JP6051901B2 - p型III 族窒化物半導体の製造方法 - Google Patents

p型III 族窒化物半導体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、p型不純物がドープされたIII 族窒化物半導体をアニールしてp型不純物を活性化することによりp型III 族窒化物半導体を製造する方法に関する。
III 族窒化物半導体は、結晶成長中にp型不純物を供給する方法ではp型化しないことがよく知られている。p型化のためには、p型不純物がドープされたIII 族窒化物半導体に対しアニール処理をしてMgを活性化させる必要がある。
たとえば、III 族窒化物半導体からなる発光素子では、MQW構造の発光層上にMgを供給しながら結晶成長させてp層を形成し、その後抵抗加熱式の熱処理炉によってアニールしてp層をp型化することが行われている。p型化のアニール温度は、700℃前後である。Mgの活性化率向上のためにはなるべく高い温度でアニールすることが望ましいが、高温では発光層に熱ダメージがあるため、その折り合いで700℃前後としているのである。
他のIII 族窒化物半導体にp型不純物をドープする方法としては、イオン注入がある。イオン注入によるp型不純物のドープでは、III 族窒化物半導体の結晶性が崩れてしまうので、注入したp型不純物を活性化させ結晶性を回復させるために、高い温度でのアニールを行う必要がある。イオン注入後のアニールは、特許文献1のように赤外線加熱を用いる方法がある。赤外線加熱を用いると、200℃という低温でMgを活性化させることができると記載されている。
一方、特許文献2には、半導体装置の製造工程における加熱に、マイクロ波加熱を用いることが記載されている。また、特許文献3には、金属シリサイド層を有した半導体装置の製造において、熱伝導によるアニールを行った後、マイクロ波加熱によるアニールを行うことで、金属シリサイド層の接合リーク電流が低減されることが記載されている。また、特許文献4には、GaAsなどの化合物半導体にp型不純物をイオン注入後、マイクロ波加熱によってイオン注入によるダメージ領域を選択的に加熱して、イオン注入領域を電気的に活性化させることが記載されている。
特開2004−128189 特開2012−124456 特開2012−109503 特開昭63−173321
しかし、MgがドープされたIII 族窒化物半導体をp型化させるためのアニール温度は高いため、発光層への熱ダメージは避けられない。また、特許文献1のような赤外線加熱による方法では、効率が悪くMgの活性化率が低いという問題がある。また、特許文献2〜4のいずれにも、マイクロ波加熱をIII 族窒化物半導体のp活性化に用いる旨は記載・示唆されていない。
そこで本発明は、III 族窒化物半導体を少ない熱負荷で、かつ高い活性化率でp型化するp型III 族窒化物半導体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、p型不純物がドープされたIII 族窒化物半導体を成長温度800〜930℃で形成し、III 族窒化物半導体上に、酸化インジウムスズ、亜鉛ドープの酸化インジウム、またはセリウムドープの酸化インジウムからなる透明電極を形成し、その後、窒素と酸素を含むガス雰囲気中、300〜450℃でマイクロ波加熱し、p型不純物を活性化することにより、III 族窒化物半導体をp型化するとともに、透明電極をアニールして透明電極の結晶性を向上させ、低抵抗化および高透過率化した、ことを特徴とするp型III 族窒化物半導体の製造方法である。
III 族窒化物半導体は、一般式Alx Gay Inz N(x+y+z=1、0≦x、y、z≦1)で表される半導体であり、Al、Ga、Inの一部を他の第13族元素(第3B族元素)であるBやTlで置換したもの、Nの一部を他の第15族元素(第5B族元素)であるP、As、Sb、Biで置換したものをも含むものとする。より一般的には、Gaを少なくとも含むGaN、InGaN、AlGaN、AlGaInNを示す。
p型不純物は、Mg、Zn、Ca、Beなどである。特に活性化率の高さからMgを用いるのがよい。また、III 族窒化物半導体にはp型不純物以外にも不純物がドープされていてもよい。たとえばSiなどのn型不純物や、Mnなどの磁性を制御するための不純物である。
