JP5363938B2 - エネルギシステム - Google Patents

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本発明は、混合気を燃焼室で圧縮して燃焼させ軸動力を出力するエンジンと、エンジンの排熱を回収し、当該回収された熱を熱負荷へ供給する排熱回収手段と、エンジンの軸動力により駆動されて発電し、当該発電された電力を電力負荷へ供給する発電手段と、を備えたエネルギシステムに関する。
上記のようなエネルギシステムの一例として、エンジン駆動式の所謂熱電併給システム(コージェネレーションシステム)が知られている。このような熱電併給システムでは、エンジンの排熱が排熱回収手段により回収されて熱負荷への供給のために利用されると共に、エンジンの軸動力を利用して発電手段により発電が行われ、発生した電力が電力負荷へ供給される。このような熱電併給システムでは、エンジン駆動に伴って発生する熱と電力とを共に組み合わせて供給することにより、高いエネルギ効率を実現して省エネルギ化を図ることが可能となっている。
ところで、熱負荷での要求熱量や電力負荷での要求電力量は、時間帯や季節等の各種条件の変化に伴って変化する。よって、エネルギ効率を更に向上させるためには、熱負荷での要求熱量や電力負荷での要求電力量の変化に対応させて、発電手段による発生電力量に対する排熱回収手段による発生熱量の比率である発生熱電比率(=発生熱量/発生電力量)を変更させることが求められている。特に、熱電併給システムでは、熱負荷での要求熱量や電力負荷での要求電力量が刻々と変化することから、それに対応させて発生熱電比率を適切に変更させることが求められている。
発生熱電比率を変更するための技術として、火花点火式のエンジンを備える熱電併給システムにおいて、エンジンの点火時期を変更させるという技術が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載されたエネルギシステムでは、エンジンの点火時期を遅角側に変更するとエンジンの軸動力が低下する分だけ排ガスの温度が上昇するという特性を利用している。すなわち、要求熱電比率が上昇するような状況では火花点火時期を遅角側に変更することで、排ガスの温度を上昇させて排熱回収手段による発生熱量を増大させ、これにより発生熱電比率を上昇させるように変化させる。逆に、要求熱電比率が低下するような状況では、火花点火時期を進角側に変更することで、排熱回収手段による発生熱量を減少させ、これにより発生熱電比率を低下させるように変化させる。
特開2005−264755号公報
しかし、火花点火時期の変更はノッキングや失火等の異常燃焼の発生につながり易く、そのような異常燃焼が発生した場合には、エンジンの損傷や停止の原因となる。そのため、特許文献1に記載されたエネルギシステムでは、エンジンにおける異常燃焼の発生を抑制したままで可変とできる発生熱電比率の変化幅は、限定的なものであった。
更に、この種のエネルギシステムは、例えば一の建屋内や地下室内等、閉空間内に設置されるのが通常である。このような建屋には、当該建屋内の空気を建屋外へ排出する換気手段が設けられている場合も多いが、当該換気手段は、エネルギシステムとは独立に運転される場合がほとんどである。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、エンジンにおける燃焼状態を良好に維持しつつ、従来に比べて発生熱電比率の可変幅を大きく取ることができるエネルギシステムを提供することを目的とする。
この目的を達成するための、本発明に係る混合気を燃焼室で圧縮して燃焼させ軸動力を出力するエンジンと、前記エンジンの排熱を回収し、当該回収された熱を熱負荷へ供給する排熱回収手段と、前記エンジンの軸動力により駆動されて発電し、当該発電された電力を電力負荷へ供給する発電手段と、を備えたエネルギシステムの特徴構成は、前記エンジン、前記排熱回収手段及び前記発電手段を収容する収容設備と、前記収容設備の外部壁に設けられ、収容設備内の空気を収容設備外へ排出する換気手段と、前記電力負荷での要求電力量に対する前記熱負荷での要求熱量の比率である要求熱電比率が経時変化する際に、当該要求熱電比率の変化方向に応じて前記換気手段による換気風量を調整する形態で、前記発電手段による発生電力量に対する前記排熱回収手段による発生熱量の比率である発生熱電比率を調整する換気風量調整手段と、を備えた点にある。
上記の特徴構成によれば、換気風量調整手段が換気手段による換気風量を調整することにより、収容設備内の温度を調整することができる。これにより、排熱回収手段による回収熱量を増減させて、発生熱量を変化させることができる。よって、発生熱電比率を変化させることができる。このとき、換気手段による換気風量を調整するだけで発生熱電比率を調整することができるので、発生熱電比率の調整を行うに際して、ノッキングや失火の発生等、外部要因による制約がほとんどない。
従って、上記の特徴構成によれば、エンジンにおける燃焼状態を良好に維持しつつ、従来に比べて発生熱電比率の可変幅を大きく取ることができるエネルギシステムを提供することができる。
ここで、前記換気風量調整手段は、前記要求熱電比率が上昇する場合には、前記換気風量を前記要求熱電比率の変化前における風量よりも減少させるように調整し、前記要求熱電比率が低下する場合には、前記換気風量を前記要求熱電比率の変化前における風量よりも増加させるように調整する構成とすると好適である。
