JP4438381B2 - 結晶性ito膜、ito膜の結晶化方法、透明導電性フィルム、タッチパネル及び色素増感型太陽電池 - Google Patents

結晶性ito膜、ito膜の結晶化方法、透明導電性フィルム、タッチパネル及び色素増感型太陽電池 Download PDF

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Description

本発明は、結晶性ITO膜、ITO膜の結晶化方法、透明導電性フィルム、タッチパネル及び色素増感型太陽電池に係り、特に、マイクロ波により選択的に加熱結晶化された結晶性ITO膜と、基材上のITO膜をマイクロ波により選択的に加熱して結晶化する方法と、このような結晶性ITO膜を備える透明導電性フィルムと、この透明導電性フィルムを備えるタッチパネル及び色素増感型太陽電池に関する。
指で押したり、専用ペンで描画すると、その部分が対面電極と接触、通電して信号が入力される抵抗膜式タッチパネルは、小型、軽量、薄型化に有利であることから、各種の家電や携帯端末の入力機器として広く用いられている。
抵抗膜式タッチパネルは、図1に示す如く、ガラス板1の上に透明導電膜2を形成してなる下部電極3の上に、高分子フィルム4に透明導電膜5を形成してなる上部電極6を、透明導電膜2,5が対面するようにスペーサ(マイクロドットスペーサ)7を介して積層したものであり、上部電極6の表示面を指やペンで押すと、上部電極6と下部電極3とが接触して通電し信号が入力される。なお、上部電極6の表面には、高分子フィルム4の保護のためにハードコート層8が設けられている。即ち、このようなタッチパネルでは、上部電極6上のタッチ面を指やペンで擦るため、その際の耐擦傷性が極めて重要な特性となる。従来のタッチパネルでは、上部電極6の耐擦傷性を向上させるためにタッチ面側にハードコート層8が設けられている。
このようなタッチパネルでは、指やペンによる入力に伴って、上部電極6の透明導電膜5と下部電極3の透明導電膜2とが接触と非接触とを繰り返すこととなるが、透明導電膜5,2の形成材料であるITO等の透明導電性材料は、摺動耐久性、耐擦傷性が低いために、透明導電膜2,5のうち、特にタッチパネルの入力時に繰り返し変形を受ける上部電極6の透明導電膜5には亀裂が入り易く、また、同材質の透明導電膜2,5同士の接触、非接触で透明導電膜5が基材である高分子フィルム4から剥離して脱落し易いという問題があった。
上部電極6の透明導電膜5が損傷したり、剥離したりすると、透明導電膜5面の電気抵抗値が変化し、また、その均一性が失われ、電気特性が損なわれることにより、正確な入力を行うことができなくなり、このことがタッチパネルの信頼性を損ない、損傷、欠陥、耐久性低下の原因となっていた。このため、ITO膜等の透明導電膜5には、摺動耐久性の向上が望まれる。
一方、増感色素を吸着させた酸化物半導体を電極に用いて太陽電池を構成することは既に知られている。図2は、このような色素増感型太陽電池の一般的な構造を示す断面図である。図2に示す如く、ガラス基板等の基板11上にFTO(フッ素ドープ酸化スズ)、ITO(インジウムスズ酸化物)等の透明導電膜12が設けられ、この透明導電膜12上に分光増感色素を吸着させた金属酸化物半導体膜(色素吸着半導体膜)13が形成され、色素増感型半導体電極14が設けられている。この色素増感型半導体電極14と対向して間隔をあけて対向電極15が配置されており、図示しない封止材により色素増感型半導体電極14と対向電極15との間に電解質16が封入されている。17は、半導体電極14と対向電極15との間隔を維持するために周縁部に設けられた絶縁性のスペーサである。
色素吸着半導体膜13は、通常、色素を吸着させた酸化チタン薄膜よりなり、この酸化チタン膜はゾルゲル法により成膜される。この酸化チタン薄膜に吸着されている色素が可視光によって励起され、発生した電子を酸化チタン微粒子に渡すことによって発電が行われる。対向電極15は、ガラス又はプラスチック等の基板上にITOやFTO等の透明導電膜が形成され、この透明導電膜上に、透明導電膜と増感色素との間の電子の授受を促進させるための触媒としての白金膜又は炭素膜が、透過率を低下させない程度の膜厚に形成されたものである。また、電解質16としては、酸化還元性物質、例えば、LiI、NaI、KI、CaIなどの金属ヨウ化物とヨウ素の組み合わせ、LiBr、NaBr、KBr、CaBrなどの金属臭化物と臭素の組み合わせ、好ましくは、金属ヨウ化物とヨウ素の組み合わせよりなる酸化還元性物質をプロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、アセトニトリルなどのニトリル化合物等の溶媒に溶解してなる電解液が用いられている。
