JP5924543B2 - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

積層セラミックコンデンサ Download PDF

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Description

本発明は、誘電体セラミックを用いた積層セラミックコンデンサに関する。
特許文献1に記載されているように、一般に、積層セラミックコンデンサは、セラミック本体と外部電極とを備えている。セラミック本体は、互いに対向する2つの主面と、互いに対向する2つの側面と、互いに対向する2つの端面とを有している。外部電極は、セラミック本体の2つの端面にそれぞれ形成されている。
セラミック本体は、複数の内層用セラミック層と、複数の内層用セラミック層同士の界面に配設された複数の内部電極と、複数の内層用セラミック層を挟むように上下に配設された複数の外層用セラミック層とで構成された積層体である。内部電極は、外部電極に電気的に接続されている。
内層用セラミック層に用いられる誘電体材料は、一般的に複酸化物で、その多くはBaTiO3やCaZrO3などのペロブスカイト型化合物である。これらの複酸化物は、電気的特性や微細構造制御など多岐にわたる特性を満足させるため、複数の高価な素材を合成して製作する必要がある。従って、内層用セラミック層の製造コストは高価である。
一方、外層用セラミック層は、通常、内層用セラミック層と同じ誘電体材料が用いられている。従って、外層用セラミック層の製造コストも高価である。
特開平6−84692号公報
しかしながら、外層用セラミック層は内層用セラミック層と異なり、コンデンサの電気的特性に殆んど寄与しない。従って、外層用セラミック層に用いられる誘電体材料は、必ずしも、内層用セラミック層と同じ高価な誘電体材料を用いる必要がない。
また、ペロブスカイト型化合物に含まれるアルカリ土類金属は、はんだ付けに用いられるアジピン酸あるいはプロピオン酸等の有機酸を主たる成分とする水溶性フラックス中に含まれている有機酸に溶解し易い。積層セラミックコンデンサは、線熱膨張係数の異なる内部電極(金属)とセラミックで構成されているため、残留応力が生じている。外層用セラミック層は、内部電極と内層用セラミック層を面で保持することになるため、内層用セラミック層上のセラミック本体の側面側における内部電極が形成されていない部分よりも相対的に強い残留応力を受け止めている。したがって、水溶性フラックス中へ外層用セラミック層の成分が溶出し、外層用セラミック層が脆化すると、はんだ実装時、または、はんだ実装後の経時変化により構造欠陥が発生してしまうという不具合があった。
それゆえに、本発明の目的は、製造コストが安価で、かつ、有機酸への溶出が少ない外層用セラミック層を有している積層セラミックコンデンサを提供することである。
本発明は、
互いに対向する2つの主面と、互いに対向する2つの側面と、互いに対向する2つの端面と、を有するセラミック本体と、
セラミック本体の2つの端面にそれぞれ形成された外部電極と、を備え、
セラミック本体は、複数の内層用セラミック層と、複数の内層用セラミック層同士の界面に配設された複数の内部電極と、複数の内層用セラミック層を挟むように上下に配設された複数の外層用セラミック層とを有する積層体であり、
内層用セラミック層が、アルカリ土類金属を有する複酸化物を含有し、
上下少なくとも一方に配設された外層用セラミック層のうちの少なくとも1つの外層用セラミック層は、最外層を含む少なくとも一部の層がTiO2を主成分とするセラミックからなり、かつ前記内層用セラミック層を構成する元素が拡散されていること、
を特徴とする、積層セラミックコンデンサである。
内層用セラミック層の、アルカリ土類金属を有する複酸化物は、ペロブスカイト型化合物であることが好ましい。
本発明では、外層用セラミック層の材料として、内層用セラミック層と同じ高価な誘電体材料を用いる必要がないため、製造コストが安価になる、また、TiO2は有機酸に溶解し難いため、耐溶出性に優れた外層用セラミック層が得られる。
また、本発明は、主面の色彩と側面の色彩とが異なること、を特徴とする、積層セラミックコンデンサであることが好ましい。
TiO2を主成分とするセラミックからなる主面の色彩と、主としてアルカリ土類金属を有する複酸化物を含有したセラミックからなる側面の色彩とが異なる場合、主面と側面とが視覚的に識別可能である。
