JP2019038208A - 積層体及び太陽電池並びに積層体及び太陽電池の製造方法 - Google Patents

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大輔 時田
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Abstract

【課題】本発明は、樹脂の種類によらず、エアロゾルデポジション法により良好に形成された脆性材料層を備える積層体を目的とする。【解決手段】樹脂層1を含む基材18と、基材18の一方の面Aに位置する脆性材料層3と、を備え、一方の面Aの硬度は、15〜60GPaであり、脆性材料層3は、エアロゾルデポジション法で形成されてなる、積層体10。基材18は、樹脂層1と、樹脂層1の一方の面に位置する無機含有層とを備え、前記無機含有層は、無機物からなる無機層2、無機粒子と有機バインダーとを含むハードコート層、又は、前記無機層と前記ハードコート層とからなる複合層であることが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、積層体及び太陽電池並びに積層体及び太陽電池の製造方法に関する。
基材表面にセラミック微粒子などをコーティングする手法として、エアロゾルデポジション法(AD法)が知られている。AD法によれば、高温で焼結することなく、常温で固化、緻密化できる。さらに、AD法によれば、緻密層のみならず多孔質層を製膜できる。
特許文献1には、AD法を用いてポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂に酸化アルミニウム等の脆性材料層を形成し得ることが記載されている。
特許第3852387号公報
しかしながら、本発明者らが検討を行った結果、脆性材料である二酸化チタンを用いた場合、AD法でPET樹脂に脆性材料層を形成しにくいという問題があった。加えて、特許文献1に記載の方法では、脆性材料層を形成できる樹脂の種類が限定されるという問題もあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、樹脂の種類によらず、AD法により良好に形成された脆性材料層を備える積層体を目的とする。
本発明者等は鋭意検討を行った結果、樹脂層を含む基材の表面の硬度を15〜60GPaに調整することで、樹脂の種類を制限することなく、基材に脆性材料層を形成できることを見出した。
本発明は以下の態様を有する。
[1]樹脂層を含む基材と、前記基材の一方の面に位置する脆性材料層と、を備え、前記一方の面の硬度は、15〜60GPaであり、前記脆性材料層は、エアロゾルデポジション法で形成されてなる、積層体。
[2]前記基材は、前記樹脂層と、前記樹脂層の一方の面に位置する無機含有層とを備え、前記無機含有層は、無機物からなる無機層、無機粒子と有機バインダーとを含むハードコート層、又は、前記無機層と前記ハードコート層とからなる複合層であり、前記無機含有層は、前記基材の一方の面を形成する、[1]に記載の積層体。
[3]前記無機含有層の厚さが60nm以上である、[2]に記載の積層体。
[4]前記無機含有層が、透明導電膜である、[2]又は[3]に記載の積層体。
[5][1]〜[4]のいずれかに記載の積層体で構成された光電極と、対向電極と、前記光電極と前記対向電極の間に位置する電荷移動体と、を備えた太陽電池。
[6]樹脂層を含み、表面の硬度が15〜60GPaである基材に対し、エアロゾルデポジション法で前記基材の表面に脆性材料層を形成し、積層体を得る、積層体の製造方法。
[7][6]に記載の積層体の製造方法で前記積層体を得、得られた前記積層体を光電極として設ける工程を有する、太陽電池の製造方法。
本発明によれば、樹脂の種類によらず、エアロゾルデポジション法により良好に形成された脆性材料層を備える積層体を提供できる。
本発明の第一実施形態に係る積層体の断面図である。 本発明の第一実施形態に係る他の積層体の断面図である。 本発明の第二実施形態に係る積層体の断面図である。 本発明の太陽電池の断面図である。 連続剛性測定法による押し込み深さ(nm)とヤング率(GPa)との相関を表すプロットの一例である。
本発明の積層体は、樹脂層を含む基材と、基材の一方の面に位置する脆性材料層とを備える。
基材の一方の面の硬度は、15〜60GPaである。
脆性材料層はエアロゾルデポジション法で形成された層である。
以下、好適な実施の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明するが、本発明はかかる実施形態に限定されない。
[第一実施形態]
≪積層体≫
図1の積層体10は、基材18と、脆性材料層3とを備える。基材18は、樹脂層1と、樹脂層1の一方の面に位置する無機含有層とを備える。
本明細書において、無機含有層は、無機物からなる無機層、無機粒子と有機バインダーとを含むハードコート層、または、前記無機層と前記ハードコート層とからなる複合層のいずれかである。無機含有層は、基材18の一方の面を形成している。