色素増感型太陽電池において、発電効率を高く、かつ安定した特性を出すためには色素吸着半導体膜13の酸化チタン膜は、色素を十分に吸着できるような高比表面積かつ多孔質であることが要求される。従来、この酸化チタン膜は、ゾルゲル法で成膜されているが、高温処理が必要とされるゾルゲル法での成膜のためには、基板11としてガラスのような耐熱性の高いものしか用いることができず、熱に弱い高分子フィルム等の適用は不可能であった。そして、このことが色素増感型太陽電池のフレキシブル化、および軽量、薄肉化を阻む原因となっていた。
本出願人は、この問題を解決し、比表面積が大きく、また、比較的低温でも成膜することができる半導体膜を有した色素増感型太陽電池の製造方法として、透明基板上に形成された透明導電膜上に凹凸を有したレプリカ層を形成するレプリカ層形成工程と、このレプリカ層の上に半導体膜を形成する半導体膜成膜工程と、次いで該レプリカ層を除去する除去工程とにより半導体膜を形成する方法を提案した(特願2003−123715。以下「先願」と言う。)。
この方法によると、凹凸状のレプリカ層の上に半導体膜を形成した後、レプリカ層を除去するので、凹凸状の高比表面積の半導体膜が成膜される。この凹凸レプリカ層を用いて凹凸状に成膜された半導体膜は、水熱処理程度の温度でも十分な半導体特性を発現する。このため、従来のゾルゲル法のような高温処理が不要であり、透明基板として高分子フィルムを用いることが可能となる。
この方法では、具体的には、交互吸着法により形成した交互吸着膜に酸処理により凹凸化処理を施すことにより、凹凸に富んだ多孔質のレプリカ層を形成し、このレプリカ層の上に比表面積の大きな半導体膜を形成する。
なお、この交互吸着法自体は公知の方法である。即ち、交互吸着法は、複合有機薄膜を作成する方法として、1992年にG.デッカーらによって発表された(Decher.G,Hong.J.D. and J.Schmit:Thin Solid Films, 210/211, p.831(1992))方法であり、その作成プロセスにおいて、交互吸着(Layer-by-Layer Electrostatic Self-Assembly)の手法が利用される。G.デッカーらによって発表された基本的な方法によれば、まず、正の電解質ポリマー(カチオン性ポリマー)の水溶液と、負の電解質ポリマー(アニオン性ポリマー)の水溶液とが別々の容器に用意される。そして、これらの容器に、初期表面電荷を与えた基板(被成膜材料)を交互に浸すことにより、基板上に多層構造を有する複合有機超薄膜(交互吸着膜)が得られる。たとえば、被成膜材料としてガラス基板を用いた場合、このガラス基板の表面を親水処理して表面にOH−基を導入して、初期表面電荷として負の電荷を与える。そして、この表面が負に帯電した基板を、正の電解質ポリマー水溶液に浸せば、クーロン力により、少なくとも表面電荷が中和されるまで正の電解質ポリマーが表面に吸着し、1層の超薄膜が形成される。こうして形成された超薄膜の表面部分は、正に帯電していることになる。そこで、今度はこの基板を負の電解質ポリマー水溶液に浸せば、クーロン力により負の電解質ポリマーが吸着し、1層の超薄膜が形成されることになる。このようにして、基板を2つの容器に交互に浸すことにより、正の電解質ポリマーからなる超薄膜層と負の電解質ポリマーからなる超薄膜層とを交互に成膜することができ、多層構造をもった複合有機薄膜を形成することができる。
先願の方法でレプリカ層を形成する場合、レプリカ層の凹凸化のための酸処理において、透明基板はpH2.0程度の酸に晒される。従って、この透明基板及びその上に成膜されている透明導電膜についても耐酸性が必要となる。
前述の如く、透明導電膜としては、ITO膜又はFTO膜が用いられているが、FTO膜は主にCVD(化学的蒸着法)により成膜されるために、耐熱性の問題から高分子フィルムへの成膜は不適当である。一方、ITO等の酸化インジウム系材料はFTO等の酸化スズ系材料に比べて耐酸性に劣るという欠点があり、上記レプリカ層の凹凸化のための酸処理において溶出してしまう。
このように、従来において、タッチパネル用途にあっては、その高分子フィルム上のITO膜等の透明導電膜の摺動耐久性の向上が課題とされており、一方、色素増感型太陽電池用途にあっては、ITO膜の耐酸性の低さが問題となっていた。
ところで、一般に透明導電膜材料として広く使用されているITOは、室温にてスパッタリング成膜した場合は通常アモルファス構造であるため、上述の如く、摺動耐久性や耐酸性が劣るものとなる。これに対してITOを結晶化させることで摺動耐久性や耐酸性を向上させることができる。
特開平2−194943号公報には、タッチパネル用途の透明導電性フィルムの耐久性を向上させる目的で、ITO膜を成膜した後、熱処理を施してITOを結晶化させることが記載されているが、基材が高分子フィルムであるため、この熱処理温度にも限界があり、例えば150℃で24時間というような、比較的低い温度で長い時間での熱処理を行っており、生産性、コストの面で問題があった。
