JP5916501B2 - 鞍乗り型車両の収納部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、収納部の上面を構成する透光性蓋体を有する鞍乗り型車両の収納部構造に関する。
従来、鞍乗り型車両において、ハンドルの後方にオーディオ装置の収納部を設け、この収納部の上部の開口を透明な蓋で覆う構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−136734号公報
しかし、上記従来の鞍乗り型車両の収納部構造では、耐候性を考慮して鞍乗り型車両に専用のオーディオ装置が設計されているが、収納部を覆う上記透明な蓋は透光性を有するため、一般的な電子機器を収納部に収納する場合、特に車体の大部分が外側に露出している鞍乗り型車両では、透明な蓋を透過した太陽光等による収納部内の温度上昇を抑制することが必要となる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、収納部の上面を構成する透光性蓋体を有する鞍乗り型車両の収納部構造において、収納部内の温度上昇を抑制できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、車両の前部を覆う前部カバー(130)と、前記前部カバー(130)の後方に配置され、乗員が着座するシート(10)と、前記前部カバー(130)内に設けられる収納部(132)と、前記収納部(132)の上面を構成する透光性蓋体(139,339,439)とを有する鞍乗り型車両の収納部構造において、前記収納部(132)の上部に前記収納部(132)の内外を連通させる換気口(223)が設けられ、前記換気口(223)は、前記収納部(132)内の前部に設けられ、前記透光性蓋体(139,339,439)を支持するカバー支持部(224)と、当該カバー支持部(224)の前方で上方に延出し、車両の速度を表示するメーターユニット(191)を前方から覆うバイザー部(225)とを備えたメーターバイザー(137)が設けられ、前記換気口(223)の下方に、前記収納部(132)が前記換気口(223)よりも前方に膨出した収納部膨出部(226)が形成され、前記換気口(223)は、上方をメーターバイザー(137)で覆われるとともに下方を収納部膨出部(226)で覆われる空間に連通することを特徴とする。
本発明によれば、収納部内の温度上昇に伴う上昇気流を利用して、暖められた空気を換気口から収納部の外に排出でき、収納部内の温度上昇を抑制できる。また、収納部膨出部の分だけ収納部の容量を拡大できるとともに、塵埃や雨水等の換気口への侵入を収納部膨出部によって抑制することができる。また、収納部の容量が大きくなることで、収納部が温まりにくくなり、温度上昇を抑制できる。また、メーターバイザー内の構造を利用して、換気口に塵埃や雨水等の侵入を防止することができるとともに、メーターバイザー側に空気を排出して収納部内の温度上昇を効果的に抑制できる。
また、本発明は、前記換気口(223)の下方に、前記収納部(132)が前方に膨出した収納部膨出部(226)が形成されたことを特徴とする。
本発明によれば、収納部膨出部の分だけ収納部の容量を拡大できるとともに、塵埃や雨水等の換気口への侵入を収納部膨出部によって抑制することができる。また、収納部の容量が大きくなることで、収納部が温まりにくくなり、温度上昇を抑制できる。
さらに、本発明は、前記透光性蓋体(139,339,439)の前方にメーターバイザー(137)が設けられ、前記メーターバイザー(137)内に前記換気口(223)が前記メーターバイザー(137)に対向して配置されたことを特徴とする。
本発明によれば、メーターバイザー内の構造を利用して、換気口に塵埃や雨水等の侵入を防止することができるとともに、メーターバイザー側に空気を排出して収納部内の温度上昇を効果的に抑制できる。
また、本発明は、前記透光性蓋体(139,339,439)の下方に前記収納部(132)を仕切る底壁(167)を設けて前記底壁(167)の上方の第1収納部(145)と前記底壁(167)の下方の第2収納部(146)とを形成するとともに、前記第1収納部(145)と前記第2収納部(146)とを連通させる開口(147A,647A)を前記底壁(167)に形成したことを特徴とする。
本発明によれば、第2収納部内の空気が開口から第1収納部に流れるため、第1収納部の温度上昇を抑制できる。
また、本発明は、前記開口(647A)に複数のフィン(650)が設けられたことを特徴とする。
本発明によれば、透光性蓋体から第2収納部の内部が外側に見えてしまうことをフィンによって抑制できるとともに、フィンの向きによって収納部内の気流を制御して、収納部内の温度上昇を効果的に抑制できる。
また、本発明は、前記鞍乗り型車両を支持するサイドスタンド(47)が車幅方向の一側に設けられ、前記透光性蓋体(139,339,439)は前記一側に設けられることを特徴とする。
本発明によれば、サイドスタンドによる駐車状態において、透光性蓋体に太陽光が入りにくくなるため、収納部内の温度上昇を抑制できる。
本発明に係る鞍乗り型車両の収納部構造では、収納部内の温度上昇に伴う上昇気流を利用して、暖められた空気を換気口から収納部の外に排出でき、収納部内の温度上昇を抑制できる。
また、シートの乗員からの収納部内の視認性を向上できるとともに、換気口からの塵埃や雨水等の侵入を防止しながら収納部内の温度上昇を効果的に抑制できる。
また、収納部膨出部の分だけ収納部の容量を拡大できるとともに、塵埃や雨水等の換気口への侵入を収納部膨出部によって抑制することができる。また、収納部の容量が大きくなることで、収納部が温まりにくくなり、温度上昇を抑制できる。
さらに、メーターバイザー内の構造を利用して、換気口に塵埃や雨水等の侵入を防止することができるとともに、メーターバイザー側に空気を排出して収納部内の温度上昇を効果的に抑制できる。
また、第2収納部内の空気が開口から第1収納部に流れるため、第1収納部の温度上昇を抑制できる。
また、透光性蓋体から第2収納部の内部が外側に見えてしまうことをフィンによって抑制できるとともに、フィンの向きによって収納部内の気流を制御して、収納部内の温度上昇を効果的に抑制できる。
また、サイドスタンドによる駐車状態において、透光性蓋体に太陽光が入りにくくなるため、収納部内の温度上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態に係る自動二輪車の左側面図である。 自動二輪車の内部構造を示す左側面図である。 車両の前部をシート側から見た図である。 物品収納部を示す図である。 物品収納部の斜視図である。 物品収納部の左側面図である。 左側リッドを上方から見た図である。 図4のVIII−VIII断面図である。 上部収納部を上方から見た平面図である。 図9のX−X断面図である。 上部収納部を下方から見た斜視図である。 図4のXII−XII断面図である。 図6のXIII−XIII断面図である。 図7のXIV−XIV断面図である。 上面カバー及びトレイを取り外した状態を示す斜視図である。 上部収納部にルーバーを取付けた状態の平面図である。 図16におけるXVII−XVII断面図である。 上面カバーの平面図である。 図18におけるXIX−XIX断面図である。 図16のXX−XX断面図である。 図16のXXI−XXI断面図である。 ルーバーの斜視図である。 乗員側から上面カバーを見た図である。 トレイを示す斜視図である。 上面カバーを取り外してトレイを露出させた状態を示す斜視図である。 図25のXXVI−XXVI断面図である。 換気口の断面を拡大した図である。 図27におけるXXVIII−XXVIII断面図である。 第2の実施の形態における上面カバーの断面図である。 第3の実施の形態における上面カバーの断面図である。 第4の実施の形態における上面カバーの断面図である。 上部収納部に取り付けられた状態の上面カバーを乗員側から見た図である。 第5の実施の形態におけるホルダを示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態に係る収納部構造を備えた自動二輪車について図面を参照して説明する。なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号LEは車体左方を示している。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係る自動二輪車の左側面図である。
自動二輪車1(鞍乗り型車両)は、シート10に着座した乗員が足を載せる低床のステップフロア68を有するスクータ型車両であり、車体フレームF(図2)の前方に前輪2を有し、駆動輪である後輪3は、車両後部に配置されるユニットスイングエンジンU(ユニットスイングパワーユニット)に軸支されている。車体フレームFは、樹脂製の車体カバーCによって覆われている。
図2は、自動二輪車1の内部構造を示す左側面図である。ここで、図2では、車体カバーCの一部が取り外された状態が示されている。また、図1及び図2では、左右一対のフレーム及び各部品は、左側のみが図示されている。
図2に示すように、車体フレームFは、金属製のチューブやパイプを溶接によって複数連結して形成されており、メインフレーム11は、前部に設けられるヘッドパイプ12と、ヘッドパイプ12から後下方に延出した後、略水平に後方へ延び、後部で後上方に延びる左右一対のダウンチューブ13,13と、ダウンチューブ13,13の下部から後上方へ車両後部まで延出する左右一対のシートレール14,14と、ヘッドパイプ12からダウンチューブ13,13の上方を後下方に延びてシートレール14,14に連結される左右一対のアッパーチューブ15,15とを有している。
ダウンチューブ13,13は、ヘッドパイプ12に前端が連結されて後下方へ延出する下方延出部70と、下方延出部70の下端から後方に略水平に延出する水平延出部71と、水平延出部71の後端から後上方に延出する斜め上方延出部72とを有している。
また、メインフレーム11には、左右のフレームを連結する複数のクロスメンバ(不図示)が設けられている。
ダウンチューブ13,13の斜め上方延出部72,72の上部には、車幅方向外側に延出する左右一対のタンデムステップステー22,22が設けられている。
ヘッドパイプ12の前面には、灯火類や車体カバーC等を支持する籠状の前部フレーム24が連結されている。
また、メインフレーム11の外側方には、ダウンチューブ13,13に連結されて前後に延び、ステップフロア68を下方から支持する左右一対のステップフレーム23,23が設けられている。
図1及び図2に示すように、前輪2を操向する操舵系は、ヘッドパイプ12に回動自在に軸支されるステアリングシャフト9と、このステアリングシャフト9の上部に連結されるハンドル25とを有している。ステアリングシャフト9の下端は、左右一対のフロントフォーク26,26に連結されており、前輪2は、フロントフォーク26,26の下端に軸支され、ハンドル25による操作によって操向される。
