以下、作業遂行支援装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態において、経験を検索した場合、1以上の経験と、当該経験に対応する1以上のルールブックをともに表示し、作業遂行を支援する作業遂行支援システムについて説明する。
また、本実施の形態において、経験に対して、フェーズの追加、削除が可能である柔軟な作業方法の変更を許容する作業遂行支援システムについて説明する。
また、本実施の形態において、経験またはルールブックが表示される場合に、紐付けられた規定集も表示される作業遂行支援システムについて説明する。
また、本実施の形態において、ワークボードに経験またはルールブックを呼び出し、経験またはルールブックを利用し、経験を作成できる作業遂行支援システムについて説明する。
また、本実施の形態において、経験の再利用度がカウントされ、当該再利用度を用いて、担当者の報償が算出される作業遂行支援システムについて説明する。
また、本実施の形態において、経験またはフェーズ事例に対して質問を入力した場合、経験またはフェーズ事例の担当者に対して質問が自動送付される作業遂行支援システムについて説明する。
また、本実施の形態において、フェーズ事例は期限を有し、作業の緊急度を容易に知ることができる作業遂行支援システムについて説明する。
また、本実施の形態において、ルールブックを適切に変更できる作業遂行支援システムについて説明する。
図1は、本実施の形態における作業遂行支援システムの概念図である。作業遂行支援システムは、作業遂行支援装置1、1以上の端末装置2を備える。
作業遂行支援装置1は、ここでは、例えば、いわゆるサーバ装置である。また、端末装置2は、いわゆるパーソナルコンピュータ、携帯端末等の情報の入出力が可能であれば何でも良い。
図2は、本実施の形態における作業遂行支援システムのブロック図である。図3は、作業遂行支援装置1のブロック図である。
作業遂行支援装置1は、規定集格納部101、ルールブック格納部102、経験格納部103、ワークボード104、構造情報格納部105、管理者連絡先情報格納部106、受付部107、経験蓄積部108、経験取得部109、経験編集部110、ルールブック取得部111、規定集取得部112、期限切迫度取得部113、再利用部114、カウント部115、報酬決定部116、送信部117、ルールブック修正送信部118、ルールブック更新部119、および出力部120を備える。
端末装置2は、端末受付部21、端末送信部22、端末受信部23、および端末出力部24を備える。
作業遂行支援装置1を構成する規定集格納部101は、1以上の規定集を格納し得る。規定集とは、作業を遂行する場合に遵守する必要がある1以上の規定の集合である。なお、規定集は情報である。また、規定集は、通常、後述するフェーズ識別子に対応付いていない。また、通常、規定集は、変更できない。または、規定集は、例えば、変更の困難度がルールとは異なっても良い。ルールの変更のためには、例えば、一人の管理者の承認で良いが、規定の変更のためには、2以上の管理者の承認が必要またはルール変更の承認者よりも上位の役職の管理者の承認が必要等である。規定集は、例えば、会社における決済の制約を示す決済規定、会社における役職を示す情報である役職規定、会社における組織の情報である組織規定等である。また、規定集は、ファイル、データベースのテーブル等でも良く、そのデータ構造は問わない。
ルールブック格納部102は、1以上のルールブックを格納し得る。ルールブックは、2以上のフェーズルールを有する。フェーズルールは、フェーズにおける作業のルールを示す情報である。ここで、フェーズとは、作業の単位をいう。フェーズは、一連の作業を構成する一部の作業であり、通常、作業の最小単位であり、ステップやサブ作業等と言っても良い。ルールブックは、2以上のフェーズから構成される一連の作業のルールに関する情報の集合である。また、作業のルールとは、作業のやり方、指針を示す情報である、と言っても良い。また、フェーズルールとは、通常、フェーズを識別するフェーズ識別子を有する。通常、ルールブックを追加または修正または削除する場合、一定の条件を満たす必要がある。一定の条件とは、例えば、管理者の承認、2以上の人の承認などである。また、ルールブックとは、通常、全フェーズのルール(フェーズルール)の集合である。なお、フェーズルールが対応付いていないフェーズが存在しても良い。また、ルールブックは、フェーズルール間の順序の情報を有する。かかる順序の情報を順序情報という。順序の情報は、固定的な順序を示す情報でなくても良い。つまり、作業が「A,B,C,D」のフェーズからなる場合、「A→B→C→D」の順でも、「A→C→B→D」の順でも良い、という作業が存在しても良い。また、順序情報はリンク、順序の識別子等でも良く、そのデータ構造は問わない。さらに、ルールブックは、ファイル、データベースのテーブル等でも良く、そのデータ構造は問わない。
経験格納部103は、1以上の経験を格納し得る。経験とは、作業遂行の結果に関する情報である。経験は、フェーズを識別するフェーズ識別子を有する情報である2以上のフェーズ事例を含む。フェーズ事例は、通常、フェーズの作業遂行の結果に関する情報であり、作業遂行の結果である成果物を含む情報である。なお、成果物は、ファイルでも、データベースのテーブル等でも良い。成果物のデータ構造は問わない。また、経験は、フェーズ事例間の順序の情報(順序情報という。)を有する。また、フェーズ事例は、作業の完了の期限に関する情報である期限情報を有しても良い。また、フェーズ事例は、例えば、タイトル、説明文、1以上の担当者の1以上の担当者識別情報、作業に必要であると予想される時間である予想時間または予想日数、優先度、ステータス(未処理/処理中/完了等)、作成日と変更履歴/変更内容/変更者、1以上の担当者の1以上の連絡先情報、チェックリスト、必須であるか否かを示す必須フラグなどを有する。また、例えば、フェーズ事例には、画像が動画やファイルや音声などが添付され得る。なお、タイトルは、フェーズ識別子と同一でも良い。また、チェックリストとは、フェーズ事例に対応する作業の1以上のチェック項目の集合である。また、必須フラグがON(必須であることを示す値)であるフェーズ事例は、削除され得ない。また、経験は、通常、経験を特定する経験特定情報を有する。経験特定情報は、経験を特定する識別子である経験識別子、または経験を特定する1以上のキーワード等である。
また、経験は、例えば、ルールブックに基づいて遂行された作業の結果を示す情報である。また、経験は、例えば、ルールブックと紐付いている。経験は、例えば、ルールブックを特定するルールブック識別情報を有する。ただし、ルールブックと紐付いていない経験が存在しても良い。なお、ルールブック識別情報は、通常、ルールブックを識別する識別子であるルールブック識別子であるが、ルールブックを特定する1以上のキーワード等でも良い。
また、経験格納部103の経験は、通常、一連の作業が完了した作業遂行結果に関する情報である。ただし、経験は、作業を遂行するために行った会議の議事録のファイル、ホワイトボードの記載内容を取得した画像など、作業の遂行のために利用した情報などを含んでも良い。
経験格納部103において、経験またはフェーズ事例に対応付けて、作業を担当した担当者の連絡先に関する連絡先情報を格納していることは好適である。連絡先情報は、例えば、メールアドレス、電話番号、IPアドレス等である。
ワークボード104は、一時的に経験を格納し得る記憶領域である。ワークボード104には、通常、作成途中の経験が格納される。また、ワークボード104には、呼び出されたルールブックが格納されても良い。
構造情報格納部105は、フェーズ事例構造情報、またはフェーズルール構造情報を格納している。フェーズ事例構造情報とは、フェーズ事例の構造を示す情報である。フェーズ事例構造情報は、フェーズ事例が有する2以上の項目(属性)を有する。フェーズ事例構造情報は、2以上の各項目に対する2以上の情報を有するフェーズ事例に対して、再利用する項目と、再利用しない項目とを区別可能な情報を有する。フェーズ事例構造情報は、例えば、項目識別子、項目識別子で識別される項目を再利用するか否かを示す再利用フラグとの組である2以上の項目情報を有する。なお、フェーズ事例構造情報、またはフェーズルール構造情報は、それぞれ、経験、またはルールブックに埋め込まれていても良い。
また、フェーズルール構造情報とは、フェーズルールの構造を示す情報である。フェーズルール構造情報は、フェーズルールが有する2以上の項目(属性)を有する。フェーズルール構造情報は、2以上の各項目に対する2以上の情報を有するフェーズルールに対して、再利用する項目と、再利用しない項目とを区別可能な情報を有する。フェーズルール構造情報は、例えば、項目識別子、項目識別子で識別される項目を再利用するか否かを示す再利用フラグとの組である2以上の項目情報を有する。
