JP5928238B2 - Iii族窒化物半導体ウエハの製造方法 - Google Patents

Iii族窒化物半導体ウエハの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、下地基板と接合酸化物膜とIII族窒化物半導体膜とを含む複合基板を用いたIII族窒化物半導体ウエハの製造方法に関する。
発光デバイス、電子デバイスなどの半導体デバイスに好適に用いられるIII族窒化物半導体ウエハを効率的に製造するために、下地基板とIII族窒化物半導体膜とが貼り合わされた複合基板が用いられる。
たとえば、特開2006−210660号公報(特許文献1)は、第1の窒化物半導体基板の表面層を下地基板である第2の基板に重ね合わせた半導体基板の製造方法を開示する。
また、特開2010−232625号公報(特許文献2)は、第1緩衝膜を介してIII族窒化物半導体層を下地基板である第1支持基板に貼り合わせることによる貼り合わせ基板の製造方法を開示する。さらに、貼り合わせ基板の製造方法において、第1支持基板の貼り合わせ面、III族窒化物半導体層の貼り合わせ面、および第1緩衝膜の表面のうちいずれか1つの凸部を形成することを開示する。
特開2006−210660号公報 特開2010−232625号公報
上記の貼り合わせ基板を用いたIII族窒化物半導体ウエハの製造においては、貼り合わせ基板のIII族窒化物層上にIII族窒化物エピタキシャル層を成長させた後、貼り合わせ基板のIII族窒化物層から下地基板を分離することが必要となる場合がある。かかる場合に、特開2006−210660号公報(特許文献1)に開示された半導体基板の製造方法では、第1の窒化物半導体基板の表面層と下地基板である第2の基板とが直接接合しているため、第2の基板を第1の窒化物半導体基板の表面層から分離するのが困難である。
また、特開2010−232625号公報(特許文献2)に開示された貼り合わせ基板の製造方法では、III族窒化物半導体層と下地基板である第1支持基板とが第1緩衝膜を介して接合されているため、エッチングなどにより第1緩衝膜を除去することにより第1支持基板をIII族窒化物半導体層から分離することが可能である。しかし、第1緩衝膜は露出している側面の膜厚が薄いため、エッチング時間が長くなり、製造コストが高くなるという問題点があった。
上記の問題を解決するために、特開2010−232625号公報(特許文献2)の貼り合わせ基板の製造方法においては、下地基板である第1支持基板の貼り合わせ面、III族窒化物半導体層の貼り合わせ面、および第1緩衝膜の表面のうちいずれか1つの凹部を形成した。しかしながら、上記のような凹部を形成するには複雑な工程を必要とするため、製造効率が低下し製造コストが高くなるという問題点があった。
また、下地基板全体をエッチング液でエッチングさせると、エッチング時間が長いため製造効率が低く製造コストが高くなる、場合によってはエッチングを避けたい部分にまでエッチング液が侵入して歩留まりが著しく低下するという問題点があった。
そこで、上記の問題点を解決するため、エッチャントにより一部がポーラス状にエッチングされる下地基板と、下地基板上に配置されたエッチャントによりエッチングされる接合膜と、接合膜上に配置されたIII族窒化物半導体膜と、を含む複合基板を準備する工程と、エッチャントにより下地基板の一部および接合膜をエッチングすることにより除去する工程と、を含むIII族窒化物半導体ウエハの製造方法を開発する。
上記のIII窒化物半導体ウエハの製造方法においては、下地基板としてムライト(3Al23・2SiO2〜2Al23・SiO2)焼結体基板などのAl23−SiO2焼結体基板、ムライト−イットリア安定化ジルコニア焼結体基板などのAl23−SiO2−ZrO2−Y23焼結体基板など、エッチャントとしてフッ化水素酸などが用いられている。ここで、下地基板としてムライト−イットリア安定化ジルコニア焼結体基板、エッチャントとしてフッ化水素酸を用いた場合には、ムライト−イットリア安定化ジルコニア焼結体基板中のイットリアがフッ化水素酸によりフッ化されてフッ化イットリウムなどのフッ化物が生成する。かかるフッ化イットリウムは、フッ化水素酸に実質的に不溶であるため、下地基板へのフッ化水素酸のさらなる浸透を阻害する。このため、下地基板のエッチングを抑制するという問題点があった。
本発明は、上記の問題点を解決して、下地基板のエッチングを促進させることにより、下地基板を効率的に分離することができるIII族窒化物半導体ウエハの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、フッ化水素酸と反応してフッ化水素酸に実質的に不溶のフッ化物を生成する第1の酸化物を含む下地基板と、下地基板上に配置されたフッ化水素酸に可溶の接合酸化物膜と、接合酸化物膜上に配置されたIII族窒化物半導体膜と、を含む複合基板を準備する工程と、複合基板をフッ化水素酸に接触させるHF接触サブ工程および複合基板を第1の酸化物から生成するフッ化物を溶かす酸に接触させるFSA接触サブ工程を含むサブ工程セットを1セット以上行なう酸接触セットサブ工程と、酸接触セットサブ工程後の複合基板をフッ化水素酸に接触させる最終HF接触サブ工程と、を含み、酸接触セットサブ工程および最終HF接触サブ工程において、下地基板の一部および接合酸化物膜をエッチングすることにより、複合基板のIII族窒化物半導体膜から下地基板を分離する工程と、含むIII族窒化物半導体ウエハの製造方法である。
本発明にかかるIII族窒化物半導体ウエハの製造方法において、下地基板を分離する工程は、フッ化水素酸による接合酸化物膜のエッチングによるIII族窒化物半導体膜からの下地基板のリフトオフにより行われ得る。また、下地基板を分離する工程において、接合酸化物膜をエッチングするフッ化水素酸は、HF接触サブ工程において第1の酸化物から形成されたフッ化物がFSA接触サブ工程において溶かされることにより、下地基板の一部に形成された被エッチング領域を経由して接合酸化物膜に供給され得る。ここで、HF接触サブ工程、FSA接触サブ工程、および最終HF接触サブ工程のそれぞれの後に、複合基板を水洗した後乾燥させる水洗および乾燥サブ工程をさらに含むことができる。
また、本発明にかかるIII族窒化物半導体ウエハの製造方法において、下地基板を分離する工程は、最終HF接触サブ工程の後に、複合基板を第1の酸化物のフッ化物を溶かす酸に接触させる最終FSA接触サブ工程をさらに含むことができる。ここで、最終FSA接触サブ工程の後に、複合基板を水洗した後乾燥させる水洗および乾燥サブ工程をさらに含むことができる。
また、本発明にかかるIII族窒化物半導体ウエハの製造方法において、第1の酸化物から生成するフッ化物を溶かす酸は、硝酸および塩酸からなる群から選ばれる少なくとも1種類の酸を含むことができる。また、第1の酸化物から生成するフッ化物を溶かす酸は、10質量%以上50質量%以下の硝酸水溶液とすることができる。
また、本発明にかかるIII族窒化物半導体ウエハの製造方法において、下地基板は、フッ化水素酸に実質的に不溶の第2の酸化物をさらに含むことができる。また、下地基板は、フッ化水素酸に可溶の第3の酸化物をさらに含むことができる。
