JP5928133B2 - エピタキシャルシリコンウェーハの製造方法 - Google Patents

エピタキシャルシリコンウェーハの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、エピタキシャルシリコンウェーハの製造方法に関し、詳しくは、裏面に多結晶シリコン膜を備えたシリコンウェーハの表面にシリコンをエピタキシャル成長させる場合に、多結晶シリコン膜表面のくもりの発生を防止することができるエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法に関する。
近年、デバイスの高集積化に伴いエピタキシャルシリコンウェーハ(以下、単に「エピタキシャルウェーハ」ともいう)が多く用いられている。エピタキシャルウェーハは、シリコン基板上にシリコンをエピタキシャル成長させることにより製造される。シリコンのエピタキシャル成長には化学的気相成長(CVD)法が主として用いられている。
CVD法では、シリコン(Si)を含んだ原料ガスをキャリアガス(通常はH2)とともに反応炉内に導入し、原料ガスの熱分解または還元により生成されたSiを高温に加熱されたシリコン基板上にエピタキシャル層として析出させる。Siを含んだ原料ガス(シリコンソース)としては、主として四塩化ケイ素(SiCl4)やトリクロロシラン(SiHCl3)が使用されている。
ところで、エピタキシャルウェーハを含め、一般に、シリコンウェーハは、デバイス製造工程における、鉄、銅、ニッケルなどの重金属汚染を防止するため、重金属イオンがデバイス層に到達しないように、シリコンウェーハに対してゲッタリング処理が施される。このゲッタリング処理法の一つに、ウェーハ裏面に多結晶シリコン(ポリシリコン)膜をCVD成長させることにより歪み層を形成させ、この歪み層をゲッタリングシンクとして重金属イオンを捕獲する方法がある。
例えば、特許文献1には、エクストリンシックゲッタリング(EG)処理の具体例として、シリコンウェーハの裏面にポリシリコン層を形成することにより歪み層を形成し、この歪み層を捕獲拠点として重金属不純物を捕獲するというゲッタリングの処理が施されたエピタキシャルウェーハが記載されている。
以下、裏面に多結晶シリコン膜を備えたシリコンウェーハ(以下、「PBS(ポリバックシール)ウェーハ」とも記す)上にシリコンをエピタキシャル成長させる場合について説明する。
図1は、エピタキシャルウェーハの製造に用いられるエピタキシャル成長装置の構成例を示す平面図である。図1に示すように、エピタキシャル成長装置は、シリコンウェーハ上にエピタキシャル膜を成長させる反応室(プロセスチャンバー)1a、1bと、この反応室1a、1b内にウェーハを搬送するウェーハ移載室(トランスファーチャンバー)2と、前記反応室1a、1bとウェーハ移載室2との連絡部に設けられた仕切り可動機構(ゲートバルブ)3a、3bとを備えている。ウェーハ移載室2内には、仕切り可動機構3a、3bの設置位置の近傍からウェーハ移載室2内へ向けて窒素ガス(N2)を供給できるように、また反応室1a、1b内には、水素ガス(H2)を供給できるように構成されている。
図1に示した装置を用いて裏面に多結晶シリコン膜を備えたPBSウェーハの表面にシリコンをエピタキシャル成長させるには、先ず、窒素ガス、水素ガスを供給してウェーハ移載室2内および反応室1a、1b内をそれぞれ窒素雰囲気および水素雰囲気にしておく。続いて、ウェーハ移載室2内にPBSウェーハを搬入し、仕切り可動機構3a、3bを開いて、反応室1a、1b内に配置したウェーハ支持部材(サセプタ)上に前記ウェーハを載置する。次いで、仕切り可動機構3a、3bを閉止して反応室1内を所定温度まで昇温し、水素ガス雰囲気下でベーク処理を行う。その後反応室1a、1b内に水素ガスをキャリアガスとしてトリクロロシラン(SiHCl3)等の原料ガスを供給し、所定の温度、時間でエピタキシャル成長処理をする。エピタキシャル層が所定厚さに達した後、原料ガスの供給を停止し、キャリアガスのみの供給に切り替える。