本発明によれば、外層用セラミック層の材料として、内層用セラミック層と同じ高価な誘電体材料を用いる必要がないため、外層用セラミック層の製造コストが安価になる。また、TiO2は有機酸に溶解し難いため、耐溶出性に優れた外層用セラミック層が得られる。この結果、製造コストが安価で、かつ、有機酸への溶出が少ない外層用セラミック層を有している積層セラミックコンデンサが得られる。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
この発明にかかる積層セラミックコンデンサの一実施の形態を示す外観斜視図である。 図1に示す積層セラミックコンデンサの内部構造を示す断面図解図である。
本発明に係る積層セラミックコンデンサの一実施の形態を、その製造方法と共に説明する。
1.積層セラミックコンデンサ
図1は積層セラミックコンデンサの一実施の形態を示す外観斜視図であり、図2はその内部構造を示す断面図解図である。積層セラミックコンデンサ1は、セラミック本体10と、セラミック本体10の左右の端部に形成された外部電極20,22とを備えている。
セラミック本体10は、互いに対向する主面(上面)10aおよび主面(実装面)10bと、互いに対向する側面10cおよび側面10dと、互いに対向する端面10eおよび端面10fとを有している。
セラミック本体10は、複数の内層用セラミック層11と、複数の内層用セラミック層11同士の界面に配設された複数の内部電極12,13と、複数の内層用セラミック層11を挟むように上下に配設された外層用セラミック層15a,15bとで構成された積層体構造を有している。
内部電極12と内部電極13とは、厚み方向において、誘電体からなる内層用セラミック層11を介して対向している。この内部電極12と内部電極13とが、内層用セラミック層11を介して対向している部分に静電容量が形成されている。内部電極12,13は、Ag、Cu、Ni、Pd、または、これら金属の合金などからなる。
内部電極12の左側端部は、セラミック本体10の左側の端面10eに引き出されて外部電極20に電気的に接続されている。内部電極13の右側端部は、セラミック本体10の右側の端面10fに引き出されて外部電極22に電気的に接続されている。
内層用セラミック層11は、アルカリ土類金属を有する複酸化物を含有した材料からなる。この複酸化物は、BaTiO3やCaZrO3などのペロブスカイト型化合物である。
上下に配設された外層用セラミック層15a,15bは、それぞれ、最外層を含む一部の層がTiO2を主成分とするTiO2セラミック層16a,16bであり、残りの層がアルカリ土類金属を有する複酸化物を含有した複酸化物セラミック層17a,17bである。ただし、外層用セラミック層15a,15bの全ての層が、TiO2セラミック層16a,16bであってもよい。あるいは、TiO2セラミック層16a,16bが、上下の外層用セラミック層15a,15bのいずれか一方のみに配設されるものでもよい。
また、内層用セラミック層11を構成する元素が、TiO2セラミック層16a,16bの中に拡散されてい。さらに、TiO2セラミック層16a,16bは、TiO2のほかに微量の添加物が添加されたものであってもよい。
以上の構成からなる積層セラミックコンデンサ1は、外層用セラミック層15a,15bの材料として、内層用セラミック層11と同じ高価な誘電体材料を用いる必要がないため、製造コストが安価になる。さらに、外層用セラミック層15a,15bは、コンデンサの電気的特性に殆んど寄与しないので、純度の低い材料も使用でき、製造コストをより一層下げることができる。
また、TiO2セラミック層16a,16bに含まれているTiO2は、有機酸に溶解し難いため、耐溶出性に優れた外層用セラミック層15a,15bが得られる。
また、TiO2を主成分とするセラミックからなる主面10a,10bの色彩と、TiO2セラミック層16a,16bが一部露出しているけれども、主としてアルカリ土類金属を有する複酸化物を含有したセラミックからなる側面10c,10dの色彩とが異なる場合、主面10a,10bと側面10c,10dとが視覚的に識別可能となる。従って、撮像カメラ等で積層セラミックコンデンサ1を観察することによって、積層セラミックコンデンサ1の方向識別ができ、実装方向を自動的に揃えることができる。
