JP5927036B2 - 粉末漂白剤及びその製造方法ならびに粉末漂白剤製品 - Google Patents

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Description

本発明は、粉末漂白剤及びその製造方法ならびに粉末漂白剤製品に関する。
一般に、衣料等の繊維製品に付着した黄ばみや色素汚れ等の除去しにくい汚れを除去するためには、漂白剤が用いられている。
漂白剤は、酸素系の漂白剤と塩素系の漂白剤とに大別され、繊維製品用途としては、色柄物に適用しても色落ちがないこと、生地を傷めにくいこと、黄変させにくいこと等から、酸素系の漂白剤が適しているとされている。
酸素系の漂白剤は、液体漂白剤と粉末漂白剤とに大別され、両方とも漂白成分として過酸化水素と漂白活性化剤とが用いられている。液体漂白剤は、安定性(過酸化水素の分解抑制)の観点から、通常、酸性から中性とされている。このため、被漂白物を効率よく漂白するためには、液体漂白剤とアルカリ性の洗剤とを併用して、漂白液をアルカリ性にすることが好ましい。
粉末漂白剤は、漂白成分として過酸化水素を炭酸ナトリウム等に付加した過酸化物等が用いられているため、単独で用いても漂白液をアルカリ性にでき、効率よく漂白できる。粉末漂白剤の漂白液への溶解性を高めるためには、粉末漂白剤の粒子径を小さくする方がよいが、単に粉末漂白剤の粒子径を小さくすると、計量時に飛散しやすくなったり、保存時に吸湿しやすくなって固化しやすくなるという問題がある。
粉末漂白剤が固化する問題に対して、例えば、漂白活性化剤と、多価アルコール及び25℃で液体の特定の非イオン界面活性剤から選択される1種以上とを含む漂白活性化剤造粒物が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1の発明によれば、ケーキング性(固化抑制)等の物性を満足しつつ、溶解性を高めることが図られている。
また、特定の平均粒径の過炭酸ソーダと、特定の漂白活性化剤と、炭酸ナトリウムとを含有する漂白洗浄剤組成物が、円形又は線状の通気孔を有し、特定の透湿度のプラスチックフィルムからなる袋状容器に充填された漂白洗浄剤が提案されている(例えば、特許文献2)。特許文献2の発明によれば、袋状容器の透湿度を調整することにより、漂白洗浄剤組成物が保存中にケーキングすることの防止を図っている。
あるいは、過酸化水素放出体と、特定の漂白活性化剤とを含有する漂白剤組成物が、ピンホール又はスリットを有し、特定の重量増加率である容器に充填された漂白剤物品が提案されている(例えば、特許文献3)。特許文献3の発明によれば、保存時におけるケーキング及び容器の変形の防止が図られている。
特開2007−332346号公報 特許第3513361号公報 特許第4008104号公報
しかしながら、粉末漂白剤には、より一層、固化しにくいものが求められている。粉末漂白剤に配合された過酸化物は、保存中に分解して酸素ガスを発生する。酸素ガスが発生すると、容器が膨れて変形したり、破損したりする場合がある。この問題を解決するために、粉末漂白剤を収納する容器として包装袋を用いる場合には、包装袋にピンホール等の通気部を形成するのが一般的である。通気部を形成した包装袋は、包装袋内に湿気が容易に浸入することとなり、粉末漂白剤の固化を促進してしまう。例えば、計量時における粉末漂白剤の飛散や、計量の煩わしさを解消するために、粉末漂白剤を1回の使用量(例えば、10〜100g)毎に包装袋に収納した場合、粉末漂白剤の固化の問題が顕著に生じる。
さらに、固化を抑制するために結晶性アルミノ珪酸ナトリウム等の除湿性を有する化合物等を多量に配合すると、漂白性能が低下してしまう。
そこで、本発明は、基本性能である漂白性能を損なわず、固化を良好に抑制できる粉末漂白剤を目的とする。
本発明の粉末漂白剤は、水中で過酸化水素を放出する化合物の粒子(A)20〜80質量%と、漂白活性化剤含有粒子(B)と、酸化亜鉛の粒子、酸化アルミニウムの粒子及び合成粘土鉱物の粒子から選択される1種以上(C)とがそれぞれ粒子として存在し、前記(B)成分/前記(C)成分で表される質量比が40以下であることを特徴とする。
本発明の粉末漂白剤製品は、前記の本発明の粉末漂白剤が、1回の使用量毎に包装袋に収納されていることを特徴とする。
本発明の粉末漂白剤の製造方法は、前記の本発明の粉末漂白剤の製造方法であって、前記(B)成分と前記(C)成分とを混合した後、前記(A)成分を混合することを特徴とする。
本発明の粉末漂白剤によれば、基本性能である漂白性能を損なわず、固化を良好に抑制できる。
(粉末漂白剤)
本発明の粉末漂白剤は、水中で過酸化水素を放出する化合物の粒子(A)(以下、(A)成分ということがある)と、漂白活性化剤含有粒子(B)(以下、(B)成分ということがある)と、酸化亜鉛の粒子、酸化アルミニウムの粒子及び合成粘土鉱物の粒子から選択される1種以上(C)(以下、(C)成分ということがある)とが、それぞれ粒子として存在するものである。
粉末漂白剤の平均粒子径は、特に限定されないが、例えば、200〜1500μmが好ましく、250〜1000μmがより好ましい。平均粒子径が200μm以上であれば、使用時の粉立ちが抑制される。一方、1500μm以下であれば、水への溶解性が向上する。
