように、切替値補正処理は、上述したステップ#31〜ステップ#36の各処理が適宜実行された後に終了して、図2に示す基本制御動作のステップ#32の判定処理が行われることになる。
参考
1)上記実施の形態では、制御装置20での燃焼モードの切替操作において、エンジン負荷として当該エンジン負荷に応じて決定される目標回転数Lにより各種判定を行うように構成したが、参考例として、例えばスロットルバルブの開度やエンジンのトルクなどの別の指標をエンジン負荷として利用しても構わない。
スロットルバルブの開度により燃焼モードの切替判定を行う場合には、リーン燃焼モード設定時のスロットルバルブ出力制御において、スロットルバルブの開度が大きくなりすぎて所定のリーン燃焼モード用の燃焼モード切替値超になったときには、燃焼モードをストイキ燃焼モードに切り替え、一方、ストイキ燃焼モード設定時のスロットルバルブ出力制御において、スロットルバルブの開度が小さくなりすぎて所定のストイキ燃焼モード用の燃焼モード切替値未満になったときには、燃焼モードをリーン燃焼モードに切り替えるように構成することができる。この場合、切替値補正処理では、ストイキ燃焼モード運転割合が設定割合以上であると判定された場合には、切替値上昇処理が実行されて、上記リーン燃焼モード用及び上記ストイキ燃焼モード用の燃焼モード切替値が上昇され、逆に、ストイキ燃焼モード運転割合が設定割合以上でないと判定された場合には、切替値低下処理が実行されて、上記リーン燃焼モード用及び上記ストイキ燃焼モード用の燃焼モード切替値が低下される。
また、スロットルバルブ出力制御において、エンジン負荷に応じて目標トルクを決定し、クランクシャフトで伝達されるトルクを計測するトルクセンサ等で検出されるトルクが目標トルクになるように、スロットルバルブの開度を調整して燃焼室への混合気の吸気量を調整することにより、エンジンの出力を制御するように構成した場合には、制御装置での燃焼モードの切替操作において、その目標トルクにより各種判定を行うように構成することもできる。
〔別実施形態〕
最後に、本発明のその他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
)上記実施の形態では、本発明に係るエンジンシステムをエンジン駆動式のヒートポンプシステムの駆動源として設けた例を説明したが、本発明に係るエンジンシステムは、エンジン駆動式の熱電併給システムなどの別のシステムの駆動源としても利用可能である。
)上記実施の形態では、燃焼モードの切替操作における切替値補正処理(図3)において、切替値上昇処理(ステップ#34)と切替値低下処理(ステップ#36)との両方を実行するように構成したが、一方の処理のみを実行するように構成しても構わない。例えば、寿命や効率の向上のみを重視する場合には、切替値上昇処理のみを実行するように構成し、燃焼モード切替値の上昇のみを行うことで、リーン燃焼モードでの運転が積極的に行われるようにしても構わない。また、三元触媒等によるエミッションの改善のみを重視する場合には、切替値低下処理のみを実行するように構成し、燃焼モード切替値の低下のみを行うようにして、ストイキ燃焼モードでの運転が積極的に行われるようにしても構わない。
)上記実施の形態では、燃焼モードの切替操作において、燃焼モード切替値の下限値をできるだけ低い値に設定するための点火時期昇温制御や、燃焼モード切替値の上限値をできるだけ高い値に設定するための空燃比出力制御を実行するように構成したが、燃焼モード切替値の下限値又は上限値をスロットルバルブ出力制御によるエンジンの出力制御で賄える範囲内に設定して、これらの制御を適宜省略するように構成しても構わない。
)上記実施の形態では、切替値補正処理において、ストイキ燃焼モード運転割合Rsを識別可能な運転状態としてストイキ燃焼モード運転割合Rsそのものを監視するように構成したが、別に、総積算運転時間Ttに対するリーン燃焼モード積算運転時間の割合であるリーン燃焼モード運転割合Rlを上記運転状態として監視しても構わない。尚、このリーン燃焼モード運転割合Rlは、1から上記ストイキ燃焼モード運転割合Rsを引いた数値となる値であることから、ストイキ燃焼モード運転割合Rsを認識可能なものと言える。
また、リーン燃焼モード運転割合Rlを監視する場合には、当該リーン燃焼モード運転割合Rlを直接用いて燃焼モード切替値を補正することができる。具体的には、リーン燃焼モード運転割合Rlが設定割合以上であると判定された場合には、切替値低下処理が実行されることで、ストイキ燃焼モードでの運転が積極的に行われることになってストイキ燃焼モード運転割合Rsの設定割合R0未満における更なる低下が抑制されることになる。一方、リーン燃焼モード運転割合Rlが設定割合以上であると判定された場合には、切替値上昇処理が実行されることで、リーン燃焼モードでの運転が積極的に行われることになってストイキ燃焼モード運転割合Rsの設定割合R0超における更なる上昇が抑制されることになる。
