JP2008031407A - 衣料用粉末洗剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた臭い抑制効果を有する衣料用洗剤組成物を提供する。
【解決手段】(a)被覆過炭酸ナトリウム1〜15質量%、(b)下記一般式(I)で示される構造の配位子とCuとが結合した錯体および/又は前記配位子とMnとが結合した錯体からなる金属触媒0.005〜3質量%、(c)無機アルカリ剤20.0〜80.0質量%、および(d)界面活性剤15.0〜40.0質量%を含有することを特徴とする衣料用粉末洗剤組成物。一般式(I)において、Xは水素原子、スルホン基、アミノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシ基、または一部が置換されていてもよいアルキル基を表す。Yは水素原子、アルカリ金属、またはアルカリ土類金属を表す。pは1または2の整数を表し、pが2の場合、Xは同一のものでも、異なるものでもよい。
[化1]
Figure 2008031407

【選択図】なし

Description

本発明は衣料用粉末洗剤組成物に関する。
衣料用の洗剤組成物にあっては、近年、単に衣類の汚れを落とすだけでなく、それ以外の機能が付加される傾向にある。例えば衣類の臭いに対する消費者の意識が高まる中、衣類に蓄積する皮脂汚れに由来する臭いや、洗濯後に濡れた状態で高湿度雰囲気の中に長時間放置された場合に生じる臭い、いわゆる部屋干し臭を良好に抑制できる技術の開発が望まれている。
従来の、衣類の臭い抑制機能を有する衣料用洗剤組成物については、例えば下記特許文献1に、洗剤組成物にノニオン界面活性剤と第4級窒素含有ポリマーを配合することによって衣類の臭いを抑制する方法が記載されている。
一方、過炭酸ナトリウムは酸素系漂白剤の代表的なものとして知られている。また、酸素系漂白剤との併用により漂白効果を向上させる漂白活性化触媒として、例えば下記特許文献2〜8に記載の金属錯体が知られている。
下記特許文献9には、金属錯体による染着を抑制するために、金属錯体と界面活性剤とバインダー化合物を含有する造粒物の形態とすることが記載されている。
特開2002−60787号公報 特公平6−33431号公報 特公平6−70240号公報 特公平6−99719号公報 特開平1−97267号公報 特開平5−263098号公報 特開平9−25499号公報 米国特許5,021,187号明細書 特開2005−206835号公報
従来の衣料用洗剤組成物では、臭いの抑制効果が必ずしも充分でない場合もあり、繰り返し着用した時の衣類の臭いを良好に抑制できるとともに、部屋干し臭の発生も良好に防止できるような、優れた臭い抑制効果を有する衣料用洗剤組成物の開発が望まれている。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、優れた臭い抑制効果を有する衣料用洗剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、過炭酸ナトリウムと、特定の金属触媒と、無機アルカリ剤と、界面活性剤を組み合わせることで、相乗的に優れた臭い抑制効果が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は(a)被覆過炭酸ナトリウム1〜15質量%、(b)下記一般式(I)で示される構造の配位子とCuとが結合した錯体および/又は前記配位子とMnとが結合した錯体からなる金属触媒0.005〜3質量%、(c)無機アルカリ剤20.0〜80.0質量%、および(d)界面活性剤15.0〜40.0質量%を含有することを特徴とする衣料用粉末洗剤組成物を提供する。
Figure 2008031407
(式中Xは水素原子、スルホン基、アミノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシ基、または一部が置換されていてもよいアルキル基を表す。Yは水素原子、アルカリ金属、またはアルカリ土類金属を表す。pは1または2の整数を表し、pが2の場合、Xは同一のものでも、異なるものでもよい。)
前記(b)金属触媒が、上記一般式(I)で示される構造の配位子とCuとが結合した錯体からなることが好ましい。
本発明の衣料用粉末洗剤組成物において、前記(b)金属触媒が、該(b)金属触媒および(e)バインダー成分を含有する粒子(B)の形態で配合されていることが好ましい。
本発明によれば、優れた臭い抑制効果を有する衣料用粉末洗剤組成物が得られる。
本発明の衣料用粉末洗剤組成物(以下、単に洗剤組成物ということもある。)は、(a)被覆過炭酸ナトリウム、特定の(b)金属触媒、(c)無機アルカリ剤、および(d)界面活性剤(以下、それぞれ(a)成分、(b)成分、(c)成分、および(d)成分ということがある。)を含有する。
[(a)被覆過炭酸ナトリウム]
(a)成分としての被覆過炭酸ナトリウムは、過炭酸過ナトリウムを含有し表面に被覆剤が付与された粒子状である。被覆剤としてはホウ酸、ホウ酸塩、ケイ酸、ケイ酸塩、マグネシウム塩、又はパラフィンやワックス等の水不溶性有機化合物などが挙げられる。被覆過炭酸ナトリウムは公知の方法で製造可能であり、市販品からも入手できる。例えば、ホウ酸で被覆された過炭酸ナトリウムは特開昭59−196399号公報等に記載されている公知の方法で製造することができる。
被覆過炭酸ナトリウムの平均粒子径は200〜1000μmが好ましく、より好ましくは300〜800μmである。溶解性及び安定性の両方を満たすために粒子径125μm以下の粒子及び1000μm以上の粒子の合計が、粒子全体の10質量%以下であることが好ましい。ここでの平均粒子径は、下記に詳述する分級操作を用いた測定方法により求めた質量基準のメジアン径である。
<平均粒子径の測定方法>
まず、測定対象物(サンプル)について、目開き1,680μm、1,410μm、1,190μm、1,000μm、710μm、500μm、350μm、250μm、149μmの9段の篩と受け皿を用いて分級操作を行った。分級操作は、まず受け皿の上方に該9段の篩を、上に向かって目開きが次第に大きくなるように積み重ね、最上部の目開き1,680μmの篩の上から100g/回のサンプルを入れた。次いで、蓋をしてロータップ型ふるい振盪機(飯田製作所社製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、10分間振動させた後、それぞれの篩および受け皿上に残留したサンプルを篩目ごとに回収して、サンプルの質量を測定した。
受け皿と各篩との質量頻度を積算していくと、積算の質量頻度が、50%以上となる最初の篩の目開きをaμmとし、aμmよりも一段大きい篩の目開きをbμmとし、受け皿からaμmの篩までの質量頻度の積算をc%、またaμmの篩上の質量頻度をd%として、下記式(1)より平均粒子径(質量50%)を求めた。
Figure 2008031407
本発明の洗剤組成物における(a)成分の配合量は、1〜15質量%であり、好ましくは2〜10質量%である。上記範囲であると衣類の臭い抑制効果が十分に得られる。上記範囲を超えて(a)成分を増加させても衣類の臭い抑制効果が向上しない場合がある。
[(b)金属触媒]
本発明における(b)成分は、上記特定の配位子と遷移金属とが結合した錯体であり、言い換えると「一般式(I)で示される構造の配位子と遷移金属とがあらかじめ錯形成された錯体」である。かかる錯体は、上記特定の配位子と「遷移金属イオン」とを予め反応させて、該配位子と「遷移金属イオン」とを結合させることによって得られる。
(配位子)
一般式(I)において、Xは水素原子、スルホン基(SOH)、アミノ基(NH)、水酸基(OH)、ニトロ基(NO)、カルボキシ基(COOH)、または置換基を有していてもよいアルキル基を表す。アルキル基は直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよい。アルキル基の炭素数は好ましくは1〜30、より好ましくは1〜18である。アルキル基は、その水素原子の一部が置換基にて置換されていてもよい。この置換基としては、スルホン基(SOH)、アミノ基(NH)、水酸基(OH)、ニトロ基(NO)、カルボキシ基(COOH)等が挙げられる。
Xは配位が安定し、臭い抑制性能が向上する点からカルボキシ基であることが最も好ましい。
Xの数を表すpは1または2の整数を表し、1であることがより好ましい。pが2の場合、Xは同一のものでも、互いに異なるものでもよい。
また、pが1のとき、Xのピリジン環への結合位置は窒素原子に対してα位であることが好ましい。pが2のときも、少なくとも1つのXはα位に結合していることが好ましい。残りのXはβ位とγ位のいずれに結合していてもよい。
Yは水素原子、アルカリ金属、またはアルカリ土類金属を表す。アルカリ金属としてはNa、K等が挙げられる。アルカリ土類金属としてはCa(このとき「−C(O)O−Y」は「−C(O)O−Ca1/2」となる)等が挙げられる。
Yがアルカリ金属やアルカリ土類金属である場合を、「−C(O)O−M」(Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を示す。)と示すと、一般式(I)で表される配位子を水等の溶媒中に投入すると、「−C(O)O−M」のうちの一部または全部が「−C(O)O」とアルカリ金属またはアルカリ土類金属イオンとなる。そして、「−C(O)O」は「遷移金属イオン」と錯体を形成する。
そのため、Yがアルカリ金属またはアルカリ土類金属であっても、配位子として用いることができる。中でもYは水素原子であることが好ましい。
