JP5942561B2 - 通信機および通信方法 - Google Patents

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Description

本発明は、通信機および通信方法に関する。
OFDM(Orthogonal Frequency-Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式の通信では、入力信号をサブキャリア変調し、IFFT(Inverse Fast Fourier Transformation:逆高速フーリエ変換)を行い、ベースバンド信号を生成する。そのため、サブキャリアの数が増え、FFT(Fast Fourier Transformation:高速フーリエ変換)サイズが大きくなると、大きなピークを持つベースバンド信号が生成され、PAPR(Peak-to-Average Power Ratio:ピーク対平均電力比)が高くなるという性質を持っている。PAPRが高くなると、信号を歪みなく伝送するために広範囲において線形性を有する増幅器が必要となる。そこでPAPRを低減するための技術が開発されている。
特許文献1では、PAPRを低減するため、IFFTを行う前に逐次決定法により算出した最適位相に基づきサブキャリア変調信号の位相を制御する。
特開2006−165781号公報
OFDM方式の通信では、PAPRを低減することが課題となっている。特許文献1では、PAPRを低減する最適位相を算出するために繰り返し計算処理を行い、サブキャリアごとに位相を制御する必要がある。また特許文献1に開示されている技術では、PAPRの低減の程度を制御することはできない。
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたものであり、OFDM方式の通信において、PAPRを低減し、さらにPAPRの低減の程度を制御することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る通信機は、
直交周波数分割多重通信方式の無線通信により他の機器と通信を行う通信機であって、
入力信号を所定の変調方式で変調し、所定の残りデータの各要素と変調した前記入力信号の各要素とを周波数成分が互いに直交するサブキャリアに割り当て、サブキャリア変調信号を生成する変調手段と、
データの集合であるデータ系列であって、データのシフトを行っていない同じデータ系列との間の自己相関値が、データのシフトを行ったデータ系列との間の自己相関値に比べて高い、自己相関特性を有する任意のデータ系列を用いて、前記サブキャリア変調信号の要素の内、先頭から第1の所定の数の個数の要素と、所定の振幅係数を各要素に乗算した前記データ系列の要素の内、先頭から第2の所定の数の個数の要素と、を順に並べて合成して演算データを生成する演算手段と、
前記演算データの逆高速フーリエ変換を行うIFFT手段と、
前記IFFT手段の演算結果を合成してベースバンド信号を生成する合成手段と、
前記ベースバンド信号のピーク対平均電力比を算出し、ピーク対平均電力比が所定の基準に合致するか否かを判定する判定手段と、
ピーク対平均電力比が前記所定の基準に合致する前記ベースバンド信号を検出するまで、前記第1の所定の数および前記第2の所定の数の少なくともいずれか一方を変えて、前記演算手段、前記IFFT手段、前記合成手段、および前記判定手段の処理を繰り返し行う制御手段と、
前記残りデータを前記サブキャリア変調信号の要素の内、前記所定の基準に合致する前記ベースバンド信号に対応する前記演算データに含まれない要素、から成るデータで更新する更新手段と、
前記所定の基準に合致する前記ベースバンド信号から送信信号を生成して送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする。
好ましくは、前記演算手段は、前記データ系列としてCAZAC(Constant Amplitude Zero Auto-Correlation)系列を用いる。
本発明の第2の観点に係る通信機は、
直交周波数分割多重通信方式の無線通信により他の機器と通信を行う通信機であって、
送信信号を受信してベースバンド信号を生成する受信手段と、
前記ベースバンド信号を直並列変換し、並列信号を生成する直並列手段と、
前記並列信号の高速フーリエ変換を行って変換後データを生成するFFT手段と、
データの集合であるデータ系列であって、データのシフトを行っていない同じデータ系列との間の自己相関値が、データのシフトを行ったデータ系列との間の自己相関値に比べて高い、自己相関特性を有する所定のデータ系列について所定の方向へ所定の回数のシフトを行い、受信側データ系列を生成するシフト手段と、
前記受信側データ系列および前記並列信号から生成した所定の2つのデータの間に相関があるか否かを判定する相関判定手段と、
前記相関判定手段で相関があると判定するまで、前記データ系列をシフトする前記所定の回数を変えて、前記シフト手段および前記相関判定手段を繰り返す受信側制御手段と、
前記相関判定手段で相関があると判定した際に用いた前記受信側データ系列を生成するために、前記シフト手段で行ったデータのシフトの前記所定の方向および前記所定の回数に基づき、前記変換後データの連続する一部のデータである所定の要素を決定し、前記変換後データから該所定の要素を抽出してサブキャリア変調信号を生成する抽出手段と、
前記サブキャリア変調信号を所定の復調方式で復調する復調手段と、
を備えることを特徴とする。
好ましくは、前記シフト手段は、生成した前記受信側データ系列の逆高速フーリエ変換を行い、
前記相関判定手段は、前記受信側データ系列の逆高速フーリエ変換を行った結果と前記並列信号との間に相関があるか否かを判定する。
