JP2010226023A - 窒化物系化合物半導体層を支持基板上に有する基板生産物を製造する方法、及び半導体デバイスの製造方法 - Google Patents

窒化物系化合物半導体層を支持基板上に有する基板生産物を製造する方法、及び半導体デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】窒化物系化合物半導体層を支持基板上に有する基板生産物を製造するために、異種基板同士を貼り合わせる工程を含む方法において、所望の半導体デバイスに適した基板を選択可能な方法を提供する。
【解決手段】窒化物系化合物半導体から成る第1の基板10の表層と、窒化物系化合物半導体とは異なる材料から成る第2の基板20の表面20aとを互いに接合させる。第1の基板10のうち表層を含む部分を層状に残して他の部分を除去することにより、窒化物系化合物半導体層30を第2の基板20上に形成する。窒化物系化合物半導体層30の表面30aと、窒化物系化合物半導体層30及び第2の基板20の双方と異なる材料から成る支持基板40の表面40aとを互いに接合させたのち、第2の基板20を窒化物系化合物半導体層30から剥離させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、窒化物系化合物半導体層を支持基板上に有する基板生産物を製造する方法、及びこの方法を用いた半導体デバイスの製造方法に関するものである。
特許文献1には、窒化物半導体膜を異種基板上に有する半導体基板の作製方法が開示されている。この文献に記載された方法は、GaN基板の表面近傍に上方からイオンを注入してイオン注入層を形成し、そのGaN基板の表面と単結晶シリコン基板とを重ね合わせた状態で熱処理を施すことによりそれらを貼り合わせ、イオン注入層を除くGaN基板の主な部分を単結晶シリコン基板から引き剥がすことにより、GaN薄膜をシリコン基板上に有する半導体基板を作製している。そして、この半導体基板のGaN薄膜上に種々の窒化物半導体層を成長させることで、LEDやトランジスタを作製している。
特開2006−210660号公報
二種類の基板同士を貼り合わせる際には、接合面となる基板表面の反りや厚み分布等が小さく平坦であることが好ましい。特許文献1では、GaN基板に貼り合わせられる基板として単結晶シリコン基板が例示されているが、単結晶シリコン基板は一般的に表面の平坦性が高く、反りや厚み分布も小さいのでこのような用途に適していると考えられる。
しかしながら、このような貼り合わせに適した基板が、半導体デバイスの基板としても好適であるとは限らない。貼り合わせに適した基板であっても、半導体デバイスの一部として利用可能な物性を有していない場合があるからである。例えば、シリコン基板上にGaN薄膜を有する半導体基板を用いて半導体デバイスを作製した場合、プロセス中の処理温度によっては、GaNとSiとが相互に反応してしまい所望の特性が得られないおそれがある。したがって、作製可能な半導体デバイスの種類が制限されてしまう。
また、半導体デバイスの基板として好適であっても、特許文献1に記載された方法に適していない場合もある。例えば、デバイスの表面側及び裏面側のそれぞれに電極を有する縦型デバイスには、導電率が高い金属製の基板が好適である。しかし、金属単体の表面は平坦性が比較的低いので、特許文献1に記載された方法において単結晶シリコン基板に代えて金属基板を用いると、GaN基板を引き剥がす際にイオン注入層ごと剥がれてしまうおそれがある。
本発明は、上記した問題点に鑑みてなされたものであり、窒化物系化合物半導体層を支持基板上に有する基板生産物を製造するために、異種基板同士を貼り合わせる工程を含む方法において、所望の半導体デバイスに適した基板を選択可能な方法を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明による方法は、窒化物系化合物半導体層を支持基板上に有する基板生産物を製造する方法であって、窒化物系化合物半導体から成る表層を含む第1の基板の表層と、窒化物系化合物半導体とは異なる材料から成る第2の基板の表面とを互いに接合させる第1の工程と、第1の基板のうち表層を含む部分を層状に残して他の部分を除去することにより、窒化物系化合物半導体層を第2の基板上に形成する第2の工程と、窒化物系化合物半導体層の表面と、窒化物系化合物半導体層及び第2の基板の双方と異なる材料から成る支持基板の表面とを互いに接合させたのち、第2の基板を窒化物系化合物半導体層から剥離させる第3の工程と、を備えることを特徴とする。
