JP2008286066A - エンジンシステム - Google Patents

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新吾 薬師寺
Shunsaku Nakai
俊作 中井
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Abstract

【課題】エンジンの出力に基づいて、エンジンの燃焼モードをストイキ燃焼モードとリーン燃焼モードとの間で択一的に設定する燃焼モード設定処理を実行するエンジンシステムにおいて、ストイキ燃焼モード時及びリーン燃焼モード時に排出される排ガスが通過する部位に三元触媒を設け、その三元触媒の性能を良好なものに維持して、ストイキ燃焼モード時及びリーン燃焼モード時に排出される排ガスに含まれる排出物を三元触媒により良好に除去することができる技術を提供する。
【解決手段】三元触媒の温度T1,T2’を検出する触媒温度検出手段を備え、制御手段が、エンジンの出力に加え、触媒温度検出手段で検出した三元触媒の温度T1,T2’に基づいて、燃焼モード設定処理を実行する。
【選択図】図2

Description

本発明は、混合気を燃焼室で圧縮して燃焼させ軸動力を出力するエンジンと、
前記エンジンの出力を制御する制御手段と、
前記燃焼室から排気路に排出された排ガスが通過する三元触媒とを備え、
前記制御手段が、前記エンジンの出力に基づいて、前記燃焼室でストイキ当量比の混合気を燃焼させるストイキ燃焼モードと、前記燃焼室で前記ストイキ当量比よりも燃料が希薄なリーン当量比の混合気を燃焼させるリーン燃焼モードとの間で、前記エンジンの燃焼モードを択一的に設定する燃焼モード設定処理を実行するエンジンシステム、特に、前記エンジンの軸動力を駆動源とする圧縮機を有する圧縮式ヒートポンプ回路を備えてエンジン駆動式ヒートポンプシステムとして構成されたエンジンシステムに関する。
混合気を燃焼室で圧縮して火花点火等により燃焼させ軸動力を出力するエンジンを備えたエンジンシステムとして、エンジンの出力を制御する制御手段が、当該エンジンの出力に基づいて、燃焼室でストイキ当量比(例えば、当量比1.0(理論当量比)程度)の混合気を燃焼させるストイキ燃焼モードと、燃焼室で上記ストイキ当量比よりも燃料が希薄なリーン当量比(例えば、当量比0.67程度)の混合気を燃焼させるリーン燃焼モードとの間で、エンジンの燃焼モードを択一的に設定する燃焼モード設定処理を実行するように構成されたものが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
このようなエンジンシステムでは、上記燃焼モード設定処理を実行して、低出力域における燃焼モードを上記リーン燃焼モードに設定することで、低出力域でもスロットルバルブの開度をできるだけ大きく維持して、ポンピングロスを低減することができ、更に、リーン当量比の混合気を燃焼させることで燃焼室における温度上昇を緩慢なものとして、NOxの生成を抑制することができる。
また、上記ストイキ燃焼モード時に燃焼室から排出される排ガスに含まれるNOxを除去するために、その排ガスが通過する部位に、アルミナ等の無機担体に白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属成分を担持してなる三元触媒を備える場合がある。
即ち、上記ストイキ燃焼モード時において、燃焼室からは低酸素濃度の排ガスが排出される。そして、この排ガスを三元触媒に通過させることで、その排ガスにおいて酸化性成分と還元性成分とが釣り合った状態であることから、その排ガスに含まれるNOxを還元除去することができ、更にそれと同時に、その排ガスに含まれるCO、HC、臭気成分等を酸化除去することができる。
一方、上記リーン燃焼時において、燃焼室からは高酸素濃度の排ガスが排出されるが、その排ガスを三元触媒に通過させることで、その排ガスに含まれるCO、HC、臭気成分等を酸化除去することもできる(例えば、特許文献2を参照。)。
特開平11−294229号公報 特開2005−226491号公報
しかしながら、上述したような燃焼モード設定処理を実行するエンジンシステムにおいて、ストイキ燃焼モード時及びリーン燃焼モード時に排出される排ガスが通過する部位に三元触媒を備えただけでは、三元触媒の性能を良好なものに維持できないという問題が発生する。
即ち、上記のようなエンジンシステムでは、ストイキ燃焼モード時に排出される排ガスは、ストイキ当量比の混合気が燃焼した後の排ガスであるために、比較的高温で且つ低酸素濃度の状態となっており、一方、リーン燃焼モード時に排出される排ガスは、リーン当量比の混合気が燃焼した後の排ガスであるために、比較的低温で且つ高酸素濃度の状態となっている。