または、前記相関判定手段は、前記受信側データ系列と前記変換後データとの間に相関があるか否かを判定してもよい。
好ましくは、前記シフト手段は、前記データ系列としてCAZAC(Constant Amplitude Zero Auto-Correlation)系列を用いる。
本発明の第3の観点に係る通信方法は、
直交周波数分割多重通信方式の無線通信により他の機器と通信を行う通信機が行う通信方法であって、
入力信号を所定の変調方式で変調し、所定の残りデータの各要素と変調した前記入力信号の各要素とを周波数成分が互いに直交するサブキャリアに割り当て、サブキャリア変調信号を生成する変調ステップと、
データの集合であるデータ系列であって、データのシフトを行っていない同じデータ系列との間の自己相関値が、データのシフトを行ったデータ系列との間の自己相関値に比べて高い、自己相関特性を有する任意のデータ系列を用いて、前記サブキャリア変調信号の要素の内、先頭から第1の所定の数の個数の要素と、所定の振幅係数を各要素に乗算した前記データ系列の要素の内、先頭から第2の所定の数の個数の要素と、を順に並べて合成して演算データを生成する演算ステップと、
前記演算データの逆高速フーリエ変換を行うIFFTステップと、
前記IFFTステップの演算結果を合成してベースバンド信号を生成する合成ステップと、
前記ベースバンド信号のピーク対平均電力比を算出し、ピーク対平均電力比が所定の基準に合致するか否かを判定する判定ステップと、
ピーク対平均電力比が前記所定の基準に合致する前記ベースバンド信号を検出するまで、前記第1の所定の数および前記第2の所定の数の少なくともいずれか一方を変えて、前記演算ステップ、前記IFFTステップ、前記合成ステップ、および前記判定ステップの処理を繰り返し行う制御ステップと、
前記残りデータを前記サブキャリア変調信号の要素の内、前記所定の基準に合致する前記ベースバンド信号に対応する前記演算データに含まれない要素、から成るデータで更新する更新ステップと、
前記所定の基準に合致する前記ベースバンド信号から送信信号を生成して送信する送信ステップと、
を備えることを特徴とする。
好ましくは、前記演算ステップにおいて、前記データ系列としてCAZAC(Constant Amplitude Zero Auto-Correlation)系列を用いる。
本発明の第4の観点に係る通信方法は、
直交周波数分割多重通信方式の無線通信により他の機器と通信を行う通信機が行う通信方法であって、
送信信号を受信してベースバンド信号を生成する受信ステップと、
前記ベースバンド信号を直並列変換し、並列信号を生成する直並列ステップと、
前記並列信号の高速フーリエ変換を行って変換後データを生成するFFTステップと、
データの集合であるデータ系列であって、データのシフトを行っていない同じデータ系列との間の自己相関値が、データのシフトを行ったデータ系列との間の自己相関値に比べて高い、自己相関特性を有する所定のデータ系列について所定の方向へ所定の回数のシフトを行い、受信側データ系列を生成するシフトステップと、
前記受信側データ系列および前記並列信号から生成した所定の2つのデータの間に相関があるか否かを判定する相関判定ステップと、
前記相関判定ステップで相関があると判定するまで、前記データ系列をシフトする前記所定の回数を変えて、前記シフトステップおよび前記相関判定ステップを繰り返す受信側制御ステップと、
前記相関判定ステップで相関があると判定した際に用いた前記受信側データ系列を生成するために、前記シフトステップで行ったデータのシフトの前記所定の方向および前記所定の回数に基づき、前記変換後データの連続する一部のデータである所定の要素を決定し、前記変換後データから該所定の要素を抽出してサブキャリア変調信号を生成する抽出ステップと、
前記サブキャリア変調信号を所定の復調方式で復調する復調ステップと、
を備えることを特徴とする。
好ましくは、前記シフトステップにおいて、生成した前記受信側データ系列の逆高速フーリエ変換を行い、
前記相関判定ステップにおいて、前記受信側データ系列の逆高速フーリエ変換を行った結果と前記並列信号との間に相関があるか否かを判定する。
または、前記相関判定ステップにおいて、前記受信側データ系列と前記変換後データとの間に相関があるか否かを判定してもよい。
好ましくは、前記シフトステップにおいて、前記データ系列としてCAZAC(Constant Amplitude Zero Auto-Correlation)系列を用いる。
本発明によれば、OFDM方式の通信において、PAPRを低減し、さらにPAPRの低減の程度を制御することが可能になる。
本発明の実施の形態に係る通信機の構成例を示すブロック図である。 実施の形態に係る通信機の異なる構成例を示すブロック図である。 実施の形態に係る通信機が行う送信制御の動作の一例を示すフローチャートである。 実施の形態における受信側データ系列のIFFTを行った演算結果と並列信号との間の相関関係の例を示す図である。 実施の形態に係る通信機が行う受信制御の動作の一例を示すフローチャートである。 実施の形態に係る通信機の異なる構成例を示すブロック図である。 実施の形態における受信側データ系列と変換後データとの間の相関関係の例を示す図である。 実施の形態に係る通信機が行う受信制御の動作の他の一例を示すフローチャートである。 シミュレーションしたCCDFの特性を示す図である。 シミュレーションしたPAPR特性と演算データに含まれるサブキャリア変調信号の要素の数との関係を示す図である。 シミュレーションしたBERの特性を示す図である。 