JP5918059B2 - 透析用剤および透析用剤の製造方法 - Google Patents

透析用剤および透析用剤の製造方法 Download PDF

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本発明は、透析用剤およびその製造方法に関する。
透析用剤は、透析液を作製するための薬剤である。透析液は、血液透析、血液濾過、腹膜透析などにより、本来腎臓が行う機能に代わって体液の老廃物を取り去り、場合によっては血液中に必要な成分を補うために用いられるもので、体液に近い電解質組成を有する水溶液である。透析液としては、アルカリ化成分として炭酸水素ナトリウム(重炭酸ナトリウム)を用いる透析液が生理的に好ましく、主流となっている。このような透析液を得るための透析用剤は、通常、炭酸水素ナトリウムの他に、糖質成分としてブドウ糖と、電解質成分として塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等と、pH調整成分として有機酸、有機酸塩等とを含む。透析用剤は、従来液剤であったが、容積と重量が大きく、貯留、運搬や使用時の取扱に不便をきたすという問題があったので、近年では粉末剤に移行してきている。
透析用剤の製造において、潮解性の高い微量成分(例えば、主成分の塩化ナトリウムに対して1〜3.5重量%程度)である塩化マグネシウムを1製品当たりで秤量するとすれば、その秤量誤差は0.数g程度(例えば、0.3g〜1.0g程度)の精度が求められ、潮解性が高く、流動性の悪い塩化マグネシウムを1製品当たりで精度よく秤量するのは困難であった。
そこで、例えば、1製造バッチ当たりという大きな単位で潮解性が高く、流動性の悪い塩化マグネシウムを秤量し、含量の均一性を保った水溶液状または顆粒状のA剤(内容成分は、通常、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、ブドウ糖、有機酸および有機酸塩等)を製造して、微量成分である塩化マグネシウムを所定の濃度に保つ方法が取られている。顆粒状のA剤の造粒方法として、主に乾式造粒法、押出造粒法、転動撹拌流動層造粒法、撹拌造粒法等の造粒方法が行われている。
乾式造粒法は、乾式造粒装置内で塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムおよび酢酸ナトリウム等の有機酸塩の各電解質化合物を混合、圧縮、粉砕し造粒してA剤を得る造粒方法である。
押出造粒法は、塩化ナトリウム粉末に塩化ナトリウム以外の各電解質水溶液を加えて練合し、得られた造粒物を押出造粒装置のスクリーン面に押しつけ、成形造粒してA剤を得る造粒方法である。
転動撹拌流動層造粒法は、塩化ナトリウムを転動撹拌流動層造粒装置内で転動および流動させ、この転動流動中の塩化ナトリウムに塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、酢酸ナトリウム等の有機酸塩の混合物水溶液を噴霧することにより、転動撹拌流動層造粒装置内で転動流動中の塩化ナトリウム粒子の表面を塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、酢酸ナトリウム等の有機酸塩を含有する混合物の微粒子によって略均一に覆ってA剤を得る造粒方法である。
撹拌造粒法は、撹拌造粒装置中の塩化ナトリウムに塩化カリウム、塩化カルシウムおよび塩化マグネシウムの懸濁液を入れ撹拌混合し、得られた混合物に酢酸ナトリウム等の有機酸塩を混合し、乾燥してA剤を得る造粒方法である。
しかし、顆粒剤に成形することにより、単位操作が複雑になり生産性が低下し、単位操作が増えることにより異物の混入の可能性が増大するという問題点がある。また、顆粒剤に成形することにより、品種切換(各成分の濃度変更)による品種ごとの製造条件の確立が必要になる。また、品種切換(各成分の濃度変更)時に生産設備に残る原料を除去しなければならず、製品ロスおよび、時間ロスが生じ、生産性が低下するという問題点がある。また、顆粒剤に成形することにより、微量成分が微粉となって顆粒から脱落し、または顆粒の粒度分布管理の困難性から、微量成分を所定の濃度に保持するのが困難であるという問題点がある。さらに、顆粒剤に成形することにより、pH調整成分、塩化マグネシウム、塩化カルシウムとブドウ糖との接触面積が大きくなり、保存時等にブドウ糖の分解成分である5−HMF(5−ヒドロキシメチルフルフラール)等の副生物が産生するという問題点がある。