本実施形態において、無機層2が無機含有層である。無機層2は、無機物からなる層である。積層体10は、例えば、色素増感太陽電池の光電極として用いられる。
<基材>
基材18は、樹脂層1を含む。本実施形態において、基材18は、樹脂層1と無機層2とから構成される。
基材18の一方の面Aの硬度は、15〜60GPaであり、20〜55GPaが好ましく、25〜50GPaがより好ましい。基材18の一方の面Aの硬度が上記下限値以上であると、基材18の一方の面Aに脆性材料層3が形成可能となる。基材18の一方の面Aの硬度が上記上限値以下であると、積層体10を屈曲させた場合や積層体10に反りが発生した場合でも、樹脂層1に対する無機層2の剥離、又は無機層2に対する脆性材料層3の剥離を抑制することができる。
基材18の一方の面Aの硬度は、ナノインデンターを用いた連続剛性測定法によって測定できる。本明細書では、ナノインデンターを用いた連続剛性測定法によって、押し込み深さ(nm)とヤング率(GPa)との相関をプロットしたときの、ヤング率のピーク値を硬度(GPa)と定義する。例えば、ヤング率のピーク値は、押し込み深さ5〜100nmの範囲で測定される値である。
基材18の一方の面Aの硬度は、基材18の表面に位置する層の種類や厚さにより調整できる。
(樹脂層)
樹脂層1としては、樹脂製の基板、樹脂製のシート、樹脂製のフィルム等が挙げられる。
樹脂層1に用いられる樹脂としては、特に制限されないが、可視光の透過性を有する樹脂が好ましく、例えば、ポリアクリル、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリイミド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド等が挙げられる。これらの中では、ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)が、透明耐熱フィルムとして大量に生産および使用されている。薄くて軽いフレキシブルな色素増感太陽電池を製造する観点から、樹脂層1は、PET又はPENフィルムであることが好ましい。
樹脂層1の厚さT1は特に制限されず、例えば、1〜1000μmが好ましい。
(無機層)
無機層2は、樹脂層1の一方の面に位置する。本実施形態において、基材18の一方の面Aの硬度は、無機層2を有することで、より高められる。
本実施形態の無機層2は、無機物からなる層である。無機層2は、特に制限されず、従来公知の色素増感太陽電池に使用される透明導電膜が適用可能であり、例えば金属酸化物で構成される薄膜が挙げられる。
無機層2を形成する方法は特に制限されず、例えば、スパッタ法、蒸着法、塗布法等の公知の製膜方法が挙げられる。
無機層2に用いられる金属酸化物としては、例えば、スズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、インジウムドープ酸化亜鉛(IZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)、アルミドープ酸化亜鉛(AZO)、酸化亜鉛、酸化スズ等が挙げられる。これらの中でも、比抵抗が小さく電気伝導率が高いITOが好ましい。
すなわち、無機層2は、ITOからなる層(ITO層)であることが好ましい。
無機層2としては、上記金属酸化物で構成される薄膜の他、樹脂層1の一方の面に形成可能な金属膜が挙げられる。
金属膜に用いられる材料は、例えば、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、銅(Cu)、クロム(Cr)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)及び、その合金等が挙げられる。金属膜に用いられる材料は、電気伝導率、耐候性に優れたAu、Pt、Cr、Ti、Niが好ましい。
図1に示す無機層2の厚さT2は、60nm以上1000nm(1μm)以下が好ましく、100nm以上400nm以下がより好ましく、100nm以上300nm以下がさらに好ましい。無機層2の厚さT2が上記下限値以上であると、基材18の硬度を15GPa以上にしやすい。無機層2の厚さT2が上記上限値以下であると、積層体10を屈曲させた場合や積層体10に反りが発生した場合でも、樹脂層1に対する無機層2の剥離、又は無機層2に対する脆性材料層3の剥離を抑制することができる。
無機層2の厚さT2は、スパッタや蒸着をする時間、レート、塗布する塗布液の濃度等により調整できる。
無機層2は、基材18の硬度を高め、脆性材料層3を形成しやすくする観点から、非多孔性の緻密層であることが好ましい。
無機層2の多孔度(多孔質層の全体積に占める小孔や割れ目の体積の割合)は、30%以下が好ましく、20%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましい。無機層2の多孔度が上記上限値以下であると、無機層2の上に脆性材料層3を形成しやすい。
無機層2の多孔度は、公知のガス吸着試験又は水銀圧入試験によって測定できる。