特願2003−123715 特開平2−194943号公報 Decher.G,Hong.J.D. and J.Schmit:Thin Solid Films, 210/211,p.831(1992)
従って、本発明は、選択的加熱により短時間で結晶化された結晶性ITO膜、及び基材上のITO膜を選択的に加熱、結晶化させる方法と、結晶化により摺動耐久性及び耐酸性が改善された結晶性ITO膜を備える透明導電性フィルムと、この透明導電性フィルムを用いたタッチパネル及び色素増感型太陽電池を提供することを目的とする。
本発明の結晶性ITO膜は、基材上に形成された結晶性ITO膜であって、該結晶性ITO膜は、基材上に形成されたITO膜にマイクロ波が照射されることにより選択的に加熱されて結晶化されたものであり、該マイクロ波が2.45〜28GHzのマイクロ波であり、該ITO膜のSnO 含有割合が1〜5重量%であることを特徴とする。
本発明のITO膜の結晶化方法は、基材上に形成された非結晶性ITO膜にマイクロ波を照射して該ITO膜のみを選択的に加熱して結晶化させるITO膜の結晶化方法であって、該マイクロ波が2.45〜28GHzのマイクロ波であり、該ITO膜のSnO 含有割合が1〜5重量%であることを特徴とする。
本発明の透明導電性フィルムは、高分子フィルムと、該高分子フィルム上に形成された結晶性ITO膜とを備えてなる透明導電性フィルムであって、該結晶性ITO膜は、高分子フィルム上に形成されたITO膜にマイクロ波が照射されることにより選択的に加熱されて結晶化されたものであって、該マイクロ波が2.45〜28GHzのマイクロ波であり、該ITO膜のSnO 含有割合が1〜5重量%であることを特徴とする。
マイクロ波であれば、ITO膜と高分子フィルム等の基材との吸収の差を利用して、高分子フィルム等の基材上に形成されたITO膜のみを選択的に加熱して結晶化させることができる。このため、基材が耐熱性の低い高分子フィルムであっても短時間の加熱でITO膜の結晶化が可能となり、摺動耐久性及び耐酸性に優れた結晶性ITO膜を得ることができる。
本発明において、基材としては、ガラス基板であっても良いが、本発明のマイクロ波による選択的加熱による効果は、特に高分子フィルム上に形成されたITO膜に対して有効である。
この高分子フィルムとITO膜との間には、珪素酸化物、珪素窒化物及び珪素酸窒化物よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を主成分とする緩衝層が形成されていることが好ましい。
また、ITO膜は、スパッタリング又はイオンプレーティングにより成膜されることが好ましい
本発明のタッチパネルは、このような本発明の透明導電性フィルムを備えるものであり、摺動耐久性に優れる。
また、本発明の色素増感型太陽電池は、このような本発明の透明導電性フィルムを備えるものであり、その耐酸性により、前述の交互吸着法を利用した半導体膜の形成の適用が可能となり、色素増感型太陽電池のフレキシブル化が可能となる。
本発明によれば、マイクロ波により基材上のITO膜を選択的に加熱して高分子フィルム等の基板に熱的影響を及ぼすことなく、短時間で効率的に結晶化させることができる。
本発明によれば、高分子フィルム等の耐熱性の低いフレキシブル基材上に形成されたITO膜を短時間で容易に結晶化させて、摺動耐久性及び耐酸性に優れた結晶性ITO膜を得ることができ、タッチパネルの耐久性の向上、色素増感型太陽電池のフレキシブル化が可能となる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
まず、本発明のITO膜の結晶化方法について説明する。
本発明においては、基材上に形成されたITO膜にマイクロ波を照射することにより、ITO膜のみを選択的に加熱してITO膜を結晶化させる。
このマイクロ波としては、設備コスト面からは2.45GHzのマイクロ波が好ましく、処理の際にITO表面で発生する場合があるアーキングを抑制する点からは28GHzのマイクロ波が好ましい。マイクロ波の照射時間は、ITO膜の結晶化が可能な時間であれば良く、マイクロ波のエネルギーやITO膜の膜厚等にもよるが、500Wのマイクロ波であれば、3〜5分程度、1000Wのマイクロ波であれば、1〜3分程度で十分である。
このマイクロ波の照射は、基材上に形成されたITO膜に対してバッチ式で行うこともできるが、連続的に繰り出される長尺状のITO膜形成基材に対して連続的に行うことも可能である。
本発明の透明導電性フィルムは、高分子フィルム上に形成したITO膜にこのようにしてマイクロ波を照射して結晶化させたものである。
