JP5917981B2 - 発泡体成形品の製造方法 - Google Patents

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本発明は、種々の用途に利用される発泡体成形品の製造方法に関する。
従来から、対をなす金型の各成形面間にポリスチレンやポリエチレン等の発泡体を配し、その発泡体を両金型により加圧加熱して成形品を得るようにした発泡体成形品の製造方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
ところが、このような方法により発泡体を成形すると成形時に発泡体の表面と金型の成形面との間に空気が閉じ込められることがあり、成形品の表面に気泡に起因した凹凸が形成され製品としての価値が損なわれるという不具合が発生することがあった。また、このような方法では、金型の成形面に正確に追従した成形品を得るのが難しく、複雑な形状の成形品を得ることが難しかった。さらに、金型を不適切なタイミングで開くと所望の成形品の形状よりも大きく膨らんだ形状のものになってしまうという不都合を招くこともある。
特開平9−94885号公報
本発明は、以上のような事情に着目してなされたもので、表面に予期しない凹凸が発生するのを防止することができるとともに金型に対応した成形品を確実に得られるようにした発泡体成形品の製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の発泡体成形品の製造方法は次の構成をなしている。
請求項1に記載の発泡体成形品の製造方法は、対をなす金型の各成形面に通気性を有する布をそれぞれ配するとともに、それら布間に複数の発泡体を重ね合わせた成形前発泡体セットを配し、その成形前発泡体セット及び前記布を前記両金型により加圧加熱して中間成形品となし、その中間成形品を常温まで冷却した段階で金型を開き、前記布を取り除いて最終的な成形品を得るようにした発泡体成形品の製造方法であって、前記成形品が肩パットであって、前記成形前発泡体セットが、前記複数の発泡体のうち特定の発泡体間にインサート金具を介在させたものであることを特徴とする。
このようなものであれば、中間成形品を常温まで確実に冷却した段階で対をなす金型を開くようにしているため、金型に対応した所期の成形品を、形状を崩すことなく確実に得ることができるものとなる。しかも、複数の発泡体と対をなす金型との間に布を配して熱圧成形を行っているため、対をなす金型間からエアが抜けやすくなり、成形品の表面に予期しない凹凸が発生するのを好適に防止することができる。
なお、「ジャージ」とは、糸を編むことで伸縮性を持たせた布(メリヤス)であり、その具体的な素材としては、ナイロン、ポリエステル、綿、ウール等が挙げられる。
請求項2に記載の発泡体成形品の製造方法は、対をなす金型の各成形面に通気性を有する布をそれぞれ配するとともに、それら布間に複数の発泡体を重ね合わせた成形前発泡体セットを配し、その成形前発泡体セット及び前記布を前記両金型により加圧加熱して中間成形品となし、その中間成形品を常温まで冷却した段階で金型を開き、前記布を取り除いて最終的な成形品を得るようにした発泡体成形品の製造方法であって、前記成形品が枕であって、前記成型前発泡体セットが、上の発泡体と、下の発泡体と、これら上の発泡体と下の発泡体と間に介在させた独立気泡を有する中間の発泡体とを備えたものであり、前記中間の発泡体が前記上下の発泡体に比べて軟質のものであることを特徴とする。
このようなものであれば、成形品の目的や用途に対応して、適切な柔軟性や耐久性を付与した成形品を得るための設計の自由度が向上するものとなる。
請求項3に記載の発明は、前記成形前発泡体セットが、物理的特性の異なる複数の発泡体を重ね合わせたものである請求項1又は2記載の発泡体成形品の製造方法である。
このようなものであれば、柔らかくよく伸びるというメタロセン系ポリエチレンの特性を活用することができ、成形品に柔軟性やクッション性を付与するものとなる。