前記一般式(I)で表される配位子の例としては、下記化学式(1)〜(14)で表されるもの等が挙げられる。本発明はこれらの構造に限定されるものではなく、目的に応じて適宣選択することができる。なお、代表的な例として、Yは水素として表記している。
Figure 2008031407
Figure 2008031407
(b)成分としての錯体の形成に用いられる配位子は1種単独でもよく、2種以上でもよい。
(遷移金属)
本発明において、上記一般式(I)で表される配位子と結合して錯体を形成している遷移金属としてはMnおよび/またはCuが用いられる。
(b)成分としての錯体の形成に用いる遷移金属はMnまたはCuのいずれか一方でもよく、両方でもよい。すなわち、(b)成分としての錯体は、上記配位子とMnとが結合した錯体でもよく、上記配位子とCuとが結合した錯体でもよく、両方の錯体の混合物であってもよい。好ましくはいずれか一方の錯体であり、臭い防止効果の点から、上記配位子とCuとが結合した錯体を(b)成分として用いることがより好ましい。
(b)成分としての錯体において、遷移金属1個あたりの配位子の数は1個ないしは複数個であってもよく、1分子の錯体を構成する遷移金属も1個ないし複数個でもよい。従って、錯体は単核、複核、クラスターでもよい。また、多核の錯体を構成している遷移金属は互いに同種であっても異種であってもよい。
遷移金属には一般式(I)で表される配位子の他に、水、水酸基、フェノール性水酸基、アミノ基、カルボキシ基、チオール基、ハロゲン等が配位していてもよい。
多核錯体の架橋種としては酸素、硫黄、ハロゲン等があげられる。
(b)成分としての錯体は、広範囲の臭いに対する抑制効果の点からピリジン−2,6−ジカルボン酸−Cu錯体、ピリジン−2−カルボン酸−Cu錯体が好ましく、特にピリジン−2,6−ジカルボン酸−Cu錯体が特に好ましい。
(b)成分としての錯体の製造において、配位子と「遷移金属イオン」とを結合させるためには、単にこれらを溶媒中で混合しただけでは足りず、例えば、水または適当な有機溶媒に、配位子と「遷移金属イオン源」を溶解し、アルカリ剤の存在下で撹拌して反応させることが必要である。
有機溶媒としては、エタノール、メタノール、アセトニトリル、酢酸エチル、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、エタノールが好ましい。有機溶媒の温度は室温〜78℃が好ましく、室温がより好ましい。
アルカリ剤としてはトリエチルアミン、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられ、特にトリエチルアミンが好ましい。アルカリ剤は、配位子に対して1〜10モル当量程度用いることが好ましい。反応温度は室温が好ましい。反応時間は1分以上が好ましく、1分〜5時間がより好ましく、10分程度がさらに好ましい。
具体的には、まず有機溶媒中に、アルカリ剤を溶解させ、ついで配位子と「遷移金属イオン源」を撹拌しながらゆっくりと添加し、所定の反応温度で所定の反応時間攪拌した後、静置して沈殿を生成させる。静置時間は1時間〜1週間が好ましく、15時間程度がより好ましい。生成した沈殿をろ過することにより、目的の錯体が得られる。通常は、得られた沈殿を乾燥させて粉体の錯体(金属触媒)を得る。
(b)成分としての錯体の形成に用いる遷移金属源としては、水溶液に入れた時に遷移金属イオンを放出する化合物が好ましく、水溶性金属塩又は有機溶媒可溶性塩や過マンガン酸カリウム等適宜の遷移金属源を用いることができる。例えば、マンガンの場合は、硝酸マンガン、硫酸マンガン、塩化マンガン、酢酸マンガン、過塩素酸マンガン、マンガンアセチルアセトナート等が好ましい。銅の場合は、硝酸銅、硫化銅、塩化銅、酢酸銅、クエン酸銅、シアン化銅、シュウ酸銅、塩化アンモニウム銅、酒石酸銅、過塩素酸銅等が好ましい。
(b)成分としての錯体を製造する際の遷移金属と配位子の添加量比は、錯体構造に見合った割合で用いてもよく、または、どちらかを過剰量用い、錯体合成後に過剰分を取り除いてもよい。
遷移金属と配位子とを反応させた後に、未反応の配位子が残存する場合は、必ずしもこれを取り除く必要はなく、そのまま用いてもよい。
一方、未反応の遷移金属は、配位子に結合している金属と比較して、過酸化水素との反応性が高いため、過酸化水素を分解して臭い抑制効果低下の原因となったり、被洗物の変色を生じたり、過酸化水素と反応して活性酸素を生成することで被洗物にダメージを与える場合もある。そのため、遷移金属と配位子との反応後に残存する未反応の遷移金属の量を少なくすることが好ましい。本発明の洗剤組成物において、配位子と遷移金属とが結合している錯体の含有量を100質量%とするとき、錯体を形成していない遷移金属、すなわち配位子と結合していない遷移金属の含有量が1.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下が特に好ましい。
こうして得られる粉体状の錯体の粒子径は、該粉体の溶解性、および該錯体(金属触媒)による被洗物への影響と重要な関係がある。具体的には、該粉体の粒子径が大きいほど溶解性が低下するため、錯体(金属触媒)が直接被洗物と接触する機会が増す。したがって、粒子径が大きい錯体が多く存在するほど、被洗物への染着やダメージが大きくなる。したがって、上記粉体(金属触媒)は、平均粒子径が5〜40μmの範囲内であり、かつ粒子径1〜10μmの粒子が全体の10質量%以上であることが好ましい。該平均粒子径のより好ましい範囲は5〜20μmであり、特に好ましい範囲は5〜15μmである。また、前記粒子径1〜10μmの粒子の割合のより好ましい範囲は20質量%以上であり、特に好ましい範囲は40質量%以上である。
ここでの平均粒子径及び粒度分布は、粒度分布測定装置(LDSA−3400A(17ch)、東日コンピューターアプリケーションズ(株)製)を用いて測定した値である。平均粒子径は体積基準のメジアン径である。
本発明の洗剤組成物における(b)金属触媒の含有量は、0.005〜3質量%の範囲内であり、好ましくは0.01〜1質量%の範囲である。該(b)成分の含有量を0.005質量%以上とすることにより良好な臭い抑制効果が得られる。(b)成分を3質量%より多く含有させても、臭い抑制効果はそれ以上向上し難い。
[(b)金属触媒を含有する粒子(B)]
本発明の洗剤組成物には、粉体状の(b)成分をそのまま配合してもよく、(b)成分と(e)バインダー成分を含有する粒子(B)の形態で配合してもよい。
(b)成分を粒子の形態で配合すると、貯蔵時の保存安定性が向上する点で好ましい。該粒子(B)中における(b)金属触媒の含有量は、好ましくは5〜70質量%、より好ましくは5〜50質量%であり、10〜20%が最も好ましい。(b)金属触媒の含有量がこの範囲外では粒子状とした効果が十分に得られない場合がある。
(e)バインダー成分
(e)バインダー成分としては、ポリエチレングリコール、炭素数12〜20の飽和脂肪酸、質量平均分子量1,000〜1,000,000のポリアクリル酸又はその塩、およびノニオン界面活性剤から選ばれる1種以上が好ましい。2種以上を組み合わせてもよい。
ポリエチレングリコールとしては、ポリエチレングリコール1,000〜20,000(平均分子量500〜25,000)が好ましく、平均分子量2,600〜9,300のものがより好ましく、平均分子量5,000〜9,300のものがさらに好ましい。
炭素数12〜20の飽和脂肪酸としては炭素数12〜18の飽和脂肪酸が好ましい。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましい。アルキル基の炭素数は12〜16が好ましい。好ましくはエチレンオキサイド(以下EOと略す)及び/又はプロピレンオキサイド(以下POと略す)の付加体である。平均付加モル数はEO、PO、あるいはEOとPOの混合の何れの場合も、合計で好ましくは4〜30、より好ましくは5〜20であり、EO/POのモル比は、好ましくは5/0〜1/5、より好ましくは5/0〜1/2である。特に、EOのみが付加しており、平均付加モル数が5〜20であるものが製造性および溶解性の点で好ましい。
なお、本発明におけるポリエチレングリコールの平均分子量は、化粧品原料基準(第2版注解)記載の平均分子量を示す。ポリアクリル酸やその塩の質量平均分子量は、ポリエチレングリコールを標準物質とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー法による測定値である。
粒子(B)中における(e)バインダー成分の含有量は0.5〜80質量%が好ましく、5〜80質量%がより好ましく、10〜70質量%がさらに好ましい。
((f)界面活性剤成分)
(b)成分と(e)バインダー成分を含有する粒子(B)には、(f)界面活性剤成分(ノニオン界面活性剤を除く)を含有させることが好ましい。粒子(B)において(f)界面活性剤成分は必須成分ではないが、これを含有させることにより(b)成分の洗濯浴中での溶解性が向上する。
(f)界面活性剤成分としては、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩又はポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩あるいはこれらの混合物が好ましい。
α−オレフィンスルホン酸塩としてはアルキル基の炭素数が14〜18であるα−オレフィンスルホン酸のナトリウム又はカリウム塩が好ましい。
アルキルベンゼンスルホン酸塩としてはアルキル基の炭素数が10〜14である直鎖アルキルベンゼンスルホン酸のナトリウム又はカリウム塩が好ましい。
