JP4716101B2 - 物品搬送設備 - Google Patents

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Description

本発明は、物品搬送用の複数の走行台車の走行経路に沿って給電線が設置され、前記複数の走行台車に前記給電線からの受電部が設けられた物品搬送設備に関する。
かかる物品搬送設備は、物品搬送用の複数の走行台車を走行経路に沿って設置された給電線から供給された電力にて走行させて物品を搬送するものである。また、走行台車に物品移載用の移載装置を備えさせた場合には、その移載装置を給電線から供給された電力にて作動させて物品を移載するものである。
そして、このような物品搬送設備においては、走行台車に対してメンテナンス作業を行う必要がある場合があり、そのための従来例として、走行経路の一部に台車退避部を設け、メンテナンス作業が必要な走行台車を台車退避部に退避させ、残りの走行台車を走行経路における台車退避部を外れた部分を走行させて搬送作業を継続して行いながら、台車退避部において走行台車に対して作業員がメンテナンス作業を行うように構成されているものがあった(例えば、特許文献1参照。)。
特開平6−92410号公報
走行台車のメンテナンス作業を行うときには、メンテナンス作業を行う走行台車を台車退避部まで移動させた後、作業員が台車退避部に進入して台車退避部に停止する走行台車に対してメンテナンス作業を行うことになる。
しかし、上記従来の物品搬送設備では、走行経路における台車退避部を外れた部分と台車退避部との間が開放状態となっているため、メンテナンス作業中に作業員が誤って走行経路における台車退避部を外れた部分に移動してしまうと、その台車退避部を外れた部分を走行する走行台車が作業員に衝突してしまう可能性がある。また、メンテナンス作業中に作業員が誤ってメンテナンス作業を行う走行台車を台車退避部を外れた部分まで移動させてしまうと、台車退避部を外れた部分において搬送作業を行う走行台車とメンテナンス作業を行う走行台車とが衝突してしまう可能性がある。
そして、メンテナンス作業を行う際に走行台車を台車退避部まで走行させるため、また、メンテナンス作業を行う走行台車の動作確認するために、台車退避部に沿っても給電線を設置する場合がある。このような場合では、メンテナンス作業を行う走行台車が台車退避部で停止する前に作業員が台車退避部における走行台車の走行移動範囲にまで進入してしまうと、メンテナンス作業を行う走行台車が作業員に衝突してしまう可能性がある。また、メンテナンス作業中に誤って走行台車を走行経路における台車退避部を外れた部分に走行させてしまうと、台車退避部を外れた部分において搬送作業を行う走行台車とメンテナンス作業を行う走行台車とが衝突してしまう可能性がある。
そこで、メンテナンス作業を行う際の作業員に走行台車が衝突することや走行台車同士が衝突することを回避して安全性を高める必要があった。
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、メンテナンス作業を行う際の作業員に走行台車が衝突することや走行台車同士が衝突することを回避して安全性を高めることができる物品搬送設備を提供する点にある。
この目的を達成するために、本発明にかかる物品搬送設備の第1特徴構成は、物品搬送用の複数の走行台車が共用する走行経路に沿って給電線が設置され、前記複数の走行台車に前記給電線からの受電部が設けられた物品搬送設備において、
前記走行経路の一部にメンテナンス作業を行うために前記走行台車を係留するための台車係留部が設けられ、前記台車係留部に進入した走行台車を係留する係留手段が走行台車を係留したことを検出する係留検出手段、前記台車係留部に前記走行台車が出入りする台車出入口を開閉する台車出入口用開閉体の開閉を検出する台車出入口開閉検出手段、前記台車係留部に作業員が出入りする作業員出入口を開閉する作業員出入口用開閉体の開閉を検出する作業員出入口開閉検出手段が設けられ、前記給電線が、前記走行経路のうちの前記台車係留部の存在部分を外れた部分に対応して設置される主給電線部分と、前記走行経路のうちの前記台車係留部の存在部分に対応して設置される係留給電線部分とに分割され、前記給電線への電力の供給を制御する電力供給制御手段が、前記台車出入口開閉検出手段が開き状態を検出し且つ前記作業員出入口開閉検出手段が閉じ状態を検出する台車進入可能状態においては、前記給電線における前記主給電線部分と前記係留給電線部分とに電力を供給する給電状態とし、前記台車出入口開閉検出手段が閉じ状態を検出し且つ前記係留検出手段が係留状態を検出する台車保持状態においては、前記給電線における前記主給電線部分にのみ電力を供給する給電状態とし、前記台車進入可能状態及び前記台車保持状態でない状態においては、前記給電線への電力の供給を停止する給電停止状態とするように構成されている点にある。
