JP2011146652A - 貼り合わせ基板、貼り合わせ基板の製造方法、及び発光素子 - Google Patents

貼り合わせ基板、貼り合わせ基板の製造方法、及び発光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】GaN単結晶の非極性面または半極性面を表面に有する基板の製造コストを抑えることができ、且つ、ZnO基板やβ−Ga基板といった透明導電性基板の上に窒化物系化合物半導体層が設けられた発光素子を実現できる貼り合わせ基板、貼り合わせ基板の製造方法、及び発光素子を提供する。
【解決手段】貼り合わせ基板10Aは、窒化物系化合物半導体とは異なる材料からなり、主面14aを有し、可視光に対して透明な導電性の支持基板14と、支持基板14の主面14aと貼り合わされ、GaN結晶のC面に対し50°以上110°以下の傾斜角をもって形成された表面12aを有するGaN薄層12とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、酸化ガリウム基板、酸化亜鉛基板などの透明導電性基板の上に、窒化ガリウム結晶のC面から傾斜した半極性面または非極性面を表面に有する窒化ガリウム薄層が貼り合わされて成る、貼り合わせ基板及びその製造方法、並びに該貼り合わせ基板上に発光層が設けられて成る発光素子に関するものである。
特許文献1には、窒化物半導体膜を異種基板上に有する半導体基板の作製方法が開示されている。この文献に記載された方法は、窒化ガリウム(GaN)基板の表面近傍に上方からイオンを注入してイオン注入層を形成し、そのGaN基板の表面と単結晶シリコン基板とを重ね合わせた状態で熱処理を施すことによりそれらを貼り合わせ、イオン注入層を除くGaN基板の主な部分を単結晶シリコン基板から引き剥がすことにより、GaN薄膜をシリコン基板上に有する半導体基板を作製している。そして、この半導体基板のGaN薄膜上に種々の窒化物半導体層を成長させることで、LEDやトランジスタを作製している。
また、特許文献2には、酸化ガリウム(Ga)単結晶基板を備える発光素子が記載されている。この発光素子は、Ga単結晶基板上に形成されたpn接合部を含んでおり、このpn接合部は、n型のGaN系化合物半導体薄膜と、このn型のGaN系化合物半導体薄膜上に形成されたp型のGaN系化合物半導体薄膜とによって構成されている。
特開2006−210660号公報 特開2004−56098号公報
GaNなどの窒化物系化合物半導体は、バンドギャップが比較的大きいIII−V族化合物半導体であり、青紫色レーザ素子といった、発光波長が比較的短い発光素子に利用されている。このような短波長の発光素子は、GaN基板上に窒化物系化合物半導体層を成長させて作製される。特に、光共振構造を備えるレーザ素子においては、窒化物系化合物半導体層に導入される転位欠陥が素子の寿命に大きく影響するが、GaN基板上に窒化物系化合物半導体層を成長させることにより、転位欠陥を導入されにくくすることができる。
また、近年、窒化物系化合物半導体からなる発光層のIn組成比を高めることにより、青色光より長波長の緑色光等を出力することが期待されている。しかし、窒化物系化合物半導体はc軸方向に分極しているので、発光層のIn組成比を高めると、その上下の窒化物系化合物半導体層との格子定数差に起因する歪みが増大し、分極の影響が更に大きくなってしまう。そして、この分極の影響により、発光層内の正孔の分布と電子の分布とに偏りが生じ、再結合確率が低下し、発光効率が抑制されてしまう。
この問題点を解決し、青色光より長波長の光を出力する発光素子の高効率化を図るため、Inを含む発光層及びその上下の窒化物系化合物半導体層を、GaN単結晶の非極性面(無極性面)や半極性面上に成長させることが試みられている。GaN単結晶の非極性面や半極性面の上に窒化物系化合物半導体層を成長させることにより、分極の影響が低減され、発光効率を向上させることができるからである。なお、GaN単結晶の非極性面とは、例えば{1−100}面(すなわちM面)や{11−20}面(すなわちA面)であり、半極性面とは、GaN単結晶のC面からの傾斜角が90°より小さい(或いは大きい)面である。
しかしながら、GaN単結晶の非極性面や半極性面を表面に有する基板を作製する場合、次のような問題がある。すなわち、サファイア基板などの異種基板上にGaN単結晶を成長させると、エピタキシャル配向の関係により、成長面を非極性面や半極性面とすることは困難である。また、GaN単結晶からなるインゴットを任意の面方位で切断することにより、非極性面や半極性面を主面とするGaN基板を作製する方法もある。しかし、一般的に、GaN単結晶インゴットは、GaNとは異なる基板上にGaN単結晶を成長させ、該基板をGaN単結晶から分離させることによって得られる。その際、例えばHVPEと呼ばれる気相成長法によってGaN単結晶を成長させるが、気相成長法でのGaN単結晶の成長速度が遅いことから、GaN基板一枚当たりの製造コストが高価になってしまう。
ところで、上述した引用文献2に記載されているように、酸化ガリウム(β−Ga)や酸化亜鉛(ZnO)といった、比較的高温に耐えうる透明な導電性基板がある。ZnOの結晶構造は六方晶系の一つであるウルツ鉱型であり、Inなどを添加することによりn型の導電性を与えることが可能である。一方、β−Gaの結晶構造は単斜晶系であり、GaNとは5%以上の格子定数差がある。しかし、β−Gaのバンドギャップは4.8[eV]と大きく、260[nm]程度の波長域までの光に対し透明である。また、β−Gaは、不純物の添加によって導電性を有することができるとともに、融点が1720℃であり化学的にも安定である。これらのことから、ZnO及びβ−Gaは、発光素子の基板として有用であると考えられる。
しかしながら、GaN等の窒化物系化合物半導体を成長させる際には、例えば有機金属気相成長(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法が用いられ、基板温度が1000℃以上といった高温になり、且つ、基板が水素還元雰囲気や高濃度のアンモニアガスに曝される。ZnO及びβ−Gaは、GaN系半導体の成長時におけるこのような高温下での水素還元雰囲気且つ高濃度のアンモニアガス中においては、決して安定ではない。したがって、ZnO基板やβ−Ga基板の上にGaN系半導体を成長させようとすると、基板の表面に損傷が生じ、窒化物系化合物半導体の結晶品質が劣化してしまう。
本発明は、これらの問題点に鑑みてなされたものであり、GaN単結晶の非極性面または半極性面を表面に有する基板の製造コストを抑えることができ、且つ、ZnO基板やβ−Ga基板といった透明導電性基板の上に窒化物系化合物半導体層が設けられた発光素子を実現できる貼り合わせ基板、貼り合わせ基板の製造方法、及び発光素子を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明による貼り合わせ基板は、窒化物系化合物半導体とは異なる材料からなり、主面を有し、可視光に対して透明な導電性の支持基板と、支持基板の主面と貼り合わされ、GaN結晶のC面に対し50°以上110°以下の傾斜角をもって形成された表面を有するGaN薄層とを備えることを特徴とする。