本発明は、混合気を燃焼室で圧縮して燃焼させ軸動力を出力するエンジンと、エンジン負荷に対応する目標回転数に応じて前記エンジンの出力を制御する出力制御を実行する制御手段とが備えられ、前記制御手段は、前記エンジン負荷に対応する目標回転数に応じて、前記燃焼室で燃焼する混合気の空燃比をストイキ範囲内に設定するストイキ燃焼モードと前記燃焼室で燃焼する混合気の空燃比を前記ストイキ範囲よりも燃料が希薄なリーン範囲内に設定するリーン燃焼モードとに前記エンジンの燃焼モードを切替自在に構成されているエンジンシステムであって、効率やエミッションなどの性能面や寿命面において想定どおりの仕様を実現するべく適切な状態で燃焼モードの切り替えを行うことができるエンジンシステムとして好適に利用可能である。
1 :エンジン
2 :燃焼室
9 :回転数センサ
11 :スロットルバルブ
13 :三元触媒
14 :触媒温度センサ(触媒温度検出手段)
20 :制御装置
30 :ヒートポンプ回路
A :空気
E :排ガス
G :燃料ガス
M :混合気
L0 :燃焼モード切替値
L0max:上限値
L0min:下限値
Rs :ストイキ燃焼モード運転割合
Tt :総積算運転時間(総積算運転量)
Ts :ストイキ燃焼モード積算運転時間(ストイキ燃焼モード積算運転量)
t :触媒温度

Claims (5)

  1. 混合気を燃焼室で圧縮して燃焼させ軸動力を出力するエンジンと、
    エンジン負荷に対応する目標回転数に応じて前記エンジンの出力を制御する出力制御を実行する制御手段とが備えられ、
    前記制御手段は、前記エンジン負荷に対応する目標回転数に応じて、前記燃焼室で燃焼する混合気の空燃比をストイキ範囲内に設定するストイキ燃焼モードと前記燃焼室で燃焼する混合気の空燃比を前記ストイキ範囲よりも燃料が希薄なリーン範囲内に設定するリーン燃焼モードとに前記エンジンの燃焼モードを切替自在に構成されているエンジンシステムであって、
    前記制御手段は、
    総積算運転量に対する前記ストイキ燃焼モードでの積算運転量に関するストイキ燃焼モード積算運転量の割合であるストイキ燃焼モード運転割合を認識可能な運転状態を監視すると共に、
    前記ストイキ燃焼モードと前記リーン燃焼モードとの間で燃焼モードを切り替えるときの前記エンジン負荷に対応する目標回転数の閾値である燃焼モード切替値を前記ストイキ燃焼モード運転割合に応じて補正する切替値補正処理を実行し、
    前記切替値補正処理として、前記ストイキ燃焼モード運転割合が所定の設定割合よりも高い場合に前記燃焼モード切替値を上昇させる切替値上昇処理を実行し、前記ストイキ燃焼モード運転割合が所定の設定割合よりも低い場合に前記燃焼モード切替値を低下させる切替値低下処理を実行するエンジンシステム。
  2. 前記制御手段が、前記切替値補正処理において前記切替値低下処理を実行する場合に、当該切替値低下処理において前記燃焼モード切替値の設定範囲を所定の下限値以上に制限する請求項1に記載のエンジンシステム。
  3. 前記エンジンからの排ガスが通流する排気路に排ガスが通過自在に設けられた三元触媒と、当該三元触媒の温度を検出する触媒温度検出手段とを備え、
    前記制御手段が、前記ストイキ燃焼モードにおいて、前記触媒温度検出手段の検出結果に基づき点火時期を制御して前記触媒温度検出手段で検出される前記三元触媒の温度を所定温度以上に維持する点火時期昇温制御を実行する請求項2に記載のエンジンシステム。
  4. 前記制御手段が、前記切替値補正処理において前記切替値上昇処理を実行する場合に、当該切替値上昇処理において前記燃焼モード切替値の設定範囲を所定の上限値以下に制限する請求項1〜3の何れか1項に記載のエンジンシステム。
  5. 前記制御手段が、前記リーン燃焼モードにおける前記出力制御として、前記エンジン負荷に対応する目標回転数が所定値よりも低い場合にはスロットルバルブの開度調整により前記エンジンの出力を制御するスロットルバルブ出力制御を行い、前記エンジン負荷に対応する目標回転数が所定値以上の場合には前記混合気の空燃比調整により前記エンジンの出力を制御する空燃比出力制御を行う請求項4に記載のエンジンシステム。
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