この結果、例えば、積層セラミックコンデンサ1は、その内部電極12,13が、印刷回路板(プリント基板)に対して、常に平行になるように実装される。従って、内部電極12,13と印刷回路板との間に発生する浮遊容量の値が、変動し難くなり、積層セラミックコンデンサ1の電気特性のバラツキを抑えることができる。
2.積層セラミックコンデンサの製造方法
次に、前述の積層セラミックコンデンサ1の製造方法を説明する。
(内層用グリーンシートの作製)
BaCO3粉末とTiO2粉末とが、Ba/Ti比が1.001になるように秤量されて、ZrO2ボールを用いたミルによって湿式混合される。この混合スラリーは、乾燥された後、1000℃に加熱されて、比表面積が5.8m2/gのBaTiO3粉末とされる。
次に、100モル部のBaTiO3粉末に対して、1.0モル部のDy、1.5モル部のMg、0.3モル部のMn、1.2モル部のBaが、それぞれ金属セッケン溶液として添加される。さらに、このBaTiO3原料は、1.5モル部のSiがアルコキシドとして添加され、トルエンおよびエチルアルコールの混合分散媒が加えられて、ZrO2ボールを用いたミルによって湿式混合され、スラリー化される。
次に、BaTiO3スラリーは、混合分散媒が除去された後、500℃の熱処理により有機分が除去され、整粒されて内層用セラミック原料粉末とされる。この内層用セラミック原料粉末に、ポリブチラール系バインダと可塑剤が添加された後、トルエンおよびエチルアルコールの混合分散媒が加えられて、ZrO2ボールを用いたミルによって湿式混合され、スラリー化される。次に、このBaTiO3スラリーは、グラビアコーターによってシート状に成形され、厚みが1.0μmの内層用グリーンシートとされる。この内層用グリーンシートは、焼成後、0.85μmの厚さの内層用セラミック層11となる。
(TiO2グリーンシートの作製)
純度が99.9%で、比表面積が6.6m2/gのTiO2粉末に、ポリブチラール系バインダと可塑剤が添加された後、トルエンおよびエチルアルコールの混合分散媒が加えられて、ZrO2ボールを用いたミルによって湿式混合され、スラリー化される。次に、このTiO2スラリーは、グラビアコーターによってシート状に成形され、TiO2グリーンシートとされる。
(積層セラミックコンデンサの作製)
内層用グリーンシート上に、導電性ペースト(例えば、Niペースト)がスクリーン印刷され、内部電極12,13となる導電性ペースト膜(導体パターン)が形成される。導電性ペースト膜が形成された内層用グリーンシートは、導電性ペースト膜の端部の引き出し方向が互い違いになるように400枚積層される。
次に、外層用グリーンシート層が、積層された内層用グリーンシートを挟むように上下に積層される。すなわち、内層用グリーンシートと同じ材料からなり、かつ、導電性ペースト膜が形成されていない外層用グリーンシートが、48μmの厚みになるように積層される。さらに、その積層された外層用グリーンシート層の外側に、TiO2グリーンシートが、7μmの厚みになるように積層される。こうして、積層セラミックコンデンサ1の本体となるべき未焼成のセラミック本体10が形成される。
この未焼成のセラミック本体10は、所定の製品サイズに切り分けられる。切り分けられた未焼成のセラミック本体10は、N2雰囲気中において、270℃の温度で加熱処理され、バインダが燃焼除去される。その後、未焼成のセラミック本体10は、N2−H2−H2Oガスからなる還元性雰囲気中において、800℃以上の昇温速度が30℃/分に設定されて、1250℃の温度まで昇温される。未焼成のセラミック本体10は、1250℃の温度で15分間保持されて焼成され、焼結したセラミック本体10とされる。
内層用および外層用グリーンシートとTiO2グリーンシートと導電性ペースト膜とは同時焼成され、内層用グリーンシートは内層用セラミック層11となり、TiO2グリーンシートはTiO2セラミック層16a,16bとなり、外層用グリーンシートは複酸化物セラミック層17a,17bとなり、導電性ペースト膜は内部電極12,13となる。焼結したセラミック本体10は、長さが1.2mm、幅が0.7mm、高さが0.7mmのサイズであり、横断面形状が正方形の角柱形状である。
