JP5921224B2 - 車両用サイドメンバー構造並びにその製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、車体の前後方向に延在して車幅方向両側部に沿ってそれぞれ配設されると共に、ストラットハウジングが装着される車両用サイドメンバー構造並びにその製造方法に関する。
従来の車両用サイドメンバー構造としては、例えば、車体の前後方向に延在して車幅方向両側部に沿ってそれぞれ配設されるフロントサイドメンバー構造が知られている。
かかるフロントサイドメンバー構造は、例えば、図18に示すように、大略、アウターパネルa及びインナーパネルbの二部品から構成されており、図14に示すように、前端部を構成する大断面部Xと大断面部Xに連続して下方に傾斜した後車体後方に延在する小断面部Yとを有して構成している。
大断面部Xは、図15、図16に示すように、アウターパネルaの上下先端部における一対のフランジ部a-1、a-2及びインナーパネルbの上下先端部における一対のフランジ部b-1、b-2同士を互いに向かい合わせた状態で溶接等により接合することにより上下一対の接合フランジ部jを形成することで、略矩形状の閉断面部cとなすサイドメンバー本体部dを有して構成しおり、且つ、アウターパネルaの上側フランジ部a-1及びインナーパネルbの上側フランジ部b-1とが構成する接合フランジ部において、ストラットハウジングeが装着されるようにして構成している。
そして、小断面部Yは、エクステンションメンバーとも呼ばれており、図17に示すように、アウターパネルaの下側フランジ部a-2が車体後部側に折曲延在されると共に、インナーパネルbの下側フランジ部b-2が直状に形成されて、両下側フランジ部a-2、b-2同士を接合することによって、サイドメンバー本体部dの大断面部Xと一体となって車体後方に延在にするように構成されている。
さらに、図16に明確に示すように、ストラットハウジングeには、車両の前輪サスペンションを構成するストラットfが収容装着されており、且つ、サイドメンバー本体部dの下方は、車幅方向に延在配設されたドライブシャフトgが配設され、ドライブシャフトgを介して前輪タイヤhが駆動ユニットiの駆動力の伝達により回転されるように構成されている。
このように構成する従来のフロントサイドメンバー構造は、大断面部Xにおいて、前輪タイヤhからの重力を支えるストラットfからの入力をストラットハウジングeを介して受ける構造になっている。かかることから、アウターパネルaの上側フランジ部a-1とインナーパネルbの上側フランジ部b-1との接合フランジ部にストラットハウジングeを装着して、特に稜線部が無い(あるいは稜線部が比較的少ない)アウターパネルaにストラットfからの入力を受けられるようにして、稜線部における弾性変形を極力小さくして剛性を高めようにしている(特許文献1及び特許文献2を参照)。
特開2003−200852号公報 特開2007‐131143号公報
かかる従来のフロントサイドメンバー構造は、ストラットfからの入力剛性を高めるためには、アウターパネルaにおける稜線部が無い部分の面積を大きくする必要があり、かかることから、大断面部Xにおけるサイドメンバー本体部dにおける閉断面部cができる限り大きくとれるように設定する必要がある。
しかしながら、従来のフロントサイドメンバー構造におけるサイドメンバー本体部dは、いわば、上部におけるストラットハウジングe及び下部に存するドライブシャフトgに挟まれた状態となっている。しかも、サイドメンバー本体部dは、アウターパネルaとインナーパネルbとからなる二部品構成となっており、結果的に、閉断面部を構成するには、アウターパネルaおよびインナーパネルb共に、上下にそれぞれフランジ部a-1、a-2、b-1、b−2を設ける必要があることになる。このことから、かかるフランジ部a-1、a-2、b-1、b−2の存在により、ストラットハウジングe及びドライブシャフトgとに挟まれているサイドメンバー本体部dは、閉断面部cを拡大しようとしても、自ずから限界が出てきてしまい、勢い、アウターパネルa或いはインナーパネルbの板厚を上げる対策、或いは板厚の厚いレインフォースメント等の別部品を用いて補充する等の対策が必要となって、車両の軽量化要請に対して悖ることになってしまう。