粉末漂白剤の平均粒子径は、目開き1680μm、1410μm、1190μm、1000μm、710μm、500μm、350μm、250μm及び149μmの9段の篩と、受け皿とを用いた分級操作により測定できる。分級操作では、受け皿に、目開きの小さな篩から目開きの大きな篩を順に積み重ね、最上部の1680μmの篩の上から100g/回のサンプルを入れる。蓋をしてロータップ型篩い振盪機(株式会社飯田製作所製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、10分間振動させる。その後、それぞれの篩及び受け皿上に残留したサンプルを篩目毎に回収して、サンプルの質量を測定する。そして、受け皿と各篩との質量頻度を積算し、積算の質量頻度が50%以上となる最初の篩の目開きを「aμm」とし、aμmよりも一段大きい篩の目開きを「bμm」とする。また、受け皿からaμmの篩までの質量頻度の積算値を「c%」とし、aμmの篩上の質量頻度を「d%」とする。そして、下記(1)式により平均粒子径(50質量%粒径)を求め、これを試料の平均粒子径とする。
Figure 0005927036
粉末漂白剤の嵩密度は、特に限定されないが、例えば、0.6g/cm以上が好ましく、0.6〜1.2g/cmがより好ましく、0.7〜1.2g/cmがさらに好ましい。上記下限値以上であれば、粉立ちが抑制され、上記上限値以下であれば、水への溶解性が良好となる。
なお、嵩密度は、JIS K3362−1998に準じて測定される値を示す。
<(A)成分:水中で過酸化水素を放出する化合物の粒子>
(A)成分は水中で過酸化水素を放出する化合物の粒子である。粉末漂白剤は、(A)成分を有することで、漂白効果を発揮できる。
(A)成分としては、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム一水和物、過ホウ酸ナトリウム四水和物等の過酸化物が挙げられ、中でも、過酸化物としては、使用時の溶解性や保存時の安定性の点から、過炭酸ナトリウムが好ましい。
これらの(A)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(A)成分としては、過酸化物がそのまま配合されてもよいし、過酸化物の粒子に被覆が施された被覆粒子(例えば、被覆過炭酸ナトリウム粒子等の被覆粒子)が配合されてもよい。被覆粒子を用いることで、保存時の安定性を改善できる。
被覆粒子としては、公知のものが利用できる。例えば、被覆過炭酸ナトリウム粒子としては、ケイ酸及び/又はケイ酸塩とホウ酸及び/又はホウ酸塩とで被覆されたものや、LAS等の界面活性剤と無機化合物とを組み合わせて被覆されたものが好ましい。具体的には、特許第2918991号公報等に記載されているように、ケイ酸及び/又はケイ酸アルカリ金属塩水溶液とホウ酸及び/又はホウ酸アルカリ金属塩水溶液等を噴霧して被覆したものや、特許第2871298号公報等の芳香族炭化水素スルホン酸及び/又は平均粒子径が10〜500μmである珪酸アルカリ塩、炭酸塩、重炭酸塩及び硫酸塩で被覆したもの、パラフィンやワックス等の水不溶性有機化合物で被覆したもの等が挙げられる。非危険物化のために、炭酸ナトリウムや炭酸水素ナトリウム等、種々の無機物等と粉体混合して用いてもよい。
被覆過炭酸ナトリウム粒子としては、特開昭59−196399号公報、USP4526698号(いずれも過炭酸ナトリウムをホウ酸塩で被覆)の他に特開平4−31498号公報、特開平6−40709号公報、特開平7−118003号公報、特許第2871298号公報に掲載されている方法により製造されたものが挙げられる。
(A)成分の平均粒子径は200〜1000μmが好ましく、500〜1000μmがより好ましい。また、溶解性及び安定性の向上のため、粒径125μm未満の粒子及び1400μmを超える粒子は、(A)成分中、10質量%以下であることが好ましい。
(A)成分の平均粒子径は、粉末漂白剤の平均粒子径と同じ方法で測定される値である。
粉末漂白剤中の(A)成分の含有量は、20〜80質量%であり、20〜65質量%が好ましく、30〜65質量%がより好ましく、40〜50質量%が特に好ましい。上記下限値未満では、漂白性能が低下し、上記上限値超では、(C)成分の配合量が相対的に少なくなって、固化を十分に抑制できない。
<(B)成分:漂白活性化剤含有粒子>
(B)成分は、漂白活性化剤含有粒子であり、過酸化水素等の過酸化物によって有機過酸を発生する有機過酸前駆体等の漂白活性化剤の粒子、又は漂白活性化剤を含有する粒子である。粉末漂白剤は、(B)成分を含むことで、良好な漂白性能を発揮できる。
漂白活性化剤としては、テトラアセチルエチレンジアミン、ペンタアセチルグルコース、オクタノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、デカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ウンデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタノイルオキシ安息香酸、ノナノイルオキシ安息香酸、デカノイルオキシ安息香酸、ウンデカノイルオキシ安息香酸、ドデカノイルオキシ安息香酸、オクタノイルオキシベンゼン、ノナノイルオキシベンゼン、デカノイルオキシベンゼン、ウンデカノイルオキシベンゼン、ドデカノイルオキシベンゼン等が挙げられる。