次に、焼結したセラミック本体10の両端面10e,10fに、それぞれCuペーストが塗布される。その後、焼結したセラミック本体10は、N2雰囲気中において、800℃の温度でCuペーストが焼き付けられ、内部電極12,13に電気的に接続された外部電極20,22が形成される。さらに、外部電極20,22の表層に、湿式めっきによってNi-Snめっきが形成される。
(実験例)
1.実施例および比較例
実施例および比較例の各積層セラミックコンデンサ1が、以下で説明する箇所以外は、前記実施の形態の製造方法によって作製され、特性評価が行われた。
(実施例1)
実施例1は、上下に配設された外層用セラミック層15a,15bの全ての層が、TiO2セラミック層16a,16bとなるようにした。TiO2セラミック層16a,16bの厚み(つまり、外層用セラミック層15a,15bの厚み)は、未焼成の時点でそれぞれ55μmである。
(実施例2)
実施例2は、上下に配設された外層用セラミック層15a,15bが、それぞれ、最外層を含む一部の層がTiO2セラミック層16a,16b、残りの層が複酸化物セラミック層17a,17bとなるようにした。TiO2セラミック層16a,16bの厚みは、未焼成の時点でそれぞれ7μmであり、複酸化物セラミック層17a,17bの厚みは、未焼成の時点でそれぞれ48μmである。従って、外層用セラミック層15a,15bの厚みは、未焼成の時点でそれぞれ55μmである。
(実施例3)
実施例3は、上に配設された外層用セラミック層15aの全ての層が、複酸化物セラミック層17aとなるようにした。複酸化物セラミック層17aの厚み(つまり、外層用セラミック層15aの厚み)は、未焼成の時点で55μmである。一方、下に配設された外層用セラミック層15bは、最外層を含む一部の層がTiO2セラミック層16b、残りの層が複酸化物セラミック層17bとなるようにした。TiO2セラミック層16bの厚みは、未焼成の時点で48μmであり、複酸化物セラミック層17bの厚みは、未焼成の時点で7μmである。従って、外層用セラミック層15bの厚みは、未焼成の時点で55μmである。
(実施例4)
実施例4は、実施例1と同様に、上下に配設された外層用セラミック層15a,15bの全ての層が、TiO2セラミック層16a,16bとなるようにした。さらに、TiO2セラミック層16a,16bを形成するTiO2グリーンシートの材料には、不純物を総量として1wt%含有し、この不純物のうちの0.4wt%がNb25であり、純度が99%で、比表面積が3.1m2/gのTiO2粉末を用いた。
(実施例5)
実施例5は、実施例1と同様に、上下に配設された外層用セラミック層15a,15bの全ての層が、TiO2セラミック層16a,16bとなるようにした。さらに、TiO2セラミック層16a,16bを形成するTiO2グリーンシートの材料には、純度が99.9%で、比表面積が6.6m2/gのTiO2粉末に、100モル部のTiに対して、1.5モル部のSiがSiO2粉末として添加された材料を用いた。
(実施例6)
実施例6は、実施例1と同様に、上下に配設された外層用セラミック層15a,15bの全ての層が、TiO2セラミック層16a,16bとなるようにした。さらに、TiO2セラミック層16a,16bを形成するTiO2グリーンシートの材料には、純度が99.9%で、比表面積が6.6m2/gのTiO2粉末に、100モル部のTiに対して、0.35モル部のMnがMnCO3粉末として添加された材料を用いた。
(比較例1)
比較例1は、従来の積層セラミックコンデンサと同様に、上下に配設された外層用セラミック層15a,15bの全ての層が、複酸化物セラミック層17a,17bとなるようにした。
2.実施例および比較例における特性評価
実施例および比較例の各積層セラミックコンデンサ1に対して、以下の特性評価が行なわれた。
(アジピン酸溶液への溶出量の測定)
積層セラミックコンデンサ1が、それぞれ50個ずつ、0.2mol/Lアジピン酸溶液が3mL入っているサンプル瓶に浸漬された。サンプル瓶は密封され、85℃の温度で120時間静置された。冷却後、積層セラミックコンデンサ1が取り出されると共に、アジピン酸溶液が5mLになるまで純水で積層セラミックコンデンサ1が洗水された。次に、アジピン酸溶液に含まれる成分が、ICP発光分光法によって定量化され、検出された酸素以外の溶出元素の合計量がμmol単位で求められた。
(主面の色彩と側面の色彩の識別)
積層セラミックコンデンサ1の主面10a,10bの色彩と側面10c,10dの色彩とを目視で観察した。