そこで、この発明は、重量アップを極力抑えながら閉断面部の面積拡大をして剛性アップを意図した車両用サイドメンバー構造並びにその製造方法を提供することを目的としている。
この発明に係る車両用サイドメンバー構造は、車体の前後方向に延在して車幅方向両側部に沿ってそれぞれ配設すると共に、ストラットハウジングが装着されるサイドメンバー本体部を有して構成する車両用サイドメンバー構造であって、サイドメンバー本体部が、単一の平板状プレート両端部同士を互いに接合形成して単一の接合フランジ部となし且つ多角形状の閉断面部を有するように構成されており、且つ、接合フランジ部にストラットハウジングを結合して装着すると共に、サイドメンバー本体部の閉断面部における車体下側横壁部の一端部側を切欠くことによって開口端部に形成し、開口端部に車体の前後方向に延在する断面略コ字状のエクステンションメンバーの両端部を接合連結することにより、開口端部を閉塞構成したことを特徴とする。
かかる構成を有するこの発明は、サイドメンバー本体部が単一の平板状プレート両端部同士を互いに接合形成して単一の接合フランジ部となし且つ多角形状の閉断面部を有するように構成されていることから、従来技術におけるアウターパネルa及びインナーパネルbにより構成する場合の一対のフランジ部a-1、a-2及びb-1、b−2の一方側を廃止することができることになって、その分、ストラットハウジング及びドライブシャフトに挟まれた状態で配設されるサイドメンバー本体部の閉断面部を拡大設定することができて剛性アップが可能となって、高張力ハイテン鋼を使用するとしても薄板素材を使用することで済むことから、車両の軽量化に寄与することができる。
加えて、かかる構成を有するこの発明は、単一の接合フランジ部によりサイドメンバー本体部の閉断面部が拡大される結果、単一の接合フランジ部にストラットハウジングを装着した際に、ストラットから伝播される入力を支持する部分をサイドメンバー本体部における例えば車体外側縦壁部(或いは車体内側縦壁部)を稜線部の無いストレート形状に形成した際に、かかる車体外側縦壁部(或いは車体内側縦壁部)の上下寸法をストラットハウジングやドライブシャフト側に延ばすことにより車体外側縦壁部(或いは車体内側縦壁部)の面積を拡大することができ、この面からも剛性アップを果たすことができることになる。
更に加えて、かかる構成を有する発明は、サイドメンバー本体部の閉断面部における車体下側横壁部の一端部側を切欠くことによって開口端部に形成して、該開口端部を別部品であるエクステンションメンバーを接合連結することにより閉塞構成したことから、サイドメンバー本体部における車体前後方向寸法の短縮化を図ることができて、サイドメンバー本体部をプレス成形する際におけるスプリングバックを極力小さくすることができ、その分、素材の高張力ハイテン化が期待できて、車体の軽量化に寄与することができる。
また、この発明に係る一の実施の形態における車両用サイドメンバー構造は、上記発明において、閉断面部が略矩形状を呈して構成としている。
かかる構成を有する一の実施の形態は、略矩形状の閉断面部を構成する車体外側縦壁部(或いは車体内側縦壁部)を稜線部の無いストレート形状に形成することができて、この面からもストラットからの入力に対して剛性アップを果たすことができることになる。
また、この発明に係る他の実施の形態における車両用サイドメンバー構造は、接合フランジ部サイドメンバー本体部の閉断面部における車体外側縦壁部の延長線上に配設されて構成している
かかる構成を有する他の実施の形態、上記発明が奏する効果に加えて、接合フランジ部がサイドメンバー本体部の閉断面部における車体外側縦壁部の延長線上に配設されていることから、車体外側縦壁部を稜線部の無いストレート形状に形成することができて、この面からもストラットからの入力に対して剛性アップを果たすことができることになる。
