JP5925649B2 - 防振ブッシュおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、防振ブッシュ及びその製造方法に関するものである。
防振ブッシュは、例えば、車輪やエンジン等の振動源と車体との連結部位に振動減衰、緩衝などを目的として用いられている。防振ブッシュは、一般に、軸部材としての内筒と、該内筒を取り囲む外筒と、これら内筒と外筒の間に介設されて両者を弾性的に結合するゴム弾性体とを備えてなり、従来は、内筒及び外筒が円筒状のものが主流である。
このような防振ブッシュにおいては、加硫成形後のゴム弾性体の熱収縮歪みを取り除いて耐久性を向上するために、加硫成形後に外筒を縮径方向に絞り加工することが通常行われる。そのため、従来は、上記円筒状の外筒に対して、その周方向の全体で均等に縮径するように絞り加工が施されており、これによりゴム弾性体に予圧縮が付与されている(例えば、特許文献1)。
一方、特許文献2には、軸直角方向で対向位置する一対の第一の周壁部分の曲率よりも、それに直交する軸直角方向で対向位置する一対の第二の周壁部分の曲率を小さくして、該第二の周壁部分を略平板形状とした略扁平円筒形状の外筒金具を持つ防振ブッシュに関し、該外筒金具に対する絞り加工方法が開示されている。このように、特許文献2には、非円形の外筒を絞り加工することは開示されているものの、絞り量を外筒の全周にわたって均一化することを意図しており、本発明を示唆するものではない。
また、特許文献3には、外筒を、第1の軸直角方向にて対向する一対の第1側壁と、それに直交する第2の軸直角方向にて対向する一対の第2側壁と、からなる角筒状に形成し、弾性連結部により内筒に連結されていない一対の第2側壁の間隔を一定に保持したまま、弾性連結部により内筒に連結された一対の第1側壁の間隔を縮小させる方向に、外筒に絞り加工を施すことが開示されている。このように特許文献3は、直交する2方向のうちの一方の軸直角方向では絞ることなく、他方の軸直角方向で絞るものであるため、直交する2方向で絞る本発明とは異なり、また、弾性連結部が第1側壁の範囲内のみで設けられており、角筒状をなす外筒の角部に相当する位置まで設けることは開示されていない。
特開2005−282701号公報 特開2000−104775号公報 特開2009−216126号公報
図5は、比較例に係る防振ブッシュ100を示したものである。この防振ブッシュ100は、内筒101と外筒102を、第1の軸直角方向Y1において対向する位置においてゴム弾性体よりなる一対の弾性連結部103,103で連結してなる。この防振ブッシュ100では、第1の軸直角方向Y1に垂直な第2の軸直角方向Y2が主たる荷重の入力方向であり、この方向において要求されるばね特性を維持し、また所定のストッパクリアランスを設定しながら、車両での使用に耐えうる耐久性を確保することが求められる。
一般に、耐久性向上のために防振ブッシュの大型化が1つの手法として用いられているが、大型化すると内外筒間の距離が大きくなってばね定数の低下を伴う。そのため、従来手法では、要求されるばね特性を維持しつつ、高耐久性を確保することは困難であった。
本発明は、ばね特性を維持しつつ耐久性を向上することができる防振ブッシュおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る防振ブッシュの製造方法は、軸部材と、前記軸部材を軸平行に取り囲む外筒と、前記軸部材と前記外筒との間を連結するゴム状弾性体からなる弾性連結部と、を備える防振ブッシュを製造するに際し、前記外筒と前記軸部材の間にゴム状弾性体を成形することで、前記軸部材を挟んで第1の軸直角方向に対向する位置において前記軸部材と前記外筒との間を一対の前記弾性連結部で連結するとともに、前記第1の軸直角方向に垂直な第2の軸直角方向において前記軸部材と前記外筒との間に軸方向に貫通する一対の空洞部を設け、前記弾性連結部の成形後に前記外筒に絞り加工を施す。前記絞り加工は、前記第1の軸直角方向において対向位置する一対の第1周壁部での絞り量と、前記第2の軸直角方向において対向位置する一対の第2周壁部での絞り量が、前記第1周壁部と前記第2周壁部の間に介在する第3周壁部での絞り量よりも大きく、かつ、前記第1周壁部の曲率半径と前記第2周壁部の曲率半径が、前記第3周壁部の曲率半径よりも大きくなるように施すことにより、前記外筒を、前記第3周壁部を角部とする略角筒状に形成するともに、前記弾性連結部を、前記第1周壁部から前記第3周壁部にかけてこれら周壁部と当該周壁部に対向する前記軸部材との間を連結するよう形成する。