すなわち、複数の走行台車にて物品を搬送する通常作業を行う際は、作業員にて台車出入口用開閉体を開き且つ作業員出入口用開閉体を閉じて台車進入可能状態に切り換えた状態で、複数の走行台車を走行経路における台車係留部を外れた部分に沿って走行させて物品を搬送する。
つまり、通常作業を行う台車進入可能状態では、電力供給制御手段が給電線に電力を供給する給電状態となるため複数の走行台車は走行経路を走行することができるので、複数の走行台車を走行経路における台車係留部から外れた部分に沿って走行させて物品を搬送することができる。
そして、走行台車のメンテナンス作業を行う際は、台車進入可能状態において走行台車を台車係留部まで移動させ、その後、作業員が作業員出入口用開閉体を開いて台車係留部に進入し、その作業員にてメンテナンス作業を行う走行台車を係留手段にて台車係留部に係留し且つ台車出入口用開閉体を閉じて台車進入可能状態から台車保持状態に切り換えた状態で、台車係留部に係留した走行台車に対してメンテナンス作業を行う。
このように台車進入可能状態に切り換えられている状態から作業員が台車係留部に進入すべく作業員用開閉体を開くと、作業員出入口用開閉体が閉じ状態でなくなるため台車進入可能状態でない状態となる。そして、台車進入可能状態から作業員用開閉体を開いたときは、メンテナンス作業を行う走行台車が係留手段にて係留されておらず台車出入口用開閉体が開き状態であるため係留状態でもなく、台車係留部に進入した作業員にて、メンテナンス作業を行う走行台車を台車係留手段にて係留し且つ台車出入口用開閉体を閉じることにより台車保持状態となる。
つまり、作業員が作業員出入口用開閉体を開いて台車係留部に進入し、その作業員にてメンテナンス作業を行う走行台車を係留手段にて台車係留部に係留し且つ台車出入口用開閉体を閉じて台車進入可能状態から台車保持状態に切り換える間は、台車進入可能状態及び台車保持状態でない状態となるため、電力供給制御手段が給電線への電力を停止する給電停止状態となり複数の走行台車は停止するので、走行経路を走行する走行台車が台車係留部に進入した作業員に衝突することを回避できる。
台車保持状態に切り換えた状態では、電力供給制御手段が給電線に電力を供給する給電状態となるため、台車係留部を外れた部分においては、搬送作業を行う走行台車は給電線から供給される電力にて走行して搬送作業を継続して行うことができる。
また、台車保持状態に切り換えた状態では、台車出入口用開閉体が閉じられ、メンテナンス作業を行う走行台車が係留手段にて台車係留部に係留されており、これら台車出入口用開閉体と係留手段とによりメンテナンス作業を行う走行台車の台車係留部を外れた部分への進出が規制されているため、メンテナンス作業中にメンテナンス作業を行う走行台車が誤って台車係留部を外れた部分に走行してしまうことを防止することができるので、メンテナンス作業を行う走行台車と搬送作業を行う走行台車との衝突を回避することができる。また、台車保持状態に切り換えた状態では、台車出入口用開閉体が閉じられているため、作業員が台車係留部を外れた部分に誤って進入してしまうことを防止することができるので、台車係留部を外れた部分に進入した作業員に搬送作業を行う走行台車が衝突することを回避することができる。
そして、メンテナンス作業中において、係留手段による係留の解除や台車出入口用開閉体が開くことによりメンテナンス作業を行う走行台車が台車係留部を外れた部分に進出することが規制されなくなったとしても、係留手段による係留が解除される或いは台車出入口用開閉体が開かれることにより台車保持状態でない状態となるため、電力供給制御手段が給電線への電力を停止する給電停止状態となり複数の走行台車は停止するので、搬送作業を行う走行台車とメンテナンス作業を行う走行台車との衝突を回避することができる。また、メンテナンス作業中において、作業員が走行経路における台車係留部を外れた部分に進出すべく台車出入口用開閉体を開いた場合でも台車保持状態でない状態となるため、電力供給制御手段が給電線への電力を停止する給電停止状態となり複数の走行台車は停止するので、台車係留部を外れた部分に進入した作業員に搬送作業を行う走行台車が衝突することを回避できる。