また、この発明に係る他の実施の形態における車両用サイドメンバー構造は、上記発明においてサイドメンバー本体部の閉断面部における車体内側縦壁部と車体上側横壁部とにおける両内壁面に沿うようにレインフォースメントを添設接合して構成している。
かかる構成を有する他の実施の形態は、上記発明が奏する効果に加えて、レインフォースの添設接合によりサイドメンバー本体部の剛性アップに寄与するばかりでなく、もともとサイドメンバー本体部における閉断面部の面積を拡大することができていることから、車体内側縦壁部と車体上側横壁部との内壁面に沿うように接合したレインフォースメントは、それほど板厚の厚いものを使用する必要が無く、車体の重量アップを極力抑えることができる。
また、この発明における車両用サイドメンバー構造の製造方法は、車体の前後方向に延在して車幅方向両側部に沿ってそれぞれ配設すると共に、ストラットハウジングが装着される車両用サイドメンバー構造であって、単一の平板状プレートをプレス成形するとともに平板状プレートの両端部を接合することにより接合フランジ部となして略矩形状の閉断面部を有するサイドメンバー本体部を構成し、且つ、接合フランジ部にストラットハウジングを結合して装着するとともに、サイドメンバー本体部の閉断面部における車体内側縦壁部と車体上側横壁部とにおける内壁面に沿うようにレインフォースメントを添設すると共に接合して構成する車両用サイドメンバー構造の製造方法であって、一の平板状プレートの一端部をほぼ直角状に折曲することにより閉断面部を構成する車体上側横壁部を形成すると共に該車体上側横壁部の先端を外側に折曲することにより折曲端部を形成し、且つ、平板状プレートの他端部側を鈍角状に折曲することによって閉断面部を構成する車体外側縦壁部を形成する予備成形工程を経ると共に、他の平板状プレートをL字状に成形することによってレインフォースを成形するレインフォース成形工程を経て、次に、レインフォースメントを、一の平板状プレートを折曲することによって形成された閉断面部における車体上側横壁部と該車体上側横壁部および車体外側縦壁部の間に存する中間部の一部とに添設した状態で溶接等により接合して、車体上側横壁部および車体内側縦壁部にレインフォースメントが接合配設されるようになすレインフォースメント接合工程を経て、次に、車体上側横壁部および車体外側縦壁部の間に存する中間部を折曲形成することによって、閉断面部における車体内側縦壁部と車体下側横壁部とを形成すると共に、車体下側横壁部と車体外側縦壁部とが形成する稜線部を略直角に折曲することによって、車体外側縦壁部の先端部と車体上側横壁部の折曲端部とを互いに離間状態に保持している曲げ成形工程を経て、次に、閉断面部における車体内側縦壁部と車体下側横壁部とが形成する稜線部を略直角に折曲することによって、閉断面部における車体外側縦壁部の先端部と車体上側横壁部に形成した折曲端部とを互いに向かい合わせた状態で溶接等により接合して接合フランジ部を形成し、サイドメンバー本体部の閉断面部を最終的形状である略矩形状断面に形成するフランジ接合および閉断面形成工程となして、接合フランジ部にストラットハウジングを結合して装着するようになしたことを特徴としている。
かかる構成を有するこの発明は、平板状プレートをプレス成形などして閉断面部を有するサイドメンバー本体部を、予め所定形状に成形しておいたレインフォースメントを添設接合した状態において、成形していくようにしたことから、たとえレインフォースメントを設置するようにしたとしても、サイドメンバー本体部の成形工程を簡略化することができる。
この発明に係る車両用サイドメンバー構造は、単一の平板状プレートをプレス成形するとともに平板状プレートの両端部同士を互いに接合することにより単一の接合フランジ部となして閉断面部を有するサイドメンバー本体部を構成していることから、従来技術におけるアウターパネルa及びインナーパネルbにより構成する場合の一対のフランジ部a-1、a-2及びb-1、b−2の一方側を廃止することができることになって、その分、ストラットハウジング及びドライブシャフトに挟まれた状態で配設されるサイドメンバー本体部の閉断面部を拡大設定することができて剛性アップが可能となって、高張力ハイテン鋼を使用するとしても薄板素材を使用することで済むことから、車両の軽量化に寄与することができる。