請求項4に記載の発明は、前記布に接する発泡体が、メタロセン系のポリエチレン発泡体である請求項1、2又は3記載の発泡体成形品の製造方法である。
このようなものであれば、プレス機による成形工程を経ても上の発泡体が成形面内に確実に収まることになり、材料不足が無く確実に所望の成形品を得ることができる。
ここで、「面積」とは、平面視における投影面積を意味している。
請求項5に記載の発明は、前記布に接する上の発泡体が、前記金型の成形面よりも大きい面積を有するシート状のものである請求項1、2、3又は4記載の発泡体成形品の製造方法である。
請求項6に記載の発明は、前記金型による加熱温度が、120°C〜160°Cであり、加圧力が10kg/cm 2 〜100kg/cm 2 である請求項1、2、3、4又は5記載の発泡体成形品の製造方法である。120°Cより低い場合には発泡体の表面を溶融させて金型に対応させることが困難になり、160°Cを上回る場合には発泡体の表面が溶融されすぎて所望の形状を得ることが難しくなる。また、加圧力が10kg/cm 2 を下回る場合には金型による成形性能が極端に低下し、100kg/cm 2 を上回る場合には発泡体に対する熱伝導が促進されすぎて発泡体の表面が溶融されすぎる等の悪影響を及ぼすものとなる。
このようなものであれば、ジャージ独特の柔軟性や微細な網目を利用して、所望の凹凸面を成形品の表面に確実に形成することができるものとなる。
請求項7に記載の発明は、前記布が、ジャージである請求項1、2、3、4、5又は6記載の発泡体成形品の製造方法である。
以上説明したように本発明の発泡体成形品の製造方法によれば、表面に予期しない凹凸が発生するのを防止することができるとともに金型に対応した成形品を確実に得ることができるものとなる。
本発明の一実施形態における発泡体成形品を示す斜視図。 同斜視図。 本発明の一実施形態を示す概略断面図。 本発明の他の実施形態における発泡体成形品を示す斜視図。 本発明の他の実施形態を示す概略断面図。
本発明の第一の実施形態を、図1〜3を参照して説明する。
<第一の実施形態>
第一の実施形態は、本発明を、肩パット1として使用される発泡体成形品を得るために適用したものである。
この肩パット1は、業務用ビデオカメラ(以下、単に「ビデオカメラ」という)に取り付けられるものであり、その使用者である撮影者の肩にかかる負担を和らげるためのものである。
肩パット1は、図1及び図2に示すように、ビデオカメラの底面に添設される上の発泡体11と、撮影者の肩に添設する下の発泡体12との間にインサート金具13を介在させて一体化したものである。上の発泡体11とインサート金具13は、肩パット1をビデオカメラに固定するボルト(図示せず)を挿通させるためのボルト挿通孔111、131が形成されており下の発泡体12にはボルトの頭を収容するための座ぐり孔hが設けられている。
上の発泡体11は、ビデオカメラの底面に密接するカメラ受け面112とそのカメラ受け面112の両側に位置する位置決め鍔113とを備えたもので、カメラ受け面112と位置決め鍔113との間には角張った段差114が形成されている。上の発泡体11は、角張った段差114を形成し易くする観点から材質が選ばれており、例えば、比較的柔らかく金型K1の成形面K11に追従しやすい特性を有した発泡体を使用している。上の発泡体11の表面11sは、部品としての外観上の良好を考慮してジャージの網目模様に対応した繊細な凹凸形状を備えている。
下の発泡体12は、強度と耐久性を重視する観点から材質が選ばれており、例えば、比較的やわらかく摩擦抵抗が大きくしかも経年変化の少ない特性を有した発泡体を使用している。下の発泡体12の表面12sは、使用者の肩から滑り落ちないようにする点を考慮してジャージの網目模様に対応した繊細な凹凸形状をなしている。
インサート金具13は、ボルトによる取付強度を確保するためのもので、平坦な板金素材を打ち抜くことにより所定の形状に作られたものである。
次いで、この肩パット1の製造方法について、図3を参照して説明する。