よって、走行台車のメンテナンス作業に移行すべく台車進入可能状態から台車保持状態に切り換える際に、台車係留部に進入する作業員に走行経路を走行する走行台車が衝突することを回避でき、また、走行台車のメンテナンス作業を行う際に、台車係留部から外れた部分に進入した作業員に搬送作業を行う走行台車が衝突すること、並びに、メンテナンス作業を行う走行台車と搬送作業を行う走行台車とが衝突することを回避できるので、メンテナンス作業に移行する際並びにメンテナンス作業を行う際の安全性を高めることができ、もって、メンテナンス作業を行う際の作業員に走行台車が衝突することや走行台車同士が衝突することを回避して安全性を高めることができる物品搬送設備を提供することができるに至った。
また、給電線が主給電線部分と係留給電線部分とに分割されており、台車保持状態では給電線における主給電線部分に電力が供給されるため、搬送作業を行う走行台車は台車係留部を外れた部分を走行することができるので、搬送作業を継続して行うことができ、また、台車保持状態では給電線における係留給電線部分への電力の供給が停止されているため、台車係留部に係留されているメンテナンス作業を行う走行台車が不意に走行してしまうことが防止されているので、走行台車のメンテナンス作業を安心して行うことができる。
そして、給電線を主給電線部分と係留給電線部分とに分割したものでありながら、台車進入可能状態では主給電線部分並びに係留給電線部分に電力が供給されているため、搬送作業を行う走行台車は、走行経路のうち台車係留部と台車係留部を外れた部分との両方を走行することができるため、メンテナンス作業を行う際にはそのメンテナンス作業を行う走行台車を台車係留部まで走行させることができるので、メンテナンス作業に円滑に移行することができる。
本発明にかかる物品搬送設備の第特徴構成は、第特徴構成において、前記係留給電線部分に対して電力を供給する給電状態へ切換える人為操作式の給電状態切換え手段が、前記台車保持状態においては前記給電状態に切換え保持自在で、前記台車保持状態でないときには給電停止状態に自動復帰する形態で設けられている点にある。
すなわち、台車保持状態において、上記したように搬送作業を継続して行うことができ且つ走行台車のメンテナンス作業を安心して行うことができながら、給電状態切換え手段により係留給電線部分について給電状態とすることができるので、例えば、物品を移載させるために走行台車に備えさた移載装置を作動させる等、メンテナンス作業において走行台車の動作確認を行うことができ、走行台車のメンテナンス作業が行い易くなる。
また、給電状態切換え手段は台車保持状態でない状態となると給電停止状態に自動復帰するように構成されているため、係留手段による走行台車の係留が解除されたり台車出入口開閉体の開き操作により台車保持状態でない状態となると給電停止状態となるので、係留手段による係留の解除や台車出入口開閉体が開くことによりメンテナンス作業を行う走行台車が台車係留部に外れた部分に進出することが規制されなくなった状態で走行台車が不意に走行してしまうのを防止することができる。
本発明にかかる物品搬送設備の第特徴構成は、第1又は第2特徴構成において、前記台車出入口用開閉体が閉じ状態にあるときに、前記台車係留部の外部に位置する前記走行台車が前記台車出入口用開閉体に対して設定距離以上近づいた異常接近状態を検出する台車検出手段が設けられ、前記電力供給制御手段が、前記給電状態において、前記台車検出手段が前記異常接近状態を検出すると、前記給電停止状態に切換えるように構成されている点にある。
すなわち、閉じ状態の台車出入口用開閉体に走行台車が設定距離以上近づくと、給電停止状態に切り換えられて走行台車は停止するため、走行台車を台車出入口開閉体に衝突する前に停止させることができ、走行台車や台車出入口用開閉体の破損を未然に防止することができる。
本発明にかかる物品搬送設備の第特徴構成は、第1〜第特徴構成のいずれか1つにおいて、前記走行経路が有端形態であり、前記台車係留部が、前記走行経路の両端部の夫々に設けられている点にある。
すなわち、両端部に台車係留部が設けられているので、例えば、複数の走行台車として2台の走行台車を設けた場合に、一方の走行台車を台車係留部に移動させる際に他方の走行台車を退避させる必要がなく、メンテナンス作業に円滑に移行することができる。
以下、本発明にかかる物品搬送設備の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、物品搬送設備には、走行経路Rに沿って走行する物品搬送用の複数の走行台車3が設けられている。走行経路Rは、一直線状の有端形態であり、走行経路Rの一部つまりは走行経路Rの両端部に台車係留部r2が設けられている。
