JP5927036B2 - 粉末漂白剤及びその製造方法ならびに粉末漂白剤製品 - Google Patents
粉末漂白剤及びその製造方法ならびに粉末漂白剤製品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5927036B2 JP5927036B2 JP2012117747A JP2012117747A JP5927036B2 JP 5927036 B2 JP5927036 B2 JP 5927036B2 JP 2012117747 A JP2012117747 A JP 2012117747A JP 2012117747 A JP2012117747 A JP 2012117747A JP 5927036 B2 JP5927036 B2 JP 5927036B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- component
- powder
- bleach
- bleaching
- mass
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Detergent Compositions (AREA)
Description
漂白剤は、酸素系の漂白剤と塩素系の漂白剤とに大別され、繊維製品用途としては、色柄物に適用しても色落ちがないこと、生地を傷めにくいこと、黄変させにくいこと等から、酸素系の漂白剤が適しているとされている。
また、特定の平均粒径の過炭酸ソーダと、特定の漂白活性化剤と、炭酸ナトリウムとを含有する漂白洗浄剤組成物が、円形又は線状の通気孔を有し、特定の透湿度のプラスチックフィルムからなる袋状容器に充填された漂白洗浄剤が提案されている(例えば、特許文献2)。特許文献2の発明によれば、袋状容器の透湿度を調整することにより、漂白洗浄剤組成物が保存中にケーキングすることの防止を図っている。
あるいは、過酸化水素放出体と、特定の漂白活性化剤とを含有する漂白剤組成物が、ピンホール又はスリットを有し、特定の重量増加率である容器に充填された漂白剤物品が提案されている(例えば、特許文献3)。特許文献3の発明によれば、保存時におけるケーキング及び容器の変形の防止が図られている。
さらに、固化を抑制するために結晶性アルミノ珪酸ナトリウム等の除湿性を有する化合物等を多量に配合すると、漂白性能が低下してしまう。
そこで、本発明は、基本性能である漂白性能を損なわず、固化を良好に抑制できる粉末漂白剤を目的とする。
本発明の粉末漂白剤は、水中で過酸化水素を放出する化合物の粒子(A)(以下、(A)成分ということがある)と、漂白活性化剤含有粒子(B)(以下、(B)成分ということがある)と、酸化亜鉛の粒子、酸化アルミニウムの粒子及び合成粘土鉱物の粒子から選択される1種以上(C)(以下、(C)成分ということがある)とが、それぞれ粒子として存在するものである。
なお、嵩密度は、JIS K3362−1998に準じて測定される値を示す。
(A)成分は水中で過酸化水素を放出する化合物の粒子である。粉末漂白剤は、(A)成分を有することで、漂白効果を発揮できる。
(A)成分としては、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム一水和物、過ホウ酸ナトリウム四水和物等の過酸化物が挙げられ、中でも、過酸化物としては、使用時の溶解性や保存時の安定性の点から、過炭酸ナトリウムが好ましい。
これらの(A)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
被覆粒子としては、公知のものが利用できる。例えば、被覆過炭酸ナトリウム粒子としては、ケイ酸及び/又はケイ酸塩とホウ酸及び/又はホウ酸塩とで被覆されたものや、LAS等の界面活性剤と無機化合物とを組み合わせて被覆されたものが好ましい。具体的には、特許第2918991号公報等に記載されているように、ケイ酸及び/又はケイ酸アルカリ金属塩水溶液とホウ酸及び/又はホウ酸アルカリ金属塩水溶液等を噴霧して被覆したものや、特許第2871298号公報等の芳香族炭化水素スルホン酸及び/又は平均粒子径が10〜500μmである珪酸アルカリ塩、炭酸塩、重炭酸塩及び硫酸塩で被覆したもの、パラフィンやワックス等の水不溶性有機化合物で被覆したもの等が挙げられる。非危険物化のために、炭酸ナトリウムや炭酸水素ナトリウム等、種々の無機物等と粉体混合して用いてもよい。
被覆過炭酸ナトリウム粒子としては、特開昭59−196399号公報、USP4526698号(いずれも過炭酸ナトリウムをホウ酸塩で被覆)の他に特開平4−31498号公報、特開平6−40709号公報、特開平7−118003号公報、特許第2871298号公報に掲載されている方法により製造されたものが挙げられる。
