JP5920621B2 - 3ピース缶ラミネート用ポリエステルフィルム - Google Patents

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本発明は清涼飲料、ビール、缶詰等の金属容器の腐蝕防止等の目的で使用されるポリエステル系フィルム、該フィルムラミネート金属板を成形してなる金属容器に関するものであり、特に3ピース缶用に好適に用いられるポリエステルフィルムに関するものである。
さらに詳細には、金属板との密着性、金属板の移送性、製缶性(例えば、曲げ加工・接合・接合部補修・フランジング・上蓋取り付け・内容物充填・底蓋取り付け・レトルト殺菌)に優れたポリエステルフィルム、前記フィルムを金属板にラミネートしたフィルムラミネート金属板、及び前記フィルムラミネート金属板を成形してなる金属容器に関するものである。
従来、金属缶の缶内面及び缶外面は腐蝕防止を目的として、エポキシ系,フェノール系等の各種熱硬化性樹脂を溶剤に溶解又は分散させたものを塗布し、金属表面を被覆することが広く行われてきた。しかしながら、この熱硬化性樹脂を被覆する方法は塗料の乾燥に要する時間が長いため生産性が悪く、また多量の有機溶剤を使用するために人体や環境への悪影響など好ましくない問題点があった。
このような問題を解決するため、ポリエチレンテレフタレート−ポリテトラメチレングリコールエーテルブロック共重合体とポリエチレンテレフタレート樹脂を混合し、架橋PMMA粒子を添加したポリエステルフィルムが知られている。(例えば、特許文献1参照)。
このフィルムを使用することにより、この耐スクラッチ性の改良され、しかもポリエステル系フィルムの表面に、潤滑性や耐スクラッチ性に優れた有機被膜をコーティング法により形成させるコーティング被膜法の場合で見られたように、その溶剤のごく一部が有機被膜層に残存するため、このフィルムを用いて製造された金属容器に食料品を充填した場合、当該有機溶剤が食料品の味や臭いに悪影響を及ぼすという問題がない。また、有機被膜層から低分子量物質が溶出し、残存有機溶剤と同様の悪影響を及ぼすという問題もない。
しかしながら、フィルムは製缶工程中に粒子の脱落が見られ、製缶後の被膜特性に悪影響を及ぼしたり、生産効率を低下させるという懸念があった。
また、エチレンテレフタレート成分およびエチレンイソフタレート成分からなる共重合ポリエステルを主体とする、融点220〜250℃のポリエステル組成物からなり、密度が1.385g/cm未満、面配向係数が0.130未満である二軸配向ポリエステルフィルムであり、該ポリエステル組成物が、炭素数が2個以上のアルキレンオキサイド単位の繰り返しが3以上であるポリオキシアルキレングリコール成分を、該ポリオキシアルキレングリコール成分に由来する炭素数が2個以上のアルキレンオキサイド単位として、該ポリエステル組成物の全酸成分に対して2〜20モル%含有し、さらに、不活性粒子を0.05〜1.0重量%、ワックスを0.01〜0.15重量%、酸化防止剤を0.01〜1.0重量%含有するポリエステル組成物からなる金属板貼合せ用積層ポリエステルフィルムが知られている(例えば、特許文献2参照。)
しかし、このフィルムは3ピース缶ラミネートフィルムとしては、耐熱性が十分ではなく、しかも耐スクラッチ性も十分ではなく、更に内容物の風味が損なわれるという問題がある。
この理由として、このフィルムは加工変形率の大きい絞りしごき缶に適用するために金属板の成形に追随して成形されるという良好な成形性を有し、金属板に対する密着性が優れているという要求に合わせて設計しているためであり、また缶の接合部の補修工程もないことがあげられる。更に共重合ポリエステルを用いることで、フィルムの結晶化が進まず、内容物の成分を吸着してしまうという欠点がある。
さらなる理由として、フィルムラミネート金属板を2ピース缶に適用するために、ラミネート後、ポリエステルフィルムの配向を除去するためにフィルムを構成するポリエステルの融点以上で加熱した後、急冷するというリメルト処理が行われていることもある。
特許3248450号公報 特開2006−199017号公報
本発明は前記従来技術の問題点を解消することを目的とするものである。即ち、金属板との密着性および成形加工性に優れたポリエステル積層フィルム、フィルムラミネート金属板、および金属容器を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、ポリエチレンテレフタレートを主体とし、球状のPMMA粒子、炭素数が2個以上のアルキレンオキサイド単位の繰り返しが3以上であるポリオキシアルキレングリコール成分を特定量含有するポリエステルフィルムの密度を制御することにより、3ピース缶の製缶工程に適し、かつ製缶工程中に粒子の脱落が見られず、製缶後の被膜特性に悪影響を及ぼしたり、生産効率を低下させることにない、更に内容物の風味を損なわないラミネート用フィルムを得られることを見出し、本発明に到達した。