また、構造情報格納部105は、2以上の各フェーズルール構造情報に対応付けて1以上のフェーズ事例構造情報を有しても良い。なお、対応付けの方法は問わない。対応付けの方法は、例えば、同一の識別子を付す方法、リンク付ける方法等である。対応付けの方法は問わないことは、他の対応付いている情報についても同様である。
管理者連絡先情報格納部106は、1以上の管理者連絡先情報を格納し得る。管理者連絡先情報は、ルールブックの修正を承認できる管理者への連絡先を示す情報である。管理者連絡先情報は、例えば、メールアドレス、電話番号、IPアドレス等である。管理者連絡先情報格納部106は、ルールブックに対応付けて、1以上の管理者連絡先情報を格納していても良いし、ルールブックに対応付けずに、1以上の管理者連絡先情報を格納していても良い。ルールブックに対応付けて1以上の管理者連絡先情報が格納されている場合、当該ルールブックが修正された場合に、当該1以上の管理者連絡先情報が示す1以上の1以上の管理者に、当該ルールブックの修正内容が送信される。
受付部107は、各種の情報や指示等を受け付ける。受付部107は、例えば、経験、編集指示、承認情報、経験特定情報、ルールブック特定情報、一の作業に対する質問、規定集特定情報等を受け付ける。経験特定情報は、経験を特定する情報である。
編集指示は、経験取得部109が取得した経験に対して、フェーズ事例を追加、または削除する指示である。また、編集指示は、ワークボード104に格納されている経験を編集する指示でも良い。かかる編集指示は、経験を編集するための内容を含む。また、編集指示は、例えば、追加する経験を特定する経験特定情報、フェーズ事例を追加する位置を特定する追加位置情報、フェーズ識別子と内容等を有しても良い。フェーズ事例を削除する場合、編集指示は、例えば、フェーズ識別子を有する。また、編集指示は、ルールブックの修正内容を含む指示でも良い。
また、承認情報は、ルールブックの修正を承認できる管理者から送信された情報であり、ルールブックの修正を承認する旨の情報である。承認情報は、通常、ルールブック特定情報を有する。また、受付部107が、ルールブックの修正内容を含む指示を受け付けた場合、修正されたルールブックを一時的に、例えば、ワークボード104に蓄積する。なお、修正されたルールブックは、ルールブック格納部102に一時的に蓄積されても良い。
また、経験特定情報とは、経験を検索する1以上のキーワードでも良いし、経験識別子でも良いし、フェーズ識別子等でも良い。
また、ルールブック特定情報はルールブックを特定する情報である。ルールブック特定情報は、ルールブックを検索する1以上のキーワードでも良いし、ルールブック識別子でも良いし、フェーズルール識別子等でも良い。
また、一の作業に対する質問は、経験に対する質問でも良いし、フェーズ事例に対する質問でも良い。質問を受け付ける場合、受付部107は、通常、経験識別情報またはフェーズ事例識別情報と、質問とを受け付ける。
さらに、規定集特定情報は、規定集を特定する情報であり、例えば、規定集を識別する規定集識別子、1以上のキーワード等である。
ここで、受け付けとは、通常、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された情報の受信であるが、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力デバイスから入力された情報の受け付け、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記録媒体から読み出された情報の受け付けなどを含む概念である。
経験蓄積部108は、受付部107が経験を受け付けた場合に、当該経験を経験格納部103に蓄積する。
また、経験取得部109は、受付部107が経験特定情報を受け付けた場合に、当該経験特定情報を用いて、経験格納部103の1以上の経験を取得する。また、経験取得部109は、受付部107が受け付けたルールブック特定情報で特定されるルールブックに対応する1以上の経験を経験格納部103から取得しても良い。また、経験取得部109は、取得した経験を、ワークボード104に蓄積しても良い。
経験編集部110は、経験に対する編集指示に従って、経験にフェーズ事例を追加、または削除する。編集指示は、例えば、フェーズ事例を追加する命令、および追加するフェーズ事例の情報を有する。また、編集指示は、例えば、フェーズ事例を削除する命令、および削除するフェーズ事例のフェーズ事例識別情報を有する。また、経験編集部110は、編集指示に従って、ワークボード104に格納されている経験を編集する。また、経験編集部110は、再利用部114が取得した経験に対して、受付部107が受け付けた編集指示に従って、経験を編集する。
ルールブック取得部111は、経験取得部109が取得した1以上の各経験に対応する1以上のルールブックを、ルールブック格納部102から取得する。また、ルールブック取得部111は、受付部107がルールブック特定情報を受け付けた場合に、当該ルールブック特定情報で特定される1以上のルールブックを、ルールブック格納部102から取得する。
規定集取得部112は、受付部107が受け付けた経験特定情報またはルール特定情報に対応する規定集を規定集格納部101から取得する。規定集取得部112は、受付部107が受け付けた規定集特定情報で特定できる規定集を規定集格納部101から取得しても良い。
期限切迫度取得部113は、現在の日付に関する情報である現在情報を取得し、当該現在情報とフェーズ事例に対応する期限情報とを用いて、期限が近い度合いを示す期限切迫度を取得する。期限切迫度取得部113は、例えば、図示しない時計から現在情報を取得する。期限切迫度は、例えば、期限までの日数である。また、期限切迫度は、例えば、期限までの日数から取得され得る切迫の度合いを示す情報である。期限切迫度取得部113は、例えば、期限までの日数と切迫の度合いとの対応表を保持しており、かかる対応表を用いて、期限までの日数から切迫の度合いを取得する。
再利用部114は、受付部107が経験特定情報を受け付けた場合、フェーズ事例構造情報に従って、当該経験特定情報で特定される経験に含まれる2以上の各フェーズ事例の情報のうちの再利用する項目の情報を有し、再利用しない項目の情報を有しない2以上のフェーズ事例を有する経験を取得する。再利用部114が取得する経験は、通常、再利用する項目の情報と、再利用しない項目の雛形の情報とを有する。項目の雛形の情報とは、項目の内容を除く情報である。なお、項目がタイトルと内容とからなる場合、項目の雛形の情報は、項目のタイトルのみである。また、項目がタイトルと内容とからなる場合、項目の情報とは、項目のタイトルと内容である。
再利用部114は、受付部107がルールブック特定情報を受け付けた場合、フェーズ事例構造情報に従って、ルールブック特定情報で特定されるルールブックからすべての項目の雛形を構成し、フェーズルール構造情報が示す再利用する項目の内容(情報)を、前記雛形の対応する項目に複写し、経験を構成する。なお、この経験は、通常、一部の項目の内容は空(NULL)である。また、上記の再利用部114の処理は、フェーズルール構造情報が示す項目の情報を取得し、かつ、フェーズルール構造情報が有さないフェーズでありフェーズ事例構造情報が有するフェーズに対応する項目の雛形を取得する処理である。つまり、項目がタイトルと内容とからなる場合、再利用部114は、ルールブック特定情報で特定されるルールブックから、フェーズルール構造情報が示す項目のタイトルと内容を取得し、かつ、フェーズルール構造情報が有さないフェーズでありフェーズ事例構造情報が有するフェーズに対応する項目のタイトルを取得する。なお、ここでのフェーズルール構造情報は、ルールブック特定情報で特定されるルールブックのフェーズルール構造情報に対応するフェーズルール構造情報である。
カウント部115は、再利用された回数を経験ごとにカウントし、回数を経験ごとに保持する。カウント部115は、例えば、経験取得部109が取得し、ワークボード104に蓄積され(複写され)、かつ、ユーザが編集指示を入力した経験を検知し、当該経験に対する再利用回数をカウントアップする。また、カウント部115は、例えば、再利用部114が取得した経験の元になった経験に対する再利用回数をカウントアップする。また、カウント部115は、例えば、ユーザが再利用の元とする経験として指示した経験に対する再利用回数をカウントアップしても良い。なお、各経験は、例えば、再利用回数を有し、その初期値は0である。また、カウントアップとは、再利用回数に1を加えることである。