よって、三元触媒のNOx除去能力は触媒温度に大きく依存するので、例えばエンジンの燃焼モードをリーン燃焼モードからストイキ燃焼モードに切り換える場合において、温度が十分に高くない三元触媒にストイキ燃焼モード時に排出されNOxを多く含む排ガスが通過すると、その三元触媒でそのNOxを十分に除去することができずに、多くのNOxを排出してしまう虞がある。
一方、例えばストイキ燃焼モードからリーン燃焼モードに切り換えた直後において、まだ高温のままである三元触媒に高酸素濃度の排ガスが通過すると、三元触媒の劣化が進行する虞があり、更に、燃焼モードの切り換えが頻繁に行われる場合には、三元触媒の性能が急激に低下する虞がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、エンジンの出力に基づいて、エンジンの燃焼モードをストイキ燃焼モードとリーン燃焼モードとの間で択一的に設定する燃焼モード設定処理を実行するエンジンシステムにおいて、ストイキ燃焼モード時及びリーン燃焼モード時に排出される排ガスが通過する部位に三元触媒を設け、その三元触媒の性能を良好なものに維持して、ストイキ燃焼モード時及びリーン燃焼モード時に排出される排ガスに含まれる排出物を三元触媒により良好に除去することができる技術を提供する点にある。
上記目的を達成するための本発明に係るエンジンシステムは、混合気を燃焼室で圧縮して燃焼させ軸動力を出力するエンジンと、
前記エンジンの出力を制御する制御手段と、
前記燃焼室から排気路に排出された排ガスが通過する三元触媒とを備え、
前記制御手段が、前記エンジンの出力に基づいて、前記燃焼室でストイキ当量比の混合気を燃焼させるストイキ燃焼モードと、前記燃焼室で前記ストイキ当量比よりも燃料が希薄なリーン当量比の混合気を燃焼させるリーン燃焼モードとの間で、前記エンジンの燃焼モードを択一的に設定する燃焼モード設定処理を実行するエンジンシステムであって、その特徴構成は、前記三元触媒の温度を検出する触媒温度検出手段を備え、
前記制御手段が、前記エンジンの出力に加え、前記触媒温度検出手段で検出した前記三元触媒の温度に基づいて、前記燃焼モード設定処理を実行する点にある。
上記特徴構成によれば、上記制御手段より実行される上記燃焼モード設定処理において、上記エンジンの燃焼モードを、上記エンジンの出力に適したものに設定するのに加えて、上記三元触媒の温度を当該三元触媒の性能を良好なものに維持し得る適切な温度域に維持し得るものに設定することができる。よって、上記三元触媒の性能を良好なものに維持可能なものとして、ストイキ燃焼モード時及びリーン燃焼モード時に排出される排ガスに含まれる排出物を三元触媒により良好に除去することができる。
本発明に係るエンジンシステムの更なる特徴構成は、前記制御手段が、前記燃焼モード設定処理において、前記エンジンの出力に基づいて前記燃焼モードの設定目標を決定し、前記三元触媒の温度に基づいて前記燃焼モードの前記設定目標への設定の許否を判定する点にある。
上記特徴構成によれば、上記制御手段より実行される上記燃焼モード設定処理において、ストイキ燃焼モードとリーン燃焼モードとのうち、エンジンの出力に基づいて決定される燃焼モードの設定目標が、上記三元触媒の温度を当該三元触媒の性能を良好なものに維持し得る適切な温度域に維持し得るものであるか否かにより、上記燃焼モードの上記設定目標への設定の許否を判定することができる。よって、上記燃焼モードを常に三元触媒の性能を良好なものに維持可能なものに優先的に設定して、ストイキ燃焼モード時及びリーン燃焼モード時に排出される排ガスに含まれる排出物を三元触媒により一層良好に除去することができる。
本発明に係るエンジンシステムの更なる特徴構成は、前記制御手段が、前記エンジンの出力が低出力域にある場合の前記燃焼モード設定処理において、前記三元触媒の温度が酸化雰囲気耐熱温度上限値を上回るときには、前記燃焼モードの前記リーン燃焼モードへの設定を禁止する点にある。
上記特徴構成によれば、高温の三元触媒が高酸素濃度の排ガスに晒されることによる劣化の進行を良好に抑制して、三元触媒の性能を良好なものに維持することができる。
即ち、三元触媒の温度が酸化雰囲気耐熱温度上限値を上回るときには、例えエンジンの出力に基づいて決定された燃焼モードの設定目標がリーン燃焼モードであったとしても、エンジンの燃焼モードのリーン燃焼モードへの設定が禁止されて、当該燃焼モードが強制的にストイキ燃焼モードに設定されるので、酸化雰囲気耐熱温度上限値を越える高温の三元触媒がリーン燃焼モード時に排出される高酸素濃度の排ガスに晒されることを回避することができる。
本発明に係るエンジンシステムの更なる特徴構成は、前記制御手段が、前記エンジンの出力を高出力域から低出力域に変化させた場合に、前記燃焼モード設定処理において、前記三元触媒の温度が酸化雰囲気耐熱温度上限値以下になった後に、前記燃焼モードを前記ストイキ燃焼モードから前記リーン燃焼モードへ切り換える点にある。