上記方法においては、窒化物系化合物半導体から成る表層を含む第1の基板と異種基板(第2の基板)とを接合させた後にこれらを剥離させることにより、窒化物系化合物半導体層を異種基板上に形成している。そして、更に、第1及び第2の基板とは別の支持基板と窒化物系化合物半導体層とを互いに接合させたのち、第2の基板を剥離させている。こうして、支持基板上に窒化物系化合物半導体層を有する基板生産物が得られる。この方法によれば、第2の基板と支持基板とを任意に選択できるので、例えば、第2の基板として平坦性の高い材質から成る基板を使用し、支持基板として所望の半導体デバイスに適した材質から成る基板(例えば、結晶成長に適した基板、或いは半導体デバイスの一部として利用可能な物性を有する基板)を選択することが可能となる。
また、本発明に係る方法では、第3の工程の後に、窒化物系化合物半導体層上に窒化物系化合物半導体から成るエピタキシャル層を成長させる工程を更に備えることが好ましい。これにより、所望の半導体デバイスの成長に更に好適な基板生産物を提供できる。
また、本発明に係る方法では、第1の基板が窒化物系化合物半導体から成ることが好ましい。これにより、窒化物系化合物半導体から成る表層を含む第1の基板を容易に準備できる。
また、本発明に係る方法では、第2の基板が、表面平坦性の良い基板、例えばシリコン基板やサファイア基板等であることが望ましい。これにより、第1の工程において第1の基板の表層と第2の基板の表面とをより強固に接合することができる。なお、第2の基板上には、酸化物層や金属層等の膜が形成されていても良い。
また、本発明に係る半導体デバイスの製造方法は、窒化物系化合物半導体層を支持基板上に有する基板生産物を用いて作製される半導体デバイスの製造方法であって、窒化物系化合物半導体から成る表層を含む第1の基板の表層と、窒化物系化合物半導体とは異なる材料から成る第2の基板の表面とを互いに接合させる第1の工程と、第1の基板のうち表層を含む部分を層状に残して他の部分を除去することにより、窒化物系化合物半導体層を第2の基板上に形成する第2の工程と、窒化物系化合物半導体層の表面と、窒化物系化合物半導体層及び第2の基板の双方と異なる材料から成る支持基板の表面とを互いに接合させたのち、第2の基板を除去する第3の工程と、窒化物系化合物半導体層上にデバイス層を形成する工程と、支持基板とは異なる材料から成る第3の基板をデバイス層に接合したのち、支持基板を除去する工程とを備えることを特徴とする。
上記製造方法によれば、前述した方法と同様、第2の基板と支持基板とを任意に選択できるので、第2の基板として平坦性の高い材質から成る基板を使用し、支持基板として所望の半導体デバイスに適した材質から成る基板を選択することが可能となる。なお、このような支持基板としては、デバイス層を形成するための結晶成長にとって好適な性質(耐熱性・耐腐食ガス性など)を有することが好ましい。また、デバイス層と熱膨張係数の近い基板が好ましい。また、上記製造方法においては、窒化物系化合物半導体層上にデバイス層を形成したのち、第3の基板をデバイス層に接合して支持基板を除去する。これにより、例えば支持基板としてデバイス層の成長に好適な基板を選択し、第3の基板として半導体デバイスの一部に利用可能な物性を有する基板を選択することが可能となる。なお、このような第3の基板としては、放熱性が高い材料、例えばセラミックス、SiC、モリブデン、及びタングステンのうち少なくとも一つの材料を含むことが好適である。また、半導体デバイスが発光デバイスである場合には、第3の基板として、光を取り出すことができる透明な基板を採用しても良い。
本発明によれば、窒化物系化合物半導体層を支持基板上に有する基板生産物を製造するために、異種基板同士を貼り合わせる工程を含む方法において、所望の半導体デバイスに適した基板を選択可能な方法を提供できる。