また、本発明にかかるIII族窒化物半導体ウエハの製造方法において、複合基板を準備する工程の後、複合基板のIII族窒化物半導体膜から下地基板を分離する工程の前に、III族窒化物半導体膜上に少なくとも1層のIII族窒化物半導体層を成長させる工程を、さらに含むことができる。
また、本発明にかかるIII族窒化物半導体ウエハの製造方法において、HF接触サブ工程における下地基板とフッ化水素酸との接触時間は、FSA接触サブ工程における下地基板と第1の酸化物から生成するフッ化物を溶かす酸との接触時間の0.5倍以上20倍以下とすることができる。
本発明によれば、下地基板のエッチングを促進させることにより、下地基板を効率的に分離することができるIII族窒化物半導体ウエハの製造方法を提供することができる。
本発明にかかるIII族窒化物半導体ウエハの製造方法の各工程を示すフローチャートである。 本発明にかかるIII族窒化物半導体ウエハの製造方法の各工程を示す概略断面図である。 本発明にかかるIII族窒化物半導体ウエハの製造方法の複合基板から下地基板を分離する工程におけるHF接触サブ工程における複合基板の状態を示す概略断面図である。 本発明にかかるIII族窒化物半導体ウエハの製造方法の複合基板から下地基板を分離する工程におけるFSA接触サブ工程における複合基板の状態を示す概略断面図である。 本発明にかかるIII族窒化物半導体ウエハの製造方法の複合基板から下地基板を分離する工程における最終HF接触サブ工程における複合基板の状態を示す概略断面図である。 本発明にかかるIII族窒化物半導体ウエハの製造方法において、エッチング質量とエッチング深さとの相関を示すグラフである。
図1および2を参照して、本発明の一実施形態であるIII族窒化物半導体ウエハの製造方法は、フッ化水素酸と反応してフッ化水素酸に実質的に不溶のフッ化物を生成する第1の酸化物を含む下地基板11と、下地基板11上に配置されたフッ化水素酸に可溶の接合酸化物膜12と、接合酸化物膜12上に配置されたIII族窒化物半導体膜13と、を含む複合基板1を準備する工程S1と、複合基板1をフッ化水素酸に接触させるHF接触サブ工程S61および複合基板1を第1の酸化物から生成するフッ化物を溶かす酸に接触させるFSA接触サブ工程S63を含むサブ工程セットを1セット以上行なう酸接触セットサブ工程S60と、酸接触セットサブ工程S60後の複合基板1をフッ化水素酸に接触させる最終HF接触サブ工程S65と、を含み、酸接触セットサブ工程S60および最終HF接触サブ工程S65において、下地基板11の一部および接合酸化物膜12をエッチングすることにより、複合基板1のIII族窒化物半導体膜13から下地基板11を分離する工程S6と、含む。
本実施形態のIII族窒化物半導体ウエハの製造方法は、複合基板1のIII族窒化物半導体膜13から下地基板11を分離する工程S6において、複合基板1をフッ化水素酸に接触させるHF接触サブ工程S61および複合基板1を第1の酸化物から生成するフッ化物を溶かす酸に接触させるFSA接触サブ工程S63を含むサブ工程セットを1セット以上行なう酸接触セットサブ工程S60により、下地基板11のエッチングを促進させることにより、下地基板11を効率的に分離することができる。
(複合基板の準備工程)
図1および2(A)を参照して、本実施形態のIII族窒化物半導体ウエハの製造方法は、まず、フッ化水素酸と反応してフッ化水素酸に実質的に不溶のフッ化物を生成する第1の酸化物を含む下地基板11と、下地基板11上に配置されたフッ化水素酸に可溶の接合酸化物膜12と、接合酸化物膜12上に配置されたIII族窒化物半導体膜13と、を含む複合基板1を準備する工程S1を含む。
本工程において準備される複合基板1は、複合基板1に含まれる下地基板11がフッ化水素酸と反応してフッ化水素酸に実質的に不溶のフッ化物を生成する第1の酸化物を含んでいるため、下地基板11のフッ化水素酸によるエッチングが生成したフッ化物により阻害される。このため、かかるフッ化物をそれを溶かす酸に接触させて除去することにより下地基板11のエッチングを促進させる必要がある。
本願発明において、ある物質がフッ化水素酸に実質的に不溶とは、マグネチックスターラにより200rpm(回転/分)の回転速度で撹拌されている十分大量(エッチング対象とする物質の質量の1000倍以上の質量)の49質量%のフッ化水素酸水溶液中に、その物質を1時間浸漬させたときに、その物質のエッチング深さが1μmに満たないものをいう。
ここで、フッ化水素と反応してフッ化水素酸に実質的に不溶のフッ化物を生成する第1の酸化物は、特に制限はないが、複合基板1のIII族窒化物半導体膜13上に少なくとも1層のIII族窒化物半導体層20を成長させるのに好適な下地基板11を形成する観点から、イットリア(Y23)、マグネシア(MgO)、カルシア(CaO)、スカンジア(Sc23)、およびセリア(CeO)からなる群から選ばれる少なくとも1種類の酸化物を含むことが好ましい。
また、下地基板11は、フッ化水素酸に実質的に不溶の第2の酸化物をさらに含むことができる。下地基板11は、かかる第2の酸化物を含んでいても、上記の第1の酸化物を含んでいれば、フッ化水素酸と接触させることによりフッ化水素酸に実質的不溶のフッ化物が生成しても、かかるフッ化物を溶かす酸に接触させることにより下地基板11のエッチングを促進させることが可能である。
ここで、フッ化水素酸に実質的に不溶の第2の酸化物は、特に制限はないが、複合基板1のIII族窒化物半導体膜13上に少なくとも1層のIII族窒化物半導体層20を成長させるのに好適な下地基板11を形成する観点から、アルミナ(Al23)およびジルコン(ZrSiO4)からなる群から選ばれる少なくとも1種類の酸化物を含むことが好ましい。
また、下地基板11は、下地基板11のフッ化水素酸によるエッチングを促進させる観点から、フッ化水素酸に可溶の第3の酸化物をさらに含むことが好ましい。本願発明において、ある物質がフッ化水素酸に可溶とは、マグネチックスターラにより200rpm(回転/分)の回転速度で撹拌されている十分大量(エッチング対象とする物質の質量の1000倍以上の質量)の49質量%のフッ化水素酸水溶液中に、その物質を1時間浸漬させたときに、その物質のエッチング深さが1μm以上のものをいう。
ここで、フッ化水素酸に可溶の第3の酸化物は、特に制限はないが、複合基板1のIII族窒化物半導体膜13上に少なくとも1層のIII族窒化物半導体層20を成長させるのに好適な下地基板11を形成する観点から、シリカ(SiO2)、チタニア(TiO2)、ジルコニア(ZrO2)およびハフニア(HfO2)からなる群から選ばれる少なくとも1種類の酸化物を含むことが好ましい。