この構成によれば、要求熱量が上昇する場合や要求電力量が低下する場合には、換気風量を減少させることで、収容設備内の温度を上昇させて排熱回収手段による回収熱量を増加させることができる。よって、発生熱量を増加させて発生熱電比率を上昇させることができる。また、この場合、収容設備外へ排出する熱量を減少させることができるので、システム全体の総合エネルギ効率を高めることができるという利点もある。
一方、要求熱量が低下する場合や要求電力量が上昇する場合には、換気風量を増加させることで、収容設備内の温度を低下させて排熱回収手段による回収熱量を減少させることができる。よって、発生熱量を減少させて発生熱電比率を低下させることができる。
従って、この構成によれば、熱負荷による要求熱量と電力負荷による要求電力量とのバランスに応じて、幅広い可変幅で、発生熱電比率を適切に変化させることができる。
また、前記エンジンにおいて前記混合気を燃焼させる際に所定条件下で発生するNOxを低減させるNOx低減手段を備えた構成とすると好適である。
発生熱電比率を上昇させるべく換気風量を減少させて収容設備内の温度を上昇させると、エンジンの燃焼室内で混合気を燃焼させる際のNOxの発生量が増加する場合がある。発生したNOxをそのまま排出してしまうことは環境保護の観点からは好ましくなく、また、法規制によりその排出量が一定量以下に制限されている場合もある。
この構成によれば、NOx低減手段によりNOxの排出量を低減させて、環境負荷を低減すると共に法規制に適合した状態で、発生熱電比率の可変幅を大きく取ることができる。
また、前記エンジンは、前記燃焼室で圧縮された前記混合気を火花点火する点火手段を有し、前記NOx低減手段が、前記要求熱電比率が上昇する場合に、前記点火手段の点火時期を前記要求熱電比率の変化前における点火時期よりも遅角側に補正する点火時期調整手段により構成されているとすると好適である。
この構成によれば、点火時期調整手段により点火手段の点火時期を遅角側に補正することで、NOxの排出量を低減することができる。また、それと同時に、排ガスの温度を上昇させて発生熱量を増大させ、発生熱電比率を上昇させることができる。よって、NOxが発生し易い状況にあると言える、換気風量を減少させる状況で、それに合わせて点火手段の点火時期を遅角側に補正することで、NOxの発生を抑制しつつ発生熱電比率を上昇させることができる。
従って、換気風量調整手段と点火時期調整手段とが協働することにより、エンジンにおける燃焼状態を良好に維持すると共にNOxの発生を抑制しつつ、更に、従来に比べて発生熱電比率の可変幅をより一層大きく取ることができる。
第一の実施形態に係る熱電併給システム100の概略構成図である。 第一の実施形態に係る発生熱電比率調整処理の処理手順を示すフローチャートである。 第二の実施形態に係る熱電併給システム100の概略構成図である。 第二の実施形態に係る発生熱電比率調整処理の処理手順を示すフローチャートである。
〔第一の実施形態〕
本発明に係るエネルギシステムの第一の実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態においては、本発明に係るエネルギシステムを熱及び電力の双方を発生させる熱電併給システム(コージェネレーションシステム)100に適用した場合を例として説明する。図1は、本実施形態に係る熱電併給システム100の概略構成図である。図1に示すように、熱電併給システム100は、混合気Mを燃焼室2で圧縮して燃焼させ軸動力を出力するエンジン1と、エンジン1の排熱を回収し、当該回収された熱を熱負荷15へ供給する排熱回収機構11と、エンジン1の軸動力により駆動されて発電し、当該発電された電力を電力負荷23へ供給する発電機21と、を備えている。これらのエンジン1、排熱回収機構11及び発電機21は、換気ファン42を備えたパッケージケース41内に収容されている。なお、本実施形態においては、排熱回収機構11が本発明における「排熱回収手段」に相当し、発電機21が「発電手段」に相当する。また、パッケージケース41が「収容設備」に相当し、換気ファン42が「換気手段」に相当する。
本実施形態に係る熱電併給システム100は、電力負荷23での要求電力量に対する熱負荷15での要求熱量の比率である要求熱電比率(=要求熱量/要求電力量)が経時変化する際に、当該要求熱電比率の変化方向に応じて換気ファン42による換気風量を調整するように構成されている点に特徴を有する。これにより、発電機21による発生電力量に対する排熱回収機構11による発生熱量(回収熱量)の比率である発生熱電比率(=発生熱量/発生電力量)の可変幅を大きく取ることができる。すなわち、要求熱電比率が大幅に変動した場合であってもそれに対応させて発生熱電比率を変更可能とすることができる。よって、省エネルギ性を向上させることができる。以下、本実施形態に係る熱電併給システム100の各部の詳細について説明する。
1.熱電併給システムの全体構成
まず、熱電併給システム100の全体構成について説明する。エンジン1は、燃料の燃焼により駆動される内燃機関である。エンジン1は燃焼室2と、当該燃焼室2において圧縮される混合気Mを火花点火する点火プラグ5と、を備えている。本実施形態においては、点火プラグが本発明における「点火手段」に相当する。燃焼室2には吸気路3及び排気路4が接続されている。エンジン1は、燃料供給弁6を介して供給される燃料ガスGと空気Aとの混合気Mを吸気路3を介して燃焼室2内に吸気し、吸気された混合気Mを燃焼室2内で圧縮する。その後、圧縮された混合気Mに点火プラグ5により点火して、当該混合気Mを燃焼・膨張させてクランク軸等のエンジン出力軸を回転させることにより軸動力を出力する。なお、燃料ガスGとしては、例えば天然ガス系都市ガス等を用いることができる。