図1(a)は、本実施形態に係る基板生産物の製造方法において使用される第1の基板10を示している。図1(b)は、第1の基板10にイオンを注入する工程を示している。図1(c)は、第1の基板10と第2の基板20とを貼り合わせる工程を示している。 図2(a)は、第1の基板10と第2の基板20とを貼り合わせた基板を加熱する工程を示している。図2(b)は、第1の基板10が、窒化物系化合物半導体層30を残して第2の基板20から剥離した様子を示している。図2(c)は、窒化物系化合物半導体層30に支持基板40を貼り合わせる工程を示している。 図3(a)は、窒化物系化合物半導体層30を支持基板40上に有する基板生産物1を示している。図3(b)は、窒化物系化合物半導体層30上にエピタキシャル層60を形成する工程を示している。図3(c)は、エピタキシャル層60上に各半導体層70〜78を形成する工程を示している。 図4(a)は、各半導体層70〜78をメサエッチングする工程を示している。図4(b)は、アノード電極82及びカソード電極84を形成する工程を示している。 図5(a)は、デバイス層3上に第3の基板90を接合する工程を示している。図5(b)は、支持基板40を除去した後の半導体デバイス4を示している。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1〜図5は、本実施形態に係る基板生産物の製造方法、およびこの基板生産物を使用した半導体デバイスの製造方法における各工程を示す図である。なお、本実施形態の方法により製造される基板生産物は、窒化物系化合物半導体層を支持基板上に有するものである。
<第1の工程(第1の基板と第2の基板との貼り合わせ)>
まず、図1(a)に示すように、窒化物系化合物半導体(例えばGaN)から成る表層を含む第1の基板10を準備する。この第1の基板10は、好ましくは窒化物系化合物半導体から成る基板であり、典型的にはGaN基板である。第1の基板10は、例えばハイドライド気相成長法(HVPE法)により窒化物系化合物半導体を成長して作製されたものであり、酸素原子等の不純物がドープされていてもよい。
次に、この第1の基板10の表面にイオンを注入する。まず、第1の基板10の表面を研磨したのち、図1(b)に示すように、第1の基板10をイオン注入装置100に配置する。そして、第1の基板10の表面10aに所定の原子(好ましくは、水素、ヘリウム、窒素等)のイオン12を注入して、脆弱層10bを形成する。
続いて、図1(c)に示すように、窒化物系化合物半導体とは異なる材料から成る第2の基板20を準備する。そして、この第2の基板20の表面20aと、第1の基板10の表層(脆弱層10b)とを互いに接合させる。第2の基板20としては、表面20aの平坦性が高くて貼り合わせに適した基板、例えば表面20aに酸化層20bを有するシリコン基板が好適である。また、これらを接合させる前に、第1の基板10及び第2の基板20の各接合面を、ドライエッチング装置におけるアルゴンガス中で放電させて得られるプラズマにより予め清浄しておくと尚良い。
<第2の工程(第1の基板の剥離)>
続いて、図2(a)に示すように、互いに接合された第1及び第2の基板10,20をアニール炉200へ導入し、N雰囲気、O雰囲気、或いはN+O雰囲気の下でアニール処理を施す。このときの温度は、例えば300℃以上である。これにより、脆弱層10bに亀裂が発生し、図2(b)に示すように、脆弱層10bの表面10a側の部分のみ層状に残して第1の基板10の他の部分が第2の基板20から剥離する(第1の基板10の薄板化)。こうして、第1の基板10の他の部分が除去され、脆弱層10bは、GaNから成る窒化物系化合物半導体層30として、第2の基板20の表面20a上に残る。
なお、本実施形態ではイオン注入後の加熱によって第1の基板10の一部を第2の基板20上に残存させているが、第1の基板10を薄板化する方法は他の方法でも良く、例えば第1の基板10のイオン注入部分に力を加えて上記脆弱層10bを剥離させても良いし、第1の基板10をスライスしても良いし、研磨等によって薄板化しても良い。スライスする方法は特に制限されないが、例えば、放電加工機、ワイヤーソー、外周刃、内周刃、レーザ照射等が好適である。