エピタキシャル成長処理が終了した後、仕切り可動機構3a、3bを開き、ウェーハ支持部材上に載置されたPBSウェーハを反応室1a、1b内からウェーハ移載室2内へ搬出する。続いて、ロードロック室(図示せず)を経てウェーハ移載室2から装置外へ搬出することにより、裏面に多結晶シリコン膜を備えたエピタキシャルウェーハが得られる。
ところで、本発明者が行った実験によれば、PBSウェーハ用いてエピタキシャル成長処理を施すと、PBSウェーハの裏面が白く曇ったような外観を呈する場合がある(以下、「裏面くもり」という)ことが判明した。裏面くもりが生じると、裏面外観不良となり、製品歩留りが低下してしまうことになる。
これまで、裏面に多結晶シリコン膜を備えていない、通常のシリコンウェーハを用いたエピタキシャル成長処理においては、エピタキシャル成長処理後にウェーハ裏面にくもりが発生することが知られているが、多結晶シリコン膜表面にくもりが発生することについての報告はない。
特開2003−188176号公報
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、裏面に多結晶シリコン膜を備えたシリコンウェーハ(PBSウェーハ)の上面にシリコンをエピタキシャル成長させる場合に、当該PBSウェーハにおける裏面くもりの発生を防止することができるエピタキシャルウェーハの製造方法の提供を目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明者は、エピタキシャル成長処理後のPBSウェーハの裏面くもりについて詳細に調査した。その結果、裏面くもりが発生しているエピタキシャルウェーハにおいては、ウェーハ裏面の外周に沿って帯状に面の粗い部分(ここでは、「裏面Halo」、または単に「Halo」と記す)が生じており、裏面くもりが強いウェーハでは、このHaloの幅が広く、ウェーハの内側まで入り込んでいることが観察された。
図2は、裏面くもりが発生しているPBSウェーハについてのTMS(Texture Measurement System)評価結果の一例をスケッチした図である。PBSウェーハ4(裏面)の外周部近傍(同図中に符合aを付した部分)からウェーハ4の内側(符合b、cを付した部分)へ向けて裏面Haloが発生しており(面の粗さの程度は、a、b、cの順に弱まる)、これらの部分を中心に裏面くもりとして観察される。帯状に発生している裏面Haloの最も幅の広い部分(同図中に符合Hwを付した部分)をここではHalo幅という。なお、符合dを付した部分では概ね正常な状態が維持されている。
さらに、Halo発生部分を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、後述する実施例に示すように、多結晶シリコンが粒成長していることが判明した。また、PBSウェーハの表面にエピタキシャル層を形成する前に実施する水素ベーク処理後にPBSウェーハの裏面(多結晶シリコン膜表面)を観察すると、裏面Haloが発生していることが確認された。
これらの調査結果から、裏面Haloの発生原因は、PBSウェーハ裏面の多結晶シリコンが、ウェーハの裏面に回り込んだ雰囲気ガス(H2)に晒された状態で熱処理されることにより、粒成長したことによるものと考えられる。
そこで、前記図1に示した構成を有するエピタキシャル成長装置を用いてPBSウェーハの表面側にシリコンエピタキシャル膜を形成する際に、ウェーハ移載室内のPBSウェーハを反応室内に搬送する直前における移載室内の圧力を反応室内の圧力よりも高めた状態で仕切り可動機構を開き、ウェーハ移載室内のシリコンウェーハを反応室内に搬送して、ウェーハ支持部材上にPBSウェーハを載置し、エピタキシャル処理を行ったところ、後述する実施例に示すように、PBSウェーハにおける裏面くもりの発生を防止することができた。さらに、反応室内の圧力とウェーハ移載室内の圧力の差(差圧)が67Pa〜266Pa(0.5torr〜2torr)の範囲内のとき、特に良好な結果が得られることを確認した。