ユニットスイングエンジンUは、エンジンEと、ベルト式の無段変速機構(不図示)が収容された伝動ケースMとが一体化されたユニットスイング式であり、後輪3を支持するスイングアームとしての機能も有している。ユニットスイングエンジンUは、その前部に連結されるリンク部材27を介して、ダウンチューブ13,13の後部に連結されており、リンク部材27に設けられるピボット軸28を中心にして上下に揺動自在である。リンク部材27を介してユニットスイングエンジンUを支持する左右一対のパワーユニット支持部85,85は、各斜め上方延出部72の後面に形成されている。
エンジンEは、水冷式の4サイクル単気筒エンジンであり、シリンダ軸線29が略水平に前方へ延びるように配置されている。エンジンEは、ユニットスイングエンジンUの前部に配置されるクランクケース30の前面に、シリンダ31及びシリンダヘッド32を結合して構成されている。
伝動ケースMは、クランクケース30の後部から後輪3の左側方を通って後方に延びている。クランクケース30の後部には、後輪3の右側方を通って後方に延びるアーム部(不図示)が設けられており、後輪3は、伝動ケースMの後部と上記アーム部の後部との間に設けられる車軸(不図示)に支持されている。エンジンEの出力は、上記無段変速機構を介して後輪3に伝達される。
伝動ケースMの後端及び上記アーム部の後端とシートレール14,14との間には、左右一対のリヤサスペンション34,34が掛け渡されている。
伝動ケースMの上面には、外気を吸い込むエアクリーナボックス35が設けられている。エアクリーナボックス35は、シリンダヘッド32の上面の吸気ポートに接続されたスロットルボディ(不図示)に、不図示のコネクティングチューブを介して接続されている。
シリンダヘッド32の下面の排気ポートに接続された排気管37は、エンジンEの下方を通って後方に延び、上記アーム部の外側面に固定されたマフラー(不図示)に接続される。
伝動ケースMの後部の下部には、車両を直立状態に支持可能なメインスタンド39が設けられている。
エンジンE用の燃料を貯留する燃料タンク40は、側面視において、前面がダウンチューブ13の下方延出部70に沿うとともに、後面がアッパーチューブ15に沿うように形成されており、上下方向では、ヘッドパイプ12の下部の後方からダウンチューブ13の水平延出部71近傍まで上下に長く延在している。燃料タンク40は、左右のダウンチューブ13,13の間に前傾して配置されている。
前傾した燃料タンク40の前部の下方の空間には、エンジンEの冷却水を冷却する板状のラジエータ41が設けられている。ラジエータ41とエンジンEとを接続する一対の冷却水パイプ42は、ラジエータ41の左側部から延出され、車両の左側(一側)のステップフレーム23(図2)の下方を後方へ延び、ダウンチューブ13の内側を通ってエンジンEに接続される。
左側の水平延出部71には、サイドスタンド47が取り付けられている。
物品が収納される収納ボックス44は、シートレール14,14間に配置されており、燃料タンク40の後部の近傍から伝動ケースMの上方まで、シートレール14,14に沿って後上がりに延在している。収納ボックス44は、燃料タンク40とダウンチューブ13の斜め上方延出部72との間に配置される前部収納部44Aと、ユニットスイングエンジンUの上方に配置される後部収納部44Bとが、樹脂成形によって一体に形成されている。
収納ボックス44の上面は、その全長に亘って開口しており、この開口は、乗員用のシート10によって開閉自在に塞がれている。シート10は、運転者が着座する前部シート10Aと、前部シート10Aよりも一段高く形成されて同乗者が着座する後部シート10Bとを有している。
収納ボックス44の後方においてシートレール14,14の後部には、グラブレール48が固定されている。
図1に示すように、車体カバーCは、ヘッドパイプ12の前方及び左右側方を覆うとともに、下方延出部70の前方を下方に延びるフロントカバー50と、フロントカバー50の下部に連結され、前輪2の後方に位置するフロントロアカバー51と、ハンドル25の下方でフロントカバー50の上部に連結される上部カバー52と、フロントカバー50の左右の縁部に連結されてヘッドパイプ12、アッパーチューブ15,15及び下方延出部70を後方及び側方から覆う上部インナーカバー53と、上部インナーカバー53の下縁に連結され、アッパーチューブ15,15及び下方延出部70を覆う左右一対の下部インナーカバー54,54と、フロントカバー50の下部及び下部インナーカバー54,54の下縁に連結され、ステップフレーム23,23を上方から覆う左右一対のステップカバー55,55と、フロントカバー50の下部及びステップカバー55,55の下部に連結されてステップフレーム23,23を側方から覆う左右一対の前部フロアスカート56,56と、前部フロアスカート56,56に連続して後方へ延び、ダウンチューブ13,13を覆う左右一対の後部フロアスカート57,57と、左右の水平延出部71,71を下方から覆うアンダーカバー58と、下部インナーカバー54,54及びステップカバー55,55の後部に連結され、シート10の下方で収納ボックス44及びシートレール14,14を側方から覆う左右一対のボディサイドカバー59,59と、ボディサイドカバー59,59の後部に連結されるテールカバー60とを有している。
左右のステップカバー55,55の底部には、前部シート10Aに着座した運転者が足を載せるステップフロア68がそれぞれ形成されている。
フロントカバー50の前部には、後上方に延びるウインドスクリーン61が設けられている。フロントカバー50の前端には、ヘッドライト62が設けられ、左右一対のウインカー63は、ヘッドライト62の上部に連続して設けられている。ヘッドライト62とウインドスクリーン61との間には、板状のガーニッシュ64が設けられている。
フロントフォーク26,26には、前輪2を上方から覆うフロントフェンダー65が設けられている。ボディサイドカバー59,59の下方には、後輪3を上方から覆うリヤフェンダー66が設けられている。
後部シート10Bの同乗者が足を載せる可倒式の一対のタンデムステップ67は、タンデムステップステー22,22に支持されている。
図3は、車両の前部をシート10側から見た図である。
図3に示すように、ヘッドパイプ12の近傍の車両の前部を覆う前部カバー130は、フロントカバー50と、上部カバー52と、上部インナーカバー53とを備えて構成されている。前部カバー130内には、収納物を収納可能な前部収納ボックス131が設けられている。前部収納ボックス131は、ヘッドパイプ12の左側に設けられる物品収納部132(収納部)と、ヘッドパイプ12の右側に設けられる物品収納部133とを有している。
上部インナーカバー53は、上下に延びる縦壁部を上部に有し、この縦壁部は、物品収納部132を塞ぐ左側リッド134と、物品収納部133を塞ぐ右側リッド135とを形成している。
ヘッドパイプ12に軸支されるステアリングシャフト9の上端にはハンドルポスト136が連結されており、ハンドル25はハンドルポスト136に固定される。ヘッドパイプ12の軸線Lは、車幅方向において車体中心に位置している。
上部カバー52は、フロントカバー50の上部の内縁部に沿うように枠状に形成されたメーターバイザー137と、ハンドルポスト136の周囲を覆うセンターパネル138と、センターパネル138とメーターバイザー137との間に配置されるとともに、ハンドルポスト136から左右に延びるハンドル25の延出部25A,25Aの下方に位置する左右一対の上面カバー139,140とを有している。左側の上面カバー139(透光性蓋体)の後縁は左側リッド134の上縁に連続しており、上面カバー139は物品収納部132の上面を塞ぐ上壁を構成している。また、上面カバー139は、ステアリングシャフト9の側方に配置されるとともにハンドル25の下方に設けられている。
ハンドルポスト136の後方のセンターパネル138には、車両のメインキーが差し込まれるキーシリンダー部141が設けられている。
図4は、物品収納部132を示す図である。図5は、物品収納部132の斜視図である。図6は、物品収納部132の左側面図である。ここで、図4〜図6では、ハンドル25及び前部カバー130の一部の図示が省略されている。
図4〜図6に示すように、上部インナーカバー53の左上部には、シート10側へ向けて開口する略矩形の開口部142が設けられており、開口部142から物品収納部132の内部の収納空間に収納物を出し入れ可能である。開口部142は、上部インナーカバー53の上部が前方側へ一段膨出した膨出壁部143に形成されており、膨出壁部143に左側リッド134が嵌まると、上部インナーカバー53及び左側リッド134の後面が略面一になる。
左側リッド134は、プッシュオープン式の蓋であり、左側リッド134が閉じた状態で左側リッド134を閉じる方向に一度押圧すると、不図示のロック機構によるロック状態が解除されて開方向に回動可能となり、開いた状態から左側リッド134を閉じる方向に押し込むことで、上記ロック機構によって再び閉状態にロックされる。なお、ここでは左側リッド134がプッシュオープン式である構成を例に挙げて説明するが、これに限定されるものではなく、例えば、車両のメインキーの操作によって左側リッド134のロック状態が解除される構成としても良い。
物品収納部132は、物品収納部132内を上下に仕切るトレイ144を上部に有しており、トレイ144の上方の上部収納部145(第1収納部)と、トレイ144の下方のメイン収納部146(第2収納部)とを有している。トレイ144には、前後にスライド可能なホルダ147が設けられている。上部収納部145の上壁を構成する上面カバー139は、透明な素材によって構成されており、上面カバー139を通して上部収納部145に収納された収納物の状態を確認可能である。上面カバー139は、周縁部は不透明であり、ホルダ147に重なる部分が透明に形成されている。上部収納部145内には、例えば、携帯電話等のモバイル端末Pを収納することができる。
ここで、本第1の実施の形態では、上方から上面カバー139を通って上部収納部145内に入る太陽光等の光を遮断する遮光部としてのルーバー200(図16)を取付け可能であるが、図1から図15では、ルーバー200を取り外した状態について説明し、ルーバー200については後述する。
上部インナーカバー53は、上面が開口した下側ケース154(図6)を前部に有している。物品収納部132は、下側ケース154の上面の開口に、下面及び後面が開口した上側ケース155の下面の開口を合わせることで前後に長い箱状に形成されている。また、トレイ144は、上側ケース155の後部の上部に連結されている。物品収納部132は、前後に長いとともに底が深く形成されることで容量が大きく確保されており、物品収納部132の底壁132Aは、開口部142の下端142Aよりも下方に位置している。
上部インナーカバー53の膨出壁部143は、側面視で後上がりに傾斜しており、開口部142も後上がりに傾斜している。また、開口部142を閉じる左側リッド134も、閉じた状態では側面視で後上がりに傾斜する。
左側リッド134は、下端に設けられたヒンジ部148を中心に上下に回動する蓋であり、ヒンジ部148は、開口部142よりも下方に設けられている。ヒンジ部148は、車幅方向に略水平に延びる回動軸部149と、上部インナーカバー53に形成され、回動軸部149を軸支する軸支部150とを有している。軸支部150は、上部インナーカバー53からシート10側に突出する一対の突部であり、これら突部の内側部に軸支部150の両端部がそれぞれ嵌合する。