III 族窒化物半導体にp型不純物をドープする方法としては、p型不純物を供給しながらIII 族窒化物半導体を結晶成長させる方法(MOCVD法、HVPE法、MBE法などの結晶成長方法)や、p型不純物をイオン注入する方法などを取ることができる。この2つの方法を組み合わせて用いてもよい。イオン注入する場合、III 族窒化物半導体全体にイオン注入する必要はなく、一部領域にのみイオン注入するようにしてもよい。たとえば、III 族窒化物半導体を複数の層で構成する場合に、複数の層のうち最表面の層にのみイオン注入をしてもよい。注入時の窒素の離脱を抑制するため、p型不純物と同時に窒素をイオン注入してもよい。
p型不純物をドープしたIII 族窒化物半導体上に透明電極を形成する場合には、マイクロ波加熱によってIII 族窒化物半導体のp型化と透明電極のアニールを同時に行うようにしてもよい。透明電極のアニールによって、結晶性が向上し、低抵抗化、高透過率化を図ることができる。透明電極は、p型不純物をドープしたIII 族窒化物半導体上に直接接して設けてもよいし、何らかの層を挟んで間接的に設けてもよい。また、透明電極には、ITO(酸化インジウムスズ)、IZO(亜鉛ドープの酸化インジウム)、ICO(セリウムドープの酸化インジウム)などを用いることができる。
イオン注入によるp型不純物ドープの場合、イオン注入後に透明電極を形成して、その後マイクロ波加熱によってIII 族窒化物半導体のp型化と透明電極のアニールを同時に行うようにしてもよいし、透明電極形成後にIII 族窒化物半導体にイオン注入し、その後にp型化と透明電極のアニールを同時に行ってもよい。
マイクロ波加熱において用いるマイクロ波の周波数は、たとえば0.9〜24.6GHzである。加熱時間は3〜30分間とするのがよい。温度については、p型不純物を供給しながらIII 族窒化物半導体を結晶成長させた場合には、300〜450℃とすることが望ましく、イオン注入によりp型不純物をドープした場合には、400〜600℃とすることが望ましい。
窒素ガスを含むガスとしては、アルゴン、ネオン、クリプトンなどの希ガス、その他の不活性ガスを窒素に混合した混合ガスを用いることができる。透明電極の形成後にマイクロ波加熱を行う場合には、窒素に酸素を混合した混合ガス雰囲気としてもよい。
また、本発明のp型III 族窒化物半導体の製造方法は、発光素子、pnダイオード、フォトダイオード、FET、HFETなどの各種半導体素子の製造方法に利用することができる。特に、発光素子の製造方法に利用するのが好適である。
マイクロ波加熱では、p型不純物がドープされた領域、あるいは透明電極のみを優先的・効率的に加熱することができるので、エネルギー効率がよく、そのため従来の間接抵抗加熱に比べて低い温度でありながらも、実質的には従来の間接抵抗加熱による熱処理と同等、あるいはそれよりも高温で加熱することができる。その結果、p型III 族窒化物半導体についてはp活性化率の向上、透明電極については抵抗の低減および透過率の向上を図ることができる。本発明を発光素子の製造に適用した場合には、光出力の向上、駆動電圧の低減を図ることができる。
さらに、実質的に高温で加熱することができる結果、コンタクト抵抗を十分に低減させることができるので、p型III 族窒化物半導体を高温で成長させてコンタクト抵抗の低減を図る必要性がなくなる。よって、p型III 族窒化物半導体の成長温度を従来よりも低くすることができる。発光素子の製造の場合であれば、p型III 族窒化物半導体の成長温度の低減により、発光層への熱ダメージが低減されるため、光出力の向上を図ることができる。
実施例1の発光素子の製造工程を示した図。 p型化の工程を示したフローチャート。 他のp型化の工程を示したフローチャート。 実施例2の発光素子の製造工程を示した図。 p型化の工程を示したフローチャート。 他のp型化の工程を示したフローチャート。 p型化の工程を示したフローチャート。
以下、本発明の具体的な実施例について、図を参照に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
図1は、実施例1の発光素子の製造工程を示した図である。また、図2のフローチャートは、実施例1の発光素子の製造工程の一部(p型化の前後の工程)を示したものである。以下、図1、2を参照に製造工程を説明する。