この貼り合わせ基板においては、窒化物系化合物半導体とは異なる材料からなる支持基板の主面に、GaN薄層が貼り合わされている。これにより、基板一枚あたりのGaNの厚さを低減できるので、一つのGaN単結晶インゴットからより多くの基板を作製することができ、基板の製造コストを抑えることができる。また、GaN薄層が、GaN結晶のC面に対し50°以上110°以下の傾斜角をもって形成された表面を有することにより、GaN結晶の非極性面または半極性面を表面に有する基板を提供できる。更に、支持基板は可視光に対して透明で且つ導電性を有しているが、この支持基板の主面はGaN薄層によって保護されているため、その上に窒化物系化合物半導体を高温で成長させたとしても支持基板を安定に保つことができる。したがって、窒化物系化合物半導体の結晶品質を良好にできる。すなわち、上記貼り合わせ基板によれば、ZnO基板やβ−Ga基板といった透明導電性基板の上に窒化物系化合物半導体層が設けられた発光素子を好適に実現できる。
また、上記貼り合わせ基板は、支持基板がβ−Ga基板またはZnO基板であることを特徴としてもよい。これにより、可視光に対して透明な導電性の支持基板を好適に実現できる。
また、上記貼り合わせ基板は、支持基板の結晶状態が多結晶または単結晶であることを特徴としてもよい。この貼り合わせ基板ではGaN薄層上に結晶成長を行うので、支持基板の結晶構造は単結晶及び多結晶のいずれであってもよい。
また、上記貼り合わせ基板は、支持基板の比抵抗が3×10−3[Ωcm]以上1[Ωcm]以下であることを特徴としてもよい。これにより、十分な導電性を確保して高い電流効率の発光素子を作製できる。
また、上記貼り合わせ基板は、GaN薄層の平均転位密度が2×10[cm−2]以下であることを特徴としてもよい。これにより、GaN薄層上に成長する窒化物系化合物半導体層の結晶品質を高め、発光効率を向上させることができる。
また、上記貼り合わせ基板は、GaN薄層の表面が、GaN結晶のC面に対し60°以上95°以下の傾斜角をもって形成されていることを特徴としてもよい。これにより、Inを含む発光層において生じるピエゾ分極を効果的に低減でき、発光効率をより高めることができる。この場合、GaN薄層の表面が、GaN結晶のC面に対し70°以上80°以下の傾斜角をもって形成されていると尚好ましい。
また、上記貼り合わせ基板は、GaN薄層の表面の傾斜方向がA軸方向またはM軸方向であることを特徴としてもよい。傾斜方向がA軸方向(またはM軸方向)である場合、M面(またはA面)は表面に対して常に垂直となるので、この貼り合わせ基板をM面(またはA面)で劈開し、例えばレーザ素子の光共振端面として利用することが可能となる。
GaN薄層の表面は、GaN結晶の{20−21}面であってもよく、または{20−21}面に対して±3°以内の傾斜角をもって形成されていてもよい。或いは、GaN薄層の表面は、GaN結晶のM面またはA面であってもよく、M面またはA面に対して±5°以内の傾斜角をもって形成されていてもよい。
また、上記貼り合わせ基板は、GaN薄層の表面上にエピタキシャル成長された窒化物系化合物半導体層を更に備えることを特徴としてもよい。或いは、上記貼り合わせ基板は、GaN薄層の表面上に設けられた窒化物系化合物半導体積層部を更に備え、窒化物系化合物半導体積層部は、GaN薄層の表面上にエピタキシャル成長された第1導電型の第1窒化物系化合物半導体層と、第1窒化物系化合物半導体層上にエピタキシャル成長された、インジウム(In)を含む窒化物系化合物半導体からなる発光層と、発光層上にエピタキシャル成長された第2導電型の第2窒化物系化合物半導体層とを含むことを特徴としてもよい。これらの貼り合わせ基板によれば、発光素子の製造に好適に用いられる基板を提供できる。
また、上記貼り合わせ基板は、支持基板がβ−Ga基板であり、支持基板の主面の面方位が、{100}面、{010}面、{001}面、(001)面から[00−1]方向へ13.7°傾いた面、及び(001)面から[−100]方向へ13.7°傾いた面のうちいずれかであることを特徴としてもよい。この場合、GaN薄層の劈開方向と支持基板の劈開方向とが揃っていることが好ましい。
また、上記貼り合わせ基板は、支持基板がZnO基板であり、支持基板の主面の面方位が{0001}面であることを特徴としてもよい。この場合、窒化ガリウム薄層の<1−100>方向が支持基板の<1−100>方向に沿っていることにより、窒化ガリウム薄層の劈開方向と支持基板の劈開方向とが揃っていることが好ましい。或いは、窒化ガリウム薄層の<11−20>方向が支持基板の<11−20>方向に沿っていることにより、窒化ガリウム薄層の劈開方向と支持基板の劈開方向とが揃っていることが好ましい。
また、本発明による貼り合わせ基板の製造方法は、上述した貼り合わせ基板を製造する方法であって、GaN結晶の−C面、即ち(000−1)面に対し50°以上110°以下の傾斜角をもって形成された表面を有するGaN基板の表面にイオン注入を行う工程と、そのGaN基板の表面と支持基板の主面とを互いに貼り合わせる工程と、GaN基板のうち表面を含む部分を層状に残して他の部分を除去することにより、GaN薄層を支持基板上に形成する工程とを備えることを特徴とする。この時、支持基板に貼り合わせたGaN薄層は、イオン注入した側とは反対側の面が上にある。この製造方法によれば、上述した貼り合わせ基板を好適に製造できる。
また、貼り合わせ基板の製造方法は、GaN薄層に接する窒化物系化合物半導体層をエピタキシャル成長させる工程を更に備え、窒化物系化合物半導体層の成長温度を900℃以上1150℃以下とすることを特徴としてもよい。このように、GaN薄層の直上に窒化物系化合物半導体を高温で成長させた場合であっても、上記貼り合わせ基板によれば、透明導電性の支持基板を安定に保持できる。
また、本発明による発光素子は、窒化物系化合物半導体とは異なる材料からなり、主面を有し、可視光に対して透明な第1導電型の支持基板と、支持基板の主面と貼り合わされ、GaN結晶のC面に対し50°以上110°以下の傾斜角をもって形成された表面を有するGaN薄層と、GaN薄層の表面上にエピタキシャル成長した第1導電型の第1窒化物系化合物半導体層と、第1窒化物系化合物半導体層上にエピタキシャル成長した、Inを含む発光層と、発光層上にエピタキシャル成長した第2導電型の第2窒化物系化合物半導体層とを備えることを特徴とする。
この発光素子によれば、上述した貼り合わせ基板と同一の構造を含むので、基板の製造コストを抑えることができる。また、第1窒化物系化合物半導体層、発光層および第2窒化物系化合物半導体層を支持基板上に高温で成長させたとしても、支持基板を安定に保つことができ、これらの半導体層の結晶品質を良好にできる。すなわち、上記発光素子によれば、ZnO基板やβ−Ga基板といった透明導電性基板の上に窒化物系化合物半導体層が設けられた発光素子を好適に実現できる。また、GaN結晶のC面に対し50°以上110°以下の傾斜角をもって形成されたGaN薄層の表面、すなわちGaN結晶の非極性面または半極性面上に第1窒化物系化合物半導体層、発光層および第2窒化物系化合物半導体層がエピタキシャル成長しているので、Inを含む発光層におけるピエゾ分極の影響を低減し、発光効率を高めることができる。