本発明は以下の通りである。
1.本発明の3ピース缶ラミネート用ポリエステルフィルムは、ポリエステル組成物からなる3ピース缶ラミネート用ポリエステルフィルムであって、前記ポリエステル組成物がポリエチレンテレフタレートを主体とし、かつ炭素数が2個以上のアルキレンオキサイド単位の繰り返しが3以上であるポリオキシアルキレングリコール成分を、該ポリオキシアルキレングリコール成分に由来する炭素数が2個以上のアルキレンオキサイド単位として、ポリエステル組成物中のポリエステル成分の全酸成分に対して2〜20モル%含有するとともに、前記ポリエステル組成物総量に対して、球状のPMMA粒子を0.75〜1.2重量%含有し、かつ前記フィルムの密度が1.37g/cm 以上であり、面配向係数が0.161〜0.167であることを特徴とするものである。
2.この場合において、前記フィルムの引張伸度が144〜200であることが好適でる。
3.この場合において、前記ポリエステルフィルムをラミネートしてなることを特徴とする金属板が好適である。
4.また、この場合において、ミネート金属板を成形してなることを特徴とする金属容器が好適である。
本発明により、金属板との密着性に優れ、ラミネート金属板の移送時に傷つきがなく、製缶性(例えば、曲げ加工・接合・接合部補修・フランジング・上蓋取り付け・内容物充填・底蓋取り付け・レトルト殺菌)や製缶工程時の粒子脱落が少ない3ピース缶用ポリエステルフィルムが得られ、かつ前記フィルムをラミネートして得た金属板を成形して得た3ピース缶の外観も良好となり、内容物の風味を損なわず、溶接部の補修にも適した極めて有用なポリエステルフィルム、及びフィルムラミネート金属板、及びフィルムラミネート金属板を成形して得る金属容器を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるポリエチレンテレフタレートとは、酸成分としてテレフタル酸を主たる構成成分とするポリエステルである。
また、その目的を阻害しない範囲で他の共重合成分を含むことができる。
使用できる他の共重合成分のうち、ジカルボン酸成分としては、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸,コハク酸,アジピン酸,セバシン酸,デカンジカルボン酸,マレイン酸,フマル酸,ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸が使用できる。
使用できる上記のジカルボン酸およびそれらのエステル誘導体の量は7モル%以下が好ましく、さらには5モル%以下が好ましい。他のジカルボン酸及びそれらのエステル誘導体の使用量が8モル%を超えるとポリエステルの熱安定性が悪くなり、内容物の風味が損なわれるなど好ましくない。
又、本発明のポリエチレンテレフタレートのグリコール成分として、エチレングリコール成分以外に使用できる成分としては、プロパンジオール、ブタンジオ−ル、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物,ビスフェノールSのエチレンオキサイド付加物等の芳香族グリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が使用できる。
このほか少量のアミド結合、ウレタン結合、エーテル結合、カーボネート結合等を含有する化合物を含んでいてもよい。ここで、使用できる他のグリコール成分の量は7モル%以下が好ましく、さらには5モル%以下が好ましい。他のジカルボン酸及びそれらのエステル誘導体の使用量が8モル%を超えるとポリエステルの熱安定性が悪くなり、内容物の風味が損なわれるなど好ましくない。
本発明のポリエチレンテレフタレートの製造方法については特に限定しない。即ち、エステル交換法または直接重合法のいずれの方法で製造されたものであっても使用できる。又、分子量を高めるために固相重合法で製造されたものであってもかまわない。さらに、缶に内容物を充填後に実施されるレトルト処理等でのポリエステル樹脂からのオリゴマー量を少なくし、内容物の風味を損なうのを防ぐ保香性の点より、また、製缶ラインの汚染防止の点より、減圧下または不活性ガス雰囲気下での固相重合法で製造されたオリゴマー含有量が低いポリエステルを使用することは好ましい。
ここで、例えばエチレンテレフタレート環状三量体をはじめとするオリゴマー環状三量体の含有量は0.7重量%以下であることが好ましい。