そして、走行経路Rのうちの台車係留部r2の存在部分を外れた部分、つまりは、走行経路Rのうちの両端部に設けられた台車係留部r2の間に位置する物品搬送部r1の存在部分の横側方には、複数のステーション1が設けられており、走行台車3が走行経路Rを往復走行して複数のステーション1の間で物品Bを搬送するように構成されている。
前記複数の走行台車3として2台の走行台車3が設けられており、その2台の走行台車3の夫々には、自己とステーション1との間で物品Bを移載するローラコンベアなどの電動式の移載装置4や、走行経路Rに沿って配設された有端式の走行レール2上を転動する走行車輪5などが設けられている。尚、走行レール2の両端部には車輪止めが設けられている。
前記走行車輪5は、走行モータ6にて回転駆動され且つネガティブ式のブレーキ装置21にて制動される駆動用の走行車輪5と、従動回転自在な従動用の走行車輪5とから構成されている。
図2に示すように、2台の走行台車3の夫々には、走行モータ6やブレーキ装置21を作動させる走行用インバータ7、移載装置4を作動させる移載用インバータ11、移載装置4における物品Bの状態などを検出するセンサ類12の検出情報を出力するための入出力装置13、他方の走行台車3との車間距離を検出する車間距離センサ8、他方の走行台車3との間で情報を通信するための台車間光伝送装置9、車間距離センサ8の検出情報に基づいて他方の走行台車3と衝突しないように走行台車3の運転を管理するスレーブコントローラ10、及び、走行モータ6並びにブレーキ装置21への電力供給を停止して走行モータ6を作動停止させるとともにブレーキ装置にて制動させる電力停止手段18が設けられている。尚、スレーブコントローラ10は、車間距離センサ8にて検出される走行台車3同士の車間距離が走行停止用車間距離以下になると、電力停止手段18を作動させて走行台車3を走行停止させるように構成されている。
図4に示すように、走行経路Rに沿って給電線22が設置され、その給電線22は、前記走行経路Rのうちの前記物品搬送部r1の存在部分に対応して設置される主給電線部分22aと、前記走行経路Rのうちの2箇所の前記台車係留部r2の存在部分夫々に対応して設置される一対の係留給電線部分22bとに分割されている。
主給電線部分22a並びに一方の係留給電線部分22bには、図外の電源装置から上流電源線32を介して給電され、他方の係留給電線部分22bには、主給電線部分22aから下流電源線33を介して給電されるように構成されている。
そして、2台の走行台車3の夫々には、給電線22からの受電部23が設けられており、給電線22からの受電した電力にて走行台車3に走行モータ6やブレーキ装置21や移載装置4等の駆動用電力が給電される。従って、主給電線部分22aに給電されると走行台車3は走行経路Rのうちの物品搬送部r1を走行することができ、係留給電線部分22bに給電されると、走行台車3は走行経路Rのうちの給電された台車係留部r2を走行することができる。
図2に示すように、床面などの地上側には、2台の走行台車3を運転管理する地上側コントローラ14が一つ設けられ、2台の走行台車3の夫々には、地上側コントローラ14に設けられた制御側光伝送装置16との間で通信可能な車両側光伝送装置17が備えられており、前記地上側コントローラ14が、制御側光伝送装置16と車両側光伝送装置17との間の通信により、2台の走行台車3の走行用インバータ7や移載用インバータ11などの作動を制御して、2台の走行台車3を運転管理するように構成されている。
また、台車係留部r2の夫々には、走行台車3までの距離を検出することにより走行経路R上における走行台車3の位置を検出する位置検出センサ15が設けられており、この位置検出センサ15の検出情報は、地上側コントローラ14に入力されるように構成されている。
このようにして、地上側コントローラ14は、走行経路R上における2台の走行台車3の位置を管理しながら、前記地上側コントローラ14と走行台車3との間で情報の授受を行うための前記制御側光伝送装置16や前記車両側光伝送装置17等から構成された通信ネットワークを介して、2台の走行台車3の夫々に各種指令情報を与えることにより、2台の走行台車3の運転を管理するように構成されている。
そして、地上側コントローラ14は、位置検出センサ15の検出情報に基づいて走行経路Rに位置する2台の走行台車3の運転を衝突しないように管理する2台管理制御と、一方の走行台車3を台車係留部r2に係留し、他方の走行台車3の運転を一方の走行台車3が係留される台車係留部r2に進入しないように管理する1台管理制御とを行うように構成されている。