燃焼室2内で燃焼した後の混合気Mは、排ガスEとして燃焼室2から排気路4へ排出され、排気路4を流通して外気に排出される。排気路4には、排ガスEの酸素濃度を検出する酸素濃度センサSe1が設けられている。そして、エンジン1の運転を制御する制御ユニット51は、酸素濃度センサSe1で検出される排ガスE中の酸素濃度を監視しながら燃料供給弁6の開度を制御することで、吸気路3に形成される混合気Mの当量比(理論空燃比に対する混合気Mの空燃比の割合)を任意に設定することができるように構成されている。本実施形態においては、酸素濃度センサSe1で検出される排ガスE中の酸素濃度が所定濃度となるような当量比に設定されている。より具体的には、排ガスE中の酸素濃度が略ゼロとなるようなストイキ当量比(当量比が1.0程度)よりも小さい当量比(例えば、当量比が0.6〜0.9程度)に設定される構成となっている。つまり、本実施形態に係る熱電併給システム100が備えるエンジン1は、希薄燃焼方式により駆動されるエンジンとされている。このような希薄燃焼方式では、燃料ガスGの濃度が希薄となると共にポンピングロスが抑制されるので、燃料消費率を向上させることができるという利点が得られる。
排熱回収機構11は、エンジン1の排熱を回収し、当該回収された熱を熱負荷15へ供給するための機構である。本実施形態においては、排熱回収機構11は、エンジン1を冷却した後のジャケット水JWと燃焼室2から排出された排ガスEとの両方から排熱を回収するように構成されている。そのため、本実施形態に係る排熱回収機構11は、ジャケット水JWによりエンジン1を冷却するための冷却回路31と、冷却回路31内を流通するジャケット水JWとの間の熱交換により排熱を回収するための排熱回収熱交換器12と、を備えている。循環ポンプ32を作動させることにより、冷却回路31内を循環するジャケット水JWは、エンジン1を冷却して昇温された後に排熱回収熱交換器12で湯水HWとの間で熱交換を行う。排熱回収熱交換器12を通過した後の比較的低温のジャケット水JWは、排気路4に設けられた伝熱管33を通過することで排ガスEの熱を回収して加熱され、エンジン1を冷却して更に加熱される。以上の動作を繰り返すことにより、エンジン1の排熱を回収して高温となったジャケット水JWは、当該回収した熱を湯水HWに伝達して湯水HWを加熱する。
排熱回収熱交換器12で加熱された湯水HWは、パッケージケース41の外部に備えられた貯湯タンク13に貯えられる。貯湯タンク13は、上部に高温の湯水HWが滞留する高温層を形成すると共に、その高温層の下部に低温の湯水HWが滞留する形態で湯水HWを貯留する、所謂温度成層型に構成されている。すなわち、ポンプ14を作動することにより、貯湯タンク13の下端部にある比較的低温の湯水を排熱回収熱交換器12に供給して適切な目標貯湯温度(例えば75℃)以上に加熱した後に、貯湯タンク13の上端部に戻す。すると、貯湯タンク13は温度成層を形成して湯水HWを貯留することになる。更に、貯湯タンク13の上端部から高温の湯水HWを取り出し、当該高温の湯水HWを給湯器や暖房機器等の熱負荷15へ供給することができるように構成されている。なお、高温の湯水HWが熱負荷15に供給されると、それと同時に、消費された分の湯水HWに相当する給水Wが貯湯タンク13の下端部に補充される。
発電機21は、エンジン1の軸動力により駆動されて発電し、当該発電された電力を電力負荷23へ供給するための装置である。発電機21は、エンジン1のエンジン出力軸に駆動連結されたロータと、ロータの径方向外側に当該ロータと同軸状に配置されたステータと、を備えて構成されている。ロータ及びステータのうちの一方が電機子、他方が界磁とされ、エンジン1の駆動に伴ってロータがエンジン出力軸と一体的に回転する際に交流電力を発生させる。発電機21により発電された電力は、インバータ装置及び変圧装置(不図示)を介して所定の周波数及び電圧に変換され、商用電力系統22と連系して電気機器等の電力負荷23に供給されるように構成されている。また、発電機21により発電された電力は、熱電併給システム100が備える機器(内部機器)にも供給されるように構成されている。
エンジン1、排熱回収機構11及び発電機21は、パッケージケース41内に収容されている。パッケージケース41の外部壁には換気ファン42が設けられている。換気ファン42は、電動モータ43により駆動され、パッケージケース41内の空気をパッケージケース41外へ排出する。なお、換気ファン42による換気風量は、電動モータ43の回転速度により定まる。後述するように、電動モータ43の回転速度は、制御ユニット51が備える換気風量調整部54からの指令値に従って調整される。
2.制御ユニットの構成
次に、制御ユニット51の構成について説明する。熱電併給システム100が備える制御ユニット51は、図1に示すように、熱電併給システム100の各部の動作制御を行う中核部材としての機能を果たしており、エンジン制御部52、要求熱電比率取得部53、換気風量調整部54、及び点火時期調整部55の各機能部を備えて構成されている。また、制御ユニット51は、CPU等の演算処理装置を中核部材として備えると共に、当該演算処理装置からデータを読み出し及び書き込みが可能に構成されたRAM(ランダム・アクセス・メモリ)や、演算処理装置からデータを読み出し可能に構成されたROM(リード・オンリ・メモリ)等の記憶装置等を有して構成されている(不図示)。そして、ROM等に記憶されたソフトウェア(プログラム)又は別途設けられた演算回路等のハードウェア、或いはそれらの両方により、制御ユニット51の各機能部52〜55が構成される。各機能部52〜55は、互いに情報の受け渡しを行うことができるように構成されている。