また、下地基板11は、特に制限はないが、フッ化水素酸との接触およびフッ化物を溶解する酸との接触による部分的なエッチングが容易な観点から、多結晶体で形成されていることが好ましく、複数の酸化物で構成される複合酸化物で形成されていることが好ましい。多結晶体は多結晶体の粒子間の粒界が優先的にエッチングされるため部分的にポーラス状にエッチングがされ易く、複合酸化物はフッ化水素酸およびフッ化物を溶かす酸に溶け易い酸化物が優先的にエッチングされるため部分的にポーラス状にエッチングがされ易い。さらに、上記の観点から、下地基板11は、第1の酸化物と、第2の酸化物および第3の酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種類の酸化物と、を焼結させることにより形成される焼結体であることがより好ましい。
下地基板11として、具体的には、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)焼結体などのY23−ZrO2系焼結体、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)−ムライト(3Al23・2SiO2〜2Al23・SiO2)焼結体などのY23−ZrO2−Al23−SiO2系焼結体、マグネシア−ムライト(3Al23・2SiO2〜2Al23・SiO2)焼結体などのMgO−Al23−SiO2系焼結体などが好適に挙げられる。
複合基板1は、下地基板11上に配置されたフッ化水素酸に可溶の接合酸化物膜12を含む。接合酸化物膜12は、下地基板11とIII族窒化物半導体膜13とを接合するものであり、かつ、フッ化水素酸に可溶であれば特に制限はないが、それらの接合強度を高くするとともにフッ化水素酸に容易に溶ける観点から、シリカ(SiO2)、チタニア(TiO2)、ジルコニア(ZrO2)およびハフニア(HfO2)からなる群から選ばれる少なくとも1種類の酸化物を含む膜が好ましい。
複合基板1は、接合酸化物膜12上に配置されたIII族窒化物半導体膜13を含む。III族窒化物半導体膜13は、特に制限はないが、その上に結晶品質の高い少なくとも1層のIII族窒化物半導体層20をエピタキシャル成長させる観点から、エピタキシャル成長させるIII族窒化物半導体層20と原子配列および原子間距離(格子定数)が同一または近似であることが好ましい。さらに、エピタキシャル成長時の高温(III族窒化物半導体層20としてGaN、AlxGa1-xN層(0<x<1)、および/またはInyGa1-yN層(0<y<1)を考える場合、エピタキシャル成長時の温度は1100℃に達する)に耐える材料であることが好ましい。さらに、エピタキシャル成長では成長開始面(ここではIII族窒化物半導体膜13の主表面)の欠陥などの情報に大きく影響されるため、III族窒化物半導体膜13の主表面は、欠陥などのなるべく少ない材料からなっていることが好ましい。たとば、HVPE法などで作製されたバルク状のGaN基板から切り出されたGaN薄膜などが好適である。
複合基板1を準備する方法には、特に制限はなく、たとえば、III族窒化物半導体基板の一主面から所定の深さにイオン注入領域を形成し、下地基板11の一主面に接合酸化物膜12を介在させて上記のIII族窒化物半導体基板のイオン注入領域側の一主面を貼り合わせた後、上記のIII族窒化物半導体基板をイオン注入領域において分離することにより、下地基板11上に配置された接合酸化物膜12上に配置されたIII族窒化物半導体膜13を形成する方法などが好適に用いられる。
(少なくとも1層のIII族窒化物半導体層の成長工程)
図1および2(B)を参照して、本実施形態のIII族窒化物半導体ウエハの製造方法は、本実施形態のIII族窒化物半導体ウエハの製造方法は、次に、複合基板1のIII族窒化物半導体膜13上に少なくとも1層のIII族窒化物半導体層20を成長させる工程S2を含むことができる。
本工程において、少なくとも1層のIII族窒化物半導体層20を成長させる方法は、特に制限はないが、結晶欠陥が少なく結晶品質の高いIII族窒化物半導体層20をエピタキシャル成長させる観点から、MOCVD(有機金属化学気相堆積)法、MBE(分子線成長)法、HVPE(ハイドライド気相成長)法、昇華法などの気相法、フラックス法、高窒素圧溶解法などの液相法などが好適である。
本工程により、複合基板1のIII族窒化物半導体膜13上に半導体デバイスとしての機能を発現する機能層を含む少なくとも1層のIII族窒化物半導体層20が形成された半導体層付複合基板2が得られる。
(第1の電極の形成工程)
図1および2(C)を参照して、本実施形態のIII族窒化物半導体ウエハの製造方法は、次に、半導体層付複合基板2の少なくとも1層のIII族窒化物半導体層20上に第1の電極30を形成する工程S3を含むことができる。
本工程において、第1の電極30を形成する方法は、特に制限はないが、品質の高い電極を効率よく形成する観点から、EB(電子線)蒸着法、スパッタ法、抵抗加熱法などが好適である。
本工程により、半導体層付複合基板2のIII族窒化物半導体層20上に第1の電極30が形成された電極付半導体層付複合基板3が得られる。
(支持基板の貼り合わせ工程)
図1、2(D)および(E)を参照して、本実施形態のIII族窒化物半導体ウエハの製造方法は、次に、電極付半導体層付複合基板3の第1の電極30上に支持基板40を貼り合わせる工程S4を含むことができる。
本工程は、特に制限はないが、電極付半導体層付複合基板3の導電性を確保しかつ接合強度を高める観点から、以下のようにして、第1の電極30に支持基板40を貼り合わせることができる。まず、電極付半導体層付複合基板3の第1の電極30上に接合用パッド金属層31を形成する。接合用パッド金属層31を形成する方法は、特に制限はないが、品質の高い金属層を効率よく形成する観点から、EB蒸着法、スパッタ法、抵抗加熱法、めっき法などが好適である。また、支持基板40の両主面上にオーミック接合金属層41を形成する。オーミック接合金属層41を形成する方法は、特に制限はないが、品質の高い金属層を効率よく形成する観点から、EB蒸着法、スパッタ法、抵抗加熱法、めっき法などが好適である。次いで、支持基板40の一方のオーミック接合金属層41上に接合金属層42を形成する。接合金属層42を形成する方法は、特に制限はないが、接合強度の高い金属層を効率よく形成する観点から、抵抗加熱法、EB蒸着法、スパッタ法などが好適である。
本工程により、電極付半導体層付複合基板3に支持基板40が貼り合わされた貼り合わせ基板4が得られる。
(支持基板の一部除去による基板厚さの低減工程)
図1および2(E)を参照して、本実施形態のIII族窒化物半導体ウエハの製造工程は、次に、貼り合わせ基板4の下地基板11の一部を除去することにより、下地基板11の厚さを低減する工程S5を含むことができる。
本工程において、下地基板11の一部を除去する方法は、特に制限はなく、必要に応じて研削、切削などの方法を用いることができる。本工程において、貼り合わせ基板4は、下地基板11の厚さを低減することにより、下地基板11をエッチングにより分離するための時間を短くすることができる。
(複合基板のIII族窒化物半導体膜からの下地基板の分離工程)