つまり、2台管理制御では、2台の走行台車3の走行範囲を重複させて、2台の走行台車3の夫々が全てのステーション1に対して物品を移載可能にするように2台の走行台車3の運転を管理している。そして、2台管理制御は、複数のステーション1のうちから移載対象のステーション1を指示する搬送要求情報と位置検出センサ15にて検出された2台の走行台車3の位置情報とに基づいて、2台の走行台車3のいずれかにて移載対象のステーション1の間で物品Bの移載を行う搬送処理と、2台の走行台車3のうちで搬送処理を実行する走行台車3を選択して引き当てる引当処理とを行うことにより、2台の走行台車3の運転を衝突しないように管理している。
そして、図5に示すように、1台管理制御では、一方の走行台車3が故障やメンテナンス作業のために台車係留部r2に係留させた状態においては、前記引当処理を行わずに他方の走行台車3にて全ての搬送処理を行うべく、1台の物品搬送車3の運転を走行させるように管理されている。
ちなみに、搬送要求情報については、キーボードの人為操作式の入力装置や上位コンピュータにより、地上側コントローラ14に対して移載対象のステーション1を指示する搬送要求情報を入力するように構成されている。
図1、図5に示すように、走行経路Rは周囲が進入防止柵25にて覆われており、この進入防止柵25には、台車係留部r2に走行台車3が出入りする台車出入口26を開閉する台車出入口用開閉体としての台車用扉27と、台車係留部r2に作業員が出入りする作業員出入口28を開閉する作業員出入口用開閉体としての作業員用扉29との夫々が、台車係留部r2に対応して一対設けられている。
そして、台車用扉27は、横幅方向の一端側を中心に作業員の手動操作にて揺動操作するように構成されており、台車出入口26を走行台車3が通れないように閉じた閉じ状態と台車出入口26を走行台車3が通れるように開いた開き状態とに揺動操作自在に構成されている。また、作業員用扉29も、横幅方向の一端側を中心に作業員の手動操作にて揺動操作するように構成されており、作業員出入口28を作業員が通れないように閉じた閉じ状態と作業員出入口28を作業員が通れるように開いた開き状態とに揺動操作自在に構成されている。
尚、台車用扉27は、閉じ状態において物品搬送部r1と台車係留部r2との間に位置するように設けられている。
図2に示すように、前記台車係留部r2の夫々には、台車係留部r2に進入した走行台車3を係留する係留手段30が設けられている。この係留手段30は、一端が台車係留部r2の床面に接続されたケーブル30aとそのケーブル30aの他端に接続された係留ソケット30bとを備えて構成されている。そして、係留ソケット30bは走行台車3に備えられた被係留部31に着脱可能に構成され、ケーブル30aは、走行台車3の全体が台車係留部r2に進入していない状態では係留ソケット30bが走行台車3の被係留部31に届かず、走行台車3全体が台車係留部r2に進入した状態で係留ソケット30bが走行台車3の被係留部31に届いて装着できる長さに構成されている。
図1に示すように、台車用扉27の開き状態を検出するリミットスイッチにて構成された台車扉開き検出スイッチ34と、台車用扉27の閉じ状態を検出するリミットスイッチにて構成された台車扉閉じ検出スイッチ35と、作業員用扉29の閉じ状態を検出するリミットスイッチにて構成された作業員扉閉じ検出スイッチ36と、係留手段30の係留ソケット30bが走行台車3の被係留部31に接続されたことを検出するプッシュスイッチにて構成される係留検出スイッチ37(図2参照)とが備えられている。
そして、台車用扉27の開閉を検出する台車出入口開閉検出手段が台車扉開き検出スイッチ34と台車扉閉じ検出スイッチ35とで構成され、作業員用扉29の開閉を検出する作業員出入口開閉検出手段が作業員扉閉じ検出スイッチ36にて構成され、係留手段30が走行台車3を係留したことを検出する係留検出手段が係留検出スイッチ37にて構成されている。
前記給電線22への電力の供給を制御する電力供給制御手段40は、給電線22の前記主給電線部分22aについては、前記台車扉開き検出スイッチ34が開き状態を検出し且つ前記作業員扉閉じ検出スイッチ36が閉じ状態を検出する台車進入可能状態、及び、前記台車扉閉じ検出スイッチ35が閉じ状態を検出し且つ前記係留検出スイッチ37が係留状態を検出する台車保持状態においては、給電線22に電力を供給する給電状態とし、前記台車進入可能状態及び前記台車保持状態でない状態においては、給電線22への電力の供給を停止する給電停止状態とするように構成されている。
また、電力供給制御手段40は、前記係留給電線部分22bについては、前記台車進入可能状態においては、前記給電状態とし、且つ、前記台車進入可能状態でない状態においては、前記給電停止状態とするように構成されている。