また、この熱電併給システム100は、システム内の各部に設けられた複数のセンサ、具体的には、酸素濃度センサSe1及びエンジン回転速度センサSe2を備えている。ここで、酸素濃度センサSe1は、排ガスE中に含まれる酸素ガスの濃度を検出するセンサである。エンジン回転速度センサSe2は、エンジン1のエンジン出力軸の回転速度を検出するセンサである。これらの各センサSe1及びSe2による検出結果を示す情報は、制御ユニット51へ出力される。また、熱負荷15により消費される消費熱量、及び電力負荷23により消費される消費電力量が、制御ユニット51へ出力される。以下では、制御ユニット51の各機能部52〜55の詳細について説明する。
エンジン制御部52は、吸気路3に設けられたスロットルバルブ(不図示)の開度を調整する等の形態で、エンジン1の出力を制御する機能部であり、エンジン制御手段として機能する。例えば、電力負荷23での要求電力量や熱負荷15での要求熱量に応じて、スロットルバルブの開度を調整することによりエンジン1の出力を制御する。より具体的には、エンジン回転速度センサSe2で検出されるエンジン1の回転速度を監視しながらスロットルバルブの開度を制御することで、電力負荷23での要求電力量及び熱負荷15での要求熱量に応じた出力となるように、エンジン1の回転速度を制御する。なお、エンジン制御部52は、酸素濃度センサSe1で検出される排ガスEの酸素濃度に基づき、混合気Mの当量比を調整する制御も行なう。
要求熱電比率取得部53は、電力負荷23での要求電力量に対する熱負荷15での要求熱量の比率である要求熱電比率(=要求熱量/要求電力量)を取得する機能部であり、要求熱電比率取得手段として機能する。本実施形態においては、要求熱電比率取得部53は、所定の時間周期Tで要求熱電比率を逐次取得する構成とされている。例えば、要求熱電比率取得部53は、貯湯タンク13から熱負荷15に供給される湯水HWの流量と温度とを計測し、その計測結果から導出される消費熱量を要求熱量として取得する。また、発電機21及び商用電力系統22から電力負荷23に供給される電力量を計測し、その計測結果から導出される消費電力量を要求電力量として取得する。そして、取得された要求熱量及び要求電力量に基づいて、その時点における要求熱電比率が演算により取得される。取得された要求熱電比率に係る情報は、所定時間T毎に換気風量調整部54に出力される。
換気風量調整部54は、要求熱電比率が経時変化する際に、当該要求熱電比率の変化方向に応じて換気ファン42による換気風量を調整する機能部であり、換気風量調整手段として機能する。上記のとおり、換気風量調整部54には、要求熱電比率取得部53により取得された要求熱電比率に係る情報が所定時間T毎に入力される。換気風量調整部54は、要求熱電比率に係る情報の入力を受ける毎に、当該受け取った要求熱電比率と一周期前に受け取った要求熱電比率とを比較し、要求熱電比率が経時変化しているか否かを判定する。また、要求熱電比率が経時変化している場合には、その変化方向も合わせて判定する。
換気風量調整部54は、熱電比率が上昇する方向に経時変化している場合には、換気ファン42による換気風量を、熱電比率の変化前における風量よりも減少させるように調整する。すなわち、ある時点において受け取った要求熱電比率が一周期前に受け取った要求熱電比率よりも大きい場合には、換気風量調整部54は要求熱電比率が上昇する方向に経時変化していると判定し、電動モータ43の回転速度を一周期前における回転速度よりも低下させるように制御して、換気ファン42による換気風量を減少させる。
換気風量が減少すると、パッケージケース41内の空気がパッケージケース41外へ排出される速度が低下する。従って、エンジン1の排熱により高温となった空気がパッケージケース41外へ排出される量を低減して、排熱回収機構11からの放熱を低減すると共に、排熱回収機構11による回収熱量を増大させることができる。よって、発生熱電比率を上昇させることができる。なお、このときの回収熱量の増大幅は、混合気Mへの点火時期を遅角側に調整することによる回収熱量の増大幅よりも大きい。従って、本実施形態に係る熱電併給システム100によれば、従来に比べて、要求熱電比率の大きな変化幅に対応して発生熱電比率を大きく上昇させることが可能となっている。また、この場合、パッケージケース41外へ排出する熱量を減少させることができるので、システム全体の総合エネルギ効率を高めることができるという利点もある。
一方、換気風量調整部54は、要求熱電比率が低下する方向に経時変化している場合には、換気ファン42による換気風量を、要求熱電比率の変化前における風量よりも増加させるように調整する。すなわち、ある時点において受け取った要求熱電比率が一周期前に受け取った要求熱電比率よりも小さい場合には、換気風量調整部54は要求熱電比率が低下する方向に経時変化していると判定し、電動モータ43の回転速度を一周期前における回転速度よりも上昇させるように制御して、換気ファン42による換気風量を増加させる。
換気風量が増加すると、パッケージケース41内の空気がパッケージケース41外へ排出される速度が上昇する。従って、エンジン1の排熱により高温となった空気がパッケージケース41外へ排出される量を増加させて、排熱回収機構11からの放熱を促進すると共に、排熱回収機構11による回収熱量を減少させることができる。よって、発生熱電比率を低下させることができる。なお、このときの回収熱量の減少幅は、混合気Mへの点火時期を進角側に調整することによる回収熱量の減少幅よりも大きい。従って、本実施形態に係る熱電併給システム100によれば、従来に比べて、要求熱電比率の大きな変化幅に対応して発生熱電比率を大きく低下させることが可能となっている。つまり、要求熱電比率の大きな変化幅に対応して発生熱電比率を大きく変動(上昇及び低下)させることが可能となっている。
