JP2007180142A - 窒化物系半導体素子及びその製造方法 - Google Patents

窒化物系半導体素子及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高電気伝導度を有する結晶基板を備えた窒化物系半導体素子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】n型酸化亜鉛からなる第1の基板と、前記第1の基板上に設けられた窒化物系半導体からなるp型低抵抗層と、前記p型低抵抗層上に成長され、窒化物系半導体からなる積層体と、を備え、前記第1の基板と前記p型低抵抗層とは実質的にオーミックコンタクトを形成することを特徴とした窒化物系半導体素子が提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、窒化物系半導体素子及びその製造方法に関する。
白色半導体発光素子や大電力用素子の材料としては、バンドギャップが大である窒化物系半導体が適している。窒化物系半導体は、融点が極めて高く、窒素の平衡蒸気圧も極めて高いため、融液からのバルク結晶の成長が困難である。従って、エピタキシャル膜を成長させる場合の基板として単結晶窒化物を用いることが容易ではない。そこで、サファイヤ、炭化珪素(SiC)などからなる異種基板上にエピタキシャル成長させる構造及び製造方法が一般的に用いられている。
この場合、例えば窒化ガリウム系半導体の積層体が、サファイヤ基板上にMOCVD(metal-organic chemical vapor deposition)法などを用いて成長される。サファイヤ基板は絶縁性である。従って、半導体素子の基板側電極は、積層体の上または横方向から引き出す必要がある。この電流経路を構成する積層体の厚みは、通常数マイクロメータ以下であるので、シート抵抗値が高くなる。この結果、半導体素子の動作電圧が高くなる。また、電極形成工程が複雑であると共に、素子のサイズが大となる。
窒化物系半導体の積層体を成長するための基板として、高電気伝導度とすることが可能な炭化珪素(SiC)または酸化亜鉛(ZnO)を用いる技術開示例がある(特許文献1)。ところが、照明用途としては、数百ミリアンペア以上の電流で駆動できる半導体発光素子を10個程度備えた半導体発光装置が必要である。これを実現するには、従来技術と比べてほぼ10倍以上の電流で駆動する窒化物系半導体発光素子(緑色、青色、紫外線光)が要求される。上述した技術開示例では、これを実現するには不十分である。
特開平10−341037号公報
本発明は、高電気伝導度を有する結晶基板を備えた窒化物系半導体素子及びその製造方法を提供する。
本発明の一態様によれば、n型酸化亜鉛からなる第1の基板と、前記第1の基板上に設けられた窒化物系半導体からなるp型低抵抗層と、前記p型低抵抗層上に成長され、窒化物系半導体からなる積層体と、を備え、前記第1の基板と前記p型低抵抗層とは実質的にオーミックコンタクトを形成することを特徴とした窒化物系半導体素子が提供される。
また、本発明の他の一態様によれば、n型酸化亜鉛からなる第1の基板と、第2の基板上に成長された窒化物系半導体からなるp型低抵抗層とを接着する工程と、前記第2の基板を除去することにより前記p型低抵抗層の主面を露出させる工程と、露出させた前記主面上に、窒化物系半導体からなる積層体を成長する工程と、を備えたことを特徴とする窒化物系半導体素子の製造方法が提供される。
本発明により、高電気伝導度を有する結晶基板を備えた窒化物系半導体素子及びその製造方法が提供される。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態につき説明する。
図1は、本発明の第1の具体例にかかる窒化物系半導体発光素子の模式断面図である。第1の基板であるn型ZnO基板10上に、p型GaNなどからなる低抵抗層12(層厚0.2〜5.0マイクロメータ)が形成されている。さらに、p型低低抗層12の上には、p型GaN層20(層厚0.1〜0.4マイクロメータ)、p型InGaAlNからなるp型クラッド層22(層厚0.5〜1.0マイクロメータ)、InGaAlN系MQW(Multi Quantum Well)などからなる活性層24(層厚0.05〜0.2マイクロメータ)、n型InGaAlNからなるn型クラッド層26(層厚0.5〜1.0マイクロメータ)、n型GaNからなるコンタクト層28(層厚1.0〜4.0マイクロメータ)などによる窒化物系半導体の積層体29が成長されている。コンタクト層28上には第1電極30、n型ZnO基板裏面には第2電極31がそれぞれ設けられている。