<第3の工程(第2の基板と支持基板との貼り合わせ・剥離)>
続いて、図2(c)に示すように、窒化物系化合物半導体層30及び第2の基板20の双方と異なる材料から成る支持基板40を準備する。この支持基板40は、後の工程においてデバイス層を形成するための結晶成長にとって好適な性質(耐熱性・耐腐食ガス性など)を有することが好ましい。また、デバイス層と熱膨張係数の近い基板が好ましい。このような支持基板40としては、例えばGaNから成る窒化物系化合物半導体層30と熱膨張係数が近いAlN多結晶基板が好適である。そして、窒化物系化合物半導体層30の表面30aと、支持基板40の表面40aとを耐熱性無機接着剤層50等を介して互いに接合させる。その後、酸洗浄等を行うことにより酸化層20bを溶融させて第2の基板20を分離・除去する。これにより、図3(a)に示すように、窒化物系化合物半導体層30を支持基板40上に有する基板生産物1が作製される。
<エピタキシャル層形成工程>
続いて、図3(b)に示すように、窒化物系化合物半導体から成るエピタキシャル層60を窒化物系化合物半導体層30上に成長させる。エピタキシャル層60を構成する材料としては、その格子定数が窒化物系化合物半導体層30に近いもの、例えばGaNが好適である。このエピタキシャル層形成工程を経ることにより、表面の平坦性が高くデバイスの作製に更に好適な基板生産物2が作製される。
<デバイス層形成工程>
続いて、基板生産物2を用いた半導体デバイスの作製に移る。まず、図3(c)に示すように、基板生産物2のエピタキシャル層60上に、n型GaN層70及びn型AlGaN層72といった第1導電型の窒化物系化合物半導体層、発光層74、並びにp型AlGaN層76及びp型GaN層78といった第2導電型の窒化物系化合物半導体層を成長させる。発光層74は、電流(キャリア)が注入されることにより光を発生する層であり、多重量子井戸構造を有している。具体的には、発光層74は、複数のバリア層及び井戸層が交互に積層されることにより構成されている。バリア層及び井戸層は、AlX3InGa1−X3−YN(0≦X3<1、0≦Y<1、0<X3+Y<1)といった窒化物系化合物半導体からなる。バリア層及び井戸層の組成は、バリア層のバンドギャップが井戸層のバンドギャップよりも大きくなるように調整されている。この構成により、発光層74に注入されたキャリアが井戸層に効率よく閉じ込められる。
続いて、図4(a)に示すように、各半導体層70〜78の一部をエッチング(メサエッチング)することにより、n型GaN層70の一部の表面を露出させる。そして、真空蒸着法や電子ビーム蒸着法によって、図4(b)に示すようにアノード電極82及びカソード電極84を形成する。このとき、アノード電極82は、p型GaN層78の発光層74と対向する面とは反対側の面上に、ほぼ全面にわたって設けられる。アノード電極82は例えばNi/Au/Al/Auといった金属を順次積層してなり、アノード電極82とp型GaN層78との間でオーミック接触が実現される。
また、カソード電極84は、n型GaN層70のエピタキシャル層60と対向する面とは反対側の面上において、n型AlGaN層72、発光層74、p型AlGaN層76、及びp型GaN層78が設けられた領域とは別の領域上に設けられる。カソード電極84は、例えばTi/Al/Auといった金属を順次積層してなり、カソード電極84とn型GaN層70との間でオーミック接触が実現される。
以上の工程により、発光ダイオードといった機能を有するデバイス層3が、エピタキシャル層60上に形成される。
<第3の基板の接合工程>
続いて、図5(a)に示すように、支持基板40とは異なる材料から成る第3の基板90を、デバイス層3の支持基板40と対向する面とは反対側の面上に接合する。具体的には、デバイス層3のアノード電極82と第3の基板90の表面とを接合する。この第3の基板90は、半導体デバイスの一部として利用可能な物性を有する基板であり、例えば放熱性が高いヒートシンク基板(セラミックス、SiC、モリブデン、及びタングステンのうち少なくとも一つの材料を含むもの)が好適である。一実施例では、このヒートシンク基板を共晶接合によりアノード電極82に接合する。なお、半導体デバイスが発光デバイスである場合には、第3の基板90として、光を取り出すことができる透明な基板を採用しても良い。