顆粒状の透析用剤の保存性の向上については、様々な検討が行われている。例えば、特許文献1には、重炭酸塩と有機酸の反応を防ぐために、血液透析用電解質、有機酸およびブドウ糖を含有する重炭酸透析用剤において、有機酸およびブドウ糖を含み重炭酸塩を含まない核又は層とブドウ糖及び重炭酸塩を含み有機酸を含まない層がブドウ糖を含み有機酸および重炭酸塩を含まない層を挟んで積層されて一剤化された重炭酸透析用剤が記載されている。
しかし、特許文献1の透析用剤では、上記のような、顆粒剤に成形することにより、単位操作が複雑になり生産性が低下し、単位操作が増えることにより異物の混入の可能性が増大するという問題点、また、品種切換(各成分の濃度変更)による品種ごとの製造条件の確立が必要になるという問題点、さらに、品種切換(各成分の濃度変更)時に生産設備に残る原料を除去しなければならず、製品ロスおよび、時間ロスが生じ、生産性が低下するという問題点、そして、顆粒剤に成形することにより、微量成分が微粉となって顆粒から脱落し、または顆粒の粒度分布管理の困難性から、微量成分を所定の濃度に保持するのが困難であるという問題点については何ら解決されない。
一方、顆粒剤に成形することによる生産性、異物の混入等の問題に対しては、例えば、顆粒剤に成形しない特許文献2および、特許文献3の方法が考えられる。
例えば、特許文献2には、ブトウ糖および炭酸水素ナトリウムを含有する粉末透析剤において、粉末透析剤全体、もしくはブドウ糖、塩化ナトリウムおよび炭酸水素ナトリウムの少なくとも1成分を乾燥することにより、保存時の着色を抑制し、長期にわたって安定に保存可能とすることが記載されている。
また、特許文献3には、重炭酸ナトリウムが塩化カルシウムや塩化マグネシウム等と化学反応し、炭酸塩を析出する等の反応を防止するため、直接接触させると化学反応を起こす物質の間に、化学的に安定している塩化ナトリウム層を緩衝層として用いることにより、1包装にした、透析液の調剤に利用する薬剤が記載されている。
しかし、特許文献2,3の方法では、微量成分として塩化マグネシウムを含む場合、塩化マグネシウムは潮解性が高いために、少量で精度よく秤量して容器に充填することは困難である。また、各成分を個別に秤量することができたとしても薬剤が容器内で固結、凝集して薬剤の迅速な溶解が困難となるという問題もある。
また、特許文献2のように、塩化ナトリウム等の主成分にその1/30〜1/40の非常に微量な塩化カルシウム、塩化マグネシウムおよび塩化カリウム等の粉末を均一に混合するのは製剤上困難である。また、粉末透析剤全体を乾燥させる場合、ブドウ糖が分解させないように乾燥するため、減圧乾燥(例えば、乾燥条件:真空乾燥、25℃、165時間程度)、凍結乾燥(例えば、乾燥条件:予備凍結−45℃、12時間、一次乾燥0℃、72時間、二次乾燥25℃、12時間程度)という大型設備で長時間乾燥する必要があり、生産性が悪く現実的ではない。さらに、上記のような低温度化の乾燥条件では、塩化マグネシウム6水和物および塩化カルシウム2水和物の結晶水分の水分を乾燥させることはできない。そして、透析用剤の主要成分である、ブドウ糖、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウムを乾燥させる場合、微量成分である塩化カルシウム、塩化マグネシウムを乾燥するより、1製剤あたり乾燥処理が必要な成分の重量が多く、生産効率が悪く現実的ではない。
特許文献3では、潮解性が高く、流動性の悪い塩化マグネシウムをどのように容器内に精密充填するのかという問題点を解決していない。また、pH調整剤を含む塩化ナトリウムの層が、ブドウ糖層と接触しているため、ブドウ糖の分解が考慮されていない。さらに、容器内の余剰水分が各成分の結晶に液架橋を形成し、透析剤が固結するという問題点がある。
特開平8−092071号公報 特開2001−340448号公報 特開平8−080345号公報
本発明の目的は、電解質成分として少なくとも塩化マグネシウムを含み、各含有成分が単一の固体成分として容器に充填された透析用剤において、塩化マグネシウムを容器に充填する際の塩化マグネシウムの流動性を改善し、保管段階においては、容器内での薬剤の固結、凝集が抑制され、さらに糖質成分としてブドウ糖を含む場合でもブドウ糖の分解が防止される透析用剤を提供することにある。
また、本発明の目的は、電解質成分として少なくとも塩化マグネシウムを含み、各含有成分が単一の固体成分として容器に充填された透析用剤の製造方法において、塩化マグネシウムを容器に充填する際の塩化マグネシウムの流動性を改善し、保管段階においては、容器内での薬剤の固結、凝集を抑制し、さらに糖質成分としてブドウ糖を含む場合でもブドウ糖の分解を防止することができる透析用剤の製造方法を提供することにある。