対をなす上下の金型K1、K2の各成形面K11、K21に、通気性を有する布である上下のジャージJ1、J2をそれぞれ配するとともに、それら上下のジャージJ1、J2間に複数の発泡体すなわち上の発泡体11と下の発泡体12とをインサート金具13を介して重ね合わせた成形前発泡体セットS1を配する。上のジャージJ1に接する上の発泡体11は、対をなす上下の金型K1、K2の成形面K11、K21よりも大きい面積を有するシート状のものとなっている。
そして、その成形前発泡体セットS1及び上下のジャージJ1、J2を両金型により加圧加熱して中間成形品(図示せず)となす。なお、金型K1、K2による加熱温度は、120°C〜160°Cに設定されており、好ましくは154°C〜155°Cである。また、加圧力は50kg/cm〜150kg/cmの範囲内に設定されており、好ましくは80〜120kg/cmである。
しかる後に、その中間成形品を常温すなわち室温に相当する温度である10°C〜35°Cまで冷却した段階で金型K1、K2を開き、ジャージJ1、J2を発泡体11、12の表面からはがすようにして取り除いて最終的な成形品である肩パット1を得る。
成形前発泡体セットS1は、物理的特性の異なる複数の発泡体を重ね合わせたものである。すなわち、上の発泡体11としては、鋭利な段差を形成し易くするために柔らかい素材のものが選ばれ、この実施形態ではメタロセン系のポリエチレン発泡体が採用されている。また、下の発泡体12としては、耐久性と使い心地の両立を図るために比較的硬めの素材のものが選ばれ、この実施形態では低密度ポリエチレン発泡体が採用されている。
本発明の第二実施形態を、図4〜5を参照して説明する。
<第二の実施形態>
第二の実施形態は、本発明を、枕2として使用される成形品を得るために適用したものである。
この枕2は、浴槽に取り付けてヘッドレストとして使用されるものである。
枕2は、上の発泡体21と、下の発泡体22と、これら上の発泡体21と下の発泡体22と間に介在させた独立気泡を有する中間の発泡体23とを備えたものである。
上の発泡体21は、頭部を保持すべく滑らかで丸みの帯びた形状に設定されている金型K3に追従しやすく、使用者の頭部が触れた際の感触が良く、更に、外部に表出する部位としての一定の強度と耐久性を考慮して最適な材質が選ばれている。また、上の発泡体21の表面21sは、頭部を滑りにくくする点を考慮してジャージJ3の網目模様に対応した繊細な凹凸形状をなしている。
中間の発泡体23は、枕2全体のクッション性を向上させるためのもので、柔らかさと長期にわたる保形性を考慮して最適な材質が選ばれている。なお、この実施形態の中間の発泡体23は、上下の発泡体21、22に比べて軟質のものを採用している。
下の発泡体22は、浴槽への取り付け易さを考慮した形状に設定されている金型K4に追従しやすく、且つ、強度と耐久性を重視する観点から材質が選ばれている。
次いで、この枕2の製造方法について、図5を参照して説明する。
対をなす金型K3、K4の各成形面K31、K41に通気性を有する布であるジャージJ3、J4をそれぞれ配するとともに、それらジャージJ3、J4間に複数の発泡体すなわち上の発泡体21と、中間の発泡体23と、下の発泡体22とを重ね合わせた成形前発泡体セットS2を配する。
ここで、ジャージJ3、J4に接する上下の発泡体21、22は、対をなす金型K3、K4の成形面K31、K41よりも大きい面積を有するシート状のものとなっている。一方、中間の発泡体23は、対をなす金型K3、K4の成形面K31、K41よりも小さい面積を有するものとなっている。
そして、その成形前発泡体セットS2及びジャージJ3、J4を両金型K3、K4により加圧加熱して中間成形品(図示せず)となす。なお、金型K3、K4による加熱温度は、120°C〜160°Cに設定されており、好ましくは154°C〜155°Cである。また、加圧力は50kg/cm〜150kg/cmの範囲内に設定されており、好ましくは80〜120kg/cmである。