報酬決定部116は、経験に対応する再利用の回数を用いて、経験が有する担当者識別子で識別される担当者の報酬を決定する。報酬決定部116は、通常、経験の再利用回数をパラメータとする増加関数により、当該経験が有する担当者識別子で識別される担当者の報酬を決定する。報酬決定部116は、例えば、再利用回数と報酬との対応表を保持しており、かかる対応表を用いて、再利用回数から報酬を取得する。また、報酬決定部116が報酬を決定するタイミングは問わない。例えば、報酬決定部116は、ユーザからの指示により報酬を決定する。また、例えば、報酬決定部116は、定期的に(例えば、毎月1日など)、報酬を決定する。
送信部117は、受付部107が受け付けた質問を、一の作業に対する経験またはフェーズ事例に対応付けられている連絡先情報を用いて、一の作業を担当した担当者に質問を送信する。送信部117は、例えば、受付部107が受け付けた質問に対応する経験識別情報またはフェーズ事例識別情報を取得する。そして、例えば、送信部117は、当該経験識別情報またはフェーズ事例識別情報で識別される経験またはフェーズ事例に対応付けられている連絡先情報を取得する。次に、例えば、送信部117は、取得した連絡先情報が示す連絡先に、受付部107が受け付けた質問を送信する。
ルールブック修正送信部118は、受付部107がルールブックの編集指示を受け付けた場合に、編集指示に含まれる修正内容を、管理者連絡先情報が示す連絡先に送信する。ルールブック修正送信部118は、編集指示を入力したユーザを特定するユーザ識別子(例えば、ユーザID、氏名等)も、修正内容とともに送信することは好適である。
ルールブック更新部119は、受付部107が管理者から承認情報を受け付けた場合に、ルールブックを修正内容に更新する。ルールブック更新部119は、例えば、受付部107が承認情報を受け付けた場合に、当該承認情報が有するルールブック識別情報で識別されるルールブックをワークボード104から取得し、当該ルールブックをルールブック格納部102に上書き更新する。なお、ワークボード104から取得されたルールブックは、内容が修正されたルールブックである。
出力部120は、経験取得部109が取得した1以上の各経験と、ルールブック取得部111が取得した1以上のルールブックとを、対応が分かる態様で出力する。
また、出力部120は、経験と当該経験に対応するルールブックとを出力する場合、経験が有する2以上の各フェーズ事例と、当該各フェーズ事例に対応するフェーズルールとの対応が分かる態様で出力することは好適である。ここで、「フェーズ事例とフェーズルールとの対応が分かる態様」とは、同一フェーズのフェーズ事例とフェーズルールの文字色が同一、同一フェーズのフェーズ事例とフェーズルールの背景色が同一、同一フェーズのフェーズ事例とフェーズルールとがリンク付いている、同一フェーズのフェーズ事例とフェーズルールが出力されている領域が同一等である。
また、出力部120は、経験と当該経験に対応するルールブックとを出力する場合、ルールブックが有するいずれのフェーズルールにも対応しないフェーズ事例(追加されたフェーズのフェーズ事例)を、他のフェーズ事例と視覚的に区別して出力することは好適である。また、出力部120は、経験と当該経験に対応するルールブックとを出力する場合、経験が有するいずれのフェーズ事例にも対応しないフェーズルール(経験において削除されたフェーズに対応するフェーズルール)を、他のフェーズ事例と視覚的に区別して出力することは好適である。つまり、経験に含まれる2以上のフェーズと、当該経験に対応するルールブックに含まれる2以上のフェーズとが完全に一致しない場合、一致しないフェーズに対応するフェーズ事例またはフェーズルールが、他のフェーズ事例または他のフェーズルールと視覚的に区別されて出力されることは好適である。なお、上記の「完全に一致しない場合」とは、経験に含まれるフェーズ(フェーズ事例)が追加、または削除された場合である。
また、出力部120は、受付部107が受け付けたルールブック特定情報で特定されるルールブックと共に、経験取得部109が取得した1以上の経験を、ルールブックと経験との対応が分かる態様で出力する。
また、出力部120は、受付部107が受け付けた経験特定情報で特定される経験、またはルールブック特定情報で特定されるルールブックと共に、規定集取得部112が取得した1以上の規定集を、経験またはルールブックとの対応が分かる態様で出力する。
また、出力部120は、経験を出力する場合に、カウント部115が保持している回数を視覚的に認識可能に、経験を出力する。
また、出力部120は、報酬決定部116が決定した報酬を出力する。
また、出力部120は、経験を出力する場合に、経験に含まれる2以上の各フェーズ事例の時間的な順序と、期限切迫度とが、視覚的に認識できる態様で、2以上のフェーズ事例を出力する。
ここで、出力とは、通常、外部の装置(通常、端末装置2)への送信であるが、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影、プリンタでの印字、音出力、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。
端末装置2を構成する端末受付部21は、ユーザから各種の指示や情報を受け付ける。各種の指示や情報の入力手段は、キーボードやタッチパネルやマウスやメニュー画面によるもの等、何でも良い。端末受付部21は、キーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。
端末送信部22は、端末受付部21が受け付けた各種の指示や情報を作業遂行支援装置1に送信する。端末送信部22は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送手段で実現されても良い。
端末受信部23は、作業遂行支援装置1が送信した情報を受信する。端末受信部23は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されても良い。
端末出力部24は、端末受信部23が受信した情報を出力する。ここでの出力とは、通常、ディスプレイへの表示であるが、プロジェクターを用いた投影、プリンタでの印字、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。端末出力部24は、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。端末出力部24は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
規定集格納部101、ルールブック格納部102、経験格納部103、ワークボード104、構造情報格納部105、および管理者連絡先情報格納部106は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
規定集格納部101等に規定集等が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して規定集等が規定集格納部101等で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された規定集等が規定集格納部101等で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された規定集等が規定集格納部101等で記憶されるようになってもよい。
受付部107は、通常、有線もしくは無線の通信手段により実現される。
経験蓄積部108、経験取得部109、経験編集部110、ルールブック取得部111、規定集取得部112、期限切迫度取得部113、再利用部114、カウント部115、報酬決定部116、ルールブック更新部119は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。経験蓄積部108等の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
送信部117、ルールブック修正送信部118、および出力部120は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送手段で実現されても良い。
なお、出力部120は、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスにより実現されても良い。
次に、作業遂行支援システムの動作について説明する。まず、作業遂行支援装置1の動作について、図4、および図5のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS401)受付部107は、経験を受け付けたか否かを判断する。経験を受け付ければステップS402に行き、経験を受け付けなければステップS403に行く。
(ステップS402)経験蓄積部108は、ステップS401で受け付けられた経験を、経験格納部103に蓄積する。ステップS401に戻る。
