JP5915276B2 - 搬送車システム - Google Patents
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Description
特許文献1では、通行禁止ゲートとして、レール間の幅を覆うような一時停止装置Aを設けている。また、板状の通行禁止ゲートをレール間を横切るように配置することもできる。
搬送車を通行禁止ゲートの少なくとも一部として利用するための通行禁止ゲートモードでは、搬送車は少なくとも通信部での通信を可能に維持され、駆動部への電源の供給を停止される。
上記搬送車システムにおいて、走行制御部は、通行禁止ゲートモードでは、搬送車への搬送指令を無視してもよい。
ゲート部材は例えば紐状であり、折りたたむなどして収納可能である。そして、収納されているゲート部材を展開することにより通行禁止ゲートとして使用可能である。
ゲート部材には、搬送車に接続された端部とは異なる端部に係合部が設けられており、この係合部が地上側設備のコネクタに嵌め込まれた場合、システムコントローラは通行禁止ゲートが構成されたことを検出する。コネクタは、例えばゲート部材の係合部が嵌め込まれると電気的なスイッチ信号をシステムコントローラに送信し、システムコントローラはこのスイッチ信号の受信に基づいて通行禁止ゲートが構成されたことを検出できる。このとき、搬送車とシステムコントローラとは電気的に接続されている必要はない。
また、別の方法として、システムコントローラは、搬送車及びゲート部材がシステムコントローラに電気的に接続されたことを検出することにより通行禁止ゲートが構成されたことを検出してもよい 。例えば、システムコントローラは、搬送車内の回路に電気的に接続されたゲート部材が展開され、システムコントローラに電気的に接続されることで通行禁止ゲートが構成されたことを検出する。あるいは、システムコントローラは、システムコントローラに電気的に接続されたゲート部材が経路から展開され搬送車に接続されることで、通行禁止ゲートが構成されたことを検出する。
通行禁止ゲートによって、作業者が作業可能な作業エリアと、搬送車が走行可能な走行可能エリアと、が区分けされる。システムコントローラは通行禁止ゲートが構成されたことを前述のように検出することにより、通行禁止ゲートが確立されたことを確認した上で、走行可能エリアでの搬送車の走行を許可する。よって、走行可能エリアへの作業者等の立ち入りを確実に阻止し、作業者の安全を確保することができる。
通常、搬送車システム全体を停止させるための地上設備側の非常停止スイッチは、搬送車が走行する部屋の入口等に設けられている。上記構成によれば、搬送車システム全体を停止させるためのスイッチとして、地上設備側の非常停止スイッチに加えて搬送車側の非常停止スイッチを用いることが可能であるため、搬送車システム全体を非常停止させる際の利便性が向上する。
なお、システムコントローラには、搬送車の搬送制御を行う搬送制御コントローラと、搬送車システム全体の非常停止制御を行う非常停止コントローラとが含まれる。非常停止の際には、非常停止コントローラが、搬送車側の非常停止スイッチの操作に基づく信号を搬送車側から受信し、搬送車システム全体を停止させる。
搬送車を通行禁止ゲートの少なくとも一部として利用するための通行禁止ゲートモードにおいて、搬送車は電源がオフにされる。
上記搬送車システムのように搬送車を通行禁止ゲートとして用いる場合には、別途の大がかりな装備を設けることなく、作業エリアと走行可能エリアとを区分することができる。また、経路に沿って簡素なコネクタなどの地上側設備を設け、このコネクタと搬送車とを配線などで接続するだけで通行禁止ゲートを構成することができるため、地上側設備を簡素化することができる。そのため、コネクタなどの地上側設備を複数箇所に設けても簡素な設備を維持しつつ、エリア設定の自由度を高めることができる。
また、上記搬送車システムの通行禁止ゲートモードでは、走行可能エリアを走行している搬送車は、通行禁止ゲートとして使用されている搬送車に設けられている反射板からの光を衝突防止センサで検出する。よって、通行禁止ゲートとして使用されている搬送車の電源がOFFされて搬送車間の通信ができなくても、確実に衝突を回避することができる。
図1を用いて本発明の一実施形態が採用された搬送車システム1について説明する。図1は、本発明の一実施形態が採用された搬送車システムの外観構成図である。
