JP5915386B2 - 運転支援装置及び運転支援方法 - Google Patents

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Description

本発明は、自車両と移動体との衝突を回避するための運転支援を実施する運転支援装置及び運転支援方法に関する。
従来の運転支援装置として、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1に記載の運転支援装置では、自車両の進行方向に存在する物体の位置を検出し、検出された物体の進行方向に対する横移動速度が所定速度以下であるか否かを判断している。そして、この運転支援装置では、横移動速度が所定速度以下であると判断した場合に、移動体の検出方向と自車両の進行方向とからなる検出角度に基づいて自車両と移動体との接触の可能性を判定している。
特開2010−257298号公報
ところで、自車両の進行方向の前方にいる歩行者、自転車などの移動体が道路を横断しようとしている状況において、移動体との衝突を回避するための運転支援を実施しなくても、自車両が移動体の位置する地点に到達したときには移動体が既に道路を横断し終えていることがある。従来の運転支援装置では、そのような状況であっても、横移動速度が所定速度以下である場合に自車両となす検出角度に基づいて接触の可能性を判定し、運転支援を実施する可能性がある。したがって、不要な運転支援が実施されるおそれがあり、実際の状況との違いに運転者が違和感を覚えるといった問題が生じ得る。
また、同様な状況において、移動体が道路を横断し始める前又は横断し終える前に運転支援の実施が完了すると、移動体が自車両の進行方向に未だ存在する状況で運転支援の実施が終了されてしまう場合が想定される。この場合、移動体が必ずしも安全な位置に移動していない状況で運転支援の実施が終了されてしまうので、運転者が運転支援の終了を早過ぎると感じたり、運転に支障を生じたりすることが想定される。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、運転支援の要否を適切に判断し、効果的な運転支援を実施できる運転支援装置及び運転支援方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る運転支援装置は、自車両と移動体との衝突を回避する運転支援を実施する運転支援装置であって、自車両の進行方向と当該進行方向に交差する方向とにおいて自車両と移動体とが交差する交差地点に自車両が到達するまでの第1時間と、交差地点に移動体が到達するまでの第2時間とをそれぞれ求め、第1時間と第2時間との相対関係に基づいて、自車両における運転支援を実施するか否かを判断するとともに実施すべき運転支援の内容を決定し、相対関係が介入制御条件を満たす場合に自車両における介入制御を実施し、相対関係が介入制御条件を一旦満たした後に満たさなくなった場合に、移動体が交差地点に到達するまで自車両の運転者に対し移動体が前方に存在する旨の報知を実施し、介入制御は、自車両における制動制御及び操舵制御の少なくとも一方を含み、報知は、ヒューマン・マシン・インタフェースを用いて実施されることを特徴とする。
この運転支援装置では、進行方向において自車両が交差地点に到達するまでの第1時間と、進行方向に交差する方向、つまり自車両の横方向において移動体が交差地点に到達するまでの第2時間とを求め、第1時間と第2時間との相対関係に基づいて自車両における運転支援を実施するか否かを判断するとともに実施すべき運転支援の内容を決定している。そして、この相対関係が介入制御条件を満たす場合に自車両における介入制御を実施し、相対関係が介入制御条件を一旦満たした後に満たさなくなった場合に、移動体が交差地点に到達するまで報知を実施する。これにより、移動体が安全な位置に移動する前に介入制御が終了された場合でも、移動体が交差地点に到達するまで報知が実施されるので、運転者が運転支援の終了を早過ぎると感じたり、運転に支障を生じたりすることを抑制できる。その結果、運転支援の要否の判断と、実施すべき運転支援の内容の決定とを的確に行い、効果的な運転支援を実施することができる。