(ステップS403)受付部107は、経験特定情報を受け付けたか否かを判断する。経験特定情報を受け付けた場合はステップS404に行き、経験特定情報を受け付けない場合はステップS411に行く。
(ステップS404)経験取得部109は、ステップS403で受け付けられた経験特定情報を用いて、1以上の経験を取得する。なお、経験特定情報が経験を識別する識別子である場合、経験取得部109は、当該識別子で識別される経験を取得する。また、経験特定情報がキーワードである場合、経験取得部109は、当該キーワードを用いて、経験格納部103を検索し、キーワードを含む1以上の経験を取得する。
(ステップS405)ルールブック取得部111は、カウントiに1を代入する。
(ステップS406)ルールブック取得部111は、ステップS404で取得された経験の中に、i番目の経験が存在するか否かを判断する。i番目の経験が存在すればステップS407に行き、i番目の経験が存在しなければステップS401に戻る。
(ステップS407)ルールブック取得部111は、i番目の経験に対応するルールブックを、ルールブック格納部102から取得する。なお、ここで、ルールブックを取得できない場合もある。また、例えば、経験は、ルールブックの識別子を有しており、ルールブック取得部111は、i番目の経験が有するルールブックの識別子を用いて、ルールブックを取得する。
(ステップS408)規定集取得部112は、i番目の経験に対応する規定集を規定集格納部101から取得する。なお、経験またはルールブックは、規定集を識別する識別子を有していても良い。かかる場合、規定集取得部112は、i番目の経験またはi番目の経験に対応するルールブックが有する規定集の識別子を用いて、規定集を取得する。また、ステップS403で受け付けられた経験特定情報がキーワードである場合、規定集取得部112は、当該キーワードを用いて、規定集取得部112を検索し、キーワードを含む1以上の規定集を取得しても良い。
(ステップS409)出力部120は、経験、ルールブック、規定集のうちの1以上の種類の情報を出力する処理を行う。かかる処理を複数種類情報出力処理という。複数種類情報出力処理について、図6のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS410)ルールブック取得部111は、カウントiを1、インクリメントする。ステップS406に戻る。
(ステップS411)受付部107は、編集指示を受け付けたか否かを判断する。編集指示を受け付ければステップS412に行き、編集指示を受け付けなければステップS413に行く。
(ステップS412)経験編集部110等は、編集処理を行う。ステップS401に戻る。なお、編集処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS413)受付部107は、ルールブック特定情報を受け付けたか否かを判断する。ルールブック特定情報を受け付ければステップS414に行き、ルールブック特定情報を受け付けなければステップS421に行く。
(ステップS414)ルールブック取得部111は、ルールブック特定情報で特定される1以上のルールブックをルールブック格納部102から取得する。なお、ルールブック特定情報がルールブックを識別する識別子である場合、ルールブック取得部111は、当該識別子で識別されるルールブックを取得する。また、ルールブック特定情報がキーワードの場合、ルールブック取得部111は、当該キーワードで検索され得る1以上のルールブックを取得する。
(ステップS415)経験取得部109は、カウントiに1を代入する。
(ステップS416)経験取得部109は、ステップS414で取得されたルールブックの中に、i番目のルールブックが存在するか否かを判断する。i番目のルールブックが存在すればステップS417に行き、i番目のルールブックが存在しなければステップS401に戻る。
(ステップS417)経験取得部109は、i番目のルールブックに対応する1以上の経験を取得する。なお、経験取得部109は、例えば、i番目のルールブックの識別子を含む1以上の経験を取得する。
(ステップS418)規定集取得部112は、i番目のルールブックに対応する規定集を規定集格納部101から取得する。なお、経験またはルールブックは、規定集を識別する識別子を有していても良い。かかる場合、規定集取得部112は、i番目のルールブックまたはi番目のルールブックに対応する経験が有する規定集の識別子を用いて、規定集を取得する。また、ステップS403で受け付けられたルールブック特定情報がキーワードである場合、規定集取得部112は、当該キーワードを用いて、規定集取得部112を検索し、キーワードを含む1以上の規定集を取得しても良い。
(ステップS419)出力部120は、経験、ルールブック、規定集のうちの1以上の種類の情報を出力する処理を行う。かかる処理を複数種類情報出力処理という。複数種類情報出力処理について、図6のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS420)経験取得部109は、カウントiを1、インクリメントする。ステップS416に戻る。
(ステップS421)受付部107は、再利用指示を受け付けたか否かを判断する。再利用指示を受け付ければステップS422に行き、再利用指示を受け付けなければステップS428に行く。
(ステップS422)再利用部114は、再利用指示に含まれる識別子が経験の識別子であるか、ルールブックの識別子であるかを判断する。
(ステップS423)再利用部114は、構造情報格納部105からフェーズ事例構造情報を取得する。
(ステップS424)再利用部114は、再利用指示に含まれる識別子で識別される経験から、フェーズ事例構造情報が示す再利用する項目のタイトルと情報(内容)、および再利用しない項目のタイトルを取得する。なお、ここで取得された情報は、不十分であるが経験である。不十分とは、再利用しない項目の情報(内容)を有しないことである。
(ステップS425)再利用部114は、ステップS424で取得した経験を出力する。なお、この経験には、ユニークな識別子が付与される。
(ステップS426)カウント部115は、再利用指示に含まれる識別子で識別される経験の再利用回数をインクリメントする。ステップS401に戻る。
(ステップS427)再利用部114は、再利用指示に含まれる識別子で識別されるルールブックを取得する。そして、再利用部114は、フェーズ事例構造情報に従って経験の雛形を構成し、フェーズルール構造情報が示す再利用する項目の内容(情報)を、前記雛形の対応する項目に複写し、経験を構成する。そして、出力部120は、当該経験を端末装置2に送信する。ステップS401に戻る。
(ステップS428)受付部107は、質問を受け付けたか否かを判断する。質問を受け付ければステップS429に行き、質問を受け付けなければステップS432に行く。なお、ここで、通常、受付部107は、質問とともに、フェーズ事例の識別子または経験の識別子も受け付ける。
(ステップS429)送信部117は、ステップS428で受け付けられた質問に対応するフェーズ事例または経験が有する1以上の連絡先情報を取得する。
(ステップS430)送信部117は、ステップS429で取得した1以上の連絡先情報が示す連絡先に、ステップS428で受け付けられた質問を送信する。なお、質問に対応する回答について、ユーザはどのような手段により受け付けても良い。例えば、連絡先情報で特定される人から、電子メールや電話等により、回答が受け付けられる。
(ステップS431)受付部107は、ステップS428で受け付けた質問を図示しないバッファ(例えば、ワークボード104)に一時蓄積する。ステップS401に戻る。
(ステップS432)受付部107は、承認情報を受け付けたか否かを判断する。承認情報を受け付ければステップS433に行き、承認情報を受け付けなければステップS401に戻る。なお、承認情報は、例えば、ルールブックの識別子を有する。
(ステップS433)ルールブック更新部119は、承認情報に対応するルールブックをバッファから読み出し、ルールブック格納部102に上書きする。ステップS401に戻る。
なお、図4、図5のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
次に、ステップS409の複数種類情報出力処理について、図6のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS601)出力部120は、取得されている(読み出されている)経験が存在するか否かを判断する。経験が存在すればステップS602に行き、経験が存在しなければステップS614に行く。
(ステップS602)出力部120は、取得されている(読み出されている)ルールブックが存在するか否かを判断する。ルールブックが存在すればステップS603に行き、ルールブックが存在しなければステップS613に行く。