図6に示すように、左側リッド134は、完全に開かれた状態では、開口部142を塞いでいた内側面が、側面視で略水平に保持される。ここでは、完全に開かれた状態の左側リッド134の上面158を、左側リッド134の上面とする。
本実施の形態では、開いた状態の左側リッド134の上面158に、ドリンクDを支持するドリンクホルダ用凹部160を設けることで、シート10に座った乗員が、ドリンクホルダ用凹部160にドリンクDを置けるように構成されている。以下、ドリンクを支持する構造について詳細に説明する。
図7は、左側リッド134を上方から見た図である。
図4〜図7に示すように、左側リッド134は、回動軸部149と、回動軸部149の上方の上部インナーカバー53を覆う壁部151と、回動軸部149よりも右側の物品収納部133側の上部インナーカバー53を覆う延長壁部152と、開口部142を覆う蓋部153とを一体に有する板状に形成されている。
また、図3に示すように、左側リッド134には、左側リッド134が閉じられた状態で左側リッド134を外側から覆う板状のアウターカバー134Aが取り付けられている。このように、左側リッド134は、アウターカバー134Aが取り付けられて2枚合わせで構成されているため、剛性が高くなっている。図4〜図6では、アウターカバー134Aの図示は省略されている。
ヒンジ部148は、開口部142とヘッドパイプ12の軸線Lとの間に設けられており、車幅方向の中央側に位置している。
壁部151の上面には、上部インナーカバー53の被係合部157に係合することで左側リッド134の回動位置を規制する腕部156が形成されている。また、壁部151には、被係合部157を逃げる開口151Aが形成されている。
蓋部153は、幅方向の中央側のヒンジ部148側から上部インナーカバー53の左端近傍まで延びており、車幅方向に長く形成されている。
蓋部153の上面158には、蓋部153の縁部に沿って延びる環状の溝部153Aが形成されており、この溝部153Aは、物品収納部132の開口部142の周縁部に形成されたリブ142Bに係合する。これにより、物品収納部132の密閉性が向上する。
また、上面158には、ドリンクDを立てた状態で置くことが可能なドリンクホルダ用凹部160が形成されている。ドリンクホルダ用凹部160は、上面158に円環状の壁部159を形成し、この壁部159の内側を凹部とすることで形成されている。ドリンクホルダ用凹部160は、左側リッド134が開いた状態において、左側リッド134の後端側に設けられるとともに、左側リッド134の車幅方向の外端側に配置されている。
ここで、ドリンクDは、缶やペットボトル、及び、紙コップ等の飲料用容器である。
図7に示すように、左側リッド134が嵌まる膨出壁部143は、車幅方向の外側の部分ほど前方に位置するように傾斜して形成されており、閉じた状態では、左側リッド134は、上面視において、車幅方向の外側の部分ほど前方に位置する。このように、左側リッド134は、車幅方向の外側の部分ほど前方に位置するように傾斜しているため、図4に示すように、完全に開いた状態では、後面視において、車幅方向の外側ほど高くなるように傾斜する。これにより、左側リッド134は、後面視で水平に配置される場合に比して車幅方向に長くなっているため、上面158の面積が大きくなり、ドリンクホルダ用凹部160を設けるスペースを確保することができる。
また、左側リッド134は、上面視において、車幅方向の外側の部分ほど前方に位置するため、左側リッド134とシート10との間の距離を大きく確保できる。このため、左側リッド134の面積を大きくでき、ドリンクホルダ用凹部160を設けるためのスペースを確保できる。さらに、ドリンクホルダ用凹部160は、左側リッド134の車幅方向の外端側に設けられるため、ドリンクホルダ用凹部160を設けるためのスペースを確保し易いとともに、シート10に着座した乗員の脚とドリンクホルダ用凹部160との距離を確保でき、ドリンクホルダ用凹部160を容易に設けることができる。
図8は、図4のVIII−VIII断面図である。
図4及び図8に示すように、左側リッド134の腕部156は、回動軸部149の後方で、上面158から上方に延出されている。腕部156の先端には、膨出壁部143の被係合部157に係合するフック状の係合部161が形成されている。腕部156は、回動軸部149を中心とした円弧形状となるように屈曲して形成されている。
膨出壁部143の被係合部157は、腕部156が挿通される孔部157Aと、孔部157Aの上方に形成され、後方側に凹んだ凹部157Bとを有している。左側リッド134が閉じた状態では、腕部156は孔部157Aの奥まで差し込まれており、左側リッド134が開かれる途中では腕部156は孔部157A内を移動する。左側リッド134が完全に開かれると、腕部156の係合部161は、凹部157Bに内側から係合し、左側リッド134を完全に開いた位置に位置決めする。
円弧形状を有する腕部156の基端部の外周面には、径方向の外側に突出する突起156A(図8)が形成されている。突起156Aは、凹部157Bを構成する壁部の下端部162に係合可能な高さを有しており、所定の荷重を超えて押圧されることで、下端部162を乗り越えて移動するように設定されている。左側リッド134が完全に閉じた状態では、突起156Aは、凹部157Bの下端部162よりも上方に位置しており、左側リッド134が開く段階で、下端部162を乗り越えて下方に移動する。
詳細には、プッシュオープン式の左側リッド134は一度押圧されると、ロックが解除され、自重で開方向に回動するが、突起156Aが下端部162に接触することで、回動は止まり、左側リッド134は僅かに開いた状態となる。そして、乗員等が所定の荷重を超える力で左側リッド134を開方向に回動させることで、突起156Aが下端部162を乗り越えて、左側リッド134が完全に開かれる。このように、突起156Aを設けることで、誤って左側リッド134を押圧してしまった際に、左側リッド134が一度に全開にならず途中で止まるため、左側リッド134の使い勝手が向上する。
また、回動軸部149には、開いた状態の上面158から前上方に突出する当接部163が形成されている。当接部163は、回動軸部149の軸方向に沿って車幅方向に延在している。
膨出壁部143において被係合部157の下方には、左側リッド134が完全に開いた状態で当接部163の先端部163Aが当接する受け面164が形成されている。受け面164は、後上がりに傾斜している。さらに、膨出壁部143において受け面164の下方には、左側リッド134が閉じた状態で前方に突出している当接部163を避ける避け部165が形成されている。
左側リッド134が完全に開かれた状態では、当接部163の先端部163Aが受け面164に当接することで、左側リッド134の回動位置が、略水平の完全に開いた状態に保持されている。このように、当接部163及び腕部156の両方によって左側リッド134の荷重を受けるため、開状態における左側リッド134の支持剛性を向上でき、ドリンクホルダ用凹部160にドリンクDを置いた場合においても、左側リッド134を略水平の開状態に保持しておくことができる。
図1に示すように、乗員Rは、メインスタンド39またはサイドスタンド47で自動二輪車1を駐車させた状態において、シート10に着座した状態で左側リッド134を開き、上面158のドリンクホルダ用凹部160にドリンクDを置くことができる。本実施の形態では、前部シート10Aの上面よりも左側リッド134が高い位置に設けられているため、乗員Rは深くかがまなくとも手を伸ばすだけでドリンクホルダ用凹部160にドリンクDを置くことができ、ドリンクDを置き易い。また、ドリンクホルダ用凹部160が車幅方向の外側に設けられるため、膝が邪魔にならず、ドリンクDを置き易い。
また、図6及び図7に示すように、ドリンクホルダ用凹部160は、上面視において、物品収納部132の開口部142に重なっており、ドリンクホルダ用凹部160に置かれたドリンクDの上部は、物品収納部132の上部の空間内に位置する。このように、ドリンクホルダ用凹部160を開口部142に重なる前方の位置に設けるため、左側リッド134とシート10との距離を確保でき、ドリンクホルダ用凹部160を設けるスペースを左側リッド134に確保できる。また、物品収納部132内のスペースを利用して、高さの大きいドリンクDをドリンクホルダ用凹部160に置くことができる。
さらに、左側リッド134は、車幅方向の中央側の回動軸部149によって支持されるとともに車幅方向の外側に延びており、ドリンクホルダ用凹部160は、左側リッド134の車幅方向の外端側で左側リッド134の撓みの影響を受けやすい位置に設けられている。これにより、ドリンクホルダ用凹部160は、左側リッド134の撓みによって上下に移動可能であるため、ドリンクDが上下に大きい場合であっても、左側リッド134を下方に撓ませることで、ドリンクホルダ用凹部160にドリンクを置くことができる。
次に、上部収納部145の構成について詳細に説明する。
図9は、上部収納部145を上方から見た平面図である。図10は、図9のX−X断面図である。ここで、図9及び図10では、上面カバー139が取り外された状態が示されている。
図9及び図10に示すように、トレイ144は、略矩形の平面状の底部167(底壁)と、底部167の周縁部に立設される上面視で枠状の側壁部168と、側壁部168の上縁部から外側に延出されるフランジ部169とを有し、樹脂成形によって形成されている。トレイ144の上面は開口しており、底部167は上方に露出している。また、側壁部168の前面には、開口部142に連通する開口170が形成されており、ホルダ147は、開口170を通ってスライドされ、外側に引き出される。
図11は、上部収納部145を下方から見た斜視図である。
図9〜図11に示すように、トレイ144には、平面状の底部167の一部を切り欠くことで、後方に開放した枠状のホルダ収納部171が形成されており、ホルダ147は、切り欠かれた部分を埋めるようにホルダ収納部171に配置される。ホルダ147は、ホルダ収納部171に配置されることで底部167の一部を構成する部材である。このように、底部167の一部を切り欠いた部分にホルダ147を設けたため、上部収納部145の内部の幅は、ホルダ147の幅よりも大きくなっている。このため、ホルダ147よりも大きなモバイル端末Pであっても上部収納部145内に収納することができる。
ここで、収納物としてのモバイル端末Pは、携帯電話やスマートフォン、または、携帯型ナビゲーション装置やPDA(Personal Digital Assistants)等の携帯型電子機器を示している。
トレイ144のホルダ収納部171の周縁部には、底部167が一段窪んだ段部が周縁部の全体に亘って形成されている。詳細には、ホルダ収納部171の左右の周縁部の段部は、前後に延びるレール部167A,167A(図11)であり、ホルダ収納部171の前部で左右に延びる段部は、ホルダ147を係止する係止部167B(図10)である。
また、底部167においてレール部167A,167Aの下方には、前後に延びるリブ172,172が形成されている。各リブ172,172の後端には、さらに下方に突出するストッパ172Aが形成されている。