加えて、かかる構成を有するこの発明に係る車両用サイドメンバー構造は、単一の接合フランジ部によりサイドメンバー本体部の閉断面部が拡大される結果、単一の接合フランジ部にストラットハウジングを装着した際に、ストラットから伝播される入力を支持する部分をサイドメンバー本体部における例えば車体外側縦壁部(或いは車体内側縦壁部)を稜線部の無いストレート形状に形成した際に、かかる車体外側縦壁部(或いは車体内側縦壁部)の上下寸法をストラットハウジングやドライブシャフト側に延ばすことにより車体外側縦壁部(或いは車体内側縦壁部)の面積を拡大することができ、この面からも剛性アップを果たすことができることになる。更に、かかる構成を有するこの発明に係る車両用サイドメンバー構造は、サイドメンバー本体部の閉断面部における車体下側横壁部の一端部側を切欠くことによって開口端部に形成して、該開口端部を別部品であるエクステンションメンバーを接合連結することにより閉塞構成したことから、サイドメンバー本体部における車体前後方向寸法の短縮化を図ることができて、サイドメンバー本体部をプレス成形する際におけるスプリングバックを極力小さくすることができ、その分、素材の高張力ハイテン化が期待できて、車体の軽量化に寄与することができる。
また、この発明に係る車両用サイドメンバー構造の製造方法は、平板状プレートをプレス成形などして閉断面部を有するサイドメンバー本体部を、予め所定形状に成形しておいたレインフォースメントを添設接合した状態において、成形していくようにしたことから、たとえレインフォースメントを設置するようにしたとしても、サイドメンバー本体部の成形工程を簡略化することができる。
この発明に係る実施例1を採用した車両のサイドメンバー構造を車両の外側から描画した側面図である。 図1におけるA−A断面図である。 図1におけるB−B断面図である。 図1におけるC−C断面図である。 図1に描画したこの発明の実施例1に係る車両のサイドメンバー構造を製造するに当たって、サイドメンバー本体部を構成する平板状プレートおよびレインフォースメントhの予備成形工程を描画した説明図である。 同じく、予備成形状態のサイドメンバー本体部にレインフォースメントを溶接により接合する工程を描画した説明図である。 同じく、予備成形状態のサイドメンバー本体を、レインフォースメントを接合した後に、サイドメンバー本体部の閉断面部における車体外側縦壁部の先端部と車体上側横壁部の接合フランジ部とを離間保持した状態になるように、閉断面部における車体内側縦壁部と車体下側横壁部とを形成するとともに、車体下側横壁部と車体外側縦壁部とが形成する稜線部をほぼ直角に折曲する工程を描画した説明図である。 同じく、閉断面部における車体内側縦壁部と車体下側横壁部とが形成する稜線部を略直角に折曲することによって、閉断面部における車体外側縦壁部の先端部である接合フランジ部と車体上側横壁部に形成した接合フランジとを互いに向かい合わせた状態で溶接により接合して、サイドメンバー本体部の閉断面部を最終的形状である略矩形状断面に形成する工程を描画した説明図である。 この発明に係るこの発明の実施例2に係る車両のサイドメンバー構造を構成するサイドメンバー本体部の図2と同様の断面図である。 この発明に係るこの発明の実施例3に係る車両のサイドメンバー構造を構成するサイドメンバー本体部の図2と同様の断面図である。 この発明に係るこの発明の実施例4に係る車両のサイドメンバー構造を構成するサイドメンバー本体部の図2と同様の断面図である。 この発明に係るこの発明の実施例5に係る車両のサイドメンバー構造を構成するサイドメンバー本体部の図2と同様の断面図である。 この発明に係る実施例7を採用した車両のサイドメンバー構造を車両の外側から描画した側面図である。 従来に係る車両のサイドメンバー構造を車両の外側から描画した側面図である。 図14のD−D断面図である。 図14のE−E断面図である。 図14のF−F断面図である。 従来に係る車両のサイドメンバー構造の分解斜視図である。