本発明のポリエステルの極限粘度は0.6〜1.2であることが好ましい。極限粘度が0.6未満の場合には、得られるフィルムの力学特性が低下するおそれがあり、また極限粘度が1.2を越えてもそれ以上の力学特性向上の効果は得られず、逆にポリエステルの製造時の生産性が低下するので経済的ではない。
本発明におけるポリエステルの製造の際には重合触媒としては酸化アンチモン、酸化ゲルマニウム、チタン化合物等が用いられるほか、重合触媒以外に本発明のポリエステル樹脂組成物を用いて溶融押出しフィルムを成形する際の静電密着性を付与するために、酢酸マグネシウム、塩化マグネシウム等のMg塩、酢酸カルシウム、塩化カルシウム等のCa塩、酢酸マンガン、塩化マンガン等のMn塩、塩化亜鉛、酢酸亜鉛等のZn塩、塩化コバルト、酢酸コバルト等のCo塩を各々の金属イオンの総量として300ppm以下、リン酸またはリン酸トリメチルエステル、リン酸トリエチルエステル等のリン酸エステル誘導体をリン原子として200ppm以下の範囲で添加することも可能である。上記重合触媒以外の金属イオンの総量が300ppm、またリン量が200ppmを越えると、得られたポリエステルの着色が顕著になるのみならず,ポリエステルの耐熱性及び耐加水分解性も低下する場合があるので好ましくない。
このとき、添加する総リン量と総金属イオン量とのモル比が0.4〜1.0であるときに、耐熱性、耐加水分解性及び、静電密着性のバランスが最も優れたポリエステルが得られるので好ましい。ここで、添加量のモル比=(リン酸、リン酸アルキルエステル、またはその誘導体中のリンの総量(モル原子))/(Mgイオン、Caイオン、Mnイオン、Znイオン、Coイオンの総量(モル原子))である。上記モル比が0.4未満の場合には、本発明の組成物の着色が顕著となり,耐熱性、耐加水分解性が低下する。1.0を超える場合には、十分な静電密着性が得られない。
本発明のポリエステル組成物中には、炭素数が2個以上のアルキレンオキサイド単位からなり、繰り返し単位が3以上のポリオキシアルキレングリコール成分を含有することが必要である。
上記成分を含有することにより、添加する球状PMMA粒子の周りに生じるボイドを極力少なくするとともに、ポリエステル組成物の常温、低温での弾性を付与し、また、金属板との成形密着性を向上させることが出来るとともに。
特に金属板の接合部の補修時の加熱収縮率を抑えたり、補修樹脂との密着性を向上させたり、製缶後のレトルト処理での白化を抑えることができる。
炭素数が2個上のアルキレンオキサイド単位からなるポリオキシアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコール(炭素数2)、ポリトリメチレングリコール(炭素数3)、ポリテトラメチレングリコール(炭素数4)、ポリヘキサメチレングリコール(炭素数6)などが挙げられ、これらの成分のうち1種を単独で用いても良いが、2種以上の成分を混合して用いても良い。ポリオキシアルキレングリコールの平均分子量は500〜3000の範囲のものを好適に用いることができ、平均分子量が800〜2000の範囲のものがさらに好ましい。このとき、ポリテトラメチレングリコールが好適である。
本発明のポリエステル組成物中に含有されるポリオキシアルキレングリコール成分の量は、ポリオキシアルキレングリコール成分に由来する炭素数が2個以上のアルキレンオキサイド単位の量が、ポリエステル組成物の全酸成分に対して2〜20モル%であることが好ましい。ポリオキシアルキレングリコール成分に由来する炭素数が2個以上のアルキレンオキサイド単位とは、アルキレン鎖の両端が酸素原子を挟んで隣りのアルキレン鎖とのエーテル結合を形成している構成単位を意味する。さらに好ましくは3〜15モル%であり、特に好ましくは3〜10モル%である。
本発明のポリエステル組成物中に、上記のポリオキシアルキレングリコール成分を含有させる方法としては、特に限定されるものではない。例えば、ポリエステル組成物を製造する段階でポリオキシアルキレングリコール成分を他の原料と同様に添加した後、ポリエステル合成反応を終了して得られたポリエステル組成物を用いてもよいし、ポリオキシアルキレングリコールを共重合した別の共重合ポリエステルを本発明のポリエステル組成物に溶融混合してもよい。本発明では、後者の溶融混合する方法が缶の成形性および引裂き性を改良する効果がより効率的に発揮されるため好ましく、特にポリアルキレンテレフタレート−ポリテトラメチレンオキサイドブロック共重合体を溶融混合する方法が最も好ましい形態である。
特に、炭素数が2個上のアルキレンオキサイド単位からなるポリオキシアルキレングリコーをポリエステル組成物に含有させる方法として、例えば、ポリアルキレンテレフタレート−ポリテトラメチレンオキサイドブロック共重合体をポリエチレンテレフタレートに添加する方法があげられる。ポリアルキレンテレフタレートとしては、ポリブチレンテレフタレートなどが挙げられ、ポリブチレンテレフタレートが好適である。