実施の形態における受信側データ系列のIFFTを行った演算結果と並列信号との間の相関関係と演算データに含まれるサブキャリア変調信号の要素の数との関係を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお図中、同一または同等の部分には同一の符号を付す。以下の説明において、IFFT(Inverse Fast Fourier Transformation:逆高速フーリエ変換)は、IFFTとIDFT(Inverse Discrete Fourier Transformation:逆離散フーリエ変換)を含む概念とする。したがって本発明の実施の形態においては、IFFTの代わりに、IDFTを行うよう構成してもよい。同様にFFT(Fast Fourier Transformation:高速フーリエ変換)は、FFTとDFT(Discrete Fourier Transformation:離散フーリエ変換)を含む概念とする。またIDFTおよびDFTを行う場合は、以下の説明におけるFFTサイズとは、DFTサイズを意味する。
図1は、本発明の実施の形態に係る通信機の構成例を示すブロック図である。通信機1は、OFDM(Orthogonal Frequency-Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式の無線通信により他の機器と通信を行う。通信機1は、アンテナ10、変調部11、直並列変換部12、演算部13、IFFT部14、合成部15、判定部16、送信部17、およびコントローラ20を備える。
コントローラ20は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)21、RAM(Random Access Memory)23、およびROM(Read-Only Memory)24を備える。複雑化を避け、理解を容易にするために、コントローラ20から各部への信号線が省略されているが、コントローラ20は通信機1の各部にI/O(Input/Output)22を介して接続しており、それらの処理の開始、終了、処理内容の制御を行う。
RAM23には、例えば送信フレームを生成するためのデータが記憶されている。ROM24は、コントローラ20が通信機1の動作を制御するための制御プログラムを格納する。コントローラ20は、制御プログラムに基づいて、通信機1を制御する。
図2は、実施の形態に係る通信機の異なる構成例を示すブロック図である。上述の通信機1に受信機能をもたせるため、図2に示す通信機1はさらに復調部31、並直列変換部32、抽出部33、FFT部34、相関判定部35、IFFT部36、シフト部37、直並列変換部38、受信部39、および送受信切替部40を備える。送信機能および受信機能を備える図2に示す通信機1を用いて、通信機1が行う通信方法について以下に説明する。
変調部11は、入力信号を所定の変調方式で変調し、変調信号を生成し、直並列変換部12に送る。変調方式として、例えばQPSK(Quadrature Phase-Shift Keying:四位相偏移変調)を用いる。直並列変換部12は、変調信号を直並列変換し、所定の残りデータの各要素と直並列変換した変調信号の各要素とを周波数成分が互いに直交するサブキャリアに割り当て、サブキャリア変調信号を生成する。そして、サブキャリア変調信号を演算部13に送る。所定の残りデータは、後述するように送信されなかったサブキャリア変調信号の要素から成るデータである。
演算部13は、データの集合であるデータ系列であって、自己相関特性を有する任意のデータ系列を用い、サブキャリア変調信号の要素の内、先頭から第1の所定の数の要素と、所定の実数である振幅係数を各要素に乗算した該データ系列の要素の内、先頭から第2の所定の数の要素と、を順に並べて合成して演算データを生成する。自己相関特性を有する任意のデータ系列とは、データのシフトを行っていない同じデータ系列との間の自己相関値が、データの任意のシフトを行ったデータ系列との間の自己相関値に比べて高いデータ系列である。データの任意のシフトを行ったデータ系列は、データのシフトを行っていないデータ系列と比べて、少なくとも1の要素の値が異なる。そのようなデータ系列として、例えばCAZAC(Constant Amplitude Zero Auto-Correlation)系列を用いることができる。
ここで所定の残りデータにデータが存在しないものとし、サブキャリア変調信号の要素の数をNとすると、サブキャリア変調信号dの各要素は、入力信号を所定の変調方式で変調した結果であり、下記(1)式で表される。
Figure 0005942561
演算部13は、下記(2)式で表される、要素の数がNであるCAZAC系列を用いる。
Figure 0005942561
ここで一例として演算データの要素の数をNで固定した場合に、第1の所定の数をpとすると、第2の所定の数はN−pで表され、演算データd’は、下記(3)式で表される。式中のaは振幅係数である。
Figure 0005942561
演算部13は、演算データd’をIFFT部14に送る。IFFT部14は、演算データd’のIFFTを行い、演算結果を合成部15に送る。合成部15は、IFFT部14の演算結果を合成してベースバンド信号を生成し、判定部16に送る。
判定部16は、ベースバンド信号のPAPR(Peak-to-Average Power Ratio:ピーク対平均電力比)を算出し、PAPRが所定の基準に合致するか否かを判定する。判定部16は、判定結果を演算部13に通知する。ベースバンド信号のPAPRが所定の基準に合致しない場合には、演算部13は、第1の所定の数のおよび第2の所定の数の少なくともいずれか一方を変えて、新たな演算データを生成し、IFFT部14、合成部15および判定部16は、新たな演算データに基づき上述の処理を行うことを、PAPRが所定の基準に合致するベースバンド信号を検出するまで繰り返す。コントローラ20は、演算部13、IFFT部14、合成部15および判定部16が上述の処理を繰り返すよう制御し、制御手段としての動作を行う。