アルキル硫酸エステル塩としては、アルキル基の炭素数が10〜18であり、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩が好ましく、特にラウリル硫酸エステルナトリウム又はミリスチル硫酸エステルナトリウムが好ましい。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩としては、炭素数10〜18のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が好ましく、中でもナトリウム塩が好ましい。エチレンオキサイドの平均付加モル数は1〜10、好ましくは1〜5が好ましく、特にポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸エステルナトリウム(POE=2〜5)、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸エステルナトリウム(POE=2〜5)が好ましい。
(f)成分は1種でもよく2種以上用いてもよい。
粒子(B)中における(f)界面活性剤成分の含有量は、50質量%以下が好ましく、3〜40質量%がより好ましく、5〜30質量%がさらに好ましい。
(その他の成分)
上記(e)バインダー成分、(f)界面活性剤のほかに、粒子(B)に、例えばポリアクリル酸等のフィルム形成性重合体や、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カチオン化セルロース等のセルロース誘導体、炭酸ナトリウムや硫酸ナトリウム等の無機塩、ゼオライト等を含有させてもよく、これにより保存安定性や製造性を向上させることができる。
また粉末セルロース、シルクパウダー等の「水不溶性又は水難溶性の繊維パウダー」を粒子(B)に含有させることも好ましく、これにより製造性を向上させる効果、および被洗物へのダメージを抑制する効果が得られる。
(粒子(B)の製造方法)
粒子(B)の製造方法は、特に制限されず、(b)成分、(e)成分、および必要に応じて他の成分を均一に混合した後、公知の造粒法を用いて造粒すればよい。
(e)バインダー成分は予め融解して使用することが好ましい。具体的には(e)バインダー成分は20〜100℃、好ましくは50〜100℃、より好ましくは50〜90℃で融解させて使用する。
粒子(B)の製造は、例えば、各成分を均一になるまで混練機および押出機を用いて混合し、直径1mm程度のヌードル状に押し出し成形した後、粉砕機で粉砕造粒を行なう方法を用いることができる。または、溶融した(e)成分に(b)成分および他の成分をミキサー中で溶解、分散させ、その後冷却・固化させて塊状物を調製した後、粉砕造粒して造粒物を製造する方法でもよい。また、撹拌造粒機、容器回転型造粒機又は流動床造粒機等を用いて、(b)成分及び他の成分を混合後、該混合物を流動化させながら(e)成分を添加して造粒する方法も使用できる。
粒子(B)の平均粒子径は50〜5000μmの範囲が好ましく、100〜1000μmの範囲がより好ましい。この範囲であれば、粒子(B)の溶解性が良好であるとともに、粒子(B)の形態とすることによる貯蔵時の保存安定性の向上効果が良好に得られる。
[(c)無機アルカリ剤]
本発明における(c)無機アルカリ剤は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、結晶性層状ケイ酸ナトリウム、および非結晶性ケイ酸ナトリウムからなる群から選ばれる1種以上である。これらの無機アルカリ剤は、アクリル酸−無水マレイン酸共重合体またはその塩等の高分子化合物や、ラウリン酸等の脂肪酸で被覆された被覆炭酸ナトリウムなど、被覆されたものでもよい。特に、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、結晶性層状ケイ酸ナトリウム、および非結晶性ケイ酸ナトリウムからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
本発明の洗剤組成物において、(c)無機アルカリ剤は、(c)無機アルカリ剤を主成分とする粒子(造粒物)の形態で配合されることが好ましい。ここでの「無機アルカリ剤を主成分とする粒子」とは、粒子を構成する全成分のうち無機アルカリ剤の占める割合が75質量%以上である粒子をいう。また、(c)成分は、(c)成分を主成分としない粒子中に含まれる形態で配合されてもよい。
本発明の洗剤組成物中における(c)成分の含有量は20〜80質量%であり、好ましくは25〜50質量%である。上記範囲未満では十分な臭い抑制効果が得られない場合があり、上記範囲を超えても臭い抑制効果がそれ以上は向上し難い。
なお、本発明の洗剤組成物中における(c)成分の含有量は、(c)成分を主成分とする粒子に含まれる量と、(c)成分を主成分としない粒子に含まれる量の合計量である。
[(d)界面活性剤]
本発明の洗剤組成物に含まれる(d)界面活性剤は、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられ、1種でもよく2種以上でもよい。
アニオン界面活性剤としては、例えば、以下のものを挙げることができる。
(1)炭素数8〜18のアルキル基を有する直鎖又は分岐鎖のアルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS又はABS)。
(2)炭素数10〜20のアルカンスルホン酸塩。
(3)炭素数10〜20のα−オレフィンスルホン酸塩(AOS)。
(4)炭素数10〜20のアルキル硫酸塩又はアルケニル硫酸塩(AS)。
(5)炭素数2〜4のアルキレンオキサイドのいずれか、又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均0.5〜10モル付加した炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸塩(AES)。
(6)炭素数2〜4のアルキレンオキサイドのいずれか、又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均3〜30モル付加した炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル硫酸塩。
(7)炭素数2〜4のアルキレンオキサイドのいずれか、又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均0.5〜10モル付加した炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)エーテルカルボン酸塩。
(8)炭素数10〜20のアルキルグリセリルエーテルスルホン酸のようなアルキル多価アルコールエーテル硫酸塩。
(9)炭素数8〜20の飽和又は不飽和α−スルホ脂肪酸塩又はそのメチル、エチルもしくはプロピルエステル(α−SF又はMES)。
(10)長鎖モノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸塩。
(11)ポリオキシエチレンモノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸塩。
(12)炭素数10〜20の高級脂肪酸塩(石鹸)。
これらのアニオン界面活性剤は、ナトリウム、カリウムといったアルカリ金属塩や、アミン塩、アンモニウム塩等として用いることができる。また、これらのアニオン界面活性剤は混合物として使用してもよい。
アニオン界面活性剤としては、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS)のアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム又はカリウム塩等)や、AOS、α−SF、AS、AESのアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム又はカリウム塩等)、高級脂肪酸のアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム又はカリウム塩等)等を好適なものとして挙げることができる。
ノニオン界面活性剤としては、従来より洗剤に使用されているものであれば、特に限定されることなく、各種のノニオン界面活性剤を使用することができる。ノニオン界面活性剤としては、例えば、以下のものを挙げることができる。
(1)炭素数6〜22、好ましくは8〜18の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを平均3〜30モル、好ましくは4〜20モル、さらに好ましくは5〜17モル付加したポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル。この中でも、ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(又はアルケニル)エーテルが好適である。ここで使用される脂肪族アルコールとしては、第1級アルコールや、第2級アルコールが挙げられる。また、そのアルキル基は、分岐鎖を有していてもよい。脂肪族アルコールとしては、第1級アルコールが好ましい。
(2)ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル。
(3)長鎖脂肪酸アルキルエステルのエステル結合間にアルキレンオキサイドが付加した、例えば下記一般式(i)で表される脂肪酸アルキルエステルアルコキシレート。
CO(OA)OR10 …(i)