本発明に係る防振ブッシュは、軸部材と、前記軸部材を軸平行に取り囲む外筒と、前記軸部材を挟んで第1の軸直角方向に対向する位置において前記軸部材と前記外筒との間を連結するゴム状弾性体からなる一対の弾性連結部と、前記第1の軸直角方向に垂直な第2の軸直角方向において前記軸部材と前記外筒との間に設けられた軸方向に貫通する一対の空洞部と、を備えるものである。前記外筒は、前記第1の軸直角方向において対向位置する一対の第1周壁部と、前記第2の軸直角方向において対向位置する一対の第2周壁部と、前記第1周壁部と前記第2周壁部の間に介在する第3周壁部とを備えてなり、前記弾性連結部の成形後の絞り加工により、前記第1周壁部と前記第2周壁部での絞り量が前記第3周壁部での絞り量よりも大きく、かつ、前記第1周壁部と前記第2周壁部の曲率半径が前記第3周壁部の曲率半径よりも大きく形成されて、前記第3周壁部を角部とする略角筒状に形成される。また、前記弾性連結部は、前記第1周壁部から前記第3周壁部にかけて、これら周壁部と当該周壁部に対向する前記軸部材との間を連結するよう設けられ、前記第2周壁部と該第2周壁部に対向する前記軸部材との間に、前記空洞部によって前記第2の軸直角方向におけるストッパクリアランスが設けられている。
本発明によれば、ばね特性に影響する第1の軸直角方向と、ストッパクリアランス設定に関する第2の軸直角方向での絞り量を大きくし、その間の第3周壁部に相当する位置での絞り量を小さくしたことにより、該第3周壁部に相当する位置で弾性連結部を設けるための大きなスペースを確保することができる。そのため、該第3周壁部に相当する位置まで弾性連結部を延在させることで、ばね特性を維持しつつ、耐久性を向上することができる。
実施形態に係る防振ブッシュの正面図である。 図1のII-II線断面図である。 実施形態に係る防振ブッシュの絞り加工前の正面図である。 実施形態に係る防振ブッシュの絞り加工時の図である。 比較例に係る防振ブッシュの正面図である。 実施形態と比較例の防振ブッシュについての変位−歪み線図である。
以下、本発明の1実施形態に係る防振ブッシュ10について図面に基づいて説明する。
この防振ブッシュ10は、例として、自動車の車体と振動発生源であるエンジンとの間に設けられてエンジンのロール方向の動きや振動を抑制するトルクロッド(不図示)に組み込まれて用いられるものである。
図1及び図2に示すように、防振ブッシュ10は、軸部材としての内筒12と、これを取り囲む外筒14と、内筒12と外筒14の間に介設されて加硫接着手段により両者を連結するゴム弾性体からなる弾性連結部16とを備えてなる。
内筒12は、筒状金具であり、この例では、外形が、後述する第2の軸直角方向Y2に細長い断面トラック形状をなしている。
外筒14は、内筒12を軸平行に取り囲む筒状金具であり、内筒12よりも軸方向Xでの寸法が小さく設定されている。外筒14は、軸方向Xに垂直な第1の軸直角方向Y1において内筒12を挟んで対向位置する一対の第1周壁部18,18と、該第1の軸直角方向Y1に垂直な第2の軸直角方向Y2において内筒12を挟んで対向位置する一対の第2周壁部20,20と、これら第1周壁部18と第2周壁部20の間に介在する第3周壁部22とで構成されており、第3周壁部22を4つの角部とした断面略矩形状をなす略角筒状に形成されている。
一対の第1周壁部18は、第1の軸直角方向Y1に直交する略平板形状をなし、内筒12を中心としてその両側に同じ間隔を隔てて、互いに略平行に対向して配されている。そのため、第1周壁部18は、略角筒状をなす外筒14において一対の側壁部を構成している。第1周壁部18は、その曲率半径R1を無限大とすることで、完全な平板形状とすることもできるが、この例では、外筒14の軸心から第1周壁部18の外周面までの距離よりも十分に大きな曲率半径R1を持つ湾曲板状に形成されている(例えば、軸心から第1周壁部18の外周面までの距離(即ち、図1中のA1の1/2)=35mmに対して、R1=100mm)。すなわち、第1周壁部18は、第1の軸直角方向Y1の外方に向けてわずかに凸状に膨らんだ湾曲板状に形成されており、外向きに凸の曲率半径R1を持つ。