しかる後に、その中間成形品を常温すなわち室温に相当する温度である10°C〜35°Cまで冷却した段階で金型K3、K4を開き、ジャージJ3、J4を発泡体21、22の表面21s、22sからはがすようにして取り除いて最終的な成形品である枕2を得る。
成形前発泡体セットS2は、物理的特性の異なる複数の発泡体を重ね合わせたものである。すなわち、上下の発泡体21、22としては、柔らかい素材のものが選ばれ、この実施形態ではメタロセン系のポリエチレン発泡体が採用されている。中間の発泡体13としては、クッション性を向上させるために、柔らかさと長期にわたる保形性を考慮した素材が選ばれ、この実施形態では発泡倍率の比較的大きな独立気泡発泡体が選ばれている。
以上に説明した発泡体成形品の製造方法の具体例として、実施例1及び2が挙げられる。
第一実施例として肩パット1の製造方法を示す。
肩パット1は、上の発泡体11としてメタロセン系のポリエチレン(商品名:カーネルKS240、密度0.880g/cm、メルトフローレート2.2g/10min、三菱化学株式会社製)50重量部とメタロセン系のポリエチレン(商品名:アフィニティーEG8150、密度0.868g/cm、メルトフローレート0.5g/10min、ダウ・ケミカルジャパン株式会社製)50重量部をブレンドして発泡させた、発泡倍率15倍のメタロセン系のポリエチレン発泡体を採用している。
肩パット1は、下の発泡体12として低密度ポリエチレンを用いた低密度ポリエチレン発泡体を採用している。この実施例における下の発泡体12は、予め発泡倍率の異なる3種類のシート状の発泡材料を積層し、その後所定の形状にカットして形成されたものである。すなわち、下の発泡体12は、上部に位置する上発泡材料121と、この上発泡材料121の下に位置する中発泡材料122と、この中発泡材料122の下に位置する下発泡材料123とを具備してなり、これらが接着剤や両面テープ等の接着体により相互に接着されている。上発泡材料121は、低密度ポリエチレン(商品名:ノバテックYF30、密度0.920g/cm、メルトフローレート1.1g/10min、三菱化学株式会社製)を用いた発泡倍率25倍の低密度ポリエチレン発泡体を採用している。中発泡材料122は、低密度ポリエチレン(商品名:ノバテックYF30、密度0.920g/cm、メルトフローレート1.1g/10min、三菱化学株式会社製)を用いた発泡倍率20倍の低密度ポリエチレン発泡体を採用している。下発泡体123は、低密度ポリエチレン(商品名:ノバテックLF441、密度0.924g/cm、メルトフローレート2.0g/10min、三菱化学株式会社製)を用いた発泡倍率15倍の低密度ポリエチレン発泡体を採用している。
上発泡材料121は、中発泡材料122と比べて発泡倍率が高く、柔らかいものとなっている。また、中発泡材料122は、下発泡材料123と比べて発泡倍率が高く柔らかいものとなっている。下発泡材料123は、上発泡材料121及び中発泡材料122と比べて発泡倍率が低く硬いものとなっている。このため、肩パット1における使用者の肩に直接触れる側を耐久性に優れた硬さを有したものとするとともにビデオカメラ側をクッション性に優れたものとすることができるため、実用性及び使用者の快適な使用に寄与するものとなっている。これら上発泡材料121、中発泡材料122及び下発泡材料123には座ぐり孔hが予め形成されている。
図3は、肩パット1を上下の金型K1、K2を備えたプレス機Xを用いて熱圧成形する前の状態を模式的に示す概略断面図である。
上下の金型K1、K2には所定の形状に形成された成形面K11、K21を備えている。上の金型K1の成形面K11の中央部分には、上のジャージJ1を貫通して上の発泡体11及びインサート金具13を位置決めするためのピンpが下方に突出して設けられている。下の金型K2の成形面K21には、上の金型K1に設けられたピンpを挿通可能な逃げ穴K22が設けられている。
上の金型K1と上の発泡体11との間には、上のジャージJ1が配される。上のジャージJ1は、皺の発生を抑制するために枠材Fにより保持されている。上のジャージJを保持した状態の枠材Fは、プレス機Xにおける上の金型K1側にフックx1を介して着脱可能に支持されている。