第1電極30への電流経路は、導電型がn型であるコンタクト層28において横方向に広がり、n型クラッド層26、活性層24、p型クラッド層22、p型GaN層20、n型ZnO基板10を経由して第2電極31に到達する。活性層24において、電子とホールとの再結合により発光を生じる。この場合、コンタクト層28は、面積が小である第1電極30への電流経路を面積が大である活性層24へ効果的に広げることが好ましい。
第1具体例において用いられているn型ZnO基板10のバンドギャップは約3.37eVであり、そのバンドギャップ波長は約368ナノメータである。従って、このバンドギャップ波長以上の発光波長はn型ZnO基板10内で殆ど吸収されずに、外部へ放射される。波長368ナノメータ以上ということは、紫色以上の可視光を全て含むので、この波長帯において高い光取り出し効率が実現できる。
次に、p型低抵抗層12と第1の基板であるn型ZnO基板10との接合における作用について説明する。コンタクト層28は、光の取り出し効率を高めるため比較的小面積である第1電極30からの注入電流を積層体の横方向へ広げる作用をする。例えば、窒化ガリウム材料においては、Mg(マグネシウム)などのp型不純物が充分には活性化されないのでn型と比べて低抵抗とすることが困難になる。従って、コンタクト層28はn型がより好ましい。
そこで、本実施形態においては、活性層24を挟んで上側にはn型クラッド層26、下側にはp型クラッド層22が配置されている。p型クラッド層22とn型ZnO基板10との間には、p型低抵抗層12が設けられている。このp型低抵抗層12とn型ZnO基板10とのpn接合が、半導体発光素子を構成するpn接合とは逆の構造となっているにも拘らず、オーミックとなる理由を以下に説明する。
ここで、p型低抵抗層12としてはp型GaNを用いることができる。
図2(a)は、接合界面におけるキャリア濃度が1×1018/cm以下の場合のエネルギバンド図である。
n型ZnO40及びp型GaN44のバンドギャップエネルギは3.3乃至3.4eVで非常に近い。熱平衡状態において、フェルミレベル48が一致するように接合が形成される。伝導帯バンド不連続ΔEc及び価電子帯バンド不連続ΔEvは、約0.8eVである。このような比較的大きなバンド不連続であっても、図2に例示されるようにn型ZnO/p型GaN界面にエネルギスパイクは発生しない。従って、この場合は、一般的なpn接合特性を有し、逆方向へは電流が流れにくい。但し、順方向ではバンド不連続量に対応した分だけ立ち上がり電圧が高い。
また、図2(b)は、接合界面におけるキャリア濃度が5×1018/cm以上の場合のエネルギバンド図である。本図に例示されるように、キャリア濃度が高くなると空乏層幅が小となるためにトンネル電流が大となる。例えば1×1019/cmのキャリア濃度とすると、空乏層幅が20ナノメータ以下となるので、電圧を印加することなしにキャリアのトンネルを生じる。このようにして、この界面はオーミックコンタクトを形成することができる。
n型ZnO基板10上にp型低抵抗層12を積層するには、何通りかの方法があるが、いずれの方法においても結晶成長またはウェーハ接着などを行うための高温工程を経る。この高温工程により、p型低抵抗層12を構成するGaN,InGaN,InGaAlN、GaAlNからGa、In,Alが界面を通過してZnO層に拡散される。一方、n型ZnO基板10を構成するZnOからZnが界面を通過してp型低抵抗層12に拡散される。このような高温工程により、上記したオーミックコンタクトを形成できる。なお、製造工程に関しては、後に詳細に説明する。
このように、界面近傍においてn型ZnO基板10のドナー濃度を5×1018/m以上、特には5×1019/m以上とすることが好ましい。同様に、p型低抵抗層12のアクセプタ濃度を5×1018/m以上、特には5×1019/mとすることが好ましい。
図3は、比較例にかかる異種基板であるサファイヤ基板50を用いた半導体発光素子の模式断面図である。
サファイヤ基板50上に、低温成長AlNバッファ層52、n型GaN層54、InGaAlNからなるn型クラッド層56、InGaAlN系MQW構造である活性層58、InGaAlNからなるp型クラッド層60、p型GaN層62がこの順序で成長されている。n型クラッド層56から上であり選択的に残された活性層58を含む領域の上部には、p型GaNコンタクト層66を介してp側電極68が設けられている。