(A)成分の平均粒子径は、粉末漂白剤の平均粒子径と同じ方法で測定される値である。
(B)成分は、漂白活性化剤含有粒子であり、過酸化水素等の過酸化物によって有機過酸を発生する有機過酸前駆体等の漂白活性化剤の粒子、又は漂白活性化剤を含有する粒子である。粉末漂白剤は、(B)成分を含むことで、良好な漂白性能を発揮できる。
漂白活性化剤としては、テトラアセチルエチレンジアミン、ペンタアセチルグルコース、オクタノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、デカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ウンデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタノイルオキシ安息香酸、ノナノイルオキシ安息香酸、デカノイルオキシ安息香酸、ウンデカノイルオキシ安息香酸、ドデカノイルオキシ安息香酸、オクタノイルオキシベンゼン、ノナノイルオキシベンゼン、デカノイルオキシベンゼン、ウンデカノイルオキシベンゼン、ドデカノイルオキシベンゼン等が挙げられる。
(B)成分は、例えば、漂白活性化剤及び界面活性剤を混合し、これにバインダー及び酸性物質を添加して混合した後に、60〜70℃にて押出造粒して得られる。ここで、バインダーは、予め融解されて添加されることが好ましい。また、ブリケット機により粒子化してもよい。
界面活性剤としては、(B)成分の溶解性を高める観点から、例えば、炭素数10〜18(好ましくは炭素数12〜14)のアルキル硫酸塩、炭素数10〜18(好ましくは炭素数12〜14)のアルキルエーテル硫酸塩(オキシエチレン基の重合度は1〜10、特に1〜5が好ましい。)及び炭素数10〜18(好ましくは炭素数12〜14)のα−オレフィンスルホン酸塩(AOS)から選ばれる1種以上が好ましい。
(B)成分中の界面活性剤の含有量は、例えば、0〜50質量%が好ましく、1〜45質量%がより好ましく、5〜40質量%がさらに好ましい。
バインダーとしては、(B)成分の流動性を高める観点から、例えば炭素数が8〜20、特に10〜18の脂肪酸(塩)及びポリエチレングリコール(好ましくは平均分子量2000〜20000、より好ましくは平均分子量4000〜10000)から選ばれる1種以上が好ましい。
(B)成分中のバインダーの含有量は、0.5〜30質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましく、5〜20質量%がさらに好ましい。
酸性物質としては、漂白活性化剤の安定性を高める観点から、例えば、コハク酸、マレイン酸、フマール酸、クエン酸、グリコール酸、p−ヒドロキシ安息香酸から選ばれる1種以上が好ましい。
(B)成分中の酸性物質の含有量は、0〜20質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましく、1〜10質量%がさらに好ましい。
(B)成分の平均粒子径は、粉末漂白剤の平均粒子径と同じ方法で測定される値である。
(C)成分は、酸化亜鉛の粒子、酸化アルミニウムの粒子及び合成粘土鉱物の粒子から選択される1種以上である。粉末漂白剤は、(C)成分を含むことで、固化が良好に抑制されたものとなる。
酸化亜鉛の粒子の平均粒子径は、20nm〜10μmが好ましく、200nm〜5μmがより好ましい。平均粒子径が200nm未満では、嵩比重が大きくなり(A)成分との接触率が高くなることから、水分を吸収した酸化亜鉛と(A)成分とが反応し、(A)成分が分解して、漂白性能が低下するおそれがある。上記上限値超では、比表面積が小さくなり、固化を引き起こす(B)成分との接触面積が減少し、固化を十分に抑制できないおそれがある。即ち、平均粒子径が上記範囲内であれば、固化をより良好に抑制すると共に(A)成分の安定性をより高められる。
平均粒子径が上記範囲のものとしては、酸化亜鉛,3N5(関東化学株式会社製)、酸化亜鉛,−5μm,99.9%(和光純薬工業株式会社製)、酸化亜鉛(一般品、三井金属鉱業株式会社製)、酸化亜鉛(細粒品、三井金属鉱業株式会社製)、酸化亜鉛(EP、三井金属鉱業株式会社製)、酸化亜鉛(粒状品、三井金属鉱業株式会社製)等が挙げられる。
酸化アルミニウムの粒子の平均粒子径は、20nm〜5μmが好ましく、20nm〜50nmがより好ましい。平均粒子径が20nm未満では、比表面積が大きくなり(A)成分との接触率が高くなる。このため、水分を吸収した酸化アルミニウムと(A)成分とが反応し、(A)成分が分解して、漂白性能が低下するおそれがある。上記上限値超では、比表面積が小さくなり、固化を引き起こす(B)成分との接触面積が減少し、固化を十分に抑制できないおそれがある。即ち、平均粒子径が上記範囲内であれば、固化をより良好に抑制すると共に(A)成分の安定性をより高められる。