ベースバンド信号のPAPRが所定の基準に合致する場合には、判定部16は、ベースバンド信号を送信部17に送る。判定部16は、例えば、PAPRが所定の値より低いベースバンド信号を検出するように、または上述の処理を所定の回数繰り返し、最もPAPRが低いベースバンド信号を検出するように構成することができる。
上記(3)式で表される演算データに基づき生成されたベースバンド信号のPAPRが所定の基準に合致する場合には、サブキャリア変調信号の内、p+1番目以降の要素については、演算データに含まれないため送信されない。判定部16から判定結果の通知を受けた演算部13は、ベースバンド信号のPAPRが所定の基準に合致する場合には、残りデータをサブキャリア変調信号の内、所定の基準に合致するベースバンド信号に対応する演算データに含まれない要素、すなわち上述の例においてはサブキャリア変調信号のp+1番目以降の要素から成るデータで更新する。演算部13は、上述の演算を行い、また残りデータを更新することで、演算手段および更新手段としての動作を行う。その後、変調部11は、後続の入力信号から変調信号を生成し、変調信号を直並列変換部12に送る。そして直並列変換部12において、該演算データに含まれなかったp+1番目以降の要素と、後続の入力信号から生成した変調信号とに基づき新たにサブキャリア変調信号が生成されることになる。
送信部17は、受け取ったベースバンド信号から送信信号を生成し、送受信切替部40およびアンテナ10を介して他の機器に送信信号を送る。
図3は、実施の形態に係る通信機が行う送信制御の動作の一例を示すフローチャートである。変調部11は、入力信号を所定の変調方式で変調して変調信号を生成し、直並列変換部12は、変調信号を直並列変換し、周波数成分が互いに直交するサブキャリアに割り当て、サブキャリア変調信号を生成する(ステップS110)。演算部13は、サブキャリア変調信号の要素の内、先頭から第1の所定の数の要素と、所定の実数である振幅係数を各要素に乗算したデータ系列の要素の内、先頭から第2の所定の数の要素と、を順に並べて合成して演算データを生成する(ステップS120)。
IFFT部14は、演算データのIFFTを行う(ステップS130)。合成部15は、IFFT部14の演算結果を合成してベースバンド信号を生成する(ステップS140)。判定部16は、ベースバンド信号のPAPRを算出し、ベースバンド信号のPAPRが所定の基準に合致するか否かを判定する(ステップS150)。所定の基準に合致しない場合には(ステップS160:N)、演算部13は、第1の所定の数のおよび第2の所定の数の少なくともいずれか一方を変えて(ステップS170)、ステップS120に戻り、上述の処理を繰り返す。ベースバンド信号のPAPRが所定の基準に合致する場合には(ステップS160:Y)、演算部13は、残りデータをサブキャリア変調信号の要素の内、所定の基準に合致するベースバンド信号に対応する演算データに含まれない要素、から成るデータで更新する(ステップS180)。送信部17は、ベースバンド信号から送信信号を生成し、送受信切替部40およびアンテナ10を介して他の機器に送信信号を送る(ステップS190)。ステップS190の送信処理が完了すると、処理を終了する。
受信側での処理を以下に説明する。受信部39は、アンテナ10および送受信切替部40を介して送信信号を受信し、ベースバンド信号を生成し、直並列変換部38に送る。直並列変換部38は、ベースバンド信号を直並列変換し、並列信号を生成し、FFT部34および相関判定部35に送る。FFT部34は、並列信号のFFTを行って変換後データを生成し、抽出部33に送る。
シフト部37は、データの集合であるデータ系列であって、自己相関特性を有する所定のデータ系列について所定の方向に所定の回数のシフトを行って、受信側データ系列を生成する。自己相関特性を有する所定のデータ系列とは、データのシフトを行っていない同じデータ系列との間の自己相関値が、データの任意のシフトを行ったデータ系列との間の自己相関値に比べて高いデータ系列であって、送信側の演算部13で用いたデータ系列と同じデータ系列である。シフト部37は、受信側データ系列をIFFT部36に送る。IFFT部36は、受信側データ系列のIFFTを行い、演算結果を相関判定部35に送る。シフト部37およびIFFT部36は協働して、シフト手段としての動作を行う。
相関判定部35は、受信側データ系列および並列信号から生成した所定の2つのデータである、受信側データ系列のIFFTを行った演算結果と並列信号との間に、相関があるか否かを判定する。相関判定部35は、例えば、相関の有無を示す相関値が所定の値より大きいか否かに基づき相関の有無を判定する。相関判定部35は、相関がないと判定した場合には、その旨をシフト部37に通知する。シフト部37は所定の回数を変えて受信側データ系列を生成し、IFFT部36は受信側データ系列のIFFTを行い、相関判定部35は受信側データ系列のIFFTを行った演算結果と並列信号との間に相関があるか否かを判定することを、相関があると判定するまで繰り返す。コントローラ20は、シフト部37、IFFT部36、および相関判定部35が上述の処理を繰り返すよう制御し、受信側制御手段としての動作も行う。相関判定部35は、相関があると判定した場合には、シフト部37で受信側データ系列を生成するために行ったデータのシフトの所定の方向および所定の回数を抽出部33に送る。