まず、サファイア基板10を用意し、サファイア基板10を水素雰囲気で加熱して表面の不純物を除去した。次に、サファイア基板10上に、AlNからなるバッファ層(図示しない)を形成し、バッファ層上に、MOCVD法によってn型層11、発光層12、pクラッド層13を順に積層した(図1(a))。
n型層11、発光層12、pクラッド層13には、従来知られている種々の構造を用いることができる。
たとえば、n型層11として、サファイア基板10側から順に、nコンタクト層、ESD層、nクラッド層が積層された構造を用いることができる。nコンタクト層は、たとえば高濃度にSiがドープされたGaNからなる。また、ESD層は、たとえば、nコンタクト層側から第1ESD層、第2ESD層からなり、第1ESD層は、厚さ50〜500nmで表面に2×108 /cm2 以上のピットを有したノンドープGaN、第2ESD層は、厚さ25〜50nmのSiドープのGaNであってSi濃度(/cm3 )と膜厚(nm)の積で定義される特性値が0.9×1020〜3.6×1020(nm/cm3 )である。また、nクラッド層は、たとえばノンドープInGaN、ノンドープGaN、SiドープGaNを順に積層させたものを1単位として、これを複数単位繰り返し積層させた超格子構造である。
また、発光層12として、GaNからなる障壁層とInGaNからなる井戸層が繰り返し積層されたMQW構造を用いることができる。
また、pクラッド層13として、たとえば、MgドープInGaN、MgドープAlGaNを繰り返して積層させた超格子構造を用いることができる。
n型層11の成長温度は、nコンタクト層が1000〜1100℃、ESD層が800〜950℃、nクラッド層が800〜900℃である。また、発光層12の成長温度は、障壁層が800〜950℃、井戸層が700〜800℃である。また、pクラッド層13の成長温度は、800〜900℃である。
MOCVD法において用いる原料ガスは、窒素源として、アンモニア(NH3 )、Ga源として、トリメチルガリウム(Ga(CH3 3 )、In源として、トリメチルインジウム(In(CH3 3 )、Al源として、トリメチルアルミニウム(Al(CH3 3 )、n型ドーパントガスとして、シラン(SiH4 )、p型ドーパントガスとしてシクロペンタジエニルマグネシウム(Mg(C5 5 2 )、キャリアガスとしてH2 とN2 である。サファイア基板10の表面には、結晶性向上、クラック防止、光取り出し効率の向上などを目的として、凹凸加工が施されていてもよい。また、サファイア基板10以外にもSiC、Si、ZnO、スピネル、などの基板を用いることができる。
次に、pクラッド層13上に、MOCVD法によって、pコンタクト層14を形成した(図1(b))。pコンタクト層14は、従来知られている任意の構造を用いることができる。たとえば、MgドープGaNからなる単層としてもよい。また、Mg濃度の異なるGaNからなる複数の層で構成し、pクラッド層13側から離れた層ほどMg濃度が大きい構成としてもよい。また、複数の層で構成する場合、最上層をMgドープInGaNとしてコンタクト抵抗の低減を図ってもよい。また、pコンタクト層14のMg濃度についても、従来と同様の範囲とすることができ、たとえば1×1019〜1×1021/cm3 とすることができる。
pコンタクト層14の成長速度は、低温で成長させることによるピットの発生を抑制するため、10nm/min以下とすることが望ましい。
pコンタクト層14の成長温度は、p型化に間接抵抗加熱を用いる従来の場合の成長温度よりも低くすることができる。従来はコンタクト抵抗を抑えるために950〜1050℃程度としているが、実施例1においてはこれよりも低い温度でpコンタクト層14を成長させることができる。そのため、発光層12への熱ダメージが軽減され、実施例1の発光素子の光出力の向上を図ることができる。このようにpコンタクト層14の成長温度を従来よりも低減できる理由は、pコンタクト層14のp型化のためのアニールに、マイクロ波加熱を用いるためである。詳細は後述する。なお、pコンタクト層14の成長温度は、pクラッド層13の成長温度をt℃として(t+30)℃以下とすることがより望ましい。発光層12への熱ダメージがより軽減されるためである。pコンタクト層14の成長温度の下限は、800℃とするのがよい。これよりも低いとpコンタクト層14の結晶性が悪化してしまうためである。
