JP3511122B2 - 角形弾性ブッシュの予備圧縮付与方法 - Google Patents
角形弾性ブッシュの予備圧縮付与方法Info
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Description
ション等に組込まれる弾性ブッシュ、特に角形弾性ブッ
シュの製造過程における予備圧縮付与方法に関するもの
である。
車体とサスペンションの連結部位、例えば車輪を支持す
るロアアームとフレーム等の車体側メンバとの連結部位
等には、車体振動を緩和するために弾性ブッシュが一般
に使用されている。
形の内筒(51)と外筒(52)とを、両筒間に加硫接着手
段により介設したゴム弾性体(53)によって結合した断
面円形の形態をなすものが一般的である。また前記外筒
(52)をゴム弾性体(53)に対して適当な締め代をもっ
て圧入固定したものもある。通常、前記の外筒(52)の
外周にロアアーム等の端部が固定されて使用される。
負荷が加わった場合、図7の鎖線のように外筒(52)が
内筒(51)側に変位する結果、内筒(51)と外筒(52)
の周長の違いにより、外力が負荷する側のゴム弾性体
(53)の部位(53a)の1個所に最大歪が集中すること
になる。
け、かつ一定の方向に大きいバネ特性つまり防振特性が
得られるように、内外両筒の四周各面部が相対するよう
に配した断面長方形の角形ブッシュも出現している。
は、ゴム加硫後の収縮及び荷重負荷時の引張歪を低減し
耐久性を向上する目的で、加硫されたゴム弾性体(53)
に予備的に圧縮を与えておかなくてはならず、その手段
として、外筒(52)に一定の絞り加工を施して縮径する
ことによって、ゴム弾性体(53)を圧縮している。
と同様に外筒を絞り加工して、ゴム弾性体に予備圧縮を
与えている。
合、荷重負荷時の歪が1個所に集中することはないが、
ゴム弾性体(53)に圧縮を与えるための外筒(52)の絞
り加工は非常に困難であり、例えば、角形の外筒(52)
四周の各面部(断面における各辺の面)を絞り加工によ
り平板状のままで均一に変形させようとしても、図8の
ように一部に波打つような変形が生じることが多分にあ
る。このような変形が生じると、内側のゴム弾性体(5
3)に対し均一な圧縮を与えることができないことにな
り、予備圧縮を与えることによる効果が充分に得られ
ず、耐久性が劣ることになる。
形弾性ブッシュにおいて、ゴム弾性体に対し均一な予備
圧縮を与えることができ、ブッシュの耐久性の向上を図
ることができる予備圧縮付与方法を提供する。
決する角形弾性ブッシュの予備圧縮付与方法であり、請
求項1の発明は、角筒形状の内筒と外筒とを、両筒間に
加硫接着手段により介設したゴム弾性体によって結合し
ておき、拡管加工により内筒の断面寸法を拡大させて内
外筒間の前記ゴム弾性体に圧縮を与える方法において、
2辺の内側寸法(A)および(B)が完成品の2辺の内
側寸法(A 1 )および(B 1 )より小さい角形筒体で、
かつ四周の各面部の中央部における2辺の内側寸法を側
縁部での2辺の内側寸法より小さくした角形筒体を内筒
に用い、加硫成形後の内筒の拡管加工により、2辺の内
側寸法を完成品の2辺の内側寸法(A 1 )および(B 1
)に成形することを特徴とする。
内筒の四周の各面部に波打ち等の変形を与えることなく
断面寸法を拡大できるので、その周囲のゴム弾性体に対
し必要かつ均一な予備圧縮を確実に与えることができ、
しかも内筒の内側寸法が一定の完成品を得ることができ
る。
部における2辺の内側寸法を側縁部での2辺の内側寸法
より小さくした角形筒体を内筒に用いて、加硫成形後の
内筒の拡管加工により、2辺の内側寸法を完成品の2辺
の内側寸法(A1 )および(B1 )に成形するので、内
筒の金属材料自体に過度の延びを与えることなく拡管で
き、拡管した内筒に損傷を生じさせることなく、ゴム弾
性体に均一な予備圧縮を与えることができる。
は、拡管加工により内筒の断面寸法を拡大させて内外筒
間のゴム弾性体に圧縮を与える方法として、2辺の内側
寸法(A)および(B)が一定の角形筒体を内筒に用
い、ゴム弾性体の加硫成形の際、前記内筒の内側に挿入
した加硫金型の中子と内筒との間に隙間を保有させてお
くことにより、ゴム弾性体の加硫圧力によって内筒の各
面部を内側に撓み変形させて、内筒の2辺の内側寸法を
完成品の2辺の内側寸法(A1 )および(B1 )より小
さくし、加硫成形後の内筒の拡管加工により、前記完成
品の2辺の内側寸法に成形することを特徴とする。
内筒が撓み変形したときの2辺の内側寸法が定まり、し
たがってこれを拡管加工により完成品の2辺の内側寸法
に成形することにより、前記の撓み変形した各面部が平