ホルダ147は平面視で略矩形に形成された樹脂製の板である。ホルダ147には、上部収納部145とメイン収納部146とを連通させる開口としての通風孔147Aが複数形成されている。また、ホルダ147の下面には、補強リブ173が網目状に形成されている。ホルダ147の左右の縁部は、ホルダ収納部171のレール部167A,167Aに嵌まるガイド部174,174である。
ホルダ147の前端部の下面には、下方に延びる一対の柱部175が形成されており、柱部175の先端には、ホルダ147と略平行に左右へ延びる止め板176が設けられている。
ホルダ147の前端部の下面には、下方に延びる一対の柱部175が形成されており、柱部175の先端には、ホルダ147と略平行に左右へ延びる止め板176がねじ176Aによって固定されている。
ホルダ147の前端には、ホルダ収納部171の係止部167Bに係合する乗り上げ部177が形成されている。
ホルダ147は、トレイ144のレール部167A,167Aにガイド部174,174が嵌まることで前後にスライド可能に支持されている。ホルダ147をトレイ144に対してスライドさせるスライド機構185は、トレイ144のレール部167A,167Aとホルダ147のガイド部174,174とを有して構成されており、ホルダ147が後方に引き出されると、ホルダ147は、物品収納部132の外側に露出する。
また、ホルダ147がレール部167A,167Aに嵌まることで、ホルダ147の上面と底部167の上面とが略面一になる。
ホルダ147は、リブ172,172の下面との間に僅かに隙間をあけて設けられる止め板176とガイド部174,174との間にリブ172,172を挟むことで、ホルダ収納部171にスライド可能に位置決めされている。ホルダ147が最も後方にスライドした状態では、止め板176がストッパ172Aに当接することで、ホルダ147の位置が規制される。
さらに、ホルダ147は、先端の乗り上げ部177が係止部167Bに乗り上げることで、ホルダ収納部171に係止される。乗り上げ部177では、乗り上げ部177と係止部167Bとの摩擦によってホルダ147を係止できるように、両者の板厚が設定されている。また、左側リッド134は、閉じた状態ではホルダ147の後端に近接している。このため、左側リッド134によってもホルダ147をホルダ収納部171に係止させておくことができる。
ホルダ147は、開口部142側の端である後端に、上方に延出する左右一対の上方突起178,178を有するとともに、車幅方向で上方突起178,178の間に、下方に延出する下方突起179を有している。
上方突起178,178は、ホルダ147上に載置されたモバイル端末Pを支持する突起である。図10に示すように、ホルダ147の底部167及びホルダ147は、後方ほど下方に傾斜しているため、モバイル端末Pは、傾斜によって上方突起178,178側に寄せられ、下端部を上方突起178,178によって支持される。このように、モバイル端末Pが傾斜によって上方突起178,178側に寄せられて常に開口部142の近くに位置するため、モバイル端末Pを容易に取り出すことができる。
また、乗員は、下方突起179を手で把持して引っ張ることで、ホルダ147を容易にスライドさせることができ、操作性が良い。
また、モバイル端末Pの電源コード182(図9)を、左右一対の上方突起178,178の間に通過させ、ホルダ147と左側リッド134との間を通し、後述する電源供給口180(図12)に接続することもできる。
図12は、図4のXII−XII断面図である。図13は、図6のXIII−XIII断面図である。図14は、図7のXIV−XIV断面図である。図14では左側リッド134の図示は省略されている。
図12〜図14に示すように、ホルダ147の下方のメイン収納部146の上側ケース155には、車両のバッテリー(不図示)に接続された電源供給口180が設けられている。電源供給口180は、メイン収納部146内の後部の上部の壁部において、車幅方向の外側寄りに設けられ、開口部142に面するように配置されている。詳細には、メイン収納部146内の後部の上部には、開口部142側へ膨出する膨出壁部146Aが形成されており、電源供給口180は膨出壁部146Aに設けられている。このように、膨出壁部146Aに電源供給口180を設けたため、前後に長い筒状の電源供給口180を前部カバー130内で前側に出っ張らないように配置できるとともに、電源供給口180が開口部142に近くなり、電源コード182を接続し易い。
図9、図11及び図12に示すように、トレイ144の底部167には、上部収納部145とメイン収納部146とを連通させる切り欠き181が形成されている。切り欠き181は、スライド機構185を構成するレール部167A,167Aのうち、車幅方向の内側に位置する一方のレール部167Aの後端に形成されている。
電源供給口180に接続される電源コード182(図9)は、切り欠き181から上部収納部145内に引き回されてモバイル端末Pに接続される。このように、容量の大きなメイン収納部146に電源供給口180を設け、切り欠き181から電源コード182を上部収納部145に引き回すため、上部収納部145の容量を低下させずに、モバイル端末Pに電源を供給できる。切り欠き181は前部が開放して開口部142に連続しているため、モバイル端末Pに電源コード182を接続した状態でも、モバイル端末Pがセットされたホルダ147をスライドさせることができる。
乗員は、図4に示すように、左側リッド134を開けた状態で、下方突起179を把持してホルダ147をスライドさせて後方に引き出し、ホルダ147にモバイル端末Pを載置し、ホルダ147をホルダ収納部171に押し込むことで、モバイル端末Pを上部収納部145に収納することができる。その後、左側リッド134は閉じられる。モバイル端末Pを取り出す際には、左側リッド134を開けてホルダ147を引き出せば良い。
本実施の形態では、上壁が透明な上面カバー139で構成された上部収納部145にモバイル端末Pを収納できるため、シート10に着座した乗員Rは、上面カバー139を通してモバイル端末Pの状態を視認できる。また、物品収納部132の開口部142を介してホルダ147をスライドさせるだけでモバイル端末Pを上部収納部145に出し入れできるため、容易にモバイル端末Pを収納できる。
さらに、上面カバー139は、ステアリングシャフト9の側方に配置されるとともにハンドル25の下方に設けられ、側面視で後方ほど下方に傾斜しているため、シート10の乗員Rから上面カバー139を視認し易い。このため、上部収納部145に収納されたモバイル端末Pを上面カバー139を介して容易に視認できる。また、乗員Rが視認し易い上部収納部145にモバイル端末Pを収納することができる。
図6及び図14に示すように、物品収納部132は、開口部142の下端142Aよりも底壁132Aが下方に位置するとともに、前後に長く形成されているため、容量が大きく確保されているが、底壁132Aに光が届きにくく、底壁132A側を視認し難い場合がある。本実施の形態では、ホルダ147を後方にスライドさせることで、透明な上面カバー139及びホルダ収納部171の枠状の開口を通って光が上方から物品収納部132内に入るため、底壁132A側を容易に視認することができる。
図15は、上面カバー139及びトレイ144を取り外した状態を示す斜視図である。
図6及び図15に示すように、トレイ144は、物品収納部132の上側ケース155の後部の上部に連結されており、トレイ144の側壁部168は、物品収納部132の上部の側壁を構成している。トレイ144は、上側ケース155に嵌め込まれて取付けられており、メーターバイザー137や上部インナーカバー53が車体に取り付けられた状態で、トレイ144だけを着脱可能に構成されている。
また、上面カバー139は、図5に示すように、上部インナーカバー53の膨出壁部143の上部に固定される後壁186を有し、後壁186の固定孔186Aに挿通されるビス(不図示)によって上部インナーカバー53に固定される。固定孔186Aは、左側リッド134が閉じた状態では、左側リッド134によって覆われて隠れており、左側リッド134が開かれると外側に露出する。上面カバー139は、上記ビスを取り外すことで、車体から容易に取り外される。
すなわち、上面カバー139及びトレイ144は、車体から容易に取り外すことができる。図15に示すように、上面カバー139及びトレイ144が取り外された状態では、前部カバー130の内側の内部空間Kが外側に露出し、作業者は、内部空間K内に配置されているウインカー63のバルブ63A等の部品にアクセスすることができる。このため、前部カバー130の内側を容易にメンテナンスでき、メンテナンス性が良い。
本第1の実施の形態によれば、物品収納部132の上壁である上面カバー139は透明な部材で構成され、上面カバー139の下方の物品収納部132内に、上面カバー139に隣接してトレイ144が設けられ、トレイ144にはモバイル端末Pが載置されるホルダ147が設けられ、トレイ144に対してホルダ147をスライド自在に支持するとともにホルダ147がスライドした状態で物品収納部132の開口部142からホルダ147を露出させるスライド機構185を有するため、物品収納部132内のトレイ144のホルダ147に載置されたモバイル端末Pを透明な上面カバー139を通して確認できるとともに、スライド機構185によって開口部142から露出したホルダ147にモバイル端末Pを着脱することができ、モバイル端末Pの出し入れが容易である。
また、物品収納部132の上面カバー139は、ハンドル25の回動中心を構成するステアリングシャフト9の側方に配置されるとともに、ハンドル25の下方に設けられ、側面視で、後方ほど下方に傾斜するため、透明な上面カバー139がシート10の乗員側に向くことになり、モバイル端末Pの視認性が良い。
また、トレイ144の底部167は平面状に形成されるとともに、この平面内の一部を分割してホルダ147として構成したため、ホルダ147の大きさよりも大きなモバイル端末Pをトレイ144側に出し入れできる。また、トレイ144の底部167は、側面視で、後方に行くほど下方に傾斜しており、傾斜によって開口部142側にモバイル端末Pが寄せられるため、モバイル端末Pを容易に取り出すことができる。
さらに、上面カバー139は、物品収納部132に着脱自在に設けられ、トレイ144は上面カバー139の下方で物品収納部132の上側ケース155に着脱自在に設けられ、上面カバー139及びトレイ144を外した状態で、前部カバー130の内側の内部空間Kが、物品収納部132の上方に露出するため、前部カバー130の内側の部品、例えばバルブ63Aのメンテナンス性が良い。
また、物品収納部132の開口部142の下端142Aよりも物品収納部132の底壁132Aが下方に配置される構成では、物品収納部132の奥を視認し難いが、スライド機構185によってホルダ147を引き出すことで、透明な上面カバー139から物品収納部132内に光が入るため、物品収納部132の奥を視認し易い。
また、上方に延出する左右一対の上方突起178,178によってモバイル端末Pをホルダ147に支持できるとともに、ホルダ147をスライドさせる際の把持部として下方突起179を使用でき、簡単な構成でホルダ147の使い勝手を向上できる。