その後、支持基板40及び耐熱性無機接着剤層50を研磨等によって除去することにより、図5(b)に示すように、発光ダイオードといったデバイス層3を第3の基板90上に有する半導体デバイス4が提供される。
以上に説明した本実施形態の方法によれば、以下の効果が得られる。すなわち、本実施形態の方法においては、第1の基板10と第2の基板20とを貼り合わせて剥離することにより窒化物系化合物半導体層30を異種基板(第2の基板20)上に形成したのち、更に、第1及び第2の基板10,20とは別の支持基板40と窒化物系化合物半導体層30とを互いに接合させ、この後に第2の基板20を剥離させている。この方法によれば、第2の基板20と支持基板40とを任意に選択できるので、例えば、第2の基板20として平坦性の高い材質から成る基板を使用し、支持基板40として所望の半導体デバイスに適した材質から成る基板(例えば、結晶成長に適した基板、或いは半導体デバイスの一部として利用可能な物性を有する基板)を選択することが可能となる。
また、本実施形態のように、第2の基板20を除去した後、窒化物系化合物半導体から成るエピタキシャル層60を窒化物系化合物半導体層30上に成長させることが好ましい。これにより、所望の半導体デバイスの成長に更に好適な基板生産物2を提供できる。
また、本実施形態のように、第1の基板10は窒化物系化合物半導体から成ることが好ましい。これにより、窒化物系化合物半導体から成る表層を含む第1の基板10を容易に準備できる。
また、本実施形態のように、第2の基板20は、表面平坦性の良い基板、例えばシリコン基板やサファイア基板等であることが望ましい。これにより、第1の工程において第1の基板10の表層と第2の基板20の表面20aとをより強固に接合することができる。なお、第2の基板20上には、本実施形態のように酸化層20bや金属層等の膜が形成されていても良い。
本実施形態の方法において用いられる第2の基板20としては、窒化物系化合物半導体層30となる脆弱層10bを保持できる程度の硬さか厚みを有し、更に第1の基板10と接合される表面20aの平坦性が良く、反り・厚み分布が少ない基板が望ましい。第2の基板20としてこのような基板を用いることで、品質の良い窒化物系化合物半導体層30を作製できる。
デバイス層3を形成する際に使用される支持基板40は、窒化物系化合物半導体層30を保持できる程度の硬さか厚みを有すると共に、デバイス層3を形成するための結晶成長にとって好適な性質(耐熱性・耐腐食ガス性など)を有することが好ましい。例えば、図3(c)に示した各半導体層70〜78を成長させるプロセスにおいて1000℃以上でアンモニアや水素等を含む高温のガスに曝されることから、そのような環境に耐えられる材料系から成ることが好ましい。また、支持基板40としては、窒化物系化合物半導体層30と熱膨張係数の近い基板が好ましい。
基板同士を貼り合わせる方法としては様々な方法があるが、例えば互いの接合面を鏡面に仕上げて荷重を加えながら加熱する方法、基板をプラズマ中に曝すことにより接合させる方法、真空中のプラズマ、イオン、又は中性粒子等で接合面を叩くことにより接合面の反応を増加させて接合させる方法などが好適である。或いは、接着剤を接合面にコーティングしたり付着させることで接合させてもよい。また、金属を接合界面に介在させて加熱することで共晶接合させる方法や、イオンが移動しやすい材料を基板間に介在させて接合する方法なども好適である。異種基板同士が、接合面以外において当該基板の特性を保持できる接合方法であれば、特に限定されない。
第2の基板20や支持基板40を除去する方法としては、本実施形態で例示したもののほか、薬液等で基板を溶かす方法や、基板上に薄膜を形成し貼り合わせを行ったあと界面の薄膜を薬液によって溶かすなどの化学的な方法や、スライス・研磨等で力学的に削り除去する方法がある。