この高分子フィルムとしては、本発明の透明導電性フィルムの用途により異なるが、タッチパネル用途の透明導電性フィルムにおいて、高分子フィルムの樹脂材料としては、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アクリル、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、トリアセテート(TAC)、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、金属イオン架橋エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリウレタン、セロファン等が挙げられるが、特に強度面でPET、PC、PMMA、TAC、とりわけPET、TACが好ましい。
このような高分子フィルムの厚さは、タッチパネルの上部電極としての用途には、通常の場合75〜300μm程度とされる。この高分子フィルムの厚さが75μm未満では、上部電極としての十分な耐久性を得ることができず、300μmを超えると得られるタッチパネルの厚肉化を招き、また、上部電極としての柔軟性も損なわれ、好ましくない。
なお、透明導電性フィルムをタッチパネルの下部電極として用いる場合、高分子フィルムの厚さは、上記範囲よりも厚く、0.5〜2mm程度とすることもできるが、後述の如く、プラスチック板等の基板に貼り合わせることにより、上部電極として用いる場合と同等の厚さを採用することもできる。
一方、透明導電性フィルムを色素増感型太陽電池の色素増感型半導体電極として用いる場合、高分子フィルムとしては、透明性、複屈折の点で優れていることから、ポリカーボネート、ポリメチルメタアクリレート、ポリビニルクロライド、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の高分子フィルムが用いられ、その厚さは通常75μm〜2mm程度である。
このような高分子フィルム上にITO膜を成膜する方法としては、低温成膜が可能であることから、スパッタリング又はイオンプレーティングによる成膜が好ましい。スパッタリングによるITO膜の成膜は、ITO膜ターゲットを用いるものであっても良く、金属又は合金よりなるターゲットを用いて酸素雰囲気中で行う反応性スパッタリングであっても良い。
本発明において、ITO膜は、SnO含有割合が10重量%以下であることが好ましい。即ち、ITO膜のSnO含有割合が10重量%を超えると、ITO薄膜が後処理により結晶化しにくくなるため、好ましくない。ITO膜のSnO含有割合は過度に低いと、ターゲットの焼結密度の低下など生産性の問題が生じることから、ITO膜のSnO含有割合は1重量%以上、特に1〜5重量%であることが好ましい。
このITO膜の膜厚は、透明導電性フィルムの用途によっても異なるが、タッチパネル用途にあっては、ITO膜の膜厚は10〜100nm、特に20〜40nmであることが好ましい。また、色素増感型太陽電池の色素増感型半導体電極用途にあっては、通常100〜1000nm程度の厚さに形成される。
なお、高分子フィルムとITO膜との間には、緩衝層として、珪素酸化物、珪素窒化物及び珪素酸窒化物よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を主成分とする層を形成しても良く、このような緩衝層を形成することにより、マイクロ波加熱の際の高分子フィルムへの影響を抑制することができ、より一層安定した結晶化処理を行えるようになる。
この場合、このような緩衝層の膜厚は、過度に薄いと、緩衝層を形成したことによる上記効果を十分に得ることができず、厚いとフィルムの柔軟性を損なう。また、透明導電性フィルムの厚さも厚くなって好ましくない。従って、緩衝層の膜厚は10〜500nm、特に30〜300nmであることが好ましい。
SiO等の緩衝層の形成は、透明導電性フィルムの光学特性(透過率)の向上にも寄与し、タッチパネル等の用途において好適である。
この緩衝層もまた、スパッタリングやイオンプレーティング等により、ITO膜の成膜に先立ち、ITO膜と連続して成膜することができる。
本発明の透明導電性フィルムを、タッチパネルの上部電極として用いる場合、図1に示す如く、高分子フィルム4の透明導電膜5としてのITO膜を成膜する面とは反対側の面にハードコート層8を形成しても良い。このハードコート層8としては、アクリル層、エポキシ層、ウレタン層、シリコン層等が挙げられ、通常その厚さは1〜50μm程度である。
また、高分子フィルム4と透明導電膜5としてのITO膜との間に下地層を介在させても良く、このような下地層を形成することにより、高分子フィルムに対するITO膜の密着性を高め、繰り返し変形によるITO膜の剥離を防止することができる。即ち、高分子フィルムに下地層を形成することにより、成膜時に高分子フィルムからガスが発生することを防止して、高分子フィルムに対してITO膜を密着性良く形成することができるようになる。また、下地層が高分子フィルムとITO膜との中間層として両者の密着性を高める。更に、下地層を形成することによる透明導電性フィルムの強度向上で耐擦傷性を高めることもできる。