また、ホルダ147を収納するホルダ収納部171がトレイ144を切り欠いて形成され、ホルダ147の先端の乗り上げ部177がホルダ収納部171の周縁部の係止部167Bに乗り上げることで、トレイ144に対するホルダ147の収納状態が保持されるため、簡単な構造でホルダ147をトレイ144に保持できる。
また、スライド機構185の一部に切り欠き181が設けられ、ホルダ147の下方の物品収納部132の電源供給口180に接続される電源コード182を、切り欠き181を通してホルダ147の上方に引き回し可能であるため、ホルダ147の下方の大きな収納空間に電源供給口180を設けて、電源供給口180への接続容易性を確保しながら、ホルダ147の上方の上部収納部145に電源コード182を引き回すことができる。
図16は、上部収納部145にルーバー200を取付けた状態の平面図である。図17は、図16におけるXVII−XVII断面図である。図18は、上面カバー139の平面図である。図19は、図18におけるXIX−XIX断面図である。ここで、図16及び図17では、車体フレームFやハンドル25等を省略した状態が示されている。
図16に示すように、メーターバイザー137は、ウインドスクリーン61(図1)が固定される前側メーターバイザー137Aと、前側メーターバイザー137Aの後部に連結される後側メーターバイザー137Bとを有している。車両の速度等を表示するメーターユニット191(図14)は、上面カバー139,140の前方に設けられた後側メーターバイザー137Bの開口部137C(図14)から上方に露出し、前部フレーム24の上部に支持されている。
上面カバー139,140は、メーターユニット191の左右の後部からシート10側へ後下がりに傾斜して配置されている。
図15及び図17に示すように、後側メーターバイザー137Bは、トレイ144が嵌め込まれる開口部を有し、この開口部の周縁部には、後側メーターバイザー137Bの上面よりも一段窪んだ枠状部137Dが形成されている。トレイ144は、フランジ部169が枠状部137Dに上方から当接することで後側メーターバイザー137Bに支持される。上面カバー139は、一段窪んだ枠状部137Dに嵌め込まれるように配置されることで、周囲の後側メーターバイザー137Bの上面に対して略面一になる。
図16〜図19に示すように、上面カバー139は、中央に設けられる透光性領域部139A(透光性領域)と、透光性領域部139Aを囲うように透光性領域部139Aの周囲に設けられる非透光性領域部139B(非透光性領域)とを有し、ルーバー200は、透光性領域部139Aを通過した光を遮断するように、透光性領域部139Aに重なって透光性領域部139Aの下方に配置されている。
図9及び図17に示すように、上面カバー139とトレイ144との間には、ゴムやウレタン等で形成される断面略矩形のシール部材201が設けられている。詳細には、トレイ144の側壁部168の上端には、トレイ144の周縁部を一周するようにシール用溝部144Aが形成されており、シール部材201は、シール用溝部144Aに嵌め込まれて枠状に配置されている。
図17及び図19に示すように、上面カバー139は、非透光性領域部139Bの内面側から下方に突出するシール壁部202と、上面カバー139の周縁部に形成され、シール壁部202よりも外側に位置する周縁壁部203(透光性蓋体の周縁)とを有している。上面カバー139が閉じられた状態では、シール壁部202の下端がシール部材201の上面に当接してシール部204が形成されることで、上面カバー139とトレイ144との間が密閉される。
周縁壁部203の下端は、その全体に亘り、シール壁部202の下端のシール部204よりも下方まで延出している。これにより、周縁壁部203の下端まで流れた雨水等の水は、周縁壁部203から下方に落下し、周縁壁部203よりも高い位置にあるシール部204には到達しないため、上部収納部145の防水性を向上できる。
また、上面カバー139は、前端に形成された突起187(図18)がメーターバイザー137の係合部(不図示)に前後方向に嵌め込まれるとともに、上述のように、後壁186の固定孔186Aに前後方向に挿通されるビス(不図示)によって上部インナーカバー53に固定される。すなわち、本第1の実施の形態では、上面カバー139は前後方向に作用する力によって固定されているため、シール部材201には、シール部材201を上下方向に圧縮する力はほとんど作用していないが、上述のように周縁壁部203によって防水性が確保されているため、シール部材201を強く圧縮しなくとも、防水性を確保できる。このため、シール部材201にかかる負荷を低減できる。また、左側リッド134によって覆われて隠れる上記ビスによって上面カバー139を固定でき、上面カバー139を固定するために上方から設けられる固定具等を設ける必要がないため、固定具の露出を防止して上面カバー139の外観性を向上できる。
上面カバー139は、樹脂材料により構成されており、鋳型を用いたインサート成型(2色成形)によって製造される。また、上面カバー139は、上面視において左右非対称であるとともに、下面が開放した箱状に形成されており、比較的複雑な形状を有している。
上面カバー139の透光性領域部139Aは、透明な樹脂により構成される第1樹脂部材であり、非透光性領域部139Bは、不透明な有色の樹脂により構成される第2樹脂部材であり、上面カバー139は、2つの異なる樹脂材料をインサート成型で一体に成形することで製造される。具体的には、第1樹脂部材である透光性領域部139Aが先に樹脂成形され、その後、内部に透光性領域部139Aが配置された鋳型内に第2樹脂部材の樹脂を注入することで、透光性領域部139Aと非透光性領域部139Bとが一体に結合された上面カバー139が製造される。すなわち、インサート成型によって、透光性領域部139Aの外縁部と非透光性領域部139Bの内縁部とが結合する。ここで、インサート成型の順番は特に限定されるものではなく、非透光性領域部139Bを先に形成し、透光性領域部139Aを後に形成しても良い。
透明な上面カバー139に非透光性の部分を設ける方法としては、透明な部分を塗装したり、上面カバー139の内側面に非透光性のステッカーを貼ったりするという方法が考えられるが、塗装では、上面カバー139の複雑な形状に起因し、塗料を回り込ませることが困難であるという懸念があるとともに、経年変化や摩擦によって塗装が剥離するという問題があり、ステッカーを内側面に貼る方法では、複雑な形状に対応したステッカーの製造が困難であるとともに、ステッカーが防水性に影響するという懸念がある。しかし、本第1の実施の形態では、透明な第1樹脂部材と不透明な第2樹脂部材とをインサート成型することで上面カバー139を形成するため、透光性領域部139A及び非透光性領域部139Bを有する上面カバー139を簡単に形成できる。また、透光性領域部139Aと非透光性領域部139Bとを結合させるための部材を設ける必要がなく、部品点数を削減することができる。さらに、透光性領域部139A及び非透光性領域部139Bを別体に形成するよりも上面カバー139を薄肉に形成でき、収納物の視認性及び上面カバー139の設計の自由度を向上させることができる。
図16に示すように、上面カバー139の透光性領域部139Aと非透光性領域部139Bとの境界部139Cは、全体に亘り、シール部材201及びシール用溝部144Aよりも上面カバー139の中央部側に位置しており、シール部材201は非透光性領域部139Bによって上方から覆われている。一方、透光性領域部139Aは、ホルダ147の略全体に重なる位置に形成されており、乗員Rは、透光性領域部139Aを介して、ホルダ147上に載置されたモバイル端末Pを視認できる。
このように、中央部に透光性領域部139Aを設けるとともに、ホルダ147にほとんど重ならないホルダ147よりも外側の位置に非透光性領域部139Bを設け、非透光性領域部139Bでシール部材201を覆うため、透光性領域部139Aを介したモバイル端末Pの視認性を確保しつつ、シール部材201を外側から視認されないように隠すことができ、外観性を向上できる。また、非透光性領域部139Bよってシール部材201を太陽光から保護することができる。さらに、非透光性領域部139Bによって上部収納部145に入る太陽光を低減でき、上部収納部145内の温度上昇を抑制できる。
図19に示すように、境界部139Cでは、非透光性領域部139Bの内縁部の凸部206が透光性領域部139Aの外縁部に係合するとともに、透光性領域部139Aの外縁部の凸部207が、凸部206の下面に重なった状態で係合することで、非透光性領域部139Bと透光性領域部139Aとが結合されている。このように、凸部206,207を重ねるようにして結合させることで、結合部の面積を大きくして結合強度を確保できる。また、非透光性領域部139Bの凸部206が透光性領域部139Aの凸部207を上方から覆うため、凸部207が外側から視認されることが無く、境界部139Cの外観性を向上できる。
ここで、透光性領域部139Aは、透光性領域部139Aを介して上部収納部145内を視認できれば完全に透明である必要はなく、また、非透光性領域部139Bは、非透光性領域部139Bを介してシール部材201がほとんど視認されなければ、完全な非透光性を有する必要はない。本第1の実施の形態では、一例として、透光性領域部139Aは、スモークがかかった透明なポリカーボネイトにより構成され、非透光性領域部139Bは黒色のポリカーボネイトにより構成されている。
図20は、図16のXX−XX断面図である。図21は、図16のXXI−XXI断面図である。
図20及び図21に示すように、物品収納部132は、下側ケース154の上部に上側ケース155が結合され、上側ケース155の上部の開口にトレイ144が結合され、トレイ144の上部に上面カバー139が結合されて上面が閉じられることで、上下に延びる箱状に形成されている。上側ケース155の上部の開口には、この開口の縁部に沿ってシール溝155Aが形成されており、シール溝155Aには、パッキン208が嵌め込まれている。トレイ144の下縁部がパッキン208に当接した状態でシール溝155Aに係合することで、トレイ144と上側ケース155との間の防水性が確保されている。
下側ケース154の底壁132Aは、前部が最も低くなっており、この部分には、物品収納部132を下方の外側に連通させる水抜き孔209(図20)が形成されている。水抜き孔209は、物の出し入れ時等に物品収納部132に侵入した雨水等の液体を下方に排出する排出口として機能するとともに、外側から物品収納部132内に空気を導入する空気孔としても機能する。
図22は、ルーバー200の斜視図である。
図22に示すように、ルーバー200は、互いに間隔をあけて配置される複数の羽根210・・・(・・・は複数を示す。以下同じ。)と、羽根210・・・を支持する枠体211と、羽根210・・・の角度を変更可能な操作部212(ルーバー可変機構)を備えている。
枠体211は、羽根210・・・の並びに沿って前後に延びる左右一対の支持壁213,214と、支持壁213,214の前後の各端を車幅方向に連結する一対の連結壁215,216とを有している。左側の支持壁213は前後方向に真直ぐに延び、右側の支持壁214は、前側ほど支持壁213,214間の幅が小さくなるように傾斜して形成されている。