(式中、RCOは、炭素数6〜22、好ましくは8〜18の脂肪酸残基を示し、OAは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等の炭素数2〜4、好ましくは2〜3のアルキレンオキサイドの付加単位を示し、nはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示し、一般に3〜30、好ましくは5〜20の数である。R10は炭素数1〜3の置換基を有してもよい低級アルキル基である。)
(4)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル。
(5)ポリオキシエチレンソルビット脂脂酸エステル。
(6)ポリオキシエチレン脂肪酸エステル。
(7)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油。
(8)グリセリン脂肪酸エステル。
(9)脂肪酸アルカノールアミド。
(10)ポリオキシエチレンアルキルアミン。
(11)アルキルグリコシド。
(12)アルキルアミンオキサイド。
上記のノニオン界面活性剤の中でも、融点が60℃以下でHLBが9〜16のポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、脂肪酸メチルエステルにエチレンオキサイドが付加した脂肪酸メチルエステルエトキシレート、脂肪酸メチルエステルにエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドが付加した脂肪酸メチルエステルエトキシプロポキシレート等が好適に用いられる。また、これらのノニオン界面活性剤は1種又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
なお、本発明におけるノニオン界面活性剤のHLBとは、Griffinの方法により求められた値である(吉田、進藤、大垣、山中共編、「新版界面活性剤ハンドブック」、工業図書株式会社、1991年、第234頁参照)。
また、本発明における融点とは、JIS K8001「試薬試験法通則」に記載されている凝固点測定法によって測定された値である。
カチオン界面活性剤としては、従来より洗剤において使用されるものであれば、特に限定されることなく、各種のカチオン界面活性剤を使用することができる。カチオン界面活性剤としては、例えば、以下のものを挙げることができる。
(1)ジ長鎖アルキルジ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
(2)モノ長鎖アルキルトリ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
(3)トリ長鎖アルキルモノ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
(上記長鎖アルキルは炭素数12〜26、好ましくは14〜18のアルキル基、短鎖アルキルは炭素数1〜4、好ましくは1〜2のアルキル基、ベンジル基炭素数2〜4、好ましくは2〜3のヒドロキシアルキル基、又はポリオキシアルキレン基を示す。)
両性界面活性剤としては、従来より洗剤において使用されるものであれば、特に限定されることなく、各種の両性界面活性剤を使用することができる。
本発明の洗剤組成物において、(d)界面活性剤は、造粒された粒子の形態で配合されることが好ましい。該粒子は、(d)界面活性剤を造粒物の形態とすることを目的として造粒されたものでもよく、界面活性剤以外の成分を造粒物の形態とすることを目的として造粒されたものでもよい。前者の場合、粒子を構成する全成分のうち界面活性剤の占める割合(2種以上の場合は合計)が15質量%以上であることが好ましい。(d)界面活性剤がこのような粒子の形態で配合される場合、洗剤組成物中における(d)成分の含有量は、各粒子に含まれる(d)成分の量の合計量とする。
本発明において、洗剤組成物中における(d)成分の含有量は15〜40質量%であり、好ましくは15〜30質量%である。上記範囲未満では十分な臭い抑制効果が得られない場合があり、上記範囲を超えても臭い抑制効果がそれ以上は向上し難い。
また、臭い抑制効果の面からアニオン界面活性剤とノニオン界面活性剤の合計量が、洗剤組成物中に存在する界面活性剤全量の50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましい。
[その他の成分]
本発明の洗剤組成物には、上記した各成分に加えて、必要に応じて各種添加剤等を加えることができる。具体的には、下記に示す。
(1)無機ビルダー
硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等のアルカリ金属硫酸塩;塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩化物;結晶性アルミノ珪酸塩、無定形アルミノ珪酸塩等が挙げられる。
好ましいものとしては、[1]20℃における水分含量が10〜30質量%、[2]SiO/Al=1〜2、および[3]1次粒子径が3.0μm以下の性質を有する合成アルミノ珪酸塩であり、特に、平均一次粒子径0.5〜3μmの合成ゼオライトが性能や製造性の面から好適に使用される。ゼオライトは、粉末及び/又はゼオライトスラリー又はスラリーを乾燥して得られるゼオライト凝集乾燥粒子として用いてもよい。具体的な好ましい例としては、「シルトンB」:水澤化学(株)製、「トヨビルダー」:東ソー(株)製、などがあげられる。また合成アルミノ珪酸塩のJIS K 5101法による吸油能の値は40〜50mL/100gであることが好ましい。
ゼオライトを用いる場合、本発明の洗剤組成物中におけるゼオライト含有量は、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは5〜25質量%、最も好ましくは10〜20質量%である。上記範囲を超えると製造が困難になる場合があり、上記範囲未満では添加効果が十分に発現しない場合がある。
(2)有機ビルダー
有機ビルダーとしては、例えば、ニトリロトリ酢酸塩、エチレンジアミンテトラ酢酸塩、β−アラニンジ酢酸塩、アスパラギン酸ジ酢酸塩、メチルグリシンジ酢酸塩、イミノジコハク酸塩等のアミノカルボン酸塩;セリンジ酢酸塩、ヒドロキシイミノジコハク酸塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸塩、ジヒドロキシエチルグリシン塩等のヒドロキシアミノカルボン酸塩;ヒドロキシ酢酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩等のヒドロキシカルボン酸塩;ピロメリット酸塩、ベンゾポリカルボン酸塩、シクロペンタンテトラカルボン酸塩等のシクロカルボン酸塩;カルボキシメチルタルトロネート、カルボキシメチルオキシサクシネート、オキシジサクシネート、酒石酸モノ又はジサクシネート等のエーテルカルボン酸塩;ポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸、、アクリル酸−アリルアルコール共重合体、アクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリグリオキシル酸等のポリアセタールカルボン酸塩、ヒドロキシアクリル酸重合体、多糖類−アクリル酸共重合体等のアクリル酸重合体及び共重合体又はそれらの塩;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、テトラメチレン1,2−ジカルボン酸、コハク酸、アスパラギン酸等の重合体又は共重合体又はそれらの塩;デンプン、セルロース、アミロース、ペクチン等の多糖類酸化物やカルボキシメチルセルロース等の多糖類誘導体、ヒドロキシエタンジホスホンサン等のホスホン酸塩等が挙げられる。
これらの有機ビルダーの中では、クエン酸塩、アミノカルボン酸塩、ヒドロキシアミノカルボン酸塩、ポリアクリル酸塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリアセタールカルボン酸塩が好ましく、特に、ヒドロキシイミノジコハク酸塩、分子量が1000〜80000のアクリル酸−マレイン酸共重合体の塩、ポリアクリル酸塩が好適である。
本発明の洗剤組成物中における有機ビルダーの含有量は、0.5〜20質量%が好ましく、より好ましくは1〜10質量%である。
(3)紫外線吸収剤
紫外線吸収剤としては、例えば特開平07−310095号公報や特表2003−502517号公報、特開2002−363226号公報などに記載のものが使用できる。具体的にはシュウ酸アニリド、o−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ヒドロキシアリール−1、3、5−トリアジン、スルホン化−1、3、5−トリアジン、o−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、2−アリール−2H−ベンゾトリアゾール、サリチル酸エステル、置換アクリロニトリル、置換アリールアミノエチレン、ニトリロヒドラゾン、高分子紫外線吸収剤、パラアミノ安息香酸、ウロカニン酸、オキシベンゾン、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルなど、ベンゾフェノン系やベンゾトリアジン系、ベンゾトリアゾール系、安息香酸系、サリチル酸系、ケイ皮酸系、ジベンゾイルメタン系の紫外線吸収剤が挙げられる。退色抑制効果や衣類への着色の点からベンゾトリアゾール系、ベンゾトリアジン系のものが好ましい。市販品から入手可能な紫外線吸収剤としては、ULS−700、ULS−1700、ULS−1383MA、ULS−383MG、ULS−1635MH(以上商品名、いずれも一方社油脂工業(株)社製)、TinosorbFD、TinosorbFR(以上商品名、いずれもチバスペシャルティーケミカルズ社製)、ネオヘリオパンAV/OA(商品名、マツモト交商より入手)などが挙げられ、特にULS−1700、TinosorbFDが好ましい。