このとき、ブロック共重合体中のポリオキシアルキレングリコールの比率は5〜40重量%が好適である。
本発明のポリエステルフィルムには、前述したように、絞りしごき加工により金属容器を製造する際に、加工変形比率が大きくなったり、加工速度が速くなるなど、製造条件が厳しい場合でも3ピース缶用ラミネート金属板の滑り性、耐スクラッチ性を付与するために、球状PMMA粒子を0.75〜1.2重量%の範囲で含有している必要があり、好ましくは0.85〜1.1重量%である。
1.2重量%を超える量を含有しても、キズ付き防止の効果は変わらず、かえって粒子の脱落を悪くしてしまう場合がある。
上記球状PMMA粒子の平均粒径は、1.0〜3.0μmが好ましい。1.0μm未満ではフィルムの耐キズ付き性や滑り性の改良効果が十分に発現できないからである。逆に3.0μmを越えると耐キズ付き性の向上効果が飽和する一方、製缶工程中での粒子の脱落が起こりやすくなる。
上記粒子の平均粒径はコールターカウンター法により50%重量平均で測定した。
上記球状PMMA粒子の熱分解温度は290℃以上であることが好ましく、製膜中
に粒子の変形が生じにくく、ボイド生成が抑えることができる。
ここで、球状PMMA(ポリメタクリル酸メチル)粒子としては、架橋高分子粒子等を用いることが好ましい。
上記球状PMMA粒子に加えて、効果を阻害しない程度に下記粒子を併用しても良い。
その例としては、シリカ、アルミナ、カオリンクレー、酸化チタン、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、フッ化リチウム、硫酸バリウム、カーボンブラック等が例示できる。また、架橋高分子粒子としては、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル等のアクリル系単量体、スチレンやアルキル置換スチレン等のスチレン系単量体等と、ジビニルベンゼン、ジビニルスルホン、エチレングリコールジメタアクリレート、トリメチロールプロパントリメチルアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメチルアクリレート等の架橋性単量体との共重合体、メラミン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、フェノール系樹脂、シリコン含有系樹脂等が例示できる。
上記球状PMMMA粒子のポリエステルフィルムへの添加は、ポリエステル組成物の製造工程で添加してもよいし、ポリエステル組成物と不活性粒子とを溶融混練法で行ってもかまわない。また、ポリエステルフィルムの製造時に高濃度の不活性粒子を含むマスターバッチで添加してもかまわない。本発明に用いられるポリエステルフィルムは、80℃でのフィルムと金属との動摩擦係数が0.45以下であることが好ましい。該動摩擦係数が0.45以下であれば金属板の移送性、製缶性(例えば、曲げ加工・接合・接合部補修・フランジング・上蓋取り付け・内容物充填・底蓋取り付け・レトルト殺菌)が実用レベルとなる。該動摩擦係数を低下させるためには前記した範囲の不活性粒子を添加することにより達成できるが、無機粒子と架橋高分子粒子やポリエステルに対して非相溶の熱可塑性樹脂を併用することも好ましい実施態様である。
本発明のポリエステルフィルムには、前記粒子の他、必要に応じて、非相溶の熱可塑性樹脂、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、顔料、帯電防止剤、潤滑剤、結晶核剤などの添加剤を含有してもよい。
本発明のポリエステルフィルムに対する酸化防止剤の含有量は0.01〜1.0重量%が好ましい。酸化防止剤の含有量が0.01重量%未満では、実質的に熱劣化を防止する効果が不十分であり、逆に、含有量が1.0重量%を超えてもそれ以上の効果は期待できず、経済的に不利になるだけである。
本発明のフィルムの密度は1.37g/cm以上であることが好適であり、この範囲とすることで、製缶工程中での粒子の脱落を抑えることができる。
本発明のフィルムの面配向係数は0.161〜0.167であることが好適であり、0.161未満では、内容物の風味が損なわれ、0.167を超えるとは、フィルムの製造が困難となる。
本発明のフィルムの引張伸度は144〜200であることが好適であり、この範囲とすることで、ラミネート金属缶を落下時のフィルムクラックの発生を抑えることができる。
本発明の積層ポリエステルフィルムの厚みは特に限定されないが、被覆効果(防錆性)および成形性、さらには経済性の点から10〜50μmが好ましい。フィルム厚みが10μm未満では、被覆効果が得られず、50μmを超えた場合は過剰品質であり、経済的に好ましくない。