運転支援装置は、自車両が進行方向において交差地点に到達するまでの第1時間を予測する第1時間予測手段と、移動体が進行方向に交差する方向において交差地点に到達するまでの第2時間を予測する第2時間予測手段と、第1及び第2時間予測手段によって予測された第1及び第2時間を予め設定されたマップに適用して、自車両において運転支援を実施するか否かを判断するとともに実施すべき運転支援の内容を決定する運転支援判断手段と、運転支援判断手段によって運転支援を実施すると判断された場合に、運転支援を制御する運転支援制御手段と、を備え、運転支援判断手段は、第1及び第2時間がマップ上で介入制御条件を満たす場合に介入制御の実施を決定し、第1及び第2時間がマップ上で介入制御条件を一旦満たした後に満たさなくなった場合に、移動体が交差地点に到達するまで報知の実施を継続的に決定してもよい。このように、第1時間及び第2時間を予め設定されたマップに適用することにより、運転支援の要否の判断と、実施すべき運転支援の内容の決定とをより的確に行うことができる。
マップには、運転支援が不要であると判断される第1領域と、運転支援が必要であると判断される第2領域とが設定されており、運転支援判断手段は、第1時間と第2時間との関係を表す点が第2領域に存在する場合に、運転支援を実施すると判断してもよい。このようなマップを用いることにより、運転支援の要否の判断をより一層的確に行うことができる。
第2領域には、緊急度に応じた運転支援の内容として、報知と介入制御が予め設定されており、運転支援制御手段は、マップの第2領域に設定された運転支援の内容に応じて、実施すべき運転支援の制御内容を決定してもよい。このような構成によれば、自車両と移動体との相対関係に応じて、適切な運転支援を実施することができる。
本発明に係る運転支援方法は、自車両と移動体との衝突を回避する運転支援方法であって、自車両の進行方向と当該進行方向に交差する方向とにおいて自車両と移動体とが交差する交差地点に自車両が到達するまでの第1時間と、交差地点に移動体が到達するまでの第2時間とをそれぞれ求め、第1時間と第2時間との相対関係に基づいて、自車両における運転支援を実施するか否かを判断するとともに運転支援の内容を決定し、第1時間と第2時間との相対関係が介入制御条件を満たす場合に自車両における介入制御を実施し、相対関係が介入制御条件を一旦満たした後に満たさなくなった場合に、移動体が交差地点に到達するまで自車両の運転者に対し移動体が前方に存在する旨の報知を実施し、介入制御は、自車両における制動制御及び操舵制御の少なくとも一方を含み、報知は、ヒューマン・マシン・インタフェースを用いて実施されることを特徴とする。
本発明によれば、運転支援の要否を適切に判断し、効果的な運転支援を実施できる。
本発明の一実施形態に係る運転支援装置を示す図である。 マップを示す図である。 運転支援判断部における運転支援要否の判断方法を説明するための図である。 運転支援装置の動作を示すフローチャートである。 運転支援装置の動作を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る運転支援装置の構成を示す図である。図1に示す運転支援装置1は、車などの車両に搭載され、歩行者や自転車などの移動体との衝突を回避するための運転支援を行う装置である。なお、運転支援とは、自車両において直接的に制動や操舵などの介入制御を行うことや、運転者に対して報知を行うことを含んでいる。
図1に示すように、運転支援装置1は、ECU(Electronic Control Unit)3を備えている。ECU3には、移動体検出センサ5と、車両センサ7と、HMI(Human Machine Interface)9と、介入制御ECU11とが接続されている。ECU3及び介入制御ECU11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などからなる電子制御ユニットであり、プログラムによって動作する。
移動体検出センサ5は、移動体を検出する外界センサである。移動体検出センサ5は、例えば、レーザーレーダーやミリ波レーダー、カメラなどの撮像手段である。移動体検出センサ5は、ミリ波レーダーである場合、周波数変調されたミリ波帯のレーダー波を送受信することにより、自車両の前方に位置する移動体を検出し、検出結果に基づいて、移動体の位置や速度などの移動体情報を生成する。移動体検出センサ5は、移動体情報をECU3に出力する。なお、移動体検出センサ5がカメラである場合には、撮像した画像に画像処理を施して移動体情報を生成する。また、移動体検出センサ5は、ミリ波レーダー及びカメラの両方から構成されていてもよい。
車両センサ7は、自車両の走行状態を検出する内界センサである。車両センサ7は、例えば、車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサ、ステアリングの操舵角を検出する操舵角センサ、車両の車速(走行速度)を検出する車速センサなどである。車両センサ7は、検出した自車両の走行状態を示す車両情報をECU3に出力する。