本発明は、少なくとも塩化マグネシウムを含む電解質成分を含有する透析用剤であって各含有成分が単一の固体成分として容器に充填されているとともに、前記塩化マグネシウムの単一の固体成分は、25℃における平衡相対湿度が2RH%以下である透析用剤である。
また、前記透析用剤において、糖質成分と、前記電解質成分として塩化ナトリウムと、pH調整成分とをさらに含み、前記糖質成分を含む糖質成分層と、前記pH調整成分および前記塩化マグネシウムを含む塩化マグネシウム含有層との間に緩衝層として前記塩化ナトリウムを含む塩化ナトリウム層が設けられて充填されていることが好ましい。
また、本発明は、少なくとも塩化マグネシウムを含む電解質成分を含有するとともに、各含有成分が単一の固体成分として容器に充填されている透析用剤の製造方法であって、前記塩化マグネシウムの単一の固体成分の25℃における平衡相対湿度を2RH%以下とする乾燥処理工程と、各含有成分を単一の固体成分として容器に充填する充填工程と、を含む透析用剤の製造方法である。
また、前記透析用剤の製造方法において、前記透析用剤が糖質成分と、前記電解質成分として塩化ナトリウムと、pH調整成分とをさらに含み、前記充填工程において、前記糖質成分を含む糖質成分層と、前記pH調整成分および前記塩化マグネシウムを含む塩化マグネシウム含有層との間に緩衝層として前記塩化ナトリウムを含む塩化ナトリウム層を設けて充填することが好ましい。
本発明では、電解質成分として少なくとも塩化マグネシウムを含み、各含有成分が単一の固体成分として容器に充填された透析用剤において、塩化マグネシウムの25℃における平衡相対湿度が2RH%以下であることにより、塩化マグネシウムを容器に充填する際の塩化マグネシウムの流動性が改善される。また、保管段階においては、容器内での薬剤の固結、凝集が抑制され、さらに糖質成分としてブドウ糖を含む場合でもブドウ糖の分解が防止される透析用剤を提供することができる。
また、本発明では、電解質成分として少なくとも塩化マグネシウムを含み、各含有成分が単一の固体成分として容器に充填された透析用剤の製造方法において、塩化マグネシウムの25℃における平衡相対湿度を2RH%以下に乾燥処理することにより、塩化マグネシウムを容器に充填する際の塩化マグネシウムの流動性を改善する。また、保管段階においては、容器内での薬剤の固結、凝集を抑制し、さらに糖質成分としてブドウ糖を含む場合でもブドウ糖の分解を防止することができる透析用剤の製造方法を提供することができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
<透析用剤>
本発明の実施形態に係る透析用剤は、少なくとも塩化マグネシウムを含む電解質成分を含有し、各含有成分が単一の固体成分として容器に充填されているものである。本実施形態に係る透析用剤において、塩化マグネシウムの25℃における平衡相対湿度が2RH%以下である。なお、本明細書において「各含有成分が単一の固体成分として容器に充填されている」とは、透析用剤に含まれる複数の成分が顆粒剤として成形されておらず、各含有成分が、「単一成分の結晶物」として容器に充填されている形態以外に、「単一成分の造粒物」として容器に充填されている形態、「単一成分の粉砕物」として容器に充填されている形態を含む。ここで、「単一成分」とは純度として95%以上のことをいい、5%以下程度の不純物を含む場合も「単一成分」とする。また、本明細書における「単一成分」の中には、二酢酸ナトリウムも含まれる。
粉体の流動性の悪化の要因となる付着力として、ファンデルワールス力、静電気力、液架橋力等がある。塩化マグネシウムの場合は、液架橋力が支配的な付着力であり、塩化マグネシウムの25℃における平衡相対湿度が2RH%以下であれば、流動性の悪化の要因となる付着力が精密に充填できるのに適する程度に低減され、流動性が改善される。
また、各含有成分が単一の固体成分として容器に充填されることにより、単位操作が大幅に短縮、簡略化され生産性が向上し、異物の混入の可能性が減少する。また、品種切換(各成分の濃度変更)による製造条件の確立が容易になる。さらに、品種切換(各成分の濃度変更)時に生産設備に残る原料を除去しなくてもよく、生産性が向上する。したがって、低コストかつ質の高い透析用剤が実現される。そして、各含有成分が単一の固体成分として充填されるので含量の均一性の問題がほとんど発生せず、微量成分の任意の濃度を保持することが容易である。