漂白活性化剤としては、漂白性能、溶解性、変褪色の防止の観点から、ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、デカノイルオキシ安息香酸が好ましい。
(B)成分は、保存安定性や溶解性の点から、造粒物として配合されるのが一般的である。造粒物である(B)成分は、例えば、特開2000−256699号公報の段落0018に記載されているように、漂白活性化剤と、界面活性剤、バインダー、酸性物質等を用いた押出造粒法等により製造できる。あるいは、漂白活性化剤と、界面活性剤、バインダー、酸性物質等を用い、攪拌造粒法、転動造粒法等により、造粒物である(B)成分を製造してもよい。
(B)成分は、例えば、漂白活性化剤及び界面活性剤を混合し、これにバインダー及び酸性物質を添加して混合した後に、60〜70℃にて押出造粒して得られる。ここで、バインダーは、予め融解されて添加されることが好ましい。また、ブリケット機により粒子化してもよい。
(B)成分中の漂白活性化剤の含有量は、例えば、1〜90質量%が好ましく、10〜90質量%がより好ましく、30〜70質量%がさらに好ましい。
界面活性剤としては、(B)成分の溶解性を高める観点から、例えば、炭素数10〜18(好ましくは炭素数12〜14)のアルキル硫酸塩、炭素数10〜18(好ましくは炭素数12〜14)のアルキルエーテル硫酸塩(オキシエチレン基の重合度は1〜10、特に1〜5が好ましい。)及び炭素数10〜18(好ましくは炭素数12〜14)のα−オレフィンスルホン酸塩(AOS)から選ばれる1種以上が好ましい。
(B)成分中の界面活性剤の含有量は、例えば、0〜50質量%が好ましく、1〜45質量%がより好ましく、5〜40質量%がさらに好ましい。
バインダーとしては、(B)成分の流動性を高める観点から、例えば炭素数が8〜20、特に10〜18の脂肪酸(塩)及びポリエチレングリコール(好ましくは平均分子量2000〜20000、より好ましくは平均分子量4000〜10000)から選ばれる1種以上が好ましい。
(B)成分中のバインダーの含有量は、0.5〜30質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましく、5〜20質量%がさらに好ましい。
酸性物質としては、漂白活性化剤の安定性を高める観点から、例えば、コハク酸、マレイン酸、フマール酸、クエン酸、グリコール酸、p−ヒドロキシ安息香酸から選ばれる1種以上が好ましい。
(B)成分中の酸性物質の含有量は、0〜20質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましく、1〜10質量%がさらに好ましい。
(B)成分の平均粒子径は350〜1400μmが好ましく、800〜1000μmがより好ましい。上記下限値未満であると、比表面積が大きくなり、(C)成分以外の成分との接触率が高くなり、固化の抑制効果が低下するおそれがある。また、固化の抑制効果、溶解性及び安定性をより高めるため、粒径350μm未満の粒子及び1400μmを超える粒子は、(B)成分中、10質量%以下であることが好ましい。
(B)成分の平均粒子径は、粉末漂白剤の平均粒子径と同じ方法で測定される値である。
粉末漂白剤中の(B)成分の含有量は、造粒物であれば、1〜10質量%が好ましく、2〜6質量%より好ましく、4〜5質量%がさらに好ましい。上記下限値未満では、漂白性能の向上が図れず、上記上限値超としても漂白性能のさらなる向上を図れず、また、固化の抑制効果が低下するおそれがある。
<(C)成分:酸化亜鉛の粒子、酸化アルミニウムの粒子及び合成粘土鉱物の粒子から選択される1種以上>
(C)成分は、酸化亜鉛の粒子、酸化アルミニウムの粒子及び合成粘土鉱物の粒子から選択される1種以上である。粉末漂白剤は、(C)成分を含むことで、固化が良好に抑制されたものとなる。
酸化亜鉛の粒子としては、一般的に市販されているものを用いることができる。
酸化亜鉛の粒子の平均粒子径は、20nm〜10μmが好ましく、200nm〜5μmがより好ましい。平均粒子径が200nm未満では、嵩比重が大きくなり(A)成分との接触率が高くなることから、水分を吸収した酸化亜鉛と(A)成分とが反応し、(A)成分が分解して、漂白性能が低下するおそれがある。上記上限値超では、比表面積が小さくなり、固化を引き起こす(B)成分との接触面積が減少し、固化を十分に抑制できないおそれがある。即ち、平均粒子径が上記範囲内であれば、固化をより良好に抑制すると共に(A)成分の安定性をより高められる。
平均粒子径が上記範囲のものとしては、酸化亜鉛,3N5(関東化学株式会社製)、酸化亜鉛,−5μm,99.9%(和光純薬工業株式会社製)、酸化亜鉛(一般品、三井金属鉱業株式会社製)、酸化亜鉛(細粒品、三井金属鉱業株式会社製)、酸化亜鉛(EP、三井金属鉱業株式会社製)、酸化亜鉛(粒状品、三井金属鉱業株式会社製)等が挙げられる。
酸化アルミニウムの粒子としては、一般的に市販されているものを用いることができる。