図2の積層体20のように、無機層22は、第一の無機層2aと第二の無機層2bとを有してもよい。すなわち、無機層22は、2以上の層で構成されてもよい。
積層体20の基材28は、樹脂層1と無機層22とから構成される。
基材28の一方の面Aの硬度は、15〜60GPaであり、20〜55GPaが好ましく、25〜50GPaがより好ましい。基材28の一方の面Aの硬度が上記下限値以上であると、基材28の一方の面Aに脆性材料層3を形成しやすい。基材28の一方の面Aの硬度が上記上限値以下であると、積層体20を屈曲させた場合や積層体20に反りが発生した場合でも、樹脂層1に対する無機層22の剥離、又は無機層22に対する脆性材料層3の剥離を抑制することができる。
基材28の一方の面Aの硬度は、基材18の一方の面Aの硬度と同様の方法によって測定できる。
無機層22は、第一の無機層2aと、第二の無機層2bとから構成される。第一の無機層2aと第二の無機層2bとを構成する無機物の種類は異なる。第一の無機層2a、第二の無機層2bは、無機層2に適用される無機物の他、二酸化ケイ素(SiO)等の非金属元素の酸化物からなる層が挙げられる。
積層体20を色素増感太陽電池の光電極として用いることを考慮すると、第一の無機層2aは、上述した透明導電膜であることが好ましい。第二の無機層2bは、透明なSiOからなるSiO層であることが好ましい。
第一の無機層2aの厚さt21は特に制限されず、例えば、10nm以上200nm以下が好ましい。
第二の無機層2bの厚さt22は特に制限されず、例えば、10nm以上200nm以下が好ましい。
第一の無機層2aの厚さt21と第二の無機層2bの厚さt22との合計は、基材28の硬度を15GPa以上にしやすい観点から、60nm以上が好ましい。すなわち、厚さT22は、60nm以上が好ましい。
厚さT22は、厚さT2と同様である。
無機層2aの多孔度は、無機層2の多孔度と同様である。
無機層2bの多孔度は特に限定されず、例えば、30%以下が好ましい。無機層2bの多孔度は、無機層2aの多孔度と同じであってもよく、異なっていてもよい。
なお、無機層22の層数は、2つに制限されず、3つ以上であってもよい。この場合、各無機層の厚さの合計は、60nm以上が好ましい。
各無機層を構成する無機物は、全て異なる無機物であってもよく、隣り合わない無機層を構成する無機物は、同じ無機物であってもよい。
無機層22の層数が3つ以上の場合、基材28の一方の面Aに位置する無機層の多孔度は、30%以下が好ましい。
(脆性材料層)
脆性材料層3は、基材18の一方の面Aに位置する。脆性材料層3は、エアロゾルデポジション法(以下、AD法ともいう。)で形成された層である。
AD法は、窒素等の搬送ガスによって微粒子を亜音速〜超音速程度まで加速して基材に吹き付け、基材表面に微粒子からなる膜を製膜する方法である。基材表面に接合した微粒子に対して、続けて吹き付けられた微粒子が衝突することによって、微粒子同士が接合した膜が形成される。微粒子同士の衝突においては、微粒子が溶融するような温度上昇は発生し難い。また、AD法で形成された多孔質膜は、太陽電池の電極として充分な強度及び電子伝導性を有する。
脆性材料層3を構成する化合物としては、例えば、従来の色素増感太陽電池の光電極を構成する酸化物半導体が挙げられる。具体的には、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO、SnO)、IGZO、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)等の電子伝導性に優れた酸化物半導体が例示できる。また、5価の元素がドープされたSi、Cd、ZnSなどの化合物半導体も適用できる場合がある。これらのうち、特に酸化チタンが電子伝導性、エネルギーバンドギャップの観点から好ましい。
脆性材料層3を構成する化合物の種類は、1種類でもよく、2種類以上でもよい。
脆性材料層3は、より多くの増感色素を吸着させる観点から、多孔質層であることが好ましい。脆性材料層3の多孔度は、30〜85%が好ましく、40〜75%がより好ましく、50〜65%がさらに好ましい。
脆性材料層3の多孔度が上記下限値以上であると、増感色素をより多く担持することができる。脆性材料層3の多孔度が上記上限値以下であると、脆性材料層3の強度をより強固にすることができる。
脆性材料層3の多孔度は、公知のガス吸着試験、水銀圧入試験、断面走査電子顕微鏡(断面SEM)を用いた画像解析によって測定できる。
脆性材料層3の厚さT3は、0.1μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましく、5μm以上がさらに好ましい。脆性材料層3の厚さT3が上記下限値以上であると、より多くの増感色素を吸着させやすい。脆性材料層3の厚さT3の上限は特に制限されないが、例えば、100μm以下が好ましい。
本実施形態の積層体10の基材18は、樹脂層1の一方の面に位置する無機層2を備えるが、これに限定されず、基材18の一方の面Aの硬度が、15〜60GPaであればよい。基材18は無機層2を備えず、樹脂層1のみであってもよい。
基材18の一方の面Aの硬度は、樹脂層1の材料や組成により調整できる。