なお、本実施形態に係る熱電併給システム100では、混合気Mへの点火時期を変動させることなく発生熱電比率を変動させることができるので、ノッキングや失火等の発生が問題となることもほとんどない。従って、本実施形態に係る熱電併給システム100によれば、エンジン1の燃焼室2内における混合気Mの燃焼状態を良好に維持しつつ、従来に比べて発生熱電比率の可変幅を大きく取ることができる。
ところで、換気ファン42による換気風量が減少してパッケージケース41内に高温の空気が比較的長く滞留するようになると、パッケージケース41内の気温が大幅に上昇する。パッケージケース41内の気温の上昇はエンジン1の燃焼室2内の温度上昇につながるため、換気ファン42による換気風量を減少させる場合には、それに伴って比較的高濃度の窒素酸化物(NOx)が排ガスE中に含まれ易くなる。ここで、エンジンを備えた熱電併給システムでは、一般に、NOxを除去する目的で、アルミナ等の無機担体に白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)等の貴金属成分を担持してなる三元触媒が排気路4に設けられている場合が多い。しかし、本実施形態に係る熱電併給システム100は、上記のとおり燃料消費率を向上させる等の目的で、燃焼室2内に供給される燃料ガスGの濃度が希薄とされている。このような運転条件の下では、排ガスE中に含まれる酸素濃度が高くなり、そのような高濃度の酸素ガスを含む排ガスEが三元触媒を通過すると三元触媒が劣化してしまうので、三元触媒を排気路4に設けることができない。一方、環境負荷を低減すると共に法規制に適合させるためには、NOxの排出量を所定値以下に抑える必要がある。そのため、三元触媒の設置以外の方法でNOxを低減させる必要がある。
そこで、本実施形態においては、エンジン1において混合気Mを燃焼させる際に所定条件下で発生するNOxを低減させるための三元触媒以外のNOx低減手段として、点火時期調整部55を備えている。点火時期調整部55は、点火プラグ5の点火時期を遅角側又は進角側に補正する機能部であり、点火時期調整手段として機能する。本実施形態においては、点火時期調整部55は、少なくとも要求熱電比率が上昇する場合に、点火プラグ5の点火時期を要求熱電比率の変化前における点火時期よりも遅角側に補正する。上記のとおり、要求熱電比率が上昇する場合には、換気風量調整部54により換気ファン42の換気風量が減少させられ、これに伴い比較的高濃度の窒素酸化物(NOx)が排ガスE中に含まれることになる。従って、それに合わせて点火プラグ5の点火時期を遅角側に補正することで、排ガスE中に含まれるNOx量を低減させるように構成されている。
なお、点火プラグ5の点火時期の遅角化により、以下の効果が付随して生じる。つまり、混合気Mへの点火時期を遅角側に補正した場合には、エンジン1が外部に対してなす仕事量が小さくなるので、その分だけ熱に変換されるエネルギの割合が大きくなって熱回収効率が上昇する。また、エンジン1の軸動力が低下するので発電効率が低下する。結果、発生熱電比率は上昇する方向に変化する。従って、上述した換気風量調整部54により換気ファン42の換気風量を減少させることによる発生熱電比率の上昇効果と合わせて、要求熱電比率の大きな変化幅に対応して発生熱電比率をより一層大きく上昇させることが可能となっている。
一方、点火時期調整部55は、要求熱電比率が低下する場合には、点火プラグ5の点火時期を要求熱電比率の変化前における点火時期よりも進角側に補正する。この場合には、エンジン1が外部に対してなす仕事量が大きくなるので、その分だけ熱に変換されるエネルギの割合が小さくなって熱回収効率が低下する。また、エンジン1の軸動力が増大するので発電効率が上昇する。結果、発生熱電比率は低下する方向に変化する。従って、上述した換気風量調整部54により換気ファン42の換気風量を増加させることによる発生熱電比率の低下効果と合わせて、要求熱電比率の大きな変化幅に対応して発生熱電比率をより一層大きく低下させることが可能となっている。つまり、要求熱電比率の大きな変化幅に対応して発生熱電比率をより一層大きく変動(上昇及び低下)させることが可能となっている。従って、本実施形態に係る熱電併給システム100によれば、従来に比べて発生熱電比率の可変幅をより一層大きく取ることができる。
なお、換気風量調整部54により換気ファン42の換気風量を増加させた場合には、パッケージケース41内に高温の空気が比較的短時間で換気されるので、パッケージケース41内の気温の上昇が抑制される。よって、エンジン1の燃焼室2内の温度上昇が抑制されるので、NOxの排出量が問題となることは少ない。
このように、本実施形態に係る熱電併給システム100では、換気風量調整部54と点火時期調整部55とが協働的に機能することにより、NOxの排出量を低減させつつ、発生熱電比率の可変幅を大きく取ることが可能となっている。なお、本実施形態に係る熱電併給システム100のように、エンジン1が希薄燃焼方式により駆動されるエンジンにより構成され、三元触媒を排気路4に設けることができない場合には、ノッキングや失火等の発生に加えてNOxの排出量の低減もが更なる制約となって、混合気Mへの点火時期の調整のみによっては、発生熱電比率の可変幅は小さくならざるを得ない。これに対して、本実施形態に係る熱電併給システム100では、主に換気ファン42による換気風量を調整することにより、ノッキングや失火等の発生やNOxの排出量の低減等、外部要因による制約がほとんどない状態で発生熱電比率を変更することができるので、従来に比べてその可変幅を大きく取ることができる。従って、本発明の適用対象として、本実施形態のように後処理技術によって排ガスE中のNOxを除去することができないような運転条件で稼働されるシステムの構成が特に適している。