酸化アルミニウムの粒子の平均粒子径は、20nm〜5μmが好ましく、20nm〜50nmがより好ましい。平均粒子径が20nm未満では、比表面積が大きくなり(A)成分との接触率が高くなる。このため、水分を吸収した酸化アルミニウムと(A)成分とが反応し、(A)成分が分解して、漂白性能が低下するおそれがある。上記上限値超では、比表面積が小さくなり、固化を引き起こす(B)成分との接触面積が減少し、固化を十分に抑制できないおそれがある。即ち、平均粒子径が上記範囲内であれば、固化をより良好に抑制すると共に(A)成分の安定性をより高められる。
平均粒子径が上記範囲のものとしては、NanoTek(商品名、酸化アルミニウム、関東化学株式会社製)等が挙げられる。
合成粘土鉱物は、無機塩から合成されて得られる非結晶性珪酸塩である。合成粘土鉱物は、天然粘土鉱物に比べて、板状形態を有する粘土粒子のアスペクト比(=直径/厚み)が小さいものである。合成粘土鉱物のアスペクト比は、例えば、500未満が好ましく、200以下がより好ましく、100以下がさらに好ましい。
合成粘土鉱物としては、スメクタイト族粘土鉱物が好ましい。合成スメクタイト族粘土鉱物としては合成ヘクトライト、合成フッ素ヘクトライト、合成サポナイト、合成スチブンサイト等が挙げられ、中でも合成ヘクトライトが好ましい。
加えて、合成粘土鉱物の平均粒子経は、20〜100nmが好ましい。平均粒子径が上記範囲内であれば、(A)成分の安定性を低下させることなく、固化の抑制効果を高められる。
このような合成粘土鉱物としては、市販のものを使用でき、例えば、ロックウッドアディティブス社が販売するラポナイト(LAPONITE、登録商標)等の合成ヘクトライトが挙げられ、より具体的には、ラポナイトRD、ラポナイトXLG、ラポナイトS482等が挙げられる。中でも、固化をより良好に抑制する観点からラポライトRDが好ましい。
(C)成分の平均粒子径は、レーザー光散乱法(例えば、粒度分布測定装置(LDSA−3400A(17ch)、東日コンピューターアプリケーションズ株式会社製)によって測定される体積基準のメジアン径である。
粉末漂白剤中の(C)成分の含有量は、0.1〜10質量%が好ましく、0.1〜6質量%がより好ましい。上記下限値未満では、固化を十分に抑制できないおそれがあり、上記上限値超では、(C)成分が吸収した水分によって、(A)成分の安定性を低下させるおそれがある。
粉末漂白剤中、(B)成分/(C)成分で表される質量比(以下、B/C比ということがある)は、40以下であり、0.1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜5がさらに好ましい。B/C比が上記下限値未満、即ち(C)成分の含有量を過剰としても、本発明の効果のさらなる向上が図れず、(A)成分の安定性を低下するおそれがある。B/C比が上記上限値超では、(B)成分の割合が過剰となり、固化を良好に抑制できない。
粉末漂白剤中、(C)成分/(A)成分で表される質量比(以下、C/A比ということがある)は、0.3未満が好ましく、0.21未満がより好ましく、0.15未満がさらに好ましい。(C)成分は外気からの水分を効率的に吸収して、(B)成分の固化を抑制するものの、吸収された水分は、(A)成分の安定性を低下させるように作用する。C/A比が0.3以上の粉末漂白剤は、(A)成分の含有量が少ない状態(状態I)であるか、(C)成分の量が過剰な状態(状態II)である。状態Iの場合、保存後の(A)成分の残存量が少なくなりすぎて漂白性能が低くなるおそれがあり、状態IIの場合、(C)成分に吸収された水分による(A)成分の分解が著しく、保存後の(A)成分の残存率が低くなって、漂白性能が低くなるおそれがある。
<任意成分>
粉末漂白剤には、本発明の効果を阻害しない範囲内で、必要に応じて、(A)〜(C)成分以外に、界面活性剤、香料、無機塩類、蛍光増白剤、酵素、色素等の任意成分を配合することができる。
≪界面活性剤≫
界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤等、粉末漂白剤に従来用いられているものが挙げられる。
粉末漂白剤中の界面活性剤の含有量は0.5質量%以下が好ましく、0.1質量%以下がより好ましい。
≪香料≫
香料としては、特に限定されず、例えば、特開2003−268398号公報、特開2002−146399号公報、特開2003−89800号公報等に記載の香料成分が挙げられる。粉末漂白剤中の香料の含有量は、0.01〜5質量%が好ましい。
≪無機塩類≫
無機塩類としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、珪酸マグネシウム、塩化マグネシウム等が挙げられる。これらの無機塩類は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
≪蛍光増白剤≫
蛍光増白剤としては、4,4’−ビス−(2−スルホスチリル)−ビフェニル塩、4,4’−ビス−(4−クロロ−3−スルホスチリル)−ビフェニル塩、2−(スチリルフェニル)ナフトチアゾール誘導体、4,4’−ビス(トリアゾール−2−イル)スチルベン誘導体、ビス−(トリアジニルアミノスチルベン)ジスルホン酸誘導体等の蛍光染料が挙げられる。