本実施形態の積層体20の基材28は、樹脂層1の一方の面に位置する無機層22を備えるが、これに限定されず、基材28の一方の面Aの硬度が、15〜60GPaであればよい。基材28は無機層22を備えず、樹脂層1のみであってもよい。
基材28の一方の面Aの硬度は、樹脂層1の材料や組成により調整できる。
≪積層体の製造方法≫
本実施形態の積層体10の製造方法は、樹脂層1を含み、硬度が15〜60GPaである基材18に対し、AD法で基材18の表面に脆性材料層3を形成し、積層体10を得る工程を有する。以下に、図1を用いて、本実施形態の積層体10の製造方法について説明する。
まず、基材18に対し、AD法で無機層2の上に脆性材料層3を形成する。
脆性材料層3を構成する化合物は、AD法で吹付ける際は微粒子の形状である。
微粒子の形状は特に制限されず、例えば、球状、針状、繊維状、俵状、ウニ状の微粒子が挙げられる。
球状微粒子の一次粒子径の平均、即ち平均粒子径は、1nm〜500μmが好ましく、1nm〜250μmがより好ましく、5nm〜100μmが更に好ましく、10nm〜10μmが特に好ましく、10nm〜1μmが最も好ましい。
平均粒子径が上記下限値以上であると、吹付け時に十分な衝突エネルギーが得られ、無機層2への密着性を向上しやすい。平均粒子径が上記上限値以下であると、吹付け時に十分な衝突速度が得られ、十分な衝突エネルギーが得られやすい。
前記微粒子の平均粒子径を求める方法としては、例えばレーザー回折式粒度分布測定装置の測定により得られた体積平均径の分布のピーク値として決定する方法や走査電子顕微鏡(SEM)観察によって複数の微粒子の長径を測定して平均する方法が挙げられる。前記微粒子の平均粒子径は前記SEM観察によって測定することが好ましい。
AD法により脆性材料層3を構成する化合物の微粒子を吹付ける際の吹付け速度は、特に制限されず、例えば、10〜1000m/sに設定できる。吹付け速度は、無機層2の材質や硬度に応じて適宜設定できる。
以上の方法により、樹脂層1と無機層2と脆性材料層3とがこの順に積層された積層体10を得る。
図2に示す積層体20の場合、樹脂層1の一方の面に第二の無機層2bと第一の無機層2aとをこの順に備える基材28に対し、AD法で脆性材料層3を形成する。
樹脂層1にAD法で脆性材料層3を形成しようとすると、樹脂層1の硬度が小さく、樹脂層1の表面に吹付けられる脆性材料の衝突エネルギーが十分ではない。そのため、十分な密着性が得られず、十分な厚さの脆性材料層3を形成しにくい。
そこで、本実施形態の積層体10の製造方法では、樹脂層1の一方の面に無機層2を備えた基材18を用い、基材18の無機層2の上にAD法で脆性材料層3を形成する。
AD法では、常温で脆性材料層3を形成できるので、200℃未満のガラス転移温度を有する合成樹脂製のフィルム等を樹脂層1として適用できる。したがって、高温の焼成プロセスを要する方法に比べて多種類の樹脂を使用できるので、広範な目的及び用途に応じた、種々の形態の太陽電池を製造できる。
加えて、AD法では、成膜後の焼成工程を必須としないため、積層体10の製造効率を高めることができる。ただし、必要に応じて形成された多孔質膜を樹脂層1のガラス転移温度以下の温度で焼成(焼結)してもよい。
AD法では、吹き付ける微粒子の速度を適宜調整することによって、製膜レートと膜の多孔度を調整できる。通常、高速で吹き付けるほど、製膜レートは増加し、膜の多孔度が低下する傾向にある。従って、脆性材料層3を形成する際に、微粒子の吹き付け速度を調整することにより、多孔質膜又は緻密膜の何れかの膜構造を任意に選択して、脆性材料層3を形成できる。
[第二実施形態]
≪積層体≫
図3の積層体30は、基材38と、脆性材料層3とを備える。第一実施形態と同じ構成には、同じ符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態において、無機含有層は、ハードコート層32cと、無機層32aとからなる複合層32である。基材38は、樹脂層1と複合層32とから構成される。積層体30は、例えば、色素増感太陽電池の光電極として用いられる。
基材38の一方の面Aの硬度は、15〜60GPaであり、20〜55GPaが好ましく、25〜50GPaがより好ましい。基材38の一方の面Aの硬度が上記下限値以上であると、基材38の一方の面Aに脆性材料層3を形成しやすい。基材38の一方の面Aの硬度が上記上限値以下であると、積層体30を屈曲させた場合や積層体30に反りが発生した場合でも、樹脂層1に対する複合層32の剥離、又は複合層32に対する脆性材料層3の剥離を抑制することができる。
基材38の一方の面Aの硬度は、基材18の一方の面Aの硬度と同様の方法によって測定できる。
複合層32は、樹脂層1の一方の面に位置する。本実施形態において、基材38の硬度は、複合層32を有することで、より高められる。
本実施形態において、無機層32aは、基材38の一方の面Aを形成している。無機層32aの多孔度は、無機層2の多孔度と同様である。無機層32aの多孔度は、無機層2の多孔度と同じであってもよく、異なっていてもよい。
(ハードコート層)