紫外線吸収剤は、1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
洗濯液中における紫外線吸収剤防止剤の濃度は、0.5〜20ppmが好ましく、0.5〜10ppmがより好ましい。洗剤組成物中における紫外線吸収剤の含有量は、0.01〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.05〜3質量%、更に好ましくは0.05〜1.5質量%である。
(4)酸化防止剤
酸化防止剤としては、特開2003−089800や特表平09−511774に記載のラジカルトラップ剤も使用できる他に、川口化学工業(株)より入手可能なフェノール系酸化防止剤(アンテージDAH、アンテージW−300、アンテージW−400、アンテージW−500、アンテージSP)やベンズイミダゾール系酸化防止剤(アンテージMB)、チオジプロピオン酸塩系酸化防止剤(アンテージLTDP)等が挙げられる。中でもフェノール系酸化防止剤、チオジプロピオン酸塩系酸化防止剤が好ましく、特にBHT(ジブチルヒドロキシトルエン)、4−メトキシフェノール、アンテージSP、アンテージLTDPがより好ましく、アンテージSPとアンテージLTDPがさらに好ましい。
酸化防止剤は、1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。特に2種を組み合わせるのが好ましく、より好ましい例としてはアンテージSPとアンテージLTDPの組合せである。
洗濯液中における酸化防止剤の濃度は、0.5〜20ppmが好ましく、1〜10ppmがより好ましい。洗剤組成物中における酸化防止剤の含有量は、0.01〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3質量%、更に好ましくは0.5〜1.5質量%である。
(5)蛍光増白剤
蛍光増白剤として、4,4’−ビス−(2−スルホスチリル)−ビフェニル塩、4,4’−ビス−(4−クロロ−3−スルホスチリル)−ビフェニル塩、2−(スチリルフェニル)ナフトチアゾール誘導体、4,4’−ビス(トリアゾール−2−イル)スチルベン誘導体、ビス−(トリアジニルアミノスチルベン)ジスルホン酸誘導体等が挙げられる。
商品名としてはホワイテックスSA、ホワイテックスSKC(住友化学工業(株)製)、チノパールAMS−GX、チノパールDBS−X、チノパールCBS−X(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、Lemonite CBUS−3B(Khyati Chemicals)等が挙げられる。これらの中ではチノパールCBS−X、チノパールAMS−GXがより好ましい。配合量としては、洗剤組成物中0.001〜1質量%が好ましい。これらは1種単独で又は2種以上併用して用いてもよい。
(6)表面改質剤
表面改質剤として、微粉炭酸カルシウム、微粉ゼオライト、顆粒ゼオライト、微粉末シリカ、微粉タルク、酸化マグネシウム、ポリエチレングリコールなどを配合することができる。
(7)再汚染防止剤
再汚染防止剤として、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロ−スなどのセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン及びその誘導体、ソイルリリースポリマーとして知られているポリエステルとポリエチレングリコールの共重合体などを配合できる。
(8)多孔質吸油剤
多孔質吸油剤として、非晶質無水ケイ酸、ケイ酸カルシウムなどをも配合できる。
(9)柔軟性付与剤
柔軟性付与剤として、ジアルキル型4級アンモニウム塩などのカチオン界面活性剤、スメクタイト等の粘土鉱物類などが配合できる。
(10)酵素
酵素としては、ハイドロラーゼ類、オキシドレダクターゼ類、リアーゼ類、トランスフェラーゼ類及びイソメラーゼ類等を挙げることができる。特に好ましいのは、プロテアーゼ、エステラーゼ、リパーゼ、ヌクレアーゼ、セルラーゼ及びペクチナーゼ等である。
プロテアーゼの具体例としては、サビナーゼ(Savinase)、アルカラーゼ(Alcalase)、エバラーゼ(Everlase)、カンナーゼ(Kannase)、エスペラーゼ(Esperaze)(以上、ノボザイムズ社製)、API21(昭和電工(株)製)、マクサターゼ(Maxtaze)、マクサカル(Maxacal)、ピュラフェクト(Purafect)、マクサぺム(以上、ジェネンコア社製)、KAP(花王(株)製)、特開平5−25492号公報記載のプロテアーゼK−14、K−16等を挙げることができる。
アミラーゼの具体例としてはステインザイム(Stainzyme)、ターマミル(Termamil)(以上、ノボザイムス社)が挙げられる。
エステラーゼの具体例としては、ガストリックリパーゼ、バンクレアチックリパーゼ、植物リパーゼ類、ホスホリパーゼ類、コリンエステラーゼ類及びホスホターゼ類等を挙げることができる。
リパーゼの具体例としては、リポラーゼ、リポラーゼウルトラ、ライペックス(以上、ノボザイムズ社製)、リポサム(昭和電工(株)製)等の市販のリパーゼを挙げることができる。
セルラーゼとしては市販品のセルザイム、ケアザイム(以上、ノボザイムズ社製)、KAC500(花王(株)製)、特開昭63−264699号公報の請求項4記載のセルラーゼ等を挙げることができる。
酵素としては、これらを1種又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。なお、酵素は別途安定な粒子として造粒したものを、他の洗剤粒子(洗剤生地)にドライブレンドした状態で使用すると好適である。酵素含有粒子の造粒方法としては、特開昭53−6484号公報、特開昭60−262900号公報、特開昭62−257990号公報、特開平1−112983号公報、特表平3−503775号公報、特表平4−503369号公報、特開2000−178593号公報記載の方法等が挙げられる。
上記酵素含有粒子の平均粒子径は、溶解性及び保存安定性の点から、200〜1,000μmが好ましく、より好ましくは300〜700μmである。
該酵素含有粒子の平均粒子径は、上記分級操作を用いた測定方法により求めた質量基準のメジアン径である。
(11)漂白活性化剤(有機過酸前駆体)
本発明の洗剤組成物には任意成分として漂白活性化剤が添加される。本発明に用いられる漂白活性化剤は有機過酸前駆体であり、過酸化水素等の過酸化物によって有機過酸を発生する化合物である。
漂白活性化剤の具体的な例としては、テトラアセチルエチレンジアミン、ペンタアセチルグルコース、オクタノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、デカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ウンデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタノイルオキシ安息香酸、ノナノイルオキシ安息香酸、デカノイルオキシ安息香酸、ウンデカノイルオキシ安息香酸、ドデカノイルオキシ安息香酸、オクタノイルオキシベンゼン、ノナノイルオキシベンゼン、デカノイルオキシベンゼン、ウンデカノイルオキシベンゼン、ドデカノイルオキシベンゼン等が挙げられる。
また、下記一般式(II),(III)で表される化合物も挙げられる。
Figure 2008031407
(式中、R1はエステル基、アミド基又はエーテル基で分断されていてもよい炭素数1〜6、好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜3のアルキル基であり、R6はエステル基、アミド基又はエーテル基で分断されていてもよく、ヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜8、好ましくは2〜6のアルキレン基である。R2、R3、R4、R5、R7、R8はそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基、好ましくはメチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基である。Zは陰イオンであり、好ましくはハロゲンイオン、硫酸イオン、脂肪酸イオン又は炭素数1〜3のアルキル硫酸イオンである。)
漂白活性化剤は、貯蔵時の保存安定性の点から、造粒物として配合されることが好ましい。該造粒物中における漂白活性化剤の含有量は、好ましくは30〜95質量%、より好ましくは50〜90質量%である。含有量がこの範囲外では造粒物とした効果が充分に得られない場合がある。
有機過酸前駆体を含有する造粒物は、ポリエチレングリコールや炭素数12〜20の飽和脂肪酸、質量平均分子量1,000〜1,000,000のポリアクリル酸やその塩から選ばれるバインダー化合物を用いて造粒されることが好ましい。ポリエチレングリコールとしては好ましくはポリエチレングリコール1,000〜20,000(平均分子量500〜25000)で、より好ましくは平均分子量2,600〜9,300、特に好ましくは平均分子量5,000〜9,300のものが良好である。また、炭素数12〜20の飽和脂肪酸としては、好ましくは炭素数14〜20、より好ましくは炭素数14〜18の飽和脂肪酸である。