本実施形態に係る透析用剤において、塩化マグネシウムの水分含有率が51%以下であることが好ましい。「水分含有率」は、物質に含まれる水分の割合(質量%)を示す。塩化マグネシウムの水分含有率が51%以下であることにより、精密充填に適している物性を有し、さらに塩化マグネシウムが自由度の高い水分をほとんど放出しないので、自由度の高い水分が各成分の結晶に液架橋を形成することによる凝集、凝集物の乾燥を繰り返して粒子間に再結晶を起こして生じる固結が抑制され、かつ糖質成分としてブドウ糖を含む場合でもブドウ糖の分解が防止される。
塩化マグネシウムの水分含有率は47%以下であることがより好ましい。水分含有率が47%以下の塩化マグネシウムであれば、無水結晶のpH調整成分のみならず、含水結晶を含む無水クエン酸とクエン酸Na(二水)のpH調整成分であっても、固結および、ブドウ糖の分解を防止することができる。塩化マグネシウムの水分含有率は45%以下であることがより好ましい。水分含有率が45%以下の塩化マグネシウムであれば、無水クエン酸とクエン酸Na(二水)のpH調整成分のみならず、一水クエン酸とクエン酸Na(無水)のpH調整成分であっても、固結および、ブドウ糖の分解を防止することができる。
塩化マグネシウムの水分含有率は43%以下であることが特に好ましい。例えば100℃、3.5時間以上程度の乾燥雰囲気であれば水分含有率43%程度で脱水を止めることができるので、塩化マグネシウムの各結晶の水分含有率を略均一に43%程度に乾燥処理することができる。全ての塩化マグネシウムの結晶の水分含有率が43%程度であれば、充填する際の充填精度も向上する。また、水分含有率が43%以下の塩化マグネシウムが、自由度の高い水分をより除去することができる。
本実施形態に係る透析用剤において、塩化マグネシウムの50%RH、25℃における乾燥容量が157%以上であることが好ましい。「乾燥容量」は、物質が含むことができる水分等の元の重量に対する割合(重量%)を示す。塩化マグネシウムの乾燥容量が157%以上であることにより、精密充填に適している物性を有し、さらに気密容器内の自由度の高い水分および、気密容器外から入ってくる水分が塩化マグネシウムにより吸湿されるので、自由度の高い水分が各成分の結晶に液架橋を形成することによる凝集、凝集物の乾燥を繰り返して粒子間に再結晶を起こして生じる固結が抑制され、かつ糖質成分としてブドウ糖を含む場合でもブドウ糖の分解が防止される。
塩化マグネシウムの50%RH、25℃における乾燥容量は173%以上であることがより好ましい。50%RH、25℃の乾燥容量が173%以上の塩化マグネシウムであれば、無水結晶のpH調整成分のみならず、含水結晶を含む無水クエン酸とクエン酸Na(二水)のpH調整成分であっても、固結および、ブドウ糖の分解を防止することができる。塩化マグネシウムの50%RH、25℃における乾燥容量は177%以上であることがさらに好ましい。50%RH、25℃の乾燥容量が177%以上の塩化マグネシウムであれば、無水クエン酸とクエン酸Na(二水)のpH調整成分のみならず、一水クエン酸とクエン酸Na(無水)のpH調整成分であっても、固結および、ブドウ糖の分解を防止することができる。
塩化マグネシウムの50%RH、25℃における乾燥容量は190%以上であることが特に好ましい。50%RH、25℃の乾燥容量が190%以上の塩化マグネシウムは、自由度の高い水分をより除去することができる。また、気密容器であっても水分透過性はあるので、乾燥剤としての能力が大きいほうが長期保存に適している。
本実施形態に係る透析用剤において、塩化マグネシウムが乾燥処理されていることが好ましく、塩化マグネシウムが75℃以上の雰囲気で乾燥処理されていることがより好ましい。塩化マグネシウムの加熱乾燥処理において雰囲気が75℃以上の温度であると、塩化マグネシウムの水分が除去されやすく、25℃における平衡相対湿度が2RH%以下、水分含有率が51%以下、または乾燥容量が157%以上が達成されやすい。
本実施形態に係る透析用剤には、糖質成分を含むことが好ましい。糖質成分としては、例えば、ブドウ糖等が挙げられる。
電解質成分としては、塩化マグネシウムの他に、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム等が挙げられる。好ましい電解質成分としては、塩化マグネシウムの他に、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウムである。