ハードコート層32cは、無機粒子と有機バインダーとを含む。ハードコート層32cに含まれる無機粒子としては、二酸化ケイ素(SiO)、二酸化ジルコニウム(ZrO)等が挙げられる。
ハードコート層32cに含まれる有機バインダーは、有機系の樹脂バインダーのことをいう。有機系の樹脂バインダーに用いられる樹脂としては、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。
ハードコート層32cに含まれる無機粒子の平均粒子径は、10nm以上10000nm以下が好ましく、10nm以上1000nm以下がより好ましく、10nm以上500nm以下がさらに好ましい。ハードコート層32cに含まれる無機粒子の平均粒子径が上記下限値以上であると、基材38の硬度を高めやすい。上記上限値以下であると、樹脂層1にハードコート層32cを塗布しやすい。
ハードコート層32cに含まれる無機粒子の含有量は、ハードコート層32cの質量に対して、10質量%以上90質量%以下が好ましく、30質量%以上80質量%以下がより好ましく、40質量%以上80質量%以下がさらに好ましい。ハードコート層32cに含まれる無機粒子の含有量が上記下限値以上であると、基材38の硬度を高めやすい。上記上限値以下であると、樹脂層1にハードコート層32cを塗布しやすい。
無機層32aの厚さt31は特に制限されず、例えば、10nm以上200nm以下が好ましい。無機層32aの多孔度は、無機層2の多孔度と同様である。
ハードコート層32cの厚さt32は特に制限されず、例えば、500nm以上3000nm以下が好ましい。
無機層32aの厚さt31とハードコート層32cの厚さt32との合計は、基材38の硬度を15GPa以上にしやすい観点から、60nm以上が好ましい。すなわち、厚さT32は、60nm以上が好ましい。複合層32の厚さT32は、60nm以上100000nm(100μm)以下が好ましく、100nm以上10000nm以下がより好ましく、200nm以上5000nm以下がさらに好ましく、300nm以上3000nm以下が特に好ましい。複合層32の厚さT32が上記下限値以上であると、基材38の硬度を15GPa以上にしやすい。複合層32の厚さT32が上記上限値以下であると、積層体30を屈曲させた場合や積層体30に反りが発生した場合でも、樹脂層1に対する複合層32の剥離、又は複合層32に対する脆性材料層3の剥離を抑制することができる。
複合層32の厚さT3は、スパッタや蒸着をする時間、レート、塗布する塗布液の濃度等により調整できる。
ハードコート層32cを形成する方法は特に制限されず、公知の塗布法によって形成される。このため、ハードコート層32cの厚さt32は、無機層32aの厚さt31よりも大きくなる。
複合層32の積層順は、図3のようなハードコート層32c、無機層32aの順に制限されず、無機層32a、ハードコート層32cの順であってもよい。
ただし、一般に、無機層32aの方がハードコート層32cよりも硬度が大きいため、脆性材料層3の形成しやすさの観点から、複合層32は、ハードコート層32cの上に無機層32aが積層された複合層32であることが好ましい。
本実施形態の積層体30は、無機層32aを含有しないハードコート層32cからなる無機含有層を有していてもよい。
ハードコート層32cの厚さt32は、500nm以上3000nm以下が好ましく、500nm以上1000nm以下がより好ましい。ハードコート層32cの厚さt32が上記下限値以上であると、基材38の硬度を15GPa以上にしやすい。ハードコート層32cの厚さt32が上記上限値以下であると、積層体30を屈曲させた場合や積層体30に反りが発生した場合でも、樹脂層1に対するハードコート層32cの剥離、又はハードコート層32cに対する脆性材料層3の剥離を抑制することができる。
本実施形態の積層体30の基材38は、樹脂層1の一方の面に位置する複合層32を備えるが、これに限定されず、基材38の一方の面Aの硬度が、15〜60GPaであればよい。基材38は複合層32を備えず、樹脂層1のみであってもよい。
基材38の一方の面Aの硬度は、樹脂層1の材料や組成により調整できる。
≪積層体の製造方法≫
本実施形態の積層体30の製造方法は、樹脂層1を含み、硬度が15〜60GPaである基材38に対し、AD法で無機層32aの上に脆性材料層3を形成し、積層体30を得る工程を有する。以下に、図3を用いて、本実施形態の積層体30の製造方法について説明する。
まず、基材38に対し、AD法で無機層32aの上に脆性材料層3を形成する。
脆性材料層3を構成する化合物は、AD法で吹付ける際は微粒子の形状である。
微粒子の形状は特に制限されず、例えば、球状、針状、繊維状、俵状、ウニ状の微粒子が挙げられる。
球状微粒子の一次粒子径の平均、即ち平均粒子径は、1nm〜500μmが好ましく、1nm〜250μmがより好ましく、5nm〜100μmが更に好ましく、10nm〜10μmが特に好ましく、10nm〜1μmが最も好ましい。
平均粒子径が上記下限値以上であると、吹付け時に十分な衝突エネルギーが得られ、無機層2への密着性を向上しやすい。平均粒子径が上記上限値以下であると、吹付け時に十分な衝突速度が得られ、十分な衝突エネルギーが得られやすい。