蛍光染料としては、ホワイテックスSA、ホワイテックスSKC(商品名、住友化学株式会社製);チノパールAMS−GX、チノパールDBS−X、チノパールCBS−X(商品名、BASF社製);Lemonite CBUS−3B(商品名、Khyati Chemicals)等が挙げられ、中でも、チノパールCBS−X、チノパールAMS−GXが好ましい。
これらの蛍光増白剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
≪酵素≫
酵素としては、市販のものをそのまま用いることができる。酵素をその反応性から分類すると、ハイドロラーゼ類、オキシドレダクターゼ類、リアーゼ類、トランスフェラーゼ類及びイソメラーゼ類等を挙げることができ、本発明にはいずれも適用できる。中でも、プロテアーゼ、エステラーゼ、リパーゼ、ヌクレアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ及びペクチナーゼ等が好ましい。
プロテアーゼとしては、サビナーゼ(Savinase)、アルカラーゼ(Alcalase)、エバラーゼ(Everlase)、カンナーゼ(Kannase)、エスペラーゼ(Esperaze)(以上、ノボザイムズ社製)、API21(昭和電工株式会社製)、マクサターゼ(Maxtaze)、マクサカル(Maxacal)、ピュラフェクト(Purafect)、マクサペム(以上、ジェネンコア社製)、KAP(花王株式会社製)、特開平5−25492号公報記載のプロテアーゼK−14、K−16等が挙げられる。
エステラーゼとしては、ガストリックリパーゼ、バンクレアチックリパーゼ、植物リパーゼ類、ホスホリパーゼ類、コリンエステラーゼ類及びホスホターゼ類等が挙げられる。
リパーゼとしては、リポラーゼ、リポラーゼウルトラ、ライペックス(以上、ノボザイムズ社製)、リポサム(昭和電工株式会社製)等が挙げられる。
セルラーゼとしては、セルザイム、ケアザイム、セルクリーン(以上、ノボザイムズ社製)、KAC500(花王株式会社製)、特開昭63−264699号公報の請求項4記載のセルラーゼ等が挙げられる。
アミラーゼとしては、ターマミル(Termamyl)、デュラミル(Duramyl)、ステインザイム(Stainzyme)、プロモザイム(Promozyme)200L(以上、ノボザイムズ社製)、マキサミル(Maxamyl)(ジェネンコア社製)、プルラナーゼアマノ(天野製薬株式会社社)、DB−250、AerobacteraerogenesATCC9621由来のプルラナーゼ(クルード又は結晶化品が生化学工業社株式会社より発売)等が挙げられる。
これらの酵素は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
≪色素≫
粉末漂白剤には、粉末漂白剤の外観を良好にするために、各種色素を用いることができる。
色素としては、染料や顔料が挙げられ、中でも、保存安定性の点から顔料が好ましく、酸化物等の耐酸化性を有するものが特に好ましい。例えば、酸化チタン、酸化鉄、銅フタロシアニン、コバルトフタロシアニン、群青、紺青、シアニンブルー、シアニングリーン等が挙げられる。
(製造方法)
本発明の粉末漂白剤の製造方法は、(A)〜(C)成分を粉体混合するものであり、例えば、(B)成分と(C)成分とを混合し(第一の混合工程)、次いで、(A)成分を混合する(第二の混合工程)ものが挙げられる。
第一の混合工程は、(B)成分と(C)成分とを粉体混合して、一次混合粉体を得る工程である。本工程には、例えば、リボンミキサー等、従来公知の粉体混合装置を用いることができる。
第二の混合工程は、第一の混合工程で得られた一次混合粉体と(A)成分とを混合して二次混合粉体を得る工程である。本工程には、例えば、リボンミキサー等、従来公知の粉体混合装置を用いることができる。
このように、第一の混合工程と第二の混合工程とを経ることで、(C)成分が(B)成分に吸着し、(B)成分表面に存在する確率が高くなる。固化は、(A)成分の分解や外気の水分を(B)成分が吸収することにより起こる。よって、第一の混合工程を経ることで(B)成分の水分吸収を抑制できる。
そして、二次混合粉体をそのまま、あるいはさらに任意成分等と混合して、粉末漂白剤を得る。
得られた粉末漂白剤は、例えば、容器に収納されて粉末漂白剤製品とされる。容器としては、例えば、プラスチックフィルムからなる包装袋、プラスチックボトル等が挙げられる。
粉末漂白剤製品としては、粉末漂白剤が1回の使用量(例えば、10〜100g、より好ましくは20〜50g)毎に包装袋(小容量袋)に収納されたものが好ましい。小容量袋に収納されたものであれば、粉末漂白剤を計量する煩雑さが解消される。加えて、使用量が上記程度であれば、洗濯機を用いた洗浄、バケツ等を用いた浸け置き洗い等、様々な使用方法において高い漂白性能が発揮される。
小容量袋の形態としては、いわゆる一回使い切り用として適したものであればよく、例えば、スティック状袋、矩形状のフィルムを折り曲げ、重なり合う三辺をシールした三方シール袋、矩形状の2枚のフィルムを対向させ、重なり合う四方をシールした四方シール袋等が挙げられる。
小容量袋の容量は、特に限定されないが、例えば、10〜150cmが好ましく、30〜100cmがより好ましい。上記下限値以上であれば、1回の使用量の粉末漂白剤を十分に収納でき、上記上限値以下であれば、一回使い切り用の包装袋として適切な大きさにできる。