板状に延ばされるため、これにより予備圧縮されたゴム
弾性体の厚みが一定となり、安定した特性が得られる。
実施形態を図面に基いて説明する。
備圧縮を与えて製造した角形弾性ブッシュを示す。図中
の(1)および(2)は同心的に配された角筒形状の内
筒と外筒で、いずれも鋼管等の金属製の角形の筒体によ
り形成されており、この内筒(1)と外筒(2)との間
にゴム弾性体(3)が加硫接着手段により両筒に接着さ
れて介設されて、両筒が結合されている。
よび外筒(2)と、両筒間のゴム弾性体(3)の未加硫
ゴム材料とを加硫金型にセットして加硫成形を行ない、
ゴム弾性体(3)を内外両筒(1)(2)に接着し固定
することにより得ることができるが、特に本発明の場合
は、前記の加硫成形の後、拡管加工により内筒(1)の
断面寸法を拡大させることにより、その周囲のゴム弾性
体(3)に対し所定の予備圧縮を与える。図1および図
2の2点鎖線は、拡管前の内筒(1)の断面形状を示
し、これを拡管加工し実線の断面形状に拡大させる。
は、図3に示すように、縦横2辺の内側寸法(A)およ
び(B)が完成品の2辺の内側寸法(A1 )および(B
1 )より小さい一定形状の角形筒体を内筒(1)に用
い、これを前記の加硫成形後の拡管加工により、完成品
の2辺の内側寸法に成形する。
(1)の四周の各面部(断面における各辺)(11)(1
2)(13)(14)に波打ち等の変形を与えることなく断
面寸法を拡大できるので、その周囲のゴム弾性体(3)
に対し必要かつ均一な任意の予備圧縮を与えることで
き、しかも内筒(1)の2辺の内側寸法が一定の完成品
を得ることができる。
(A)(B)および厚み(t)は、ブッシュの使用個所
等によっても異なるが、例えば A=10〜30mm B=30〜60mm t=1.2〜3.2mm の範囲である。もちろん前記範囲外の寸法とすることも
可能である。
いて、内筒(1)として、図4に示すように、四周の各
面部(11)〜(14)の中央部を内側に湾曲状に凹設し
て、該中央部での縦横2辺の内側寸法(a)(b)を側
縁部での2辺の内側寸法(A)(B)より小さくした角
形筒体を用い、これを前記同様に加硫成形後に拡管加工
することにより、前記各面部(11)〜(14)の凹設部
(11a)(12a)(13a)(14a)を平板状に延ばし
て、2辺の内側寸法をそれぞれ完成品の2辺の内側寸法
(A1 )および(B1 )に成形する。この場合、内筒
(1)の金属材料自体に過度の延びを与えることなく拡
管できるので、内筒(1)に損傷を生じさせることな
く、ゴム弾性体(3)に均一な予備圧縮を与えることが
できる。
内側寸法(a)(b)と側縁部での2辺の内側寸法
(A)(B)の差は、それぞれ A−a=0.3〜1.0mm B−b=0.3〜1.0mm とするのが、拡管加工による成形の確実性の点から特に
好適である。
に、2辺の内側寸法(A)および(B)が一定の角形筒
体を内筒(1)に用い、ゴム弾性体(3)の加硫成形の
際、前記内筒(1)の内側に挿入する加硫金型の中子
(4)の2辺の寸法(C)(D)を、それぞれ内筒
(1)の2辺の内側寸法(A)(B)より僅かに小さく
して、該中子(4)と内筒(1)との間に隙間(S)を
保有させておくことにより、ゴム弾性体(3)の加硫圧
力によって内筒(1)の各面部(11)〜(14)を内側に
撓み変形させ、内筒(1)の2辺の内側寸法を完成品の
2辺の内側寸法(A1 )および(B1 )より小さくして
おき、これを前記同様に加硫成形後に拡管加工すること
により、撓み変形した各面部(11)〜(14)を平板状に
延ばして、完成品の2辺の内側寸法に成形することもで
きる。
寸法により、内筒(1)が撓み変形したときの2辺の内
側寸法が定まるので、これを拡管加工し完成品の2辺の
内側寸法に成形することにより、予備圧縮されたゴム弾
性体(3)の厚みが一定となり、安定した特性が得られ
る。
(D)と内筒の2辺の内側寸法(A)(B)の差は、そ
れぞれ A−C=0.3〜1.0mm B−D=0.3〜1.0mm とするのが、拡管加工による成形上特に好ましい。また
内筒(1)の厚み(t)については、加硫圧力による前
記の撓み変形を許容できる厚みのものが用いられる。
(1)の内部に拡管加工用のクサビ等の棒材の打ち込み
により拡管させる、従来周知の拡管加工法を利用するこ
とができる。この場合、前記内筒(1)の2辺の内側寸
法を一度に拡大させる方法、あるいは2辺の一方の寸法
を拡大させ、次に他方の寸法を拡大させる方法のいずれ
であってもよい。
のための部材を圧入することによって内筒(1)を拡管
させることもできる。さらに、図6に示すように、圧入
による拡管加工に使用したパイプ状の棒材(5)を、そ
のまま内筒(1)との2重構造をなす支持材として利用