一対の第2周壁部20は、第2の軸直角方向Y2に直交する略平板形状を有し、内筒12を中心としてその両側に同じ間隔を隔てて、互いに略平行に対向して配されている。そのため、第2周壁部20は、略角筒状をなす外筒14において一対の側壁部を構成している。第2周壁部20は、その曲率半径R2を無限大とすることで、完全な平板形状とすることもできるが、この例では、第1周壁部18と同様、外筒14の軸心から第2周壁部20の外周面までの距離よりも十分に大きな曲率半径R2を持つ湾曲板状に形成されている。すなわち、第2周壁部20は、第2の軸直角方向Y2の外方に向けてわずかに凸状に膨らんだ湾曲板状に形成されており、外向きに凸の曲率半径R2を持つ。なお、この例では、曲率半径R1とR2を同一(R1=R2)に設定しているが、両者は異なる値に設定してもよい。
第3周壁部22は、第1周壁部18と第2周壁部20とを繋ぐ周壁部分であり、両者18,20をなだらかに繋ぐように湾曲板状に形成されている。第3周壁部22は、外向きに凸の曲率半径R3を有し、該曲率半径R3は、第1周壁部18の曲率半径R1と第2周壁部20の曲率半径R2よりも十分に小さく設定されている(R3<R1かつR3<R2)。
外筒14の第1の軸直角方向Y1における外形寸法A1と第2の軸直角方向Y2における外形寸法A2は、この例では、同一に設定されており(A1=A2)、そのため、外筒14は、断面略正方形状に形成されている。なお、これらの外形寸法A1及びA2は、異なる値に設定することもでき、その場合、外筒14は、断面略長方形状に形成される。
弾性連結部16は、第1の軸直角方向Y1に対向する位置において、内筒12と外筒14との間を連結して設けられている。詳細には、上記一対の第1周壁部18,18と、これに第1の軸直角方向Y1において対向する内筒12の左右一対の側面12A,12Aとの間を、それぞれ連結するように、第1の軸直角方向Y1において内筒12を挟んで位置する左右一対に設けられている。また、弾性連結部16は、外筒14の4つの角部においても、各第3周壁部22とこれに軸直角方向において対向する内筒12の周面との間をそれぞれ連結するように設けられている。
これにより、弾性連結部16は、第1周壁部18だけでなく、その周方向両側の第3周壁部22まで延設されており(この弾性連結部16の延設部を図1において符号16Aで示す。)、すなわち、第1周壁部18からその周方向両側の第3周壁部22,22にかけて、これら周壁部18,22と当該周壁部18,22に対向する内筒12の周面との間を連結するように設けられている。
これに対し、上記一対の第2周壁部20,20と、これに第2の軸直角方向Y2において対向する内筒12との間には、弾性連結部16は設けられていない。すなわち、第2周壁部20とこれに対向する内筒12の間はゴム弾性体により連結されておらず、第2の軸直角方向Y2において、内筒12と第2周壁部20との間には軸方向Xに貫通する一対の空洞部24,24が設けられている。該空洞部24は、防振ブッシュ10の周方向において、第2周壁部20の略全幅にわたって設けられている。
空洞部24には、内筒12の第2の軸直角方向Y2における過大変位を制限するために、弾性連結部16から連なるゴム弾性体よりなるストッパ部26,28,30が設けられている。詳細には、図1における上側の空洞部24には、第2周壁部20の内周面に内筒12側に向かって突出するストッパ部26が設けられている。下側の空洞部24には、第2周壁部20の内周面に内筒12側に突出する第1ストッパ部28が設けられるとともに、内筒12の外周面に第2周壁部20側に突出する第2ストッパ部30が設けられている。これにより、第2周壁部20とこれに対向する内筒12との間に、上記空洞部24によって第2の軸直角方向Y2におけるストッパクリアランス32が確保されている。