本発明のポリエステルフィルムの製造方法は、特に限定されるものではないが、インフレーションフィルム製造装置やTダイフィルム製造装置を用いて基材層、粘着層をそれぞれ成形後、押出しラミネート法により貼り合せたり、最初から共押し出しにより、多層フィルムを形成しても良い。
ここで、本発明の要件範囲を得るには、押出し法により未延伸フィルムを成形後、1軸延伸又は2軸延伸をすることが好ましい。延伸フイルムとすることで、結晶配向が起こり、強度や優れた加工適性を得ることが出来る。
但し、その際の延伸条件としては、延伸工程での予熱、延伸温度において、フィルムの溶融が起こらない範囲で、適度な温度と延伸倍率を与えることが、本発明の要件の一つとなっているボイドの少ないフィルムを得る為には望ましく、ここで、熱が不足すると配向によるPMMA粒子とポリエチレンテレフタレートの界面応力が大きくなりボイドが高くなり、粒子の脱落が顕著になる場合がある為、好ましくなく、温度が高いとフィルム表面の突起形成がしにくくなり、耐スクラッチ性や製缶性が低下する場合があるので好ましくない。
逐次2軸延伸時の縦延伸温度の場合を例にとり、好ましい温度範囲を例示すると、縦延伸時の予熱温度として70〜120℃、延伸温度として100〜130℃を例示することが出来る。横延伸時の予熱温度として80〜120℃、熱固定度として225〜235℃を例示することが出来る。

また、延伸倍率に関しても、適切な範囲を取る事が好ましく、倍率が低いと目的とする強度、表面突起が得られなかったり、内容物の風味を損なう場合があり、倍率が高いと製造が困難になる場合があるので、好ましくない。好ましい逐次2軸延伸の延伸倍率としては、縦方向に3〜6倍、横方向に6〜10倍を例示することが出来き、好ましくは縦方向に3.5〜4.1倍、横方向に3.7〜4.3倍である。
本発明のポリエステルフィルムは片面に接着性を有する層を設けても良い。接着性を有する層はフィルム製造時に共押し出し法により、接着性を有する樹脂層を設ける方法やコーティング法などを用いることが可能である。
共押し出し法を用いる場合は、共重合ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート、それらの混合樹脂が使用できる。
コーティング法を用いる場合は、有機溶剤可溶樹脂組成物や水分散型樹脂組成物が使用でき、分散型樹脂組成物が好適である。
水分散型樹脂組成物とはそれ自身は水には不溶であるが、水系溶媒に分散または溶解することが出来る樹脂組成物であり、公知のものを使用することができる。
接着層Bの厚みは、0.02〜2.0μmであることが好ましい。接着層をコーティング法で行う場合は、製膜中(インライン)の延伸膜でも製膜後(オフライン)のフィルムに処理してもどちらでも良い。
水分散型樹脂組成物とはそれ自身は水には不溶であるが、水系溶媒に分散または溶解することが出来る樹脂組成物であり、公知のものを使用することができる。
上記の水分散型樹脂組成物からなる層をポリエステルフィルムに積層する方法としては限定するものではなく、例えば、溶融押出し法、コーティング法などを用いることが可能である。コーティング法を用いる場合には、有機溶剤を使用しないことにより、人体や環境への悪影響を低減することができるため好ましい。
該水分散樹脂組成物からなる樹脂層Bの厚みは、0.02〜0.1μmに制御されていることが好ましい。樹脂層Bの積層をコーティング法で行う場合は、製膜中(インライン)の延伸膜でも製膜後(オフライン)のフィルムに処理してもどちらでも良い。
本発明のフィルムラミネート金属容器には、必要に応じて印刷等を施してもよく、また製缶工程・印刷工程等の後、再度リメルト処理を行ってもかまわない。
本発明では使用する金属板として、ティンフリースチール等の表面処理鋼板あるいはアルミニウム板又はアルミニウム合金板あるいは表面処理を施したアルミニウム板又はアルミニウム合金板が使用できる。
本発明の積層ポリエステルフィルムを金属板にラミネートする方法は特に限定せず、例えば、ドライラミネート法、サーマルラミネート法などを採用することができる。ドライラミネート法の場合は、フィルムの片面に接着剤を塗布し、接着剤層を金属板に加熱圧着させる。また、サーマルラミネート法の場合は、具体的にはフィルムのラミネート面の融点以上に金属板を加熱し、その金属板の表面にフィルムを接触させ、かかる状態でニップロール間を通過させる。次いで、10〜40℃で急冷硬化させることにより、ラミネートする。
また、フィルムのラミネートは金属板の片面だけに行っても、両面に行ってもよい。両面ラミネートの場合は同時にラミネートしても遂次でラミネートしてもよい。