ECU3は、衝突時間予測部(第1時間予測手段、第2時間予測手段)31と、マップ記憶部33と、運転支援判断部(運転支援判断手段)35と、運転支援制御部(運転支援制御手段)37とを備えている。
衝突時間予測部31は、自車両及び移動体が交差地点に到達するまでの時間を予測する部分である。衝突時間予測部31は、移動体検出センサ5から出力された移動体情報、及び、車両センサ7から出力された車両情報を受け取ると、移動体情報及び車両情報に基づいて自車両と移動体との衝突時間、すなわち自車両と移動体とが交差する交差地点に自車両及び移動体がそれぞれ到達するまでの時間を算出する。
衝突時間予測部31は、車両情報に基づいて自車両の予測軌跡などを求め、自車両が交差地点に到達するまでの時間、すなわち自車両が現在の状態で進行方向に走行した場合に何秒後に移動体に衝突するかを示す値であるTTC(Time To Collision、第1時間)を算出する。また、衝突時間予測部31は、移動体情報に基づいて移動体の速度ベクトルなどを求め、移動体が交差地点に到達するまでの時間、すなわち移動体が現在の状態で自車両の進行方向に交差する方向(自車両の横方向)に移動した場合に何秒後に自車両に衝突するかを示す値であるTTV(Time To Vehicle、第2時間)を算出する。
衝突時間予測部31は、以下の式(1)及び(2)によりTTC及びTTVを算出する。
TTC=x/(V−vx) …(1)
TTV=y/vy …(2)
上記式(1),(2)において、V:自車両の速度、x,y:移動体の相対位置、vx,vy:移動体の速度である。衝突時間予測部31は、算出したTTC及びTTVを示すTTC情報及びTTV情報を運転支援判断部35に出力する。
マップ記憶部33は、マップMを記憶している。図2は、マップを示す図である。図2に示すように、マップMは、縦軸がTTC(s)、横軸がTTV(s)であり、TTCとTTVとの相対関係を示している。マップMにおいて、原点Oが自車両と移動体との交差地点に設定されている。マップMでは、原点Oから離れるにつれて(TTC、TTVが大きくなるにつれて)交差地点から離れた場所に位置していることとなる。マップMには、運転支援不要エリア(第1領域)A1と、運転支援エリア(第2領域)A2とが設定されている。マップMについて、以下具体的に説明する。
運転支援エリアA2は、y=fx(TTC,TTV)の関数に囲まれた領域である。運転支援エリアA2を規定する2本の直線は、TTCとTTVとの差分(TTC−TTV)で設定されている。マップMにおいて、t1及びt2は、例えば1〜3秒に設定されている。
運転支援エリアA2には、予め運転支援の制御内容が緊急度に応じて複数設定されており、HMIエリアA21と、介入制御エリアA22と、緊急介入制御エリアA23とが設定されている。HMIエリアA21は、運転者に対して、交差移動体の存在を注意喚起するために、報知を行うといった運転支援を実施するエリアである。介入制御エリアA22は、HMIエリアA21の内側に設定されている。介入制御エリアA22は、制動などの介入制御を実施するエリアである。緊急介入制御エリアA23は、急制動などを実施し、衝突を回避するための緊急介入制御を実施するエリアである。緊急介入制御エリアA23は、マップMの原点O寄り、つまり自車両と移動体との交差地点に近い部分に設定されている。
運転支援不要エリアA1は、運転支援エリアA2以外の部分であり、自車両と移動体との衝突を回避するための運転支援を必要としないエリアである。つまり、運転支援不要エリアA1に該当する場合には、自車両が交差地点に到達するときには移動体が交差地点を既に通過している、或いは、移動体が交差地点から離れた場所に位置していることになる。
マップMには、実験データなどに基づいて運転支援エリアA2及び運転支援不要エリアA1が設定されていてもよいし、運転者の運転特性(アクセル特性、ブレーキ特性)を学習させることにより運転支援エリアA2及び運転支援不要エリアA1が設定されてもよい。また、マップMにおいては、介入制御エリアA22及び緊急介入制御エリアA23において、運転支援の制御量がそれぞれ設定されていてもよい。マップ記憶部33に記憶(格納)されるマップMは、書き換え(マップMの更新)可能とされている。
運転支援判断部35は、自車両において運転支援を実施するか否かを判断するとともに実施すべき運転支援の内容を決定する部分である。運転支援判断部35は、TTC及びTTVをマップMに適用して、自車両において運転支援を実施するか否かを判断する。具体的には、運転支援判断部35は、衝突時間予測部31から出力されたTTC情報及びTTV情報をマップMに適用し、TTCとTTVとが交差する交点(TTCとTTVとの相対関係を表す点)がマップMのどのエリアに位置するのかを判断する。