実施形態に係る防振ブッシュ10を製造するに際しては、内筒12と外筒14Aの間にゴム弾性体を加硫成形することで、図3に示すように、第1の軸直角方向Y1に対向する位置において内筒12と外筒14Aとの間を一対の弾性連結部16,16で連結するとともに、第2の軸直角方向Y2において内筒12と外筒14Aとの間に軸方向Xに貫通する一対の空洞部24,24を設ける。
その際、内筒12としては、最終的な製品形状のものを用いるが、外筒14Aについては、図3に示すように断面円形状をなす円筒形金具を用いる。そして、これらの内筒12と外筒14Aを不図示の成形型内に配置して、成形型のキャビティ内にゴム材料を注入することにより、内筒12と外筒14Aとの間に、上記の弾性連結部16とストッパ部26,28,30が一体に加硫成形され、図3に示す絞り加工前の加硫成形体34が得られる。
次いで、得られた加硫成形体34の外筒14Aに絞り加工を施す。絞り加工は、図3に示す円筒形の外筒14Aが、図1に示す略角筒状になるように行う。詳細には、第1の軸直角方向Y1にて対向位置する一対の第1周壁部18,18での絞り量と、第2の軸直角方向Y2にて対向位置する一対の第2周壁部20,20での絞り量が、ともに第3周壁部22での絞り量よりも大きくなるように、かつ、第1周壁部18の曲率半径R1と第2周壁部20の曲率半径R2が第3周壁部22の曲率半径R3よりも大きくなるように、絞り加工を施す。これにより、外筒14は、第3周壁部22を角部とする略角筒状に形成される。また、弾性連結部16は、第1周壁部18から第3周壁部22にかけてこれら周壁部18,22と内筒12との間を連結するように形成される。
ここで、絞り量とは、外筒14の周壁部分についての絞りによる縮径方向への変形量である。図1に示すように、二点鎖線で示す絞り前の外筒14Aの形状に対し、第1周壁部18と第2周壁部20は軸直角方向内方に大きく変形しているのに対し、第3周壁部22はほとんど変形していない。そのため、第3周壁部22での絞り量は、第1周壁部18や第2周壁部20での絞り量よりも小さい。なお、この例では、第1周壁部18での絞り量と第2周壁部20での絞り量を同じ値に設定しているが、異なる値に設定してもよい。
第1周壁部18と第2周壁部20をこのように大きく絞ると、通常は、その境界の第3周壁部22では拡径方向に変形しようとするが、本実施形態では、絞り加工後の外筒14の外形が、元の外筒14Aの外径の範囲内に収まるように絞り加工を行っている。その際、第3周壁部22での絞り量は、零(すなわち絞りなし)に設定することもできるが、この部分での弾性連結部16Aの熱収縮歪みを低減するために、若干絞りを加えることが好ましい。
かかる絞り加工は、例えば、図4に示すような絞り型40を持つ絞り装置を用いて、外筒14Aの外周面を絞り型40により軸直角方向内方に押圧することによって行うことができる。絞り型40は、第1周壁部18に当接する第1絞り型42と、第2周壁部20に当接する第2絞り型44と、第3周壁部22に当接する第3絞り型46とを備える。第1絞り型42の成形面48は、目的とする第1周壁部18の外周面形状に対応した形状とされている。第2絞り型44の成形面50は、目的とする第2周壁部20の外周面形状に対応した形状とされている。第3絞り型46の成形面52は、目的とする第3周壁部22の外周面形状に対応した形状とされている。そのため、これら第1〜3絞り型42,44,46を軸直角方向内方に押圧し、その成形面48,50,52を外筒14Aの外周面に圧接させることによって、円筒形の外筒14Aを上記の略角筒状の外筒14に絞り加工することができる。
これにより、図3に示す絞り加工前における外筒14Aの外径寸法をBとしたとき、図1に示す絞り加工後の外筒14の第1の軸直角方向Y1における外形寸法A1と第2の軸直角方向Y2における外形寸法A2は、ともに外形寸法Bよりも小さくなっている(A1<BかつA2<B)。
また、第1の軸直角方向Y1において絞り加工が施されることにより、弾性連結部16は、第1の軸直角方向Y1において予圧縮が付与されており、熱収縮歪みが取り除かれている。また、第2の軸直角方向Y2において絞り加工が施されることにより、第2の軸直角方向Y2における所定のストッパクリアランス32が設定されている。