搬送車システム1は、経路2と、経路2上を走行する複数の搬送車3(3a、3b、3c、3d・・・)と、後述のシステムコントローラ60と、を含む。その他、搬送車システム1には、後述の通行禁止ゲート55を構成するための回路、コネクタ、非常停止スイッチ等が含まれる。また、搬送車システム1には、後述の配線40、41、42及び立入禁止の垂れ幕45、46、47などのゲート部材が含まれていてもよい。
(1−1)経路
図2は搬送車3及び経路2の拡大図である。図2に示すように、経路2は、走行レール4とガイドレール6を有している。走行レール4は、左右の第1走行レール4a及び第2走行レール4bから構成されている。第1走行レール4a及び第2走行レール4bは、平坦な走行面を有している。
ガイドレール6は、第1ガイドレール6a及び第2ガイドレール6bを有している。第1ガイドレール6a及び第2ガイドレール6bは、第1走行レール4a及び第2走行レール4bの外側端にそれぞれ設けられている。第1ガイドレール6a及び第2ガイドレール6bは上方に延びている。
また、第1走行レール4a及び第2走行レール4bに沿って、図示しない給電線が設けられている。
経路2のレイアウトについて説明する。経路2は、搬送車3が一方向に循環するためのループ状のレイアウトを有している。また、経路2は、第1ループ2aと第2ループ2bとを有している。
搬送車3は、搬送車本体10と、駆動走行部11と、従動走行部12を有している。搬送車本体10の構造は従来と同じであるので説明を省略する。搬送車3は例えば荷物を搬送するボギー台車であり、駆動走行部11及び従動走行部12は、搬送車本体10に対してそれぞれ回動自在に取り付けられる。
駆動走行部11は、主に、本体フレーム13と、第1駆動輪ユニット14と、第2駆動輪ユニット15と、を有している。
第2駆動輪ユニット15は、本体フレーム13の左側端部に装着されており、第2駆動輪20と、第2モータ21と、第2エンコーダ22とを有している。第2駆動輪20は、第2走行レール4bの走行面の上に載っている。第2モータ21は第2駆動輪20に連結されている。第2エンコーダ22は、第2モータ21の回転を計測して、パルス信号を送信する。これにより、第2モータ21の回転速度や回転回数を得ることができる。
(2−1)通行禁止ゲートの構成
次に通行禁止ゲート55の詳細について、図3及び図4を用いて説明する。図3は通行禁止ゲート55の拡大構成図である。図4は搬送車3と地上側コネクタ50、51とを接続する配線の状態の一例を示す説明図である。
作業者はこのような通行禁止ゲート55を設けるために、まず、搬送車システム1全体の電源をオフする。例えば、作業者は通常の停止スイッチ(図示せず)を操作することにより、搬送車システム1全体の電源をオフする。
以上のようにして通行禁止ゲート55が構築される。
(3−1)制御構成の概要
図5は搬送車システムの制御構成を示す構成図である。
(3−1−1)搬送車
搬送車3は非常停止制御部29及び走行制御部30を有している。非常停止制御部29及び走行制御部30は、CPU、RAM、ROM等からなりプログラムを実行するコンピュータである。走行制御部30には、第1モータ18、第2モータ21、第1通信部31及び第2通信部37が接続されている。その他、走行制御部30にはモード切換スイッチ32が接続されていてもよい。非常停止制御部29には搬送車側非常停止スイッチ33が接続されている。
一の搬送車3の走行制御部30は、第1通信部31及び第2通信部37により他の搬送車3と台車間通信を行う。走行制御部30は、台車間通信により搬送車3間の間隔を測定し、間隔が所定距離以下となるとブレーキを動作させて搬送車3を停止させる。
また、非常停止制御部29は、通常モードにおいて搬送車側非常停止スイッチ33が操作されると、走行制御部30を制御して当該搬送車3を非常停止させる。また、非常停止制御部29は、通行禁止ゲートモードにおいて後述の非常停止コントローラ63から搬送車システム1全体を非常停止させるための非常停止指令を受信すると、走行制御部30を制御して当該搬送車3を非常停止させる。
(3−1−2)システムコントローラ
搬送車システム1のシステムコントローラ60は、搬送制御コントローラ61と、メモリ62と、非常停止コントローラ63と、を有している。搬送制御コントローラ61及び非常停止コントローラ63はCPU等からなり、メモリ62はRAM、ROM等からなる。
搬送制御コントローラ61は例えば次の方法により通行禁止ゲートが構成されたことを検出する。