例えば、図3に示すように、運転支援判断部35は、TTCとTTVとが点P1で交わる場合には、運転支援不要エリアA1であるため、基本的に、自車両において運転支援を実施しないと判断する。つまり、点P1で交わる場合には、移動体が交差地点に到達するときには自車両が交差地点を通過していることになる。
一方、運転支援判断部35は、TTCとTTVとが点P2で交わる場合には、運転支援エリアA2(介入制御エリアA22)であるため、自車両において運転支援を実施すると判断する。運転支援判断部35は、運転支援を実施すると判断した場合には、実施すべき運転支援の内容を決定する。そして、運転支援判断部35は、運転支援の内容を示す支援実施情報を運転支援制御部37に出力する。
具体的には、運転支援判断部35は、TTCとTTVとの相対関係が報知条件を満たす場合、自車両の運転者に対する報知の実施を決定する。報知条件は、TTCとTTVとの交点がHMIエリアA21内にある場合に満たされる。運転支援判断部35は、TTCとTTVとの相対関係が介入制御条件を満たす場合、報知と自車両における介入制御(又は緊急介入制御)の実施を決定する。介入制御条件は、この交点が介入制御エリアA22(又は緊急介入制御エリアA23)内にある場合に満たされる。
続いて、運転支援判断部35は、TTCとTTVとの相対関係が介入制御条件を一旦満たした後に満たさなくなった場合、介入制御(又は緊急介入制御)の終了を決定するが、報知の実施の終了を決定せずに報知の実施を決定する。これは、この交点が介入制御エリアA22(又は緊急介入制御エリアA23)から外れてHMIエリアA21又は運転支援不要エリアA1内に移った場合に相当する。
ここで、運転支援判断部35は、TTCとTTVとの相対関係が介入制御条件を一旦満たした後に満たさなくなった場合、移動体が交差地点に到達するまで、つまりTTVが0未満となるまで報知の実施を継続的に決定する。そして、運転支援判断部35は、移動体が交差地点に到達すると、報知の終了を決定する。この場合、TTVは、運転支援不要エリアA1でTTV=0の位置にある。
図1に戻って、運転支援制御部37は、自車両における運転支援を制御する部分である。運転支援制御部37は、運転支援判断部35から出力された支援実施情報を受け取ると、この支援実施情報に基づいて運転支援を制御する。運転支援制御部37は、支援実施情報において報知の実施を示す情報が含まれている場合には、HMI9に報知指示信号を出力する。
また、運転支援制御部37は、支援実施情報において介入制御又は緊急介入制御の実施を示す情報が含まれている場合には、介入制御の制御量を算出する。ここで、介入制御とは、例えば制動制御や操舵制御を意味しており、支援実施情報には、制御量の算出に用いるTTC情報及びTTV情報が含まれている。運転支援制御部37は、算出した制御量を含む介入制御信号を介入制御ECU11に出力する。
運転支援制御部37は、マップMの介入制御エリアA22及び緊急介入制御エリアA23において制御量が設定されている場合には、マップMに基づいて制動の制御量(目標の加速度(減速度)、速度)を算出する。また、運転支援制御部37は、マップMにおいて制御量が設定されていないときには、以下の式(3)に基づいて制動の制御量を算出する。
α×TTC+β×TTV+γ …(3)
ここで、α,βは係数であり、γは定数である。α,β,γは、実験値などに基づいて設定されている。また、操舵の制御量は、実験値や所定の式などに基づいて算出する。
HMI9は、例えばブザー、HUD(Head Up Display)、ナビゲーションシステムのモニタ、メータパネルなどである。HMI9は、ECU3から出力された報知指示信号を受け取ると、移動体が前方に存在することを運転者に報知又は警告する音声を流したり、報知文又は警告文などを表示したりする。例えば、HMI9がHUDである場合には、フロントガラスに移動体が存在することを示すポップアップを表示する。
介入制御ECU11は、自車両において介入制御を実行させるECUである。介入制御ECU11は、ブレーキECUやエンジンECU(いずれも図示しない)などから構成されており、ECU3から出力された介入制御信号を受け取ると、介入制御信号に含まれる制御量に応じて例えばブレーキアクチュエータやステアリングアクチュエータ(いずれも図示しない)を制御して自動介入制御を実施する。
続いて、運転支援装置1の動作について説明する。図4は、運転支援装置の動作を示すフローチャートである。図5は、運転支援装置の動作を説明するための図である。