以上説明した本実施形態によれば、ばね特性に影響する第1の軸直角方向Y1と、ストッパクリアランス32の設定に関する第2の軸直角方向Y2での絞り量を大きくし、その間の第3周壁部22に相当する位置での絞り量を小さくした角筒状に外筒14を絞り加工したことにより、第3周壁部22の内側に弾性連結部16の延設部16Aを設けるための大きなスペースを確保することができる。そのため、第3周壁部22に相当する位置まで弾性連結部16を延在させることで、ばね特性を維持しつつ、耐久性を向上することができる。
この点について詳述する。図6は、上記実施形態の防振ブッシュ10と、図5に示す比較例の防振ブッシュ100とについて、内筒12,101に対し、第2の軸直角方向Y2において図中で下方Dに荷重を入力したときの、内筒12,101の変位と、弾性連結部16,103の内筒に対する付け根部付近での歪みとの解析関係を示したものである。図6に示されているように、実施形態の防振ブッシュ10では、比較例の防振ブッシュ100よりも、同じ変位量で比較したときに、弾性連結部16,103の歪みが小さい。そのため、同じ最大ストロークを持つ防振ブッシュとして比較したときに、最大歪みを抑えて、耐久性を向上することができる。
このような歪み低下の理由は次のように考えられる。図5に示す比較例の防振ブッシュ100では、弾性連結部103の周方向端部付近での自由長(図中、C0で示す弾性連結部103の寸法)が小さい。そのため、内筒101に対して下方Dに変位する入力があったとき、弾性連結部103の外周側において、該入力に対する反発力E(押し返すような力)が比較的早期に作用し、よって、図6に示すように、変位に対して弾性連結部103の歪みが早期に立ち上がる。これに対し、実施形態の防振ブッシュ10であると、図1に示すように、第3周壁部22での絞り量を小さくしたことで、この部分に大きなスペースを確保されるので、この部分に配された弾性連結部16の延設部16Aにおいて十分な自由長を確保することができる(図中、C1で示す弾性連結部16の寸法が大きい)。そのため、内筒12に対する下方Dへの入力に対して、上記のような押し返す力が作用するタイミングを遅らせることができ、歪みの上昇を抑えることができる。
しかも、本実施形態によれば、第1の軸直角方向Y1では、十分な絞り量により弾性連結部16に予圧縮が付与されているので、ばね定数を向上しつつ、しかも、第3周壁部22に相当する位置では絞り量を抑えているので、延設部16Aにおける上記押し返す力を小さくすることができる。そのため、所望のばね特性を維持しつつ、歪みの上昇を抑えて耐久性を向上することができる。
また、本実施形態であると、第3周壁部22に相当する位置まで弾性連結部16を延在させたことにより、図5に示す比較例の防振ブッシュ100に対して、該延設部16Aのゴム量に基づくばね定数の上昇が見込まれる。そのため、その分、弾性連結部16を形成するゴム硬度を下げることができるので、このことによっても耐久性の向上につながる。
また、本実施形態であると、第2の軸直角方向Y2において絞り加工を行うことにより、主たる入力方向である第2の軸直角方向Y2において、要求通りのストッパクリアランス32に容易に設定することができる。
本実施形態であると、また、円筒形の外筒14Aを用いて、これに絞り加工を行うことにより角筒状の外筒14に形成するので、原材料費を抑えることができるとともに、弾性連結部16の加硫成形に際して、円筒形の外筒14Aを周方向で位置決めせずに成形型にセットすることができ、作業性に優れる。
本実施形態であると、また、絞り加工において、第1周壁部18と第2周壁部20を完全な平板形状とせずに、外向きに凸の曲率半径R1,R2を持たせて形成したので、絞り加工時における第1周壁部18や第2周壁部20での座屈変形(内径側への逆そり変形)を抑えることができ、製造性に優れる。