電力供給制御手段40について説明を加えると、図4に示すように、電力供給制御手段40には、前記上流電源線32における主給電線部分22a側と一方の係留給電線部分22b側とに分岐する箇所よりも上流側に全体用停止スイッチ41が設けられている。
また、電力供給制御手段40には、上流電源線32における前記分岐する箇所よりも下流側の一方の係留給電線部分22bに接続される部分と前記下流電源線33との夫々に係留用停止スイッチ42が設けられている。
そして、電力供給制御手段40は、前記台車進入可能状態及び前記台車保持状態においては全体用停止スイッチ41を入り操作して主給電線部分22aについて給電状態とし、前記台車進入可能状態及び前記台車保持状態でない状態においては全体用停止スイッチ41を切り操作して主給電線部分22aについて給電停止状態とするように構成されている。
また、電力供給制御手段40は、台車進入可能状態においては係留用停止スイッチ42を入り操作して台車進入可能状態となった台車係留部r2に対応する係留給電線部分22bについて給電状態とし、台車進入可能状態でない状態においては係留用停止スイッチ42を切り操作して台車進入可能状態でない状態となった台車係留部r2に対応する係留給電線部分22bについて給電停止状態とするように構成されている。
尚、前記台車進入可能状態では全体用停止スイッチ41が入り操作されているので係留給電線部分22bについては給電される。
電力供給制御手段40における全体用停止スイッチ41及び係留用停止スイッチ42の切換構造について説明を加える。
図3、図4に示すように、前記台車進入可能状態になると台車扉開き検出スイッチ34並びに作業員扉閉じ検出スイッチ36が入り操作されることにより、台車進入可能状態となった台車係留部r2に対応する第1リレー44の係留用停止スイッチ42並びに接点44aが入り操作され、前記台車進入可能状態でない状態になると台車進入可能状態でない状態となった台車係留部r2に対応する第1リレー44の係留用停止スイッチ42並びに接点44aが切り操作される。また、前記台車保持状態になると台車扉閉じ検出スイッチ35並びに係留検出スイッチ37が入り操作されることにより、台車保持状態となった台車係留部r2に対応する第2リレー45の接点45aが入り操作され、前記台車保持状態でない状態になると台車保持状態でない状態となった台車係留部r2に対応する第2リレー45の接点45aが切り操作される。
そして、2箇所の台車係留部r2の両方において2つの接点44a、45aのいずれかが入り操作されていると第3リレー46の全体用停止スイッチ41が入り操作され、2箇所の台車係留部r2の一方又は両方において2つの接点44a、45aの両方が切り操作されていると第3リレー46の全体用停止スイッチ41が切り操作される。
従って、一対の台車係留部r2の両方の台車用扉27を開き状態とし、2箇所の台車係留部r2の両方の作業員用扉29を閉じ状態とすることにより、給電線22の主給電線部分22aと一対の係留給電線部分22bとの夫々に電力が供給されるので、搬送作業を行う2台の走行台車3は、走行経路Rの全体を走行することができる。
そして、2箇所の台車係留部r2の一方の台車用扉27を閉じ状態とし、その台車係留部r2の係留手段30に走行台車3を係留することにより、給電線22における一方の台車係留部r2に対応する一方の係留給電線部分22bには電力が供給されないので、一方の台車係留部r2においてメンテナンス作業を行う一方の走行台車3は停止し、給電線22における主給電線部分22aと他方の台車係留部r2に対応する他方の係留給電線部分22bとの夫々に電力が供給されるので、搬送作業を行う他方の走行台車3は、走行経路Rにおける物品搬送部r1と他方の台車係留部r2とを走行することができる。
ちなみに、台車用扉27を閉じ状態にしなければ台車保持状態とならないため、走行台車3のメンテナンス作用を行う際に台車用扉27を閉じるのを忘れないものとなり、台車用扉27を開き状態にしなければ台車進入可能状態にならないため、走行台車3のメンテナンス作業が終了した際に台車用扉27を開くのを忘れないものとなる。
図4に示すように、前記係留給電線部分22bに対して電力を供給する給電状態へ切換える人為操作式の給電状態切換え手段43が、前記台車保持状態においては前記給電状態に切換え保持自在で、前記台車保持状態でないときには給電停止状態に自動復帰する形態で設けられている。
つまり、上流電源線32には、前記係留用停止スイッチ42を設けた停止用給電線部分を避ける迂回用給電線部分が設けられており、給電状態切換え手段43は、停止用給電線部分に接続される操作位置と迂回用給電線部分に接続される操作位置とに切換え操作可能に構成されている。