図1および2(F)を参照して、本実施形態のIII族窒化物半導体ウエハの製造工程は、次に、貼り合わせ基板4の複合基板1をフッ化水素酸に接触させるHF(フッ化水素酸)接触サブ工程S61および複合基板1を第1の酸化物から生成するフッ化物を溶かす酸に接触させるFSA(フッ化物を溶かす酸)接触サブ工程S63を含むサブ工程セットを1セット以上行なう酸接触セットサブ工程S60と、酸接触セットサブ工程S60後の複合基板11をフッ化水素酸に接触させる最終HF接触サブ工程S65と、を含み、酸接触セットサブ工程S60および最終HF接触サブ工程S65において、下地基板11の一部および接合酸化物膜12をエッチングすることにより、複合基板1のIII族窒化物半導体膜13から下地基板11を分離する工程S6を含む。
本工程において、HF接触サブ工程S61およびFSA接触サブ工程S63を含むサブ工程セットを1セット以上行なう酸接触セットサブ工程S60により、下地基板11のエッチングを促進させることにより、下地基板11を効率的に分離することができる。
図1および3を参照して、複合基板1をフッ化水素酸A1に接触させるHF(フッ化水素酸)接触サブ工程S61においては、複合基板1の下地基板11の主面に接触するフッ化水素酸A1は、下地基板11を形成する多結晶体の粒子間の粒界領域11bに優先的に浸透して形成されるフッ化水素酸浸透領域11fによりエッチングが進行する。ここで、本実施形態の下地基板11は、フッ化水素酸A1と反応してフッ化水素酸に実質的に不溶のフッ化物を生成する第1の酸化物を含んでいることから、フッ化水素酸浸透領域11fには、第1の酸化物から生成したフッ化水素酸A1に実質的に不溶のフッ化物が蓄積されるため、フッ化水素酸A1によるエッチングが抑制される。このため、以下のサブ工程により、フッ化水素酸浸透領域11f内に蓄積されたフッ化物を除去することにより、下地基板11のエッチングを促進する必要がある。
次いで、図1および4を参照して、図3に示すHF接触サブ工程により下地基板11に形成されたフッ化水素酸浸透領域11fに第1の酸化物から生成したフッ化物が蓄積した複合基板1をフッ化物を溶かす酸A2に接触させるFSA(フッ化物を溶かす酸)接触サブ工程S63においては、フッ化水素酸浸透領域11fに蓄積されたフッ化物がフッ化物を溶かす酸により溶解されて除去されることにより、被エッチング領域11eが形成される。
このようにして、HF接触サブ工程S61およびFSA接触サブ工程S63を含むサブ工程セットを1セット以上行なう酸接触セットサブ工程S60により、HF接触サブ工程S61における粒界領域11bからのフッ化水素酸浸透領域11fの形成とFSA接触サブ工程S63におけるフッ化水素酸浸透領域11fからの被エッチング領域11eの形成とが交互に繰り返されることにより、下地基板11の主面側から内部にかけて順次所定の粒界領域11bがフッ化水素酸浸透領域11fを経て被エッチング領域11eとなり、下地基板11がその主面側から内部にかけて順次効率よく部分的にエッチングされていくため、下地基板11のエッチングが促進される。
上記の酸接触セットサブ工程S60により、下地基板11の露出している主面側から接合酸化物膜12に接合している主面側にかけて下地基板11を貫通する被エッチング領域11eが形成される。
図2(F)および5を参照して、最終HF接触サブ工程において、上記の下地基板11の一部にその下地基板11をその厚さ方向に貫通する被エッチング領域11eが形成された下地基板11の露出された主面にフッ化水素酸A1を接触させると、そのフッ化水素酸はA1は、その被エッチング領域11eを経由して接合酸化物膜12に到達して、接合酸化物膜12をエッチングにより除去するため、複合基板1のIII族窒化物半導体膜13から下地基板11をリフトオフすることにより分離する。
すなわち、図1〜5を参照して、下地基板11を分離する工程S6は、上記のように、フッ化水素酸A1による接合酸化物膜12のエッチングによるIII族窒化物半導体膜13からの下地基板11のリフトオフにより行われる。また、下地基板11を分離する工程S6において、接合酸化物膜12をエッチングするフッ化水素酸は、HF接触サブ工程S61において第1の酸化物から形成されたフッ化物がFSA接触サブ工程S63において溶かされることにより、下地基板11の一部に形成された被エッチング領域11eを経由して接合酸化物膜12に供給される。
図1を参照して、本実施形態のIII族窒化物半導体ウエハの製造方法において、HF接触サブ工程S61、FSA接触サブ工程S63、および最終HF接触サブ工程S65のそれぞれの後に、複合基板1を水洗した後乾燥させる水洗および乾燥サブ工程S62,S64,S66をさらに含むことが好ましい。かかる水洗および乾燥サブ工程S62,S64,S66を含むことにより、HF接触サブ工程S61で用いられたフッ化水素酸がそれより後工程のFSA接触サブ工程S63で用いられるフッ化物を溶かす酸に混入すること、FSA接触サブ工程S63で用いられたフッ化物を溶かす酸がそれより後工程のHF接触サブ工程S61または最終HF接触サブ工程S65で用いられるフッ化水素酸に混入すること、および最終HF接触サブ工程S65で用いられたフッ化水素酸がそれより後工程に残留することまたはそれより後工程に最終FSA接触サブ工程S67が含まれる場合には最終FSA接触サブ工程S67で用いられるフッ化物を溶かす酸に混入すること、を防止することにより、下地基板11のエッチングをさらに促進させて、下地基板11をさらに効率的に分離することができる。
図1を参照して、本実施形態のIII族窒化物半導体ウエハの製造方法において、複合基板1のIII族窒化物半導体膜13から下地基板11を分離する工程S6は、最終HF接触サブ工程S65の後に、複合基板1を第1の酸化物のフッ化物を溶かす酸に接触させる最終FSA接触サブ工程S67をさらに含むことが好ましい。かかる最終FSA接触サブ工程S67により、複合基板1に残留するフッ化物を確実に除去することができる。
図1を参照して、本実施形態のIII族窒化物半導体ウエハの製造方法において、複合基板1のIII族窒化物半導体膜13から下地基板11を分離する工程S6は、最終FSA接触サブ工程S67の後に、複合基板1を水洗した後乾燥させる水洗および乾燥サブ工程S68をさらに含むことが好ましい。かかる水洗および乾燥サブ工程S68により、複合基板1に残留するフッ化物を溶かす酸を確実に除去することができる。
本実施形態のIII族窒化物半導体ウエハの製造方法において、第1の酸化物から生成するフッ化物を溶かす酸は、フッ化物の溶解性が高い観点から、硝酸および塩酸からなる群から選ばれる少なくとも1種類の酸を含むことが好ましい。ここで、硝酸および塩酸からなる群から選ばれる少なくとも1種類の酸とは、特に制限はなく、硝酸、塩酸、および王水(濃塩酸(30質量%)水溶液と濃硝酸(70質量%)水溶液とを3:1の体積比で混合したもの)などが挙げられる。また、第1の酸化物から生成するフッ化物を溶かす酸は、フッ化物の溶解性が高い観点から、10質量%以上50質量%以下の硝酸水溶液であることが好ましい。