図4に示すように、まず、移動体の状態が移動体検出センサ5により検出される(ステップS01)。また、自車両の走行状態が車両センサ7により検出される(ステップS02)。次に、移動体検出センサ5及び車両センサ7により検出された移動体情報及び車両情報に基づいて、TTC及びTTVが衝突時間予測部31によって算出される(ステップS03)。
続いて、衝突時間予測部31によって算出されたTTC及びTTVをマップ記憶部33に格納されているマップMに適用し(ステップS04)、自車両において運転支援を実施するか否かの判断が運転支援判断部35において行われる。
運転支援判断部35では、介入制御エリアA22(又は緊急介入制御エリアA23)への進入履歴がないか否か、つまりTTCとTTVとの交点が介入制御エリアA22(又は緊急介入制御エリアA23)へ未だ進入していないか否かが判断される(ステップS05)。進入履歴がないと判断された場合には、この交点がHMIエリアA21内にあるか否か、つまり運転支援エリアA2内にあるか否かが判断される(ステップS06)。
TTCとTTVとの交点がHMIエリアA21内にあると判断された場合、この交点がHMIエリアA21の内側の介入制御エリアA22(又は緊急介入制御エリアA23)内にあるか否かが判断される(ステップS07)。この交点が介入制御エリアA22(又は緊急介入制御エリアA23)内にあると判断された場合、介入制御エリアA22(又は緊急介入制御エリアA23)への進入履歴が記録される(ステップS08)。
なお、ステップS05にて進入履歴なしと判断されなかった場合、又はステップS07にてTTCとTTVとの交点が介入制御エリアA22(又は緊急介入制御エリアA23)内にあると判断されなかった場合、ステップS09の処理に進む。また、ステップS06にてこの交点がHMIエリアA21内にあると判断されなかった場合、ステップS01の処理に戻る。
次に、運転支援判断部35では、運転支援の内容が決定される(ステップS09)。つまり、運転支援判断部35では、ステップS05にて進入履歴がないと判断された場合、交点の位置するマップ上のエリアに応じて、運転支援の内容が決定される。具体的には、この交点がHMIエリアA21内にある場合、報知の実施が決定される。また、この交点が介入制御エリアA22にある場合、報知と介入制御の実施が決定される。同様に、この交点が緊急介入制御エリアA23にある場合、報知と緊急介入制御の実施が決定される。なお、進入履歴がない場合、この交点が運転支援不要エリアA1に移った場合、報知と介入制御(又は緊急介入制御)の実施が決定されることはない。
一方、運転支援判断部35では、ステップS05にて進入履歴がないと判断されなかった場合、他の条件も考慮して運転支援の内容が決定される。具体的には、TTCとTTVとの交点が介入制御エリアA22(又は緊急介入制御エリアA23)から外れてHMIエリアA21に移った場合、報知のみの実施が決定される。続いて、この交点がHMIエリアA21から外れて運転支援不要エリアA1に移った場合、報知の終了が決定される代わりに、報知の実施が決定される。
ステップS09にて運転支援の内容を決定すると、運転支援制御部37では、決定された内容の運転支援が実施される(ステップS10)。つまり、運転支援制御部37では、報知の実施が決定された場合、報知指示信号を出力することにより、HMI9による報知の実施が制御される。また、介入制御の実施が決定された場合、介入制御の制御量を算出して介入制御信号を出力することにより、介入制御ECU11による介入制御の実施が制御される。
ステップS10にて運転支援を実施すると、運転支援判断部35では、介入制御エリアA22(又は緊急介入制御エリアA23)への進入履歴があるか否か、つまりTTCとTTVとの交点が介入制御エリアA22(又は緊急介入制御エリアA23)へ既に進入したか否かが判断される(ステップS11)。進入履歴があると判断された場合、TTVが0未満であるか否か、つまり移動体が交差地点に到達しているか否かが判断される(ステップS12)。
ここで、TTVが0未満であると判断された場合、運転支援が終了されて報知が終了される(ステップS13)。一方、ステップS11にて進入履歴があると判断されなかった場合、又はステップS12にてTTVが0未満であると判断されなかった場合、ステップS01の処理に戻る。
図5には、TTCとTTVとの交点の移動状況が示されている。図5には、移動体が交差地点に到達するときに自車両が交差点を既に通過している場合の移動状況M1と、移動体が交差地点に到達するときに自車両が交差地点を未だ通過していない場合の移動状況M2とが示されている。