そして、給電状態切換え手段43は、停止用給電線部分に接続される操作位置に向けて復帰付勢され且つ迂回用給電線部分に接続される操作位置で保持するラッチ機構が備えられている。
前記台車進入可能状態でない状態になると第1リレー44により台車進入可能状態でない状態となった台車係留部r2に対応する給電状態切換え手段43のラッチを解除して給電状態切換え手段43を停止用給電線部分に接続される操作位置に復帰させるように構成されている。
前記台車用扉27が閉じ状態にあるときに、前記台車係留部r2の外部、つまりは、物品搬送部r1に位置する前記走行台車3が前記台車用扉27に対して設定距離以上近づいた異常接近状態を検出する台車検出手段としてのリミットスイッチにて構成された台車検出スイッチ47が設けられ、前記電力供給制御手段40が、前記給電状態において、前記台車検出スイッチ47が前記異常接近状態を検出すると、前記給電停止状態に切換えるように構成されている。
つまり、図4に示すように、前記台車検出スイッチ47は、前記上流電源線32における主給電線部分22a側と一方の係留給電線部分22b側とに分岐する箇所よりも上流側に設けられており、前記走行台車3が前記台車用扉27に対して設定距離以上近づいた異常接近状態を検出するすることにより台車検出スイッチ47が切り操作されて給電線22について給電停止状態とするように構成されている。
そして、具体的な説明は省略するが、台車検出スイッチ47は、台車用扉27の物品搬送部r1側に揺動自在接続された棒状の支持部材の遊端部に取り付けられており、台車用扉27を開き状態とする際には棒状部材を起立姿勢にして台車検出スイッチ47を台車用扉27近くに位置させて格納し、台車用扉27を閉じ状態とした際には棒状部材を水平又は略水平姿勢として台車検出スイッチ47を台車用扉27から設定距離離して使用するように構成されている。
また、台車用扉27には、走行台車3が台車用扉27に対して設定近距離以上近づくことを規制する移動車輪止めが設けられており、この移動車輪止めは台車用扉27の物品搬送部r1側に揺動自在接続された棒状の支持部材の遊端部に取り付けられている。そして、この車輪止めも台車検出手段と同様に、台車用扉27を開き状態とする際には棒状部材を起立姿勢にして車輪止めを台車用扉27近くに位置させて格納し、台車用扉27を閉じ状態とした際には棒状部材を水平又は略水平姿勢として車輪止めを台車用扉27から設定距離離して使用するように構成されている。
〔別実施の形態〕
(1) 上記実施の形態では、台車出入口用開閉体27を、横幅方向の一端側を中心に作業員の手動操作にて揺動開閉するように構成し、揺動操作により閉じ状態と開き状態とに開閉操作するように構成したが、作業員の手作業により移動自在に構成し、台車出入口26を閉じるように走行経路Rに設置した閉じ状態と、台車出入口用開閉体27を開くように走行経路R或いは走行経路R外に設置した開き状態とに開閉操作するように構成してもよい。
この場合、図6、図7に示すように、台車扉開き検出スイッチ34を、走行経路R外に設けられて開き状態の台車出入口用開閉体27の両端部を夫々検出する一対のリミットスイッチにて構成し、台車扉閉じ検出スイッチ35を、走行経路Rにおける物品搬送部r1と台車係留部r2との間に設けられて閉じ状態の台車出入口用開閉体27の両端部を夫々検出する一対のリミットスイッチにて構成してもよい。
また、上記実施の形態では、台車出入口開閉検出手段34、35や作業員出入口開閉検出手段36をリミットスイッチにて構成したが、ポテンショメータ等の他のセンサにて構成してもよい。
) 上記実施の形態では、給電状態切換え手段43や台車検出手段47を設けたが、これらのうちの一方又は両方を設けなくともよい。
そして、台車保持状態において電力停止手段18を走行モータ6やブレーキ装置21への電力供給を停止するように地上側コントローラ14等の管理手段にて複数の走行台車3を管理するように構成してもよい。
) 上記実施の形態では、電力供給制御手段40を、台車進入可能状態及び台車保持状態でない状態から台車進入可能状態や台車保持状態になると自動的に給電状態とするように構成したが、電力供給制御手段40を給電停止状態から給電状態に切り換え可能な電源投入スイッチを設け、台車進入可能状態及び台車保持状態でない状態から台車進入可能状態や台車保持状態となっただけでは電力供給制御手段40は給電状態に切り換えられず、台車進入可能状態及び台車保持状態でない状態から台車進入可能状態や台車保持状態となった後に電源投入スイッチを操作することにより電力供給制御手段40が給電状態に切り換えられるように構成してもよい。