(ステップS603)出力部120は、経験が有するフェーズ事例のカレントと、ルールブックが有するフェーズルールのカレントを設定する。カレントの初期値は、1番目のフェーズ事例、および1番目のフェーズルールである。また、カレントとは、着目するフェーズ事例またはフェーズルールを示す情報である。
(ステップS604)出力部120は、カレントのフェーズ事例と、カレントのフェーズルールとが対応するか否か(同一のフェーズの情報であるか否か)を判断する。対応する場合はステップS605に行き、対応しない場合はステップS608に行く。なお、対応しない場合は、経験が有するフェーズ事例の削除、または追加が行われている場合である。
(ステップS605)出力部120は、カレントのフェーズ事例と、カレントのフェーズルールとを対応付けて出力する。なお、対応付けての出力とは、縦または横に隣接して、並べて出力することでも良いし、同じ文字色や同じ背景色で出力すること等でも良い。対応付けての出力は、対応付いていることが分かる態様での出力を言う。
(ステップS606)出力部120は、フェーズ事例のカレントと、フェーズルールのカレントを一つ進める。
(ステップS607)出力部120は、カレントのフェーズ事例またはカレントのフェーズルールが存在するか否かを判断する。どちらか一方でも存在すればステップS604に戻り、両方存在しなければステップS616に行く。
(ステップS608)出力部120は、カレントのフェーズルールに対応しないフェーズ事例が存在するか否かを判断する。対応しないフェーズ事例が存在する場合はステップS609に行き、存在しない場合はステップS611に行く。なお、対応しないフェーズ事例が存在する場合は、フェーズ事例の追加があった場合である。また、対応しないフェーズ事例が存在しない場合は、フェーズ事例の削除があった場合である。
(ステップS609)出力部120は、カレントのフェーズ事例を出力する。ここで、出力部120は、このフェーズ事例を、他のフェーズ事例と視覚的に区別して出力することは好適である。
(ステップS610)出力部120は、フェーズ事例のカレントを一つ進める。ステップS607に行く。
(ステップS611)出力部120は、カレントのフェーズルールを出力する。ここで、出力部120は、このフェーズルールを、他のフェーズルールと視覚的に区別して出力することは好適である。
(ステップS612)出力部120は、フェーズルールのカレントを一つ進める。ステップS607に行く。
(ステップS613)出力部120は、経験を出力する。ステップS616に行く。
(ステップS614)出力部120は、取得されている(読み出されている)ルールブックが存在するか否かを判断する。ルールブックが存在すればステップS615に行き、ルールブックが存在しなければステップS616に行く。
(ステップS615)出力部120は、ルールブックを出力する。
(ステップS616)出力部120は、規定集を出力する。なお、取得されている(読み出されている)規定集が存在しない場合、本ステップで規定集は出力されない。上位処理にリターンする。
次に、ステップS412の編集処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS701)経験編集部110は、編集指示がフェーズ事例を追加する指示であるか否かを判断する。フェーズ事例を追加する指示である場合はステップS702に行き、フェーズ事例を追加する指示でない場合はステップS704に行く。
(ステップS702)経験編集部110は、編集指示に含まれるフェーズ事例を蓄積する。なお、フェーズ事例は、着目する経験に対して追加される。また、経験編集部110は、編集指示に従う順序の位置に編集指示に含まれるフェーズ事例を追加する。
(ステップS703)経験編集部110は、着目する経験に含まれる他のフェーズ事例であり、順番を示す順番情報を修正する必要がある他のフェーズ事例の順番情報を修正する。上位処理にリターンする。
(ステップS704)経験編集部110は、編集指示がフェーズ事例を削除する指示であるか否かを判断する。フェーズ事例を削除する指示である場合はステップS705に行き、フェーズ事例を削除する指示でない場合はステップS707に行く。
(ステップS705)経験編集部110は、編集指示に従って、編集指示に含まれるフェーズ事例の識別子に対応するフェーズ事例を、着目する経験から削除する。
(ステップS706)経験編集部110は、ステップS705におけるフェーズ事例の削除に伴って、着目する経験に含まれる他のフェーズ事例の順番情報であり、修正する必要がある他のフェーズ事例の順番情報を修正する。上位処理にリターンする。
(ステップS707)経験編集部110は、編集指示がフェーズ事例の内容等の編集を行う指示であるか否かを判断する。フェーズ事例の編集を行う指示である場合はステップS708に行き、フェーズ事例の編集を行う指示でない場合はステップS709に行く。
(ステップS708)経験編集部110は、編集指示に従って、着目するフェーズ事例を修正する。上位処理にリターンする。
(ステップS709)経験編集部110は、編集指示がルールブックの編集を行う指示であるか否かを判断する。ルールブックの編集を行う指示である場合はステップS710に行き、ルールブックの編集を行う指示でない場合は上位処理にリターンする。
(ステップS710)ルールブック修正送信部118は、ルールブックに対応する管理者連絡先情報を、管理者連絡先情報格納部106から取得する。なお、すべてのルールブックに対応する管理者連絡先情報が同一である場合、ルールブック修正送信部118は、当該管理者連絡先情報を取得する。
(ステップS711)経験編集部110は、編集指示に含まれる修正内容等を、管理者連絡先情報で特定される管理者に送信する。上位処理にリターンする。
以下、本実施の形態における作業遂行支援システムの具体的な動作について説明する。作業遂行支援システムの機能概要を説明する概念図を図8に示す。図8において、作業遂行支援装置1は、ルールブックや経験をテンプレートとして、ワークボード104に呼び出し、ユーザの作業の進捗に応じて、経験を作成していく。また、作業遂行支援装置1は、ユーザの指示に応じてフェーズ(フェーズルールまたはフェーズ事例)の追加/変更/削除を行う。ただし、ルールブックが有するフェーズルールに含まれる必須フラグがON(例えば、「1」)である場合、当該フェーズルールは削除できない。また、経験が有するフェーズ事例に含まれる必須フラグがON(例えば、「1」)である場合、当該フェーズ事例は削除できない。
また、ここでは、ルールブック格納部102のルールブックは承認された作業手順(業務フローと同意義である。)および作業内容を示す情報(業務記述書の情報と同意義である。)であり、経験格納部103の経験は承認されていない作業手順および作業結果を示す情報である。なお、作業結果を示す情報は、作業内容を示す情報をそのまま含んでも良い。つまり、一のフェーズに対応するフェーズ事例は、当該フェーズ事例に対応する(当該一のフェーズの)フェーズルールをそのまま含んでも良い。
(具体例1)
具体例1では、ユーザが作業遂行支援システムを用いて、ルールブックを利用して、経験を作成する処理について説明する。
ここで、ユーザは、ある企業の営業部門に属している、とする。また、規定集格納部101には、決済規定、役職規定、組織規定等の規定集が格納されている、とする。また、ここでの規定集は、文書を含むファイルである、とする。
また、ルールブック格納部102は、図9に示すルールブック管理表を格納している。本ルールブック管理表が示すルールブックは、自社の商品をお客様に販売するための販売ルールブックである。つまり、本ルールブックの識別子は、「販売ルールブック」であり、図9のルールブックは、図示しない記憶領域にルールブックの識別子「販売ルールブック」を格納している、とする。なお、図9に示すルールブック管理表は、一の図9に示すルールブックである。
また、ルールブック管理表の各レコードは、フェーズルールである。また、フェーズルールは、「No.」「業務名称」「業務内容」「入力項目」「出力項目」「必須フラグ」「承認フラグ」の属性値を有する。「No.」は、フェーズルールの作業順序を示す情報であり、「No.」の値が小さいほど、先に行う作業であることを示す。つまり、「No.」は、フェーズルール間の順序情報である。「業務名称」は、フェーズルールに対応するフェーズの業務の名称を示す。「業務名称」は、タイトルと言っても良い。また、「業務内容」は、フェーズルールに対応するフェーズの業務の内容を示す。「入力項目」は、フェーズルールに対応するフェーズの作業に利用する情報を示す。「出力項目」は、フェーズルールに対応するフェーズの作業が完了した場合の成果物を示す。「必須フラグ」は、フェーズルールに対応するフェーズが必須であるか否かを示す。「必須フラグ」が「1」のフェーズは必須であり、「0」のフェーズは必須でないことを示す。さらに、「承認フラグ」は、当該フェーズの業務を完了するために、管理者の承認が必要であるか否かを示すフラグである。「承認フラグ」が「1」のフェーズは承認が必要であり、「0」のフェーズは承認が必要でないことを示す。