また、上記発光素子は、GaN薄層の劈開方向と支持基板の劈開方向とが揃っており、GaN薄層及び支持基板の劈開方向に対して垂直に延びる、レーザ発振のための光導波路が設けられていることを特徴としてもよい。上記発光素子がこのような構造を備えることにより、光導波路の光反射端面を劈開面によって好適に形成し、高効率且つ安価なレーザ素子を実現できる。
また、上記発光素子は、支持基板がβ−Ga基板またはZnO基板であり、当該発光素子がLEDであることを特徴としてもよい。上記発光素子によれば、高効率且つ安価なLEDを実現できる。
本発明による貼り合わせ基板、貼り合わせ基板の製造方法、及び発光素子によれば、GaN単結晶の非極性面または半極性面を表面に有する基板の製造コストを抑えることができ、且つ、ZnO基板やβ−Ga基板といった透明導電性基板の上に窒化物系化合物半導体層が設けられた発光素子を実現できる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る貼り合わせ基板10Aの構成を示す断面図である。 図2は、ZnOの結晶構造を示す図である。 図3は、β−Gaの結晶構造を示す図である。 図4は、本発明の第2実施形態に係る貼り合わせ基板10Bの構成を示す断面図である。 図5は、本発明に係る発光素子に関する第3実施形態として、半導体レーザ素子30の構成を示す断面図である。 図6は、本発明に係る発光素子に関する第4実施形態として、発光ダイオード(LED)40の構成を示す断面図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明による貼り合わせ基板、貼り合わせ基板の製造方法、及び発光素子の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る貼り合わせ基板10Aの構成を示す断面図である。本実施形態の貼り合わせ基板10Aは、GaN単結晶からなるGaN薄層12を、支持基板14の主面14aに貼り合わせた構成を備える。支持基板14は、窒化物系化合物半導体とは異なる材料であって、可視光に対して透明であり且つ導電性を有する材料、例えばβ−GaあるいはZnOに不純物がドープされることによって得られる。β−Gaは、260[nm]以上の波長域の光に対して透明であり、ZnOは、365[nm]以上の波長域の光に対して透明である。不純物は、例えばSiである。この貼り合わせ基板10AではGaN薄層12上に発光層等が結晶成長されるので、支持基板14の結晶状態は、単結晶であってもよく、多結晶であってもよい。また、十分な導電性を確保して高い電流効率の発光素子を作製するために、支持基板14の比抵抗は、3×10−3[Ωcm]以上1[Ωcm]以下であることが好ましい。
GaN薄層12は、その平均転位密度が1×10[cm−2]以下といった極めて結晶性の良いGaN単結晶からなる層である。GaN薄層12の表面12aは、GaN単結晶のC面に対して傾斜しており、GaN結晶における非極性面(無極性面)または半極性面となっている。GaN薄層12の表面12aは、GaN単結晶のC面に対してM軸又はA軸の方向に傾斜していることが好ましい。GaN薄層12の表面12aの傾斜角は、表面12aの法線軸Nxを示す法線ベクトルNVと、GaN結晶のC軸方向を示すC軸ベクトルVCとの成す角度αによって規定される。この角度αは、GaN結晶のC軸に直交する基準平面Rx(すなわち{0001}面又は{000−1}面)に対して50°以上110°以下の範囲内にあることができ、より好ましくは60°以上95°以下の範囲内にあることができる。角度αが50°以下または110°以上である場合、表面12a上に成長すべき発光層がInを含む場合にピエゾ分極による影響が大きくなり、また発光層にInを十分に取り込めないおそれもあるので、青色領域からの十分な長波長化と高輝度化とを同時に達成するには、角度αが上記範囲内にあることが好ましい。特に、60°以上95°以下の範囲内であることにより、Inを含む発光層において生じるピエゾ分極を効果的に低減でき、発光効率をより高めることができる。
更に、この角度αは、70°以上80°以下の範囲内、換言すれば75°±5°の範囲内にあることが好適である。表面12aが半極性面となるこの角度範囲によれば、500[nm]以上550[nm]以下といった長波長の光を発生するための発光層に好適なインジウム組成のInGaN層を提供でき、ピエゾ分極をより効果的に低減できる。
更に好適には、GaN薄層12の表面12aは、GaN単結晶の{20−21}面(すなわち、GaN単結晶のC面からM軸方向に75°傾斜した面)であるか、または{20−21}面に対して±3°以内の傾斜角をもって形成されると良い。或いは、表面12aは、GaN単結晶のM面であるか、またはM面に対して±5°以内の傾斜角をもって形成されると良い。或いは、表面12aは、GaN単結晶のA面であるか、またはA面に対して±5°以内の傾斜角をもって形成されると良い。
続いて、本実施形態に係る貼り合わせ基板10Aの製造方法の一例について説明する。まず、支持基板14として、β−Ga基板を作製する。β−Ga単結晶は、例えばチョクラルスキー法や、EFG(Edge-definedFilm-fed Growth)法、FZ(Floating Zone)法といった各種の溶融成長法によって作製される。チョクラルスキー法の場合、次のようにしてβ−Ga単結晶を作製する。坩堝内にGa原料を投入し、融点である1725℃以上の温度で加熱して溶融させる。次に、坩堝の上方に配置した種結晶に接触させて冷却し、凝固による結晶成長を促す。そして、坩堝を回転させながら種結晶を上方に引き上げることにより、β−Ga単結晶インゴットが得られる。この結晶成長の際の雰囲気は、金属製坩堝が酸化しないように、且つ、β−Gaが還元しないように、例えば酸素及び水素の混合雰囲気であることが好ましい。また、坩堝内にSi、Snなどのドーパントを添加することにより、導電性を有するβ−Ga結晶が得られる。こうして作製されるβ−Ga単結晶インゴットをスライスし、研磨加工を施すことにより、支持基板14としてのβ−Ga基板が得られる。
また、上記工程とは別に、GaN薄層12の元となるGaN基板を準備する。このGaN基板の表面は、GaN結晶のC面に対する主面の傾斜角が50°以上且つ110°以下である非極性面または半極性面となっている。このGaN基板の表面に、イオン注入装置を用いて水素イオンを打ち込む。なお、打ち込むイオンとしては、水素イオンに限らず様々なものを使用できる。水素イオンを例えば1×1017[cm−2]程度の密度になるまで注入すると、GaN基板の表面から深さ数百ナノメートルの領域に、ダメージ層が生じる。このダメージ層付近は、水素イオンの濃度が極めて高くなっている。
続いて、イオン注入したGaN基板の表面とβ−Ga基板の主面とを互いに貼り合わせる。その貼り合わせ方法としては、様々な方法がある。例えば、超高真空中で両基板を押圧して貼り合わせてもよく、或いは、低真空のプラズマ雰囲気の中で、200℃程度の加熱を行って貼り合わせても良い。そして、貼り合わせた後に、更に高い温度(例えば300℃〜500℃)で加熱することにより、GaN基板のダメージ層付近の領域から剥離を生じさせる。これにより、GaN基板のうちβ−Ga基板と接する表面を含む部分を層状に残して、GaN基板の他の部分を分離させ、除去する。その結果、β−Ga基板(支持基板14)の上に、GaN薄層12がイオン注入した側と反対側の面を表面にして張り付いた貼り合わせ基板10Aが得られる。この時、イオン注入した基板表面の面指数が(H K L −M)面であれば(ここでH,K,L,Mは自然数)、貼り合わせ基板のGaN薄層の表面は(H K L M)面となる。