小容量袋の大きさは、特に限定されず、例えば、縦/横比が1以上であることが好ましく、2以上であることがより好ましく、3.5以上がさらに好ましい。縦/横比が1以上であれば、小容量袋がより取り扱いやすいものとなる。
小容量袋の表面積(シールしろを除く表面積)は、特に限定されないが、50〜200cmが好ましく、100〜150cmがより好ましい。表面積が小さい容器を使用することで、粉末漂白剤の固化防止性能を高めることができるが、上記下限値未満では使用者にとって使いにくい形状となる。上記上限値超では粉末漂白剤が外気と近接する割合が高くなるため、本発明の効果が発現しにくくなる。
小容量袋における容量(cm)/表面積(cm)で表される容量/表面積比は、0.15〜1が好ましく、0.3〜1がより好ましく、0.3〜0.6がさらに好ましい。容量/表面積比が上記下限値未満では、粉末漂白剤が外気と近接する割合が高くなるため、本発明の効果が発現しにくくなり、上記上限値超では小容量袋の形状が制限される。
小容量袋を構成するフィルムの材質は、粉末漂白剤が充填された後、その開口部を簡便な操作でシールできるものが好ましく、シール方法との組み合わせにより適宜選択される。例えば、小容量袋を構成するフィルムとしては、その少なくとも一面が熱可塑性樹脂からなる可撓性フィルムが好ましい。このようなフィルムを用い、熱可塑性樹脂の面が内側になるように製袋し、ヒートシール、超音波シール、高周波シール等によって、封止することで容易に粉末漂白剤製品を得られる。あるいは、溶接によるシール方法と比較すると製造効率は低下するが、接着剤を用いて封止してもよい。
小容量袋を構成するフィルムの材質としては、各種フィルムを2種類以上融着あるいは接着剤等で積層した多層フィルムが好適に使用される。多層フイルムとしては、例えば、防湿セロハン/ボリプロピレン(PP)、PP/延伸PP(OPP)、OPP/ポリエチレン(PE)、ナイロン(NY)/PE、ポリエチレンテレフタレート(PET)/PE、PET/NY/PP、NY/PP/エチレンビニルアルコール(EVOH)、PET/無延伸PP(CPP)等が挙げられる。
また、小容量袋の透湿性を低くすることで、固化をより防止でき、(A)成分の安定性を高められる。このため、小容量袋のフィルムとしては、透湿性を低減できるバリア層が設けられているものが好ましい。バリア層としては、アルミニウム箔等の金属箔、あるいはアルミニウム等の金属をプラスチックフィルムに蒸着した蒸着膜等が挙げられる。バリア層が形成されたものとしては、例えば、PET/アルミニウム箔/PET/PE/LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、PET/PE/アルミニウム蒸着フィルム/PE、OPP/PET/アルミニウム箔/OPP等が挙げられる。
小容量袋を構成するフィルムの厚みは、材質や内容量等を勘案して決定され、例えば、30〜200μmが好適である。
小容量袋には、(A)成分が分解した際に発生する酸素による膨らみを防止する目的で、一部にピンホールやスリット等、粉末漂白剤が多量に漏れない大きさの通気部が形成されていることが好ましい。
(使用方法)
本発明の粉末漂白剤の使用方法は、従来公知の漂白方法に従って行われる。漂白方法としては、例えば、粉末漂白剤を水に溶解して漂白液とし、この漂白液に被漂白物を浸漬(浸け置き)したり、漂白液を被漂白物に塗布したりして、任意の時間放置した後、水ですすぐ方法が挙げられる。あるいは、漂白液を用いて、洗濯機で洗浄する方法が挙げられる。
被漂白物としては、特に限定されないが、例えば、衣料、絨毯、カーテン、布製の靴等の繊維製品が好ましい。
漂白液を調製する際、水100質量部に対する粉末漂白剤の添加量は、例えば、0.1〜5質量部とされる。
上述の通り、本発明の粉末漂白剤は、(A)〜(C)成分が混合されてなり、(B)/(C)比が40以下であるため、基本性能である漂白性能を損なわず、固化を良好に抑制できる。
粉末漂白剤を収納する包装袋は、(A)成分の分解により生じる酸素を排出するために通気部が形成されているのが一般的である。この通気部が形成されていることで、通気部を介して水分が混入し、内容物である粉末漂白剤が固化しやすくなる。加えて、包装袋を構成するフィルムで、水分が浸入するのを完全に防止するのは困難である。さらに、包装袋の容量を小さくする程、容量に対する表面積が大きくなり、包装袋を透過する水分量が内容物に対して増大して、粉末漂白剤が固化しやすくなる。粉末漂白剤が固化する現象は、粉末漂白剤が小容量袋に収納された製品において、特に顕著となる。
本発明の粉末漂白剤は、(A)〜(C)成分が混合されてなり、(B)/(C)比が40以下であるため、小容量袋に収納されていても、固化しにくい。このため、粉末漂白剤を小容量袋に収納することで、取扱性に優れた粉末漂白剤製品を得られる。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
(使用原料)
<(A)成分>
A−1:過炭酸ナトリウム粒子(PC−A、日本パーオキサイド株式会社製)。