なお、ここでいうポリエチレングリコールの平均分子量は、化粧品原料基準(第2版注解)記載の平均分子量を示す。また、ポリアクリル酸やその塩の質量平均分子量は、ポリエチレングリコールを標準物質とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー法による測定値である。
このようなバインダー物質は造粒物に0.5〜30質量%、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは5〜25質量%使用する。
有機過酸前駆体を含有する造粒物は、有機過酸前駆体の洗濯浴中での溶解性を改善するために、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩又はポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩あるいはこれらの混合物を配合することが好ましい。その配合量は、有機過酸前駆体を含有する造粒物中0〜50質量%が好ましく、より好ましくは3〜40質量%、特に好ましくは3〜20質量%である。
有機過酸前駆体は、貯蔵中に洗剤組成物中のアルカリ成分および水分と反応して加水分解を生じて、効果が失われる場合がある。そこで、このような分解を防ぐために、有機過酸前駆体を含有する造粒物に、さらにフィルム形成性重合体、ゼオライト等を配合することがより好ましい。
有機過酸前駆体を含有する造粒物は、公知の任意の方法を用いて製造することができる。
例えば、配合成分を均一になるまで撹拌混合した後、通常の造粒機により製剤化し、さらに必要に応じて粉砕を施して粉状とすることが好ましい。好ましい造粒法として押し出し造粒が挙げられる。
バインダー物質は予め融解して添加することが好ましい。具体的にはバインダー物質を40〜100℃、好ましくは50〜100℃、より好ましくは50〜90℃で融解させて添加することが好ましい。
また、その他の造粒法としてブリケット機により錠剤形状にする方法も挙げられる。
有機過酸前駆体を含有する造粒物は、平均粒子径が50〜5000μmであることが好ましく、より好ましくは100〜1000μmである。
該造粒物の平均粒子径は、上記分級操作を用いた測定方法により求めた質量基準のメジアン径である。
有機過酸前駆体の造粒物の配合量は、洗剤組成物中における有機過酸前駆体の含有量が、好ましくは0.1〜10質量%の範囲となるように調整することが好ましく、より好ましくは0.3〜5質量%となるように調整する。
(12)その他
本発明の洗剤組成物には、その他にも任意成分として、シリコーン油などの消泡剤、香料、水溶性色素・顔料等の着色剤などが配合できる。
<洗剤組成物の製造方法>
本発明の洗剤組成物は、その調製方法が特に制限されるものではない。例えば、界面活性剤と無機アルカリ剤を含む洗剤粒子を常法に準じて調製し、この洗剤粒子に被覆過炭酸ナトリウム、無機アルカリ剤、および金属触媒又は金属触媒粒子(造粒物)を混合することによって洗剤組成物を調製することができる。さらにその他の成分として、酵素や漂白活性化剤造粒物等を任意に配合することができる。
上記界面活性剤と無機アルカリ剤を含む洗剤粒子は、使用性の点から嵩密度が0.3g/mL以上であることが好ましく、0.4〜1.2g/mLであることがより好ましい。
最終的に得られる洗剤組成物の平均粒子径は、溶解性および安定性の面から200〜1000μmが好ましく、250〜700μmがより好ましく、300〜600μmがさらに好ましい。
該洗剤組成物の平均粒子径は、上記分級操作を用いた測定方法により求めた質量基準のメジアン径である。
本発明の洗剤組成物は、衣料用として好適に使用されるものであり、その使用方法は、特に制限されず、常法により使用することができる。通常は、洗浄浴内で洗剤組成物を水に溶解させて洗濯液を調製し、この洗濯液と被洗物である衣料を接触させて洗濯する。
洗濯液中に存在する、(b)金属触媒の量は、遷移金属量として0.001〜100ppmであることが好ましく、0.05〜50ppmがより好ましい。遷移金属の量が上記範囲以下では、(b)成分を用いることによる十分な効果が得られず、上記範囲以上では、過酸化水素の分解が促進されて効果が低下する場合がある。したがって、該洗濯液中における遷移金属量が上記の好ましい範囲となるように、洗剤組成物の配合および使用量を調整することが好ましい。
本発明の洗剤組成物による効果についての詳細なメカニズムは不明だが、界面活性剤や無機アルカリ剤だけでは落としにくい皮脂汚れを金属触媒が化学的に分解することで相乗的に皮脂汚れの除去効果が高まること、および過炭酸ナトリウムと金属触媒の相乗的な作用により優れた殺菌効果が得られることにより、皮脂汚れに由来する衣類の臭いおよび微生物によって生じる臭いが抑制されると考えれる。これにより繰り返し着用した時の衣類の臭いや部屋干し臭など、衣類で発生する広範囲な臭いを良好に抑制する効果が得られる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下において「%」は特に断りのない限り「質量%」を表す。
[調製例1:金属触媒Aの調整]
前記化学式(1)で表される配位子(2,6−ピリジンジカルボン酸)と銅の錯体を合成した。
すなわち、室温でエタノール800ml中にトリエチルアミン14.6g(144.3mmol)を溶解させておき、2,6−ピリジンジカルボン酸20.0g(119.7mmol)及び塩化銅(II)2水和物10.0g(58.7mmol)を攪拌しながらゆっくりと添加した。室温で10分間攪拌した後、混合溶液が300mlとなるまで濃縮し、15時間静置した。生成した沈殿をろ過し、目的の金属触媒A(2,6−ピリジンジカルボン酸の銅錯体)18.1g(収率77.9%)を得た。
得られた錯体は平均粒子径20μmの粉体であり、粒子径1〜10μmの粒子が粒子全体の25質量%であった。
[調製例2:金属触媒Bの調製]
前記化学式(1)で表される配位子(2,6−ピリジンジカルボン酸)とマンガンの錯体を合成した。
すなわち、室温でエタノール800ml中にトリエチルアミン11.0g(108.7mmol)を溶解させておき、2,6−ピリジンジカルボン酸20.0g(119.7mmol)及び塩化マンガン(II)4水和物11.8g(59.8mmol)を攪拌しながらゆっくりと添加した。室温で10分間攪拌した後、15時間静置した。生成した沈殿をろ過し、目的の金属触媒B(2,6−ピリジンジカルボン酸のマンガン錯体)16.9g(収率73.2%)を得た。
得られた錯体は平均粒子径15μmの粉体であり、粒子径1〜10μmの粒子が粒子全体の30質量%であった。
[調製例3:金属触媒Cの調製]
前記化学式(1)で表される配位子(2−ピリジンカルボン酸)と銅の錯体を合成した。
すなわち、室温でエタノール800ml中にトリエチルアミン14.6g(144.3mmol)を溶解させておき、2−ピリジンカルボン酸13.2g(119.7mmol)及び塩化銅(II)2水和物10.0g(58.7mmol)を攪拌しながらゆっくりと添加した。室温で10分間攪拌した後、混合溶液が300mlとなるまで濃縮し、15時間静置した。生成した沈殿をろ過し、目的の金属触媒C(2−ピリジンカルボン酸の銅錯体)14.5g(収率79.8%)を得た。
得られた錯体は平均粒子径20μmの粉体であり、粒子径1〜10μmの粒子が粒子全体の25質量%であった。
[調製例4:金属触媒粒子Dの調製]
調製例1で製造した金属触媒Aを用いて金属触媒粒子を製造した。
まず、溶融したポリエチレングリコール(ライオン(株)製、製品名:PEG#6000M)60質量部、金属触媒A(ピリジン−2,6−ジカルボン酸−Cu錯体)20質量部、炭素数14のα−オレフィンスルホン酸ナトリウム(ライオン(株)製、製品名:リポランPJ−400)10質量部、およびセルロースパウダー(レッテンマイヤー社製、製品名:Arbocel FD600/30)10質量部を、65℃でニーダーを用いて均一に混合後、捏和物があたたかいうちに攪拌しながら切断し、室温(20℃)まで冷却して、大きさ1mm〜5cmの固形物を得た。次いで、該固形物を粉砕機で粉砕造粒し、300〜700μmのものを篩いとり金属触媒粒子Dとした。
[調製例5:金属触媒粒子Fの調製]
調製例1で製造した金属触媒Aを用いて金属触媒粒子を製造した。
まず、サンプルミル(協立理工(株)社製、製品名:SK−M10)に金属触媒Aを10質量部入れ、攪拌しながら金属触媒Aが湿り気を帯びる程度にノニオン界面活性剤を2.5質量部滴下した。その後、炭酸ナトリウム(製品名:ソーダ灰ライト、トクヤマ社製)を12.5質量部添加し、さらに攪拌して粒状にした。このノニオン界面活性剤の滴下と、炭酸ナトリウム添加の操作を合計6回繰り返した後、平均粒径200〜300μmのものを篩いとり金属触媒粒子Fとした。
本例におけるノニオン界面活性剤としては、ECOROL26(ECOGREEN社製、炭素数12〜16のアルキル基をもつアルコール)の酸化エチレン平均15モル付加体(純分90%)を用いた。
[調製例6:金属触媒粒子Gの調製]
調製例1で製造した金属触媒Aを用いて金属触媒粒子を製造した。
まず、調製例5と同じサンプルミルに金属触媒Aを10質量部入れ、攪拌しながら金属触媒Aが湿り気を帯びる程度に、溶融したラウリン酸(製品名:ラウリン酸NAA−122、日本油脂社製)を2.5質量部滴下した。その後、調製例5と同じ炭酸ナトリウムを12.5質量部添加し、さらに攪拌して粒状にした。ラウリン酸添加と、炭酸ナトリウム添加の操作を合計2回繰り返した。