以上に説明した、本実施形態に係る貼り合わせ基板10A及びその製造方法によって得られる作用効果について説明する。この貼り合わせ基板10Aにおいては、窒化物系化合物半導体とは異なる材料からなる支持基板14の主面14aに、GaN薄層12が貼り合わされている。これにより、基板一枚あたりのGaNの厚さを低減できるので、GaN結晶から成る表面を有する基板を一つのGaN単結晶インゴットからより多く作製することができ、基板の製造コストを抑えることができる。特に、本実施形態の場合、GaN単結晶の非極性面または半極性面を貼り合わせ基板10Aの表面に有するが、このような面を有するGaN基板を作製しようとすると、C面を主面とするGaN基板と比較して一つのGaN単結晶インゴットから取り出せる枚数が少なくなる。したがって、本実施形態に係る貼り合わせ基板10Aのコスト低減効果は、GaN単結晶の非極性面または半極性面を表面に有する場合に、より効果的である。
また、GaN薄層12が、GaN結晶のC面に対し50°以上110°以下の傾斜角をもって形成された表面12aを有することにより、GaN結晶の非極性面または半極性面を表面に有する基板を提供できる。発光層といった窒化物系化合物半導体層は、GaN薄層12の結晶方位を引き継いで成長するので、GaN薄層12の表面12aが非極性面または半極性面であることにより、発光層にInが含まれる場合であってもピエゾ分極が抑えられ、例えば青色や緑色といった波長の光を効率よく出力することができる。
更に、支持基板14は可視光に対して透明で且つ導電性を有するβ−GaやZnOによって構成されているが、この支持基板14の主面14aはGaN薄層12によって保護されているため、その上に窒化物系化合物半導体を高温で成長させたとしても支持基板14を安定に保つことができる。したがって、基板上に成長する窒化物系化合物半導体の結晶品質を良好にできる。すなわち、本実施形態の貼り合わせ基板10Aによれば、ZnO基板やβ−Ga基板といった透明導電性基板の上に窒化物系化合物半導体層が設けられた発光素子を好適に実現できる。これにより、透明基板である支持基板14を介して光を効率的に取り出すことができる。更に、支持基板14が導電性であることにより、貼り合わせ基板10Aの表面側と裏面側とにそれぞれ電極を形成することができるので、素子の縦方向に電流を流すことが可能となる。これにより、電極の総面積を小さくすることができ、発光素子の低コスト化を図ることができる。
また、本実施形態のように、支持基板14はβ−Ga基板またはZnO基板であることが好ましい。これにより、可視光に対して透明な導電性の支持基板14を好適に実現できる。
また、本実施形態のように、GaN薄層12の平均転位密度は1×10[cm−2]以下であることが好ましい。これにより、GaN薄層12上に成長する窒化物系化合物半導体層の結晶品質を高め、発光効率を向上させることができる。このようなGaN薄層12は、主面の平均転位密度が1×10[cm−2]以下である低転位GaN基板を貼り合わせ基板10Aの作製に用いることにより実現できる。なお、このような低転位のGaN基板は極めて高価であるが、GaN薄層12としてその僅かな部分を用いて貼り合わせ基板10Aを作製することにより、一枚当たりの製造コストを効果的に低減できる。
また、上述したように、GaN薄層12の表面12aの傾斜方向は、A軸方向またはM軸方向であることが好ましい。傾斜方向がA軸方向である場合、M面は表面に対して常に垂直となるので、この貼り合わせ基板10AをM面で劈開し、例えばレーザ素子の光共振端面として利用することが可能となる。同様に、傾斜方向がM軸方向である場合、A面は表面に対して常に垂直となるので、この貼り合わせ基板10AをA面で劈開し、光共振端面として利用することが可能となる。
このような貼り合わせ基板10Aの劈開の観点から、貼り合わせ基板10Aにも好適な面方位が存在する。ここで、図2は、ZnOの結晶構造を示す図であり、図3は、β−Gaの結晶構造を示す図である。
図2に示すように、ZnOは、六方晶系のウルツ鉱型の結晶構造を有している。六方晶における六角形の中心から頂点に向かう軸をA軸<11−20>、これに垂直な軸をM軸<1−100>とし、A面(11−20)及びM面(1−100)は、それぞれA軸及びM軸に垂直であり、A軸及びM軸の双方に垂直な軸をC軸、C軸<0001>に垂直な面をC面(0001)とする。なお、六方晶のM軸(A軸)は120度ごとに3方向に存在する。なお、このような六方晶系のウルツ鉱構造を有するZnOの格子定数は、A軸が0.325[nm]、C軸が0.521[nm]である。
また、図3に示すように、β−Gaは、単斜晶系の結晶構造を有している。単斜晶系酸化ガリウムの結晶格子のa軸、b軸及びc軸の格子定数は、それぞれ、1.22[nm]、0.30[nm]及び0.58[nm]である。ベクトルVa、Vb及びVcは、それぞれ、a軸、b軸及びc軸の方向を示す。ベクトルVa及びVbは(001)面を規定し、ベクトルVb、Vcは(100)面を規定し、ベクトルVc及びVaは(010)面を規定する。ベクトルVa及びVbの成す角度γ及びベクトルVb及びVcの成す角度αは90度であり、ベクトルVc及びVaの成す角度βは103.7度である。
本実施形態において、支持基板14がZnO基板である場合、支持基板14の主面14aの面方位は{0001}面であることが好ましい。この場合、劈開面である{1−100}面(すなわちM面)及び{11−20}面(すなわちA面)がそれぞれ主面14aと垂直になるので、主面14aと垂直な面でもって支持基板14を精度よく劈開することができ、例えばレーザ素子の共振端面を精度よく形成できる。
また、支持基板14がβ−Ga基板である場合、支持基板14の主面14aの面方位は、{100}面、{010}面、{001}面、(100)面から[00−1]方向へ13.7°傾いた面、及び(001)面から[−100]方向へ13.7°傾いた面のうちいずれかであることが好ましい。主面14aが{100}面である場合、劈開面である{001}面が主面14aと垂直になる。主面14aが{010}面である場合、劈開面である{100}面及び{001}面が主面14aと垂直になる。主面14aが{100}面である場合、劈開面である{001}面が主面14aと垂直になる。主面14aが(100)面から[00−1]方向へ13.7°傾いた面である場合、劈開面である{001}面及び{010}面の双方が主面14aと垂直になる。また、主面14aが(001)面から[−100]方向へ13.7°傾いた面である場合、劈開面である{100}面及び{010}面の双方が主面14aと垂直になる。したがって、主面14aと垂直な面でもって支持基板14を精度よく劈開することができ、例えばレーザ素子の共振端面を精度よく形成できる。