次に、pコンタクト層14上に、蒸着やスパッタなどによって、ITOからなる透明電極15を形成した(図1(c))。透明電極15には、ITO以外にもIZO(Znドープの酸化インジウム)、ICO(セリウムドープの酸化インジウム)、などを用いることができる。
次に、pクラッド層13、pコンタクト層14のp型化、および透明電極15のアニールを、以下のようにして同時に行った(図2のフローチャート参照)。まず、ウェハをマイクロ波加熱装置に導入し、窒素雰囲気でウェハに周波数5.8GHzのマイクロ波を照射して、3〜30分間、300〜450℃に加熱した。なお、ここでいう温度はパイロメータにより測定したウェハの温度の値である。pクラッド層13、pコンタクト層14や透明電極15が優先的に加熱され、n型層11や発光層12などの他の層はさほど加熱されない。このような加熱領域の選択性は、結晶中の水素の存在の有無に起因するものと考えられる。以上により、pクラッド層13、pコンタクト層14中のMgは活性化され、pクラッド層13、pコンタクト層14はp型化した。また同時に、透明電極15がアニールされて結晶性が向上し、低抵抗化、高透過率化した。このように、pクラッド層13、pコンタクト層14のp型化と透明電極15のアニールとを同時に行うことで製造工程の簡略化を図っている。
なお、マイクロ波加熱における雰囲気は上記のような窒素雰囲気に限るものではない。雰囲気は窒素を含むガス雰囲気であればよく、アルゴン、ネオン等の希ガスやその他の不活性ガスと窒素との混合ガスなどを用いることができる。また、酸素を混合してもよい。透明電極15からの酸素の離脱を抑制するためである。また、マイクロ波の周波数は5.8GHzに限るものではなく、0.9〜24.6GHzの範囲であればよい。より望ましい周波数は2.40〜5.88GHzである。また、加熱時間は5〜20分間とすることがより望ましく、加熱温度は350〜400℃とすることがより望ましい。
次に、透明電極15側から所定の領域をドライエッチングしてn型層11に達する深さの溝16を形成した。そして、その溝16の底面にn電極17を形成し、透明電極15上にはp電極18を形成した(図1(d))。なお、先に溝16を形成した後に透明電極15を形成するようにしてもよい。その後、n電極17、p電極18を間接抵抗加熱によりアニールしてコンタクト抵抗の低減を図った。以上により、実施例1の発光素子を製造した。
この実施例1の発光素子の製造方法では、マイクロ波加熱によってpクラッド層13、pコンタクト層14のp型化を行っているため、pクラッド層13、pコンタクト層14が優先的・効率的に加熱される。そのため、ウェハ全体でみれば、従来の間接抵抗加熱によるp型化の温度よりも低い温度での加熱であるが、pクラッド層13、pコンタクト層14のみをみれば高い温度に加熱されており、実質的には従来の温度よりも高い温度で熱処理を行うことができる。従来の温度よりも低温であるため、発光層12への熱ダメージを軽減することができる。また、実質的には従来の温度よりも高温であるため、Mgの活性化率の向上を図ることができ、pクラッド層13、pコンタクト層14をより低抵抗化することができる。なお、マイクロ波加熱による温度(℃)を、従来の加熱温度(℃)のおよそ半分としたときに、光出力や駆動電圧等の特性は同等となった。
また、透明電極15も同様に、マイクロ波加熱によって優先的に加熱されるため、実質的には従来の温度よりも高い温度で熱処理を行うことができる。そのため、低抵抗化、高透過率化を図ることができる。
また、pコンタクト層14と透明電極15とのコンタクト抵抗についても、従来よりも低下させることができる。
したがって、実施例1の発光素子は、光出力の向上と駆動電圧の低減を実現することができる。
さらに、pコンタクト層14の成長温度を下げることによるコンタクト抵抗の上昇は、マイクロ波加熱によるコンタクト抵抗の低減によってカバーすることができる。よって、pコンタクト層14の成長温度を従来よりも低くすることができ、その場合、従来と同様のコンタクト抵抗、あるいは従来よりも低いコンタクト抵抗とすることができる。成長温度を低くすることができる結果、発光層12への熱ダメージを軽減することができ、光出力の向上を図ることができる。