することができる。
ッシュであり内筒(1)も角形であるために、容易にし
て確実に拡管することができる。
筒を拡管する場合は、全周で径を増加させなくてはなら
ず、全周で拡径できるような装置治具でなければ実施で
きない。これに対し、本発明のブッシュのように角形で
あれば、断面が四角形のクサビを前記のように2方向ま
たは1方向に打ち込むこと、あるいは断面が四角の部材
を圧入することによって、確実に拡管することができ
る。
れば、角形弾性ブッシュであるにも拘らず、内筒の拡管
加工により、外筒を絞り加工した場合のような波形状の
変形が生じず、ゴム弾性体に均一な予備圧縮を確実に与
えることができ、その耐久性を向上できる。また安定し
た防振特性を得ることができる。
縦断面図である。
説明図である。
する正面説明図である。
面説明図である。
る。
図である。
Claims (2)
- 【請求項1】角筒形状の内筒と外筒とを、両筒間に加硫
接着手段により介設したゴム弾性体によって結合してお
き、拡管加工により内筒の断面寸法を拡大させて内外筒
間の前記ゴム弾性体に圧縮を与える方法において、 2辺の内側寸法(A)および(B)が完成品の2辺の内
側寸法(A 1 )および(B 1 )より小さい角形筒体で、
かつ四周の各面部の中央部における2辺の内側寸法を側
縁部での2辺の内側寸法より小さくした角形筒体を内筒
に用い、加硫成形後の内筒の拡管加工により、2辺の内
側寸法を完成品の2辺の内側寸法(A 1 )および(B 1
)に成形する ことを特徴とする角形弾性ブッシュの予
備圧縮付与方法。 - 【請求項2】角筒形状の内筒と外筒とを、両筒間に加硫
接着手段により介設したゴム弾性体によって結合してお
き、拡管加工により内筒の断面寸法を拡大させて内外筒
間の前記ゴム弾性体に圧縮を与える方法において、 2辺の内側寸法(A)および(B)が一定の角形筒体を
内筒に用い、ゴム弾性体の加硫成形の際、前記内筒の内
側に挿入した加硫金型の中子と内筒との間に隙間を保有
させておくことにより、ゴム弾性体の加硫圧力によって
内筒の各面部を内側に撓み変形させて、内筒の2辺の内
側寸法を完成品の2辺の内側寸法(A 1 )および(B 1
)より小さくし、加硫成形後の内筒の拡管加工によ
り、前記完成品の2辺の内側寸法に成形する ことを特徴
とする角形弾性ブッシュの予備圧縮付与方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03667797A JP3511122B2 (ja) | 1997-02-20 | 1997-02-20 | 角形弾性ブッシュの予備圧縮付与方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03667797A JP3511122B2 (ja) | 1997-02-20 | 1997-02-20 | 角形弾性ブッシュの予備圧縮付与方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH10231874A JPH10231874A (ja) | 1998-09-02 |
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Family Applications (1)
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JP03667797A Expired - Fee Related JP3511122B2 (ja) | 1997-02-20 | 1997-02-20 | 角形弾性ブッシュの予備圧縮付与方法 |
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Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6857624B2 (en) | 2002-11-27 | 2005-02-22 | The Goodyear Tire & Rubber Company | Tunable spring rate and energy storage spring body |
JP5925649B2 (ja) * | 2012-09-18 | 2016-05-25 | 東洋ゴム工業株式会社 | 防振ブッシュおよびその製造方法 |
-
1997
- 1997-02-20 JP JP03667797A patent/JP3511122B2/ja not_active Expired - Fee Related
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