また、上記のように支持基板14の劈開面が主面14aと垂直である場合には、GaN薄層12の劈開方向と、支持基板14の劈開方向とが互いに揃っている(実質的に平行である)ことが尚好ましい。GaN薄層12の劈開方向と、支持基板14の劈開方向とを互いに合致させておくことにより、レーザ素子を作製する際に、良好な劈開面による共振端面を作製することができ、高品質のレーザ素子を作製できるからである。また、たとえGaN薄層12の共振器面が良好な劈開面が得易い面と異なっていても、支持基板14の劈開面に従って比較的良好な共振器面を得ることができる。
具体的には、支持基板14がZnO基板であり、支持基板14の主面14aの面方位が{0001}面である場合、GaN薄層12の<1−100>方向または<11−20>方向と、ZnO結晶の<1−100>方向または<11−20>方向とが互いに並行であることが好ましい。例えば、表面12aがA軸方向に傾斜したGaN薄層12の<1−100>方向が支持基板14のZnO結晶の<1−100>方向または<11−20>方向と並行であることにより、GaN薄層12の劈開方向と支持基板14の劈開方向とが揃うことができる。或いは、表面12aがM軸方向に傾斜したGaN薄層12の<11−20>方向が支持基板14のZnO結晶の<1−100>方向または<11−20>と並行であることにより、GaN薄層12の劈開方向と支持基板14の劈開方向とが揃うことができる。
また、支持基板14がβ−Ga基板であり、支持基板14の主面14aの面方位が{010}面である場合、GaN薄層12の<1−100>方向または<11−20>方向と、β−Ga結晶の{100}面または{001}面の面方向とが互いに並行であることが好ましい。また、支持基板14の主面14aの面方位が(100)面から[00−1]方向へ13.7°傾いた面である場合、GaN薄層12の<1−100>方向または<11−20>方向と、β−Ga結晶の{001}面の面方向とが互いに並行であることが好ましい。また、支持基板14の主面14aの面方位が(001)面から[−100]方向へ13.7°傾いた面である場合、GaN薄層12の<1−100>方向または<11−20>方向と、β−Ga結晶の{100}面の面方向とが互いに並行であることが好ましい。
(第2の実施の形態)
図4は、本発明の第2実施形態に係る貼り合わせ基板10Bの構成を示す断面図である。本実施形態の貼り合わせ基板10Bは、第1実施形態のGaN薄層12上に、窒化物系化合物半導体積層部16が設けられた構成を備える。窒化物系化合物半導体積層部16は、GaN薄層12の表面12a上にエピタキシャル成長されたn型(第1導電型)半導体層18と、n型半導体層18上にエピタキシャル成長された発光層20と、発光層20上にエピタキシャル成長されたp型(第2導電型)半導体層22とを含む。なお、n型半導体層18は、本実施形態における第1窒化物系化合物半導体層であり、p型半導体層22は、本実施形態における第2窒化物系化合物半導体層である。
n型半導体層18は、例えばn型のGaN系半導体、典型的にはn型GaNからなることができる。n型半導体層18は、例えば下部クラッド層として機能する。p型半導体層22は、例えばp型のGaN系半導体、典型的にはp型GaNからなることができる。p型半導体層22は、例えば上部クラッド層として機能する。
また、発光層20は、Inを含む単一層からなることができ、或いは量子井戸構造を有することができる。必要な場合には、量子井戸構造は、交互に配列された井戸層及び障壁層を含むことができる。井戸層はInを含む窒化物系化合物半導体、例えばInGaN等からなることができ、障壁層は井戸層よりバンドギャップエネルギーの大きいInGaN又はGaN等からなることができる。発光層20の発光波長は、井戸層のバンドギャップやIn組成、その厚さ等によって制御される。本実施形態のGaN薄層12の表面12aが非極性面または半極性面であることにより、発光層20は、波長500[nm]以上550[nm]以下の範囲のピーク波長を有する緑色光を発生するようなIn組成とされることができる。
本実施形態の貼り合わせ基板10Bによれば、GaN単結晶の非極性面または半極性面を表面に有する基板の製造コストを抑えることができ、且つ、ZnO基板やβ−Ga基板といった透明導電性基板の上に窒化物系化合物半導体層が設けられた構造を備える発光素子の製造に適した基板を提供できる。
なお、本実施形態に係る貼り合わせ基板10Bを作製する際には、第1実施形態において説明した貼り合わせ基板10Aを作製したのち、そのGaN薄層12の表面12a上に、n型半導体層18、発光層20、及びp型半導体層22を順にMOCVD法によりエピタキシャル成長させる。その際、n型半導体層18とGaN薄層12とが接するように、n型半導体層18をGaN薄層12の直上に成長させることができる。また、n型半導体層18、発光層20、及びp型半導体層22を、水素還元雰囲気や高濃度のアンモニアガス雰囲気において、900℃以上1150℃以下という高い成長温度で成長させることができる。このように、GaN薄層12の直上に窒化物系化合物半導体を高温で成長させた場合であっても、ZnO基板やβ−Ga基板といった支持基板14がGaN薄層12に保護され、支持基板14を安定に保持できる。したがって、n型半導体層18、発光層20、及びp型半導体層22の結晶性を良好にできる。
(第3の実施の形態)
図5は、本発明に係る発光素子に関する第3実施形態として、半導体レーザ素子30の構成を示す断面図である。図5を参照すると、半導体レーザ素子30は、第1実施形態の貼り合わせ基板10Aがチップ状に切断されて成る基板31を備えている。基板31は、GaN薄層12及び支持基板14からなる貼り合わせ基板である。
半導体レーザ素子30は、レーザ発振のための光導波路60を有する。また、半導体レーザ素子30は、GaN薄層12の表面12a上に設けられたn型クラッド層55と、n型クラッド層55上に設けられた発光層57と、発光層57上に設けられたp型クラッド層59とを有する。
n型クラッド層55は、光導波路60の一部を構成する第1窒化物系化合物半導体層である。n型クラッド層55はn型のGaN系半導体からなり、例えばGaN、AlGaN、InAlGaN等からなることができる。n型クラッド層55は、900℃以上1150℃以下という高い成長温度でGaN薄層12の直上にエピタキシャル成長された層である。p型クラッド層59は、光導波路60の一部を構成する第2窒化物系化合物半導体層である。p型クラッド層59はp型のGaN系半導体からなり、例えばGaN、AlGaN、InAlGaN等からなることができる。なお、発光層57の構成は第2実施形態の発光層20と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
また、半導体レーザ素子30は、n型クラッド層55と発光層57との間に、第1光ガイド層61を更に備える。半導体レーザ素子30は、発光層57とp型クラッド層59との間に、第2光ガイド層63を更に備える。第1光ガイド層61及び第2光ガイド層63は、基板31に光を逃がすことなく発光層57付近に光を閉じ込め、しきい値電流を低減する為に設けられる。
第1光ガイド層61は、GaN又はInGaNからなる第1の層71と、InGaNからなる第2の層73とを含むことができる。第1の層71はn型クラッド層55上に設けられ、第2の層73は第1の層71と発光層57との間に設けられる。なお、第2の層73のIn組成は、第1の層71のIn組成より大きく、発光層57内のInGaN井戸層のIn組成より小さい。一実施例では、第1の層71はn型GaNからなり、第2の層73はアンドープInGaNからなることができる。