上記特徴構成によれば、エンジンの出力を高出力域から低出力域に変化させた場合において、エンジンの燃焼モードを、直ぐにエンジンの出力に基づいて決定された設定目標であるリーン燃焼モードに切り換えるのではなく、一定期間はストイキ燃焼モードに維持するので、上記高出力域で酸化雰囲気耐熱温度上限値を越える高温となっていた三元触媒に対して、出力低下に伴って低温となった排ガスを通過させることにより酸化雰囲気耐熱温度上限値以下に冷却することができる。そして、三元触媒の温度が酸化雰囲気耐熱温度上限値以下となった後に、エンジンの燃焼モードをストイキ燃焼モードからリーン燃焼モードに切り換えるので、高温の三元触媒がリーン燃焼モード時に排出される高酸素濃度の排ガスに晒されることで劣化が進行することを抑制することができ、結果、三元触媒の性能を良好なものに維持することができる。
本発明に係るエンジンシステムの更なる特徴構成は、前記制御手段が、前記エンジンの出力が高出力域にある場合の前記燃焼モード設定処理において、前記三元触媒の温度がNOx除去作動温度下限値を下回るときには、前記燃焼モードの前記ストイキ燃焼モードへの設定を禁止する点にある。
上記特徴構成によれば、十分に温度が上昇していない三元触媒にNOxを多く含む排ガスが通過することによるNOx排出量の増加を良好に回避して、三元触媒の性能を良好なものに維持することができる。
即ち、三元触媒の温度がNOx除去作動温度下限値を下回るときには、例えエンジンの出力に基づいて決定された燃焼モードの設定目標がストイキ燃焼モードであったとしても、エンジンの燃焼モードのストイキ燃焼モードへの設定が禁止されて、当該燃焼モードが強制的にリーン燃焼モードに設定されるので、NOx除去作動温度下限値まで温度が十分に上昇していない低温の三元触媒に、ストイキ燃焼モード時に排出されNOxを多く含む排ガスが通過することを回避することができる。
本発明に係るエンジンシステムの更なる特徴構成は、前記制御手段が、前記リーン燃焼モード時に前記触媒温度検出手段で検出した前記三元触媒の温度を用いて、前記燃焼モードを前記ストイキ燃焼モードに切り換えた場合の前記三元触媒の温度を予測する温度予測処理を実行可能に構成されていると共に、前記エンジンの出力が高出力域にあり且つ前記エンジンの燃焼モードがリーン燃焼モードに設定されている場合の前記燃焼モード設定処理において、前記温度予測処理により予測した前記三元触媒の温度がNOx除去作動温度下限値以上であるときのみ、前記燃焼モードを前記リーン燃焼モードから前記ストイキ燃焼モードに切り換える点にある。
上記特徴構成によれば、エンジンの出力を低出力域から高出力域に変化させた場合において、エンジンの燃焼モードを、常にエンジンの出力に基づいて決定された設定目標であるストイキ燃焼モードに切り換えるのではなく、ストイキ燃焼モードに切り換えた場合の三元触媒の温度を予測し、その予測した三元触媒の温度がNOx除去作動温度下限値以上であるときのみ、エンジンの燃焼モードをリーン燃焼モードからストイキ燃焼モードに切り換えるので、NOx除去作動温度下限値まで温度が十分に上昇していない低温の三元触媒にストイキ燃焼モード時に排出されNOxを多く含む排ガスが通過することを回避することができ、結果、三元触媒の性能を良好なものに維持することができる。
一方、上記予測した三元触媒の温度がNOx除去作動温度下限値以下である場合には、エンジンの燃焼モードがリーン燃焼モードに維持されるので、燃焼室からNOxを殆ど含まない排ガスを排出させることができ、更に、三元触媒においてその排ガスに含まれるCO、HC、臭気成分等を酸化除去することができる。
本発明に係るエンジンシステムの更なる特徴構成は、前記エンジンの軸動力を駆動源とする圧縮機を有する圧縮式ヒートポンプ回路を備えてエンジン駆動式ヒートポンプシステムとして構成された点にある。
上記特徴構成によれば、エンジン駆動式ヒートポンプシステムとして構成した場合においても、圧縮式ヒートポンプ回路の負荷に合わせて制御されるエンジンの出力に基づいて、エンジンの燃焼モードをストイキ燃焼モードとリーン燃焼モードとの間で択一的に設定する燃焼モード設定処理を実行するにあたり、これまで説明してきたように、エンジンの出力に加えて三元触媒の温度に基づいて燃焼モードの設定を行うことにより、三元触媒の性能を良好なものに維持して、ストイキ燃焼モード時及びリーン燃焼モード時に排出される排ガスに含まれる排出物を三元触媒により良好に除去することができるので、圧縮式ヒートポンプ回路の負荷変動を想定した12モードにおいて、NOxの排出量を規定量以下に抑えることができる。
本発明に係るエンジンシステムの実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1に示すエンジンシステム(以下、「本システム」と呼ぶ。)100は、エンジン駆動式ヒートポンプシステムとして構成されている。
即ち、本システム100は、混合気Mを燃焼室2で圧縮して燃焼させ軸動力を出力するエンジン1と、そのエンジン1の出力を制御する制御装置20(制御手段の一例)とを備えており、更には、エンジン1の軸動力を駆動源とする圧縮機31を有する圧縮式ヒートポンプ回路30を備え、その圧縮式ヒートポンプ回路30において冷房や暖房等の空調を行うように構成されている。