平均粒子径が上記範囲のものとしては、NanoTek(商品名、酸化アルミニウム、関東化学株式会社製)等が挙げられる。
合成粘土鉱物としては、スメクタイト族粘土鉱物が好ましい。合成スメクタイト族粘土鉱物としては合成ヘクトライト、合成フッ素ヘクトライト、合成サポナイト、合成スチブンサイト等が挙げられ、中でも合成ヘクトライトが好ましい。
加えて、合成粘土鉱物の平均粒子経は、20〜100nmが好ましい。平均粒子径が上記範囲内であれば、(A)成分の安定性を低下させることなく、固化の抑制効果を高められる。
このような合成粘土鉱物としては、市販のものを使用でき、例えば、ロックウッドアディティブス社が販売するラポナイト(LAPONITE、登録商標)等の合成ヘクトライトが挙げられ、より具体的には、ラポナイトRD、ラポナイトXLG、ラポナイトS482等が挙げられる。中でも、固化をより良好に抑制する観点からラポライトRDが好ましい。
粉末漂白剤には、本発明の効果を阻害しない範囲内で、必要に応じて、(A)〜(C)成分以外に、界面活性剤、香料、無機塩類、蛍光増白剤、酵素、色素等の任意成分を配合することができる。
界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤等、粉末漂白剤に従来用いられているものが挙げられる。
粉末漂白剤中の界面活性剤の含有量は0.5質量%以下が好ましく、0.1質量%以下がより好ましい。
香料としては、特に限定されず、例えば、特開2003−268398号公報、特開2002−146399号公報、特開2003−89800号公報等に記載の香料成分が挙げられる。粉末漂白剤中の香料の含有量は、0.01〜5質量%が好ましい。
無機塩類としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、珪酸マグネシウム、塩化マグネシウム等が挙げられる。これらの無機塩類は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
蛍光増白剤としては、4,4’−ビス−(2−スルホスチリル)−ビフェニル塩、4,4’−ビス−(4−クロロ−3−スルホスチリル)−ビフェニル塩、2−(スチリルフェニル)ナフトチアゾール誘導体、4,4’−ビス(トリアゾール−2−イル)スチルベン誘導体、ビス−(トリアジニルアミノスチルベン)ジスルホン酸誘導体等の蛍光染料が挙げられる。
蛍光染料としては、ホワイテックスSA、ホワイテックスSKC(商品名、住友化学株式会社製);チノパールAMS−GX、チノパールDBS−X、チノパールCBS−X(商品名、BASF社製);Lemonite CBUS−3B(商品名、Khyati Chemicals)等が挙げられ、中でも、チノパールCBS−X、チノパールAMS−GXが好ましい。
これらの蛍光増白剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
酵素としては、市販のものをそのまま用いることができる。酵素をその反応性から分類すると、ハイドロラーゼ類、オキシドレダクターゼ類、リアーゼ類、トランスフェラーゼ類及びイソメラーゼ類等を挙げることができ、本発明にはいずれも適用できる。中でも、プロテアーゼ、エステラーゼ、リパーゼ、ヌクレアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ及びペクチナーゼ等が好ましい。
プロテアーゼとしては、サビナーゼ(Savinase)、アルカラーゼ(Alcalase)、エバラーゼ(Everlase)、カンナーゼ(Kannase)、エスペラーゼ(Esperaze)(以上、ノボザイムズ社製)、API21(昭和電工株式会社製)、マクサターゼ(Maxtaze)、マクサカル(Maxacal)、ピュラフェクト(Purafect)、マクサペム(以上、ジェネンコア社製)、KAP(花王株式会社製)、特開平5−25492号公報記載のプロテアーゼK−14、K−16等が挙げられる。
エステラーゼとしては、ガストリックリパーゼ、バンクレアチックリパーゼ、植物リパーゼ類、ホスホリパーゼ類、コリンエステラーゼ類及びホスホターゼ類等が挙げられる。
リパーゼとしては、リポラーゼ、リポラーゼウルトラ、ライペックス(以上、ノボザイムズ社製)、リポサム(昭和電工株式会社製)等が挙げられる。
セルラーゼとしては、セルザイム、ケアザイム、セルクリーン(以上、ノボザイムズ社製)、KAC500(花王株式会社製)、特開昭63−264699号公報の請求項4記載のセルラーゼ等が挙げられる。
アミラーゼとしては、ターマミル(Termamyl)、デュラミル(Duramyl)、ステインザイム(Stainzyme)、プロモザイム(Promozyme)200L(以上、ノボザイムズ社製)、マキサミル(Maxamyl)(ジェネンコア社製)、プルラナーゼアマノ(天野製薬株式会社社)、DB−250、AerobacteraerogenesATCC9621由来のプルラナーゼ(クルード又は結晶化品が生化学工業社株式会社より発売)等が挙げられる。