前記微粒子の平均粒子径を求める方法としては、例えばレーザー回折式粒度分布測定装置の測定により得られた体積平均径の分布のピーク値として決定する方法やSEM観察によって複数の微粒子の長径を測定して平均する方法が挙げられる。前記微粒子の平均粒子径は前記SEM観察によって測定することが好ましい。
AD法により脆性材料層3を構成する化合物の微粒子を吹付ける際の吹付け速度は、特に制限されず、例えば、10〜1000m/sに設定できる。吹付け速度は、無機層32aの材質や硬度に応じて適宜設定できる。
以上の方法により、樹脂層1と、ハードコート層32cと、無機層32aと、脆性材料層3とがこの順に積層された積層体30を得る。
ハードコート層32cのみの積層体の場合、樹脂層1の一方の面にハードコート層32cを備える支持体に対し、AD法で脆性材料層3を形成する。
樹脂層1にAD法で脆性材料層3を形成しようとすると、樹脂層1の硬度が小さく、樹脂層1の表面に吹付けられる脆性材料の衝突エネルギーが十分ではない。そのため、十分な密着性が得られず、十分な厚さの脆性材料層3を形成しにくい。
そこで、本実施形態の積層体30の製造方法では、樹脂層1の一方の面にハードコート層32cと、無機層32aとを備えた基材38を用い、基材38の無機層32aの上にAD法で脆性材料層3を形成する。
AD法では、常温で脆性材料層3を形成できるので、200℃未満のガラス転移温度を有する合成樹脂製のフィルム等を樹脂層1として適用できる。したがって、高温の焼成プロセスを要する方法に比べて多種類の樹脂を使用できるので、広範な目的及び用途に応じた、種々の形態の太陽電池を製造できる。
加えて、AD法では、成膜後の焼成工程を必須としないため、積層体30の製造効率を高めることができる。ただし、必要に応じて形成された多孔質膜を樹脂層1のガラス転移温度以下の温度で焼成(焼結)してもよい。
AD法では、吹き付ける微粒子の速度を適宜調整することによって、製膜レートと膜の多孔度を調整できる。通常、高速で吹き付けるほど、製膜レートは増加し、膜の多孔度が低下する傾向にある。従って、脆性材料層3を形成する際に、微粒子の吹き付け速度を調整することにより、多孔質膜又は緻密膜の何れかの膜構造を任意に選択して、脆性材料層3を形成できる。
≪太陽電池≫
図4の太陽電池100は、光電極40と、対向電極50と、電荷移動体7と、封止材8とを備える。図1と同じ構成には、同じ符号を付して、その説明を省略する。
<光電極>
光電極40は、本発明の積層体10を太陽電池の電極としたものである。光電極40としては、本発明の積層体20や積層体30を用いてもよい。
積層体10を光電極40とする際は、積層体10の脆性材料層3を対向電極50の側に向けて設置する。
積層体20を光電極40とする際は、積層体20の脆性材料層3を対向電極50の側に向けて設置する。
積層体30を光電極40とする際は、積層体30の脆性材料層3を対向電極50の側に向けて設置する。
<対向電極>
対向電極50は、対向層4と導電層5と触媒層6とで構成される。対向層4の種類は、特に制限されず、例えば、ガラス基板、金属基板、樹脂基板等が挙げられる。
対向層4としては、上述した樹脂層1と同様の基材を用いることができる。対向層4が金属基板の場合、上述した金属膜に用いられる材料を基板とした金属基板を用いることができる。
対向層4の厚さは特に制限されず、例えば、1〜1000μmが好ましい。
導電層5は、導電性を有する層である。導電層5は、例えば、上述した透明導電膜や金属膜が好ましい。
導電層5の厚さは特に制限されず、例えば、10nm〜10000nmが好ましい。
触媒層6は、電荷移動体中の酸化還元対に対して触媒活性を有することが好ましい。触媒層6は、例えば、白金膜や導電性高分子膜、カーボン膜が好ましい。
触媒層6が十分な導電性を有している場合や、対向層4として金属基板を用いた場合は、導電層5はなくてもよい。
<電荷移動体>
本明細書及び特許請求の範囲において、「電荷移動体」は、後述する電解液、ゲル電解質及び正孔(ホール)輸送体を含む用語であり、増感色素に電子を供給可能な酸化還元対を有する。
電荷移動体7としては、従来公知の色素増感太陽電池で使用されている電解液を適用できる。前記電解液には、酸化還元対(電解質)が溶解されている。酸化還元対は従来公知の酸化還元対が適用できる。なお、前記電解液には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、フィラーや増粘剤などの他の添加剤を含んでいてもよい。
前記酸化還元対としては、例えば、ヨウ素分子とヨウ化物の組み合わせ、又は臭素分子と臭素化合物の組み合わせが挙げられる。
前記ヨウ化物としては、例えば、ヨウ化ナトリウム(NaI)、ヨウ化カリウム(KI)等の金属ヨウ化物、又はテトラアルキルアンモニウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイドなどのヨウ素塩が、好適なヨウ化物として挙げられる。