なお、上記実施形態では、絞り加工する外筒12Aとして円筒形金具を用いた場合について説明したが、絞り前の外筒12Aの形状は円筒形に限定されるものではない。また、上記実施形態では、第1周壁部18と第2周壁部20を外向きに凸の曲率を持たせて形成したが、完全な平板形状としてもよい。更に、上記実施形態では、内筒12として断面トラック形状のものを用いたが、円形のものを用いることもできる。また、上記実施形態では、4つの第3周壁部22の全てにおいて弾性連結部16を延在させて設けたが、例えば、第2の軸直角方向Y2におけるいずれか一方側の一対の第3周壁部22,22において延設部16Aを設け、他方側の一対の第3周壁部22,22では延設部16Aを設けずに、空洞部24を延在させるようにしてもよい。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
本発明は、自動車などの車両をはじめとして、様々な振動源と支持体との連結部位に配される種々の防振ブッシュに利用することができる。
10…防振ブッシュ 12…内筒 14…外筒
16…弾性連結部 18…第1周壁部 20…第2周壁部
22…第3周壁部 24…空洞部 32…ストッパクリアランス
X…軸方向 Y1…第1の軸直角方向 Y2…第2の軸直角方向
R1…第1周壁部の曲率半径 R2…第2周壁部の曲率半径
R3…第3周壁部の曲率半径

Claims (4)

  1. 軸部材と、前記軸部材を軸平行に取り囲む外筒と、前記軸部材と前記外筒との間を連結するゴム状弾性体からなる弾性連結部と、を備える防振ブッシュの製造方法であって、
    前記外筒と前記軸部材の間にゴム状弾性体を成形することで、前記軸部材を挟んで第1の軸直角方向に対向する位置において前記軸部材と前記外筒との間を一対の前記弾性連結部で連結するとともに、前記第1の軸直角方向に垂直な第2の軸直角方向において前記軸部材と前記外筒との間に軸方向に貫通する一対の空洞部を設け、
    前記弾性連結部の成形後に前記外筒に絞り加工を施し、前記絞り加工は、前記第1の軸直角方向において対向位置する一対の第1周壁部での絞り量と、前記第2の軸直角方向において対向位置する一対の第2周壁部での絞り量が、前記第1周壁部と前記第2周壁部の間に介在する第3周壁部での絞り量よりも大きく、かつ、前記第1周壁部の曲率半径と前記第2周壁部の曲率半径が、前記第3周壁部の曲率半径よりも大きくなるように施すことにより、前記外筒を、前記第3周壁部を角部とする略角筒状に形成するともに、前記弾性連結部を、前記第1周壁部から前記第3周壁部にかけてこれら周壁部と当該周壁部に対向する前記軸部材との間を連結するよう形成する
    ことを特徴とする防振ブッシュの製造方法。
  2. 前記外筒として円筒形金具を用いて、前記弾性連結部の成形後の前記絞り加工により角筒状に形成する
    ことを特徴とする請求項1記載の防振ブッシュの製造方法。
  3. 前記絞り加工において、前記第1周壁部と前記第2周壁部を外向きに凸の曲率半径を持つ形状とする
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の防振ブッシュの製造方法。
  4. 軸部材と、
    前記軸部材を軸平行に取り囲む外筒と、
    前記軸部材を挟んで第1の軸直角方向に対向する位置において前記軸部材と前記外筒との間を連結するゴム状弾性体からなる一対の弾性連結部と、
    前記第1の軸直角方向に垂直な第2の軸直角方向において前記軸部材と前記外筒との間に設けられた軸方向に貫通する一対の空洞部と、
    を備え、
    前記外筒は、前記第1の軸直角方向において対向位置する一対の第1周壁部と、前記第2の軸直角方向において対向位置する一対の第2周壁部と、前記第1周壁部と前記第2周壁部の間に介在する第3周壁部とを備えてなり、前記弾性連結部の成形後の絞り加工により、前記第1周壁部と前記第2周壁部での絞り量が前記第3周壁部での絞り量よりも大きく、かつ、前記第1周壁部と前記第2周壁部の曲率半径が前記第3周壁部の曲率半径よりも大きく形成されて、前記第3周壁部を角部とする略角筒状に形成され、
    前記弾性連結部は、前記第1周壁部から前記第3周壁部にかけて、これら周壁部と当該周壁部に対向する前記軸部材との間を連結するよう設けられ、前記第2周壁部と該第2周壁部に対向する前記軸部材との間に、前記空洞部によって前記第2の軸直角方向におけるストッパクリアランスが設けられた
    ことを特徴とする防振ブッシュ。
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