図5の移動状況M1では、この交点が運転支援不要エリアA1からHMIエリアA21に入る(図5中のP11)が、介入制御エリアA22に入らずに運転支援不要エリアA1に移っている(図5中のP12)。この場合、交点が介入制御エリアA22に進入していないので、交点の位置するマップ上のエリアに応じて、交点が運転支援不要エリアA1に移った時点で報知が終了される。
一方、図5の移動状況M2に示すように、この交点が運転支援不要エリアA1からHMIエリアA21に入る(図5中のP21)と、報知が実施される。続いて、この交点がHMIエリアA21から介入制御エリアA22に入る(図5中のP22)と、報知と介入制御が実施される。この時点で、交点が介入制御エリアA22に進入したので、進入履歴が記録される。続いて、この交点が介入制御エリアA22から外れてHMIエリアA21に移る(図5中のP23)と、介入制御が終了されて報知のみが実施される。
ここで、この交点がさらにHMIエリアA21から外れて運転支援不要エリアA1に移る(図5中のP24)場合を想定する。この場合、この交点の位置するマップ上のエリアに応じて運転支援の内容を決定すれば、交点が運転支援不要エリアA1にあるので、報知が終了されてしまう。よって、自車両と移動体が交差地点に到達する前、つまり移動体が安全な位置に移動する前に報知さえも終了されてしまうことになり、運転者が運転支援の終了を早過ぎると感じたり、運転に支障を生じたりしてしまう。
しかし、進入履歴を考慮すると、この交点が介入制御エリアA22に進入した(図5中のP22)後に運転支援不要エリアA1に移った(図5中のP24)ことが分かる。すると、この交点が運転支援不要エリアA1に位置するにもかかわらず、TTVが0未満となるまで、つまり移動体が交差地点に到達するまで報知が実施される。よって、移動体が道路を横断し終えるなどして安全な位置に移動する前には、介入制御が終了された後も未だ報知が実施されているので、運転者が運転支援の終了を早過ぎると感じたり、運転に支障を生じたりすることを抑制できる。
以上説明したように、本実施形態では、衝突時間予測部31においてTTC及びTTVを算出して予測し、このTTC及びTTVをマップMに適用して、自車両において運転支援を実施するか否かを運転支援判断部35が判断している。このように、移動体が交差地点に到達するTTV、すなわち移動体が自車両に近づく方向における衝突時間を予測することにより、運転支援の要否を適切に判断できる。
また、TTCとTTVとの相対関係が介入制御条件を一旦満たした後に満たさなくなった場合に、移動体が交差地点に到達するまで報知を実施する。これにより、移動体が安全な位置に移動する前に介入制御が終了された場合でも、移動体が交差地点に到達するまで報知が実施されるので、運転者が運転支援の終了を早過ぎると感じたり、運転に支障を生じたりすることを抑制できる。
また、マップMには、運転支援不要エリアA1と運転支援エリアA2とが設定されており、運転支援エリアA2には、HMIエリアA21と、介入制御エリアA22と、緊急介入制御エリアA23とが設定されている。このようなマップMを用いることにより、運転支援の要否の判断と、実施すべき運転支援の内容の決定とをより的確に行うことができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、介入制御ECU11による介入制御を実施する場合、HIM9による報知も同時に実施しているが、介入制御を実施する際にはHIM9による報知を実施しなくてもよい。また、上記実施形態では、運転支援エリアA2内にHMIエリアA21を設定しているが、HMIエリアA21を設定しなくてもよい。
また、上記実施形態に加えて、自車両の周辺情報(環境)を取得する手段を備え、自車両の周辺の状況(例えば、対向車の有無など)に応じて運転支援を実施する構成であってもよい。
1…運転支援装置、3…ECU、5…移動体検出センサ、7…車両センサ、31…衝突時間予測部(第1時間予測部、第2時間予測部)、33…マップ記憶部、35…運転支援判断部(運転支援判断手段)、37…運転支援制御部(運転支援制御手段)、M…マップ。

Claims (6)

  1. 自車両と移動体との衝突を回避する運転支援を実施する運転支援装置であって、
    前記自車両の進行方向と当該進行方向に交差する方向とにおいて前記自車両と前記移動体とが交差する交差地点に前記自車両が到達するまでの第1時間と、前記交差地点に前記移動体が到達するまでの第2時間とをそれぞれ求め、