例えば、搬送制御コントローラ61は、配線42のコネクタ42bが地上側コネクタ50に嵌め込まれ、配線40のコネクタ40aが地上側コネクタ51に嵌め込まれると、搬送制御コントローラ61は通行禁止ゲート55が構成されたことを検出する。地上側コネクタ50は、例えば配線42のコネクタ42bが嵌め込まれると電気的なスイッチ信号を搬送制御コントローラ61に送信し、搬送制御コントローラ61はこのスイッチ信号の受信に基づいて通行禁止ゲート55が構成されたことを検出できる。このとき、搬送制御コントローラ61は前記スイッチ信号を検出できればよく、搬送車3と搬送制御コントローラ61とは配線42を介して電気的に接続されている必要はない。
また、別の方法として、搬送制御コントローラ61は、搬送車3、配線40及び配線42が搬送制御コントローラ61に電気的に接続されたことを検出することにより通行禁止ゲート55が構成されたことを検出してもよい。例えば、搬送制御コントローラ61は、搬送車3内の回路に電気的に接続された配線40及び配線42が展開され、搬送制御コントローラ61に電気的に接続されることで通行禁止ゲート55が構成されたことを検出する。あるいは、搬送制御コントローラ61は、搬送制御コントローラ61に電気的に接続された配線40及び配線42が経路から展開され搬送車3に接続されることで、通行禁止ゲート55が構成されたことを検出する。
メモリ62内には、制御プログラム以外にさらにルートマップが記憶されている。ルートマップとは、走行ルートの配置、原点の位置、原点を基準とする基準位置や移載位置の座標を記載したマップである。座標は、原点からの走行距離を搬送車3のエンコーダの出力パルス数などに換算したものである。
非常停止コントローラ63は、地上側非常停止スイッチ70が操作されるか、あるいは、通行禁止ゲートモードにおいて搬送車側非常停止スイッチ33が操作されると、非常停止指令を生成する。非常停止指令は、搬送車システム1全体を非常停止させるための指令であり、この非常停止指令が出力されることにより搬送車システム1全体が非常停止する。
なお、システムコントローラに備える非常停止機能はCPU等を備えたコントローラ機能ではなく、強制的に電源が遮断されてブレーキが掛かるようなハードウェアにより構成されても良い。
ここで、通行禁止ゲートモードと通常モードとのモード切換の方法としては、通行禁止ゲートモードの配線接続と通常モードの配線接続とを物理的に切り換える方法が挙げられる。あるいは、搬送車3の走行制御部30が、モード切換スイッチ32の操作を検出し、検出結果に基づいて通行禁止ゲートモード又は通常モードへの切換を制御する場合も挙げられる。
同様に、通行禁止ゲートモードにおける搬送車側非常停止スイッチ33の操作の検出方法としては、電気的接触の有無によりスイッチの操作が検出される場合が挙げられる。あるいは、搬送車3の非常停止制御部29が搬送車側非常停止スイッチ33の操作の有無を判断し、非常停止コントローラ63に通知する場合も挙げられる 。
以下、配線接続や電気的接触の有無に基づいて処理が行われる場合を第1の例とし、走行制御部30又は非常停止制御部29の機能部によりスイッチの操作を検出して処理を行う場合を第2の例とし、それぞれ次に説明する。
まず、配線接続や電気的接触の有無に基づいて処理が行われる第1の例について説明する。
(a)モード切換
作業者がモード切換スイッチ32を操作すると、その操作により配線接続が物理的に切り換えられてモードが変更される。例えば、通常モード用の配線接続と、通行禁止ゲートモード用の配線接続と、が異なるように構成されている。
次に、作業者がモード切換スイッチ32を前記第1側とは反対の第2側に操作することで、制御電源及び駆動部の電源が共にオンとなる配線接続が構成され通常モードとなる。このとき、通行禁止ゲートモードの配線接続は物理的に分断されており、通行禁止ゲートモードは解除されている。これにより、搬送車3は台車間通信を行いつつ走行が可能となる。
搬送制御コントローラ61は、配線接続が通常モードに構成されたことを検出すると、全てのエリア内の搬送車3に搬送指令を送信可能となる。
また、作業者が通行禁止ゲートモードにおいて搬送車側非常停止スイッチ33を操作すると非常停止回路の配線接続が解除 される。非常停止コントローラ63は、電気的非導通 により非常停止回路の配線接続が解除されたことを検出すると、搬送車システム1全体に供給されている電源をオフにし、搬送車システム1全体の稼働を停止する。搬送車側非常停止スイッチ33が元に戻されると、非常停止回路の配線接続が構成され電気的導通とされる。これに基づいて、非常停止コントローラ63は搬送車システム1への電源を復旧する。