またシフト部37で受信側データ系列を生成する際に、ある所定の方向に対し、所定の回数が取り得る全ての値について、シフト部37、IFFT部36、および相関判定部35が行う上述の処理を繰り返し、相関判定部35は、相関値が最も大きくなる場合のデータのシフトの所定の方向および所定の回数を抽出部33に送るよう構成してもよい。
データのシフトの所定の方向および所定の回数は、シフト部37からIFFT部36および相関判定部35を経由して抽出部33に送るよう構成してもよいし、データのシフトの所定の方向および所定の回数をRAM23に記憶し、抽出部33がRAM23からデータのシフトの所定の方向および所定の回数を取得するよう構成してもよい。
図4は、実施の形態における受信側データ系列のIFFTを行った演算結果と並列信号との間の相関関係の例を示す図である。横軸はシフト回数、縦軸は相関の有無を示す電力である。送信側において、ランダムデータである入力信号に基づき生成したサブキャリア変調信号の内、先頭から512個の要素と、データ系列の要素の内、先頭から1536個の要素とを順に並べて演算データを生成した。この場合に、シフト部37で所定のデータ系列を下方向に所定の回数シフトして生成した受信側データ系列を用い、所定の回数が取り得るそれぞれの値について、受信側データ系列のIFFTを行った演算結果と並列信号との間の相関分析を行うと、図4に示すような結果が得られる。図4においては、シフト回数が512の場合の電力値がピーク値となり、シフト回数が512の場合に、受信側データ系列のIFFTを行った演算結果と並列信号との間に相関が生じる。したがって、変換後データの内、先頭から512個のデータがサブキャリア変調信号であることがわかる。
抽出部33は、受け取った、データのシフトの所定の方向および所定の回数に基づき、変換後データから抽出する所定の要素を決定し、変換後データから該所定の要素を抽出してサブキャリア変調信号を生成する。図4に示す例においては、変換後データの内、先頭から512個のデータを抽出してサブキャリア変調信号を生成する。抽出部33は、サブキャリア変調信号を並直列変換部32に送る。
並直列変換部32は、サブキャリア変調信号を並直列変換し、直列信号を生成して復調部31に送る。復調部31は、直列信号を所定の復調方式で復調する。例えば、復調部31は直列信号のQPSK復調を行う。これにより変調部11で変調した入力信号を復調部31で復調して出力することができる。
図5は、実施の形態に係る通信機が行う受信制御の動作の一例を示すフローチャートである。受信部39は、アンテナ10および送受信切替部40を介して送信信号を受信し、ベースバンド信号を生成する(ステップS210)。直並列変換部38は、ベースバンド信号を直並列変換し、並列信号を生成する(ステップS220)。FFT部34は、並列信号のFFTを行って変換後データを生成する(ステップS230)。
シフト部37は、シフト回数を0で初期化する(ステップS240)。シフト部37は、所定のデータ系列について所定の方向にシフト回数のシフトを行って、受信側データ系列を生成する(ステップS250)。IFFT部36は、受信側データ系列のIFFTを行う(ステップS260)。相関判定部35は、受信側データ系列のIFFTを行った演算結果と並列信号との間に、相関があるか否かを判定する(ステップS270)。
相関がない場合には(ステップS280:N)、シフト回数に1を加算し(ステップS290)、ステップS250に戻って上述の処理を繰り返し行う。相関がある場合には(ステップS280:Y)、抽出部33は、データのシフトの所定の方向およびシフト回数に基づき、変換後データから抽出する所定の要素を決定し、変換後データから該所定の要素を抽出してサブキャリア変調信号を生成する(ステップS300)。並直列変換部32は、サブキャリア変調信号を並直列変換して直列信号を生成し、復調部31は、直列信号を所定の復調方式で復調する(ステップS310)。
上述の実施の形態においては、受信側データ系列のIFFTを行った演算結果と並列信号との間の相関に基づき、抽出部33で抽出する所定の要素を決定したが、受信側データ系列と変換後データとの間の相関に基づき、抽出部33で抽出する所定の要素を決定するよう構成してもよい。図6は、実施の形態に係る通信機の異なる構成例を示すブロック図である。
図6に示す通信機1は、IFFT部36を備えず、FFT部34、相関判定部35、およびシフト部37の位置が図2に示す通信機1と異なる。図2に示す通信機1と異なる、受信側の処理について説明する。
直並列変換部38は、ベースバンド信号を直並列変換し、並列信号を生成し、FFT部34に送る。FFT部34は、並列信号のFFTを行って変換後データを生成し、抽出部33および相関判定部35に変換後データを送る。シフト部37は、図2に示す通信機1と同様に受信側データ系列を生成する。シフト部37は、受信側データ系列を相関判定部35に送る。
相関判定部35は、受信側データ系列および並列信号から生成した所定の2つのデータである、受信側データ系列と変換後データとの間に、相関があるか否かを判定する。相関判定部35は、相関がないと判定した場合には、その旨をシフト部37に通知する。シフト部37は所定の回数を変えて受信側データ系列を生成し、相関判定部35は、受信側データ系列と変換後データとの間に相関があるか否かを判定することを、相関があると判定するまで繰り返し行う。コントローラ20は、シフト部37および相関判定部35が上述の処理を繰り返すよう制御し、受信側制御手段としての動作も行う。
相関判定部35は、相関があると判定した場合には、シフト部37で受信側データ系列を生成するために行ったデータのシフトの所定の方向および所定の回数を抽出部33に送る。データのシフトの所定の方向および所定の回数は、シフト部37から相関判定部35を介して抽出部33に送るよう構成してもよいし、所定の方向および所定の回数をRAM23に記憶しておき、抽出部33がRAM23から取得するよう構成してもよい。