) 上記実施の形態において、人為的な操作により給電停止手段18を操作可能な操作手段を備えてもよく、台車保持状態において操作手段を操作することにより、その操作信号を走行台車3が受信するとスレーブコントローラ10にて走行停止手段18は作動操作され、走行モータ6やブレーキ装置21への電力の供給を停止するように構成してもよい。このように構成することにより、メンテナンス作業を行う際に、給電線22から供給される電力により移載装置4等の動作確認を行うことができながら、走行モータ6やブレーキ装置21への電力の供給を停止して走行台車3を制動させることができ、作業員はより安心してメンテナンス作業を行うことができる。
そして、操作手段を係留手段30にて構成し、係留手段30にて走行台車3を係留することにより走行モータ6やブレーキ装置21への電力の供給を停止するようにしてもよく、また、操作手段を台車係留部に設置或いは作業員が携帯する操作具にて構成してもよい。
) 上記実施の形態では、台車係留部r2を走行経路Rの両端部の夫々に設けたが、走行経路Rの一端部にのみ設けてもよく、また、走行経路Rを有端経路としたが、ループ状の無端経路としてもよい。
物品搬送設備の平面図 物品搬送設備の制御ブロック図 物品搬送設備の電気回路図 物品搬送設備の電気回路図 物品搬送設備の平面図 別実施の形態における物品搬送設備の平面図 別実施の形態における物品搬送設備の電気回路図
符号の説明
3 走行台車
22 給電線
22a 主給電線部分
22b 係留給電線部分
23 受電部
26 台車出入口
27 台車出入口用開閉体
28 作業員出入口
29 作業員出入口用開閉体
30 係留手段
34 台車出入口開閉検出手段
35 台車出入口開閉検出手段
36 作業員出入口開閉検出手段
37 係留検出手段
40 電力供給制御手段
43 給電状態切換え手段
47 台車検出手段
R 走行経路
r2 台車係留部

Claims (4)

  1. 物品搬送用の複数の走行台車が共用する走行経路に沿って給電線が設置され、前記複数の走行台車に前記給電線からの受電部が設けられた物品搬送設備であって、
    前記走行経路の一部にメンテナンス作業を行うために前記走行台車を係留するための台車係留部が設けられ、
    前記台車係留部に進入した走行台車を係留する係留手段が走行台車を係留したことを検出する係留検出手段、
    前記台車係留部に前記走行台車が出入りする台車出入口を開閉する台車出入口用開閉体の開閉を検出する台車出入口開閉検出手段、
    前記台車係留部に作業員が出入りする作業員出入口を開閉する作業員出入口用開閉体の開閉を検出する作業員出入口開閉検出手段が設けられ、
    前記給電線が、前記走行経路のうちの前記台車係留部の存在部分を外れた部分に対応して設置される主給電線部分と、前記走行経路のうちの前記台車係留部の存在部分に対応して設置される係留給電線部分とに分割され、
    前記給電線への電力の供給を制御する電力供給制御手段が、
    前記台車出入口開閉検出手段が開き状態を検出し且つ前記作業員出入口開閉検出手段が閉じ状態を検出する台車進入可能状態においては、前記給電線における前記主給電線部分と前記係留給電線部分とに電力を供給する給電状態とし、前記台車出入口開閉検出手段が閉じ状態を検出し且つ前記係留検出手段が係留状態を検出する台車保持状態においては、前記給電線における前記主給電線部分にのみ電力を供給する給電状態とし、前記台車進入可能状態及び前記台車保持状態でない状態においては、前記給電線への電力の供給を停止する給電停止状態とするように構成されている物品搬送設備。
  2. 前記係留給電線部分に対して電力を供給する給電状態へ切換える人為操作式の給電状態切換え手段が、前記台車保持状態においては前記給電状態に切換え保持自在で、前記台車保持状態でないときには給電停止状態に自動復帰する形態で設けられている請求項1記載の物品搬送設備。
  3. 前記台車出入口用開閉体が閉じ状態にあるときに、前記台車係留部の外部に位置する前記走行台車が前記台車出入口用開閉体に対して設定距離以上近づいた異常接近状態を検出する台車検出手段が設けられ、
    前記電力供給制御手段が、前記給電状態において、前記台車検出手段が前記異常接近状態を検出すると、前記給電停止状態に切換えるように構成されている請求項1又は2記載の物品搬送設備。
  4. 前記走行経路が有端形態であり、
    前記台車係留部が、前記走行経路の両端部の夫々に設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の物品搬送設備。
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