本発明は、前記の新たな知見に基づきなされたもので、下記のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法を要旨とする。
すなわち、エピタキシャル膜を成長させる反応室と、前記反応室と連通し前記反応室内にウェーハを搬送するウェーハ移載室と、前記反応室と前記移載室との連通部に設けられ反応室と移載室とのガスの流通を開放・閉止する仕切り可動機構とを備えたエピタキシャル成長装置を用い、裏面に多結晶シリコン膜を備えたシリコンウェーハの表面側にシリコンエピタキシャル膜を形成するエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法であって、窒素ガス雰囲気とした前記移載室内の圧力を水素ガス雰囲気とした前記反応室内の圧力よりも高め、前記反応室の圧力値に対する前記移載室の圧力値の差圧を67Pa〜267Pa(0.5torr〜2torr)の範囲内に調整した状態で前記可動機構を開放し、前記移載室内のシリコンウェーハを前記反応室内に搬送すると共に、前記移載室内の圧力と前記反応室内の圧力の差を利用して前記移載室内の窒素ガスを反応室内に供給し、反応室内に設けたウェーハ支持部材に対してシリコンウェーハの多結晶シリコン膜側が支持されるように前記シリコンウェーハを載置し、前記シリコンウェーハと前記ウェーハ支持部材の本体との間に、窒素ガスと前記反応室内の雰囲気ガスとが閉じこめられた状態とし、前記可動機構を閉止して前記反応室内への窒素ガスの供給を停止した後、シリコンウェーハ表面にシリコンエピタキシャル膜を形成することを特徴とするエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法である。
また、本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法(前記の実施形態を含む)において、前記ウェーハ支持部材により前記シリコンウェーハの裏面側外周部をリング状に線接触支持またはリング状に面接触支持することが望ましい。
前記エピタキシャル成長装置は、前記移載室と前記反応室との連結部を介して前記移載室に窒素ガスが導入されるように構成されていることが望ましい。
本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法によれば、裏面に多結晶シリコン膜を備えたシリコンウェーハ(PBSウェーハ)の表面上にエピタキシャル層を形成したエピタキシャルウェーハを製造するに際し、当該PBSウェーハにおける裏面くもりの発生を防止することができる。
エピタキシャルウェーハの製造に用いられるエピタキシャル成長装置の構成例を示す平面図である。 裏面くもりが発生しているPBSウェーハについてのTMS評価結果の一例をスケッチした図である。 本発明のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法で使用するウェーハ支持部材の断面形状および使用方法を例示する図で、(a)はウェーハ載置前の状態を、(b)はウェーハ載置後の状態を表している。 多結晶シリコン膜表面のSEMによる観察結果で、(a)はHalo発生部、(b)はウェーハセンター部である。
本発明のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法は、前記のとおり、エピタキシャル膜を成長させる反応室と、前記反応室内にウェーハを搬送するウェーハ移載室と、前記反応室と前記移載室との連通部に設けられた仕切り可動機構とを備えたエピタキシャル成長装置を用い、裏面に多結晶シリコン膜を備えたシリコンウェーハ(PBSウェーハ)の表面側にシリコンエピタキシャル膜を形成するエピタキシャルシリコンウェーハを製造することを前提としている。