本発明のポリエステルフィルムは金属板との密着強度が10N/15mm以上であることが好ましい。密着強度が、10N/15mm未満であると、製缶時の成形加工性が低下し、成形加工中にフィルムと金属板との剥れ等が発生する場合がある。フィルムと金属板との密着強度は以下の方法により測定する。
[1].フィルムラミネート金属板の作製
170℃に予熱した金属板に、本発明の積層ポリエステルフィルムの樹脂層(II)層側が金属板と接するように、ニップロール間を通過させてラミネートした後、10〜40℃の水槽中で急冷し、フィルムラミネート金属板を得る。
[2].熱処理
フィルムラミネート金属板を、230℃で加熱した後水中急冷して、ラミネート金属板を得る。
[3].密着強度
リメルト金属板から、希塩酸によって金属部の一部を溶解除去し、フィルムのみを取り出す。これをきっかけとして、フィルム/金属板を剥離する。充分に剥離をした後、フィルムが伸びないように補強材を貼付け、15mm巾にカッティングを行う。該サンプルを引張り試験機を用いて引張り速度50mm/分にて剥離強度を測定する。
本発明のフィルムラミネート金属容器は、本発明のポリエステルフィルムラミネート金属板を、適宜成形してなる金属容器であり、その容器の形状、金属容器を成形する方法は、特に限定しない。具体的には、天地蓋を巻き締めて内容物を充填する、いわゆる3ピース缶に適用できる。
本発明の金属容器において、本発明のポリエステルフィルムは、金属容器の内壁面側になるように成形してもよいし、外壁面側になるように成形してもよい。本発明のポリエステルフィルムを外壁面に用いる場合には、あらかじめフィルムの金属と接合される面に隠蔽性を付与するために顔料や着色材を含有した樹脂塗膜を塗布してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明の内容および効果を具体的に説明するが、本発明は、その要旨を逸脱しない限り以下の実施例に限定するものではない。
以下に本発明における各種評価方法を示す。
(1)ポリエステルの熱特性
ポリエステル組成物を300℃で5分間加熱溶融した後、液体窒素で急冷して得たサンプル10mgを用い、窒素気流中、示差走査型熱量計(DSC)を用いて10℃/分の昇温速度で発熱・吸熱曲線(DSC曲線)を測定したときの、融解に伴う吸熱ピークの頂点温度を融点Tm(℃)とした。
(2)ポリエステルの組成
ポリエステル樹脂試料を15重量%のトリフルオロ酢酸を含む重クロロホルムに溶解し、1H−NMRを測定した。積層フィルムの場合は、下層の樹脂層を溶剤等で取り除いて残った上層のみの試料を同様に溶解して1H−NMRを測定した。各成分由来のピークの積算強度から組成比を求めた。
(3)極限粘度(IV)
JIS K 7367−5に準じて、キャピラリー粘度計(ウベローデ粘土計)を用いて溶媒としてフェノール/テトラクロロエタンー60/40混合溶媒を用いて25℃で測定した値(dl/g)である。
(4)フィルムの面配向係数
JIS K 7142に準じてアッベ屈折率計の接眼側に変更板アナライザーを取付け、NaD線を光源とし、ヨウ化メチレンを媒液に用いて25℃で縦、横、厚さの三軸方向の屈折率を測定する。Nx(縦方向の屈折率)、Ny(横方向の屈折率)、Nz(厚み方向の屈折率)とし、Nx、Ny、Nzを下式(1)に代入して面配向係数(AO)を求めた。
AO=(Nx+Ny)/2−Nz (1)
(5)フィルムの密度
JIS K 7112に準じて密度勾配管を用いて25℃で測定した。
(6)フィルムの引張伸度
JIS K 7127に準じて23℃で測定した。
(7)フィルムのヘイズ
JIS K 7105に準じて23℃で測定した。
(8)動摩擦係数
50mm×70mmの接触面積を有する重量1.5kgの滑走子にフィルムサンプルをセットし、80℃のティンフリースチール板上を速度250mm/分で滑走させた時の動摩擦係数を測定した。
(9)ラミネート密着性
ポリエステルフィルムに接着剤層として東洋インキ社製のポリウレタン系接着剤「アドコート」および硬化剤の混合物を塗布し、を170℃に加熱した金属板の両面に接着剤層(II)が接するようにニップロール間で圧着し、さらに230℃に加熱した後、水中急冷した
(10)密着強度
上記ラミネート金属板から、希塩酸によって金属部の一部を溶解除去し、フィルムのみを取り出す。これをきっかけとして、フィルム/金属板を剥離する。充分に剥離をした後、フィルムが伸びないように補強材を貼付け、15mm巾にカッティングした。該サンプルを引張り試験機を用いて引張り速度50mm/分にて剥離強度を測定した。
(11)耐スクラッチ性
東洋精機(株)製の染色堅牢度摩擦試験機にて、フィルムサンプルをセットした荷重400gの摩擦子を、100mmの往復距離を30往復/分の条件で80℃のティンフリースチール板上を1分間摩擦処理した後のフィルム表面の傷を肉眼で観察し、以下の基準により評価した。なお、△以上は実用性がある。