図7は、実施の形態における受信側データ系列と変換後データとの間の相関関係の例を示す図である。横軸はシフト回数、縦軸は相関の有無を示す電力である。送信側において、ランダムデータである入力信号に基づき生成したサブキャリア変調信号の内、先頭から512個の要素と、データ系列の要素の内、先頭から1536個の要素とを順に並べて演算データを生成した。この場合に、シフト部37で所定のデータ系列を下方向に所定の回数シフトして生成した受信側データ系列を用い、所定の回数が取り得るそれぞれの値について、受信側データ系列と変換後データとの間の相関分析を行うと、図7に示すような結果が得られる。図7においては、シフト回数が512の場合の電力値がピーク値となり、シフト回数が512の場合に、受信側データ系列のIFFTを行った演算結果と並列信号との間に相関が生じる。したがって、変換後データの内、先頭から512個のデータがサブキャリア変調信号であることがわかる。後続の処理は、図2に示す通信機1と同様である。
図8は、実施の形態に係る通信機が行う受信制御の動作の他の一例を示すフローチャートである。ステップS210〜S250の処理は、図5と同様である。ただし、図5に示すフローチャートでは、ステップS230の処理と、ステップS240〜S290の処理を並行して行ったのに対し、図8に示すフローチャートでは各ステップの処理を順に行う。そして、相関判定部35は、受信側データ系列と変換後データとの間に、相関があるか否かを判定する(ステップS271)。ステップS280〜S310の処理についても、図5と同様である。
以上説明したとおり、本発明の実施の形態に係る通信機1によれば、OFDM通信方式において、サブキャリア変調信号の内、所定の数の要素と、データ系列の内、所定の数の要素とを並べて生成したデータのIFFTを行って合成して、ベースバンド信号を生成することでPAPRを低減することが可能となる。また後述するように、PAPRを低減し、PAPRの低減の程度を制御することが可能となる。
(具体例)
次に、シミュレーションにより実施の形態に係る発明の効果を説明する。変調方式をQPSKとし、FFTサイズを2048として、PAPRのCCDF(Complementary Cumulative Distribution Function:相補累積分布関数)、すなわちPAPRの発生確率の特性を比較した。図9は、シミュレーションしたCCDFの特性を示す図である。横軸はPAPR(単位:dB)、縦軸はPAPRのCCDFである。従来技術とは、上述のような演算を加えずにサブキャリア変調信号からベースバンド信号を生成する方法である。本実施の形態においては演算データの要素数を2048とし、その内のサブキャリア変調信号の要素の数である第1の所定の数pを、512、1024、1536と変えてシミュレーションを行った。
従来技術のPAPRのCCDF特性が太い実線のグラフであり、本実施の形態においてp=512とした場合のCCDF特性が細い実線のグラフであり、p=1024の場合が点線のグラフであり、p=1536の場合が一点鎖線のグラフである。図に示す範囲において、本実施の形態に係る発明のPAPRはいずれの場合も従来技術と比べて低減されている。また第1の所定の数pを小さくするにつれて、PAPRがより低減されていることがわかる。ただし第1の所定の数pを小さくすると、伝送率が悪化する。
変調方式をQPSKとし、FFTサイズを2048として、ランダム信号と同一信号のそれぞれを入力信号として、第1の所定の数pの値を変えてシミュレーションを行った。同一信号とはサブキャリア変調信号の各要素の位相が同じ信号である。図10は、シミュレーションしたPAPR特性と演算データに含まれるサブキャリア変調信号の要素の数との関係を示す図である。横軸が第1の所定の数pであり、縦軸がPAPR(単位:dB)である。ランダム信号を入力信号とした場合が実線のグラフであり、同一信号を入力信号とした場合が点線のグラフである。第1の所定の数が2048の場合のPAPRが従来技術のPAPRに該当する。
第1の所定の数pを小さくするにつれて、PAPRがより低減されていることがわかる。またランダム信号を入力信号とした場合には、一部の範囲においてPAPRが従来技術より劣化しているが、判定部16において、従来技術より劣化するPAPRを検出しないように所定の基準を定めることで、PAPRを従来技術より劣化しないようにすることが可能である。
変調方式をQPSKとし、FFTサイズを2048として、BERについてのシミュレーションを行った。図11は、シミュレーションしたBER特性を示す図である。横軸はEb/No(Energy per Bit to NOise power spectral density ratio:ビットエネルギー対雑音電力密度比)、縦軸はBERである。Eb/Noの単位はdBである。本実施の形態においては、第1の所定の数pを1024としてシミュレーションを行った。従来技術のBERはプロット点を四角で表したグラフであり、本実施の形態に係る発明のBERはプロット点を三角で表したグラフである。従来技術と本実施の形態に係る発明のBERには大きな差がないことがわかる。第1の所定の数pの値を変えても、同様の結果が得られた。