本実施形態に係る透析用剤は、アルカリ化成分を含むことが好ましい。アルカリ化成分としては、例えば、炭酸水素ナトリウム(重炭酸ナトリウム)等が挙げられる。
本実施形態に係る透析用剤は、pH調整成分を含むことが好ましい。pH調整成分としては、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、コハク酸、マロン酸等の有機固体酸や、クエン酸ナトリウム等のクエン酸塩、酢酸ナトリウム、二酢酸ナトリウム(粉末酢酸)等の酢酸塩、乳酸ナトリウム等の乳酸塩、リンゴ酸ナトリウム等のリンゴ酸塩、フマル酸ナトリウム等のフマル酸塩、コハク酸ナトリウム等のコハク酸塩、マロン酸ナトリウム等のマロン酸塩等の有機酸塩等が挙げられる。好ましいpH調整成分としては、クエン酸の他に、クエン酸ナトリウム、二酢酸ナトリウム(粉末酢酸)、酢酸ナトリウムであり、例えば、クエン酸とクエン酸ナトリウムとの組み合わせ、二酢酸ナトリウム(粉末酢酸)と酢酸ナトリウムとの組み合わせで用いることができる。
本実施形態に係る透析用剤における各成分の配合量は、適切な濃度に希釈、混合した場合に、透析液として、例えば、下記の濃度であることが好ましい。本実施形態に係る透析用剤では、下記のように、透析用剤における塩化マグネシウムの配合量が少量であっても精度よく容器に充填される。
Na+ 140.6〜135.2mEq/L
+ 2.0mEq/L
Ca2+ 3.5〜2.5mEq/L
Mg2+ 1.5〜1mEq/L
Cl- 113〜110.5mEq/L
HCO3 - 35〜25mEq/L
ブドウ糖 150〜100mg/dl
クエン酸イオン 2.4〜0mEq/L
または、酢酸イオン 10〜0mEq/L
本実施形態に係る透析用剤において、電解質成分として塩化ナトリウムと、pH調整成分とをさらに含み、糖質成分を含む糖質成分層と、pH調整成分および塩化マグネシウムを含む塩化マグネシウム含有層との間に緩衝層として塩化ナトリウムを含む塩化ナトリウム層が設けられて充填されていることが好ましい。各含有成分が単一の固体成分として容器に充填されれば、糖質成分層と、pH調整成分および塩化マグネシウムを含む塩化マグネシウム含有層との間に緩衝層として塩化ナトリウム層を設けることができるため、pH調整成分および塩化マグネシウムとブドウ糖との接触面積がほとんどなく、ブドウ糖の分解成分である5−HMF等の副生物の産生を防止することができる。本実施形態では、塩化マグネシウムの25℃における平衡相対湿度が2RH%以下であることにより、潮解性の高い塩化マグネシウムが少量であっても精度よく容器に充填されるため、このような層構成の薬剤を得ることができる。
<透析用剤の製造方法>
本発明の実施形態に係る少なくとも塩化マグネシウムを含む電解質成分を含有する透析用剤の製造方法において、塩化マグネシウムの25℃における平衡相対湿度を2RH%以下とする乾燥処理工程と、各含有成分を単一の固体成分として容器に充填する充填工程と、を含む。
本発明者らは、微量成分であり潮解性がある塩化マグネシウムを所定の手段で所定の程度乾燥させると、秤量ができる程度の流動性を持たせることができることを見出した。塩化マグネシウムを乾燥処理して、乾燥処理された塩化マグネシウムの25℃における平衡相対湿度を2RH%以下とすることにより、塩化マグネシウムの流動性が改善され、容器内での薬剤の固結、凝集が抑制される。そのため、透析液の作製時における薬剤の溶解性を向上することができる。また、透析用剤製造時に各成分の自動計量が可能となる。乾燥処理された塩化マグネシウムの25℃における平衡相対湿度が2RH%を超えると、塩化マグネシウムが特に少量の場合に精度よく容器に充填することができず、所定の濃度に保持するのが困難であり、容器内での薬剤の固結、凝集が発生する可能性が高くなる。
また、各含有成分を単一の固体成分として容器に充填することにより、単位操作が大幅に短縮、簡略化され、異物の混入の可能性が減少する。さらに、品種切換(各成分の濃度変更)による製造条件の確立が容易になる。そして、品種切換(各成分の濃度変更)時に生産設備に残る原料を除去しなくてもよく、生産性が向上する。したがって、低コストかつ質の高い透析用剤を製造することができる。微量成分である塩化マグネシウムのみの乾燥処理を行うので、大型設備で長時間乾燥しなくてもよい。