また、本実施形態に係る半導体デバイスの製造方法によれば、支持基板40上にデバイス層3を形成したのち、第3の基板90をデバイス層3に接合して支持基板40を除去するので、例えば支持基板40としてデバイス層3の成長に好適な基板を選択し、第3の基板90として半導体デバイス4の一部に利用可能な物性を有する基板を選択することが可能となる。
第3の基板90としては、窒化物系化合物半導体層30を保持できる程度の硬さか厚みを有すると共に、上述したように半導体デバイス4の一部として利用可能な物性を持つ基板が好ましい。例えば、本実施形態において例示したように、半導体デバイス4から発生する熱を効率良く放出できる、ヒートシンク材料、セラミック材料、SiC、モリブデン・タングステン等といった、放熱性の良い金属などによって第3の基板90が構成されていると良い。また、本実施形態のように半導体デバイス4が発光デバイスであれば、第3の基板90として、光を取り出すことができる透明な基板を採用しても良い。
上記実施形態に係る基板生産物2、及び半導体デバイス4の一実施例について説明する。まず、第1の基板として、HVPE法によって成長させた直径2インチ(50.8ミリメートル)の酸素ドープGaN基板(厚さ300μm)を準備する。このGaN基板の表面(ウェハ面)は(0001)面である。このGaN基板の比抵抗は1オーム・cm以下、キャリア濃度は1×1017cm−3以上である。このGaN基板は両面が鏡面研磨されている。このGaN基板のGa面に水素イオンを注入する。このとき、加速電圧を90keVとし、ドーズ量を7×1017/cmと設定する。
次に、第2の基板として、表面が熱酸化されて厚さ100nmのSiO層を有するSiウェハを準備する。そして、GaN基板及びSiウェハをドライエッチング装置にセットし、GaN基板の接合面(Ga面)と、Siウェハの接合面(SiO層の表面)とを、アルゴン(Ar)ガス中で放電させて得られるプラズマに曝して清浄面とする。その後、GaN基板及びSiウェハの接合面同士を接合させる。なお、Arガスの条件の一例は、流量50sccm(標準立方センチメートル)、圧力6.7Paである。
続いて、互いに接合されたGaN基板及びSiウェハをアニール炉に導入し、N雰囲気、N+O雰囲気、又はO雰囲気で且つ300℃以上の条件でもってアニール処理を施す。これにより、Siウェハ上に一部を層状に残してGaN基板が剥離する。このようにして、表面モフォロジーの良い良質なGaN層がSiウェハ上に形成される。
続いて、このGaN層の上に、耐熱性無機接着剤を介在させてAlN多結晶基板を貼り合わせる。そして、この貼り合わせ基板に酸洗浄を施すことにより、Siウェハの表面(GaN層との界面)に存在するSiO層が溶け、Siウェアが取り除かれてGaN層のN面が露出する。
こうして露出したGaN層のN面上に、厚さ3μmのn型GaNエピタキシャル層をMOCVD法により成長させる。このとき、成長温度を1000℃とする。こうして得られるn型GaNエピタキシャル層の結晶性は高くなり、表面モフォロジーも良好となる。なお、実際に作製した例では、n型GaNエピタキシャル層の(0002)面に関するロッキングカーブにおけるX線回折ピークの半値幅が210arcsecとなった。
続いて、n型GaNエピタキシャル層上に、厚さ5μmのn型GaN層、厚さ0.5μmのn型Al0.05Ga0.95N層、6対のIn0.15Ga0.85N層およびIn0.01Ga0.99N層から成るMQW(多重量子井戸)構造を有する厚さ100nmの発光層、厚さ20nmのp型Al0.20Ga0.80N層、厚さ0.15μmのp型GaN層を、MOCVD法により順次成長させる。そして、メサエッチングによりn型GaN層の一部の表面を露出させたのち、真空蒸着法または電子ビーム蒸着法により、p型GaN層上にp側電極を形成し、n型GaN層の露出面上にn側電極を形成する。
なお、本実施例により実際に作製した半導体デバイスに対し、80mAの電流を注入し、ピーク波長450nmにおける発光強度をEL(エレクトロルミネッセンス)法により測定したところ、発光特性の高い半導体デバイスが得られることが確認された。