上記エンジン1は、燃料供給弁6を介して供給された天然ガス系都市ガス等の燃料ガスGと空気Aとの混合気Mを吸気路3から燃焼室2に吸気し、その混合気Mを当該燃焼室2において圧縮し、その混合気Mを燃焼室2において点火して燃焼・膨張させ、その燃焼により発生した排ガスEを排気路4に排出するというように、通常の4サイクルエンジンと同様の構成を有する。
燃焼室2から排出された排ガスEが流通する排気路4には、当該排ガスEの酸素濃度を検出する酸素センサ18が設けられている。
そして、エンジン1の運転を制御する制御装置20は、酸素センサ18で検出される排ガスEの酸素濃度を監視しながら燃料供給弁6の開度を制御することで、吸気路3に形成される混合気Mの当量比を任意に設定可能に構成されている。
即ち、制御装置20は、上記酸素センサ18で検出される排ガスEの酸素濃度が略ゼロの低酸素濃度となるように燃料供給弁6の開度を比較的大きめに調整することで、吸気路3に形成される混合気Mの当量比を略1.0程度のストイキ当量比に設定することができる。また、制御装置20は、上記酸素センサ18で検出される排ガスEの酸素濃度が当量比に応じて設定された設定濃度となるように燃料供給弁6の開度を比較的小さめに調整することで、吸気路3に形成される混合気Mの当量比を例えば上記ストイキ当量比範囲よりも燃料が希薄な0.67程度のリーン当量比に設定することができる。
上記吸気路3には、燃焼室2に吸気される混合気Mの量、即ち吸気量を調整可能なスロットルバルブ8が設けられており、このスロットルバルブ8の開度は制御装置20により制御される。
また、エンジン1の出力軸5には、当該出力軸5の回転数、即ちエンジン回転数を検出する回転数センサ19が設けられており、この回転数センサ19で検出されたエンジン回転数は制御装置20に入力される。
更に、詳細については後述するが、この制御装置20は、燃焼室2で燃焼する混合気Mの当量比を上記ストイキ当量比に設定するストイキ燃焼モードと、燃焼室2で燃焼する混合気Mの当量比を上記ストイキ当量比範囲よりも燃料が希薄なリーン当量比に設定するリーン燃焼モードとの間で、エンジン1の燃焼モードを択一的に設定可能に構成されている。
尚、このストイキ燃焼モード及びリーン燃焼モードは、公知のストイキ燃焼及びリーン燃焼により実現される燃焼モードであり、夫々における燃焼室2での燃焼状態は、ノッキングや失火等の異常燃焼の発生が抑制されて安定したものとなる。
更に、エンジン1が上記ストイキ燃焼モードで運転することで、燃焼室2に吸気される混合気M中に燃焼熱を奪う空気Aが少なく、更に、燃焼室2で燃焼する混合気Mの当量比が略1.0程度の比較的燃料ガスGが濃いストイキ当量比に設定されていることから、当該燃焼熱による温度上昇が顕著になって燃焼室2におけるNOxの生成が促進されるので、その燃焼室2から排出される排ガスEは、比較的高温で且つNOxを多く含むものとなる。
一方、エンジン1が上記リーン燃焼モードで運転することで、燃焼室2に吸気される混合気M中に燃焼熱を奪う空気Aが多く、更に、燃焼室2で燃焼する混合気Mの当量比が略0.67程度の燃料ガスGが薄いリーン当量比に設定されていることから、当該燃焼熱による温度上昇が緩慢になって燃焼室2におけるNOxの生成が抑制されるので、燃焼室2から排出される排ガスEは、比較的低温で且つNOxを殆ど含まないものとなる。
そして、ストイキ燃焼モード時に排出されるNOxを還元除去すると共に、ストイキ燃焼モード時及びリーン燃焼モード時に排出されるCO、HC、臭気成分等を酸化除去するために、エンジン1の排気路4には、アルミナ等の無機担体に白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属成分を担持してなり、酸化性成分と還元性成分とが釣り合った状態の理論当量比の排ガスEが通過することで、その排ガスEに含まれるNOx、CO、及びHCの排出物を同時除去する三元触媒12が設けられている。
即ち、上述したストイキ燃焼モード時に排出される排ガスEがこの三元触媒12を通過すると、主に、その排ガスEに含まれるNOxが還元除去されて、NOxの排出量が規定値以下に抑制されることになる。また、このストイキ燃焼モード時に排出される排ガスEは、酸化性成分と還元性成分とが釣り合っている状態であるので、上記NOxの還元除去と同時に、CO、HC、臭気成分等が酸化除去されることになる。
一方、上述したリーン燃焼モード時に排出される排ガスEがこの三元触媒12を通過すると、主に、その排ガスEに含まれるCO、HC、臭気成分等が酸化除去されることになる。また、このリーン燃焼モード時には、燃焼室2の温度上昇が緩慢になることから、その排ガスEには元々NOxが殆ど含まれておらず、結果、NOxの排出量が規定値以下に抑制されることになる。