この場合、下地層の形成材料としては、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系などの樹脂層や、有機珪素化合物の加水分解物等が挙げられる。
また、高分子フィルムにITO膜を成膜するに先立ち、形成される薄膜の接着強度を高めるために、高分子フィルムの表面に常法に従ってプラズマ処理、コロナ処理や溶剤洗浄等の処理を施しても良い。
また、透明導電性フィルムの光学特性の向上を目的として、ITO膜の下地層を低屈折率膜と高屈折率膜の2層膜、或いはこれらの交互積層膜としたり、ハードコート層の表面をアンチグレア加工したり、AR処理したりしても良い。
本発明の透明導電性フィルムは、図1に示すタッチパネルの上部電極6、又は下部電極3として、特に上部電極6として有効であり、その優れた摺動耐久性により、良好な耐久性、信頼性を得ることができる。なお、本発明の透明導電性フィルムをタッチパネルの下部電極として用いる場合、本発明の透明導電性フィルムのITO膜上に、マイクロドットスペーサ7を形成し、粘着剤により、高分子フィルム側にアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等のプラスチック板に貼り合わせて用いれば良い。
本発明の透明導電性フィルムはまた、その耐酸性から、酸処理を行う前述の先願の方法でITO膜上に半導体膜を形成する透明導電性フィルムとして有用である。
以下にこの先願の方法について図3〜6を参照して説明する。
この方法では、基板(本発明では高分子フィルム)11上に透明導電膜(本発明では結晶性ITO膜)(図3では、構成を明瞭とするため、図示略)を形成しており、この透明導電膜上にまず交互吸着法により平坦なプリレプリカ層を形成し、このプリレプリカ層を凹凸化処理して凹凸レプリカ層を形成する。図3では、(a)図の通りこの交互吸着法により形成された平坦な交互吸着膜21によりプリレプリカ層を形成し、これを酸を用いて凹凸化処理して図3(b)の通り凹凸状のレプリカ層を形成している。
この場合、正の電解質ポリマーとしてはポリアクリルアミン塩酸塩が好適であるが、ポリピロール、ポリアニリン、ポリパラフェニレン(+)、ポリパラフェニレンビニレン、ポリエチルイミンなどを用いることもできる。負の電解質ポリマーとしては、ポリアクリル酸が好適であるが、ポリパラフェニレン(−)、ポリスチレンスルホン酸、ポリチオフェン−3−アセティックアシド、ポリアミック酸、ポリメタクリル酸などを用いることもできる。
これらの正のポリマー及び負のポリマーは適度な粘性の水溶液となるように別々に溶解され、別々の槽に収容される。透明導電膜付きの基板11を交互にこの槽内のポリマー水溶液に浸漬することにより交互吸着膜が形成される。1層の膜の厚さは0.1〜0.4μm程度が好適であり、層の数は5〜30特に10〜15程度が好ましい。
なお、1層を形成する場合、槽中に浸漬した後、引き上げ、純水でリンスし、これを複数回、例えば2〜10回程度繰り返すことにより所定膜厚の層を形成するようにしても良い。
形成された交互吸着膜よりなるプリレプリカ層を凹凸化処理するための酸としては、塩酸、硫酸、硝酸など、好ましくは塩酸を用いることができるが、これに限定されない。酸の濃度はpH2.0〜2.8程度の酸が好適である。常温の場合、この酸に0.5〜10分程度浸漬することが好ましい。
この酸処理により形成されたレプリカ層は、必要に応じ、好ましくは50〜90℃にて真空乾燥等により乾燥された後、図3(c)の通り、その上に半導体膜13Aが成膜される。半導体膜としては酸化チタン膜が好適であり、その膜厚は1〜20μm特に5〜15μm程度が好適である。
この半導体膜の成膜方法としては、化学溶液析出法などの湿式法や、反応性スパッタ法などの乾式法など種々の成膜方法を採用することができる。
成膜された半導体膜は、その後、水熱処理(例えば100〜150℃にて5〜15時間)あるいは焼成処理(例えば500〜700℃にて0.5〜2時間)しても良い。焼成時の雰囲気は空気もしくは酸素ガス中が好ましい。酸化チタンの場合、この水熱処理あるいは焼成処理により、微細結晶化する。
この酸化チタン等の半導体膜を成膜した後、レプリカ層が残っている場合には、図3(d)の如くレプリカ層の除去を行う。なお、上記の焼成処理を空気などの酸化性雰囲気で行ったときには、この焼成処理によってレプリカ層が除去されている。
このレプリカ層の除去は、上記ポリマーを溶解除去させるためのアルカリ処理のほか、500〜700℃の温度で焼成することによって焼成除去するのが好適である。アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好適である。例えば、pH10〜12のアルカリ溶液に6〜12時間浸漬することにより、交互吸着膜が除去される。