図9において、「No.=「1」」のフェーズルールに対応するフェーズの業務の名称は「課題ヒアリング」であり、業務の内容は「課題を解決するための有効な製品と製品の組み合わせを選択するためにお客様が持つ課題をヒアリングする。」であり、入力項目は「お客様の課題」であり、出力項目は「ヒアリングシート」である。なお、「ヒアリングシート」に対応するヒアリングシートの実体を示すファイルは、別途、ルールブック格納部102に格納されている、とする。
また、ルールブック格納部102に格納されているフェーズルール間の順序情報は図10に示すような順序情報でも良い。つまり、フェーズルール間の順序情報は、ユーザが属する営業部門の業務フローだけではなく、他の部門等(お客様、および業務部門)の業務フローを有しても良い。また、業務フローを構成する単位の情報(業務単位情報と言う。)は、ここでは、作業者識別子(お客様、営業部門、または業務部門)、業務名称(課題ヒヤリング、発注、与信調査など)、順序情報、承認フラグを有する。
順序情報は、業務間の順序を示す情報であり、例えば、次の業務名称または次の業務単位情報の識別子を有する。なお、順序情報は、図10において、上から下に伸びる線で示されている。
また、図10において、承認フラグがON(例えば、「1」)である場合、その業務の業務名称は白抜きの文字列(黒の背景色)で示されている。
また、現在、経験格納部103には、経験が格納されていない、とする。ただし、経験格納部103は、「No.」「業務名称」「業務内容」「入力項目」「出力項目」「事例」「必須フラグ」「承認フラグ」を有するレコード(フェーズ事例)を2以上有する1以上の経験管理表を格納し得る。なお、経験管理表は、経験である。また、「事例」とは、各フェーズの作業内容を示す情報であり、ユーザが入力した情報である。
また、構造情報格納部105には、図11に示すフェーズ事例構造情報管理表を格納している。フェーズ事例構造情報管理表は、「項目」「再利用フラグ」「編集フラグ」を有するレコードを1以上格納している。「項目」は、フェーズ事例を構成する項目(業務名称)を示す。「再利用フラグ」は、フェーズ事例を再利用して経験を作成する場合に、内容(情報)を再利用する項目であるか否かを示すフラグであり、内容を再利用する項目である場合は「1(再利用する)」、内容を再利用しない項目である場合は「0(再利用しない)」の値を採る。「編集フラグ」は、再利用した内容(情報)が編集可能であるか否かを示すフラグであり、編集可能である場合は「1」、編集可能でない場合は「0」の値を採る。
また、構造情報格納部105には、図12に示すフェーズルール構造情報管理表を格納している。フェーズルール構造情報管理表もフェーズ事例構造情報管理表と同様の構造である。
さらに、管理者連絡先情報格納部106には、管理者のメールアドレス「admin@xxx.co.jp」が格納されている、とする。
かかる状況において、ユーザは、自分の端末装置2に、ルールブック特定情報(例えば、ルールブックの識別子「販売ルールブック」)を含むルールブックの再利用指示を入力した、とする。そして、端末装置2の端末受付部21はルールブック特定情報を受け付け、端末送信部22は当該ルールブック特定情報を作業遂行支援装置1に送信する。なお、ユーザがルールブックの再利用指示を入力する前に、端末装置2に、1以上のルールブックを表示して、ユーザがルールブックを閲覧していることは好適である。
次に、作業遂行支援装置1の受付部107は、ルールブック特定情報「販売ルールブック」を含む再利用指示を受信する。
そして、再利用部114は、再利用指示に含まれる識別子「販売ルールブック」で識別されるルールブック(図9)を取得する。そして、再利用部114は、フェーズ事例構造情報(図11)に従って経験の雛形を構成し、フェーズルール構造情報(図12)が示す再利用する項目(「業務名称」「業務内容」「入力項目」「出力項目」「必須フラグ」「承認フラグ」)の内容(情報)を、前記雛形の対応する項目に複写し、経験を構成する。そして、出力部120は、当該経験を端末装置2に送信する。
次に、端末装置2の端末受信部23は、作業遂行支援装置1から、ルールブックに基づいて構成された経験を受信し、端末出力部24は当該経験をディスプレイに表示する。かかるルールブックに基づいて構成された経験の表示例は、図13である。
次に、ユーザは、項目「事例」の内容を入力しようとする。ここで、ユーザは、項目「事例」の内容として「追加ヒアリング項目 ・****** ・******」を入力した、とする。また、フェーズ「課題ヒアリング」の終了後であり、フェーズ「製品説明」の開始後に、同様に、ユーザはフェーズ事例「製品説明」の項目「事例」の内容として「競合製品を検討していることが判明。 ・競合製品情報収集 ・顧客課題の明確化 ・顧客課題の視点で製品優位性を明確化 ・SEレビューを実施 ・再度製品説明会のアポを取る ・説明会実施」を入力した、とする。さらに、ユーザは、次々に作業を進め、各フェーズ事例の項目「事例」の内容を入力した、とする。
そして、5番目のフェーズ「提案書合意」の際に、フェーズ事例「提案書合意」の項目「事例」の内容として「宿題 ・提案の実現性に不安があるため、製品試使用を進める。」を入力した、とする。つまり、「提案書合意」が概ね完了したが、お客様から、製品を試用したい旨の提示があり、5番目のフェーズ「提案書合意」の次に、フェーズ「製品試使用」を挿入する、とする。
つまり、ユーザは、5番目のフェーズ「提案書合意」の次に、フェーズ事例追加の編集指示を入力した、とする。この編集指示は、フェーズ事例追加を示す命令、追加するフェーズ事例の位置を示す情報、フェーズ事例を構成する情報を有する。ここで、追加するフェーズ事例の位置を示す情報は、例えば、直前のフェーズ事例のNo.「5」である。なお、追加するフェーズ事例の位置を示す情報は、例えば、直前のフェーズ事例の業務名称「提案書合意」等、追加するフェーズ事例の位置が分かる情報であれば何でも良い。また、フェーズ事例を構成する情報は、例えば、「業務名称=製品試使用」「事例=「試使用の評価指標を提示する ・***** ・*****」」を有する情報であった、とする。
次に、端末装置2の端末受付部21は、フェーズ事例追加の編集指示を受け付ける。そして、端末送信部22は、フェーズ事例追加の編集指示を作業遂行支援装置1に送信する。
次に、作業遂行支援装置1の受付部107は、フェーズ事例追加の編集指示を受信する。そして、経験編集部110は、フェーズ事例追加の編集指示に含まれるフェーズ事例を蓄積する。そして、経験編集部110は、例えば、図14に示す経験管理表を得る。なお、図14において、経験管理表の各レコードは、フェーズ事例である。
そして、出力部120は、図14に示す経験管理表(当該経験)を端末装置2に送信する。また、図14において、本経験管理表が示す経験に対応するルールブックが有するフェーズルールに対応しないフェーズ事例(ここでは「製品試使用」)は、他のフェーズ事例(フェーズルールに対応するフェーズ事例)とは視覚的に異なる態様で出力される。つまり、出力部120は、業務名称「製品試使用」のレコードを他と視覚的に異なる態様で表示されるように、他のレコードと区別する情報を付与して、経験管理表(経験)を端末装置2に送信する。
次に、端末装置2の端末受信部23は、図14に示す経験管理表を受信する。そして、端末出力部24は、図15に示すように、経験を出力する。図15において、業務名称「製品試使用」に対応する画面(図15では、左側のタグ)は、他の業務名称に対応する画面とは、視覚的に異なる態様で表示されている。ここでは、例えば、業務名称「製品試使用」に対応する画面の背景色が、他の業務名称に対応する画面の背景色とは異なる。
(具体例2)
具体例2において、経験特定情報を入力して、出力された1以上の経験から、ユーザが一の経験を再利用対象として指定し、ユーザが当該経験を再利用して、新しい経験を作成する処理について説明する。
まず、ユーザが経験特定情報(例えば、経験の識別子)を有する再利用指示を端末装置2に入力した、とする。そして、端末装置2の端末受付部21は再利用指示を受け付け、端末送信部22は再利用指示を作業遂行支援装置1に送信する。
次に、再利用部114は、構造情報格納部105からフェーズ事例の構造情報を取得する。