また、この排気路4において三元触媒12の入口側付近には、三元触媒12に流入する排ガスEの温度を三元触媒12の温度として検出する温度センサ13(触媒温度検出手段の一例)が設けられている。
尚、排気路4における上記温度センサ13の設置場所等については、その温度センサ13の検出結果から三元触媒12の温度が直接的に認識する又は間接に推定することができる範囲で適宜変更可能である。
上記圧縮式ヒートポンプ回路30は、圧縮機31、室外機32、膨張弁33、室内機34を備え、更には、圧縮機31の室内機34及び室外機32に対する冷媒送出方向を切り換えるための四方切換弁35を備える。
そして、図1に示す冷房状態、即ち、四方切換弁35を、圧縮機31の吐出側を室外機32に向けると共に流入側を室内機34に向けるように切り換えた状態では、蒸発した冷媒蒸気が、圧縮機31において圧縮されて高温高圧状態となり、次に、その高温高圧状態の冷媒蒸気が、室外機32において放熱して凝縮し、次に、その凝縮した冷媒液が、膨張弁33において、膨張して低温低圧状態となり、次に、その低温低圧状態の冷媒液が、室内機34において吸熱して蒸発し、その蒸発した冷媒蒸気が再度圧縮機31に供給されるという形態で、作動するように構成されている。
そして、この冷房状態での圧縮式ヒートポンプ回路30は、室外機32において、冷媒蒸気の放熱を、外気や温熱用水を加熱する形態で給湯用や暖房用等に利用したり、一方、室内機34において、冷媒液の吸熱を、室内空気や冷熱用水を冷却する形態で冷房用等に利用することができる。
尚、この圧縮式ヒートポンプ回路30により暖房を行う場合は、四方切換弁35を、圧縮機31の吐出側を室内機34に向けると共に流入側を室外機32に向けるように切り換えることで、室内機34において温熱を発生することができる。
この圧縮式ヒートポンプ回路30の作動時において、圧縮機31には、エンジン1の軸動力が、ベルトとプーリとからなるベルト伝動部40を通じて伝達される。即ち、圧縮機31は、駆動源としてエンジン1の軸動力を利用して、冷媒蒸気を圧縮する流体ポンプとして作動するように構成されている。
上記のようなエンジンシステム100の制御装置20は、所定のコンピュータプログラムを実行することにより、エンジン1の出力を制御するにあたり、後述する燃焼モード設定処理を実行するように構成されており、その詳細構成について以下に説明する。
制御装置20は、圧縮式ヒートポンプ回路30の空調負荷に合わせてエンジン1の出力を制御するように構成されている。即ち、制御装置20は、回転数センサ19により検出されるエンジン回転数が上記空調負荷等に応じて入力された目標回転数と一致するように、スロットルバルブ8の開度を制御して、燃焼室2への混合気Mの吸気量を調整するように構成されている。
更に、上記制御装置20は、上記エンジン1の出力制御において、上述したストイキ燃焼モードとリーン燃焼モードとの間で、エンジン1の燃焼モードを択一的に設定する燃焼モード設定処理を実行するように構成されている。
基本的には、上記制御装置20は、上記燃焼モード設定処理において、基本的には、エンジン1の出力を高出力域に設定する場合には、エンジン1の燃焼モードの設定目標をストイキ燃焼モードに決定し、一方、エンジン1の出力を上記高出力域よりも低い低出力域に設定する場合には、エンジン1の燃焼モードの設定目標をリーン燃焼モードに決定するというように、エンジン1の出力に基づいてエンジン1の燃焼モードの設定目標を決定する。
しかしながら、エンジン1の出力が高出力域にあるからといって、常に、上記燃焼モード設定処理によりエンジン1の燃焼モードを上記高出力域での設定目標であるストイキ燃焼モードに設定すると、例えば設置場所の気温が低いなどの理由により、後述する所定のNOx除去作動温度下限値を下回っている場合がある。そして、このような三元触媒12にストイキ燃焼モード時に排出されNOxを多く含む排ガスEが通過してしまうと、その三元触媒12でそのNOxを十分に除去することができないという問題が発生する。
一方、エンジン1の出力が低出力域にあるからといって、常に、上記燃焼モード設定処理によりエンジン1の燃焼モードを上記低出力域での設定目標であるリーン燃焼モードに設定すると、例えば直前までストイキ燃焼モードであったなどの理由により、三元触媒12の温度が後述する所定の酸化雰囲気耐熱温度上限値を上回っている場合がある。そして、このような三元触媒12にリーン燃焼モード時に排出され高酸素濃度の排ガスが通過してしまうと、三元触媒の劣化が進行してしまうという問題が発生する。
そこで、本システム100では、上記のような問題を回避して、その三元触媒12の性能を良好なものに維持し、ストイキ燃焼モード時及びリーン燃焼モード時に排出される排ガスEに含まれるNOx等の排出物を三元触媒12により良好に除去するために、上記制御装置20は、上記エンジン1の出力制御において上記燃焼モード設定処理を実行するにあたり、エンジン1の出力に加え、温度センサ13で検出した三元触媒12の温度に基づいて、ストイキ燃焼モードとリーン燃焼モードとの間で、エンジン1の燃焼モードを択一的に設定するように構成されている。