このようにして、凹凸に富み、比表面積が大きい半導体膜を基板の透明導電膜上に形成することができる。この方法によれば、表面粗さRMSが10〜100nm程度の高表面積の半導体膜を成膜することができる。
図3では、透明導電膜(図示せず)の上に凹凸を有した1層の半導体膜13Aを形成しているが、図4のように、透明導電膜の上に上記の湿式法や乾式法等の成膜方法によって平坦な半導体膜13Bを形成してから上記のプロセスを実行して凹凸半導体膜13Aを形成しても良い。
また、「交互吸着膜の形成→凹凸化処理→半導体膜の成膜→レプリカ層の除去」を1セットとし、これを複数回繰り返すことにより、図5の通り多層の半導体膜13Aを形成しても良い。
さらに、図6の通り、予め透明導電膜(図示せず)の上に平坦な半導体膜13Bを形成した後、複数層の半導体膜13Aを図6の如くして形成しても良い。
本発明の色素増感型太陽電池は、半導体膜が好ましくはこのような先願により成膜された色素増感型半導体電極を備えるものであり、その他の構成は、図2に示すような従来の色素増感型太陽電池と同様の構成とされる。
色素増感型半導体電極14の分光増感色素を吸着させた金属酸化物半導体膜13の金属酸化物半導体としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化アンチモン、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化インジウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、硫化カドミウムなどの公知の半導体の1種又は2種以上を用いることができる。特に、安定性、安全性の点から酸化チタンが好ましい。酸化チタンとしてはアナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、無定形酸化チタン、メタチタン酸、オルソチタン酸などの各種の酸化チタン或いは水酸化チタン、含水酸化チタンが含まれるが、特にアナターゼ型酸化チタンが好ましい。また金属酸化物半導体膜は微細な結晶構造を有することが好ましい。
酸化物半導体膜に吸着させる有機色素(分光増感色素)は、可視光領域及び/又は赤外光領域に吸収を持つものであり、種々の金属錯体や有機色素の1種又は2種以上を用いることができる。分光増感色素の分子中にカルボキシル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシル基、スルホン基、カルボキシアルキル基の官能基を有するものが半導体への吸着が速いため、好ましい。また、分光増感の効果や耐久性に優れているため、金属錯体が好ましい。金属錯体としては、銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニンなどの金属フタロシアニン、クロロフィル、ヘミン、特開平1−220380号公報、特表平5−504023号公報に記載のルテニウム、オスミウム、鉄、亜鉛の錯体を用いることができる。有機色素としては、メタルフリーフタロシアニン、シアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素、トリフェニルメタン色素を用いることができる。シアニン系色素としては、具体的には、NK1194、NK3422(いずれも日本感光色素研究所(株)製)が挙げられる。メロシアニン系色素としては、具体的には、NK2426、NK2501(いずれも日本感光色素研究所(株)製)が挙げられる。キサンテン系色素としては、具体的には、ウラニン、エオシン、ローズベンガル、ローダミンB、ジブロムフルオレセインが挙げられる。トリフェニルメタン色素としては、具体的には、マラカイトグリーン、クリスタルバイオレットが挙げられる。
有機色素(分光増感色素)を半導体膜に吸着させるこのためには、有機色素を有機溶媒に溶解させて調製した有機色素溶液中に、常温又は加熱下に酸化物半導体膜を基板ととも浸漬すれば良い。前記の溶液の溶媒としては、使用する分光増感色素を溶解するものであれば良く、具体的には、水、アルコール、トルエン、ジメチルホルムアミドを用いることができる。
また、対向電極15としては、導電性を有するものであれば良く、任意の導電性材料が用いられるが、電解質のI イオン等の酸化型のレドックスイオンの還元反応を充分な速さで行わせる触媒能を持ったものの使用が好ましい。このようなものとしては、白金電極、導電材料表面に白金めっきや白金蒸着を施したもの、ロジウム金属、ルテニウム金属、酸化ルテニウム、カーボン、コバルト、ニッケル、クロム等が挙げられる。
色素増感型半導体電極14は、基板11上に、透明性導電膜12として結晶性ITO膜を形成し、その上に上記のようにして半導体膜13を形成し、上述のように色素を吸着して形成される。