3.発生熱電比率調整処理の手順
次に、本実施形態に係る制御ユニット51による制御の内容について説明する。図2は、本実施形態に係る熱電併給システム100における発生熱電比率調整処理の処理手順を示すフローチャートである。以下に説明する発生熱電比率調整処理の手順は、制御ユニット51の各機能部52〜55により実行される。制御ユニット51の各機能部52〜55がプログラムにより構成される場合には、制御ユニット51が備える演算処理装置は、上記各機能部52〜55を構成するプログラムを実行するコンピュータとして動作する。
本実施形態に係る発生熱電比率調整処理においては、まず、要求熱電比率取得部53により、貯湯タンク13から熱負荷15に供給される湯水HWの流量と温度との計測結果に基づいて要求熱量が取得されると共に、発電機21及び商用電力系統22から電力負荷23に供給される電力量の計測結果に基づいて要求電力量が取得される(ステップ#01)。次に、要求熱電比率取得部53は、取得された要求熱量と要求電力量とに基づいて、要求熱電比率を取得する(ステップ#02)。なお、要求熱電比率は、所定の時間周期Tで逐次取得される。次に、換気風量調整部54は、要求熱電比率が経時変化しているか否か、及び、要求熱電比率が経時変化している場合にはその変化方向を判定する(ステップ#03)。
要求熱電比率が上昇する方向に経時変化していると判定された場合には(ステップ#03:上昇)、換気風量調整部54は、換気ファン42による換気風量を、要求熱電比率の変化前における風量よりも減少させるように調整する(ステップ#04)。また、点火時期調整部55は、点火プラグ5の点火時期を要求熱電比率の変化前における点火時期よりも遅角側に補正する(ステップ#05)。その結果、熱回収効率の上昇効果と発電効率の低下効果とにより、発生熱電比率を大幅に上昇させることができる。
一方、要求熱電比率が低下する方向に経時変化していると判定された場合には(ステップ#03:低下)、換気風量調整部54は、換気ファン42による換気風量を、要求熱電比率の変化前における風量よりも増加させるように調整する(ステップ#06)。また、点火時期調整部55は、点火プラグ5の点火時期を要求熱電比率の変化前における点火時期よりも進角側に補正する(ステップ#07)。その結果、熱回収効率の低下効果と発電効率の上昇効果とにより、発生熱電比率を大幅に低下させることができる。
なお、要求熱電比率が経時変化していないと判定された場合には(ステップ#03:変化無)、換気風量調整部54及び点火時期調整部55は、それぞれ換気ファン42による換気風量及び点火プラグ5の点火時期を調整することなくそのまま維持する。
以上の処理を、逐次繰り返して実行する。
〔第二の実施形態〕
本発明に係るエネルギシステムの第二の実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態においても、本発明に係るエネルギシステムを熱及び電力の双方を発生させる熱電併給システム(コージェネレーションシステム)100に適用した場合を例として説明する。図3は、本実施形態に係る熱電併給システム100の概略構成図である。本実施形態に係る熱電併給システム100は、EGR流路8を備えることにより、排ガス再循環システムを備えて構成されている点で上記第一の実施形態と異なっている。また、それに伴い、発生熱電比率調整処理の内容も、上記第一の実施形態とは一部相違している。それ以外の構成に関しては、基本的には上記第一の実施形態と同様である。以下では、本実施形態に係る熱電併給システム100について、上記第一の実施形態との相違点を中心に説明する。
本実施形態においては、エンジン1の外部において排気路4と吸気路3とを接続し、排気路4を流通する排ガスEの一部を排気路4から吸気路3に戻すためのEGR流路8が設けられている。また、EGR流路8には、当該EGR流路8を閉状態と開状態とに切換自在で、且つ、開状態においてその開度を調整自在なEGR弁9が設けられている。EGR弁9を開状態とすることにより、排気路4中の排ガスEの一部をEGR流路8に流通させて吸気路3に戻して、その排ガスEを燃焼室2に再循環させることができる。その際、EGR弁9の開度を調整することにより、EGR流路8を流通させて吸気路3に戻す排ガスEの量を調整して、燃焼室2に再循環させる排ガスEの量(EGR量)を調整することができる。このように、本実施形態に係る熱電併給システム100は、EGR流路8とEGR弁9とが協働して構成される、外部型排ガス再循環システム(外部EGRシステム)を備えている。
また、本実施形態においては、制御ユニット51は、その機能部の一つとしてEGR量調整部56を更に備えている。EGR量調整部56は、EGR弁9の開度を調整することにより燃焼室2に再循環させる排ガスEの量(EGR量)を調整する機能部であり、EGR量調整手段として機能する。本実施形態においては、EGR量調整部56は、要求熱電比率が上昇する場合に、EGR量を要求熱電比率の変化前におけるEGR量よりも増加させるようにEGR弁9の開度を調整する。これにより、より多くの排ガスEを燃焼室2へ再循環させることにより燃焼室2内の温度上昇を抑えることができる。よって、NOxの排出量を低減させることができる。本実施形態においては、EGR量調整部56も本発明における「NOx低減手段」の一部を構成している。