本発明の製造方法は、このエピタキシャルウェーハの製造方法を実施するに際し、窒素ガス雰囲気とした前記移載室内の圧力を水素ガス雰囲気とした前記反応室内の圧力よりも高め、前記反応室の圧力値に対する前記移載室の圧力値の差圧を67Pa〜267Pa(0.5torr〜2torr)の範囲内に調整した状態で前記可動機構を開放し、前記移載室内のシリコンウェーハを前記反応室内に搬送すると共に、前記移載室内の圧力と前記反応室内の圧力の差を利用して前記移載室内の窒素ガスを反応室内に供給し、反応室内に設けたウェーハ支持部材に対してシリコンウェーハの多結晶シリコン膜側が支持されるように前記シリコンウェーハを載置し、前記シリコンウェーハと前記ウェーハ支持部材の本体との間に、窒素ガスと前記反応室内の雰囲気ガスとが閉じこめられた状態とし、前記可動機構を閉止して前記反応室内への窒素ガスの供給を停止した後、シリコンウェーハ表面にシリコンエピタキシャル膜を形成する方法である。
前記の図1を参照して本発明の製造方法を説明する。
本発明の製造方法において、窒素ガス雰囲気としたウェーハ移載室2内の圧力を水素ガス雰囲気とした反応室1a、1b内の圧力よりも高めた状態で仕切り可動機構3a、3bを開放するのは、可動機構3a、3bを開放したときに、移載室内の圧力と反応室内の圧力の差を利用してウェーハ移載室2内の窒素ガスを反応室1a、1b内に流入させることによって、反応室内に搬送したPBSウェーハ裏面への反応室内雰囲気ガス(H2)の回り込みを抑制し、ウェーハ裏面の多結晶シリコンの粒成長を抑えるためである。反応室1a、1b内に流れ込んだ窒素ガスが、ウェーハを支持部材に載せることによりウェーハと支持部材間に残留し、この残留窒素ガスが反応室内雰囲気ガス(H2)のPBSウェーハ裏面への回り込みを抑え、多結晶シリコンの粒成長を抑制していると推測される。
ウェーハ移載室の圧力および反応室の圧力は、それぞれの室内に取り付けられた圧力センサー(図示せず)で測定することができる。
ウェーハ移載室と反応室の圧力差は後述する実施例に示すように、ウェーハ移載室内の圧力が反応室内の圧力より僅かでも高ければ、その分裏面くもりは改善される。
続いて、ウェーハ移載室2内のシリコンウェーハを前記反応室1a、1b内に搬送し、反応室内に設けたウェーハ支持部材に対してシリコンウェーハの多結晶シリコン膜側が支持されるように前記シリコンウェーハを載置した後、仕切り可動機構3a、3bを閉止して反応室内への窒素ガスの供給を停止する。このようにウェーハを載置することにより、後に反応室1a、1b内に原料ガスおよびドーパントガスを供給したとき、ウェーハ表面で反応が進行し、シリコンエピタキシャル膜が形成される。仕切り可動機構3a、3bを閉止するのは、ウェーハ移載室2からの窒素ガスの流入を遮断してウェーハ表面における窒化物の形成を防止するためである。
その後、シリコンウェーハ表面にシリコンエピタキシャル膜を形成する。この工程は、反応室内にキャリアガスと共に原料ガスおよびドーパントガスを供給し、通常行われている方法に準じて行えばよい。
本発明の製造方法においては、後述する実施例に示すように、前記反応室の圧力値に対する前記ウェーハ移載室の圧力値の差圧を67Pa〜266Pa(0.5torr〜2torr)の範囲内に調整する。前記差圧が67Pa(0.5torr)より小さければ、ウェーハ移載室内の窒素ガスの反応室内への流入が弱く、前述の反応室内雰囲気ガス(H2)のPBSウェーハ裏面への回り込みを十分に抑制できない場合があり、裏面くもりが発生し易くなる。一方、差圧が266Pa(2torr)より大きいと、反応炉内での反応生成物の巻き上げによりパーティクルが発生し易く、ウェーハ表面のLPD個数が著しく増加する恐れがある。
本発明の製造方法において、ウェーハ支持部材によりシリコンウェーハの裏面側外周部をリング状に線接触支持またはリング状に面接触支持することとすれば、ウェーハと支持部材間に残留している窒素ガスをより長くとどめ、それにより雰囲気ガス(H2)のPBSウェーハ裏面への回り込みを抑えることができるので、PBSウェーハにおける裏面くもりの発生をより効果的に防止することができる。