前記臭素化合物としては、例えば、臭化ナトリウム(NaBr)、臭化カリウム(KBr)等の金属臭化物、又はテトラアルキルアンモニウムブロマイド、ピリジニウムブロマイド、イミダゾリウムブロマイド等の臭素塩が、好適な臭素化合物として挙げられる。
電解液におけるヨウ化物の濃度は特に制限されないが、好ましくは0.1〜10モル/Lであり、より好ましくは0.2〜2モル/Lである。また、電解液の溶媒中にヨウ素を添加する場合の好ましいヨウ素の濃度は0.001〜1モル/Lである。
電荷移動体7として、前記電解液に代えてゲル状の電解質層を適用してもよい。前記電解質層としては、例えば前記電解液にゲル化剤又は増粘剤を加え、必要に応じて溶媒を除去することにより、前記電解液をゲル化して得た電解質層が適用できる。ゲル状の電解質層を用いた場合、太陽電池100から電解液が漏出するおそれがない。
電荷移動体7には、正孔輸送体として従来公知のP型半導体を用いてもよい。
<封止材>
封止材8は、電荷移動体7を電池セル内部(光電極40と対向電極50との電極間)に保持できる部材であることが好ましい。このような封止材としては、例えば、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の合成樹脂が適用可能である。
≪太陽電池の製造方法≫
次に、本発明の太陽電池の製造方法について、図4に基づいて説明する。
本発明の太陽電池の製造方法は、積層体10を光電極40とし、光電極40と向かい合うように対向電極50を配置し、光電極40と対向電極50との間に電荷移動体7を設け、電荷移動体7を封止材8によって封止する工程を有する。
対向層4に導電層5及び触媒層6を形成する方法は特に制限されず、例えば、スパッタ法、蒸着法、塗布法等の公知の製膜方法が挙げられる。導電層5の硬度は特に制限されない。
対向層4に導電層5及び触媒層6を順次形成することで、対向電極50を得る。
次に、光電極40と対向電極50とを、電極間距離を維持するために必要な厚さを有する封止材8を間に挟んで、対面するように配置し、加熱処理により封止材8を硬化させる(封止工程)。
光電極40と対向電極50との電極間距離は、1μm〜500μmが好ましい。光電極40と対向電極50との電極間距離が上記下限値以上であると、電極間の短絡を防止できる。上記上限値以下であると、十分な出力電圧を有する太陽電池が得られやすい。
封止工程では、加熱処理の時間は、5分〜60分が好ましい。加熱処理の時間が上記下限値以上であると、封止材8を十分に硬化させることができる。上記上限値以下であると、脆性材料層3等の劣化を抑制することができる。
封止工程では、加熱処理の温度は、80℃〜180℃が好ましい。加熱処理の温度が上記下限値以上であると、封止材8を十分に硬化させることができる。上記上限値以下であると、脆性材料層3等の劣化を抑制することができる。
加熱処理の時間や温度は、用いる封止材8の材料や体積により調整できる。
次に、光電極40と対向電極50との間に電荷移動体7を設ける。電荷移動体7を設ける方法は特に制限されず、例えば、予め対向電極50に空けておいた電解液注入孔から電解液を注入した後、その注入孔上に封止材8を塗布し、更に硬化させることによって電荷移動体7を設ける方法が挙げられる。電解液注入孔は、光電極40に設けてもよく、封止材8に設けてもよい。
電荷移動体7を設けた後に、電荷移動体7を覆うように封止材8を設け、加熱処理することによって封止材8を形成してもよい。
以上の工程により、光電極40と対向電極50と電荷移動体7と封止材8とを備える太陽電池100を得る。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
[実施例1]
樹脂層として厚さ125μmのPETフィルムを用い、そのPETフィルム上にスパッタ法でITO層60nmを製膜して基材を得た。
基材の硬度をナノインデンター(KeysightTechnologies社製G200型)を用いて測定した。DCM−IIヘッド(最大荷重30mN)、バーコビッチ圧子(先端曲率半径50nm)を用いて、測定モード連続剛性測定法で実施した。測定条件は周波数65Hz、圧子振動振幅1nm、サンプルポアソン比0.35、表面侵入速度10nm/s、ひずみ速度0.05(1/s)、データ取得速度25Hzで実施した。押し込み深さとヤング率のプロット結果を図5のP1に、硬度の測定結果を表1に示す。
続いて、平均粒子径15nmのTiO粒子を窒素ガス中に分散させ、上記基材のITO層表面にAD法(吹付け速度300m/s)で製膜した。
製膜後のTiO層をエタノール中で5分間超音波洗浄した後、光学顕微鏡を用いて、基材上にTiO層が形成されているか否かで製膜の可否を判断した。TiO層を製膜できていれば「○」、製膜できていなければ「×」とした。結果を表1に示す。
Figure 2019038208
[実施例2]
無機含有層としてITO層の厚さを150nmに製膜した以外は、実施例1と同様に基材の硬度を測定し、TiO粒子をAD法で製膜した。押し込み深さとヤング率のプロット結果を図5のP2に、製膜可否の結果を表1に示す。
[実施例3]