A−2:過炭酸ナトリウム粒子(SPCC−8J、浙江金科化工股▲分▼有限公司製)。
<(B)成分>
B−1:下記調製例1で調製されたもの。
≪調製例1≫B−1の調製
p−フェノールスルホン酸ナトリウム(関東化学株式会社製、試薬)、N,N−ジメチルホルムアミド(関東化学株式会社製、試薬)、ラウリン酸クロライド(東京化成工業株式会社製、試薬)、アセトン(関東化学株式会社製、試薬)を用い、以下のようにして4−ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムを合成した。
予め脱水処理したp−フェノールスルホン酸ナトリウム100g(0.46mol)をジメチルホルムアミド300g中に分散させ、マグネチックスターラーで撹拌しながらラウリン酸クロライド111g(0.51mol)を50℃で30分かけて滴下した。滴下終了後、3時間反応させ、ジメチルホルムアミドを減圧下(0.5〜1mmHg)、100℃で留去した。アセトンで洗浄した後、水/アセトン(=1/1mol)溶媒中にて再結晶させた。収率は90%であった。
得られた4−ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム70質量部と、ポリエチレングリコール(ポリエチレングリコール#6000M、ライオン株式会社製)20質量部と、炭素数14のα−オレフィンスルホン酸ナトリウム(リポランPJ−400、粉末品、ライオン株式会社製)5質量部と、を計5000gとなるようにエクストルード・オーミックスEM−6型(ホソカワミクロン株式会社製)で、混練押し出しして、0.8mmφのヌードル状の押出品を得た。この押出品(60℃)をフィッツミルDKA−3(ホソカワミクロン株式会社製)で粉砕して、平均粒子径900μm、嵩密度0.5g/cmのB−1を得た。
B−2:下記調製例2で調製されたもの。
≪調製例2≫B−2の調製
4−ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムを4−デカノイルオキシ安息香酸(三井化学株式会社製)に換えた以外は、調製例1と同様にしてB−2(平均粒子径900μm、嵩密度0.5g/cm)を得た。
<(C)成分>
C−1:酸化亜鉛粒子(酸化亜鉛一般品、平均粒子径;270nm、三井金属工業株式会社製)。
C−2:酸化亜鉛粒子(平均粒子径;20nm、和光純薬工業株式会社製)。
C−3:酸化亜鉛粒子(酸化亜鉛3N5、平均粒子径;5〜10μm、関東化学株式会社製)。
C−4:合成粘土鉱物粒子(ラポナイトRD、平均粒子径;100nm、ロックウッドアディティブス製)。
C−5:酸化アルミニウム粒子(NanoTek、平均粒子径;22.2〜47.7nm、関東化学株式会社製)
<(C’)成分:(C)成分の比較品>
C’−1:結晶性アルミノ珪酸ナトリウム(シルトンB、平均粒子径;180nm、水澤化学工業株式会社製)。
C’−2:天然粘土鉱物(ネオクニボンド、平均粒子径;23μm、クニミネ工業株式会社製)。
C’−3:天然粘土鉱物(モンモリロナイト、平均粒子径;33μm、クニミネ工業株式会社製)。
<その他>
炭酸ナトリウム:ソーダ灰デンス、株式会社トクヤマ製。
<包装袋>
包装袋α:縦17cm×横4.5cmの三方シール袋(シール幅1cm)で、上部の一箇所にピンホール(φ1mm)を形成したもの。容量;50cm、容量/表面積比;0.48、材質;PET12μm/PE15μm/アルミニウム箔7μm/PE30μm。
包装袋β:縦17cm×横4.5cmの三方シール袋(シール幅1cm)で、上部の一箇所にピンホール(φ1mm)を形成したもの。容量;55cm、容量/表面積比;0.52、材質;PET12μm/CPP40μm。
包装袋γ:縦6cm×横6cmの三方シール袋(シール幅0.5cm)で、上部の一箇所にピンホール(φ1mm)を形成したもの。容量12cm、容量/表面積比;0.22、材質;PET12μm/PE15μm/アルミニウム箔7μm/PE30μm。
(実施例1〜21、24、比較例1〜6)
表1〜3の組成に従い、(B)成分と(C)成分(又は(C’)成分)とを粉体混合して一次混合粉体を得、一次混合粉体に(A)成分と炭酸ナトリウムとを添加し、粉体混合して、粉末漂白剤を得た。次いで、粉末漂白剤20gを表中の種類の包装袋に充填し、包装袋を封止して粉末漂白剤製品を得た。この製造方法を表中「2段混合」と記載する。
得られた粉末漂白剤製品を用いて、漂白性能、固化性及び安定性を評価し、その結果を表中に示す。
(実施例22)
包装袋への充填量を10gとした以外は、実施例1と同様にして粉末漂白剤製品を得た。この製造方法を表中「2段混合」と記載する。
得られた粉末漂白剤製品を用いて、漂白性能、固化性及び安定性を評価し、その結果を表中に示す。
(実施例23)
(A)成分と(B)成分と(C)成分と炭酸ナトリウムと予め粉体混合機に仕込み、これを撹拌して(A)〜(C)成分、炭酸ナトリウムを混合した以外は、実施例1と同様にして粉末漂白剤製品を得た。この製造方法を表中「1段混合」と記載する。
得られた粉末漂白剤製品を用いて、漂白性能、固化性及び安定性を評価し、その結果を表中に示す。
(評価方法)
<試験片の調製>