このように、操作の有無により配線構成が物理的に変更される場合、非常停止コントローラ63は配線構成の違いによる電気的接続・電気的導通の有無に基づいて処理を行う。よって、モード切換及び非常停止の際に搬送車3の走行制御部30等の機能部が動作することが無く低消費電力にできる。
次に、走行制御部30又は非常停止制御部29の機能部によりスイッチの操作を検出して処理を行う第2の例について説明する。上記の第1の例とは異なり、搬送車3の機能部がモード切換及び非常停止の操作を検出する。このとき、走行制御部30にはモード切換スイッチ32が接続され、非常停止制御部29には搬送車側非常停止スイッチ33(33a、33b)が接続されている。
(a)モード切換
走行制御部30は、モード切換スイッチ32の操作に基づいて、通常モードにセットされたか、あるいは通行禁止ゲートモードにセットされたかを検出する。走行制御部30は、通行禁止ゲートモードを検出した場合は、第1モータ18及び第2モータ21等の駆動部の電源をオフにする。一方、走行制御部30は、通行禁止ゲートモードでは、第1通信部31及び第2通信部37などの台車間通信を行うための制御電源はオンのまま維持する。また、走行制御部30は、検出したモードを搬送制御コントローラ61に送信する。これにより、搬送制御コントローラ61は各搬送車3がどのモードで制御されているかを把握することができる。なお、通行禁止ゲートモードでは、例え搬送制御コントローラ61から搬送車3に搬送指令が入力されても走行制御部30は無視するため、通行禁止ゲートモードとして用いる搬送車3が走行してしまうのを確実に阻止することができる。
また、非常停止制御部29は、通行禁止ゲートモードにおいて搬送車側非常停止スイッチ33の操作を検出すると、非常停止コントローラ63に検出を報告する。この場合、非常停止コントローラ63は、検出結果を受信したことに基づいて搬送車システム1全体の電源をオフにし、搬送車システム1を停止する。
搬送車システム1には室外の入り口等に地上側非常停止スイッチ70が設けられており、作業者が地上側非常停止スイッチ70を操作することにより、搬送車システム1全体の電源をオフできる。本発明では、通行禁止ゲートモードにおいて搬送車3の搬送車側非常停止スイッチ33を操作することで搬送車システム1全体の電源をオフすることができる。つまり、搬送車システム全体を停止させるためのスイッチとして、地上側非常停止スイッチ70に加えて搬送車側非常停止スイッチ33を用いることが可能であるため、搬送車システム1全体を非常停止させる際の利便性が向上する。
搬送車3aに設けられた搬送車側非常停止回路36a、搬送車3bに設けられた搬送車側非常停止回路36b及び地上側非常停止回路71は、通行禁止ゲートモードにおいて、図6に示すように各配線を介して接続されている。地上側非常停止回路71は非常停止コントローラ63に含まれるものとする。搬送車側非常停止回路36aには搬送車側非常停止スイッチ33aが対応して設けられている。同様に、搬送車側非常停止回路36bには搬送車側非常停止スイッチ33bが対応して設けられている。地上側非常停止回路71には地上側非常停止スイッチ70が対応して設けられている。
図7を用いて本実施形態の搬送車システム1の処理の流れについて説明する。図7は本実施形態の処理の流れを示すフローチャートの一例である。
ステップS2:搬送制御コントローラ61は、搬送車システム1全体の電源をオフにする。これにより、搬送車システム1の運転が停止する。
ステップS3:搬送制御コントローラ61は、通行禁止ゲートモードが確立されたことを検出した場合はステップS4に進む。そうでない場合は待機する。例えば、搬送制御コントローラ61は、配線42のコネクタ42b及び配線40のコネクタ40aが地上側コネクタ50、51に嵌め込まれると、通行禁止ゲート55が構成されたことを検出する。
ステップS4:搬送制御コントローラ61は、走行可能エリアB内の搬送車3に搬送指令を送信し、自動走行させる。
ステップS6:非常停止コントローラ63は、非常停止を検出すると搬送車システム1の電源をオフにし、搬送車システム1全体を停止させる。