この発明に係る実施例における車両のサイドメンバー構造は、重量アップを極力抑えながら閉断面部の面積拡大をして剛性アップを意図して構成している。
次に、図を用いて、この発明を車両としての自動車に採用した実施例に係るフロントサイドメンバー構造に適用した場合について説明する。 先ず、図1〜図4を用いて、この発明に係る実施例1を採用したフロントサイドメンバー構造について説明する。なお、図中、矢印Uは、自動車の上方向、矢印Kは、自動車の下方向、矢印Mは、自動車の前方向、矢印Gは、自動車の後方向を、それぞれ示している。
図1に示すように、この発明の実施例1に係るフロントサイドメンバー構造は、ストラットを支持すべくストラットハウジング1が装着されるサイドメンバー本体部2とサイドメンバー本体部2に連結される別体構成のエクステンションメンバー3と、やはり別体構成でサイドメンバー本体部2の内壁面に添設接合されるレインフォースメント4とを有して構成している。
サイドメンバー本体部2は、単一の平板状プレートをプレス成形するとともに平板状プレートの両端部同士を接合することにより接合フランジ部5となして、矩形状の閉断面部6を有して構成してる。
従って、サイドメンバー本体部2は、閉断面部6が矩形状を呈していることから、図2に示すように、車体外側縦壁部61、車体上側横壁部62、車体内側縦壁部63および車体下側横壁部64が順次一体形成されて構成している。
サイドメンバー本体部2は、単一の平板状プレートをプレス成形するとともに平板状プレートの両端部同士を接合することにより接合フランジ部5となして、矩形状の閉断面部6を有して構成してる。
さらに、サイドメンバー本体部2における閉断面部6における車体前後方向中間部から後端部側に向かう車体上側横壁部62および車体内側縦壁部63の内壁面に、L字状を呈するレインフォースメント4が添設接合されていて、レインフォースメント4は、ストラットハウジング7に対向するように配設されることによって、ストラットからの入力Fに対するサイドメンバー本体部2の剛性を強化している。
サイドメンバー本体部2の閉断面部6における車体下側横壁部64は、図4に示すように、車体一端部側である後端部が切欠かれており、結果的に、サイドメンバー本体部2の車体外側縦壁部61及び車体内側縦壁部63が車体後方端側において開口端部を形成していることになる。開口端部は、車体の前後方向に延在する別体構成である断面略コ字状のエクステンションメンバー3の上向きとなった開口端部3a、3aがそれぞれ接合されている。この結果、サイドメンバー本体部2の車体後方端側において開口端部は、エクステンションメンバー3により閉塞されて、閉断面構成となっている。
さらに、エクステンションメンバー3は、車体後方側に向かって、下向きに傾斜した後小断面部に形成されて、車体後方側には、ダッシュパネル8が添設されている。ダッシュパネル8は、上端部側がサイドメンバー本体部2の車体後端部にまで延在設置されている。
次に、上記のように構成するフロントサイドメンバー構造の製造方法について、図5から図8を用いて説明する。
先ず、図5に示すように、平板状プレート10の一端部をほぼ直角状に折曲することにより閉断面部6を構成する車体上側横壁部62を形成すると共に、車体上側横壁部62の先端を外側に接合フランジ部5の一方側を構成する折曲端部62aを形成し、且つ、前記平板状プレート10の他端部側を鈍角状に折曲することによって前記閉断面部6を構成する車体外側縦壁部61を形成する。
次に、図6に示すように、平板状プレート10とは別部品構成にした平板状プレート11をL字状に成形することによって形成したレインフォースメント4を、平板状プレート10を折曲することによって形成された閉断面部6における車体上側横壁部62と車体上側横壁部62および車体外側縦壁部61の間に存する中間部65の一部とに添設した状態で溶接或いは接着等により接合する。この結果、後述する工程において、レインフォースメント4は、車体上側横壁部62及び車体内側縦壁部63の内壁面に接合構成されることになる。