ほうれん草400gを2Lの熱湯で5分間煮た後、40℃になるまで冷却した。冷却したものをミキサーで粉砕し、ガーゼで濾過した。この濾液に500gの日清紡綿ブロード#100を30分浸漬し、室温で風乾させた後、水道水で10分すすぎ、室温で風乾させたものを試験片とした。
<漂白性能>
45℃、90%RH、16時間保存し(45℃保存)、次いで、25℃、60%RH、8時間保存する(25℃保存)のを1サイクルとし、各例の粉末漂白剤製品を30サイクルの期間保存した。保存後、包装袋から粉末漂白剤1.5gを取り出し、これを300mLの水に溶解して漂白液とした。この漂白液に、5cm×5cmに裁断した試験片5枚を10時間浸漬させた。10時間浸漬させた後、試験片を水道水ですすぎ、乾燥した(以上、漂白処理)。
測色色差計(SE2000、フィルター:460nmフィルター、日本電色工業株式会社製)を用いて、漂白処理前後の試験片及び白色基準片(上記<試験片の調製>の処理をする前の日清紡綿ブロード#100)の反射率を測定し、下記(i)式により漂白率を求めた。漂白率が高いほど、漂白性能が高いといえる。
漂白率(%)=[漂白処理後の試験片の反射率−漂白処理前の試験片の反射率]÷[白色基準片の反射率−漂白処理前の試験片の反射率]×100 ・・・(i)
<固化性>
前記<漂白性能>の評価と同様にして、各例の粉末漂白剤製品を30サイクルの期間保存した。保存後、目開き4.75mmの篩上に粉末漂白剤を排出し、篩を通過した粉末漂白剤の質量(Wa)を測定した。次いで、篩上に残った粉末漂白剤の質量(Wb)を測定し下記(ii)式により固化率を求めた。求めた固化率を下記評価基準に分類し、固化性を評価した。固化率が15質量%未満(即ち、評価が「△」〜「◎」)のものを固化性が良好と判断した。
固化率(質量%)=Wb÷(Wa+Wb)×100 ・・・(ii)
≪評価基準≫
◎:固化率が5質量%未満。
○:固化率が5質量%以上10質量%未満。
△:固化率が10質量%以上15質量%未満。
×:固化率が15質量%以上。
<安定性>
前記<漂白性能>の評価と同様にして、各例の粉末漂白剤製品を30サイクルの期間保存した。保存後、包装袋から粉末漂白剤2gを取り出し、これに33質量%酢酸水溶液100mLを加えた後、10質量%ヨウ化カリウム溶液(1級、純正化学株式会社製)10mLを加え、マグネチックスターラーで攪拌した。攪拌しながら、1質量%モリブデン酸アンモニウム4水和物水溶液(1級、純正化学株式会社製)を数滴加え、1mol/Lチオ硫酸ナトリウム水溶液(純正化学株式会社製)で滴定した。滴定は、溶液が茶色から黄色を経て無色になったところを終点とし、下記(iii)式により有効酸素濃度(AVO)を算出した。同様にして保存前の粉末漂白剤の有効酸素濃度を求め、下記(iv)式により過酸化水素残存率を求めた。求めた過酸化水素残存率を下記評価基準に分類して、安定性を評価した。過酸化水素残存率が80%以上(即ち、評価が「△」〜「◎」)のものを安定性が良好と判断した。
AVO(%)=[0.1×f×1mol/Lチオ硫酸ナトリウム水溶液の消費量(mL)×(1/2)×(1/1000)×16]÷試料量(2g)×100 ・・・(iii)
((iii)式中、fは1mol/Lチオ硫酸ナトリウム水溶液の力価である。)
過酸化水素残存率(%)=保存後のAVO÷保存前のAVO×100 ・・・(iv)
≪評価基準≫
◎:過酸化水素残存率が95%以上。
○:過酸化水素残存率が90%以上95%未満。
△:過酸化水素残存率が80%以上90%未満。
×:過酸化水素残存率が80%未満。
Figure 0005927036
Figure 0005927036
Figure 0005927036
表1〜3に示すように、本発明を適用した実施例1〜24は、いずれも固化性が良好であり、かつ漂白性能が良好であった。
実施例1、21及び22の結果から、包装袋αに比べて透湿度が高い包装袋βを用いても、包装袋αに比べて容量/表面積比が小さい包装袋γを用いても、良好な固化性を維持できた。
実施例1及び23の結果から、2段混合で製造することで、固化性、安定性がより向上することが判った。
(A)成分の含有量が10質量%である比較例1は、固化性が良好であるものの、漂白性能が「×」であった。B/C比が50の比較例2、(C)成分を含有しない比較例3、(C)成分に換えて(C’)成分を含有する比較例4〜6は、いずれも固化性が「×」であった。
これらの結果から、本発明を適用することで、漂白性能を損なわず、固化を良好に抑制できることが判った。

Claims (3)

  1. 水中で過酸化水素を放出する化合物の粒子(A)20〜80質量%と、漂白活性化剤含有粒子(B)と、酸化亜鉛の粒子、酸化アルミニウムの粒子及び合成粘土鉱物の粒子から選択される1種以上(C)(ただし、結晶性アルミノ珪酸塩を除く)とがそれぞれ粒子として存在し、
    前記(B)成分/前記(C)成分で表される質量比が40以下であることを特徴とする粉末漂白剤。
  2. 請求項1に記載の粉末漂白剤が、1回の使用量毎に包装袋に収納されていることを特徴とする粉末漂白剤製品。
  3. 請求項1に記載の粉末漂白剤の製造方法であって、前記(B)成分と前記(C)成分とを混合した後、前記(A)成分を混合することを特徴とする粉末漂白剤の製造方法。
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