ステップS7:搬送制御コントローラ61は、通行禁止ゲートモードが解除されたか否かを判定する。搬送制御コントローラ61は、例えば地上側コネクタ50、51から配線40、42が取り外されたことに基づいて、通行禁止ゲートモードが解除されたことを検出する。通行禁止ゲートモードが解除された場合はステップS8に進み、そうでない場合は待機する。
ステップS8:非常停止コントローラ63は、地上側非常停止スイッチ70の操作が解除され、非常停止が解除されたか否かを検出する。作業者は、非常停止を解除する場合、室外の地上側非常停止スイッチ70を操作して非常停止を解除する。非常停止が解除された場合は、ステップS9に進み、そうでない場合は待機する。
ステップS10:搬送制御コントローラ61は、搬送車システム1全体の運転を再開し、各搬送車3に搬送指令を送信する。
上記のように、搬送車システム1には、通行禁止ゲートモードが設けられており、このモードにおいては搬送車3を通行禁止ゲート55の少なくとも一部として有効に利用することができる。例えば、メンテナンス時において使用されない搬送車3を通行禁止ゲート55として有効に利用できる。
次に、地上側コネクタの設置場所について図8を用いて説明する。図8は、地上側コネクタの設置箇所の一例を示す説明図である。
上記では、通行禁止ゲート55として用いる搬送車3a、3bは、地上側コネクタ50、51に隣接して配置している。しかし、搬送車3a、3bは、配線40、41、42を延長することで地上側コネクタ50aと地上側コネクタ50bとの間など任意の場所に配置することができる。よって、通行禁止ゲート55として用いる搬送車3a、3bの設置の自由度が高まる。
上記実施形態は、下記のように表現可能である。
搬送車3を通行禁止ゲート55(通行禁止ゲートの一例)の少なくとも一部として利用するための通行禁止ゲートモードでは、搬送車3は少なくとも第1通信部31での通信を可能に維持され、モータ18、19への電源の供給を停止される。
搬送車3が通行禁止ゲートモードに設定されると、搬送車3を駆動するためのモーター18、19が停止され、走行制御部30は例え搬送車3への走行指令を受信したとしても無視する。よって、通行禁止ゲートモードとして用いる搬送車3が走行してしまうのを確実に阻止することができる。
搬送車3だけでは通行禁止ゲート55として不足する場合などにおいて、搬送車3及びゲート部材を併用することで、通行禁止エリアへの搬送車3及び作業者などの侵入を確実に阻止することができる。
また、システムコントローラ60は、搬送車3及びゲート部材により通行禁止ゲート55が構成されたことを検出すると、通行禁止ゲート55により区分けされた走行可能エリアB内の搬送車3に搬送指令を送信してもよい。
ゲート部材には、搬送車3に接続された端部とは異なる端部に係合部が設けられており、この係合部が地上側設備のコネクタに嵌め込まれた場合、搬送制御コントローラ61は通行禁止ゲートが構成されたことを検出する。コネクタは、例えばゲート部材の係合部が嵌め込まれると電気的なスイッチ信号を搬送制御コントローラ61に送信し、搬送制御コントローラ61はこのスイッチ信号の受信に基づいて通行禁止ゲート55が構成されたことを検出できる。このとき、搬送車3と搬送制御コントローラ61とは電気的に接続されている必要はない。
また、別の方法として、搬送制御コントローラ61は、搬送車3及びゲート部材が搬送制御コントローラ61に電気的に接続されたことを検出することにより通行禁止ゲート55が構成されたことを検出してもよい 。例えば、搬送制御コントローラ61は、搬送車3内の回路に電気的に接続されたゲート部材が展開され、搬送制御コントローラ61に電気的に接続されることで通行禁止ゲート55が構成されたことを検出する。あるいは、搬送制御コントローラ61は、搬送制御コントローラ61に電気的に接続されたゲート部材が経路から展開され搬送車3に接続されることで、通行禁止ゲート55が構成されたことを検出する。
システムコントローラ60は、通行禁止ゲート55を構成する搬送車3の搬送車側非常停止スイッチ33a〜33bの操作を検出すると、搬送車システム1の稼働を停止する。
通常、搬送車システム1全体を停止させるための地上側非常停止スイッチ70は搬送車3が走行する部屋の入口等側に設けられている。上記構成によれば、搬送車システム1全体を停止させるためのスイッチとして、地上側非常停止スイッチ70に加えて搬送車側非常停止スイッチ33を用いることが可能であるため、搬送車システム1全体を非常停止させる際の利便性が向上する。なお、これらの搬送車システム1全体を非常停止させる制御は、システムコントローラ60のうち非常停止コントローラ63により実行される。