○:傷が殆ど認められない。
△:部分的に傷が認められる。
×:全面に傷が認められる。
(12)脱落性
東洋精機(株)製の染色堅牢度摩擦試験機にて、0.05mmの厚さのアルミ箔をセットした荷重400gの摩擦子を、100mmの往復距離を30往復/分の条件で20〜40℃のフイルム上を1分間摩擦処理した後のアルミ箔表面の汚れを肉眼で観察し、以下の基準により評価した。なお、△以上は実用性がある。
○:汚れが殆ど認められない。
△:部分的に汚れが認められる。
×:全面に汚れが認められる。
(13)補修性
前記のようにして得られた、印刷、ラミネート加工サンプルのインキの密着性を、碁盤目剥離(2mmマス×25個、ニチバン社製セロテープ(登録商標)18mm幅使用しての、90°剥離法)により評価し、実用性から判断して次のランク別けを行った。
碁盤目剥離部分0個・・・・◎
〃 1〜5個・・・・○
〃 6〜15個・・・・△
〃 15個以上・・・・×
(14)クラック
ラミネート密着性で用いたラミネート金属板の9cm角のサンプルを切り出す。このサンプルの缶外面に相当する面に先端径10mmの重り(600g)を高さ4cmから落して衝撃を付与する。ついで7%の希塩酸を満たしたガラス容器上にサンプルを置き(サンプルの凸部が浸漬する状態で置き)、3日後に凸部の腐蝕状態を目視観察した。評価基準は以下のとおり設定し、○を実用性ありと評価した。
○:凸部の腐蝕未発生
×:凸部の腐蝕発生
次に、実施例および比較例に用いたポリエステルの種類と内容について説明する。
(1)樹脂A:エチレンテレフタレート(PET、IV=0.67、無定形シリカ粒子0.2重量%含有)
投入口、温度計、圧力計及び精留塔付留出管、撹拌翼を備えた反応装置にテレフタル酸100重量部に対して、エチレングリコール82重量部(エチレングリコール/テレフタル酸のモル比=2.2)、酸成分に対して酸化ゲルマニウムをGe元素として0.05モル%、酢酸マグネシウムをMg元素として0.05モル%、そして、平均粒径1.5μmの無定形シリカ粒子(富士シリシア、サイリシア)0.23重量部を仕込み、撹拌しながら窒素を導入し系内の圧力を0.3MPaに保ち、温度230℃〜250℃で生成する水を系外に留去しながらエステル化反応を行った。反応終了後、250℃にて、リン酸トリメチルをP量として0.04モル%加え、昇温しながら徐々に減圧し、275℃、1.0hPa以下の真空下で重縮合反応を行いポリエステルを得た。ついで、このポリエステルを220℃、1.0hPaの真空下で12時間加熱処理して、ポリエステルA−2(PET)を得た。得られたポリエステルの極限粘度は0.67(dl/g)、エチレンテレフタレート環状3量体は0.4重量%であった。
(2)樹脂B:ポリエチレンテレフタレート・イソフタレート(エチレンイソフタレートの繰り返し単位8.0モル%(PET−I(8))、IV=0.74、無定形シリカ粒子0.2重量%含有)
投入口、温度計、圧力計及び精留塔付留出管、撹拌翼を備えた反応装置にテレフタル酸90重量部、イソフタル酸10重量部、エチレングリコール82重量部(エチレングリコール/全酸成分のモル比=2.2)、酸成分に対して酸化ゲルマニウムをGe元素として0.05モル%、酢酸マグネシウムをMg元素として0.05モル%、そして、平均粒径1.5μmの無定形シリカ粒子0.23重量部を仕込み、撹拌しながら窒素を導入し系内の圧力を0.3MPaに保ち、温度230℃〜250℃で生成する水を系外に留去しながらエステル化反応を行った。反応終了後、250℃にて、リン酸トリメチルをP量として0.04モル%加え、昇温しながら徐々に減圧し、275℃、1.0hPa以下の真空下で重縮合反応を行いポリエステルを得た。ついで、このポリエステルを200℃、1.0hPaの真空下で12時間加熱処理して、ポリエステルA−1(PET−I(10))を得た。得られたポリエステルの極限粘度は0.74(dl/g)、エチレンテレフタレート環状3量体は0.4重量%であった。
(3)樹脂C:ポリテトラメチレンテレフタレート−ポリテトラメチレンオキサイドブロック共重合ポリエステル(IV=0.75)
投入口、温度計、圧力計及び精留塔付留出管、撹拌翼を備えた反応装置に、テレフタル酸ジメチル100重量部に対して、1,4−ブタンジオール75重量部、ポリテトラメチレングリコール(平均分子量1000)75重量部、ノルマルブチルチタネート0.05重量部を仕込み、190℃〜230℃で生成するメタノールを系外に留出しながらエステル交換反応を行った。反応終了後、テトラノルマルブチルチタネート0.05重量部、およびリン酸0.025重量部を添加し250℃、減圧下(1.0hPa以下)で重縮合反応を行い、得られた共重合ポリエステル(ポリテトラメチレンテレフタレート−ポリテトラメチレンオキサイドブロック共重合、ポリテトラメチレンオキサイドの比率40重量%、極限粘度0.75)を用いた。
