JP2906087B2 - 空気バネ用膜体 - Google Patents

空気バネ用膜体

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JP2906087B2
JP2906087B2 JP40922390A JP40922390A JP2906087B2 JP 2906087 B2 JP2906087 B2 JP 2906087B2 JP 40922390 A JP40922390 A JP 40922390A JP 40922390 A JP40922390 A JP 40922390A JP 2906087 B2 JP2906087 B2 JP 2906087B2
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二三雄 千葉
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両の懸架装置等に使用
される空気バネ用膜体に関する。
【0002】
【従来の技術】車両の車体懸架装置等に使用される空気
バネ用膜体は、ほぼ円錐状中空体をなし、内部に2層の
補強コード層が埋設されて構成されている。この膜体は
両端に小径部と大径部を有し、その中間に筒状の転動テ
ーパ部を形成しており、懸架装置に装着するときは転動
テーパ部がU字状に折り曲げられ、小径部と大径部とが
それぞれ懸架装置用の内筒と外筒とに固着されるように
なっている。
【0003】従来、このような膜体を懸架装置の内筒と
外筒に装着するには、転動テーパ部のテーパ角度が大き
いほど反転作業や固定作業性がしやすくなるため、その
テーパ角度を10度前後にしているのが普通であった。
しかし、テーパ角度をこのように大きくすると、空気バ
ネとして作動するとき転動テーパ部の受ける圧縮歪みが
大きくなるためフリクションを増大し、耐久性を低下さ
せるという問題があった。
【0004】一方、転動テーパ部のテーパ角度を1度前
後にしたものは、あまり小さくなりすぎるため反転作業
が困難となり、かつ反転作業時に大きな歪みを発生する
ため上記と同様の問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、製
製作時の取り付け作業性を損なうことなく耐フリクショ
ン性及び耐久性を向上するようにした空気バネ用膜体を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、両端の小径部と大径部との間に筒状の転動テーパ
部を形成し、内部に補強コード層を埋設した空気バネ用
膜体において、前記転動テーパ部のテーパ角度を2度〜
5度の範囲にすると共に、該転動テーパ部が前記大径部
に接続する部分であって、かつ、該転動テーパ部の反転
折り曲げが終了する位置(a)よりも大径部側の位置
に、該転動テーパ部及び大径部のテーパ角度よりも大き
なテーパ角度の連結テーパ部を介在させ、かつ前記転動
テーパ部と連結テーパ部との間及び前記連結テーパ部と
大径部との間をそれぞれ軸方向の断面において曲率半径
(R)の曲線をもつ膜体で接続したことを特徴とするも
のである。
【0007】このように転動テーパ部のテーパ角度を2
度〜5度の範囲にすることにより、テーパ角度が10度
前後の従来のものに比べて圧縮歪みが低減し、また製品
製作時の転動テーパ部分の角度変化及び膜厚変化を一定
化するため、耐フリクション性及び耐久性を向上するこ
とができる。さらに、転動テーパ部と大径部との間であ
って、転動テーパ部の反転折り曲げが終了する位置より
も大径側に、転動テーパ部及び大径部のテーパ角度より
も大きなテーパ角度を有する連結テーパ部を介在させ
かつ、この転動テーパ部と連結テーパ部間及び連結テー
パ部と大径部間をそれぞれ曲率半径(R)の曲線をもつ
膜体で接続したので、転動テーパ部のテーパ角度が2度
〜5度という小さな角度であっても、反転作業を容易に
し、取り付け作業性を向上することができる。
【0008】以下、図に示す実施例によって説明する。
空気バネは、図3に示すように外筒8と内筒9との間に
U字状に折り曲げられた筒状の膜体1を連結し、内部に
圧縮空気の充填された空気室10を形成して構成されて
いる。このように空気バネ20に装着される膜体1は、
装着前の単体としては図4に示すような形状になってい
て、両端に小径部2と大径部3とを有し、その中間に筒
状の転動テーパ部4を連結して構成されている。そして
この膜体1は、小径部2を内筒9に対し環状材11によ
って締結固定されると共に、転動テーパ部4をU字状に
折り返して他端の大径部3を外筒8に対し環状材12に
よって締結固定されている。
【0009】本発明による空気バネ用膜体は、上記構成
において転動テーパ部のテーパ角度θを2度〜5度の範
囲にし、さらに好ましくは3度〜4度の範囲にするので
ある。このようなテーパ角度にすることにより、転動テ
ーパ部が受ける圧縮歪みを小さくすることができ、耐フ
リクション性及び耐久性を向上することができる。図1
は本発明の空気バネ用膜体の他の例を懸架装置の要部と
共に半断面にして図示したものである。図4の場合と同
様に、膜体1は両端に小径部2と大径部3とを有し、そ
の中間に転動テーパ部4を有しているが、さらに転動テ
ーパ部4と大径部3との間に連結テーパ部5を介在させ
ている点が異なっている。転動テーパ部4は、同様にに
テーパ角度θが2度〜5度の範囲にしてあり、これによ
って耐フリクション性及び耐久性を向上するようにして