本実施形態に係る透析用剤の製造方法において、透析用剤が糖質成分と、電解質成分として塩化ナトリウムと、pH調整成分とをさらに含み、充填工程において、糖質成分を含む糖質成分層と、pH調整成分および塩化マグネシウムを含む塩化マグネシウム含有層との間に緩衝層として塩化ナトリウムを含む塩化ナトリウム層を設けて充填することが好ましい。各含有成分を単一の固体成分として、容器に充填することができれば、糖質成分層と、pH調整成分および塩化マグネシウムを含む塩化マグネシウム含有層との間に緩衝層として塩化ナトリウム層を設けることができるため、pH調整成分および塩化マグネシウムとブドウ糖との接触面積がほとんどなく、ブドウ糖の分解成分である5−HMF等の副生物の産生を防止することができる。本実施形態では、塩化マグネシウムを乾燥処理して、塩化マグネシウムの25℃における平衡相対湿度を2RH%以下とすることにより、潮解性の高い塩化マグネシウムが少量であっても精度よく容器に充填することができるため、このような層構成の薬剤を得ることができる。
本実施形態において、塩化マグネシウムの乾燥処理の方法としては、例えば、加熱する加熱乾燥法、減圧状態にする減圧乾燥法、乾燥剤等を使用した乾燥法等のうちの1つまたはそれらの組み合わせが挙げられる。特に、加熱する加熱乾燥法、または加熱する加熱乾燥法と減圧状態にする減圧乾燥法の組み合わせが塩化マグネシウムの乾燥効率の観点から好ましい。また、乾燥処理の効率化等の点から、塩化マグネシウムは他の成分とは別に、個別に乾燥される必要がある。
加熱乾燥法の場合、塩化マグネシウムの乾燥処理温度は、例えば、75℃〜110℃であり、乾燥時間は、例えば、15分〜5時間である。塩化マグネシウムの25℃における平衡相対湿度を2RH%以下とするためには、乾燥処理温度は、75℃以上であり、乾燥時間は、15分以上であることが好ましい。塩化マグネシウムの水分含有率を52%以下とするためには、乾燥処理温度は、75℃以上であり、乾燥時間は、30分以上であることが好ましい。塩化マグネシウムの乾燥容量を157%以上とするためには、乾燥処理温度は、75℃以上であり、乾燥時間は、30分以上であることが好ましい。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<塩化マグネシウムの乾燥>
以下のようにして、塩化マグネシウムの乾燥処理を行った。
[加熱乾燥]
塩化マグネシウム・6水和物(MgCl2・6H2O)50gをステンレス角型バット(外寸法(mm)210×170×31:底寸法(mm)170×130:SUS304)に取り、平らに均し、所定の温度、時間で加熱乾燥した。乾燥後の塩化マグネシウムを2000μmと212μmメッシュの篩を通過させて、212μmの篩上に残った試料だけを使用した。乾燥温度は、50℃、68℃、75℃、88℃、100℃とした。乾燥時間は、15分、30分、1時間、1.5時間、3.5時間、5時間とした。乾燥機は、ヤマト科学社製、型式DK600Tを使用した。
得られた乾燥試料(MgCl2・6H2O)について、25℃における平衡相対湿度、スパチュラ角、流動度、水分率、乾燥容量を測定した。結果を表1〜7に示す。
Figure 0005918059
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<各種測定方法>
[スパチュラ角(°)]
衝撃前傾斜度と衝撃後傾斜度の2つの傾斜角の平均値をスパチュラ角と定義する。試料の粒度は、2000μm〜212μmとした。詳細な測定方法は以下の通りである。
室温25℃±2.5℃、相対湿度40%±2.5%の雰囲気において、パウダーテスター(ホソカワミクロン(株)社製;型番PT−N)を使用して測定した。粉体用バットの底に接するような形で固定されたスパチュラの上に粉体を堆積させた。スパチュラを上方へ静かに上げた後、スパチュラの上に残った粉体の衝撃前傾斜度を付属の分度器で測定した。次に付属の錘を落下させてスパチュラに一定の衝撃を与えた後、もう一度分度器で粉体層側面の衝撃後傾斜角を測定した。衝撃前傾斜度と衝撃後傾斜度の2つの傾斜角の平均値を算出した(参照:「医薬品の開発」 第15巻:廣川書店編集、宮嶋孝一郎)。なお、「医薬品の開発」 第15巻、265項目表5.11における粉体の流動性指数の表で、スパチュラ角が40°以下の粉体とスパチュラ角が60°以上の粉体とを比較すると、スパチュラ角が40°以下の粉体の方が流動性が良好であると評価されている。
[流動度(Sec/50g)]
漏斗に、粉体試料50gを入れ、試料の流出が終了するまでの時間を流動度と定義する。試料の粒度は2000μm〜212μmとした。詳細な測定方法は以下の通りである。