これらの酵素は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
粉末漂白剤には、粉末漂白剤の外観を良好にするために、各種色素を用いることができる。
色素としては、染料や顔料が挙げられ、中でも、保存安定性の点から顔料が好ましく、酸化物等の耐酸化性を有するものが特に好ましい。例えば、酸化チタン、酸化鉄、銅フタロシアニン、コバルトフタロシアニン、群青、紺青、シアニンブルー、シアニングリーン等が挙げられる。
本発明の粉末漂白剤の製造方法は、(A)〜(C)成分を粉体混合するものであり、例えば、(B)成分と(C)成分とを混合し(第一の混合工程)、次いで、(A)成分を混合する(第二の混合工程)ものが挙げられる。
このように、第一の混合工程と第二の混合工程とを経ることで、(C)成分が(B)成分に吸着し、(B)成分表面に存在する確率が高くなる。固化は、(A)成分の分解や外気の水分を(B)成分が吸収することにより起こる。よって、第一の混合工程を経ることで(B)成分の水分吸収を抑制できる。
そして、二次混合粉体をそのまま、あるいはさらに任意成分等と混合して、粉末漂白剤を得る。
粉末漂白剤製品としては、粉末漂白剤が1回の使用量(例えば、10〜100g、より好ましくは20〜50g)毎に包装袋(小容量袋)に収納されたものが好ましい。小容量袋に収納されたものであれば、粉末漂白剤を計量する煩雑さが解消される。加えて、使用量が上記程度であれば、洗濯機を用いた洗浄、バケツ等を用いた浸け置き洗い等、様々な使用方法において高い漂白性能が発揮される。
小容量袋を構成するフィルムの材質としては、各種フィルムを2種類以上融着あるいは接着剤等で積層した多層フィルムが好適に使用される。多層フイルムとしては、例えば、防湿セロハン/ボリプロピレン(PP)、PP/延伸PP(OPP)、OPP/ポリエチレン(PE)、ナイロン(NY)/PE、ポリエチレンテレフタレート(PET)/PE、PET/NY/PP、NY/PP/エチレンビニルアルコール(EVOH)、PET/無延伸PP(CPP)等が挙げられる。
小容量袋を構成するフィルムの厚みは、材質や内容量等を勘案して決定され、例えば、30〜200μmが好適である。
本発明の粉末漂白剤の使用方法は、従来公知の漂白方法に従って行われる。漂白方法としては、例えば、粉末漂白剤を水に溶解して漂白液とし、この漂白液に被漂白物を浸漬(浸け置き)したり、漂白液を被漂白物に塗布したりして、任意の時間放置した後、水ですすぐ方法が挙げられる。あるいは、漂白液を用いて、洗濯機で洗浄する方法が挙げられる。
被漂白物としては、特に限定されないが、例えば、衣料、絨毯、カーテン、布製の靴等の繊維製品が好ましい。
漂白液を調製する際、水100質量部に対する粉末漂白剤の添加量は、例えば、0.1〜5質量部とされる。
本発明の粉末漂白剤は、(A)〜(C)成分が混合されてなり、(B)/(C)比が40以下であるため、小容量袋に収納されていても、固化しにくい。このため、粉末漂白剤を小容量袋に収納することで、取扱性に優れた粉末漂白剤製品を得られる。
<(A)成分>
A−1:過炭酸ナトリウム粒子(PC−A、日本パーオキサイド株式会社製)。
A−2:過炭酸ナトリウム粒子(SPCC−8J、浙江金科化工股▲分▼有限公司製)。
B−1:下記調製例1で調製されたもの。
≪調製例1≫B−1の調製
p−フェノールスルホン酸ナトリウム(関東化学株式会社製、試薬)、N,N−ジメチルホルムアミド(関東化学株式会社製、試薬)、ラウリン酸クロライド(東京化成工業株式会社製、試薬)、アセトン(関東化学株式会社製、試薬)を用い、以下のようにして4−ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムを合成した。
予め脱水処理したp−フェノールスルホン酸ナトリウム100g(0.46mol)をジメチルホルムアミド300g中に分散させ、マグネチックスターラーで撹拌しながらラウリン酸クロライド111g(0.51mol)を50℃で30分かけて滴下した。滴下終了後、3時間反応させ、ジメチルホルムアミドを減圧下(0.5〜1mmHg)、100℃で留去した。アセトンで洗浄した後、水/アセトン(=1/1mol)溶媒中にて再結晶させた。収率は90%であった。