次に、図7に示すように、車体上側横壁部62および車体外側縦壁部61の間に存する中間部65を鈍角状に折曲形成することによって、閉断面部6における車体内側縦壁部63と車体下側横壁部64とを形成すると共に、車体下側横壁部64と車体外側縦壁部61とが形成する稜線部66を略直角に折曲する。このとき、車体外側縦壁部61の先端に存する直状の端部61aと車体上側横壁部62の折曲端部62aとを互いに離間状態に保持されて、一点鎖線示する金型12を上部側に引き抜けるようにしている。
さらに、次に、図8に示すように、閉断面部6における車体内側縦壁部63と車体下側横壁部64とが形成する稜線部66を略直角に折曲することによって、閉断面部6における車体外側縦壁部61の直状の端部61aと車体上側横壁部62に形成した折曲端部62aとを互いに向かい合わせた状態で溶接等により接合して接合フランジ部5を形成して、サイドメンバー本体部2の閉断面部6を最終的形状である略矩形状断面に形成する。
次に、図3に示すように、車体外側縦壁部61の先端部である直状の端部61aと車体上側横壁部62に形成した折曲端部62aとを接合することにより形成した接合フランジ部5にストラットハウジング1の車体後方側壁を結合し、ストラットハウジング1をサイドメンバー本体部2にて装着することになる。
以上説明したように構成するこの発明の第1の実施例においては、単一の平板状プレート10をプレス成形するとともに平板状プレート10の両端部同士を互いに接合することにより単一の接合フランジ部5となして閉断面部6を有するサイドメンバー本体部2を構成していることから、従来技術におけるアウターパネルa及びインナーパネルbにより構成する場合の一対のフランジ部a-1、a-2及びb-1、b−2の一方側を廃止することができることになって、その分、ストラットハウジング1及びドライブシャフトに挟まれた状態で配設されるサイドメンバー本体部2の閉断面部を拡大設定することができて剛性アップが可能となって、高張力ハイテン鋼を使用するとしても薄板素材を使用することで済むことから、車両の軽量化に寄与することができる。
加えて、かかる構成を有するこの発明に係る第1の実施例は、単一の接合フランジ部5によりサイドメンバー本体部2の閉断面部6が拡大設定できる結果、単一の接合フランジ部5にストラットハウジング1を装着した際に、ストラットから伝播される入力Fを支持する部分をサイドメンバー本体部2における例えば車体外側縦壁部61を稜線部の無いストレート形状に形成した際に、かかる車体外側縦壁部61の上下寸法をストラットハウジング1やドライブシャフト1a側に延ばすことにより車体外側縦壁部61の面積を拡大することができ、この面からも剛性アップを果たすことができることになる。
また、第1の実施例は、略矩形状の閉断面部6を構成する車体外側縦壁部61を稜線部の無いストレート形状に形成することができて、この面からもストラットからの入力Fに対して剛性アップを果たすことができることになる。
また、第1の実施例は、接合フランジ部5がサイドメンバー本体部2の閉断面部6における車体外側縦壁部61の延長線上に配設されていることから、車体外側縦壁部61を稜線部の無いストレート形状に形成することができて、この面からもストラットからの入力Fに対して剛性アップを果たすことができることになる。
また、第1の実施例において、レインフォースメント4の添設接合によりサイドメンバー本体部2の剛性アップに寄与するばかりでなく、もともとサイドメンバー本体部2における閉断面部6の面積を拡大することができていることから、車体内側縦壁部63と車体上側横壁部62との内壁面に沿うように接合したレインフォースメント4は、それほど板厚の厚いものを使用する必要が無く、車体の重量アップを極力抑えることができる。