この色素を吸着させた半導体膜を有する半導体電極14に対向電極15として別の透明性導電膜をコートしたガラス板又は高分子フィルムなどの基板を対面させ、これらの電極間に電解質16を封止材により封入することにより色素増感型太陽電池が得られる。
なお、本発明の透明導電性フィルムは、タッチパネルの上部電極又は下部電極としての用途、色素増感型太陽電池の色素増感型半導体電極や対向電極としての用途の他、透明スイッチングデバイス、その他の各種の光学系透明導電性フィルム用途に有効に使用することができる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
実施例1
マグネトロンDCスパッタ装置にITOターゲット(SnO含有割合:5重量%)とSiターゲットをセットし、片面にUV系硬化型アクリル系ハードコート層が成膜された厚さ188μmのPETフィルムを真空チャンバーにセットし、ターボ分子ポンプで5×10−4Paまで排気した後、Arガスを160sccm、Oガスを40sccmの流量で混合ガスとして導入し、0.5Paとなるように調整した。その後、Siターゲットに4kWの電力を印加し、PETフィルムのハードコート層成膜面と反対側の面に約50nmの膜厚のSiO膜を成膜した。次いで、真空チャンパー内を再度排気した後、Arガスを197sccm、Oガスを3sccmの流量で混合ガスとして導入し、0.5Paとなるように調整した後、ITOターゲットに4kWの電力を印加し、SiO膜上に約30nmの膜厚のITO膜を成膜した。
その後、このITO膜を成膜したフィルムに2.45GHzのマイクロ波を500Wで5分照射することによりITO膜を結晶化させ透明導電性フィルムを得た。結晶性の判断はX線回折装置を用いて行い、マイクロ波照射前はブロードピークのアモルファス膜であったが、マイクロ波照射後は、ITOの(222)ピークが観察され、結晶化したことを確認した。なお、PETフィルムは加熱されず、何ら熱的影響は受けていなかった。
得られた透明導電性フィルムについて、表面抵抗測定装置(三菱化学(株)製「ロレスタAP」)によりITO膜側の表面抵抗値を測定すると共に、下記方法で摺動筆記試験を行い、結果を表1に示した。
<摺動筆記試験>
透明導電フィルムの透明導電膜(被覆層)面側をマイクロドットスペーサ付のITOガラス基板と対向させてこれらを張り合わせ、透明導電フィルムのハードコート層形成面をポリアセタール樹脂製の入力ペン(先端部0.8R)を用い、250gfの荷重をかけて往復摺動筆記試験を行った。試験後、リニアリティ値の測定を行い、リニアリティ値が1.5%以下のものを良好、1.5%を超えるものを不良とした。また、外観を観察した。
比較例1
実施例1において、マイクロ波の照射を行わなかったこと以外は同様にして透明導電性フィルムを作製し、この透明導電性フィルムについて、実施例1と同様にして表面抵抗値を測定すると共に摺動筆記試験を行い、結果を表1に示した。
Figure 0004438381
表1より、本発明によれば、ITO膜の摺動耐久性に優れた透明導電性フィルムが提供されることがわかる。
実施例2
マグネトロンDCスパッタ装置にITOターゲット(SnO含有割合:5重量%)をセットし、真空チャンバーに厚さ188μmのPETフィルムをセットし、ターボ分子ポンプで5×10−4Paまで排気した後、Arガスを197sccm、Oガスを3sccmの流量で混合ガスとして導入し、0.5Paとなるように調整した。その後、ITOターゲットに4kWの電力を印加し、PETフィルム上に約300nmの膜厚のITO膜を成膜した。
その後、このITO膜を成膜したフィルムに2.45GHzのマイクロ波を500Wで5分照射することによりITO膜を結晶化させ透明導電性フィルムを得た。結晶性の判断はX線回折装置を用いて行い、マイクロ波照射前はブロードピークのアモルファス膜であったが、マイクロ波照射後は、ITOの(222)ピークが観察され、結晶化したことを確認した。なお、PETフィルムは加熱されず、何ら熱的影響は受けていなかった。
この透明導電性フィルムをpH2.0の塩酸水溶液に浸漬させて経時毎に表面抵抗値を計測することにより耐酸性を評価し、結果を表2に示した。
比較例2
実施例2において、マイクロ波の照射を行わなかったこと以外は同様にして透明導電性フィルムを得、同様に耐酸性の評価を行って、結果を表2に示した。
Figure 0004438381
表2より明らかなように、ITO膜がアモルファスの比較例1では、120分後の抵抗値は初期値に対して約3倍となったが、ITO膜を結晶化させた実施例1では、抵抗値の変化は殆どなく、大幅な耐酸性の向上効果が認められる。