このように、本実施形態に係る熱電併給システム100は、NOx低減手段として点火時期調整部55(点火時期調整手段)及びEGR量調整部56(EGR量調整手段)の二つの手段を備えている。これらのうち、点火プラグ5の点火時期を調整することによっては、上記のとおりNOx排出量を低減させると同時に、換気ファン42の換気風量を増加させることによる発生熱電比率の変動効果と合わせて発生熱電比率を大きく変動させることができる。一方、EGR量を調整することは、発生熱電比率の変動とはあまり関係がなく、NOx低減効果を有するのみである。そこで、本実施形態においては、発生熱電比率調整処理では要求熱電比率の変化幅に応じてNOx低減手段を使い分ける構成が採用されている。
本実施形態では一例として、要求熱電比率の変動幅が所定の変動幅以上である場合には、換気風量調整と点火時期調整との協調動作により発生熱電比率を大幅に変更させると共に、要求熱電比率の変動幅が所定の変動幅より小さい場合には、換気風量調整のみにより発生熱電比率を変更させる。このような所定の変動幅としては、換気ファン42による換気風量の調整を単独で行っただけではカバーしきれないような発生熱電比率の振れ幅の最小値が設定されると好適である。
図4は、本実施形態に係る熱電併給システム100における発生熱電比率調整処理の処理手順を示すフローチャートである。以下に説明する発生熱電比率調整処理の手順は、制御ユニット51の各機能部52〜56により実行される。ステップ#21〜ステップ#23の処理内容は、それぞれ上記第一の実施形態におけるステップ#01〜ステップ#03の処理内容と同様である。ただし、ステップ#23においては、換気風量調整部54は、要求熱電比率が経時変化している場合にはその変化方向に加えて変動幅をも判定する。
要求熱電比率が上昇する方向に経時変化していると判定された場合には(ステップ#23:上昇)、換気風量調整部54は、換気ファン42による換気風量を、要求熱電比率の変化前における風量よりも減少させるように調整する(ステップ#24)。次に、ステップ#23で判定された要求熱電比率の変動幅(ここでは上昇幅)が所定値以上であるか否かを判定する(ステップ#25)。要求熱電比率の上昇幅が所定値以上であると判定された場合には(ステップ#25:Yes)、点火時期調整部55は、点火プラグ5の点火時期を要求熱電比率の変化前における点火時期よりも遅角側に補正する(ステップ#26)。これにより、NOxの排出量を低減しつつ、熱回収効率の上昇効果と発電効率の低下効果とにより、発生熱電比率を大幅に上昇させることができる。一方、要求熱電比率の上昇幅が所定値未満であると判定された場合には(ステップ#25:No)、EGR量調整部56は、EGR量を要求熱電比率の変化前におけるEGR量よりも増加させるようにEGR弁9の開度を調整する(ステップ#27)。これにより、発生熱電比率を上昇させつつ、NOxの排出量を低減することができる。
一方、要求熱電比率が低下する方向に経時変化していると判定された場合には(ステップ#23:低下)、換気風量調整部54は、換気ファン42による換気風量を、要求熱電比率の変化前における風量よりも増加させるように調整する(ステップ#28)。次に、ステップ#23で判定された要求熱電比率の変動幅(ここでは低下幅)が所定値以上であるか否かを判定する(ステップ#29)。要求熱電比率の低下幅が所定値以上であると判定された場合には(ステップ#29:Yes)、点火時期調整部55は、点火プラグ5の点火時期を要求熱電比率の変化前における点火時期よりも進角側に補正する(ステップ#30)。これにより、熱回収効率の低下効果と発電効率の上昇効果とにより、発生熱電比率を大幅に低下させることができる。一方、要求熱電比率の低下幅が所定値未満であると判定された場合には(ステップ#29:No)、EGR量調整部56は、EGR量を要求熱電比率の変化前におけるEGR量よりも減少させるようにEGR弁9の開度を調整する(ステップ#31)。
なお、要求熱電比率が経時変化していないと判定された場合には(ステップ#23:変化無)、換気風量調整部54、点火時期調整部55、及びEGR量調整部56は、それぞれ換気ファン42による換気風量、点火プラグ5の点火時期、及びEGR弁9の開度を調整することなくそのまま維持する。
以上の処理を、逐次繰り返して実行する。
〔その他の実施形態〕
(1)上記の各実施形態においては、本発明を、エンジン1の燃焼室2には当量比が0.6〜0.9程度の混合気Mが供給され、希薄燃焼方式により駆動されるエンジンを備えた熱電併給システム100に適用した場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、例えばストイキ当量比の混合気Mが供給され、通常の燃焼方式により駆動されるエンジンを備えた熱電併給システム100にも適用することができる。そのような熱電併給システム100においても、少なくとも換気ファン42による換気風量を調整することで、従来に比べて発生熱電比率の変化幅を大きく取ることができる。また、ストイキ当量比の混合気Mを燃焼させる場合には、通常、発生するNOxを除去するために排気路4に三元触媒を設けることは可能であるが、NOxの低減効果とは無関係に混合気Mへの点火時期を調整することにより、従来に比べて発生熱電比率の変化幅を、より一層大きく取ることができる。
また、同様に、燃焼室2に供給される混合気Mの当量比が切り換え可能とされた熱電併給システム100にも適用することができる。この場合、上記第一の実施形態のように点火時期調整部55を備え、混合気Mの当量比がストイキ当量比よりも小さい当量比でエンジン1が駆動されるモード時には、混合気Mへの点火時期を調整することによりNOxを低減させるように構成すると好適である。或いは、上記第二の実施形態のようにEGR量調整部56を備え、混合気Mの当量比がストイキ当量比よりも小さい当量比でエンジン1が駆動されるモード時には、EGR調整弁9の開度を調整することによりNOxを低減させるように構成すると好適である。