無機含有層としてITO層の厚さを400nmに製膜した以外は、実施例1と同様に基材の硬度を測定し、TiO粒子をAD法で製膜した。押し込み深さとヤング率のプロット結果を図5のP3に、製膜可否の結果を表1に示す。
[実施例4]
実施例1と同様のPETフィルム上に、スパッタ法でSiO層100nm、ITO層30nmをこの順で積層して基材を得た。
実施例1と同様に、基材の硬度を測定し、TiO粒子を上記基材のITO層表面にAD法で製膜した。結果を表1に示す。
[実施例5]
ジルコニア粒子75質量%を含有するアクリル樹脂のハードコート塗布液を用意し、この塗布液を実施例1と同様のPETフィルム上に塗布し、紫外線(UV)硬化により、PETフィルム上に厚さ1μmのハードコート層を形成して基材を得た。
実施例1と同様に、基材の硬度を測定し、TiO粒子を上記基材のハードコート層表面にAD法で製膜した。押し込み深さとヤング率のプロット結果を図5のP4に、製膜可否の結果を表1に示す。
[実施例6]
樹脂層として、厚さ125μmのポリイミド(PI)フィルムを用いた以外は、実施例1と同様に基材の硬度を測定し、TiO粒子をAD法で製膜した。結果を表1に示す。
[実施例7]
樹脂層として、厚さ125μmのポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムを用いた以外は、実施例1と同様に基材の硬度を測定し、TiO粒子をAD法で製膜した。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1と同様のPETフィルム上に、実施例1と同条件で基材の硬度を測定し、TiO粒子をAD法で製膜した。押し込み深さとヤング率のプロット結果を図5のP5に、製膜可否の結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例4と同様のPIフィルム上に、実施例1と同条件で基材の硬度を測定し、TiO粒子をAD法で製膜した。結果を表1に示す。
[比較例3]
実施例5と同様のPENフィルム上に、実施例1と同条件で基材の硬度を測定し、TiO粒子をAD法で製膜した。押し込み深さとヤング率のプロット結果を図5のP4に、製膜可否の結果を表1に示す。
[比較例4]
無機含有層としてITO層の厚さを30nmに製膜した以外は、実施例1と同様に基材の硬度を測定し、TiO粒子をAD法で製膜した。押し込み深さとヤング率のプロット結果を図5のP6に、製膜可否の結果を表1に示す。
表1に示すように、本発明の積層体を適用した実施例1〜6では、無機含有層の上にTiO粒子からなる脆性材料層を形成することができた。
一方、硬度が15GPa未満の基材にTiO粒子をAD法で製膜した比較例1〜3は、TiO粒子からなる脆性材料層を形成することができなかった。
本発明によれば、樹脂の種類によらず、エアロゾルデポジション法により良好に形成された脆性材料層を備える積層体を提供できることが分かった。
以上で説明した各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
本発明は、色素増感太陽電池等の電池分野で広く利用可能である。
1・・・樹脂層、2、2a、2b、22、32a・・・無機層、3・・・脆性材料層、4・・・対向層、5・・・導電層、6・・・触媒層、7・・・電荷移動体、8・・・封止材、32・・・複合層、32c・・・ハードコート層、10、20、30・・・積層体、18、28、38・・・基材、40・・・光電極、50・・・対向電極、100・・・太陽電池

Claims (7)

  1. 樹脂層を含む基材と、
    前記基材の一方の面に位置する脆性材料層と、を備え、
    前記一方の面の硬度は、15〜60GPaであり、
    前記脆性材料層は、エアロゾルデポジション法で形成されてなる、積層体。
  2. 前記基材は、前記樹脂層と、前記樹脂層の一方の面に位置する無機含有層とを備え、
    前記無機含有層は、無機物からなる無機層、無機粒子と有機バインダーとを含むハードコート層、又は、前記無機層と前記ハードコート層とからなる複合層であり、
    前記無機含有層は、前記基材の一方の面を形成する、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記無機含有層の厚さが60nm以上である、請求項2に記載の積層体。
  4. 前記無機含有層が、透明導電膜である、請求項2又は3に記載の積層体。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層体で構成された光電極と、対向電極と、前記光電極と前記対向電極の間に位置する電荷移動体と、を備えた太陽電池。
  6. 樹脂層を含み、表面の硬度が15〜60GPaである基材に対し、エアロゾルデポジション法で前記基材の表面に脆性材料層を形成し、積層体を得る、積層体の製造方法。
  7. 請求項6に記載の積層体の製造方法で前記積層体を得、得られた前記積層体を光電極として設ける工程を有する、太陽電池の製造方法。
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