一方、露出したn型クラッド層56の上部にはn側電極64が設けられる。p側電極68から注入された電流は、p型GaN層62において横方向に広がり、p型クラッド層60、活性層58、n型クラッド層56を経由して、n型GaN層を横方向に進みn側電極64に到達する。この結果、電子とホールとの再結合により、活性層58から緑色、青色、紫外線光などが放射される。
サファイヤ基板50上に成長される窒化ガリウム系半導体の積層体の厚みは数マイクロメータと薄い。したがってこの領域のシート抵抗は高くなり、この積層体とn側電極64との電流経路における直列抵抗値が高くなる。この結果、数百ミリアンペアの大電流時には高温となり発光効率が低下する。同時に、大電流時には電流が積層体のそれぞれの膜の面内で不均一となる傾向であることや、サファイヤ熱伝導率が充分には高くないことから、発光効率が一層低下する。さらに、横方向の電極形成工程は複雑である。
これに対して、図1に例示される第1具体例においては、第2電極31は、n型ZnO基板10の主面のほぼ全面に広げられる。この結果、直列抵抗の低減が可能となり、ZnOの熱伝導率がサファイヤの約1.5倍であることも合わせて、大電流動作が可能となる。さらに、全面電極の形成工程は比較例におけるよりも容易である。結果として、歩留まりが改善され、価格低減が可能となる。
次に、第1具体例におけるn型ZnO基板10について説明する。半導体発光素子に用いる基板としては、既に説明したように、ZnOのバンドギャップ波長である約368ナノメータより長い発光波長に対して光吸収を生じないので、高い取り出し効率が可能である。
また、ZnOはGaNと同様、六方晶系ウルツ鉱構造を有しており格子間距離もほぼ等しい。例えば、サファイヤとGaNとの格子定数差は10%以上であるのに対して、ZnOとGaNとの格子定数差は4%以下と小さい。従って、結晶歪が低減できて積層体の反りやクラックが防止できる。この結果、ZnO基板上に設けられた窒化ガリウム系半導体素子の性能向上が可能となる。
さらに、ZnOはサファイヤより熱伝導にすぐれている。すなわち、サファイヤの熱伝導率が0.4W/(K・cm)であるのに対して、ZnOでは0.6W/(K・cm)と約1.5倍である。従って、大電流駆動による照明用途などの高出力半導体発光装置や、大電力用半導体素子に適している。
次に、第1具体例にかかるn型ZnO基板10上にp型低抵抗層12を形成する製造工程について説明する。この製造工程には、気相成長法またはウェーハ接着法を用いることができる。まず、気相成長法について説明する。
図4は、n型ZnO基板に気相成長法によりp型低抵抗層12を成長した摸式断面図である。
n型ZnO基板10上に、p型低抵抗層12を成長する。この場合、p型低抵抗層12としては、p型GaN,p型InGaN、p型InGaAlN、p型GaAlNなどをMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法により成長する。原料には、アンモニア、TMI(Tri-methyl Indium),TMA(Tri-methyl Aluminum),TMG(Tri-Methyl Gallium),Cp2Mgなどが用いられ、成長温度は900〜1,200℃の範囲が好ましい。このp型低抵抗層12の成長温度は、Ga、In,Alをn型ZnO基板10側へ拡散させるのに充分である。同様に、この成長温度は、Znをp型低抵抗層12側へ拡散させるのに充分である。この結果、両者の界面近傍には5×1018/m以上のドナー濃度及びアクセプタ濃度の領域が形成できるので、低抵抗かつオーミックであるpn接合が可能となる。
また、MOCVD法ではなく、VPE(Vapor Phase Epitaxy)法によっても成長することも可能である。この場合、p型低抵抗層12としては、p型GaN,p型InGaNが好ましい。原料には、アンモニア、Ga、In、塩化水素などが用いられ、成長温度は900乃至1200℃の範囲が好ましい。この成長温度は、Ga,Inをn型ZnO基板10側へ拡散させるのに充分である。同様に、この成長温度は、Znをp型低抵抗層12側へ拡散させるのに充分である。この結果、両者の界面近傍には5×1018/m以上のドナー濃度及びアクセプタ濃度の領域が形成できるので、低抵抗かつオーミックであるpn接合が可能となる。