最後に、デバイス自身の発熱による劣化を抑えるために、放熱性の良い(例えばタングステン合金製の)ヒートシンク基板を、半導体デバイス上に共晶接合により貼り付ける。その後、AlN多結晶基板を研磨によって取り除く。
本発明による方法は、上記した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態および実施例では、第1の基板として窒化物系化合物半導体基板を例示したが、窒化物系化合物半導体から成る表層を含む基板であれば、該基板の主要部が他の材質から成る場合であっても第1の基板として利用可能である。また、上記実施形態及び実施例では、本発明に係る半導体デバイスの例として発光ダイオードを例示したが、本発明は、窒化物系化合物半導体によって構成される他の様々な半導体デバイスに適用可能である。
1,2…基板生産物、3…デバイス層、4…半導体デバイス、10…第1の基板、10b…脆弱層、12…イオン、20…第2の基板、20b…酸化層、30…窒化物系化合物半導体層、40…支持基板、50…耐熱性無機接着剤層、60…エピタキシャル層、70…n型GaN層、72…n型AlGaN層、74…発光層、76…p型AlGaN層、78…p型GaN層、82…アノード電極、84…カソード電極、90…第3の基板、100…イオン注入装置、200…アニール炉。

Claims (6)

  1. 窒化物系化合物半導体層を支持基板上に有する基板生産物を製造する方法であって、
    窒化物系化合物半導体から成る表層を含む第1の基板の前記表層と、窒化物系化合物半導体とは異なる材料から成る第2の基板の表面とを互いに接合させる第1の工程と、
    前記第1の基板のうち前記表層を含む部分を層状に残して他の部分を除去することにより、窒化物系化合物半導体層を前記第2の基板上に形成する第2の工程と、
    前記窒化物系化合物半導体層の表面と、前記窒化物系化合物半導体層及び前記第2の基板の双方と異なる材料から成る前記支持基板の表面とを互いに接合させたのち、前記第2の基板を除去する第3の工程と
    を備える、ことを特徴とする方法。
  2. 前記第3の工程の後に、前記窒化物系化合物半導体層上に窒化物系化合物半導体から成るエピタキシャル層を成長させる工程を更に備えることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1の基板が窒化物系化合物半導体から成ることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記第2の基板が、シリコン基板またはサファイア基板であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 窒化物系化合物半導体層を支持基板上に有する基板生産物を用いて作製される半導体デバイスの製造方法であって、
    窒化物系化合物半導体から成る表層を含む第1の基板の前記表層と、窒化物系化合物半導体とは異なる材料から成る第2の基板の表面とを互いに接合させる第1の工程と、
    前記第1の基板のうち前記表層を含む部分を層状に残して他の部分を除去することにより、窒化物系化合物半導体層を前記第2の基板上に形成する第2の工程と、
    前記窒化物系化合物半導体層の表面と、前記窒化物系化合物半導体層及び前記第2の基板の双方と異なる材料から成る前記支持基板の表面とを互いに接合させたのち、前記第2の基板を除去する第3の工程と、
    前記窒化物系化合物半導体層上にデバイス層を形成する工程と、
    前記支持基板とは異なる材料から成る第3の基板を前記デバイス層に接合したのち、前記支持基板を除去する工程と
    を備える、ことを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
  6. 前記第3の基板が、セラミックス、SiC、モリブデン、及びタングステンのうち少なくとも一つの材料を含むことを特徴とする、請求項5に記載の半導体デバイスの製造方法。
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