本実施形態のIII族窒化物半導体ウエハの製造方法において、酸接触セットサブ工程S60におけるHF接触サブ工程S61における複合基板1とフッ化水素酸との好適な接触時間(エッチング時間)、FSA接触サブ工程S63における複合基板1と第1の酸化物から生成するフッ化物を溶かす酸との好適な接触時間(エッチング時間)、それらの接触時間の好適な比率、および酸接触セットサブ工程S60の好適なセット数は、第1の酸化物とフッ化水素酸との反応によりフッ化物を生成する速度およびフッ化物を溶かす酸によりフッ化物が溶解する速度、すなわち、下地基板11の化学組成ならびにフッ化水素酸およびフッ化物を溶かす酸のそれぞれの濃度によって変動する。しかしながら、下地基板11のエッチングを促進させる観点から、HF接触サブ工程S61における下地基板11とフッ化水素酸との接触時間は、FSA接触サブ工程S63における下地基板11と第1の酸化物から生成するフッ化物を溶かす酸との接触時間の0.5倍以上20倍以下であることが好ましい。
また、最終HF接触サブ工程S65における複合基板1とフッ化水素酸との好適な接触時間(エッチング時間)、最終FSA接触サブ工程S67における複合基板1と第1の酸化物から生成するフッ化物を溶かす酸との好適な接触時間(エッチング時間)、およびそれらの接触時間の好適な比率についても、上記と同様である。
本工程(複合基板1のIII族窒化物半導体膜13から下地基板11を分離する工程S6)により、貼り合わせ基板4の複合基板1の部分における下地基板11の一部および接合酸化物膜12をエッチングすることにより、複合基板1のIII族窒化物半導体膜13から下地基板11を分離することにより、III族窒化物半導体ウエハ5が得られる。
(第2の電極の形成工程)
図1および2(G)を参照して、本実施形態のIII族窒化物半導体ウエハの製造方法は、次に、III族窒化物半導体膜13上に第2の電極50を形成する工程S7を含むことができる。
本工程において、第2の電極50を形成する方法は、特に制限はないが、品質の高い電極を効率よく形成する観点から、EB(電子線)蒸着法、スパッタ法、抵抗加熱法などが好適である。
本工程により、III族窒化物半導体ウエハ5のIII族窒化物半導体膜13上に第2の電極50が形成された半導体デバイスとしての機能を備えるIII族窒化物半導体ウエハ6が得られる。
(チップ化による半導体デバイスの形成工程)
図1を参照して、本実施形態のIII族窒化物半導体ウエハの製造方法は、次に、III族窒化物半導体ウエハ6をチップ化して半導体デバイスを形成する工程S8をさらに含むことができる。本工程において、III族窒化物半導体ウエハ6をチップ化する方法は、特に制限はなく、ダイシング法、レーザスクライブ法、劈開法などが挙げられる。本工程により、特性の高い半導体デバイスが歩留まり良くかつ効率よく得られる。
(参考例A)
本参考例においては、下地基板となるYSZ(イットリア安定化ジルコニア)−ムライト焼結体基板を、フッ化水素酸に接触(例AR1)、フッ化水素酸および硝酸の混合酸に接触(例AR2)、ならびにフッ化水素酸および硝酸に交互に接触(例A1〜A4)させたときのエッチング質量およびエッチング深さを評価した。本参考例においては、フッ化水素酸に実質的に不溶のフッ化物を溶かす酸として硝酸を用いた。
1.下地基板の準備
下地基板として、複数の12mm×12mm×厚さ450μmのYSZ−ムライト焼結体基板を準備した。かかるYSZ−ムライト基板は、YSZが30質量%でムライトが70質量%の割合で焼結されたものであり、YSZの化学組成はZrO2が90モル%でY23が10モル%であり、ムライトの化学組成はAl23が60モル%でSiO2が40モル%であった。
2.エッチング液の準備
下地基板にフッ化水素酸に接触させるためのエッチング液として、49質量%フッ化水素酸水溶液500mlを準備した。下地基板に硝酸を接触させるためのエッチング液として、70質量%硝酸水溶液250mlを純水250mlで希釈して35質量%硝酸水溶液500mlを準備した。下地基板にフッ化水素酸および硝酸の混合酸を接触させるためのエッチング液として49質量%フッ化水素酸水溶液450mlと70質量%硝酸水溶液50mlとを混合した混合水溶液500mlを準備した。
3.エッチング
下地基板を、室温(23℃)中マグネチックスターラにより200rpmで撹拌されている上記の少なくともひとつのエッチング液中に、上記の下地基板を2時間浸漬することによりエッチングをおこなった。
具体的には、例AR1では、エッチング液として49質量%フッ化水素酸水溶液を用いて、下地基板を49質量%フッ化水素酸水溶液中に120分間浸漬した後30秒間の流水洗浄および窒素ガスブロー乾燥をした。例AR2では、エッチング液として49質量%フッ化水素酸水溶液と70質量%硝酸水溶液とが9:1の体積比で均一に混合された混合水溶液を用いて、下地基板をかかる混合水溶液中に120分間浸漬した後30秒間の流水洗浄および窒素ガスブロー乾燥をした。なお、例AR2で用いたエッチング液は、49質量%フッ化水素酸水溶液と70質量%硝酸水溶液とを混合した場合に最もエッチング速度が速くなる混合体積比のものであった。
例A1〜A4については、エッチング液として49質量%フッ化水素酸水溶液および35質量%硝酸水溶液を交互に用いて、以下の浸漬パターンによりエッチングを行なった。
例A1では、下地基板を、49質量%フッ化水素酸水溶液に中に下地基板を55分間浸漬した後30秒間の流水洗浄および窒素ガスブロー乾燥をし、次いで、35質量%硝酸水溶液中に5分間浸漬した後30秒間の流水洗浄および窒素ガスブロー乾燥をすることを1セットとして、これを2セット行なった。すなわち、下地基板とフッ化水素酸との接触時間は、下地基板と硝酸との接触時間の11倍であった。
例A2では、下地基板を、49質量%フッ化水素酸水溶液に中に下地基板を25分間浸漬した後30秒間の流水洗浄および窒素ガスブロー乾燥をし、次いで、35質量%硝酸水溶液中に5分間浸漬した後30秒間の流水洗浄および窒素ガスブロー乾燥をすることを1セットとして、これを4セット行なった。すなわち、下地基板とフッ化水素酸との接触時間は、下地基板と硝酸との接触時間の5倍であった。
例A3では、下地基板を、49質量%フッ化水素酸水溶液に中に下地基板を10分間浸漬した後30秒間の流水洗浄および窒素ガスブロー乾燥をし、次いで、35質量%硝酸水溶液中に5分間浸漬した後30秒間の流水洗浄および窒素ガスブロー乾燥をすることを1セットとして、これを8セット行なった。すなわち、下地基板とフッ化水素酸との接触時間は、下地基板と硝酸との接触時間の2倍であった。
例A4では、下地基板を、49質量%フッ化水素酸水溶液に中に下地基板を5分間浸漬した後30秒間の流水洗浄および窒素ガスブロー乾燥をし、次いで、35質量%硝酸水溶液中に5分間浸漬した後30秒間の流水洗浄および窒素ガスブロー乾燥をすることを1セットとして、これを12セット行なった。すなわち、下地基板とフッ化水素酸との接触時間は、下地基板と硝酸との接触時間の1倍であった。
4.エッチング質量の評価
上記の各例について、エッチング前の下地基板の乾燥質量とエッチング後の下地基板の乾燥質量との差から下地基板の1mm2当たりの2時間でエッチングされた質量(以下、エッチング質量という)を算出した。
算出されたエッチング質量は、例AR1では31.6μg/mm2であり、例AR2では36.2μg/mm2であり、例A1では41.7μg/mm2であり、例A2では64.7μg/mm2であり、例A3では84.1μg/mm2であり、例A4では107μg/mm2であった。結果を表1にまとめた。