(4)樹脂D:架橋PMMA粒子5重量%含有ポリエステル
ポリエステル樹脂Aを95重量部に対して、トリメチロールプロパントリメタアクリレートで架橋されたポリメチルメタアクリレート粒子(日本触媒社製、品番エポスターMA1002、平均粒径2〜3μm)5重量部を2軸押出機にて溶融混練して、架橋ポリメチルメタアクリレート粒子5%含有ポリエステル樹脂を得た。
(実施例1)
樹脂A/樹脂C/樹脂Dを75.5/4.5/20の比率(重量%)で混合したポリエステル樹脂組成物を、Tダイ法で溶融押出して無定形シートとした後、78℃で予熱し、128℃で縦方向に2段階で3.7倍、115℃で横方向に4.0倍延伸し、228℃で4秒間熱固定して、厚さ12μmのポリエステルフィルムを得た。当該ポリエステルフィルムの片面に接着剤(東洋インキ社製のポリウレタン系接着剤「アドコート」および硬化剤の混合物)を固形分換算で4g/mコーティングして乾燥した後、40℃で24時間エージングして得られたフィルムを、脱脂処理し、170℃に熱した冷延伸鋼板の両面にサーマルラミネート法によってラミネートし、10〜40℃の水槽中で急冷し、ラミネート鋼板を得た。さらにフィルムラミネート金属板を、230℃で加熱した後水中急冷した。
得られたポリエステルフィルムおよびラミネート鋼板の特性を表1、表2に示す。
本実施例で得られたポリエステルフィルムおよびラミネート鋼板は、高温でのフィルムと金属との滑り性が良好で耐スクラッチ性が優れており、透明性に優れ、金属ラミネート用フィルムおよびラミネート鋼板として高品質であった。
本実施例で得られたポリエステルフィルムを缶胴内面および底蓋の内外面に用い、3ピース缶として製缶したところ、製缶過程で当該フィルムの表面にスクラッチ傷が入ることなく高速度で製缶でき、製缶中の粒子の脱落もなく、接合部を補修成してもフィルム外観が良好で成形缶にコーヒーを充填しレトルト処理をしても、オリゴマーや有機溶剤等のフィルムからの移行がなく、味や臭いの変化が無く商品価値の高いものであった。
(実施例2)
原料として樹脂A/樹脂C/樹脂Dを78.5/4.5/17の比率(重量%)を用いた以外は、実施例1と同様の方法によりポリエステル系フィルムを得た。
(比較例1)
原料として樹脂B/樹脂C/樹脂Dを75.5/4.5/20の比率(重量%)を用い、延伸後の熱固定温度を150℃にした以外は、実施例1と同様の方法によりポリエステル系フィルムを得た。
(比較例2)
原料として樹脂A/樹脂Dを80/20の比率(重量%)を用いた以外は、実施例1と同様の方法によりポリエステル系フィルムを得た。
(比較例2)原料として樹脂A/樹脂Cを95.5/4.5の比率(重量%)を用いた以外は、実施例1と同様の方法によりポリエステル系フィルムを得た。
(比較例4)
原料として実施例1と同様の樹脂を溶融押出して無定形シートとした後、縦方向に2段階で3.4倍延伸した以外は、実施例1と同様の方法によりポリエステル系フィルムを得た。
本発明の3ピース缶用ポリエステルフィルムは、金属板との密着性、金属板の移送性、製缶性(例えば、曲げ加工・接合・接合部補修・フランジング・上蓋取り付け・内容物充填・底蓋取り付け・レトルト殺菌)に優れるため、本発明は清涼飲料、ビール、缶詰等の金属容器等の幅広い用途に使用することができ、産業界に寄与すること大である

Claims (4)

  1. ポリエステル組成物からなる3ピース缶ラミネート用ポリエステルフィルムであって、前記ポリエステル組成物がポリエチレンテレフタレートを主体とし、かつ炭素数が2個以上のアルキレンオキサイド単位の繰り返しが3以上であるポリオキシアルキレングリコール成分を、該ポリオキシアルキレングリコール成分に由来する炭素数が2個以上のアルキレンオキサイド単位として、ポリエステル組成物中のポリエステル成分の全酸成分に対して2〜20モル%含有するとともに、前記ポリエステル組成物総量に対して、球状のPMMA粒子を0.75〜1.2重量%含有し、かつ前記フィルムの密度が1.37g/cm 以上であり、面配向係数が0.161〜0.167であることを特徴とする3ピース缶ラミネート用ポリエステルフィルム。
  2. 前記フィルムの引張伸度が144〜200である請求項1記載の3ピース缶ラミネート用ポリエステルフィルム。
  3. 請求項1あるいは2に記載のポリエステルフィルムをラミネートしてなることを特徴とする金属板。
  4. 請求項3に記載のラミネート金属板を成形してなることを特徴とする金属容器。
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