第2光ガイド層63は、GaN又はInGaNからなる第1の層75と、InGaNからなる第2の層77とを含むことができる。第1の層75は発光層57上に設けられ、第2の層77は発光層57と第1の層75との間に設けられる。なお、第2の層77のIn組成は、第1の層75のIn組成より大きく、発光層57内のInGaN井戸層のIn組成より小さい。一実施例では、第1の層75はp型GaNからなり、第2の層77はアンドープInGaNからなる。
半導体レーザ素子30は、電子ブロック層67を更に備える。本実施形態では、電子ブロック層67は第1の層75と第2の層77との間に設けられている。電子ブロック層67は例えばp型AlGaNからなることができる。
半導体レーザ素子30は、p型クラッド層59上に設けられたp型コンタクト層81を更に備える。p型コンタクト層81は、例えばGaN、AlGaN等からなることができる。p型クラッド層59の一部、及びp型コンタクト層81は所定の光導波方向に延びるリッジ形状をしており、該リッジ形状の側面およびp型クラッド層59の表面は絶縁膜87によって覆われている。このリッジの延伸方向、すなわち光導波路60の光導波方向は、GaN薄層12及び支持基板14の劈開方向に対して垂直に延びている。
具体的には、GaN薄層12の表面12aがGaN単結晶のM軸方向に傾斜している場合、光導波路60はGaN薄層12の<11−20>方向に沿って設けられる。そして、支持基板14がβ−Ga基板であるときには、GaN薄層12の<11−20>方向がβ−Ga結晶の{100}面もしくは{001}面と垂直に交差するように、基板31が作製される。これにより、光導波路60の光導波方向とGaN薄層12及び支持基板14の劈開面とが垂直に交差し、良好な共振端面を得ることができる。
半導体レーザ素子30は、アノード電極85を更に備える。アノード電極85は光導波路60のリッジ上に設けられており、絶縁膜87の開口を介してp型コンタクト層81に接触している。また、半導体レーザ素子30は、カソード電極99を更に備える。カソード電極99は、支持基板14の裏面14b上に設けられる。
本実施形態に係る半導体レーザ素子30によれば、第1実施形態に係る貼り合わせ基板10Aと同一の構造(GaN薄層12および支持基板14)を含むので、基板31の製造コストを抑えることができる。また、n型クラッド層55、発光層57およびp型クラッド層59等を支持基板14上に高温で成長させたとしても、GaN薄層12によって支持基板14を保護するので、支持基板14を安定に保つことができ、これらの半導体層の結晶品質を良好にできる。すなわち、本実施形態の半導体レーザ素子30によれば、ZnO基板やβ−Ga基板といった透明導電性基板の上に窒化物系化合物半導体層が設けられた半導体レーザ素子を好適に実現できる。
また、第1実施形態において説明したように、GaN結晶のC面に対し50°以上110°以下の傾斜角をもって形成されたGaN薄層12の表面12a、すなわちGaN結晶の非極性面または半極性面上にn型クラッド層55、発光層57およびp型クラッド層59がエピタキシャル成長しているので、Inを含む発光層57におけるピエゾ分極の影響を低減し、発光効率を高めることができる。
(第4の実施の形態)
図6は、本発明に係る発光素子に関する第4実施形態として、発光ダイオード(LED)40の構成を示す断面図である。図6を参照すると、発光ダイオード40は、第1実施形態の貼り合わせ基板10Aがチップ状に切断されて成る基板41を備えている。基板41は、GaN薄層12及び支持基板14からなる貼り合わせ基板である。
また、発光ダイオード40は、GaN薄層12の表面12a上に順に積層されたn型GaN層42及びn型AlGaN層43といった第1導電型の窒化物系化合物半導体層を備えている。n型GaN層42は、900℃以上1150℃以下という高い成長温度でGaN薄層12の直上に成長された層である。また、発光ダイオード40は、n型AlGaN層43上に設けられた発光層44を備えている。また、発光ダイオード40は、発光層44上に順に積層されたp型AlGaN層45及びp型GaN層46といった第2導電型の窒化物系化合物半導体層を備えている。なお、発光層44の構成は、第2実施形態の発光層20と同様であるため詳細な説明を省略する。
発光ダイオード40は、アノード電極47及びカソード電極48を更に備えている。アノード電極47は、p型GaN層46上に設けられている。アノード電極47は例えばNi/Au/Al/Auといった金属を順次積層してなり、アノード電極47とp型GaN層46との間でオーミック接触が実現されている。カソード電極48は、導電性の支持基板14の裏面14b上に設けられている。カソード電極48は、例えばTi/Al/Auといった金属を順次積層してなり、カソード電極48と支持基板14との間でオーミック接触が実現されている。
本実施形態に係る発光ダイオード40は、上述した第3実施形態と同様に、貼り合わせ基板10Aと同一の構造(GaN薄層12および支持基板14)を含むので、基板31の製造コストを抑えることができる。また、n型GaN層42、発光層44およびp型GaN層46等を支持基板14上に高温で成長させたとしても、GaN薄層12によって支持基板14を保護するので、支持基板14を安定に保つことができ、これらの半導体層の結晶品質を良好にできる。すなわち、本実施形態の発光ダイオード40によれば、ZnO基板やβ−Ga基板といった透明導電性基板の上に窒化物系化合物半導体層が設けられた発光ダイオードを好適に実現できる。
また、本実施形態においても、GaN結晶のC面に対し50°以上110°以下の傾斜角をもって形成されたGaN薄層12の表面12a、すなわちGaN結晶の非極性面または半極性面上にn型GaN層42、発光層44およびp型GaN層46がエピタキシャル成長しているので、Inを含む発光層44におけるピエゾ分極の影響を低減し、発光効率を高めることができる。
(実施例1)
HVPEにより気相合成された、(0001)面を主面とするGaN基板を種結晶として、その上に、HVPEによりGaN結晶を厚く成長した。そして、15[mm]程度の厚さのGaN単結晶インゴットを得た。そのGaN単結晶インゴットに対し種々の面方位でスライス加工を行い、半極性面を有する複数のGaN基板を得た。その後、これらのGaN基板の−C面すなわち(000−1)面に近い側の面を主面として研磨加工し、更に洗浄を施した。こうして得られたGaN基板の主面の面方位は、−C面すなわち(000−1)面に対するM軸方向への傾斜角が30°、60°、70°、75°、80°、及び85°であった。
これらのGaN基板をイオン注入装置にセットし、主面に対してイオン注入を行った。具体的には、水素イオンを加速電圧50[KeV]でもってGaN基板の主面すなわち窒素面側に注入した。イオン注入中、GaN基板の基板温度を200℃程度に昇温した。これにより、水素イオンのドーズ量を7×1017[cm−2]として、GaN基板の主面から深さ約200[nm]程度の位置にドーズ量のピークが見られた。このドーズ量のピーク付近が、イオン注入によるダメージ層である。イオン注入後、GaN基板の主面を洗浄した。そして、GaN基板をドライエッチング装置にセットして、Nガス雰囲気中で放電により生成したプラズマに曝し、GaN基板の主面を清浄面とした。なお、このときのドライエッチング条件は、RFパワーが100[W]、Nガス流量が50[sccm(1分当たりの標準立方センチメートル)]、Nガス分圧が13.3[Pa]であった。