5.エッチング深さの評価
上記の各例について、エッチング後の下地基板を中央で劈開してその断面をSEM(走査型電子顕微鏡)−EDX(エネルギー分散型X線分光)法により観察した。ZrO2およびY23すなわちYSZはムライトと独立した粒状に存在するため、断面の元素組成分布をEDXでマッピング撮影すると、YSZの存在する場所は浮島のように飛び飛びに存在する。エッチングの進行により形成されるフッ化水素酸浸透領域および被エッチング領域では、ZrO2およびY23が存在するべき場所においてZrが有意に減少しかつFおよびYが有意に増加している様子が観察された。また、このZr減少およびFおよびYの増加領域の末端面(深さ方向に下地基板の露出主面から遠い側の面)は、末端面の任意の場所において下地基板の露出主面からの距離が同じであることがわかった。ここで、Fが検出されなくなる領域の末端面から下地基板の露出主面までの距離をエッチング深さと定義した。
算出されたエッチング深さは、例AR1では15μmであり、例AR2では17μm、例A1では20μmであり、例A2では27μmであり、例A3では45μmであり、例A4では45μmであった。結果を表1にまとめた。また、例AR1、AR2およびA1〜A4についてのエッチング質量とエッチング深さとの相関関係を図6に示した。
また、各例において、2時間エッチングしたときのエッチング深さ(単位:μm)から1分間当たりのエッチング速度(単位:nm/min)を算出した。
算出されたエッチング平均速度は、平均例AR1では130nm/minであり、例AR2では140nm/minであり、例A1では170nm/minであり、例A2では230nm/minであり、例A3では380nm/minであり、例A4では380nm/minであった。結果を表1にまとめた。
Figure 0005928238
表1を参照して、例AR1〜AR2およびA1〜A4を参照して、エッチング液としてフッ化水素酸水溶液またはフッ化水素酸および硝酸の混酸の水溶液のみを用いてエッチングした場合に比べて、エッチング液としてフッ化水素酸水溶液および硝酸水溶液を用いて交互にエッチングした場合は、下地基板のエッチング質量およびエッチング深さはいずれも大きくなった。具体的には、エッチング質量は、例AR1の場合に比べて、例A3の場合は2.7倍に、例A4の場合は3.4倍にまで大きくなった。また、エッチング深さは、例AR1の場合に比べて、例A3の場合は3.0倍に、例A4の場合は3.0倍にまで大きくなった。また、図6を参照して、エッチング質量とエッチング深さとは、相関係数rは0.95であり、強い正の相関を有していた。
(参考例B)
本参考例においては、下地基板となるYSZ(イットリア安定化ジルコニア)−ムライト焼結体基板を、フッ化水素酸と、フッ化水素酸に実質的に不溶のフッ化物を溶かす酸として硝酸(例B1および例B4)、塩酸(例B2)、または王水(例B3)と、に交互に接触させたときのエッチング質量およびエッチング深さを評価した。
1.下地基板の準備
参考例Aと同様の下地基板を複数準備した。
2.エッチング液の準備
下地基板にフッ化水素酸に接触させるためのエッチング液として、49質量%フッ化水素酸水溶液500mlを準備した。下地基板に硝酸を接触させるためのエッチング液として、35質量%硝酸水溶液500mlおよび70質量%硝酸水溶液500mlを準備した。下地基板に塩酸を接触させるためのエッチング液として30質量%塩酸水溶液500mlを準備した。下地基板に王水を接触させるためのエッチング液として、30質量%の塩酸水溶液と70質量%の硝酸水溶液とを3:1の体積比で混合した王水500mlを準備した。
3.エッチング
下地基板を、室温(23℃)中マグネチックスターラにより200rpmで撹拌されている上記のエッチング液中に、上記の下地基板を2時間浸漬することによりエッチングをおこなった。
具体的には、例B1では、下地基板を、49質量%フッ化水素酸水溶液に中に下地基板を10分間浸漬した後30秒間の流水洗浄および窒素ガスブロー乾燥をし、次いで、35質量%硝酸水溶液中に5分間浸漬した後30秒間の流水洗浄および窒素ガスブロー乾燥をすることを1セットとして、これを8セット行なった。例B2では、下地基板を、49質量%フッ化水素酸水溶液に中に下地基板を10分間浸漬した後30秒間の流水洗浄および窒素ガスブロー乾燥をし、次いで、30質量%塩酸水溶液中に5分間浸漬した後30秒間の流水洗浄および窒素ガスブロー乾燥をすることを1セットとして、これを8セット行なった。例B3では、下地基板を、49質量%フッ化水素酸水溶液に中に下地基板を10分間浸漬した後30秒間の流水洗浄および窒素ガスブロー乾燥をし、次いで、王水中に5分間浸漬した後30秒間の流水洗浄および窒素ガスブロー乾燥をすることを1セットとして、これを8セット行なった。例B4では、下地基板を、49質量%フッ化水素酸水溶液に中に下地基板を10分間浸漬した後30秒間の流水洗浄および窒素ガスブロー乾燥をし、次いで、70質量%硝酸水溶液中に5分間浸漬した後30秒間の流水洗浄および窒素ガスブロー乾燥をすることを1セットとして、これを8セット行なった。
4.エッチング質量の評価
上記の各例について、参考例Aと同様にして、エッチング質量を算出した。算出されたエッチング質量は、フッ化物を溶かす酸として、例B1のように35質量%硝酸水溶液を用いた場合では82.6μg/mm2であり、例B2のように30質量%塩酸水溶液を用いた場合では73.7μg/mm2であり、例B3のように王水を用いた場合では66.9μg/mm2であり、例B4のように70質量%硝酸水溶液を用いた場合では52.0μg/mm2であった。結果を表2にまとめた。
Figure 0005928238
表2を参照して、フッ化水素酸に実質的に不溶のフッ化物を溶かす酸としては、硝酸、塩酸、王水などの硝酸および塩酸からなる群から選ばれる少なくとも1種類の酸が好ましく、なかでも35質量%の硝酸がより好ましかった。
(実施例1)
1.複合基板の準備
下地基板11として、直径2インチ(50.8mm)×厚さ450μmのYSZ−ムライト焼結体基板を準備した。かかるYSZ−ムライト基板は、YSZが30質量%でムライトが70質量%の割合で焼結されたものであり、YSZの化学組成はZrO2が90モル%でY23が10モル%であり、ムライトの化学組成はAl23が60モル%でSiO2が40モル%であった。下地基板11の主面はJIS B0601:2001に規定される算術平均粗さRaが10nm以下に鏡面研磨した。
図2(A)を参照して、この下地基板11の主面と、主面から150nmの深さに水素イオン注入領域が形成されているGaNからなる厚さ350μmのIII族窒化物半導体基板の水素イオン注入領域が形成されている側の主面と、をSiOからなる厚さ400nmの接合酸化物膜を介在させて貼り合わせ、その後、III族窒化物半導体基板をその水素イオン注入領域で分離することにより、下地基板11と、下地基板11上に配置された厚さ400nmの接合酸化物膜12と、接合酸化物膜12上に配置された厚さ150nmのIII族窒化物半導体膜13と、で構成される複合基板1を準備した。