次に、再利用部114は、再利用指示に含まれる識別子で識別される経験(ここでは、図14の経験)を、経験格納部103から読み出す。そして、再利用部114は、当該経験から、フェーズ事例構造情報が示す再利用する項目のタイトルと情報(内容)、および再利用しない項目のタイトルを取得する。なお、再利用部114は、「業務名称」「業務内容」「入力項目」「出力項目」のタイトルの内容を取得し、かつ「事例」のタイトルのみ取得する。なお、タイトルは、ここでは属性名(項目名)である。
次に、再利用部114は、取得した経験を、端末装置2に送信する。次に、カウント部115は、再利用指示に含まれる識別子で識別される経験の再利用回数を1、インクリメントする。
次に、端末装置2の端末受信部23は経験を受信し、端末出力部24は当該経験を表示する。
次に、ユーザは、表示されている経験が有するフェーズ事例の項目「事例」の内容を入力していく。そして、ユーザは、項目「事例」の内容を含む編集指示を、端末装置2に入力する。
すると、端末装置2の端末受付部21は、当該編集指示を受け付ける。そして、端末送信部22は、当該編集指示が有する項目「事例」の内容を含む新しい経験を作業遂行支援装置1に送信する。
次に、作業遂行支援装置1の受付部107は、新しい経験を受信する。そして、経験蓄積部108は、受信された新しい経験を、経験格納部103に蓄積する。なお、この新しい経験に対応するルールブックは、図14の経験に対応するルールブックと同じであり、図9のルールブックである。
(具体例3)
具体例3では、ルールブック特定情報を入力して、ルールブックと、対応する経験と、対応する規定集を出力する処理について説明する。
まず、ユーザがルールブック特定情報(例えば、キーワード「製品説明」)を端末装置2に入力した、とする。そして、端末装置2の端末受付部21は本ルールブック特定情報を受け付け、端末送信部22は本ルールブック特定情報を作業遂行支援装置1に送信する。
次に、作業遂行支援装置1の受付部107は、キーワード「製品説明」を有するルールブック特定情報を受信する。
そして、ルールブック取得部111は、ルールブック特定情報「製品説明」を用いて、ルールブック格納部102をキーワード検索し、図9のルールブックをルールブック格納部102から取得する。
次に、経験取得部109は、図9のルールブックに対応する1以上の経験(ここでは、図14の経験管理表、および他の経験とする)を経験格納部103から取得する。
次に、規定集取得部112は、キーワード「製品説明」を用いて、規定集格納部101を検索し、規定集を取得する。ここで、規定集取得部112は、決済規定を取得した、とする。なお、決済規定には、キーワード「製品説明」が含まれていた、とする。
次に、出力部120は、経験、ルールブック、および規定集を出力する態様に構成する。なお、この出力する態様への情報の構成を出力する処理である、と考えても良い。そして、出力部120は、構成した情報を、端末装置2に送信する。なお、経験、ルールブック、および規定集を有し、出力する態様の情報は、以下の要件を満たす。つまり、経験とルールブックと規定集とは、対応が分かる態様で出力される。また、経験が有するフェーズ事例の中で、対応するフェーズルールが存在しないフェーズ事例と、対応するフェーズルールが存在するフェーズ事例とは、視覚的に区別できる態様で出力される。また、ルールブックが有するフェーズルールの中で、対応するフェーズ事例が存在しないフェーズルールと、対応するフェーズ事例が存在するフェーズルールとは、視覚的に区別できる態様で出力される。
次に、端末装置2の端末受信部23は情報を受信し、端末出力部24は経験、ルールブック、および規定集を、図16のように表示する。図16において、ルールブックを表示している。また、図16において、カレントのフェーズルールは、業務名称「課題ヒアリング」である。また、図16において、ヒアリングシートはハイパーテキストとなっており、ヒアリングシートの実体であるファイルにリンクされている。ヒアリングシートの実体のファイルは、ルールブック格納部102に格納されている、とする。なお、図16において、ルールブックに存在しないフェーズ「製品試使用」のタブは、他のフェーズルール(ここでは、タブ)とは、視覚的に区別できる態様で出力されている。ルールブックに存在しないフェーズ「製品試使用」のタブは、例えば、グレーアウトされており、ユーザにとって存在は把握できるが、選択できない。
また、例えば、ユーザが「経験」のタブを指示する(選択する)と、図16のルールブックに対応する経験が、図17に示すよう表示される。図17において、対応するフェーズルールが存在しないフェーズ事例「製品試使用」は、他のフェーズ事例とは、視覚的に区別できる態様で出力されている。
(具体例4)
具体例4では、ユーザが経験特定情報を入力し、当該経験特定情報で特定される経験と、ルールブックと、規定集とを同時に出力する処理について説明する。
ユーザは、図14の経験を特定する経験特定情報を端末装置2に入力した、とする。端末装置2の端末受付部21は経験特定情報を受け付け、端末送信部22は作業遂行支援装置1に経験特定情報を送信する。
次に、作業遂行支援装置1の受付部107は、経験特定情報を受信する。そして、経験取得部109は、受信された経験特定情報を用いて、1以上の経験(ここでは、図14の経験)を取得する。
次に、ルールブック取得部111は、図14の経験に対応する図9のルールブックを、ルールブック格納部102から取得する。
次に、規定集取得部112は、図14の経験に対応する規定集を規定集格納部101から取得する。
次に、出力部120は、経験、ルールブック、規定集のうちの1以上の種類の情報を出力する処理を行う。なお、かかる出力態様は、具体例3、図16、図17等で説明した出力態様と同様であるので、詳細な説明は省略する。なお、図17では、一の画面で、3つのタブを用いて、経験、ルールブック、規定集を出力した。しかし、他の出力態様で、経験、ルールブック、および規定集の対応を示しても良いことは言うまでもない。
以上、本実施の形態によれば、ルールブックと経験、またはルールブックと経験と規定集を対応付けて出力できる。その結果、ルールに基づいた作業を容易に遂行できる。
また、本実施の形態によれば、経験が有するフェーズの追加、削除を柔軟に行え、ルールブックと合致しないフェーズ(追加、または削除されたフェーズ)を容易に把握できる。その結果、適切な経験を有効に利用できる。
また、本実施の形態によれば、過去の経験を利用しながら、ルールに基づいた新たな作業を容易に遂行できる。
また、本実施の形態によれば、過去の経験者に対して、適切に、かつ容易に質問できる。
また、本実施の形態によれば、過去の作業経験の利用度合いを容易に知ることができる。その結果、有効な過去の経験を容易に利用できる。
また、本実施の形態によれば、多くの人に利用されている過去の作業経験の作成者に適切に報償できる。
また、本実施の形態によれば、ルールブックを適切に用いて、経験を容易に作成できる。
なお、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD−ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態における作業遂行支援装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータがアクセス可能な記録媒体に、2以上のフェーズから構成される作業のルールに関する情報であり、各フェーズにおける作業のルールを示す2以上のフェーズルールを有する1以上のルールブックを格納し得るルールブック格納部と、フェーズの作業遂行の結果に関する情報であり、当該作業遂行の結果である成果物を含む情報であり、フェーズを識別するフェーズ識別子を有する情報である2以上のフェーズ事例を含む1以上の経験を格納し得る経験格納部とを具備し、前記コンピュータを、経験、および経験を特定する情報である経験特定情報を受け付ける受付部と、前記受付部が経験を受け付けた場合に、当該経験を前記経験格納部に蓄積する経験蓄積部と、前記受付部が経験特定情報を受け付けた場合に、当該経験特定情報を用いて、前記経験格納部の1以上の経験を取得する経験取得部と、前記経験取得部が取得した1以上の各経験に対応する1以上のルールブックを、前記ルールブック格納部から取得するルール取得部と、前記経験取得部が取得した1以上の各経験と、前記ルール取得部が取得した1以上のルールブックとを、対応が分かる態様で出力する出力部として機能させるためのプログラム、である。
また、上記プログラムにおいて、前記受付部は、前記経験取得部が取得した経験に対して、フェーズ事例を追加、または削除する指示である編集指示を受け付け、前記経験に対する編集指示に従って、前記経験にフェーズ事例を追加、または削除する経験編集部として、コンピュータをさらに機能させるプログラムであることは好適である。