なお、実施例1ではpクラッド層13、コンタクト層14のp型化と透明電極15のアニールを同時に行っているが、それぞれ別に行ってもよい。つまり、pクラッド層13、コンタクト層14の形成後に上記マイクロ波加熱によってp型化し、その後、透明電極15を形成して上記と同様のマイクロ波加熱によってアニールを行うようにしてもよい(図3のフローチャート参照)。この場合、p型化のマイクロ波加熱と、透明電極15アニールのマイクロ波加熱とで、マイクロ波の周波数、加熱温度、加熱時間、雰囲気などの条件を異なるものとしてもよい。また、透明電極15のアニールは必ずしも必要ではなく、コンタクト層14のp型化のみを行い、透明電極15の形成後にアニールを行わないようにしてもよい。
実施例2の発光素子の製造方法は、実施例1の発光素子の製造方法において、図1(b)以降の工程を、以下に説明する工程に置き替えたものである。図4は、その置き替えた工程を示した図であり、図5は実施例2の工程におけるp型化の工程を詳細に示したフローチャートである。なお、実施例1の発光素子の構成と同様の構成については同一の符号を付している。
まず、実施例1の製造工程と同様にしてpクラッド層13を形成した後、pクラッド層13上にMOCVD法によってpコンタクト層24を形成した(図4(a))。pコンタクト層24は、たとえば、ノンドープGaNや、低濃度にMgがドープされたGaNからなる単層を用いることができる。また、pコンタクト層24を複数の層で構成することもでき、たとえば、pクラッド層13側から順に、MgドープGaN、ノンドープGaNを積層した構造を用いることができる。
pコンタクト層24の成長温度は、実施例1のpコンタクト層14と同様に、p型化に間接抵抗加熱を用いる従来の場合の成長温度よりも低くすることができる。従来はコンタクト抵抗を抑えるために950〜1050℃程度としているが、これよりも低い温度でpコンタクト層24を成長させることができる。そのため、発光層12への熱ダメージが軽減され、実施例2の発光素子の光出力の向上を図ることができる。
次に、pコンタクト層24に、Mgをイオン注入した(図5のフローチャート参照)。pコンタクト層24を複数の層で構成する場合、最上層のみにイオン注入してもよい。また、イオン注入時にGaNから窒素が離脱するのを抑制するために、MgとともにNをイオン注入してもよい。イオンの加速電圧は3kV〜100kVとし、ドーズ量は1×1019〜5×1019/cm3 とした。
次に、pコンタクト層24上に、蒸着やスパッタなどによって、ITOからなる透明電極15を形成した(図4(b))。
次に、pクラッド層13、pコンタクト層14のp型化、および透明電極15のアニールを、マイクロ波加熱によって行った(図5参照)。ここで、加熱温度以外の各種条件は実施例1のマイクロ波加熱と同様とした。加熱温度は、400〜600℃とした。実施例1のマイクロ波加熱よりも高い温度としているのは、イオン注入によって乱れた結晶構造を回復させるためである。以上により、pクラッド層13、pコンタクト層14中のMgは活性化され、pクラッド層13、pコンタクト層14はp型化し、pコンタクト層24の結晶性も回復する。また同時に、透明電極15がアニールされて結晶性が向上し、低抵抗化、高透過率化する。
次に、透明電極15側から所定の領域をドライエッチングしてn型層11に達する深さの溝16を形成した。そして、その溝16の底面にn電極17を形成し、透明電極15上にはp電極18を形成した(図4(c))。なお、先に溝16を形成した後に透明電極15を形成するようにしてもよい。その後、n電極17、p電極18を間接抵抗加熱によりアニールしてコンタクト抵抗の低減を図った。以上により、実施例2の発光素子を製造した。
この実施例2の発光素子の製造方法では、pコンタクト層24へのMgドープの方法として、実施例1のpコンタクト層14のような、Mgを供給しながら結晶成長させる方法ではなく、結晶成長後にMgをイオン注入することでMgをドープする方法をとっている。この場合にも、実施例1と同様の効果を得られる。すなわち、pクラッド層13、pコンタクト層24、透明電極15を優先的に加熱することができ、発光層12への熱ダメージを軽減、pクラッド層13、pコンタクト層24の低抵抗化、透明電極15の低抵抗化、高透過率化を図ることができる。