搬送車3を通行禁止ゲート55(通行禁止ゲートの一例)の少なくとも一部として利用するための通行禁止ゲートモードにおいて、搬送車3は電源がオフにされる。
上記搬送車システム1のように搬送車3を通行禁止ゲート55として用いる場合には、別途の大がかりな装備を設けることなく、作業エリアAと走行可能エリアBとを区分することができる。また、経路2に沿って簡素なコネクタなどの地上側設備を設け、このコネクタと搬送車3とを配線などで接続するだけで通行禁止ゲート55を構成することができるため、地上側設備を簡素化することができる。そのため、コネクタなどの地上側設備を複数箇所に設けても簡素な設備を維持しつつ、エリア設定の自由度を高めることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
2 経路
3 搬送車
3a〜3d 搬送車
4 走行レール
4a 第1走行レール
4b 第2走行レール
6 ガイドレール
6a 第1ガイドレール
6b 第2ガイドレール
10 搬送車本体
11 駆動走行部
12 従動走行部
13 本体フレーム
14 第1駆動輪ユニット
15 第2駆動輪ユニット
16 本体フレーム
17a〜17b 第1駆動輪
18 第1モータ
19 第1エンコーダ
20a〜20b 第2駆動輪
21 第2モータ
22 第2エンコーダ
23a〜23b 第1従動輪
24a〜24b 第2従動輪
29 非常停止制御部
30 走行制御部
31a〜31b 第1通信部
32a〜32b モード切換スイッチ
33a〜33b 搬送車側非常停止スイッチ
34a〜34b コネクタ
35a〜35b コネクタ
36a〜36b 搬送車側非常停止回路
37a〜37b 第2通信部
40a〜40b コネクタ
40 配線
41a〜41b コネクタ
41 配線
42a〜42b コネクタ
42 配線
43a〜43c 配線
44a〜44c 配線
45〜47 垂れ幕
50 地上側コネクタ
50a〜50e 地上側コネクタ
51 地上側コネクタ
51a〜51e 地上側コネクタ
55 通行禁止ゲート
60 システムコントローラ
61 搬送制御コントローラ
62 メモリ
63 非常停止コントローラ
70 地上側非常停止スイッチ
71 地上側非常停止回路
80 支柱
85a〜85b 反射板
Claims (6)
- 予め定められた経路と、
前記経路での走行を制御する走行制御部、前記走行制御部からの制御に応じて前記走行のために駆動する駆動部及び搬送車間の通信を行う通信部を有する搬送車と、
を備え、
前記搬送車を通行禁止ゲートの少なくとも一部として利用するための通行禁止ゲートモードでは、前記搬送車は少なくとも前記通信部での通信を可能に維持され、前記駆動部への電源の供給を停止され、
前記走行制御部は、前記通行禁止ゲートモードでは、前記搬送車への搬送指令を無視する、
搬送車システム。 - 前記搬送車とともに前記通行禁止ゲートを構成するゲート部材をさらに備える、請求項1に記載の搬送車システム。
- 前記ゲート部材は、前記搬送車に収納可能か、あるいは、前記経路に沿って収納可能であり、展開されることにより前記通行禁止ゲートの一部となる、請求項2に記載の搬送車システム。
- 前記搬送車の前記走行制御部に搬送指令を送信するシステムコントローラをさらに備え、
前記システムコントローラは、前記搬送車及び前記ゲート部材により前記通行禁止ゲートが構成されたことを検出すると、前記通行禁止ゲートにより区分けされた走行可能エリア内の搬送車に搬送指令を送信する、請求項2又は3に記載の搬送車システム。 - 前記搬送車システムの稼働を停止するために前記搬送車に設けられた非常停止スイッチをさらに備えており、
前記システムコントローラは、前記通行禁止ゲートを構成する搬送車の非常停止スイッチの操作を検出すると、前記搬送車システムの稼働を停止する、請求項4に記載の搬送車システム。 - 予め定められた経路と、
反射板、前記反射板からの光を検出可能な衝突防止センサ、前記経路での走行を制御する走行制御部、及び前記走行制御部からの制御に応じて前記走行のために駆動する駆動部を有する搬送車と、
を備え、
前記搬送車を通行禁止ゲートの少なくとも一部として利用するための通行禁止ゲートモードにおいて、前記搬送車は電源がオフにされる、搬送車システム。
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