また、支持基板として、ZnO基板及びβ−Ga基板の両方を用意した。ZnO基板は、ZnO結晶のC面を主面とするn導電型の基板であり、比抵抗は1×10−2[Ωcm]であった。また、β−Ga基板は、β−Ga結晶の(001)面を主面とする基板であり、比抵抗は1×10−2[Ωcm]であった。これら支持基板の主面を十分に洗浄した後、Oガス雰囲気中で放電により生成したプラズマに曝し、支持基板の主面を清浄面とした。なお、このときのドライエッチング条件は、RFパワーが100[W]、Oガス流量が50[sccm]、Oガス分圧が6.7[Pa]であった。
その後、GaN基板の主面と、ZnO基板及びβ−Ga基板の主面とを、表面活性化法により貼り合わせた。なお、このとき、一旦大気中にて貼り合わせた後に、室温から200℃〜300℃に昇温加熱して、接着強度を増加させた。
次に、これらの基板を貼り合わせた状態で500℃まで昇温し、GaN基板とZnO基板またはβ−Ga基板との接合物に対して斜め方向から荷重を加えることにより、GaN基板と、ZnO基板及びβ−Ga基板とを分離させた。その際、GaN基板のうちダメージ層より主面側に位置する層状部分がGaN基板から分離され、ZnO基板上およびβ−Ga基板上にGaN薄層として転写された。その結果、ZnO基板およびβ−Ga基板の各主面上に、厚さ約200[nm]程度のGaN薄層が形成された。なお、GaN薄層が分離した残りのGaN基板は、再び貼り合わせ基板の材料として使用可能である。
こうして、ZnO基板のC面上に、GaN結晶のC面に対してM軸方向に0°、10°、30°、60°、70°、75°、80°、及び85°それぞれ表面が傾斜したGaN薄層を有する貼り合わせ基板が得られた。すなわち、研磨してイオン注入した主面の裏側の面が貼り合わせ基板の表面側に存在している。同様に、β−Ga基板の(001)面上に、GaN結晶のC面に対してM軸方向に0°、10°、30°、60°、70°、75°、80°、及び85°それぞれ表面が傾斜したGaN薄層を有する貼り合わせ基板が得られた。これも、研磨してイオン注入した主面の裏側の面が貼り合わせ基板の表面側に存在している。なお、ZnO基板及びβ−Ga基板において、その面方位を他のものに変えても、同様にGaN薄層を貼り合わせることができた。
(実施例2)
本実施例では、実施例1において得られた貼り合わせ基板上に、GaN薄膜をMOCVD法によりエピタキシャル成長させた。
具体的には、実施例1において作製した貼り合わせ基板をMOCVD成長炉にセットし、V族原料としてNHガスをHキャリアガス中に流すとともに、III族原料としてTMG(トリメチルガリウム)を水素ガスで希釈して貼り合わせ基板に吹き付けるように流し、基板温度を1030℃に保って、GaN薄膜のエピタキシャル成長を行った。なお、このGaN薄膜の成長時に、Siドーピングのためのシラン(SiH)を水素ガスで希釈して流し、GaN薄膜中へのn型ドーピングを行った。通常、ZnO基板やβ−Ga基板の直上に、MOCVD法によりGaN薄膜をエピタキシャル成長させると、水素キャリアガスの還元雰囲気やNHガスの反応性によって基板表面がダメージを受け、その上に成長するGaN薄膜は、剥がれや品質の劣化を伴うこととなる。しかしながら、本実施例では、ZnO基板やβ−Ga基板のダメージは全く認められず、良好な結晶品質を有する厚さ2[μm]のGaNエピタキシャル薄膜を成長させることができた。これは、比較的低温でもって予めGaN薄層がZnO基板やβ−Ga基板に貼り付けられていたために、このGaN薄層が保護層として働き、雰囲気ガスによる基板の損傷を抑止したものと考えられる。
続いて、このGaN薄膜上に、発光素子を構成する各半導体層を同じMOCVD装置を用いてエピタキシャル成長させた。まず、既に成長されたn型のGaN薄膜上に、n型Alx1Gay1Inz1N層(但し、x1+y1+z1=1、x1≧0、y1≧0、z1≧0)を成長させた。その際、Al原料として有機金属TMAを水素ガスに希釈して流し、In原料として有機金属TMIを水素ガスに希釈して流した。次に、n型Alx1Gay1Inz1N層上に、Alx2Gay2Inz2N(但し、x2+y2+z2=1、x2≧0、y2≧0、z2≧0)からなる井戸層と、井戸層よりバンドギャップの大きいAlx3Gay3Inz3N(但し、x3+y3+z3=1、x3≧0、y3≧0、z3≧0)からなるバリヤ層とを交互に成長させて、単一量子井戸構造あるいは多重量子井戸構造を有する発光層を形成した。さらに、発光層上にp型AlGaN層を成長させ、その上に高濃度のp型GaN層を成長させた。
こうして、発光素子としての積層構造を有するエピタキシャルウェハを作製した。C面に対する傾斜角を変化させた何れの貼り合わせ基板においても、このエピタキシャルウェハでのZnO基板及びβ−Ga基板のダメージは見られなかった。また、半導体層の表面にダメージは観察されず、良好な結晶品質を有していた。なお、半導体層の表面状態は、GaN薄層表面のC面に対する傾斜角によって差が見られた。C面に対して75°傾斜させたGaN薄層表面を有する貼り合わせ基板を用いたエピタキシャルウェハが、最も表面状態が良好で且つ平坦であった。
(実施例3)
更に、実施例2において作製したエピタキシャルウェハの表面側にp型電極を形成し、裏面側にn型電極を形成して、LEDを作成した。このとき、ウェハをダイシングにより切断して、300[μm]角のチップ形状とした。これらのチップのp型電極とn型電極との間に電流を流したところ、発光層において緑色の発光が見られた。下の表1は、本実施例における、GaN薄層のC面に対する傾斜角と、ブルーシフト量および発光輝度との関係を示す表である。表1に示すように、ブルーシフト量は、GaN薄層のC面に対する傾斜角に依存していた。なお、表1に示す結果から、GaN薄層のC面に対する傾斜角は75°近辺が最も望ましいことがわかる。
Figure 2011146652
本発明による貼り合わせ基板、貼り合わせ基板の製造方法、及び発光素子は、上記した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上記各実施形態および実施例では、可視光に対して透明な導電性の支持基板としてZnO基板及びβ−Ga基板を例示したが、本発明の支持基板はこれらに限られず、窒化物系化合物半導体とは異なる材料からなるものであれば他の様々な基板を使用できる。
10A,10B…貼り合わせ基板、12…GaN薄層、12a…表面、14…支持基板、14a…主面、14b…裏面、16…窒化物系化合物半導体積層部、18…n型半導体層、20,44,57…発光層、22…p型半導体層、30…半導体レーザ素子、31,41…基板、40…発光ダイオード、42…n型GaN層、43…n型AlGaN層、45…p型AlGaN層、46…p型GaN層、47,85…アノード電極、48,99…カソード電極、55…n型クラッド層、59…p型クラッド層、60…光導波路、61…第1光ガイド層、63…第2光ガイド層、67…電子ブロック層、81…p型コンタクト層、87…絶縁膜。