具体的には、制御手段20は、上記燃焼モード設定処理において、上述したように、エンジン1の出力に基づいて、上記ストイキ燃焼モードと上記リーン燃焼モードとから、エンジン1の燃焼モードの設定目標を決定し、更に、温度センサ13で検出した三元触媒12の温度に基づいて、上記燃焼モードの上記設定目標への設定の許否を判定する。
即ち、上記燃焼モード設定処理によりエンジン1の出力に基づいて設定目標として決定された現時点の燃焼モード又は出力変化に伴う切換後の燃焼モードにおいて、三元触媒12の温度が当該三元触媒12の性能を良好なものに維持することができる適切な温度域にある場合には、エンジン1の燃焼モードの上記設定目標への設定が許可されて、当該燃焼モードが出力に応じた適切なものに設定されて、効率の向上が図られることになる。
一方、上記燃焼モード設定処理によりエンジン1の出力に基づいて設定目標として決定された現時点の燃焼モード又は出力変化に伴う切換後の燃焼モードにおいて、三元触媒12の温度が上記適切な温度域にない場合には、エンジン1の燃焼モードの上記設定目標への設定が禁止されて、当該燃焼モードがエンジン1の出力に拘わらず三元触媒12の性能を優先したものに設定されることになり、排ガスEに含まれる排出物の除去性能の向上が図られることになる。
以下に、その燃焼モード設定処理の具体的構成について、図2に示す処理フロー図に基づいて説明する。
尚、制御装置20は、圧縮式ヒートポンプ回路30の空調負荷に基づくエンジン1の出力制御を実行しながら、図2に示す処理フローを逐次繰り返して実行する形態で上記燃焼モード設定処理を実行するように構成されている。
先ず、制御装置20は、エンジン1の出力が低出力域にある場合の上記燃焼モード設定処理において、三元触媒12の温度T1が酸化雰囲気耐熱温度上限値T1maxを上回るときには、高温の三元触媒12がリーン燃焼モード時に排出される高酸素濃度の排ガスEに晒されることを回避するべく、エンジン1の燃焼モードのリーン燃焼モードへの設定を禁止するように構成されている(#10〜#12,#20,#30)。
即ち、制御装置20は、エンジン1の出力が低出力域にある(#10)場合には、温度センサ13で三元触媒12の温度T1を検出し(#11)、その三元触媒12の温度T1が酸化雰囲気耐熱温度上限値T1max以下であるか否かを判定する(#12)。尚、上記酸化雰囲気耐熱温度上限値T1maxは、高酸素濃度の酸化雰囲気でも三元触媒12の耐熱性を維持可能な許容温度範囲の上限値として決定されるものであり、この値は三元触媒12の耐熱性の実験等を行って予め決定することができる。
更に、制御装置20は、上記#12において、三元触媒12の温度T1が酸化雰囲気耐熱温度上限値T1以下でなく同酸化雰囲気耐熱温度上限値T1maxを上回っている場合には、その状態でエンジン1の燃焼モードをリーン燃焼モードに設定すれば高温の三元触媒12に高酸素濃度の排ガスEが通過して三元触媒12の劣化の進行が懸念されることから、例えエンジン1の出力が低出力域であったとしても、エンジン1の燃焼モードのリーン燃焼モード(#20)への設定を禁止して、当該燃焼モードが強制的にストイキ燃焼モードに設定する(#30)。
よって、酸化雰囲気耐熱温度上限値T1maxを越える高温の三元触媒12が、リーン燃焼モード時に排出される高酸素濃度の排ガスEに晒されることが回避されている。
以上のような燃焼モード設定処理により、制御装置20は、特にエンジン1の出力を高出力域から低出力域に変化させた場合には、上記燃焼モード設定処理において、三元触媒12の温度T1が酸化雰囲気耐熱温度上限値T1max以下になった後に、エンジン1の燃焼モードをストイキ燃焼モードからリーン燃焼モードへ切り換えるように構成されることになる。
即ち、特にエンジン1の出力が高出力域から低出力域に変化した場合でも、エンジン1の燃焼モードは、直ぐにリーン燃焼モードに切り換えられるのではなく、一定期間はストイキ燃焼モードに維持される。すると、上記高出力域で酸化雰囲気耐熱温度上限値T1maxを越える高温となっていた三元触媒12に対して、出力低下に伴って低温となった排ガスEが通過することにより、三元触媒12の温度T1は徐々に酸化雰囲気耐熱温度上限値T1max以下に冷却されることになる。そして、三元触媒12の温度T1が酸化雰囲気耐熱温度上限値T1max以下となった時点で、エンジン1の燃焼モードがストイキ燃焼モードからリーン燃焼モードに切り換えられるので、高温の三元触媒12がリーン燃焼モード時に排出される高酸素濃度の排ガスEに晒されることなく、三元触媒12の性能が良好なものに維持される。