羽根210・・・は、車幅方向に細長い板であり、長手方向の両端部には、支持壁213,214に嵌合する回動軸210A,210Aを有している。回動軸210A,210Aは、ルーバー200を開いた状態における羽根210・・・の上部に形成されている。羽根210・・・は、回動軸210A,210Aが支持壁213,214に嵌合することで枠体211に支持され、回動軸210A,210Aを中心に回動可能である。また、各羽根210・・・が互いに平行に且つ間隔をあけて配置されることで、各羽根210・・・の間には、スリット状の通路が形成される。
羽根210・・・の下部において左側の支持壁213側の端部には、操作部212に連結される連結軸210Bが形成されている。連結軸210Bは回動軸210Aと平行に延びている。
操作部212は、羽根210・・・の下方で支持壁213に沿って前後に延びる1枚の板であり、羽根210・・・の配置の間隔と略等しい間隔で配置される複数の連結孔212A・・・有し、各連結軸210Bは連結孔212A・・・に連結されている。すなわち、羽根210・・・は、操作部212によって一体に連結されており、操作部212が前後にスライドされると、全ての羽根210・・・が回動軸210A,210Aを中心に上下に回動し、各羽根210・・・の角度が変更されてルーバー200が開閉される。操作部212の後部には、乗員Rが操作部212を操作し易いように、下方に突出した摘まみ部217が設けられている。
支持壁214には、右側の回動軸210Aが嵌合する支持孔214A・・・が形成されている。操作部212側の支持壁213には、上方に開放した係止溝213A・・・が形成されており、左側の各回動軸210Aは、係止溝213A・・・に上方から嵌め込まれて係止される。左側の各回動軸210A側は、右側の各回動軸210A側よりも操作部212の分だけ重くなっており、自重で係止溝213Aに納まるため、上部が開放した係止溝213Aであっても、回動軸210Aを支持することができる。このように、一方の回動軸210Aを支持孔214A・・・で支持し、他方の回動軸210Aを係止溝213A・・・で支持するため、枠体211及び羽根210・・・を大きく撓ませなくとも羽根210・・・を枠体211に組み付けでき、組付け性が良い。
ルーバー200は、嵌め込み式の固定構造(不図示)や固定具(不図示)によって上面カバー139の内側面に着脱自在に固定され、上面カバー139の内側面に沿って側面視で後下がりに配置される。上記固定構造及び固定具は、非透光性領域部139Bに設けられている。このため、固定構造及び固定具が外側へ露出することがなく、外観性を向上できる。また、本第1の実施の形態では、ルーバー200を上部収納部145内に設けることでルーバー200が汚れることを抑制できるが、ルーバー200及び上面カバー139が汚れた際には、上記固定構造及び固定具を介してルーバー200を取り外し、ルーバー200及び上面カバー139の内側面を容易に清掃することができる。
ルーバー200は、羽根210・・・が乗員R側に略対向するように、羽根210・・・の長手方向が車幅方向に延びる向きで配置されている。
また、ルーバー200は、羽根210・・・が透光性領域部139Aを介して外側から視認され、枠体211は、非透光性領域部139Bに上方から覆われることで隠れて視認されない。このため、ルーバー200の周辺の構造をシンプルに見せることができ、外観性を向上できる。
乗員Rは、左側リッド134を開けてホルダ147を手前に引き出し、物品収納部132の内部に手を入れることで、ルーバー200の操作部212を操作でき、羽根210・・・の角度を乗員Rの体格及び乗車姿勢等に応じた任意の角度に調節することができる。
ルーバー200の角度は、羽根210・・・のスリット状の通路が完全に閉じた閉状態(不図示)と、羽根210・・・のスリット状の通路の間隔が最も大きくなる開状態(不図示)との間で連続的に調整可能である。
図23は、乗員R側から上面カバー139を見た図である。ここで、図23では、車体フレームFやハンドル25等を省略した状態が示されている。
図23では、シート10に着座した乗員Rから上部収納部145内を見易い角度に羽根210・・・の角度を調整した状態が示されている。この状態は、上記閉状態よりも開状態側に角度が調整された中間の開状態であり、断面で見た場合、図20及び図1にその指向方向Qを矢印で示すように、羽根210・・・は、上部収納部145の後方且つ上方でシート10の上方に位置する乗員R(図1)の頭部に向かって後上がりとなる角度に調整されている。図16は、図23の状態において上部収納部145を真上から見た図であり、上記中間の開状態では真上から見ると各羽根210間のスリット状の通路は視認されない。
すなわち、上記中間の開状態では、乗員側からは各羽根210間のスリット状の通路を介して上部収納部145内を視認できるが、上方から見た場合、各羽根210間のスリット状の通路は閉じており、真上からの太陽光S(図20)は羽根210・・・によって遮蔽されて上部収納部145内にはほとんど届かない。このため、太陽光Sによる上部収納部145内の温度上昇を羽根210・・・によって抑制できるとともに、上部収納部145内の視認性も同時に確保でき、モバイル端末Pを上部収納部145内に収納した場合には、モバイル端末Pに与える熱影響を抑制し、且つ、モバイル端末Pの状態を視認して確認することができる。また、上記中間の開状態では、羽根210・・・の向きによって乗員側以外の位置からは上部収納部145内が視認し難くなるため、周囲からの上部収納部145内の覗き見を防止できる。
上部収納部145を含む物品収納部132内に光を多く取り込む必要がある場合には、乗員Rは、ルーバー200を上記開状態にして光を取り込むことができる。また、乗員Rは、ルーバー200を上記閉状態にすることで、上部収納部145内を外部から視認されないようにすることができ、上部収納部145内の収納物を隠すことができる。
ルーバー200は、車幅方向の左側(一側)にオフセットして配置されているが、図17において後面視で示すように、ルーバー200は車幅方向の中央側に向けて下がるように傾斜している。これにより、ルーバー200の上面は車幅方向の中央のシート10に着座する乗員側に向くため、乗員Rから上部収納部145内を視認し易い。
図24は、トレイ144を示す斜視図である。図25は、上面カバー139を取り外してトレイ144を露出させた状態を示す斜視図である。図26は、図25のXXVI−XXVI断面図である。図24及び図25では、シール部材201の図示は省略されている。
図24〜図26に示すように、トレイ144の側壁部168は、底部167から上方へ立設される上側側壁部168Aと、底部167から下方へ立設される下側側壁部168Bとを有している。上側側壁部168Aの上縁部には、シール部材201を介して上面カバー139が接続され、下側側壁部168Bの下縁部には、パッキン208を介して上側ケース155が接続される。
トレイ144のホルダ収納部171には、図24の矢印方向にホルダ147が差し込まれる。ホルダ147には、丸孔状の通風孔147A・・・が複数形成されており、物品収納部133内の空気は、通風孔147A・・・を通って上部収納部145とメイン収納部146との間を流通可能である。
ホルダ147は、白色の樹脂により構成されている。このように、ホルダ147の上面を白色等の集光し難い色に着色しておくことで、太陽光等によるホルダ147の加熱を低減でき、上部収納部145内の温度が上昇することを抑制できる。
トレイ144の前部には、底部167及び上側側壁部168Aが下側側壁部168Bの前壁部220よりも前方側へ膨出することで形成された膨出部221が設けられている。上側側壁部168Aは、膨出部221の前端部を構成する膨出部前壁222を有し、この膨出部前壁222には、上部収納部145内を外側に連通させる換気口223が形成されている。換気口223は、シール用溝部144Aと底部167との間で車幅方向に延びる長孔である。トレイ144は底部167が前上がりとなるように傾斜して配置されているため、膨出部前壁222の換気口223は、上部収納部145の最上部に位置している。すなわち、換気口223は、物品収納部133の最上部に位置している。
図27は、換気口223の断面を拡大した図である。図28は、図27におけるXXVIII−XXVIII断面図である。
図25〜図28に示すように、後側メーターバイザー137Bは、枠状部137Dを有し上面カバー139を周囲から囲うカバー支持部224と、カバー支持部224の前部から上方へ延出してメーターユニット191を前方から覆うバイザー部225とを一体に備えている。
バイザー部225がカバー支持部224から立ち上がる基端部には、上方をバイザー部225で覆われるとともに下方に開放した袋状空間Vが形成されている。トレイ144の換気口223は、袋状空間Vに対して後方側から対向して配置され、袋状空間Vの後部に連通している。
図20に示すように、物品収納部132のメイン収納部146は、トレイ144よりも前方へ膨出した収納部膨出部226を有している。収納部膨出部226は、換気口223及び袋状空間Vの位置を超えて前方へ延び、側面視では収納部膨出部226の前端は前側メーターバイザー137Aの下方に位置している。また、自動二輪車1の前部カバー130(図1)には、フロントフォーク26,26を含む操舵系が前部カバー130を貫通する開口(不図示)が設けられているが、収納部膨出部226は、この開口よりも上方に設けられている。
このように、換気口223の下方には、収納部膨出部226が換気口223を覆うように設けられているため、下方から前部カバー130に侵入した水や塵埃等が換気口223に侵入することを収納部膨出部226によって抑制できる。さらに、換気口223は、周囲よりも狭く形成されている袋状空間V内に開口しており、下方から侵入した水や塵埃等は袋状空間Vの袋状部には侵入し難い。このため、換気口223に水や塵埃等が侵入することを抑制できる。
太陽光やモバイル端末Pの発熱によって上部収納部145内の温度が上昇すると、図20に気流Xで示すように、上部収納部145内の空気は上部収納部145の上部に流れ、換気口223から袋状空間Vを経て外側に排出され、これに伴い、メイン収納部146の空気は、気流Yで示すように上方へ流れてトレイ144の通風孔147A・・・を通り、上部収納部145内に流入する。また、水抜き孔209からは、気流Zで示すように外側の空気がメイン収納部146内に流入する。
このように、上部収納部145の上部に換気口223を設けることで、上部収納部145をシール部材201で密閉した構成であっても、物品収納部132内の上昇気流を利用して上部収納部145内の空気を効率良く排出でき、防水性を確保しながら温度上昇を抑制できる。また、通風孔147A・・・を介して上部収納部145とメイン収納部146とが連通しており、メイン収納部146の空気が上部収納部145に流れるため、上部収納部145の温度上昇を抑制できる。また、収納部膨出部226によってメイン収納部146の容量が拡大されているため、上部収納部145及びメイン収納部146の温度上昇を抑制できる。さらに、水抜き孔209から外側の空気が流入するため、上部収納部145及びメイン収納部146の温度上昇を効果的に抑制できる。