さらにまた、第1の実施例は、サイドメンバー本体部2の閉断面部6における車体下側横壁部64の車体後方端部側を切欠くことによって開口端部に形成して、開口端部を別部品であるエクステンションメンバー3を接合連結することにより閉塞構成したことから、サイドメンバー本体部2における車体前後方向寸法の短縮化を図ることができて、サイドメンバー本体部2をプレス成形する際におけるスプリングバックを極力小さくすることができ、その分、素材の高張力ハイテン化が期待できて、車体の軽量化に寄与することができる。
また、この発明における製造方法は、平板状プレート10をプレス成形などして閉断面部6を有するサイドメンバー本体部2を、予め所定形状に成形しておいたレインフォースメント4を添設接合した状態において、成形していくようにしたことから、たとえレインフォースメント4を設置したとしても、サイドメンバー本体部2の成形工程を簡略化することができる。
なお、上記この発明に係る第1の実施例においては、接合フランジ部5が、閉断面部6における車体外側縦壁部61の直状の端部61aと車体上側横壁部62の折曲端部62aとを接合するように構成しているが、これに限定されるものではなく、例えば、車体外側縦壁部61に代えて、車体内側縦壁部63の端部を直状の端部とし、且つ、車体上側横壁部62の車体後方側に折曲端部を形成して、かかる折曲端部および直状の端部同士を接合することにより、構成するようにしてもよい。
図9〜図12は、この発明に係る第2実施例〜第5実施例を示している。かかる第2実施例〜第5実施例は、接合フランジ部5の設置部位を例えばストラットハウジング1の形状の態様に合わせて変更したものである。すなわち、図9に示す第2の実施例においては、閉断面部6の車体上側横壁部62の先端を直状の端部62bとなすとともに、車体外側縦壁部61の先端を折曲端部6bとなして、直状の端部62bと折曲端部61bとを接合することにより、接合フランジ部5を構成したものである。
図10に示す第3の実施例においては、閉断面部6の車体上側横壁部62の先端を車体外側縦壁部61側に僅か延長するとともに、これに関連して、車体外側縦壁部61の全長を僅か短く形成して、互いの先端部を折曲端部62c、61cとなして、これら折曲端部62c、61c同士を接合することにより、接合フランジ部5を構成したものである。
図11に示す第4の実施例においては、閉断面部6の車体外側縦壁部61の下部先端を折曲することにより折曲端部61dに形成し、且つ、車体下側横壁部64の車体外側に位置する先端を直状の端部64dとなして、折曲端部61dと直状の端部64dとを接合することにより、接合フランジ部5を構成したものである。
図12に示す第5の実施例においては、閉断面部6の形状を七角からなる多角形状に構成するとともに、車体外側縦壁部61の先端61eおよび車体上側縦壁部62の先端62eを共に車体上方に僅か延在させた上で、両先端61e、62e同士を接合することにより、接合フランジ部5を構成したものである。
さらに、図13は、この発明に係る車両用サイドメンバー構造を比較的小型の自動車に適用すべくなしたものであり、このことから、図13に示すこの発明の第6実施例に係るエクステンションメンバー3は、実施例1における車体後方向側に向かって傾斜した後小断面部に形成された部分より後方を切断した状態で構成したものである。
以上説明したこの発明は、重量アップを極力抑えながら閉断面部の面積拡大をして剛性アップを図ることができることから、車体の前後方向に延在して車幅方向両側部に沿ってそれぞれ配設されると共に、ストラットハウジングが装着される車両用サイドメンバー構造並びにその製造方法等に好適であるといえる。
1 ストラットハウジング
2 サイドメンバー本体
3 エクステンションメンバー
4 レインフォースメント
5 接合フランジ部
5a 折曲端部
5b 直状の端部
6 閉断面部
61 車体外側縦壁部
61a 直状の端部
62 車体上側横壁部
62a 折曲端部
63 車体内側縦壁部
64 車体下側横壁部
7 ストラットハウジング
10 一の平板状プレート
11 他の平板状プレート

Claims (5)