(2)上記の各実施形態においては、要求熱電比率取得部53が、所定の時間周期Tで要求熱電比率を逐次取得する場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、例えば熱負荷15における過去の消費熱量及び電力負荷23における過去の消費電力量をメモリ等の記憶手段に記憶して備え、要求熱電比率取得部53が、当該記憶された消費熱量及び消費電力量に基づいて、将来の予測要求熱量及び予測要求電力量、更にはこれに基づく予測要求熱電比率を取得する構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
より具体的には、例えば、季節毎、一週間のうちの曜日毎、一日のうちの時間帯毎等に区分けし、区分けされた時間帯毎における消費熱量及び消費電力量をメモリ等の記憶手段に記憶させる。そして、要求熱電比率取得部53は、現在の季節、曜日、時間帯等に基づき、記憶手段に記憶された過去の消費熱量及び消費電力量を参照して、将来消費されると予測される熱量である予測消費熱量、及び将来消費されると予測される電力量である予測消費電力量を取得し、これらに基づいて予測要求熱電比率を取得する構成とすると好適である。
(3)上記第二の実施形態においては、NOx低減手段として点火時期調整部55(点火時期調整手段)及びEGR量調整部56(EGR量調整手段)の二つの手段を備えており、発生熱電比率調整処理では要求熱電比率の変化幅に応じてNOx低減手段を使い分ける構成とされている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、NOx低減手段としてEGR量調整部56(EGR量調整手段)のみを備え、発生熱電比率調整処理では、EGR量調整部56がEGR弁9の開度を調整することによってのみNOxの排出量を低減させるように構成することも、本発明の好適な実施形態の一つである。この場合であっても、エンジン1の燃焼室2内における混合気Mの燃焼状態を良好に維持すると共にNOxの発生を抑制しつつ、従来に比べて発生熱電比率の可変幅を大きく取ることができる。
(4)上記第二の実施形態においては、エンジン1の外部において排気路4と吸気路3とを接続するEGR流路8が設けられ、EGR流路8とEGR弁9とが協働して構成される排ガス再循環システム(EGRシステム)が、外部EGRシステムとして構成されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、例えば燃焼室2において発生する排ガスEをそのまま燃焼室2に残留させたり、排気路4において排ガスEを逆流させたりする等の手法により排ガスEの一部を再循環させる、内部EGRシステムとして排ガス再循環システムを構成することも、本発明の好適な実施形態の一つである。
本発明は、所謂熱電併給システム等の、混合気を燃焼室で圧縮して燃焼させ軸動力を出力するエンジンと、エンジンの排熱を回収し、当該回収された熱を熱負荷へ供給する排熱回収手段と、エンジンの軸動力により駆動されて発電し、当該発電された電力を電力負荷へ供給する発電手段と、を備えたエネルギシステムに好適に利用することができる。
1 エンジン
2 燃焼室
5 点火プラグ(点火手段)
11 排熱回収機構(排熱回収手段)
15 熱負荷
21 発電機(発電手段)
23 電力負荷
41 パッケージケース(収容設備)
42 換気ファン(換気手段)
54 換気風量調整部(換気風量調整手段)
55 点火時期調整部(点火時期調整手段、NOx低減手段)
56 EGR量調整部(NOx低減手段)
100 熱電併給システム(エネルギシステム)
M 混合気

Claims (4)

  1. 混合気を燃焼室で圧縮して燃焼させ軸動力を出力するエンジンと、
    前記エンジンの排熱を回収し、当該回収された熱を熱負荷へ供給する排熱回収手段と、
    前記エンジンの軸動力により駆動されて発電し、当該発電された電力を電力負荷へ供給する発電手段と、を備えたエネルギシステムであって、
    前記エンジン、前記排熱回収手段及び前記発電手段を収容する収容設備と、
    前記収容設備の外部壁に設けられ、収容設備内の空気を収容設備外へ排出する換気手段と、
    前記電力負荷での要求電力量に対する前記熱負荷での要求熱量の比率である要求熱電比率が経時変化する際に、当該要求熱電比率の変化方向に応じて前記換気手段による換気風量を調整する形態で、前記発電手段による発生電力量に対する前記排熱回収手段による発生熱量の比率である発生熱電比率を調整する換気風量調整手段と、
    を備えたエネルギシステム。
  2. 前記換気風量調整手段は、
    前記要求熱電比率が上昇する場合には、前記換気風量を前記要求熱電比率の変化前における風量よりも減少させるように調整し、
    前記要求熱電比率が低下する場合には、前記換気風量を前記要求熱電比率の変化前における風量よりも増加させるように調整する請求項1に記載のエネルギシステム。
  3. 前記エンジンにおいて前記混合気を燃焼させる際に所定条件下で発生するNOxを低減させるNOx低減手段を備えた請求項1又は2に記載のエネルギシステム。
  4. 前記エンジンは、前記燃焼室で圧縮された前記混合気を火花点火する点火手段を有し、
    前記NOx低減手段が、前記要求熱電比率が上昇する場合に、前記点火手段の点火時期を前記要求熱電比率の変化前における点火時期よりも遅角側に補正する点火時期調整手段により構成されている請求項3に記載のエネルギシステム。
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