また、上記プログラムにおいて、前記受付部は、ルールブックを特定するルールブック特定情報を受け付け、前記経験取得部は、前記受付部が受け付けたルールブック特定情報で特定されるルールブックに対応する1以上の経験を前記経験格納部から取得し、前記出力部は、前記受付部が受け付けたルールブック特定情報で特定されるルールブックと共に、前記経験取得部が取得した1以上の経験を、ルールブックと経験との対応が分かる態様で出力するとして、コンピュータを機能させるプログラムであることは好適である。
また、上記プログラムにおいて、記憶媒体は、作業を遂行する場合に遵守する必要がある1以上の規定の集合である1以上の規定集を格納し得る規定集格納部をさらに具備し、前記受付部は、経験特定情報またはルールブック特定情報を受け付け、前記受付部が受け付けた経験特定情報またはルール特定情報に対応する規定を前記規定集格納部から取得する規定集取得部として、コンピュータをさらに機能させ、前記出力部は、前記受付部が受け付けた経験特定情報で特定される経験、またはルールブック特定情報で特定されるルールブックと共に、前記規定取得部が取得した1以上の規定集を、経験またはルールブックとの対応が分かる態様で出力するものとして、コンピュータを機能させるプログラムであることは好適である。
また、上記プログラムにおいて、記憶媒体は、一時的に経験を格納し得る記憶領域であるワークボードをさらに具備し、前記経験取得部は、取得した経験を、ワークボードに蓄積し、前記受付部は、前記ワークボードに格納されている経験に対する編集指示を受け付け、前記経験編集部は、前記編集指示に従って、前記ワークボードに格納されている経験を編集するものとして、コンピュータを機能させるプログラムであることは好適である。
また、上記プログラムにおいて、記憶媒体は、2以上の各項目に対する2以上の情報を有する前記フェーズ事例に対して、再利用する項目と、再利用しない項目とを区別可能であり、フェーズ事例の構造を示す情報であるフェーズ事例構造情報を格納している構造情報格納部をさらに具備し、前記受付部は、再利用する経験を特定する経験特定情報、およびを経験に対する編集指示を受け付け、前記受付部が受け付けた経験特定情報に対応する経験に含まれる1以上のフェーズ事例のうちの再利用する項目の情報を有し、再利用しない項目の情報を有しない1以上のフェーズ事例を有する経験を取得する再利用部として、コンピュータをさらに機能させ、前記経験編集部は、前記再利用部が取得した経験に対して、前記受付部が受け付けた編集指示に従って、前記経験を編集するものとして、コンピュータを機能させるプログラムであることは好適である。
また、上記プログラムにおいて、再利用された回数を経験ごとにカウントし、当該回数を経験ごとに保持するカウント部として、コンピュータをさらに機能させ、前記出力部は、経験を出力する場合に、前記カウント部が保持している回数を視覚的に認識可能に、経験を出力するものとして、コンピュータを機能させるプログラムであることは好適である。
また、上記プログラムにおいて、前記経験は、担当者を識別する担当者識別子を有し、前記経験に対応する再利用の回数を用いて、前記経験が有する担当者識別子で識別される担当者の報酬を決定する報酬決定部として、コンピュータをさらに機能させ、前記出力部は、前記報酬決定部が決定した報酬を出力するものとして、コンピュータを機能させるプログラムであることは好適である。
また、上記プログラムにおいて、前記構造情報格納部は、フェーズ事例の構造を示す情報であるフェーズ事例構造情報と、フェーズルールの構造を示す情報であり、2以上の各項目に対する2以上の情報を有するフェーズルールに対して、再利用する項目と、再利用しない項目とを区別可能な情報を有するフェーズルール構造情報とを格納しており、前記受付部は、利用するルールを特定するルール特定情報を有する再利用指示を受け付け、前記再利用部は、前記フェーズ事例構造情報に従って経験の雛形を構成し、前記フェーズルール構造情報が示す再利用する項目の内容を、前記雛形の対応する項目に複写し、経験を取得するものとして、コンピュータを機能させるプログラムであることは好適である。
また、上記プログラムにおいて、前記経験格納部は、経験またはフェーズ事例に対応付けて、作業を担当した担当者の連絡先に関する連絡先情報を格納しており、前記受付部は、一の作業に対する質問を受け付け、前記受付部が受け付けた質問を、前記一の作業に対する経験またはフェーズ事例に対応付けられている連絡先情報を用いて、前記一の作業を担当した担当者に前記質問を送信する送信部として、コンピュータをさらに機能させるプログラムであることは好適である。
また、上記プログラムにおいて、前記フェーズ事例は、作業の完了の期限に関する情報である期限情報を有し、現在の日付に関する情報である現在情報を取得し、当該現在情報と前記フェーズ事例に対応する期限情報とを、期限が近い度合いを示す期限切迫度を取得する期限切迫度取得部として、コンピュータをさらに機能させ、前記出力部は、経験を出力する場合に、当該経験に含まれる2以上の各フェーズ事例の時間的な順序と、期限切迫度とが、視覚的に認識できる態様で、前記2以上のフェーズ事例を出力するものとして、コンピュータを機能させるプログラムであることは好適である。
また、上記プログラムにおいて、記憶媒体は、ルールブックの修正を承認できる管理者への連絡先を示す管理者連絡先情報を格納し得る管理者連絡先情報格納部をさらに具備し、前記受付部は、前記ルールブックの修正内容を含む編集指示と、ルールブックの修正を承認できる管理者から、前記ルールブックの修正を承認する旨の情報である承認情報とを受け付け、前記受付部が編集指示を受け付けた場合に、当該編集指示に含まれる修正内容を、前記管理者連絡先情報が示す連絡先に送信するルールブック修正送信部と、前記受付部が前記管理者から前記承認情報を受け付けた場合に、前記ルールブックを修正内容に更新するルールブック更新部として、コンピュータをさらに機能させるプログラムであることは好適である。
また、図18は、本明細書で述べたプログラムを実行して、上述した種々の実施の形態の作業遂行支援装置を実現するコンピュータの外観を示す。上述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現され得る。図18は、このコンピュータシステム300の概観図であり、図19は、システム300のブロック図である。
図18において、コンピュータシステム300は、CD−ROMドライブを含むコンピュータ301と、キーボード302と、マウス303と、モニタ304とを含む。
図19において、コンピュータ301は、CD−ROMドライブ3012に加えて、MPU3013と、MPU3013、CD−ROMドライブ3012に接続されたバス3014と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM3015と、MPU3013に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM3016と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのハードディスク3017とを含む。ここでは、図示しないが、コンピュータ301は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを含んでも良い。
コンピュータシステム300に、上述した実施の形態の作業遂行支援装置の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM3101に記憶されて、CD−ROMドライブ3012に挿入され、さらにハードディスク3017に転送されても良い。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ301に送信され、ハードディスク3017に記憶されても良い。プログラムは実行の際にRAM3016にロードされる。プログラムは、CD−ROM3101またはネットワークから直接、ロードされても良い。
プログラムは、コンピュータ301に、上述した実施の形態の作業遂行支援装置の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくても良い。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいれば良い。コンピュータシステム300がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信する送信ステップや、情報を受信する受信ステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段(端末情報送信部、端末情報受信部など)は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
また、上記各実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。