本発明によれば、高分子フィルム等の基材に熱的影響を及ぼすことなく、ITO膜を短時間で容易に結晶化させることができ、摺動耐久性及び耐酸性に優れる透明導電性フィルムを提供することができる。このような本発明の透明導電性フィルムは、タッチパネル等の摺動耐久性が要求される用途に有用であり、また、耐酸性の要求される用途、特に、そのITO膜上に、交互吸着法により形成した交互吸着膜を酸処理により凹凸化してレプリカ層を形成し、このレプリカ層上に半導体膜を形成して色素増感型太陽電池用色素増感型半導体電極を形成するための透明導電性フィルムとして有用である。
タッチパネルの一般的な構成を示す断面図である。 色素増感型太陽電池の一般的な構成を示す断面図である。 先願の半導体膜の形成方法を示す模式的な断面図である。 先願の方法により成膜された半導体膜の模式的な断面図である。 先願の方法により成膜された半導体膜の模式的な断面図である。 先願の方法により成膜された半導体膜の模式的な断面図である。
符号の説明
1 ガラス板
2 透明導電膜
3 下部電極
4 高分子フィルム
5 透明導電膜
6 上部電極
7 スペーサ
8 ハードコート層
11 基板
12 透明導電膜
13 色素吸着半導体膜
13A,3B 半導体膜
14 色素増感型半導体電極
15 対向電極
16 電解質
17 スペーサ

Claims (16)

  1. 基材上に形成された結晶性ITO膜であって、該結晶性ITO膜は、基材上に形成されたITO膜にマイクロ波が照射されることにより選択的に加熱されて結晶化されたものであり、
    該マイクロ波が2.45〜28GHzのマイクロ波であり、
    該ITO膜のSnO 含有割合が1〜5重量%であることを特徴とする結晶性ITO膜。
  2. 請求項1において、該基材が高分子フィルムであることを特徴とする結晶性ITO膜。
  3. 請求項2において、該高分子フィルムとITO膜との間に緩衝層が設けられていることを特徴とする結晶性ITO膜。
  4. 請求項3において、該緩衝層が珪素酸化物、珪素窒化物及び珪素酸窒化物よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を主成分とすることを特徴とする結晶性ITO膜。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、該ITO膜は、スパッタリング又はイオンプレーティングにより成膜されたものであることを特徴とする結晶性ITO膜。
  6. 基材上に形成された非結晶性ITO膜にマイクロ波を照射して該ITO膜のみを選択的に加熱して結晶化させるITO膜の結晶化方法であって、
    該マイクロ波が2.45〜28GHzのマイクロ波であり、
    該ITO膜のSnO 含有割合が1〜5重量%であることを特徴とするITO膜の結晶化方法。
  7. 請求項において、該基材が高分子フィルムであることを特徴とするITO膜の結晶化方法。
  8. 請求項において、該高分子フィルムとITO膜との間に緩衝層が設けられていることを特徴とするITO膜の結晶化方法。
  9. 請求項において、該緩衝層が珪素酸化物、珪素窒化物及び珪素酸窒化物よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を主成分とすることを特徴とするITO膜の結晶化方法。
  10. 請求項ないしのいずれか1項において、該ITO膜は、スパッタリング又はイオンプレーティングにより成膜されたものであることを特徴とするITO膜の結晶化方法。
  11. 高分子フィルムと、該高分子フィルム上に形成された結晶性ITO膜とを備えてなる透明導電性フィルムであって、該結晶性ITO膜は、高分子フィルム上に形成されたITO膜にマイクロ波が照射されることにより選択的に加熱されて結晶化されたものであって、
    該マイクロ波が2.45〜28GHzのマイクロ波であり、
    該ITO膜のSnO 含有割合が1〜5重量%であることを特徴とする透明導電性フィルム。
  12. 請求項11において、該高分子フィルムとITO膜との間に緩衝層が設けられていることを特徴とする透明導電性フィルム。
  13. 請求項12において、該緩衝層が珪素酸化物、珪素窒化物及び珪素酸窒化物よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を主成分とすることを特徴とする透明導電性フィルム。
  14. 請求項11ないし13のいずれか1項において、該ITO膜は、スパッタリング又はイオンプレーティングにより成膜されたものであることを特徴とする透明導電性フィルム。
  15. 請求項11ないし14のいずれか1項に記載の透明導電性フィルムを備えることを特徴とするタッチパネル。
  16. 請求項11ないし14のいずれか1項に記載の透明導電性フィルムを備えることを特徴とする色素増感型太陽電池。
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