上の発泡体11は、上のジャージJ1の下面にほぼ接する状態で上の金型K1側に配されている。上の発泡体11は、対をなす金型K1、K2の成形面K11、K21よりも大きい面積を有するシート状のものであり、上のジャージJ1を貫通したピンpにより支持されている。すなわち、上の発泡体11の上の金型K1へのセットは、上の金型K1に設けられたピンpに向かって上の発泡体11を押しつけ、ピンpを上の発泡体11に貫通させることにより行われる。このようにセットすると、上の発泡体11がピンpに密接に係わり合い、図3に具体的に示されているように、上の発泡体11が上のジャージJ1とともに上の金型K1の成形面に近接した箇所に位置することになる。さらに、上のジャージJ1と上の発泡体11とは、金型K1の成形面K11よりも外側の位置すなわち上の金型K1の成形面K11と干渉しない位置において、図示しない接着体たる両面テープを介して相互に貼り付けられており、シート状の上の発泡体11の全体が上の金型K1側に保持されている。
インサート金具13は、中央部分にボルト挿通孔131が形成された矩形板状のもので、ボルト挿通孔131に上の金型K1のピンpが挿通されて位置決めされる。さらに、インサート金具13と上の発泡体11との間には、接着体たる両面テープが配され、インサート金具13の上面と上の発泡体11の下面とが両面テープを介して接着されている。このようにして、インサート金具13も、成形前においては、上の金型K1側にセットされる。
下の発泡体12は、金型K1、K2による成形前においては、下の金型K2側に配されている。すなわち、下の発泡体12は、下の金型K2の成形面K21によって位置決めされた状態で下のジャージJ2の上に載せ置かれている。
下の発泡体12と下の金型K2との間には下のジャージJ2が配される。下のジャージJ2は、上のジャージJ1と同様に、皺が生じないようにするため枠体Fにより支持されている。枠体Fに支持された下のジャージJ2は、下の金型K2の上に載置される。
そして、上の発泡体11、インサート金具13、及び下の発泡体12から構成された成形前発泡体セットS1及び上下のジャージJ1、J2を両金型K1、K2により加圧加熱して中間成形品となす。金型K1、K2による加熱温度は、154℃〜155℃に設定されている。また、加圧力は100cmに設定されている。
しかる後に、その中間成形品を常温すなわち室温に相当する温度である10°C〜35°Cまで冷却した段階で金型K1、K2を開く。この際、上のジャージJ1を保持している枠体Fをプレス機Xから取り外す。そして、上下のジャージJ1、J2を発泡体11、12の表面11a、12aからはがすようにして取り除き、バリの除去を施して最終的な成形品である肩パット1を得る。
第二実施例として枕2の製造方法を示す。
枕2は、上下の発泡体21、22としてメタロセン系のポリエチレン(商品名:カーネルKS240、密度0.880g/cm、メルトフローレート2.2g/10min、三菱化学株式会社製)50重量部とメタロセン系のポリエチレン(商品名:アフィニティーEG8150、密度0.868g/cm、メルトフローレート0.5g/10min、ダウ・ケミカルジャパン株式会社製)50重量部をブレンドして発泡させた、発泡倍率15倍のメタロセン系のポリエチレン発泡体を採用している。また、中間の発泡体23として、エチレン酢酸ビニル共重合物(商品名:ウルトラセン630、密度0.936g/cm、メルトフローレート1.5g/10min、東ソー株式会社製)75重量部と低密度ポリエチレン(商品名:ノバテックYF30、密度0.920g/cm、メルトフローレート1.1g/10min、三菱化学株式会社製)25重量部をブレンドして発泡させた、発泡倍率30倍の独立気泡のポリエチレン発泡体を採用している。
図5は、枕2を上下の金型K3、K4を備えたプレス機Yを用いて熱圧成形する前の状態を模式的に示す概略断面図である。
上下の金型K3、K4には所定の形状に形成された成形面K31、K41を備えている。