さらに、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法によっても多層膜を成長することが可能である。III族原料には、Ga、In、Al、TMG,TMA、TMIなどを用いる。V族の原料には、窒素、ターシャルブチルアミン、ジメチルヒドラジン、アンモニアなどを用いる。p型不純物の原料としては、MgまたはCp2Mgなどを用いる。成長温度は600乃至900℃とする。n型ZnO基板内においてp型GaN層などと接する近傍には5×1018/cm以上の高濃度のGaやInが拡散して高いドナー濃度のn型層ができ、同時にp型GaN層においてn型ZnO層と接する近傍には、5×1018/cm以上の高濃度の亜鉛が拡散して高いドナー濃度のp型層ができる。従って、界面近傍ではキャリア濃度の高いpn接合が形成され、界面をキャリアがトンネルすることで低抵抗のオーミックコンタクトが形成できる。
次に、ウェーハ接着法を用いる製造工程について説明する。
図5は、n型ZnO基板10上にp型低抵抗層12を形成する製造工程の要部を表わす工程断面図である。
図6は、製造方法の要部を表すフロー図である。
まず、図5(a)に表したように、n型GaNのような第2の基板14上に、GaN,InGaN,InGaAlN、GaAlNなどからなるp型低抵抗層12を成長する(ステップS90)。この工程には、すでに説明した気相成長法と同様に、MOCVD法、VPE法、またはMBE法によりを用いることができる。その層厚は、0.2〜5.0マイクロメータの範囲とする。
次に、成長したp型低抵抗層12の表面を、機械的、化学的に、またはその両方を用いて研磨する。そして、第2の基板14とp型低抵抗層12との界面近傍に、イオン注入装置を用いて、大量の水素イオンHを注入する(ステップS92)。この場合、第2の基板14をのちの工程で除去するので、p型低抵抗層12をできるだけ多く残すように、水素イオン注入領域16は第2の基板とp型低抵抗層12との界面近傍でありかつ第2の基板14側に大部分が含まれるようにするのが好ましい。図5(b)は、イオン注入後の模式断面図である。
ここで、イオン注入条件につき説明する。注入エネルギーが小であると注入層が深くできず、大であると注入ダメージが大となる。そこで、注入エネルギーは、5〜500keVの範囲が好ましい。また、ドーズ量が小であると機械的強度を小とするのが困難であり、大であるとダメージが大となる。そこで、ドーズ量は、5×1015〜1×1019/cm2の範囲が好ましい。
なお、イオンとしては、水素イオンに限定されず、窒素イオン、酸素イオンなどであってもよい。
次に、第2の基板14上に設けられたp型低抵抗層12の表面側とn型ZnO基板10とを、ウェーハ状態で接着する(ステップS94)。この接着工程は、両方のウェーハの接着したい鏡面を表面張力で張り合わせたのち、不活性ガス雰囲気中で加熱することにより行われる。この接着工程は、約600℃で約1時間行われる。図5(c)は、接着前の両方のウェーハを表わす模式図である。矢印の向きに張り合わせられる。図5(d)は、接着後を表わす模式断面図である。
次に、水素注入領域16を境目として分離がなされる(ステップS96)。水素が注入された領域はアモルファス的構造となり機械的強度が低下しているので分離が容易である。分離方法としては、熱処理または機械的衝撃を用いることができる。例えば、ウェーハ接着工程における加熱または冷却による自然剥離や、その後の熱処理による剥離を用いることができる。または、側面へのウォータジェットやレーザ照射を用いることもできる。この場合、第2の基板14とp型低抵抗層12との境界でありp型低抵抗層12側の水素注入領域16で分離がなされる。図5(e)は、矢印の方向に第2の基板14の除去後を表わす模式図である。
p型低抵抗層12が接着されたn型ZnO基板10は、700乃至900℃で約2時間熱処理される。この熱処理温度は、Ga,In、Alをn型ZnO基板10側へ拡散させるのに充分である。同様に、この温度は、Znをバッファ層側へ拡散させるのに充分である。この結果、両者の界面近傍には1×1019/m以上のドナー濃度及びアクセプタ濃度の領域が形成できるので、低抵抗かつオーミックであるpn接合が実現できる。なお、分離された第2の基板14は、最初の工程に戻して最利用することができる。さらに、第2の基板としては、n型GaNに限定されず、サファイヤ、SiC,GaAsを用いても良い。
図5(f)は、p型低抵抗層12上にp型GaN層20以降活性層24を含む積層体29が成長された工程(ステップS98)後における素子の模式断面図である。結晶成長方法としては、MOCVD法、VPE法、MBE法、及びそれらの併用方法を用いることができる。続いて、第1電極30、及び第2電極31が形成される。このようにしてウェーハ工程が完了し、半導体発光素子の分離工程を行って製造工程が完了する。