    前記第1時間と前記第2時間との相対関係に基づいて、前記自車両における前記運転支援を実施するか否かを判断するとともに実施すべき前記運転支援の内容を決定し、
    前記第1時間と前記第2時間との相対関係が介入制御条件を満たす場合に前記自車両における介入制御を実施し、前記相対関係が前記介入制御条件を一旦満たした後に満たさなくなった場合に、前記移動体が前記交差地点に到達するまで前記自車両の運転者に対し前記移動体が前方に存在する旨の報知を実施し、
    前記介入制御は、前記自車両における制動制御及び操舵制御の少なくとも一方を含み、
    前記報知は、ヒューマン・マシン・インタフェースを用いて実施されることを特徴とする運転支援装置。
  2. 前記自車両が進行方向において前記交差地点に到達するまでの前記第1時間を予測する第1時間予測手段と、
    前記移動体が前記進行方向に交差する方向において前記交差地点に到達するまでの前記第2時間を予測する第2時間予測手段と、
    前記第1及び第2時間予測手段によって予測された前記第1及び第2時間を予め設定されたマップに適用して、前記運転支援を実施するか否かを判断するとともに実施すべき前記運転支援の内容を決定する運転支援判断手段と、
    前記運転支援判断手段により前記運転支援を実施すると判断された場合に、前記運転支援を制御する運転支援制御手段と、を備え、
    前記運転支援判断手段は、前記第1及び第2時間が前記マップ上で前記介入制御条件を満たす場合に前記介入制御の実施を決定し、前記第1及び第2時間が前記マップ上で前記介入制御条件を一旦満たした後に満たさなくなった場合に、前記移動体が前記交差地点に到達するまで前記報知の実施を継続的に決定する、請求項1記載の運転支援装置。
  3. 前記マップは、前記運転支援が不要であると判断される第1領域と、前記運転支援が必要であると判断される第2領域とが設定されており、
    前記運転支援判断手段は、前記第1時間と前記第2時間との関係を表す点が前記第2領域に存在する場合に、前記運転支援を実施すると判断する、請求項2記載の運転支援装置。
  4. 前記第2領域には、緊急度に応じた前記運転支援の内容として、前記報知と前記介入制御が予め設定されており、
    前記運転支援制御手段は、前記マップの前記第2領域に設定された前記運転支援の内容に応じて、実施すべき前記運転支援の制御内容を決定する、請求項3記載の運転支援装置。
  5. 自車両と移動体との衝突を回避する運転支援方法であって、
    前記自車両の進行方向と当該進行方向に交差する方向とにおいて前記自車両と前記移動体とが交差する交差地点に前記自車両が到達するまでの第1時間と、前記交差地点に前記移動体が到達するまでの第2時間とをそれぞれ求め、
    前記第1時間と前記第2時間との相対関係に基づいて、前記自車両における前記運転支援を実施するか否かを判断するとともに前記運転支援の内容を決定し、
    前記第1時間と前記第2時間との相対関係が介入制御条件を満たす場合に前記自車両における介入制御を実施し、前記相対関係が前記介入制御条件を一旦満たした後に満たさなくなった場合に、前記移動体が前記交差地点に到達するまで前記自車両の運転者に対し前記移動体が前方に存在する旨の報知を実施し、
    前記介入制御は、前記自車両における制動制御及び操舵制御の少なくとも一方を含み、
    前記報知は、ヒューマン・マシン・インタフェースを用いて実施されることを特徴とする運転支援方法。
  6. 前記自車両が進行方向において前記交差地点に到達するまでの前記第1時間を予測する第1時間予測ステップと、
    前記移動体が前記進行方向に交差する方向において前記交差地点に到達するまでの前記第2時間を予測する第2時間予測ステップと、
    前記第1及び第2時間予測ステップにおいて予測された前記第1及び第2時間を予め設定されたマップに適用して、前記運転支援を実施するか否かを判断するとともに実施すべき前記運転支援の内容を決定する運転支援判断ステップと、
    前記運転支援判断ステップにおいて前記運転支援を実施すると判断された場合に、前記運転支援を制御する運転支援制御ステップと、を含み、
    前記運転支援判断ステップにおいて、前記第1及び第2時間が前記マップ上で前記介入制御条件を満たす場合に前記介入制御の実施を決定し、前記第1及び第2時間が前記マップ上で前記介入制御条件を一旦満たした後に満たさなくなった場合に、前記移動体が前記交差地点に到達するまで前記報知の実施を継続的に決定する、請求項5記載の運転支援方法。
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