変調方式をQPSKとし、FFTサイズを2048とし、あるランダム信号を入力信号として、第1の所定の数pの値を変えて、受信側の相関判定部35で相関値のピーク値を検出するシミュレーションを行った。図12は、実施の形態における受信側データ系列のIFFTを行った演算結果と並列信号との間の相関関係と演算データに含まれるサブキャリア変調信号の要素の数との関係を示す図である。横軸は、第1の所定の数p、縦軸は相関の有無を示す電力のピーク値である。第1の所定の数pが大きくなるにつれて、電力のピーク値が小さくなることがわかる。したがって第1の所定の数pが大きい場合に、伝送中に雑音の影響を受けると受信側で、変換後データから抽出すべき要素を正しく判定できない場合がある。予めシミュレーションを行って、PAPR、伝送率、相関値のピーク値などに基づき、好適な第1の所定の数pを設定すればよい。
上述のシミュレーションにより、サブキャリア変調信号の内、所定の数の要素と、データ系列の内、所定の数の要素とを並べて生成したデータのIFFTを行って合成して、ベースバンド信号を生成することでPAPRを低減できることがわかった。また第1の所定の数を変更することでPAPRの低減の程度を制御できることがわかった。
本発明の実施の形態は上述の実施の形態に限られない。変調部11の変調方式は、QPSKに限られず、QPSK以外のPSK(Phase Shift Keying:位相偏移変調)やQAM(Quadrature Amplitude Modulation:直角位相振幅変調)などを用いることができる。変調部11と直並列変換部12の順序を変えて、入力信号を直並列変換してサブキャリア信号に割り当て、並列信号の各データを所定の変調方式で変調するよう構成してもよい。その場合、受信側では復調部31と並直列変換部32の順序を変えて、復調処理を行う。演算部13は、CAZAC系列の他に、PN(Pseudorandom Noise:擬似ランダム雑音)系列などを用いることができる。IFFT部14、36は、IFFTの代わりにIDFTを行うよう構成してもよいし、FFT部34は、FFTの代わりにDFTを行うよう構成してもよい。
1 通信機
10 アンテナ
11 変調部
12 直並列変換部
13 演算部(演算手段、更新手段)
14 IFFT部
15 合成部
16 判定部
17 送信部
20 コントローラ(制御手段、受信側制御手段)
21 CPU
22 I/O
23 RAM
24 ROM
31 復調部
32 並直列変換部
33 抽出部
34 FFT部
35 相関判定部
36 IFFT部(シフト手段)
37 シフト部(シフト手段)
38 直並列変換部
39 受信部
40 送受信切替部

Claims (12)

  1. 直交周波数分割多重通信方式の無線通信により他の機器と通信を行う通信機であって、
    入力信号を所定の変調方式で変調し、所定の残りデータの各要素と変調した前記入力信号の各要素とを周波数成分が互いに直交するサブキャリアに割り当て、サブキャリア変調信号を生成する変調手段と、
    データの集合であるデータ系列であって、データのシフトを行っていない同じデータ系列との間の自己相関値が、データのシフトを行ったデータ系列との間の自己相関値に比べて高い、自己相関特性を有する任意のデータ系列を用いて、前記サブキャリア変調信号の要素の内、先頭から第1の所定の数の個数の要素と、所定の振幅係数を各要素に乗算した前記データ系列の要素の内、先頭から第2の所定の数の個数の要素と、を順に並べて合成して演算データを生成する演算手段と、
    前記演算データの逆高速フーリエ変換を行うIFFT手段と、
    前記IFFT手段の演算結果を合成してベースバンド信号を生成する合成手段と、
    前記ベースバンド信号のピーク対平均電力比を算出し、ピーク対平均電力比が所定の基準に合致するか否かを判定する判定手段と、
    ピーク対平均電力比が前記所定の基準に合致する前記ベースバンド信号を検出するまで、前記第1の所定の数および前記第2の所定の数の少なくともいずれか一方を変えて、前記演算手段、前記IFFT手段、前記合成手段、および前記判定手段の処理を繰り返し行う制御手段と、
    前記残りデータを前記サブキャリア変調信号の要素の内、前記所定の基準に合致する前記ベースバンド信号に対応する前記演算データに含まれない要素、から成るデータで更新する更新手段と、
    前記所定の基準に合致する前記ベースバンド信号から送信信号を生成して送信する送信手段と、
    を備えることを特徴とする通信機。
  2. 前記演算手段は、前記データ系列としてCAZAC(Constant Amplitude Zero Auto-Correlation)系列を用いることを特徴とする請求項1に記載の通信機。
  3. 直交周波数分割多重通信方式の無線通信により他の機器と通信を行う通信機であって、
    送信信号を受信してベースバンド信号を生成する受信手段と、
    前記ベースバンド信号を直並列変換し、並列信号を生成する直並列手段と、
    前記並列信号の高速フーリエ変換を行って変換後データを生成するFFT手段と、
    データの集合であるデータ系列であって、データのシフトを行っていない同じデータ系列との間の自己相関値が、データのシフトを行ったデータ系列との間の自己相関値に比べて高い、自己相関特性を有する所定のデータ系列について所定の方向へ所定の回数のシフトを行い、受信側データ系列を生成するシフト手段と、
    前記受信側データ系列および前記並列信号から生成した所定の2つのデータの間に相関があるか否かを判定する相関判定手段と、
    前記相関判定手段で相関があると判定するまで、前記データ系列をシフトする前記所定の回数を変えて、前記シフト手段および前記相関判定手段を繰り返す受信側制御手段と、
    前記相関判定手段で相関があると判定した際に用いた前記受信側データ系列を生成するために、前記シフト手段で行ったデータのシフトの前記所定の方向および前記所定の回数に基づき、前記変換後データの連続する一部のデータである所定の要素を決定し、前記変換後データから該所定の要素を抽出してサブキャリア変調信号を生成する抽出手段と、