得られた4−ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム70質量部と、ポリエチレングリコール(ポリエチレングリコール#6000M、ライオン株式会社製)20質量部と、炭素数14のα−オレフィンスルホン酸ナトリウム(リポランPJ−400、粉末品、ライオン株式会社製)5質量部と、を計5000gとなるようにエクストルード・オーミックスEM−6型(ホソカワミクロン株式会社製)で、混練押し出しして、0.8mmφのヌードル状の押出品を得た。この押出品(60℃)をフィッツミルDKA−3(ホソカワミクロン株式会社製)で粉砕して、平均粒子径900μm、嵩密度0.5g/cm3のB−1を得た。
≪調製例2≫B−2の調製
4−ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムを4−デカノイルオキシ安息香酸(三井化学株式会社製)に換えた以外は、調製例1と同様にしてB−2(平均粒子径900μm、嵩密度0.5g/cm3)を得た。
C−1:酸化亜鉛粒子(酸化亜鉛一般品、平均粒子径;270nm、三井金属工業株式会社製)。
C−2:酸化亜鉛粒子(平均粒子径;20nm、和光純薬工業株式会社製)。
C−3:酸化亜鉛粒子(酸化亜鉛3N5、平均粒子径;5〜10μm、関東化学株式会社製)。
C−4:合成粘土鉱物粒子(ラポナイトRD、平均粒子径;100nm、ロックウッドアディティブス製)。
C−5:酸化アルミニウム粒子(NanoTek、平均粒子径;22.2〜47.7nm、関東化学株式会社製)
C’−1:結晶性アルミノ珪酸ナトリウム(シルトンB、平均粒子径;180nm、水澤化学工業株式会社製)。
C’−2:天然粘土鉱物(ネオクニボンド、平均粒子径;23μm、クニミネ工業株式会社製)。
C’−3:天然粘土鉱物(モンモリロナイト、平均粒子径;33μm、クニミネ工業株式会社製)。
炭酸ナトリウム:ソーダ灰デンス、株式会社トクヤマ製。
包装袋α:縦17cm×横4.5cmの三方シール袋(シール幅1cm)で、上部の一箇所にピンホール(φ1mm)を形成したもの。容量;50cm3、容量/表面積比;0.48、材質;PET12μm/PE15μm/アルミニウム箔7μm/PE30μm。
包装袋β:縦17cm×横4.5cmの三方シール袋(シール幅1cm)で、上部の一箇所にピンホール(φ1mm)を形成したもの。容量;55cm3、容量/表面積比;0.52、材質;PET12μm/CPP40μm。
包装袋γ:縦6cm×横6cmの三方シール袋(シール幅0.5cm)で、上部の一箇所にピンホール(φ1mm)を形成したもの。容量12cm3、容量/表面積比;0.22、材質;PET12μm/PE15μm/アルミニウム箔7μm/PE30μm。
表1〜3の組成に従い、(B)成分と(C)成分(又は(C’)成分)とを粉体混合して一次混合粉体を得、一次混合粉体に(A)成分と炭酸ナトリウムとを添加し、粉体混合して、粉末漂白剤を得た。次いで、粉末漂白剤20gを表中の種類の包装袋に充填し、包装袋を封止して粉末漂白剤製品を得た。この製造方法を表中「2段混合」と記載する。
得られた粉末漂白剤製品を用いて、漂白性能、固化性及び安定性を評価し、その結果を表中に示す。
包装袋への充填量を10gとした以外は、実施例1と同様にして粉末漂白剤製品を得た。この製造方法を表中「2段混合」と記載する。
得られた粉末漂白剤製品を用いて、漂白性能、固化性及び安定性を評価し、その結果を表中に示す。
(A)成分と(B)成分と(C)成分と炭酸ナトリウムと予め粉体混合機に仕込み、これを撹拌して(A)〜(C)成分、炭酸ナトリウムを混合した以外は、実施例1と同様にして粉末漂白剤製品を得た。この製造方法を表中「1段混合」と記載する。
得られた粉末漂白剤製品を用いて、漂白性能、固化性及び安定性を評価し、その結果を表中に示す。
<試験片の調製>
ほうれん草400gを2Lの熱湯で5分間煮た後、40℃になるまで冷却した。冷却したものをミキサーで粉砕し、ガーゼで濾過した。この濾液に500gの日清紡綿ブロード#100を30分浸漬し、室温で風乾させた後、水道水で10分すすぎ、室温で風乾させたものを試験片とした。
45℃、90%RH、16時間保存し(45℃保存)、次いで、25℃、60%RH、8時間保存する(25℃保存)のを1サイクルとし、各例の粉末漂白剤製品を30サイクルの期間保存した。保存後、包装袋から粉末漂白剤1.5gを取り出し、これを300mLの水に溶解して漂白液とした。この漂白液に、5cm×5cmに裁断した試験片5枚を10時間浸漬させた。10時間浸漬させた後、試験片を水道水ですすぎ、乾燥した(以上、漂白処理)。
測色色差計(SE2000、フィルター:460nmフィルター、日本電色工業株式会社製)を用いて、漂白処理前後の試験片及び白色基準片(上記<試験片の調製>の処理をする前の日清紡綿ブロード#100)の反射率を測定し、下記(i)式により漂白率を求めた。漂白率が高いほど、漂白性能が高いといえる。