室温25℃±2.5℃、相対湿度40%±2.5%の雰囲気において、試料50gを秤量した。乾燥した指などでオリフィスをふさいだまま、測定試料を粉末ロート(口径(φmm)60:足外径(φmm)12:足長(mm)50)に入れた。オリフィスをあけると同時にストップウォッチを作動させ、最後の粉末がオリフィスを離れる瞬間にとめた。通過時間を少なくとも0.2秒の単位で測定し、記録した。これを三回繰り返した。三回測定結果の算術平均値を流動度とした(参照:JIS Z2502・粉体工学便覧第2版)。
[水分含有率(%)]
物質に含まれる水分の割合(質量%)を水分含有率と定義する。詳細な測定方法は以下の通りである。
室温25℃±2.5℃、相対湿度40%±2.5%の雰囲気において、JIS K0068のカールフィッシャ滴定法、容量滴定法、直接滴定に準じて行った。カールフィッシャ測定器(京都電子工業株式会社製;型番MKA−510)を用いて、溶媒としてメタノール(関東化学株式会社製)30mlを使用して行った。水分測定用試薬は、カールフィシャ試薬(シグマ・アルドリッチ・ジャパン社製;製品名ハイドラナール−コンポジット5)を使用した(参照:JIS K0068)。
[温度25℃、相対湿度50%における乾燥容量(%)]
温度25℃、相対湿度50%の雰囲気で粉体試料10gを試験し、粉体試料の増量(g)を試料の重さ(g)で除した値に100を乗じた数値を温度25℃、相対湿度50%における乾燥容量(%)と定義する。試料の粒度は2000μm〜212μmとした。詳細な測定方法は以下の通りである。
室温25℃±2.5℃、相対湿度40%±2.5%の雰囲気において、試料10gを、ステンレス角型バット(外寸法(mm)210×170×31:底寸法(mm)170×130:SUS304)正確に秤量し、平らに均した。次に、恒温恒湿器(タバイエスペック(株)社製;型式PR−3KP)において、温度25℃、相対湿度50%の雰囲気に試料を設置した。1時間ごとに増量(g)を秤量し、連続する2回の増量の差が0.01g以下となったときを終点として、次式によって乾燥容量を算出した(参照:JIS K1464)。
D=G/E×100
(ここで、D:乾燥容量(%)、E:試料の重さ(g)、G:増量(g))
[25℃における平衡相対湿度]
25℃における平衡相対湿度(RH%)とは、25℃における物質の平衡相対湿度と定義する。試料の粒度は、2000μm〜212μmとした。詳細な測定方法は以下の通りである。
試料を水分活性測定器(Rotronic社製;型番 Aw−2型)用サンプルカップに適量とり、水分活性測定器(Rotronic社製;型番 Aw−2型)で測定した。
<実施例12〜15>
乾燥工程を経ることによって、乾燥剤としての機能を向上させたMgCl2(実施例2〜5)を使用して、表8の割合で単一の固体成分として秤量し、まず表8に示した塩化カルシウム二水和物、塩化マグネシウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸、塩化カリウムを容器に充填し、pH調整成分および塩化マグネシウムを含む塩化マグネシウム含有層を作り、次にpH調整成分および塩化マグネシウムを含む塩化マグネシウム含有層の上に表8に示した塩化ナトリウムを充填し、塩化ナトリウム緩衝層を作り、さらに塩化ナトリウム緩衝層の上に表8に示したブドウ糖を充填し、糖質成分層を作った後、シールし、容器を密閉して透析用剤を作製した。
Figure 0005918059
上記透析剤について安定性試験(40℃、75%RH、3,7,14日間)を実施して、固結の有無を調べ、下記の基準で評価した。また、上記安定性試験を受けた透析剤をRO水で溶解して透析剤A原液を作製した。透析剤A原液のブドウ糖の分解率を測定するため、第16改正日本薬局方に記載されているブドウ糖注射液の純度試験の吸光度測定に基づき吸光度の測定を行った。結果を表9,10に示す。
[固結]
固結とは、試験用ふるい(目開き4.0mm)を通過しない試料の質量と定義する。詳細な測定方法は以下の通りである。
所定の水分含有量の塩化マグネシウムを使用した透析剤を密閉容器に入れ、次に、恒温恒湿器(タバイエスペック(株)社製;型式 PR−3KP)において40℃、相対湿度75%の条件下で3日、7日、14日安定性試験を実施した。3日、7日、14日保存された透析剤を開封し、試験用ふるい(目開き4.0mm)の上にあけ、固結の量(g)を確認した。
[5−HMF試験]
所定の水分含有量の塩化マグネシウムを使用した透析剤を密閉容器に入れ、次に、恒温恒湿器(タバイエスペック(株)社製;型式 PR−3KP)において40℃、相対湿度75%の条件下で3日、7日、14日安定性試験を実施した。3日、7日、14日保存された透析剤を開封し、当該透析剤をRO水で溶解した。溶解された透析剤A原液のブドウ糖の分解率を測定するため、第16改正日本薬局方に記載されているブドウ糖注射液の純度試験の吸光度測定に基づき吸光度の測定を行った。