なお、実施例2ではpクラッド層13、pコンタクト層24のp型化と透明電極15のアニールを同時に行っているが、それぞれ別に行ってもよい。つまり、pクラッド層13、コンタクト層24を形成してpコンタクト層24にMgをイオン注入した後に、上記マイクロ波加熱によってp型化し、その後、透明電極15を形成して上記と同様のマイクロ波加熱によってアニールを行うようにしてもよい(図6のフローチャート参照)。この場合、p型化のマイクロ波加熱と、透明電極15アニールのマイクロ波加熱とで、マイクロ波の周波数、加熱温度、加熱時間、雰囲気などの条件を異なるものとしてもよい。また、透明電極15のアニールは必ずしも必要ではなく、コンタクト層24のp型化のみを行い、透明電極15の形成後にアニールを行わないようにしてもよい。
また、図7のフローチャートに示すように、pコンタクト層24へのイオン注入の順を替えてもよい。つまり、p型化のpコンタクト層24を形成後に、pコンタクト層24上透明電極15を形成し、次に、pコンタクト層24へMgをイオン注入し、その後、マイクロ波加熱によって、pコンタクト層24のp型化をしてもよい。
[その他各種変形例]
実施例1、2では、p型不純物としてMgを用いたが、Mg以外にもZn、Be、Caなどを用いることもできる。
また、実施例1、2の発光素子は、n電極とp電極とを同一面側に設けたフェイスアップ型の素子であるが、フリップチップ型の素子や、基板リフトオフによって成長基板を除去したり、成長基板として導電性の基板を用いるなどして、主面に垂直な方向に導通をとる縦型の素子にも本発明のp型III 族窒化物半導体の製造方法は適用することができる。また、pnダイオード、フォトダイオード、FET、HFETなどの発光素子以外の各種半導体素子の製造においても、本発明は適用可能である。
本発明は、III 族窒化物半導体からなる各種半導体素子を作製するのに利用することができる。
10:サファイア基板
11:n型層
12:発光層
13:pクラッド層
14、24:pコンタクト層
15:透明電極
17:n電極
18:p電極

Claims (7)

  1. p型不純物がドープされたIII 族窒化物半導体を成長温度800〜930℃で形成し、前記III 族窒化物半導体上に、酸化インジウムスズ、亜鉛ドープの酸化インジウム、またはセリウムドープの酸化インジウムからなる透明電極を形成し、その後、窒素と酸素を含むガス雰囲気中、300〜450℃でマイクロ波加熱し、p型不純物を活性化することにより、前記III 族窒化物半導体をp型化するとともに、前記透明電極をアニールして前記透明電極の結晶性を向上させ、低抵抗化および高透過率化した、
    ことを特徴とするp型III 族窒化物半導体の製造方法。
  2. 前記III 族窒化物半導体へのp型不純物のドープは、p型不純物を供給しながらIII 族窒化物半導体を結晶成長させることにより行う、ことを特徴とする請求項1記載のp型III 族窒化物半導体の製造方法。
  3. 前記III 族窒化物半導体へのp型不純物のドープは、イオン注入により行う、ことを特徴とする請求項1記載のp型III 族窒化物半導体の製造方法。
  4. III 族窒化物半導体を成長温度800〜930℃で形成し、前記III 族窒化物半導体上に、酸化インジウムスズ、亜鉛ドープの酸化インジウム、またはセリウムドープの酸化インジウムからなる透明電極を形成後、そのIII 族窒化物半導体にp型不純物をイオン注入し、
    その後、窒素と酸素を含む雰囲気中、400〜600℃でマイクロ波加熱することによって、p型不純物を活性化して、前記III 族窒化物半導体をp型化するとともに、前記透明電極をアニールして前記透明電極の結晶性を向上させ、低抵抗化および高透過率化した、
    ことを特徴とするp型III 族窒化物半導体の製造方法。
  5. 前記マイクロ波加熱は、3〜30分間行う、ことを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載のp型III 族窒化物半導体の製造方法。
  6. 前記マイクロ波加熱は、周波数0.9〜24.6GHzのマイクロ波を照射して行う、ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のp型III 族窒化物半導体の製造方法。
  7. 前記III 族窒化物半導体は、10nm/min以下の成長速度で成長させる、ことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のp型III 族窒化物半導体の製造方法。
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