図1に示すように、自動二輪車1は、車幅方向の左側(一側)にサイドスタンド47を備え、サイドスタンド47により駐車された状態では、車体は左側に傾斜し、この状態では、左側の上面カバー139は右側の上面カバー140よりも低くなる。本第1の実施の形態では、透光性領域部139Aを備えた上面カバー139を、サイドスタンド47と同じ側に配置し、サイドスタンド47によって駐車した際に他側の上面カバー140よりも低くなるようにしたため、上面カバー139に当たる太陽光を低減でき、上部収納部145内の温度上昇を抑制できる。
以上説明したように、本発明を適用した第1の実施の形態によれば、前部カバー130内に設けられる物品収納部132の上部収納部145の上面を構成する上面カバー139と上部収納部145の側壁部168との間にシール部材201のシール部204が設けられるため、シール部204によって上面カバー139と上部収納部145との間の防水性を確保でき、上面カバー139の透光性領域部139Aの周囲において収納物であるモバイル端末Pの視認性に影響しない領域に非透光性領域部139Bを設けたため、モバイル端末Pの視認性を確保しつつ、上部収納部145内に照射される太陽光等の光を低減でき、上部収納部145内の温度上昇を抑制することができる。また、非透光性領域部139Bにシール部204が配置されるため、シール部204が外観に露出せず、外観性を高めることができるとともに、太陽光がシール部204のシール部材201に影響することを防止できる。
また、上面カバー139は、樹脂により構成され、透光性領域部139Aと非透光性領域部139Bとは一体に異なる樹脂で形成されているため、透光性領域部139Aと非透光性領域部139Bとを有する上面カバー139を簡単に形成できるとともに、透光性領域部139Aと非透光性領域部139Bとを固定する部品を省略でき、部品点数を削減できる。
また、上面カバー139が左右非対称の箱状に形成される複雑な形状であっても、透光性領域部139Aと非透光性領域部139Bとを一体に樹脂で成形でき、上面カバー139を容易に形成できる。
さらに、上面カバー139の周縁壁部203がシール部204よりも下方に延出しているため、上面カバー139の周縁壁部203よりも上方に水等が侵入し難くなり、シール部204を圧縮しなくとも防水性を確保できる。
また、透光性領域部139Aの下方に、上方からの光を遮断し、乗員Rからの上部収納部145内の視認を可能とするルーバー200を設けたため、ルーバー200によって太陽光を遮蔽して上部収納部145内の温度上昇を抑制しつつ、ルーバー200を介して上部収納部145内の視認性を確保できる。
また、物品収納部132の上部収納部145の上面を構成する上面カバー139の内側に設けられ、上方からの光を遮断し、乗員Rからの上部収納部145内の視認を可能とするルーバー200を備えたため、ルーバー200を介して乗員Rからの上部収納部145内の視認を可能とし、且つ、ルーバー200によって上部収納部145内への太陽光の照射を低減し、上部収納部145内の温度上昇を抑制できる。
また、上方からの光を遮断する遮光部はルーバー200によって構成されるため、簡単な構造で遮光部を形成でき、上部収納部145内の温度上昇を抑制できる。
また、上面カバー139は、前部カバー130の上面に設けられ、ルーバー200は、シート10の上方に向けて指向するように設けられるため、シート10の乗員Rからの上部収納部145内の視認性を向上させながら、遮光によって上部収納部145内の温度上昇を抑制できる。
さらに、ルーバー200の回動方向を上下に調整可能な操作部212が設けられるため、乗員Rの好み、姿勢及び体格等に応じて上部収納部145内の視認性を調整することができる。
また、ルーバー200と上面カバー139とは、分離可能に形成されているため、ルーバー200を分離することで、上面カバー139及びルーバー200を簡単に清掃することができ、視認性を維持するためのメンテナンスの作業性を向上できる。
また、前部カバー130内に設けられる物品収納部132の上部収納部145のトレイ144の上部に上部収納部145の内外を連通させる換気口223が設けられているため、上部収納部145内の温度上昇に伴う上昇気流を利用して、暖められた空気を上部収納部145の外に排出でき、上部収納部145内の温度上昇を抑制できる。
また、上面カバー139は、前部カバー130の上面に設けられるとともに、側面視で後方に行くほど下方に下がるように形成されるため、シート10の乗員Rからの上部収納部145内の視認性を向上でき、換気口223は、上部収納部145の前部且つ前部カバー130内に設けられ、塵埃や雨水等が侵入し難い高い位置に位置するため、換気口223からの塵埃や雨水等の侵入を防止しながら、上部収納部145内の温度上昇を効果的に抑制できる。
また、換気口223の下方に、物品収納部132のメイン収納部146が前方に膨出した収納部膨出部226が形成されたため、収納部膨出部226の分だけ物品収納部132の容量を拡大できるとともに、塵埃や雨水等の換気口223への侵入を収納部膨出部226によって抑制することができる。また、物品収納部132の容量が大きくなることで、物品収納部132内の空気が温まりにくくなり、温度上昇を抑制できる。
さらに、上面カバー139の前方にメーターバイザー137が設けられ、メーターバイザー137内に換気口223がメーターバイザー137の袋状空間Vに対向して配置されたため、袋状空間V内の構造を利用して、換気口223に塵埃や雨水等の侵入を防止することができるとともに、メーターバイザー137側に空気を排出して上部収納部145内の温度上昇を効果的に抑制できる。
また、上面カバー139の下方に物品収納部132を仕切る底部167を設けて底部167の上方の上部収納部145と底部167の下方のメイン収納部146とを形成するとともに、上部収納部145とメイン収納部146とを連通させる通風孔147A・・・をトレイ144の底部167の一部を構成するホルダ147に形成したため、メイン収納部146内の空気が上部収納部145に流れ、上部収納部145が温まりにくくなるため、上部収納部145の温度上昇を抑制できる。
また、自動二輪車1を支持するサイドスタンド47が車幅方向の一側に設けられ、上面カバー139は車幅方向の一側に設けられ、サイドスタンド47による駐車状態において、車幅方向の他側よりも低い一側に上面カバー139が位置し、上面カバー139に太陽光が入りにくくなるため、上部収納部145内の温度上昇を抑制できる。
なお、上記第1の実施の形態は本発明を適用した一態様を示すものであって、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
上記第1の実施の形態では、換気口223は、袋状空間Vに対して後方側から対向して配置され、袋状空間Vの後部に連通するものとして説明したが、図24に2点鎖線で示すように、チューブ状のダクト228によって換気口223を袋状空間Vに連通させても良い。ダクト228は、略L字状に屈曲したチューブ本体228Aと、チューブ本体228Aの一端に形成され換気口223に接続される接続口228Bと、チューブ本体228Aの他端に形成され、袋状空間V内で上方に開口する排出口228Cとを有している。このように、ダクト228によって換気口223を袋状空間Vに接続することで、空気を確実に袋状空間Vに排出できるとともに、排出口228Cが上方に開口しているため、排出口228Cからの水や塵埃の侵入を抑制できる。
また、上記第1の実施の形態では、羽根210・・・は乗員側に略対向するように、羽根210・・・の長手方向が車幅方向に延びる向きで配置されているものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、後述する第4の実施の形態のように、羽根210・・・の長手方向と直交する直線が車幅方向中央のシート10に向けて指向するようにルーバー200を設け、乗員Rから上部収納部145内を見易くしても良い。
[第2の実施の形態]
以下、図29を参照して、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
上記第1の実施の形態では、インサート成型によって、透光性領域部139Aの外縁部と非透光性領域部139Bの内縁部とが結合されるものとして説明したが、本第2の実施の形態は、透明な上面カバー339(透光性蓋体)の内側面に、非透光性の樹脂がインサート成型によって結合される点が、上記第1の実施の形態と異なる。
図29は、第2の実施の形態における上面カバー339の断面図である。
上面カバー339は、上記第1の実施の形態の上面カバー139に替えて設けられ、上部収納部145の上面を構成する。
図29に示すように、板状の上面カバー339は、シール部材201(図17)に当接するシール壁部302と、上面カバー339の周縁部に形成され、シール壁部302よりも外側に位置する周縁壁部303(透光性蓋体の周縁)とを有している。周縁壁部303の下端は、シール壁部302の下端とシール部材201の上面との間に形成されるシール部よりも下方まで延びている。
上面カバー339は、透明な樹脂により構成される第1樹脂部材341と、不透明な有色の樹脂により構成される第2樹脂部材342とを有して構成されている。上面カバー339は、透光性の透光性領域部339A(透光性領域)を中央に有するとともに、透光性領域部339Aを囲うように透光性領域部339Aの周囲に設けられる非透光性領域部339B(非透光性領域)を有している。詳細には、透明な一枚の板状の第1樹脂部材341の下面(内側面)の周縁部に、不透明な第2樹脂部材342を重ねるようにしてインサート成型することで、透光性領域部339Aの周囲に非透光性領域部339Bが形成される。
シール壁部302は、第2樹脂部材342をインサート成形によって第1樹脂部材341に結合する工程で形成され、第2樹脂部材342によって構成されている。また、第2樹脂部材342は、周縁壁部303の下端まで回り込んで形成されている。
このように、第1樹脂部材341の下面に、第2樹脂部材342を重ねることで、第1樹脂部材341と第2樹脂部材342との結合部の面積を大きく確保することができる。
透光性領域部339Aの内側面には、上記第1の実施の形態と同様に、ルーバー200が上面カバー339に対して分離可能に取付けられる。
[第3の実施の形態]
以下、図30を参照して、本発明を適用した第3の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
上記第1の実施の形態では、ルーバー200と上面カバー139とは、分離可能に形成されているものとして説明したが、本第3の実施の形態は、ルーバー400(遮光部)が上面カバー439(透光性蓋体)に一体に設けられている点が、上記第1の実施の形態と異なる。
図30は、第3の実施の形態における上面カバー439の断面図である。
上面カバー439は、上記第1の実施の形態の上面カバー139に替えて設けられ、上部収納部145の上面を構成する。