かかる複合基板1は、下地基板11が室温(23℃)から1200℃までGaN結晶と同じ熱膨張係数を示し、III族窒化物半導体膜13の結晶欠陥密度が105cm-2オーダーと低いため、III族窒化物半導体膜13上に結晶品質の高いIII族窒化物半導体層をエピタキシャル成長させることが可能である。
2.III族窒化物半導体層の成長
図2(B)を参照して、複合基板1のIII族窒化物半導体膜13上に、MOCVD法により、少なくとも1層のIII族窒化物半導体層20として、厚さ5μmのn−GaN層21、厚さ50nmのn−In0.05Ga0.95N層22、厚さ3nmのIn0.14Ga0.86N井戸層と厚さ15nmのGaN障壁層とで構成される3周期の多重量子井戸構造を有する活性層23、厚さ20nmのp−Al0.08Ga0.92N層24、および厚さ50nmのp+−GaN層25をこの順にエピタキシャル成長させて、半導体層付複合基板2を得た。この間に、III族窒化物半導体層20の成長温度は最高で1050℃に達したが、半導体層付複合基板2のIII族窒化物半導体層20にはクラックの発生は見られなかった。III族窒化物半導体層20の結晶欠陥密度は、CL(カソードルミネッセンス)法により測定したところ、105cm-2オーダーであった。この半導体層付複合基板2の発光中心波長は、PL(フォトルミネッセンス)マッパーにより測定したところ、460nmであった。
さらに、RTA装置(ラピッドサーマルアニーリング装置、これは赤外線により急速加熱する装置である)を用いて、半導体層付複合基板2を窒素ガス雰囲気中800℃で3分間アニールし、p−Al0.08Ga0.92N層24およびp+−GaN層25を活性化させた。
3.第1の電極の形成
図2(C)を参照して、半導体層付複合基板2のIII族窒化物半導体層20の最上層であるp−GaN層25上に、EB蒸着装置を用いて厚さ7nmのNi層および厚さ300nmのAu層を順次形成し、次いで、RTA装置で窒素ガス雰囲気中500℃で1分間アニールすることにより合金化処理して、第1の電極30を形成することにより、電極付半導体層付複合基板3を得た。
4.支持基板の貼り合わせ
図2(D)および(E)を参照して、電極付半導体層付複合基板3の第1の電極30上に、EB蒸着装置を用いて、厚さ10nmのTi層、厚さ80nmのPt層、および厚さ300nmのAu層を順次形成することにより、接合用パッド金属層31を形成した。
また、Siで形成され直径2インチ(50.8mm)×厚さ300μmの両主面がJIS B0601:2001に規定される算術平均粗さRaで10nm以下に鏡面化されている支持基板40を準備した。ここで、Siで形成された支持基板40は、p型にドープされており、抵抗率は0.01Ωcm以下であった。
支持基板40の一方の主面には、EB蒸着法装置を用いて厚さ10nmのTi層および厚さ80nmのPt層を順次形成し、抵抗加熱装置を用いて厚さ300nmのAu層を順次形成することによりオーミック接合金属層41を形成した。支持基板40の他方の主面には、上記と同様にしてオーミック接合金属層41を形成し後、オーミック接合金属層41上に、抵抗加熱装置を用いて厚さ1.5μmのAuSn(質量比Au:Snが8:2)層を形成することにより、接合金属層42を形成した。
電極付半導体層付複合基板30上に形成された接合用パッド金属層31と、支持基板40のひとつの主面上に形成されたオーミック接合金属層41上に形成された接合金属層42と、をウエハボンダを用いて貼り合わせて接合することにより、貼り合わせ基板4を得た。かかる接合は、1Pa以下の真空中300℃で3MPaの圧力を両層間に10分間加えることにより行なった。接合後、超音波顕微鏡を用いて接合面内に空隙などの接合不良がないことを確認した。
5.下地基板の一部除去による基板厚さの低減工程
図2(E)を参照して、貼り合わせ基板4の支持基板40側を、ワックス(日化精工株式会社製アルコワックス819)およびウエハボンダを用いて、真空中(10Pa未満)120℃で3MPaの圧力で研削冶具に貼り付けた後、平面研削機を用いて、貼り合わせ基板4の下地基板11をその厚さが450μmから50μmになるように研削した。
6.下地基板の分離
下地基板11にフッ化水素酸に接触させるためのエッチング液として、49質量%フッ化水素酸水溶液500mlを準備した。下地基板11に硝酸を接触させるためのエッチング液として35質量%硝酸水溶液500mlを準備した。
図2(F)を参照して、研削された貼り合わせ基板4を、120℃のホットプレート上で研削冶具から取り外した後、上記と同様にして、直径3インチ×厚さ500μmのサファイア基板に貼り付けた。その後、その貼り合わせ基板4を、室温(23℃)環境下でマグネチックスターラにより200rpmで撹拌されている上記のいずれかのエッチング液中に、以下に示す手順で浸漬して、エッチングを行なった。
貼り合わせ基板4を、49質量%フッ化水素酸水溶液中に10分間浸漬した後30秒間の流水洗浄および窒素ガスブロー乾燥をし、次いで、35質量%硝酸水溶液中に5分間浸漬した後30秒間の流水洗浄および窒素ガスブロー乾燥をすることを1セットとして、このセットを繰り返したところ、このセットを8セット行なった後、9回目に49質量%フッ化水素酸水溶液中に10分間浸漬したときに、貼り合わせ基板4から下地基板11が分離した。貼り合わせ基板4は、接合酸化物膜12までエッチングにより除去されていた。
このようにして、貼り合わせ基板4から、下地基板11が分離するとともに接合酸化物膜12が除去されて、III族窒化物半導体膜13が主面に露出したIII族窒化物半導体ウエハ5が得られた。
得られたIII族窒化物半導体ウエハ5は、可視光に対して透明であるIII族窒化物半導体膜13およびIII族窒化物半導体層20を通して見える金属接合面には変化が見られなかった。
7.第2の電極の形成
図2(G)を参照して、得られたIII族窒化物半導体ウエハ5を120℃のホットプレート上でサファイア基板から取り外した後、III族窒化物半導体ウエハ5のIII族窒化物半導体膜13上に、n−電極である第2の電極50を形成した。かかる第2の電極50は、III族窒化物半導体膜13上フォトリソグラフィー法により形成したレジストマスク(図示せず)に、EB蒸着法により、厚さ20nmのTi層、厚さ200nmのAl層、厚さ20nmのTi層、および厚さ300nmのAu層を形成し、リフトオフしてパターンを形成した後、RTA装置を用いて窒素ガス雰囲気中250℃で3分間アニールすることにより形成した。これにより、LEDとしての半導体デバイス機能を発現するIII族窒化物半導体ウエハ6が得られた。
8.チップ化による半導体デバイスの形成
III族窒化物半導体ウエハ6を、ダイシングによりチップ化して半導体デバイスとした後、ステムに実装した。かかるチップ化および実装の際の歩留まりは100%であった。また、実装された半導体デバイスについて、面内均一な発光が得られた。
(比較例1)