いる。
【0010】連結テーパ部5は、そのテーパ角度が転動
テーパ部4及び大径部3のテーパ角度θよりも大きな角
度になっており、さらに転動テーパ部4及び大径部3に
対してそれぞれ曲率半径Rの滑らかな曲線を描くように
接続されている。このような連結テーパ部5が設けられ
ることによって、転動テーパ部4のテーパ角度θが小さ
くても反転作業が容易になり、装着作業を向上するので
ある。このような連結テーパ部5と転動テーパ部4との
境界は、転動テーパ部4の反転折り曲げが終了する位置
aよりも大径部3側の位置にあるようにすることが望ま
しい。
【0011】本発明において、これら小径部2,大径部
3,転動テーパ部4,連結テーパ部5から形成された膜
体1は、図2に示すようにゴムなどの弾性材7から成形
され、その内部に2枚の補強コード層6を互いにコード
方向が交差するように埋設して構成されている。この膜
体1の厚さとしては1.5〜3.0mm、さらに好まし
くは2.0〜2.5mmにすることが望ましい。
【0012】このような膜体1を空気バネ20に組み付
ける作業は、一般には先ず小径部2を内筒9に固着した
のち転動テーパ部4を反転させ、他端の大径部3を外筒
8に固着するような順序で行う。これら小径部2や大径
部3を固定する手段としては特に限定されないが、好ま
しくは図示のような環状材11,12によってかしめて
締結するようにするとよい。
【0013】
【実施例】上述したテーパ角度θによる効果を確認する
ため、図4に示すような構造を有し、膜体の厚さ2.3
mm、転動径69mmとし、テーパ角度θを0度〜6度
に1度ずつ異ならせた7種類の中空円錐状の膜体を試作
し、それぞれを大径部側から反転させるようにして図3
に示すような空気バネを作製した。なお、このときの空
気バネの試作条件としては、一定内圧下で膨張外径寸法
が一定になるように成形した。
【0014】
【0015】このように組立てられた各空気バネについ
て、それぞれ次の条件により動フリクションと耐久性と
を測定した。
【0016】 動フリクション測定条件 振動=10Hz×±5mm、内圧=5kgf/cm
温度=室温耐久性測定条件 振動=1.3Hz×±50mm、内圧=8.5kgf/
cm、温度=70℃ これらの測定結果をグラフにすると図5のような結果が
得られた。この図5から、転勤テーパ部のテーパ角度θ
を2度〜5度の範囲にした膜体のものが、耐久性及び動
フリクションにおいて共に優れていることがわかる。
【0017】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、転動テ
ーパ部のテーパ角度を2度〜5度の範囲にしたことによ
って転動テーパ部の圧縮歪みを低減することができ、ま
た製品製作時の転動テーパ部分の角度変化及び膜厚変化
を一定化させるため、耐フリクション性及び耐久性を向
上することができる。さらに、転動テーパ部と大径部と
の間であって転動テーパ部の反転折り曲げが終了する位
置よりも大径部側に、転動テーパ部及び大径部のテーパ
角度よりも大きなテーパ角度を有する連結テーパ部を介
在させ、かつ、転動テーパ部と連結テーパ部間及び連結
テーパ部と大径部間をそれぞれ曲率半径(R)の曲線を
もつ膜体で接続したので、転動テーパ部のテーパ角度が
小さな角度であっても反転作業を容易にし、取り付け作
業性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例からなる膜体を空気バネ用部品
と共に示す半断面図である。
【図2】同膜体の要部断面図である。
【図3】空気バネの構造を例示する縦断面図である。
【図4】膜体の一例を中心線から半分を断面にして示す
図である。
【図5】転動テーパ部のテーパ角度θと耐久性回数およ
び動フリクションとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 膜体 2 小径部 3 大径部 4 転動テーパ部 5 連結テーパ部 8 外筒 9 内筒

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両端の小径部と大径部との間に筒状の転
    動テーパ部を形成し、内部に補強コード層を埋設した空
    気バネ用膜体において、前記転動テーパ部のテーパ角度
    を2度〜5度の範囲にすると共に、該転動テーパ部が前
    記大径部に接続する部分であって、かつ、該転動テーパ
    部の反転折り曲げが終了する位置(a)よりも大径部側
    の位置に、該転動テーパ部及び大径部のテーパ角度より
    も大きなテーパ角度の連結テーパ部を介在させ、かつ前
    記転動テーパ部と連結テーパ部との間及び前記連結テー
    パ部と大径部との間をそれぞれ軸方向の断面において曲
    率半径(R)の曲線を持つ膜体で接続した空気バネ用膜
    体。
  2. 【請求項2】 前記膜体の厚さが1.5〜3.0mmで
    ある請求項1に記載の空気バネ用膜体。
JP40922390A 1990-12-28 1990-12-28 空気バネ用膜体 Expired - Lifetime JP2906087B2 (ja)

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JPH04300465A JPH04300465A (ja) 1992-10-23
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