次に調製例5と同じノニオン界面活性剤を、攪拌しながら2.5質量部滴下した後、乳鉢で微粉砕した硫酸ナトリウム(製品名:中性無水芒硝、日本化学工業社製)を12.5質量部添加し、さらに攪拌して粒状にした。ノニオン界面活性剤の滴下と、硫酸ナトリウム添加の操作を合計4回繰り返した後、平均粒径200〜300μmのものを篩いとり金属触媒粒子Gとした。
[調製例7:金属触媒粒子Hの調製]
調製例2で製造した金属触媒Bを用いて金属触媒粒子を製造した。
すなわち、調製例4において、金属触媒Aを金属触媒Bに変更したほかは、調製例4と同様にして金属触媒粒子Hを製造した。
[調製例8:金属触媒粒子Iの調製]
調製例3で製造した金属触媒Cを用いて金属触媒粒子を製造した。
すなわち、調製例4において、金属触媒Aを金属触媒Cに変更したほかは、調製例4と同様にして金属触媒粒子Iを製造した。
[調製例9:界面活性剤含有粒子の調製]
表1に示す組成に従って、以下の手順で界面活性剤を含有する粒子を調製した。
表1における各成分は以下の通りである。
α−SF−Na:炭素数14:炭素数16=18:82のα−スルホ脂肪酸メチルエステルのナトリウム塩(ライオン(株)製、AI=70%、残部は未反応脂肪酸メチルエステル、硫酸ナトリウム、メチルサルフェート、過酸化水素、水等)。
LAS−Na:直鎖アルキル(炭素数10〜14)ベンゼンスルホン酸(ライオン(株)製、ライポンLH−200(LAS−H純分96%)を調製時に48%水酸化ナトリウム水溶液で中和する)。
LAS−K:直鎖アルキル(炭素数10〜14)ベンゼンスルホン酸(ライポンLH−200(ライオン(株)製)LAS−H純分96%)を調製時に48%水酸化カリウム水溶液で中和する)。
石鹸:炭素数12〜18のアルキル基をもつ脂肪酸ナトリウム(ライオン(株)製)。
ノニオン界面活性剤:ECOROL26(ECOGREEN社製、炭素数12〜16のアルキル基をもつアルコール)の酸化エチレン平均15モル付加体(純分90%)。
A型ゼオライト(水澤化学(株)製、製品名:シルトンB)。
炭酸ナトリウム:重質炭酸ナトリウム(旭硝子(株)製、製品名:ソーダ灰)。
炭酸カリウム:炭酸カリウム(旭硝子(株)製)。
塩化ナトリウム:日精のやき塩C(日本製塩(株))製。
蛍光増白剤:チノパールCBS−X(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)とチノパールAMS−GX(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)の質量比8/2の混合物。
紫外線吸収剤:TinosorbFD(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)。
HPMC:ヒドロキシプロピルメチルセルロース、商品名:メトローズ60SH−10000(信越化学工業(株)製)。
アクリル酸系ポリマーA:アクリル酸−マレイン酸共重合体のナトリウム塩、商品名:ソカランCP7(BASF社製)。
硫酸ナトリウム:中性無水芒硝(四国化成工業(株)製)。
香料:特開2002−146399号の[表11〜18]に示す香料組成物A。
Figure 2008031407
まず、撹拌装置を装備したジャケット付き混合槽に水を入れ、温度を60℃に調整した。これにα−SF−Naとノニオン界面活性剤とを除いた、残りの界面活性剤及び紫外線吸収剤を添加し、10分間撹拌した。続いてアクリル酸系ポリマーAと蛍光増白剤とを添加し、さらに10分間撹拌した後、粉末A型ゼオライトの一部(7.0%相当量(対各粒子群、以下同じ。)の捏和時添加用のA型ゼオライト、3.2%相当量の粉砕助剤用A型ゼオライト、および1.5%相当量の表面被覆用のA型ゼオライトを除く)、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウムおよびHPMCを添加した。そして、さらに20分間撹拌して水分38%の噴霧乾燥用スラリーを調製した後、向流式噴霧乾燥塔を用いて熱風温度280℃の条件で噴霧乾燥し、平均粒子径290μm、嵩密度0.32g/mL、水分5%の噴霧乾燥粒子を得た。
一方、α−SF−Naの水性スラリー(水分濃度25%)に、ノニオン界面活性剤の一部(α−SF−Naに対して25%)を添加し、水分を11%になるまで薄膜式乾燥機で減圧濃縮して、α−SF−Naとノニオン界面活性剤の混合濃縮物を得た。
上述の乾燥粒子と、この混合濃縮物、7.0%相当量のA型ゼオライト、0.5%相当量の噴霧添加用を除く残りのノニオン界面活性剤及び水を連続ニーダー((株)栗本鐵工所製、KRC−S4型)に投入し、捏和能力120kg/h、温度60℃の条件で捏和し、界面活性剤含有混練物を得た。この界面活性剤含有混練物を穴径10mmのダイスを装備したペレッターダブル(不二パウダル(株)製、EXDFJS−100型)を用いて押し出しつつ、カッターで切断し(カッター周速は5m/s)長さ5〜30mm程度のペレット状界面活性剤含有成型物を得た。
次いで、得られたペレット状界面活性剤含有成型物に粉砕助剤としてのA型ゼオライトを3.2%相当量添加し、冷風(10℃、15m/s)共存下で直列3段に配置したフィッツミル(ホソカワミクロン(株)製、DKA−3)を用いて粉砕した(スクリーン穴径:1段目/2段目/3段目=12mm/6mm/3mm、回転数:1段目/2段目/3段目いずれも4700rpm)。最後に水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容積%、回転数22rpm、25℃の条件で1.5%相当量のA型ゼオライト加え、0.5%相当量のノニオン界面活性剤と香料を噴霧しつつ、1分間転動し表面改質して、界面活性剤含有粒子A(平均粒子径550μm、嵩密度0.86g/mL)を得た。
[調製例10:表面処理無機粒子の調製]
炭酸ナトリウム85質量%、MA/AA剤3質量%、ラウリン酸7質量%、および残部が水からなる表面処理無機アルカリ剤粒子を以下の工程で調製した。
MA/AA剤は、アクリル酸/無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩(製品名:アクアリックTL−400、日本触媒(株)製、純分40質量%水溶液)を用い、ラウリン酸は日本油脂(株)製、製品名:NAA−122(融点43℃)を用いた。
(第1工程)
炭酸ナトリウムを、鋤刃状ショベルを具備し、ショベル−壁面間クリアランスが5mmのプローシェアーミキサー(大平洋機工(株)製)に投入し(充填率30容積%)、主軸150rpmで撹拌を開始した(チョッパー回転数:1015rpm、ブレード先端速度(周速):6.9m/s)。撹拌開始後10秒後にMA/AA剤を噴霧角115度の加圧ノズル(フラットノズル)で180秒噴霧添加し、造粒・被覆操作を行って粒子を製造した。
さらに、この第1工程で調製された粒子全量における水分量が10質量%を超えていた場合には、上記装置に熱風を導入して乾燥し、粒子全体の水分量を10質量%以下に調整した。
(第2工程)
引き続き上記プローシェアーミキサーの撹拌を継続しつつ、ラウリン酸を噴霧角60度の加圧ノズル(フルコーンノズル)で180秒噴霧添加し、被覆操作を行った。30秒間撹拌を続け粒子を得た。
(第3工程)
次いで、第2工程で得られた粒子を、流動層(Glatt−POWREX、型番FD−WRT−20、(株)パウレックス製)に充填し、充填後15℃の風(空気)を流動層内に送り、粒子の冷却操作を行い、20℃まで冷却された粒子を得た。流動層内風速は流動化状態を確認しながら0.2〜10.0m/sの範囲で調整した。得られた粒子を目開き2000μmの篩を用いて分級し、目開き2000μmの篩を通過する粒子群を表面処理無機粒子として得た。
[調製例11:漂白活性化剤粒子の調製]
まず、漂白活性化剤として4−ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムを合成した。
原料としてp−フェノールスルホン酸ナトリウム(関東化学(株)製 試薬)、N,N−ジメチルホルムアミド(関東化学(株)製 試薬)、ラウリン酸クロライド(東京化成工業(株)製 試薬)、アセトン(関東化学(株)製 試薬)を用い、以下の方法で合成を行った。予め脱水処理したp−フェノールスルホン酸ナトリウム100g(0.46mol)をジメチルホルムアミド300g中に分散させ、マグネチックスターラーで撹拌しながらラウリン酸クロライドを50℃で30分かけて滴下した。滴下終了後3時間反応を行い、ジメチルホルムアミドを減圧下(0.5〜1mmHg)、100℃で留去し、アセトン洗浄後、水/アセトン(=1/1mol)溶媒中にて再結晶させた。収率は90%であった。
こうして得られた4−ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム70質量部、PEG〔ポリエチレングリコール#6000M(ライオン(株)製)〕15質量部、炭素数14のα−オレフィンスルホン酸ナトリウム粉末品(リポランPJ−400(ライオン(株)製))10質量部の割合になるようにホソカワミクロン社製、エクストルード・オーミックスEM−6型に供給し、混練押し出し(混練温度60℃)することにより径が0.8mmφのヌードル状の押し出し品を得た。この押し出し品(冷風により20℃に冷却)を、ホソカワミクロン社製フィッツミルDKA−3型に導入し、また助剤としてA型ゼオライト粉末5質量部を同様に供給し、粉砕して平均粒子径約700μmの漂白活性化剤粒子を得た。
[実施例1〜8及び比較例1〜6]