Claims (23)

  1. 窒化物系化合物半導体とは異なる材料からなり、主面を有し、可視光に対して透明な導電性の支持基板と、
    前記支持基板の前記主面と貼り合わされ、窒化ガリウム結晶のC面に対し50°以上110°以下の傾斜角をもって形成された表面を有する窒化ガリウム薄層と
    を備えることを特徴とする、貼り合わせ基板。
  2. 前記支持基板が酸化ガリウム基板または酸化亜鉛基板であることを特徴とする、請求項1に記載の貼り合わせ基板。
  3. 前記支持基板の結晶状態が多結晶または単結晶であることを特徴とする、請求項1または2に記載の貼り合わせ基板。
  4. 前記支持基板の比抵抗が3×10−3[Ωcm]以上1[Ωcm]以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の貼り合わせ基板。
  5. 前記窒化ガリウム薄層の平均転位密度が2×10[cm−2]以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の貼り合わせ基板。
  6. 前記窒化ガリウム薄層の前記表面が、窒化ガリウム結晶のC面に対し60°以上95°以下の傾斜角をもって形成されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の貼り合わせ基板。
  7. 前記窒化ガリウム薄層の前記表面が、窒化ガリウム結晶のC面に対し70°以上80°以下の傾斜角をもって形成されていることを特徴とする、請求項6に記載の貼り合わせ基板。
  8. 前記窒化ガリウム薄層の前記表面の傾斜方向がA軸方向またはM軸方向であることを特徴とする、請求項6または7に記載の貼り合わせ基板。
  9. 前記窒化ガリウム薄層の前記表面が、窒化ガリウム結晶の{20−21}面であるか、または{20−21}面に対して±3°以内の傾斜角をもって形成されていることを特徴とする、請求項6または7に記載の貼り合わせ基板。
  10. 前記窒化ガリウム薄層の前記表面が、窒化ガリウム結晶のM面であるか、またはM面に対して±5°以内の傾斜角をもって形成されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の貼り合わせ基板。
  11. 前記窒化ガリウム薄層の前記表面が、窒化ガリウム結晶のA面であるか、またはA面に対して±5°以内の傾斜角をもって形成されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の貼り合わせ基板。
  12. 前記窒化ガリウム薄層の前記表面上にエピタキシャル成長された窒化物系化合物半導体層を更に備えることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の貼り合わせ基板。
  13. 前記窒化ガリウム薄層の前記表面上に設けられた窒化物系化合物半導体積層部を更に備え、
    前記窒化物系化合物半導体積層部は、
    前記窒化ガリウム薄層の前記表面上にエピタキシャル成長された第1導電型の第1窒化物系化合物半導体層と、
    前記第1窒化物系化合物半導体層上にエピタキシャル成長された、インジウムを含む窒化物系化合物半導体からなる発光層と、
    前記発光層上にエピタキシャル成長された第2導電型の第2窒化物系化合物半導体層と
    を含むことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の貼り合わせ基板。
  14. 前記支持基板が酸化ガリウム基板であり、
    前記支持基板の前記主面の面方位が、{100}面、{010}面、{001}面、(100)面から[00−1]方向へ13.7°傾いた面、及び(001)面から[−100]方向へ13.7°傾いた面のうちいずれかであることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の貼り合わせ基板。
  15. 前記窒化ガリウム薄層の劈開方向と前記支持基板の劈開方向とが揃っていることを特徴とする、請求項14に記載の貼り合わせ基板。
  16. 前記支持基板が酸化亜鉛基板であり、
    前記支持基板の前記主面の面方位が{0001}面であることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の貼り合わせ基板。
  17. 前記窒化ガリウム薄層の<1−100>方向が前記支持基板の<1−100>方向に沿っていることにより、前記窒化ガリウム薄層の劈開方向と前記支持基板の劈開方向とが揃っていることを特徴とする、請求項16に記載の貼り合わせ基板。
  18. 前記窒化ガリウム薄層の<11−20>方向が前記支持基板の<11−20>方向に沿っていることにより、前記窒化ガリウム薄層の劈開方向と前記支持基板の劈開方向とが揃っていることを特徴とする、請求項16に記載の貼り合わせ基板。
  19. 請求項1〜18のいずれか一項に記載された貼り合わせ基板を製造する方法であって、
    窒化ガリウム結晶の(000−1)面に対し50°以上110°以下の傾斜角をもって形成された表面を有する窒化ガリウム基板の前記表面にイオン注入を行う工程と、
    前記窒化ガリウム基板の前記表面と前記支持基板の前記主面とを互いに貼り合わせる工程と、
    前記窒化ガリウム基板のうち前記表面を含む部分を層状に残して他の部分を除去することにより、前記窒化ガリウム薄層を前記支持基板上に形成する工程と
    を備えることを特徴とする、貼り合わせ基板の製造方法。
  20. 前記窒化ガリウム薄層に接する窒化物系化合物半導体層をエピタキシャル成長させる工程を更に備え、
    前記窒化物系化合物半導体層の成長温度を900℃以上1150℃以下とすることを特徴とする、請求項19に記載の貼り合わせ基板の製造方法。
  21. 窒化物系化合物半導体とは異なる材料からなり、主面を有し、可視光に対して透明な第1導電型の支持基板と、
    前記支持基板の前記主面と貼り合わされ、窒化ガリウム結晶のC面に対し50°以上110°以下の傾斜角をもって形成された表面を有する窒化ガリウム薄層と、
    前記窒化ガリウム薄層の前記表面上にエピタキシャル成長された第1導電型の第1窒化物系化合物半導体層と、
    前記第1窒化物系化合物半導体層上にエピタキシャル成長された、インジウムを含む発光層と、
    前記発光層上にエピタキシャル成長された第2導電型の第2窒化物系化合物半導体層と
    を備えることを特徴とする、発光素子。
  22. 前記窒化ガリウム薄層の劈開方向と前記支持基板の劈開方向とが揃っており、
    前記窒化ガリウム薄層及び前記支持基板の劈開方向に対して垂直に延びる、レーザ発振のための光導波路が設けられていることを特徴とする、請求項21に記載の発光素子。
  23. 前記支持基板が酸化ガリウム基板または酸化亜鉛基板であり、当該発光素子がLEDであることを特徴とする、請求項21に記載の発光素子。
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