次に、第2の基板14としてサファイヤを用いる場合につき説明する。まず、サファイヤ基板上に、GaN,InGaN,InGaAlN,GaAlNからなるp型低抵抗層12を層厚0.2〜10.0マイクロメータで成長する。n型GaNを用いる場合と比較すると、p型低抵抗層12の厚み上限が2倍である。なお結晶成長法として、MOCVD法、VPE法、MBE法、またはそれらを組み合わせた方法を用いることができる。以下、研磨工程乃至熱処理まではn型GaN基板を用いる場合と同様とできる。このようにして、n型ZnO基板10上にp型低抵抗層12を形成できる。このあと、窒化物系半導体の積層体29の成長工程以降を行い、窒化物系半導体発光素子が完成する。
SiC基板を用いる工程もサファイヤを用いる場合と同様にできる。さらに、第2の基板としてGaAsを用いる場合には、GaAs基板を除去後の熱処理工程温度範囲が、750乃至900℃である点以外はサファイヤを用いる場合と同様にできる。この場合、サファイヤを用いる場合と比較して熱処理温度範囲の下限が50℃高い。このようにして、n型ZnO基板10上にp型低抵抗層12を形成できる。このあと、窒化物系半導体の積層体29の成長工程以降を行い、窒化物系半導体発光素子が完成する。
GaN,サファイヤ、SiC,GaAsなどのうちいずれの基板を選択するかは、結晶成長されるp型低抵抗層12の品質、水素イオン注入の容易さ、基板除去工程の容易さなどを考慮して適正に行うことができる。n型ZnOとは線膨張率やヤング率など材料定数が異なるこれらの基板材料から選択できるので、自由度が大きくなる。
図7は、第2の具体例にかかる窒化物系半導体素子の模式断面図である。なお、図1と同様の構成要素には同一番号を付して詳細な説明を省略する。
図5(f)に例示された多層膜の最上層であるn型GaN層28の上部に厚み数マイクロメータであるAu系金属からなる第1接着電極80を設ける。なお、本図は、図11とは上下を逆にしてある。また、第3の基板84の上部にも厚み数マイクロメータであるAu系金属からなる第2接着電極82を同様に形成する。第1接着電極80と第2接着電極82とは互いに接着されて図7に例示される構造が得られる。第1接着電極80は、高光反射率と低電気抵抗を実現するために設けられている。本図に例示された矢印は活性層24からの放射光の一例を表す。第3の基板84には、第3電極32が形成される。
第3の基板84としては、Si,SiC、C、CuW(銅タングステン),ダイアモンドなどの高熱伝導率材料を用いることが好ましい。
図8は、第1接着電極80と第2接着電極82とを接着する工程を説明する模式図であり、図9はその要部を表わす工程フロー図である。
まず第1接着電極80及び第2接着電極82がそれぞれの基板上に形成される(ステップS100及びS102)。続いて、両方の電極表面を表面張力により貼り合わせた後、不活性ガス雰囲気中において約600℃、約1時間の加熱により接着がなされる(ステップS108)。
さらに、n型ZnO基板10の厚みを低減することもできる。すなわち、GaNのバンドギャップ波長は、ZnOのバンドギャップ波長の368ナノメータよりやや小である。BInGaAlNからなる材料もGaNに近いバンドギャップ波長を有しているので、その放射光が紫外線光であればZnO内で減衰して、光取り出し効率が低下する。これを抑制するために、n型ZnOの厚みを低減することは効果が大である(図9において、破線で表されるS106の工程による)。この場合、機械的及び化学的研磨を用いることができる。また、ZnOは酸類により比較的容易に溶解、除去されるのでウェットエッチングを用いることも可能である。
これらの方法を用いてn型ZnO基板10の厚みを0〜150マイクロメータの範囲で適正に選択することにより、紫外光領域における光取り出し効率が改善できる。
図10は、n型ZnO基板10を全て除去した第2具体例の変形例1である窒化物系半導体発光素子の模式図である。なお、図7と同様の構成要素には同一番号を付して詳細な説明を省略する。