表2に示す組成に従って、過炭酸ナトリウム、金属触媒、界面活性剤粒子、表面処理無機粒子、酵素、および漂白活性化剤粒子を水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容積%、回転数22rpm、25℃の条件で1分間転動し混合し、実施例及び比較例の洗剤組成物を得た。
得られた各洗剤組成物について、下記の評価方法で着用・洗濯繰り返しでの臭い強度及び高湿度乾燥条件下での臭い(部屋干し臭)の評価を行った。評価結果を表2に示す。
表2における各成分は、下記の通りである。
[(a)成分]
過炭酸ナトリウムA:被覆過炭酸ナトリウム(三菱瓦斯化学(株)製、製品名SPC−D)。
過炭酸ナトリウムB:被覆されていない過炭酸ナトリウム(三菱瓦斯化学(株)製、製品名:SPC−Z)。
[(b)成分]
金属触媒A:上記調製例1で得たピリジン−2,6−ジカルボン酸−Cu錯体。
金属触媒B:上記調製例2で得たピリジン−2,6−ジカルボン酸−Mn錯体。
金属触媒C:上記調製例3で得たピリジン−2−カルボン酸−Cu錯体。
金属触媒粒子D:上記調製例4で得た金属触媒A(20質量%含有)の造粒物。
金属触媒E:錯形成していない、2,6−ピリジンジカルボン酸20.0g(119.7mmol)と塩化銅(II)2水和物10.0g(58.7mmol)の混合物。
金属触媒粒子F:上記調製例5で得た金属触媒A(10質量%含有)の造粒物。
金属触媒粒子G:上記調製例6で得た金属触媒A(10質量%含有)の造粒物。
金属触媒粒子H:上記調製例7で得た金属触媒B(20質量%含有)の造粒物。
金属触媒粒子I:上記調製例8で得た金属触媒C(20質量%含有)の造粒物。
表2における界面活性剤含有粒子は上記調製例9で得たもの、表面処理無機粒子は上記調製例10で得たもの、漂白活性化剤粒子は上記調製例11で得たものをそれぞれ用いた。
酵素は、エバラーゼ8T(ノボザイムズ社製)/ライペックス50T(ノボザイムズ社製)/ステインザイム12T(ノボザイムズ社製)/セルザイム0.7T(ノボザイムズ社製)=2/2/4/2(質量比)の混合物を用いた。
表2および後述の表3には、洗剤組成物中における(c)無機アルカリ剤の含有量として、配合されている界面活性剤含有粒子に含まれる無機アルカリ剤(炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウム)の量と表面処理無機粒子に含まれる無機アルカリ剤(ラウリン酸の中和に消費されるものを除いた炭酸ナトリウム)の量及び触媒粒子中に含まれる炭酸ナトリウム(ラウリン酸の中和に消費されるものを除く)の量の合計量(単位:質量%)を示している。
また洗剤組成物中における(d)界面活性剤の含有量として、配合されている界面活性剤含有粒子に含まれる界面活性剤の量、配合されている触媒粒子の製造時に使用したノニオン界面活性剤の量及びラウリン酸と炭酸ナトリウムに由来するラウリン酸ナトリウムの量、表面処理無機粒子の製造時に使用したラウリン酸と炭酸ナトリウムに由来するラウリン酸ナトリウムの量、および漂白活性化剤粒子に含まれるα−オレフィンスルホン酸ナトリウムの量の合計(単位:質量%)を示している。
<評価方法(1)>
実施例および比較例で得られたそれぞれの洗剤組成物を、市販の洗剤容器(製品名:トップ、材質:Waxサンド605g/m、15×9×13.5cm)に1.1kg入れ、グラシン紙と接着剤を用いて開口部を封止し、蓋をした。45℃湿度85%RHに16時間、その後25℃湿度65%RHに8時間保管後したものを試料洗剤として用いて以下の評価を行った。
〔臭い強度(着用、洗濯繰り返し臭気)評価〕
新品の綿100%の肌シャツ(BVD製)7枚を、市販合成洗剤トップ(ライオン(株)製)、全自動洗濯機(松下電器産業(株)製、NA−F70SD1)、温度約20℃、硬度約3゜DHの水道水を注水し、おまかせコースで洗剤を洗濯機の表示の量に従って投入し、予備洗濯を5回したものを用いて実験をおこなった。
予備洗濯した肌シャツを、20〜30代男性7人に9時〜20時着用後、翌日、試料洗剤を用いて洗濯を行った。洗濯の条件は、洗剤を試料洗剤に変更した他は上記予備洗濯と同じ条件で洗濯を1回行い、室内で1日乾燥させた。上記の着用、洗濯および乾燥を1セットとし3セット目の乾燥後、および9セット目の乾燥後に臭気評価をおこなった。臭気の評価は、乾燥を始めた翌日に下記基準にておこなった。
臭気評価は、5名のパネラーが上記乾燥後の肌シャツの臭いを嗅ぐ方法で官能評価した。臭いの強度を下記評価基準に基づいて7枚を点数化し、5名の平均点を算出した。該平均点が0点以上1点未満を◎、1点以上2点未満を○、2点以上3点未満を△、3点以上を×として判定した。判定結果を表2に示す。
5:強烈な臭い。
4:強い臭い。
3:楽に感知できる臭い。
2:何のにおいかわかる弱い臭い。
1:かすかに感じられる臭い。
0:臭わない。
〔部屋干し臭の評価〕
家庭で半年間使用した手拭きタオル10枚を各々通常生活で約1日使用した後、全自動洗濯機(松下電器製、NA−F70SD1)に入れ、温度約20℃、衣料3kg、硬度約3゜DHの水道水を注水し、おまかせコースで洗濯を行った。洗剤(試料洗剤)の投入量は、洗濯機の洗剤量表示に従った。なお、浴比合わせの衣料として、新品の綿100%の肌シャツ(BVD製)を上記予備洗濯と同じ条件で5回洗濯したものを用い、被洗物としての衣料(手拭タオルと予備洗濯した肌シャツ)の合計が3kgとなるように調整した。
洗濯終了後、室温約25℃、湿度90%RHの室内で干して、5時間乾燥を行った。
こうして洗濯・乾燥したタオルを6名のパネラーが臭いを嗅ぐ方法で官能評価し、下記評価基準に基づいて点数化した。6名の平均点を算出し、該平均点が0点以上2点未満を◎、2点以上3点未満を○、3点以上4点未満を△、4点以上を×として判定した。判定結果を表2に示す。
5:強烈な臭い。
4:強い臭い。
3:楽に感知できる臭い。
2:何のにおいかわかる弱い臭い。
1:かすかに感じられる臭い。
0:臭わない。
Figure 2008031407
表2の結果より、実施例1〜8では、良好な臭い抑制効果が得られた。これに対して、(a)過炭酸ナトリウムを含有しない比較例1、(b)金属触媒を含有しない比較例2、(c)無機アルカリ剤の含有量が少ない比較例3、(d)界面活性剤の含有量が少ない比較例4、過炭酸ナトリウムを含有するものの、それが被覆されていない比較例5、および(b)金属触媒として遷移金属と配位子とが錯形成していない混合物を用いた比較例6では、臭い抑制効果が劣っていた。特に比較例1,4、5では着用、洗濯および乾燥を9セット行うと臭い抑制効果が悪くなった。これは衣類への皮脂の蓄積を抑える作用が不充分であるためと考えられる。
[実施例9〜13]
表3に示す組成に従い、実施例1と同じ手順で洗剤組成物を得た。実施例9、10、11は実施例2において、金属触媒Aを、金属触媒Aの造粒物である金属触媒粒子D、F、Gにそれぞれ変更した例であり、金属触媒粒子D、F、Gの配合量は、金属触媒Aの含有量が実施例2と同じになるようにそれぞれ調整した。
同様に、実施例12は実施例5において、金属触媒Bを、金属触媒Bの造粒物である金属触媒粒子Hに変更した例であり、金属触媒粒子Hの配合量は、金属触媒Bの含有量が実施例5と同じになるように調整した。
また、実施例13は実施例6において、金属触媒Cを、金属触媒Cの造粒物である金属触媒粒子Iに変更した例であり、金属触媒粒子Iの配合量は、金属触媒Cの含有量が実施例6と同じになるように調整した。
得られた洗剤組成物について、下記の評価方法で長期保存の促進試験を行った。
<評価方法(2)>
洗剤組成物を、上記評価方法(1)と同様にして市販の洗剤容器に収容した。これを45℃湿度85%RHに16時間、25℃湿度65%RHに8時間保存のサイクルを2週間繰り返して保存した。保存前後の洗剤組成物をそれぞれ試料として用い、上記評価方法(1)と同様にして、臭い強度(着用、洗濯繰り返し臭気)評価および部屋干し臭の評価、判定を行った。ただし、臭い強度評価については、3セット目の乾燥後にのみ臭気評価を行った。判定結果を表3に示す。
また、実施例2、5、6で得られた洗剤組成物についても、上記評価方法(2)により評価、判定を行った。その結果を表3に示す。
Figure 2008031407
表3の結果より、金属触媒を造粒物として配合することにより保存後の臭い抑制性能が向上した。

Claims (3)

  1. (a)被覆過炭酸ナトリウム1〜15質量%、
    (b)下記一般式(I)
    Figure 2008031407
    (式中Xは水素原子、スルホン基、アミノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシ基、または一部が置換されていてもよいアルキル基を表す。Yは水素原子、アルカリ金属、またはアルカリ土類金属を表す。pは1または2の整数を表し、pが2の場合、Xは同一のものでも、異なるものでもよい。)
    で示される構造の配位子とCuとが結合した錯体および/又は前記配位子とMnとが結合した錯体からなる金属触媒0.005〜3質量%、
    (c)無機アルカリ剤20.0〜80.0質量%、および
    (d)界面活性剤15.0〜40.0質量%を含有することを特徴とする衣料用粉末洗剤組成物。
  2. 前記(b)金属触媒が、上記一般式(I)で示される構造の配位子とCuとが結合した錯体からなることを特徴とする請求項1記載の衣料用粉末洗剤組成物。
  3. 前記(b)金属触媒が、該(b)金属触媒および(e)バインダー成分を含有する粒子(B)の形態で配合されていることを特徴とする請求項1または2に記載の衣料用粉末洗剤組成物。
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