図30に示すように、板状の上面カバー439は、シール部材201に当接するシール壁部402と、上面カバー439の周縁部に形成され、シール壁部402よりも外側に位置する周縁壁部403と、上方から上面カバー439を通って上部収納部145内に入る太陽光等の光を遮断するルーバー400とを有している。周縁壁部403の下端は、シール壁部402の下端とシール部材201の上面との間に形成されるシール部よりも下方まで延びている。
上面カバー439は、透明な樹脂により構成される第1樹脂部材441と、不透明な有色の樹脂により構成される第2樹脂部材442とを有して構成されている。上面カバー439は、透光性の透光性領域部439A(透光性領域)を中央に有するとともに、透光性領域部439Aを囲うように透光性領域部439Aの周囲に設けられる非透光性領域部439B(非透光性領域)を有している。詳細には、透明な一枚の板状の第1樹脂部材441の外縁部に、不透明な第2樹脂部材442をインサート成型して結合させることで、透光性領域部439Aの周囲に非透光性領域部439Bが形成される。シール壁部402及び周縁壁部403は、第2樹脂部材442によって構成されている。
ルーバー400は、不透明な第2樹脂部材442で構成されており、透光性領域部439Aと非透光性領域部439Bとを結合させる上記インサート成型の工程で形成され、インサート成型によって上面カバー439の下面に一体に形成される。
ルーバー400は、互いに間隔をあけて配置される複数の羽根410・・・と、複数の羽根410・・・を一体に連結する一対の支持板部411とを有している。羽根410・・・は、透光性領域部439Aの下面から前下方に向けて立設され、互いに平行且つ略同一の角度で傾斜して配置される。最前列及び最後列の羽根410A,410Bは、非透光性領域部439Bの内縁部の下面に形成される。羽根410・・・は、車幅方向に細長い板であり、長手方向の両端部が各支持板部411で連結されることで、補強されている。
羽根410・・・の傾斜角度は、上面カバー439が上部収納部145に取り付けられた状態において、シート10の上方に位置する乗員Rの頭部に向かって羽根410・・・が後上がりとなり、且つ、真上から見た場合に各羽根410間のスリット状の通路が閉じるように設定されている。このため、乗員Rからは上面カバー439を通して上部収納部145の内部を視認できるとともに、真上からの太陽光はルーバー400によって遮蔽することができる。
このように、ルーバー400及び非透光性領域部439Bをインサート成型によって上面カバー439に一体に形成することで、ルーバー400及び非透光性領域部439Bを上面カバー439に固定するための固定部を無くすことができ、部品点数を削減することができる。
[第4の実施の形態]
以下、図31を参照して、本発明を適用した第4の実施の形態について説明する。この第4の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
上記第1の実施の形態では、ルーバー200は、操作部212の操作によって羽根210・・・の角度を変更可能であるとともに、羽根210・・・は乗員側に略対向するように、羽根210・・・の長手方向が車幅方向に延びる向きで配置されているものとして説明したが、本第4の実施の形態は、ルーバー500(遮光部)は、羽根510・・・の角度が固定されているとともに、車幅方向の中央の乗員側に向けて羽根510・・・が傾斜して設けられる点が、上記第1の実施の形態と異なる。
図31は、第4の実施の形態における上面カバー139の断面図である。図32は、上部収納部145に取り付けられた状態の上面カバー139を乗員側から見た図である。
図31及び図32に示すように、上面カバー139の内側面には、上方から上面カバー139を通って上部収納部145内に入る太陽光等の光を遮断するルーバー500が取付けられている。
ルーバー500は、上面視で枠状に形成される枠体511と、枠体511の枠内に掛け渡され、互いに間隔をあけて配置される複数の羽根510・・・とを備えている。
羽根510・・・は、車幅方向に細長い板であり、互いに平行且つ略同一の角度で傾斜して配置される。
枠体511は、外縁部から外側に突出する複数の舌部511Aを有し、舌部511Aを頭部で挟むように非透光性領域部139Bの内側面に締結されるビス505によって上面カバー139に固定される。このように、ルーバー500を固定するビス505を非透光性領域部139Bの内側面に固定するため、ビス505は上面カバー139の上面に露出しないとともに非透光性領域部139Bによって隠されるため、上面カバー139の外観性を向上できる。
羽根510・・・の傾斜角度は、上面カバー139が上部収納部145に取り付けられた状態(図32)において、シート10の上方に位置する乗員Rの頭部に向かって羽根410・・・が後上がりとなり、且つ、真上から見た場合に各羽根510間のスリット状の通路が閉じるように設定されている。このため、乗員Rからは上面カバー439を通して上部収納部145の内部を視認できるとともに、真上からの太陽光はルーバー400によって遮蔽することができる。
さらに、ルーバー500は、羽根510・・・の長手方向と直交する直線Wが、車幅方向中央のシート10に向けて指向するように設けられている。
このように、ルーバー500を備えた上面カバー139が車幅方向の一側にオフセットして配置される構成において、羽根510・・・の長手方向と直交する直線Wがシート10に向けて指向するようにルーバー500を配置することで、車幅方向の中央に着座した乗員が上面カバー139を見た際に、羽根510・・・の面に対して乗員の目線が略直交するため、羽根510・・・がほとんど邪魔にならず、上面カバー139を介した上部収納部145の内部の視認性を向上できる。
[第5の実施の形態]
以下、図33を参照して、本発明を適用した第5の実施の形態について説明する。この第5の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
上記第1の実施の形態では、ホルダ147には、丸孔状の通風孔147A・・・が形成されているものとして説明したが、本第5の実施の形態は、ホルダ647に開口が形成され、この開口にフィンが設けられている点が、上記第1の実施の形態と異なる。
図33は、第5の実施の形態におけるホルダ647を示す図であり、図33(a)は斜視図であり、図33(b)は図33(a)のXXXIII−XXXIII断面図である。
ホルダ647は、図24に示すホルダ147に替えてトレイ144のホルダ収納部171に取り付けられ、トレイ144の底部167の一部を構成する。
図33に示すように、板状のホルダ647には、前後方向の中間部から後部にかけて延びる略矩形の通風用開口647Aが形成されている。通風用開口647Aの左右の内縁部には、下方に延びる支持板部647B(左側の支持板部は不図示)がそれぞれ形成されており、左右の支持板部647B間には、互いに間隔をあけて配置される複数のフィン650・・・が掛け渡されている。
フィン650・・・は、車幅方向に延びる細長い板であり、互いに平行且つ略同一の角度で傾斜して配置される。詳細には、フィン650・・・は、トレイ144の上部の換気口223に向けて前上がりに傾斜して配置されており、通風用開口647Aを通ってメイン収納部146から上部収納部145に流れる空気は、フィン650・・・によって整流されて換気口223側にスムーズに流れる。
また、フィン650・・・が鉛直方向に対して傾斜して配置されていることで、通風用開口647Aの一部がフィン650・・・によって隠れるため、トレイ144の下方のメイン収納部146内が透光性領域部139Aを介して外側に見えてしまうことを抑制できる。
すなわち、第5の実施の形態によれば、上面カバー139からメイン収納部146の内部が外側に見えてしまうことをフィン650・・・によって抑制できるとともに、フィン650・・・の向きによって物品収納部132内の気流を制御して、上部収納部145内の温度上昇を効果的に抑制できる。
1 自動二輪車(鞍乗り型車両)
10 シート
47 サイドスタンド
130 前部カバー
132 物品収納部(収納部)
137 メーターバイザー
139,339,439 上面カバー(透光性蓋体)
145 上部収納部(第1収納部)
146 メイン収納部(第2収納部)
147A 通風孔(第1収納部と前記第2収納部とを連通させる開口)
167 底部(底壁)
223 換気口
226 収納部膨出部
647A 通風用開口(第1収納部と前記第2収納部とを連通させる開口)
650 フィン

Claims (5)

  1. 車両の前部を覆う前部カバー(130)と、前記前部カバー(130)の後方に配置され、乗員が着座するシート(10)と、前記前部カバー(130)内に設けられる収納部(132)と、前記収納部(132)の上面を構成する透光性蓋体(139,339,439)とを有する鞍乗り型車両の収納部構造において、
    前記収納部(132)の上部に前記収納部(132)の内外を連通させる換気口(223)が設けられ
    前記換気口(223)は、前記収納部(132)内の前部に設けられ、
    前記透光性蓋体(139,339,439)を支持するカバー支持部(224)と、当該カバー支持部(224)の前方で上方に延出し、車両の速度を表示するメーターユニット(191)を前方から覆うバイザー部(225)とを備えたメーターバイザー(137)が設けられ、
    前記換気口(223)の下方に、前記収納部(132)が前記換気口(223)よりも前方に膨出した収納部膨出部(226)が形成され、
    前記換気口(223)は、上方をメーターバイザー(137)で覆われるとともに下方を収納部膨出部(226)で覆われる空間に連通することを特徴とする鞍乗り型車両の収納部構造。
  2. 前記透光性蓋体(139,339,439)は、前記前部カバー(130)の上面に設けられるとともに、側面視で後方に行くほど下方に下がるように形成され、
    前記換気口(223)は、前記収納部(132)の前部且つ前記前部カバー(130)内に設けられることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両の収納部構造。
  3. 前記透光性蓋体(139,339,439)の下方に前記収納部(132)を仕切る底壁(167)を設けて前記底壁(167)の上方の第1収納部(145)と前記底壁(167)の下方の第2収納部(146)とを形成するとともに、前記第1収納部(145)と前記第2収納部(146)とを連通させる開口(147A,647A)を前記底壁(167)に形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の鞍乗り型車両の収納部構造。
  4. 前記開口(647A)に複数のフィン(650)が設けられたことを特徴とする請求項記載の鞍乗り型車両の収納部構造。
  5. 前記鞍乗り型車両を支持するサイドスタンド(47)が車幅方向の一側に設けられ、前記透光性蓋体(139,339,439)は前記一側に設けられることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の鞍乗り型車両の収納部構造。
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