図3は、本発明のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法で使用するウェーハ支持部材(サセプタ)の断面形状および使用方法を例示する図で、(a)はウェーハ載置前の状態を、(b)はウェーハ載置後の状態を表している。図3に示すように、ウェーハ支持部材5の本体5aは円盤状で中央部の広範囲にわたって窪みを有している。支持部材5の本体5aには、支持部材5上に載置するPBSウェーハの高さ方向位置を調節するための複数の治具5bが上下動可能に取り付けられている。PBSウェーハ4は、ウェーハ支持部材5に対してシリコンウェーハ4a側を上方に向け、多結晶シリコン膜4b側で支持されるように載置される。
図3(a)はPBSウェーハ4を支持部材5に載置する直前の状態で、PBSウェーハ4とウェーハ支持部材5の本体5aとの間には、ウェーハ移載室から反応室内に窒素ガス(N2)が流れ込み、反応室内の雰囲気ガス(H2)と混在した状態になっている。図3(b)はウェーハ支持部材5の治具5bが下降してPBSウェーハ4の外周部下側を支持部材5でリング状に線接触支持した状態を表している。PBSウェーハ4とウェーハ支持部材5の本体5aとの間には、窒素ガス(N2)と反応室内の雰囲気ガス(H2)とが閉じこめられた状態になっており、その外側からの雰囲気ガス(H2)の侵入が妨げられ、PBSウェーハにおける裏面くもりの発生をより効果的に防止することができるものと推測される。
図示した例では、PBSウェーハ4の外周部下側を支持部材5でリング状に線接触支持しているが、これに限らず、狭い幅をもたせたリング状の面でウェーハ外周部を面支持できるようなウェーハ支持部材を用いてもよい。
本発明のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法は上記のように特徴づけられるが、工程順に記述すると以下のとおりである。
(1)水素ガス雰囲気の反応室内に窒素ガスを供給する。
前述した本発明の製造方法では、移載室内の圧力と反応室内の圧力の差を利用して反応室内に窒素ガスを供給する。前述のように、窒素ガスの供給は、ウェーハを支持部材上に載置する前に行うことが必要である。
(2)裏面に多結晶シリコン膜付きのシリコンウェーハをウェーハ支持部材上に載置する。ウェーハ支持部材は、前記図3に例示した形状のものが望ましい。穴などの開口部のある支持部材では、ウェーハと支持部材間に雰囲気ガス(H2)が侵入し易いため残留窒素ガスが留まりにくく、裏面くもり防止効果が低下する。
(3)ウェーハを支持部材上に載置した後、窒素ガスの供給を停止し、水素ガスのみを供給する。
(4)水素ベーク処理をしてシリコンウェーハ表面の自然酸化膜を除去する。
(5)エピタキシャル成長処理を行い、シリコンウェーハ表面にエピタキシャル膜を形成させる。
前記図1に示した構成を有するエピタキシャル成長装置を用い、反応室内の圧力に対するウェーハ移載室内の圧力の差(差圧)を−133Pa〜532Torr(−1Torr〜4Toll)の範囲内で変更する実験を行った。なお、反応室内のウェーハ支持部材には、前記図3に示した支持部材(サセプタ)を使用した。
本実験で使用したシリコンウェーハの仕様およびエピタキシャル成長処理条件を以下に示す。
シリコンウェーハ仕様
直径:200mm、極性:p型、結晶方位:(100)
ウェーハ裏面仕様:PBS(Poly Back Seal)
多結晶シリコン厚み:0.8μm
エピタキシャル成長条件
水素ベーク温度 :1160℃
エピタキシャル成長温度 :1120℃
キャリアガス :水素ガス(H2
Si原料ガス :トリクロロシラン(SiHCl3
ドーパントガス :ジボラン(B26
エピタキシャル膜厚 :5μm
エピタキシャル膜抵抗率 :10Ωcm
得られた各エピタキシャルシリコンウェーハについて、ウェーハ裏面(多結晶シリコン膜表面)で観察されるHalo幅、裏面くもりおよびウェーハ表面のLPD個数を調査した。
調査結果を表1に示す。各条件とも5枚のウェーハについての評価の結果である。なお、表1において、「差圧」とは、「移載室内の圧力」−「反応室内の圧力」であり、差圧を表す数値に付した「−」は、反応室内の圧力の方がウェーハ移載室内の圧力よりも高いことを意味する。