図11は、第2具体例の変形例2を表す模式断面図である。本図においても、図7と同様の構成要素には同一番号を付して詳細な説明を省略する。本変形例においては、活性層24からの放射光のうち、下方に向かう光の多くの部分は第1接着電極80において反射されて側面から外部に取り出される。この場合、さらにn型ZnO基板10の一表面を粗面化することにより、全反射が抑制されて活性層24からの放射光がn型ZnO基板10の主面からより多く外部に取り出される。粗面化の方法としては、粗面化すべき箇所以外をレジストなどにより覆った後、塩酸や酢酸などを含む溶液を用いたエッチング方法を用いることができる。溶液濃度や溶液温度を調整することにより、高低差が0.1乃至10マイクロメータの範囲の微細な凹凸を形成することができる。
以上、主として窒化物系半導体発光素子に関して説明を行った。しかし、本発明はこれに限定されない。すなわち、広いバンドギャップの利点を生かして高温動作可能なFETなど電力用半導体素子へも応用可能である。すでに述べたようにZnOの熱伝導率はサファイヤの1.5倍であるので放熱特性が改善でき、一層高温特性にすぐれた窒化物系半導体素子が可能となる。さらに、ZnOが高電気伝導度を有していることにより基板側に電極を設ける構造が可能な点も電力用途に適している。
また、窒化物系半導体の有する高電子飽和速度の利点を生かしたHEMT(High Electron Mobility Transistor)やHBT(Hetero Bipolar Transistor)など高速半導体素子へも応用可能である。基板側に電極を設ける構造が可能であり、高熱伝導率である事も高速半導体素子に適している。
なお、本明細書において、「窒化物系半導体」とは、BInGaAl1−x−y−zN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦z≦1、x+y+z≦1)なる組成式で表わされる半導体を表し、これに導電型を制御するための不純物を添加したものも含む。
以上、図面を参照しつつ本発明の実施の形態につき説明した。しかし本発明はこれら具体例に限定されるものではない。例えば、窒化物系半導体素子の構成要素である基板、半導体多層膜、電極の形状、サイズ、配置などに関して、さらに製造方法を構成する製造工程の条件に関して当業者が各種の設計変更を行ったものも本発明に包含される。
本発明の第1具体例にかかる窒化物系半導体発光素子の模式断面図である。 n型ZnO/p型GaN接合のエネルギバンド図である。 比較例にかかる半導体発光素子の模式断面図である。 第1具体例の製造工程の要部を表わす工程断面図である。 第1具体例の製造工程の要部を表わす工程断面図である。 第1具体例の製造工程の要部を表すフロー図である。 第2具体例にかかる窒化物系半導体発光素子に模式断面図である。 Au系金属からなる接着電極を介してウェーハ接着を行う工程を説明する模式図である。 ウェーハ接着工程のフロー図である。 第2具体例の変形例1の模式断面図である。 第2具体例の変形例2の模式断面図である。
符号の説明
10・・n型ZnO基板 12・・p型低抵抗層 14・・第2の基板 24・・活性層29・・積層体 16・・水素注入領域 80・・第1接着電極 82・・第2接着電極84・・第3の基板

Claims (5)

  1. n型酸化亜鉛からなる第1の基板と、
    前記第1の基板上に設けられた窒化物系半導体からなるp型低抵抗層と、
    前記p型低抵抗層上に成長され、窒化物系半導体からなる積層体と、
    を備え、
    前記第1の基板と前記p型低抵抗層とは実質的にオーミックコンタクトを形成することを特徴とした窒化物系半導体素子。
  2. 前記積層体は、発光層とその上に設けられたn型の層とを含むことを特徴とした請求項1記載の窒化物系半導体素子。
  3. 前記p型低抵抗層と前記第1の基板との接合界面におけるキャリア濃度は、5×1018/cm以上であることを特徴とした請求項1または2に記載の窒化物系半導体素子。
  4. n型酸化亜鉛からなる第1の基板と、第2の基板上に成長された窒化物系半導体からなるp型低抵抗層とを接着する工程と、
    前記第2の基板を除去することにより前記p型低抵抗層の主面を露出させる工程と、
    露出させた前記主面上に、窒化物系半導体からなる積層体を成長する工程と、
    を備えたことを特徴とする窒化物系半導体素子の製造方法。
  5. 前記積層体の上部に金を含む第1接着電極を形成する工程と、
    第3の基板上に金を含む第2接着電極を形成する工程と、
    前記第1接着電極と前記第2接着電極とを接着する工程と、
    をさらに含んだことを特徴とした請求項4記載の窒化物系半導体素子の製造方法。
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