また、制御装置20は、エンジン1の出力が低出力域にあり、エンジン1の燃焼モードをリーン燃焼モードに設定している場合においても、設置場所の気温上昇等の何らかの原因で、温度センサ13で検出した三元触媒12の温度T1が酸化雰囲気耐熱温度上限値T1maxを上回ったときにも、例えエンジン1の出力が低出力域に維持されているとしても、エンジン1の燃焼モードをリーン燃焼モードからストイキ燃焼モードへ強制的に切り換えるように構成されることになる。
一方、制御装置20は、エンジン1の出力が高出力域にある場合の上記燃焼モード設定処理において、三元触媒12の温度T2がNOx除去作動温度下限値T2maxを下回るときには、十分に温度が上昇していないストイキ燃焼モード時に排出されるNOxを多く含む排ガスEが三元触媒12を通過してNOx排出量が増加することを回避するべく、エンジン1の燃焼モードのストイキ燃焼モードへの設定を禁止するように構成されている(#10,#13〜#17,#20,#30)
即ち、制御装置20は、エンジン1の出力が高出力域にあり(#10)、且つ、現時点のエンジン1の燃焼モードがリーン燃焼モードに設定されている(#13)場合、例えばエンジン1の出力を低出力域から高出力域に変化させた場合には、そのリーン燃焼モード時に温度センサ13で検出した三元触媒12の温度T2’(#14)を用いて、燃焼モードをストイキ燃焼モードに切り換えた場合の三元触媒12の温度T2を予測する温度予測処理を実行する(#15)。
尚、上記のような燃焼モードをストイキ燃焼モードに切り換えた場合の三元触媒12の温度T2の予測は、以下のようにして行うことができる。
即ち、リーン燃焼モード時及びストイキ燃焼モード時の夫々における標準条件(例えば設置場所の気温が所定の標準温度であるとする条件)でのエンジン1の各出力に対する三元触媒12の温度の相関関係を予め実験等で求めておき、制御装置20に記憶しておく。
そして、制御装置20は、現時点のエンジン1の出力を上記リーン燃焼モード時の相関関係に当てはめて、そのときの標準条件での三元触媒12の温度を求め、更に、温度センサ13で検出した実際条件(例えば設定場所の気温が実際のものであるとする条件)での三元触媒12の温度T2’について、上記のように求めた標準条件での温度に対する温度差を、標準条件に対する温度条件の乖離による温度差として求める。
更に、燃焼装置20は、現時点のエンジン1の出力を上記ストイキ燃焼モード時の相関関係に当てはめて、同出力でエンジン1の燃焼モードをストイキ燃焼モードに切り換えた場合の標準条件での三元触媒12の温度を求め、その温度に上記のように求めた標準条件に対する温度条件の乖離による温度差を加えた値を、燃焼モードをストイキ燃焼モードに切り換えた場合の三元触媒の温度T2として予測することができる。
次に、制御装置20は、上記#15で予測した三元触媒の温度T2がNOx除去作動温度下限値T2min以上であるか否かを判定する(#17)。
尚、上記NOx除去作動温度下限値T2minは、三元触媒12の温度がNOxを良好に除去し得る許容温度範囲の下限値として決定されるものであり、この値は三元触媒12のNOx除去性能の実験等を行って予め決定することができる。
更に、制御装置20は、上記#17において、燃焼モードをストイキ燃焼モードに切り換えた場合の三元触媒12の温度T2がNOx除去作動温度下限値T2min以上であるときのみ、エンジン1の燃焼モードをリーン燃焼モードからストイキ燃焼モードに切り換える(#30)。
即ち、燃焼モードをストイキ燃焼モードに切り換えた場合の三元触媒12の温度T2がNOx除去作動温度下限値T2minを下回る場合には、その状態でエンジン1の燃焼モードをストイキ燃焼モードに設定すれば低温でNOx除去性能が低い三元触媒12にNOxを多く含む排ガスEが通過してNOx排出量が増加することが懸念されることから、例えエンジン1の出力が高出力域であったとしても、エンジン1の燃焼モードのストイキ燃焼モード(#30)への切換を禁止して、当該燃焼モードが強制的にリーン燃焼モードに維持する(#20)。
よって、NOx除去作動温度下限値T2minまで温度が十分に上昇していない低温の三元触媒12にストイキ燃焼モード時に排出されNOxを多く含む排ガスEが通過することを回避される。
また、制御装置20は、エンジン1の出力が高出力域にあり(#10)、且つ、現時点のエンジン1の燃焼モードがストイキ燃焼モードに設定されている(#13)場合においても、設置場所の気温低下等の何らかの原因で、温度センサ13で検出した三元触媒12の温度T2(#16)がNOx除去作動温度下限値T2minを下回ったときにも(#17)、例えエンジン1の出力が高出力域に維持されているとしても、エンジン1の燃焼モードをストイキ燃焼モードからリーン燃焼モードへ強制的に切り換える(#20)ように構成されている。
尚、上記実施形態では、本発明に係るエンジンシステム100をエンジン駆動式ヒートポンプシステムとして構成した例を説明したが、別に、本発明に係るエンジンシステムは、エンジンの軸動力により発電機を駆動すると共に、エンジンの排熱を回収するコージェネレーションシステム等のように、他のシステムとして構成しても構わない。