(はんだ実装後の構造欠陥の発生)
アジピン酸溶液へ浸漬した積層セラミックコンデンサ1が、それぞれ40個ずつ、アジピン酸を主成分とする水溶性フラックスを用いて、印刷回路板にはんだ実装された。
20個の積層セラミックコンデンサ1は、はんだ実装の直後に、長さ方向の垂直断面(LT断面)が研磨して露出され、光学顕微鏡によってクラック等の構造欠陥の発生の有無が観察された。残りの20個の積層セラミックコンデンサ1は、はんだ実装してから常温で24時間静置した後、同様にLT断面が研磨して露出され、光学顕微鏡によってクラック等の構造欠陥の発生の有無が観察された。
3.実施例および比較例における特性評価結果
表1は実施例および比較例の特性評価の結果を示す。
Figure 0005924543
表1から、積層セラミックコンデンサ1の主面10a,10bがTiO2を主成分とするTiO2セラミック層16a,16bからなることで、アジピン酸(有機酸)への溶出量が抑制されていることが認められる。複酸化物セラミック層17a,17bに含まれているBaが、主面10a,10bから溶出されなくなったからである。その結果、はんだ実装後の構造欠陥の発生も、低減していることが認められる。
また、実施例1〜実施例5の場合は、積層セラミックコンデンサ1の主面10a,10bの色彩と側面10c,10dの色彩との識別も可能であることが認められる。主面10a,10b(TiO2セラミック層16a,16b)の色彩は、側面10c,10d(主として複酸化物セラミック層17a,17b)の色彩と比較して、明らかに色調が異なり、容易に識別可能である。
また、実施例3より、TiO2セラミック層16aが上の外層用セラミック層15aには配設されないで、TiO2セラミック層16bが下の外層用セラミック層15bにのみに配設されている場合であっても、本発明の効果を奏することが認められる。
また、実施例4より、TiO2セラミック層16a,16bを形成するTiO2グリーンシートの材料として、純度が低くて安価なTiO2粉末を用いた場合であっても、本発明の効果を奏することが認められる。
また、実施例5および実施例6より、TiO2セラミック層16a,16bを形成するTiO2グリーンシートの材料として、TiO2の他に微量の添加物が添加されている材料を用いてもよいことが認められる。
なお、この発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変形される。また、積層セラミックコンデンサのセラミック層の厚み、層数、対向電極面積および外形寸法は、これに限定されるものではない。
1 積層セラミックコンデンサ
10 セラミック本体
10a,10b 主面
10c,10d 側面
10e,10f 端面
11 内層用セラミック層
12,13 内部電極
15a,15b 外層用セラミック層
16a,16b TiO2セラミック層
17a,17b 複酸化物セラミック層
20,22 外部電極

Claims (3)

  1. 互いに対向する2つの主面と、互いに対向する2つの側面と、互いに対向する2つの端面と、を有するセラミック本体と、
    前記セラミック本体の2つの前記端面にそれぞれ形成された外部電極と、を備え、
    前記セラミック本体は、複数の内層用セラミック層と、前記複数の内層用セラミック層同士の界面に配設された複数の内部電極と、前記複数の内層用セラミック層を挟むように上下に配設された複数の外層用セラミック層とを有する積層体であり、
    前記内層用セラミック層が、アルカリ土類金属を有する複酸化物を含有し、
    上下に配設された前記外層用セラミック層のうちの少なくとも1つの外層用セラミック層は、最外層を含む少なくとも一部の層がTiO2を主成分とするセラミックからなり、かつ前記内層用セラミック層を構成する元素が拡散されていること、
    を特徴とする、積層セラミックコンデンサ。
  2. 前記複酸化物がペロブスカイト型化合物であること、を特徴とする、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
  3. 前記主面の色彩と前記側面の色彩とが異なること、を特徴とする、請求項1または請求項2に記載の積層セラミックコンデンサ。
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