    前記サブキャリア変調信号を所定の復調方式で復調する復調手段と、
    を備えることを特徴とする通信機。
  4. 前記シフト手段は、生成した前記受信側データ系列の逆高速フーリエ変換を行い、
    前記相関判定手段は、前記受信側データ系列の逆高速フーリエ変換を行った結果と前記並列信号との間に相関があるか否かを判定する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の通信機。
  5. 前記相関判定手段は、前記受信側データ系列と前記変換後データとの間に相関があるか否かを判定することを特徴とする請求項3に記載の通信機。
  6. 前記シフト手段は、前記データ系列としてCAZAC(Constant Amplitude Zero Auto-Correlation)系列を用いることを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載の通信機。
  7. 直交周波数分割多重通信方式の無線通信により他の機器と通信を行う通信機が行う通信方法であって、
    入力信号を所定の変調方式で変調し、所定の残りデータの各要素と変調した前記入力信号の各要素とを周波数成分が互いに直交するサブキャリアに割り当て、サブキャリア変調信号を生成する変調ステップと、
    データの集合であるデータ系列であって、データのシフトを行っていない同じデータ系列との間の自己相関値が、データのシフトを行ったデータ系列との間の自己相関値に比べて高い、自己相関特性を有する任意のデータ系列を用いて、前記サブキャリア変調信号の要素の内、先頭から第1の所定の数の個数の要素と、所定の振幅係数を各要素に乗算した前記データ系列の要素の内、先頭から第2の所定の数の個数の要素と、を順に並べて合成して演算データを生成する演算ステップと、
    前記演算データの逆高速フーリエ変換を行うIFFTステップと、
    前記IFFTステップの演算結果を合成してベースバンド信号を生成する合成ステップと、
    前記ベースバンド信号のピーク対平均電力比を算出し、ピーク対平均電力比が所定の基準に合致するか否かを判定する判定ステップと、
    ピーク対平均電力比が前記所定の基準に合致する前記ベースバンド信号を検出するまで、前記第1の所定の数および前記第2の所定の数の少なくともいずれか一方を変えて、前記演算ステップ、前記IFFTステップ、前記合成ステップ、および前記判定ステップの処理を繰り返し行う制御ステップと、
    前記残りデータを前記サブキャリア変調信号の要素の内、前記所定の基準に合致する前記ベースバンド信号に対応する前記演算データに含まれない要素、から成るデータで更新する更新ステップと、
    前記所定の基準に合致する前記ベースバンド信号から送信信号を生成して送信する送信ステップと、
    を備えることを特徴とする通信方法。
  8. 前記演算ステップにおいて、前記データ系列としてCAZAC(Constant Amplitude Zero Auto-Correlation)系列を用いることを特徴とする請求項7に記載の通信方法。
  9. 直交周波数分割多重通信方式の無線通信により他の機器と通信を行う通信機が行う通信方法であって、
    送信信号を受信してベースバンド信号を生成する受信ステップと、
    前記ベースバンド信号を直並列変換し、並列信号を生成する直並列ステップと、
    前記並列信号の高速フーリエ変換を行って変換後データを生成するFFTステップと、
    データの集合であるデータ系列であって、データのシフトを行っていない同じデータ系列との間の自己相関値が、データのシフトを行ったデータ系列との間の自己相関値に比べて高い、自己相関特性を有する所定のデータ系列について所定の方向へ所定の回数のシフトを行い、受信側データ系列を生成するシフトステップと、
    前記受信側データ系列および前記並列信号から生成した所定の2つのデータの間に相関があるか否かを判定する相関判定ステップと、
    前記相関判定ステップで相関があると判定するまで、前記データ系列をシフトする前記所定の回数を変えて、前記シフトステップおよび前記相関判定ステップを繰り返す受信側制御ステップと、
    前記相関判定ステップで相関があると判定した際に用いた前記受信側データ系列を生成するために、前記シフトステップで行ったデータのシフトの前記所定の方向および前記所定の回数に基づき、前記変換後データの連続する一部のデータである所定の要素を決定し、前記変換後データから該所定の要素を抽出してサブキャリア変調信号を生成する抽出ステップと、
    前記サブキャリア変調信号を所定の復調方式で復調する復調ステップと、
    を備えることを特徴とする通信方法。
  10. 前記シフトステップにおいて、生成した前記受信側データ系列の逆高速フーリエ変換を行い、
    前記相関判定ステップにおいて、前記受信側データ系列の逆高速フーリエ変換を行った結果と前記並列信号との間に相関があるか否かを判定する、
    ことを特徴とする請求項9に記載の通信方法。
  11. 前記相関判定ステップにおいて、前記受信側データ系列と前記変換後データとの間に相関があるか否かを判定することを特徴とする請求項9に記載の通信方法。
  12. 前記シフトステップにおいて、前記データ系列としてCAZAC(Constant Amplitude Zero Auto-Correlation)系列を用いることを特徴とする請求項9ないし11のいずれか1項に記載の通信方法。
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