前記<漂白性能>の評価と同様にして、各例の粉末漂白剤製品を30サイクルの期間保存した。保存後、目開き4.75mmの篩上に粉末漂白剤を排出し、篩を通過した粉末漂白剤の質量(Wa)を測定した。次いで、篩上に残った粉末漂白剤の質量(Wb)を測定し下記(ii)式により固化率を求めた。求めた固化率を下記評価基準に分類し、固化性を評価した。固化率が15質量%未満(即ち、評価が「△」〜「◎」)のものを固化性が良好と判断した。
◎:固化率が5質量%未満。
○:固化率が5質量%以上10質量%未満。
△:固化率が10質量%以上15質量%未満。
×:固化率が15質量%以上。
前記<漂白性能>の評価と同様にして、各例の粉末漂白剤製品を30サイクルの期間保存した。保存後、包装袋から粉末漂白剤2gを取り出し、これに33質量%酢酸水溶液100mLを加えた後、10質量%ヨウ化カリウム溶液(1級、純正化学株式会社製)10mLを加え、マグネチックスターラーで攪拌した。攪拌しながら、1質量%モリブデン酸アンモニウム4水和物水溶液(1級、純正化学株式会社製)を数滴加え、1mol/Lチオ硫酸ナトリウム水溶液(純正化学株式会社製)で滴定した。滴定は、溶液が茶色から黄色を経て無色になったところを終点とし、下記(iii)式により有効酸素濃度(AVO)を算出した。同様にして保存前の粉末漂白剤の有効酸素濃度を求め、下記(iv)式により過酸化水素残存率を求めた。求めた過酸化水素残存率を下記評価基準に分類して、安定性を評価した。過酸化水素残存率が80%以上(即ち、評価が「△」〜「◎」)のものを安定性が良好と判断した。
((iii)式中、fは1mol/Lチオ硫酸ナトリウム水溶液の力価である。)
◎:過酸化水素残存率が95%以上。
○:過酸化水素残存率が90%以上95%未満。
△:過酸化水素残存率が80%以上90%未満。
×:過酸化水素残存率が80%未満。
実施例1、21及び22の結果から、包装袋αに比べて透湿度が高い包装袋βを用いても、包装袋αに比べて容量/表面積比が小さい包装袋γを用いても、良好な固化性を維持できた。
実施例1及び23の結果から、2段混合で製造することで、固化性、安定性がより向上することが判った。
(A)成分の含有量が10質量%である比較例1は、固化性が良好であるものの、漂白性能が「×」であった。B/C比が50の比較例2、(C)成分を含有しない比較例3、(C)成分に換えて(C’)成分を含有する比較例4〜6は、いずれも固化性が「×」であった。
これらの結果から、本発明を適用することで、漂白性能を損なわず、固化を良好に抑制できることが判った。
Claims (3)
- 水中で過酸化水素を放出する化合物の粒子(A)20〜80質量%と、漂白活性化剤含有粒子(B)と、酸化亜鉛の粒子、酸化アルミニウムの粒子及び合成粘土鉱物の粒子から選択される1種以上(C)(ただし、結晶性アルミノ珪酸塩を除く)とがそれぞれ粒子として存在し、
前記(B)成分/前記(C)成分で表される質量比が40以下であることを特徴とする粉末漂白剤。 - 請求項1に記載の粉末漂白剤が、1回の使用量毎に包装袋に収納されていることを特徴とする粉末漂白剤製品。
- 請求項1に記載の粉末漂白剤の製造方法であって、前記(B)成分と前記(C)成分とを混合した後、前記(A)成分を混合することを特徴とする粉末漂白剤の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012117747A JP5927036B2 (ja) | 2012-05-23 | 2012-05-23 | 粉末漂白剤及びその製造方法ならびに粉末漂白剤製品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012117747A JP5927036B2 (ja) | 2012-05-23 | 2012-05-23 | 粉末漂白剤及びその製造方法ならびに粉末漂白剤製品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013245242A JP2013245242A (ja) | 2013-12-09 |
JP5927036B2 true JP5927036B2 (ja) | 2016-05-25 |
Family
ID=49845291
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012117747A Active JP5927036B2 (ja) | 2012-05-23 | 2012-05-23 | 粉末漂白剤及びその製造方法ならびに粉末漂白剤製品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5927036B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6735663B2 (ja) * | 2016-12-26 | 2020-08-05 | ホーユー株式会社 | 過炭酸塩包装袋 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1143691A (ja) * | 1997-07-29 | 1999-02-16 | Kao Corp | 漂白洗浄剤組成物 |