  1. 車体の前後方向に延在して車幅方向両側部に沿ってそれぞれ配設すると共に、ストラットハウジングが装着されるサイドメンバー本体部を有して構成する車両用サイドメンバー構造であって、前記サイドメンバー本体部が、単一の平板状プレート両端部同士を互いに接合形成して単一の接合フランジ部となし且つ多角形状の閉断面部を有するように構成されており、且つ、前記接合フランジ部に前記ストラットハウジングを結合して装着すると共に、前記サイドメンバー本体部の前記閉断面部における車体下側横壁部の一端部側を切欠くことによって開口端部に形成し、該開口端部に車体の前後方向に延在する断面略コ字状のエクステンションメンバーの両端部を接合連結することにより、前記開口端部を閉塞構成したことを特徴とする車両用サイドメンバー構造。
  2. 前記閉断面部は、略矩形状を呈していることを特徴とする請求項1に記載の車両用サイドメンバー構造。
  3. 前記接合フランジ部は、前記サイドメンバー本体部の前記閉断面部における車体外側縦壁部の延長線上に配設されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用サイドメンバー構造。
  4. 前記サイドメンバー本体部の前記閉断面部における車体内側縦壁部と車体上側横壁部とにおける両内壁面に沿うようにレインフォースメントを添設して合したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載の車両用サイドメンバー構造。
  5. 車体の前後方向に延在して車幅方向両側部に沿ってそれぞれ配設すると共に、ストラットハウジングが装着される車両用サイドメンバー構造であって、単一の平板状プレートをプレス成形するとともに当該平板状プレートの両端部を接合することにより接合フランジ部となして略矩形状の閉断面部を有するサイドメンバー本体部を構成し、且つ、接合フランジ部にストラットハウジングを結合して装着するとともに、サイドメンバー本体部の閉断面部における車体内側縦壁部と車体上側横壁部とにおける内壁面に沿うようにレインフォースメントを添設すると共に接合して構成する車両用サイドメンバー構造の製造方法であって、
    一の単一構成である平板状プレートの一端部をほぼ直角状に折曲することにより前記閉断面部を構成する車体上側横壁部を形成すると共に該車体上側横壁部の先端を外側に折曲することにより折曲端部を形成し、且つ、前記一の平板状プレートの他端部側を鈍角状に折曲することによって閉断面部を構成する車体外側縦壁部を形成する予備成形工程を経ると共に、他の平板状プレートをL字状に成形することによってレインフォースを成形するレインフォース成形工程を経て、
    次に、前記レインフォースメントを、前記一の平板状プレートを折曲することによって形成された前記閉断面部における前記車体上側横壁部と該車体上側横壁部および車体外側縦壁部の間に存する中間部の一部とに添設した状態で溶接等により接合して、前記車体上側横壁部および前記車体内側縦壁部に前記レインフォースメントが接合配設されるようになすレインフォースメント接合工程を経て、
    次に、前記車体上側横壁部および前記車体外側縦壁部の間に存する前記中間部を折曲形成することによって、前記閉断面部における車体内側縦壁部と車体下側横壁部とを形成すると共に、前記車体下側横壁部と前記車体外側縦壁部とが形成する稜線部を略直角に折曲することによって、前記車体外側縦壁部の先端部と前記車体上側横壁部の折曲端部とを互いに離間状態に保持している曲げ成形工程を経て、
    次に、前記閉断面部における前記車体内側縦壁部と前記車体下側横壁部とが形成する稜線部を略直角に折曲することによって、前記閉断面部における前記車体外側縦壁部の前記先端部と前記車体上側横壁部に形成した前記折曲端部とを互いに向かい合わせた状態で溶接等により接合して前記接合フランジ部を形成し、前記サイドメンバー本体部の閉断面部を最終的形状である略矩形状断面に形成するフランジ接合および閉断面形成工程となして、前記接合フランジ部に前記ストラットハウジングを結合して装着するようになしたことを特徴とする両用サイドメンバー構造の製造方法。
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