上の金型K3と上の発泡体21との間には、上のジャージJ3が配される。上のジャージJ3は、皺が生じないようにするため枠材Fにより保持されている。同様に、下の金型K4と下の発泡体22との間には、下のジャージJ4が配される。下のジャージJ4も、皺が生じないようにするため枠材Fにより保持されている。
そして、上の発泡体21、中間の発泡体23、及び下の発泡体22から構成された成形前発泡体セットS2及び上下のジャージJ3、J4を両金型K3、K4により加圧加熱して中間成形品M2となす。金型K3、K4による加熱温度は、154℃〜155℃に設定されている。また、加圧力は70cmに設定されている。
しかる後に、その中間成形品M2を常温すなわち室温に相当する温度である10°C〜35°Cまで冷却した段階で金型K3、K4を開く。そして、上下のジャージJ3、J4を発泡体21、22の表面21a、22aからはがすようにして取り除き、バリの除去を施して最終的な成形品である枕2を得る。
<第一の実施形態・第一実施例の効果>
上述した肩パット1の製造方法であれば、次のような効果を奏する。すなわち、中間成形品を常温まで確実に冷却した段階で上下の金型K1、K2を開くようにしているため、金型K1、K2に対応した所期の成形品を形状を崩すことなく確実に得ることができるものとなる。
また、上下の発泡体11、12と上下の金型K1、K2と間に上下のジャージJ1、J2を配した上で熱圧成形を行っているため、上下の金型K1、K2間からエアの抜けが良好になり、肩パット1の表面11s、12sに予期しない凹凸が発生するのを好適に防止することができる。しかも、肩パット1の表面11a、12aに上下のジャージJ1、J2に対応する凹凸形状が形成されることになるため、使用者に密着しすぎることを好適に抑制し、快適な感触を使用者に与えることができる。
また、成形前発泡体セットS1が、物理的特性の異なる上下の発泡体11、12を重ね合わせたものであるため、肩パット1という特別な用途に対応した適切な柔軟性や耐久性を発揮した成形品を得ることができるものとなる。さらに、使用者の肩に近い部位となる下の発泡体12は、発泡倍率の異なる3つの発泡材料121、122、123を積層したものであるため、必要な耐久性を確保するとともに柔軟性を発揮するための調整を柔軟に行うことができるようになっている。
上のジャージJ1に接する発泡体11が、メタロセン系のポリエチレン発泡体であるため、柔らかくよく伸びるという特性を有し、使用者に好適なクッション性を与えることができる。
上のジャージJ1接する上の発泡体11が、金型K1の成形面K11よりも大きい面積を有するシート状のものであるため、加圧加熱による成形工程を経ても上の発泡体11が材料として不足すること無く確実に所望の成形品を得ることができる。
上下の金型K1、K2による加熱温度が、120°C〜160°Cであり、加圧力が10kg/cm〜100kg/cmに設定されているので、発泡体11、12に対して適切な加熱及び加圧を行うものとなり、所望の形状を確実に得ることができるものとなる。
金型K1、K2による発泡体11、12の成形に、上下のジャージJ1、J2を介在させているので、ジャージJ1、J2独特の微細な網目を利用して、凹凸面を成形品の表面に形成することができる。
本実施形態の製造方法により肩パット1を成形するようにすれば、材料選択の自由度が飛躍的に向上するものとなる。すなわち、例えば、使用者の肩に接触する部分として比較的硬い材質を選択することにより強度及び耐久性に優れたものにすることができる。その一方で、ビデオカメラ側に添設する部分として比較的柔らかい材質を選択することにより、ビデオカメラへの取り付けが柔軟にできるとともに、使用者に好適なクッション性を与えることができる。しかも、肩パット1は、上下の発泡体11、12にインサート金具13を介在させているので、ビデオカメラに対する取り付け強度を確保しており、肩パット1をボルトを介してビデオカメラに確実に取り付けることができる。