尚、上記実施の形態では、エンジン1の出力と三元触媒12の温度とに基づいて、ストイキ燃焼モードとリーン燃焼モードとの間で、エンジン1の燃焼モードを択一的に設定する燃焼モード設定処理の具体的構成として、先ず、エンジン1の出力に基づいて燃焼モードの設定目標を決定し、次に、三元触媒12の温度に基づいて燃焼モードの設定目標への設定の許否を判定するという構成について説明したが、この構成は適宜改変可能である。
例えば、エンジンの出力変更範囲及び三元触媒の温度変動範囲における適切な燃焼モードに関するデータテーブルを予め実験等により作成して、制御装置に記憶させておき、当該燃焼装置が、そのデータテーブルを参照して、実際のエンジンの出力と三元触媒の温度とから適切な燃焼モードを抽出して、エンジンの燃焼モードをその抽出した適切な燃焼モードに設定するように構成することができる。
本発明に係るエンジンシステムは、エンジンの燃焼モードをストイキ燃焼モードとリーン燃焼モードとの間で択一的に設定するエンジンシステムであって、特に、ストイキ燃焼モード時及びリーン燃焼モード時に排出される排ガスが通過する部位に三元触媒を設け、その三元触媒の性能を良好なものに維持して、ストイキ燃焼モード時及びリーン燃焼モード時に排出される排ガスに含まれる排出物を三元触媒により良好に除去することができるものとして、有効に利用可能である。
エンジンシステムの概略構成図 燃焼モード設定処理の処理フロー図
符号の説明
1:エンジン
2:燃焼室
4:排気路
12:三元触媒
13:温度センサ(触媒温度検出手段)
20:制御装置(制御手段)
30:圧縮式ヒートポンプ回路
100:エンジンシステム
M:混合気
E:排ガス
T1,T2,T2’:三元触媒の温度
T1max:酸化雰囲気耐熱温度上限値
T2min:NOx除去作動温度下限値

Claims (7)

  1. 混合気を燃焼室で圧縮して燃焼させ軸動力を出力するエンジンと、
    前記エンジンの出力を制御する制御手段と、
    前記燃焼室から排気路に排出された排ガスが通過する三元触媒とを備え、
    前記制御手段が、前記エンジンの出力に基づいて、前記燃焼室でストイキ当量比の混合気を燃焼させるストイキ燃焼モードと、前記燃焼室で前記ストイキ当量比よりも燃料が希薄なリーン当量比の混合気を燃焼させるリーン燃焼モードとの間で、前記エンジンの燃焼モードを択一的に設定する燃焼モード設定処理を実行するエンジンシステムであって、
    前記三元触媒の温度を検出する触媒温度検出手段を備え、
    前記制御手段が、前記エンジンの出力に加え、前記触媒温度検出手段で検出した前記三元触媒の温度に基づいて、前記燃焼モード設定処理を実行するエンジンシステム。
  2. 前記制御手段が、前記燃焼モード設定処理において、前記エンジンの出力に基づいて前記燃焼モードの設定目標を決定し、前記三元触媒の温度に基づいて前記燃焼モードの前記設定目標への設定の許否を判定する請求項1に記載のエンジンシステム。
  3. 前記制御手段が、前記エンジンの出力が低出力域にある場合の前記燃焼モード設定処理において、前記三元触媒の温度が酸化雰囲気耐熱温度上限値を上回るときには、前記燃焼モードの前記リーン燃焼モードへの設定を禁止する請求項1又は2に記載のエンジンシステム。
  4. 前記制御手段が、前記エンジンの出力を高出力域から低出力域に変化させた場合に、前記燃焼モード設定処理において、前記三元触媒の温度が酸化雰囲気耐熱温度上限値以下になった後に、前記燃焼モードを前記ストイキ燃焼モードから前記リーン燃焼モードへ切り換える請求項1〜3の何れか一項に記載のエンジンシステム。
  5. 前記制御手段が、前記エンジンの出力が高出力域にある場合の前記燃焼モード設定処理において、前記三元触媒の温度がNOx除去作動温度下限値を下回るときには、前記燃焼モードの前記ストイキ燃焼モードへの設定を禁止する請求項1〜4の何れか一項に記載のエンジンシステム。
  6. 前記制御手段が、前記リーン燃焼モード時に前記触媒温度検出手段で検出した前記三元触媒の温度を用いて、前記燃焼モードを前記ストイキ燃焼モードに切り換えた場合の前記三元触媒の温度を予測する温度予測処理を実行可能に構成されていると共に、前記エンジンの出力が高出力域にあり且つ前記エンジンの燃焼モードがリーン燃焼モードに設定されている場合の前記燃焼モード設定処理において、前記温度予測処理により予測した前記三元触媒の温度がNOx除去作動温度下限値以上であるときのみ、前記燃焼モードを前記リーン燃焼モードから前記ストイキ燃焼モードに切り換える請求項1〜5の何れか一項に記載のエンジンシステム。
  7. 前記エンジンの軸動力を駆動源とする圧縮機を有する圧縮式ヒートポンプ回路を備えてエンジン駆動式ヒートポンプシステムとして構成された請求項1〜6の何れか一項に記載のエンジンシステム。
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