表1に示した「Halo幅」、「裏面くもり」および「LPD個数」についての評価の基準を表2に示す。Halo幅および裏面くもりについては、蛍光灯の照明下で目視観察により調査した。LPD個数については、LPD測定器(Tencor社製、Surfscan 6220)により測定した。また、得られたウェーハの一部については、走査型電子顕微鏡(SEM)により多結晶シリコン膜表面の観察を行った。
表1に示したように、反応室内の圧力の方がウェーハ移載室内の圧力よりも高いか(条件1)、または同じである(条件2)場合にくらべて、ウェーハ移載室内の圧力の方が反応室内の圧力よりも高い(条件3〜条件10)場合は、Halo幅および裏面くもりの改善が認められた。ただし、差圧が大きすぎると、LPD個数が増加した。
特に、差圧が67Pa(0.5Torr)〜266Pa(2Torr)(条件4〜条件7)の場合、Halo幅が狭く、裏面くもりは認められず、LPD個数も少なかった。
図4は、多結晶シリコン膜表面のSEMによる観察結果で、(a)はHalo発生部、(b)はウェーハセンター部である。この観察結果によると、裏面くもりのないウェーハセンター部では粒成長はみられないが、Halo発生部では粒成長していることがわかる。
本発明のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法によれば、裏面に多結晶シリコン膜を備えたシリコンウェーハ(PBSウェーハ)の表面上にエピタキシャル層を形成したエピタキシャルシリコンウェーハの製造における裏面くもりの発生を防止することができる。
1a、1b:反応室(プロセスチャンバー)、
2:ウェーハ移載室(トランスファーチャンバー)、
3a、3b:仕切り可動機構(ゲートバルブ)、
4:PBSウェーハ、 4a:シリコンウェーハ、 4b:多結晶シリコン膜
5:ウェーハ支持部材、 5a:本体、 5b:治具

Claims (3)

  1. エピタキシャル膜を成長させる反応室と、前記反応室と連通し前記反応室内にウェーハを搬送するウェーハ移載室と、前記反応室と前記移載室との連通部に設けられ反応室と移載室とのガスの流通を開放・閉止する仕切り可動機構とを備えたエピタキシャル成長装置を用い、裏面に多結晶シリコン膜を備えたシリコンウェーハの表面側にシリコンエピタキシャル膜を形成するエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法であって、
    窒素ガス雰囲気とした前記移載室内の圧力を水素ガス雰囲気とした前記反応室内の圧力よりも高め、前記反応室の圧力値に対する前記移載室の圧力値の差圧を67Pa〜267Pa(0.5torr〜2torr)の範囲内に調整した状態で前記可動機構を開放し、
    前記移載室内のシリコンウェーハを前記反応室内に搬送すると共に、前記移載室内の圧力と前記反応室内の圧力の差を利用して前記移載室内の窒素ガスを反応室内に供給し、
    反応室内に設けたウェーハ支持部材に対してシリコンウェーハの多結晶シリコン膜側が支持されるように前記シリコンウェーハを載置し、
    前記シリコンウェーハと前記ウェーハ支持部材の本体との間に、窒素ガスと前記反応室内の雰囲気ガスとが閉じこめられた状態とし、
    前記可動機構を閉止して前記反応室内への窒素ガスの供給を停止した後、
    シリコンウェーハ表面にシリコンエピタキシャル膜を形成することを特徴とするエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
  2. 前記ウェーハ支持部材により前記シリコンウェーハの裏面側外周部をリング状に線接触支持またはリング状に面接触支持することを特徴とする請求項1記載のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
  3. 前記エピタキシャル成長装置は、前記移載室と前記反応室との連結部を介して前記移載室に窒素ガスが導入されるように構成されたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
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