上の金型K1側に上のジャージJ1、上の発泡体11及びインサート金具13を位置させた状態で、プレス機Xにより熱圧成形を行うようにしているので、上の発泡体11及びインサート金具13の横ずれを好適に抑制するものとなる。また、上の金型K1にピンpを設けているので、成形前に上の発泡体11を上の金型K1側に容易に位置させることができる。しかも、ピンpがインサート金具13に形成されたボルト挿通孔131に挿通されるので、上下の発泡体11、12に対してインサート金具13を確実に位置決めすることができる。
<第二の実施形態・第二実施例の効果>
上述した枕2の製造方法によれば、枕2の外面側の発泡体である上下の発泡体21、22を強度及び耐久性に優れた素材にするとともに、内側の発泡体である中間の発泡体23を独立気泡のクッション性に富んだ素材にしているため、使用者の使用感及び実用性に優れた枕2を提供することができる。
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
発泡体成形品は種々のものが考えられ、本実施形態に示すものに限定されるものではない。
成形前発泡体セットは、複数の発泡体を配することができるものであり、本実施形態に示す以外の複数枚を配するようにしてもよい。
布は、ジャージに限られず、種々の布を適用することができる。
接着体は、両面テープに限られず、種々のものを採用することができ、液体状又はゲル状の接着剤等を用いるようにしても良い。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1…成形品(肩パット)
11…上の発泡体
12…下の発泡体
13…インサート金具
K1…上の金具
K2…下の金具
J1…布(上のジャージ)
J2…布(下のジャージ)
K11、K21…成形面

Claims (7)

  1. 対をなす金型の各成形面に通気性を有する布をそれぞれ配するとともに、それら布間に複数の発泡体を重ね合わせた成形前発泡体セットを配し、その成形前発泡体セット及び前記布を前記両金型により加圧加熱して中間成形品となし、その中間成形品を常温まで冷却した段階で金型を開き、前記布を取り除いて最終的な成形品を得るようにした発泡体成形品の製造方法であって、
    前記成形品が肩パットであって、前記成形前発泡体セットが、前記複数の発泡体のうち特定の発泡体間にインサート金具を介在させたものであることを特徴とする発泡体成形品の製造方法。
  2. 対をなす金型の各成形面に通気性を有する布をそれぞれ配するとともに、それら布間に複数の発泡体を重ね合わせた成形前発泡体セットを配し、その成形前発泡体セット及び前記布を前記両金型により加圧加熱して中間成形品となし、その中間成形品を常温まで冷却した段階で金型を開き、前記布を取り除いて最終的な成形品を得るようにした発泡体成形品の製造方法であって、
    前記成形品が枕であって、前記成型前発泡体セットが、上の発泡体と、下の発泡体と、これら上の発泡体と下の発泡体と間に介在させた独立気泡を有する中間の発泡体とを備えたものであり、前記中間の発泡体が前記上下の発泡体に比べて軟質のものであることを特徴とする発泡体成形品の製造方法。
  3. 前記成形前発泡体セットが、物理的特性の異なる複数の発泡体を重ね合わせたものである請求項1又は2記載の発泡体成形品の製造方法。
  4. 前記布に接する発泡体が、メタロセン系のポリエチレン発泡体である請求項1、2又は3記載の発泡体成形品の製造方法。
  5. 前記布に接する上の発泡体が、前記金型の成形面よりも大きい面積を有するシート状のものである請求項1、2、3又は4記載の発泡体成形品の製造方法。
  6. 前記金型による加熱温度が、120°C〜160°Cであり、加圧力が10kg/cm2〜100kg/cm2である請求項1、2、3、4又は5記載の発泡体成形品の製造方法。
  7. 前記布が、ジャージである請求項1、2、3、4、5又は6記載の発泡体成形品の製造方法。
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