実施例1と同様にして作製した貼り合わせ基板4を、実施例1と同様にして下地基板11をその厚さが450μmから50μmになるように研削した。研削された貼り合わせ基板4を、実施例1と同様にして直径3インチ×厚さ500μmのサファイア基板に貼り付けた後、室温(23℃)中マグネチックスターラにより200rpmで撹拌されている49質量%のフッ化水素酸水溶液500ml中に浸漬した。浸漬開始から10時間後に、貼り合わせ基板4から下地基板11が分離するとともに接合酸化物膜12が除去されて、III族窒化物半導体膜13が主面に露出したIII族窒化物半導体ウエハ5が得られた。
得られたIII族窒化物半導体ウエハ5は、可視光に対して透明であるIII族窒化物半導体膜13およびIII族窒化物半導体層20を通して見える金属接合面の金属が変色しており、また、第1の電極30(特にTi層およびNi層)が冒されていた。さらに一部のIII族窒化物半導体膜13およびIII族窒化物半導体層20は第1の電極30の侵食にともない除去されてしまっていた。サンプルにもよるが、残存したIII族窒化物半導体膜13およびIII族窒化物半導体層20の面積(以下、残存面積という)は、エッチング前の18%であった。
かかるIII族窒化物半導体ウエハ5(残存面積18%)を、実施例1と同様にして、第2の電極50を形成してIII族窒化物半導体ウエハ6とし、ダイシングによりチップ化して半導体デバイスとした後、ステムに実装した。かかるチップ化および実装の際の歩留まりは5%であった。かかるIII族窒化物半導体ウエハ6においては、ダンシングの際に第1の電極30とIII族窒化物半導体層20とが剥離したり、ステムに実装する際に第2の電極50とボンディングワイヤとが剥離したりする問題があった。また、実装された半導体デバイスについて、面内均一な発光が得られなかった。不良解析の結果、これらは貼り合わせ基板4がフッ化水素酸に長時間浸漬されたため、第1の電極30および第2の電極50に及ぼされたフッ化水素酸による腐食によることがわかった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
1 複合基板、2 半導体層付複合基板、3 電極付半導体層付複合基板、4 貼り合わせ基板、5,6 III族窒化物半導体ウエハ、11 下地基板、11b 粒界領域、11e 被エッチング領域、11f フッ化水素酸浸透領域、12 接合酸化物膜、13 III族窒化物半導体膜、20 III族窒化物半導体層、21 n−GaN層、22 n−In0.05Ga0.95N層、23 活性層、24 p−Al0.08Ga0.92N層、25 p+−GaN層、30 第1の電極、31 接合用パッド金属層、40 支持基板、41 オーミック接合金属層、42 接合金属層、50 第2の電極、A1 フッ化水素酸、A2 フッ化物を溶かす酸、S1 複合基板を準備する工程、S2 少なくとも1層のIII族窒化物半導体層を成長させる工程、S3 第1の電極を形成する工程、S4 支持基板を貼り合わせる工程、S5 下地基板の厚さを低減する工程、S6 下地基板を分離する工程、S7 第2の電極を形成する工程、S8 チップ化してデバイスを形成する工程、S60 酸接触セットサブ工程、S61 HF接触サブ工程、S62,S64,S66,S68 水洗および乾燥サブ工程、S63 FSA接触サブ工程、S65 最終HF接触サブ工程、S67 最終FSA接触サブ工程。

Claims (12)

  1. フッ化水素酸と反応してフッ化水素酸に実質的に不溶のフッ化物を生成する第1の酸化物を含む下地基板と、前記下地基板上に配置されたフッ化水素酸に可溶の接合酸化物膜と、前記接合酸化物膜上に配置されたIII族窒化物半導体膜と、を含む複合基板を準備する工程と、
    前記複合基板をフッ化水素酸に接触させるHF接触サブ工程および前記複合基板を前記第1の酸化物から生成する前記フッ化物を溶かす酸に接触させるFSA接触サブ工程を含むサブ工程セットを1セット以上行なう酸接触セットサブ工程と、前記酸接触セットサブ工程後の前記複合基板をフッ化水素酸に接触させる最終HF接触サブ工程と、を含み、前記酸接触セットサブ工程および前記最終HF接触サブ工程において、前記下地基板の一部および前記接合酸化物膜をエッチングすることにより、前記複合基板の前記III族窒化物半導体膜から前記下地基板を分離する工程と、含むIII族窒化物半導体ウエハの製造方法。
  2. 前記下地基板を分離する工程は、フッ化水素酸による前記接合酸化物膜のエッチングによる前記III族窒化物半導体膜からの前記下地基板のリフトオフにより行われる請求項1に記載のIII族窒化物半導体ウエハの製造方法。
  3. 前記下地基板を分離する工程において、前記接合酸化物膜をエッチングするフッ化水素酸は、前記HF接触サブ工程において前記第1の酸化物から形成された前記フッ化物が前記FSA接触サブ工程において溶かされることにより、前記下地基板の一部に形成されたエッチング空隙領域を経由して、前記接合酸化物膜に供給される請求項1または2に記載のIII族窒化物半導体ウエハの製造方法。
  4. 前記HF接触サブ工程、前記FSA接触サブ工程、および前記最終HF接触工程のそれぞれの後に、前記複合基板を水洗した後乾燥させる水洗および乾燥サブ工程をさらに含む請求項1から3のいずれかに記載のIII族窒化物半導体ウエハの製造方法。
  5. 前記下地基板を分離する工程は、前記最終HF接触サブ工程の後に、前記複合基板を前記第1の酸化物の前記フッ化物を溶かす酸に接触させる最終FSA接触サブ工程をさらに含む請求項1から4のいずれかに記載のIII族窒化物半導体ウエハの製造方法。
  6. 前記下地基板を分離する工程は、前記最終FSA接触サブ工程の後に、前記複合基板を水洗した後乾燥させる水洗および乾燥サブ工程をさらに含む請求項5に記載のIII族窒化物半導体ウエハの製造方法。
  7. 前記第1の酸化物から生成する前記フッ化物を溶かす酸は、硝酸および塩酸からなる群から選ばれる少なくとも1種類の酸を含む請求項1から6のいずれかに記載のIII族窒化物半導体ウエハの製造方法。
  8. 前記第1の酸化物から生成する前記フッ化物を溶かす酸は、10質量%以上50質量%以下の硝酸水溶液である請求項1から6のいずれかに記載のIII族窒化物半導体ウエハの製造方法。
  9. 前記下地基板は、フッ化水素酸に実質的に不溶の第2の酸化物をさらに含む請求項1から8のいずれかに記載のIII族窒化物半導体ウエハの製造方法。
  10. 前記下地基板は、フッ化水素酸に可溶の第3の酸化物をさらに含む請求項1から9のいずれかに記載のIII族窒化物半導体ウエハの製造方法。
  11. 前記複合基板を準備する工程の後、前記複合基板の前記III族窒化物半導体膜から前記下地基板を分離する工程の前に、
    前記III族窒化物半導体膜上に少なくとも1層のIII族窒化物半導体層を成長させる工程を、さらに含む請求項1から10のいずれかに記載のIII族窒化物半導体ウエハの製造方法。
  12. 前記HF接触サブ工程における前記下地基板とフッ化水素酸との接触時間は、前記FSA接触サブ工程における前記下地基板と前記第1の酸化物から生成する前記フッ化物を溶かす酸との接触時間の0.5倍以上20倍以下である請求項1から11のいずれかに記載のIII族窒化物半導体ウエハの製造方法。
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