<比較例6>
乾燥処理を行わなかったMgCl2を使用した以外は、実施例12〜15と同様にして、透析用剤A剤、透析剤A原液を作製し、評価を行った。結果を表9,10に示す。
Figure 0005918059
Figure 0005918059
<実施例16〜29、比較例7>
pH調整成分として、無水クエン酸および無水クエン酸ナトリウムの代わりに、クエン酸一水和物およびクエン酸ナトリウム二水和物(実施例16〜19、比較例7)、無水クエン酸およびクエン酸ナトリウム二水和物(実施例20〜23)、クエン酸一水和物および無水クエン酸ナトリウム(実施例24〜27)、粉末酢酸(酢酸:酢酸Na=42:58(重量比))および無水酢酸ナトリウム(実施例28,29)を用いて、実施例12〜15と同様にして、透析用剤A剤、透析剤A原液を作製し、評価を行った。結果を表11〜13(実施例16〜19、比較例7)、表14〜16(実施例20〜23)、表17〜19(実施例24〜27)、表20〜22(実施例28,29)にそれぞれ示す。
Figure 0005918059
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このように、塩化マグネシウムの25℃における平衡相対湿度を2RH%以下とすることにより、塩化マグネシウムを容器に充填する際の塩化マグネシウムの流動性が改善され、保管段階においては、薬剤の固結、凝集が抑制された。また、ブドウ糖の分解を防止することができた。また、各含有成分が単一の固体成分として容器に充填された透析用剤を得ることができた。さらに、各含有成分を単一の固体成分として容器に充填することができるため、異物の混入の可能性が低減された。また、品種切換(各成分の濃度変更)による製造条件の確立が容易になった。さらに、品種切換(各成分の濃度変更)時に生産設備に残る原料を除去しなくてもよく、生産性が向上した。そして、乾燥処理をした、塩化マグネシウムおよび塩化カルシウムのうち少なくとも1つを使用することにより、粉末酢酸と酢酸ナトリウムからなるpH調整成分を含む粉末透析剤A剤の固結および、ブドウ糖の分解も防止することができた。
なお、25℃における平衡相対湿度が2RH%以下の塩化マグネシウムは、25℃における平衡相対湿度が33RH%付近の塩化マグネシウムと対比して、秤量精度、充填精度の指標となり得る「流動度」と「スパチュラ角」が良好であった。したがって、25℃における平衡相対湿度が2RH%以下の塩化マグネシウムは、25℃における平衡相対湿度が33RH%付近の塩化マグネシウムと対比して、少量であっても精度よく秤量して容器に充填するのに適している物性を有しているといえる。

Claims (4)

  1. 少なくとも塩化マグネシウムを含む電解質成分を含有する透析用剤であって
    各含有成分が単一の固体成分として容器に充填されているとともに、
    前記塩化マグネシウムの単一の固体成分は、25℃における平衡相対湿度が2RH%以下であることを特徴とする透析用剤。
  2. 請求項1に記載の透析用剤であって、
    糖質成分と、前記電解質成分として塩化ナトリウムと、pH調整成分とをさらに含み、
    前記糖質成分を含む糖質成分層と、前記pH調整成分および前記塩化マグネシウムを含む塩化マグネシウム含有層との間に緩衝層として前記塩化ナトリウムを含む塩化ナトリウム層が設けられて充填されていることを特徴とする透析用剤。
  3. 少なくとも塩化マグネシウムを含む電解質成分を含有するとともに、各含有成分が単一の固体成分として容器に充填されている透析用剤の製造方法であって、
    前記塩化マグネシウムの単一の固体成分の25℃における平衡相対湿度を2RH%以下とする乾燥処理工程と、
    各含有成分を単一の固体成分として容器に充填する充填工程と、
    を含むことを特徴とする透析用剤の製造方法。
  4. 請求項3に記載の透析用剤の製造方法であって、
    前記透析用剤が糖質成分と、前記電解質成分として塩化ナトリウムと、pH調整成分とをさらに含み、
    前記充填工程において、前記糖質成分を含む糖質成分層と、前記pH調整成分および前記塩化マグネシウムを含む塩化マグネシウム含有層との間に緩衝層として前記塩化ナトリウムを含む塩化ナトリウム層を設けて充填することを特徴とする透析用剤の製造方法。
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