JP4583779B2 (ja) * | 2004-02-26 | 2010-11-17 | 花王株式会社 | 容器入り漂白洗浄剤組成物 |
-
2012
- 2012-05-23 JP JP2012117747A patent/JP5927036B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013245242A (ja) | 2013-12-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP3753856B1 (en) | Childproof package unit | |
AU624282B2 (en) | Laundry detergent package and product | |
KR101585701B1 (ko) | 표백용 산화 촉매 및 이것을 사용한 표백성 조성물 | |
ES2309312T3 (es) | Composicion blanqueante y composicion detergente blanqueante. | |
BRPI0715210A2 (pt) | partÍculas de percarbonato de sàdio revestidas | |
JPH0571699B2 (ja) | ||
JP5238240B2 (ja) | 粉末漂白性組成物 | |
EP1244766B1 (en) | Bleach activators with improved solubility | |
JP2010526156A (ja) | 過酸素化合物用漂白効果増強剤(Bleichkraftverstaerker)としてのアミノアセトンおよびその塩の使用 | |
JP5358091B2 (ja) | 漂白性組成物 | |
PL203892B1 (pl) | Ciekła kompozycja o charakterze detergenta i środka czyszczącego | |
PT100101A (pt) | Composicoes precursoras de branqueamento de peroxi-acido solidas destinadas a ser utilizadas em maquinas de lavar para a limpeza de tecidos | |
JP5927036B2 (ja) | 粉末漂白剤及びその製造方法ならびに粉末漂白剤製品 | |
JP2009155292A (ja) | 殺菌・除菌用組成物 | |
JP5903340B2 (ja) | 粒状洗浄剤 | |
JP2005187743A (ja) | 漂白性組成物 | |
WO2014202954A1 (en) | Bleach and oxidation catalyst | |
JPH04147000A (ja) | ポリビニルアルコールフィルム入り漂白洗浄剤 | |
JP4176595B2 (ja) | 洗浄剤組成物 | |
KR20100099695A (ko) | 표백용 산화 촉매 및 이것을 사용한 표백성 조성물 | |
JP4583779B2 (ja) | 容器入り漂白洗浄剤組成物 | |
JP2008001736A (ja) | 粉末漂白剤組成物 | |
JP4141826B2 (ja) | 漂白洗浄剤組成物 | |
JP3513361B2 (ja) | 漂白洗浄剤 | |
JP2008031407A (ja) | 衣料用粉末洗剤組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20141105 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150702 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150924 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20151124 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160329 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160425 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5927036 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |