JP5914122B2 - プロパンジオールの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プロパンジオールの製造方法に関する。より詳しくは、グリセリンと水素とを反応させることにより、グリセリンの水素化分解物としてのプロパンジオール(特に、1,3−プロパンジオール)を製造する方法に関する。
従来、グリセリン(グリセロール)と水素とを反応させることによって、グリセリンの少なくとも1つの水酸基が水素化された水素化分解物としての各種アルコール類(例えば、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1−プロパノール、2−プロパノール等)を製造する方法が知られている。近年、このようなグリセリンの水素化分解物の中でも、特に、ポリエステルやポリウレタンの原料などとして有用な1,3−プロパンジオールに注目が集められている。このため、グリセリンと水素の反応により、高い選択率で1,3−プロパンジオールを製造する方法の開発が求められている。
グリセリンと水素とを反応させることにより、特に、1,3−プロパンジオールを高い選択率で生成させる方法として、シリカ上に担持したイリジウムのナノ粒子をレニウム酸化物にて修飾した触媒、及び硫酸の存在下で、グリセリンと水素を反応させる方法が知られている(非特許文献1参照)。
しかしながら、上記方法では、グリセリンと水素の反応を進行させるために硫酸を反応系中に存在させる必要があるため、工業的な製造設備においては、硫酸を除去するための工程を設ける必要があり、経済的に(特に設備費等の面で)不利であった。このため、特に、硫酸を使用することなくプロパンジオール(特に、1,3−プロパンジオール)を高い選択率で得ることができる、グリセリンと水素の反応プロセスの開発が望まれているのが現状である。
Yoshinao Nakagawa,et al."Direct hydrogenolysis of glycerol into 1,3−propanediol over rhenium−modified iridium catalyst",Journal of Catalysis,2010,272,p.191−194.
従って、本発明の目的は、グリセリンと水素の反応において硫酸を使用することなく、グリセリンを高い転化率(反応率)で反応させることができ、なおかつ高い選択率でプロパンジオール(1,3−プロパンジオール及び1,2−プロパンジオール、特に、1,3−プロパンジオール)を生成させることができるプロパンジオールの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の金属種を含む触媒と特定の共触媒の存在下においてグリセリンと水素とを反応させることによって、硫酸を使用することなくグリセリンを高い転化率(反応率)で反応させることができ、なおかつ高い選択率で1,3−プロパンジオールを生成させることができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、触媒及び共触媒の存在下、グリセリンと水素とを反応させてプロパンジオールを生成させる方法であって、前記触媒は、担体に担持されたイリジウムと、ニッケル、レニウム、ロジウム、パラジウム、白金、及びオスミウムからなる群より選択された少なくとも1種の金属とを含む触媒であり、前記共触媒は固体酸であることを特徴とするプロパンジオールの製造方法を提供する。
さらに、前記反応における反応温度が80〜350℃である前記のプロパンジオールの製造方法を提供する。
さらに、前記反応における反応圧力が1〜50MPaである前記のプロパンジオールの製造方法を提供する。
さらに、前記触媒におけるレニウムとイリジウムの重量比[レニウム/イリジウム]が0.1〜10である前記のプロパンジオールの製造方法を提供する。
さらに、前記固体酸が、陽イオン交換樹脂及びゼオライトからなる群より選択された少なくとも1種の固体酸である前記のプロパンジオールの製造方法を提供する。
本発明のプロパンジオールの製造方法は上記構成を有するため、該方法によると、硫酸を使用することなくグリセリンを高い転化率(反応率)で反応させることができ、なおかつ、グリセリンの水素化分解物の中でも、プロパンジオール(特に、1,3−プロパンジオール)を高い選択率で得ることができる。このため、プロパンジオール(特に、1,3−プロパンジオール)を高収率で製造することができ、生産性に優れる。さらに、本発明のプロパンジオールの製造方法では、硫酸を使用しなくてもプロパンジオールを高収率で製造できるため、プロセス上、硫酸の除去工程が不要であり、例えば、ステンレス製の反応器を使用することができる等、設備費等のコスト面で有利である。さらに、本発明のプロパンジオールの製造方法においては、共触媒の使用により触媒の活性低下が抑制されるため、触媒の再利用の観点でも有利である。
本発明のプロパンジオールの製造方法は、触媒及び共触媒の存在下、グリセリンと水素とを反応させ、グリセリンの水素化分解物のうち、プロパンジオール(特に、1,3−プロパンジオール)を高収率で製造する方法である。なお、上記「グリセリンの水素化分解物」とは、グリセリンが有する3つの水酸基(ヒドロキシル基)のうち、少なくとも1つが水素原子に置換された化合物、例えば、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1−プロパノール、2−プロパノールなどを意味する。
[グリセリン]
本発明のプロパンジオールの製造方法における原料としてのグリセリンは、特に限定されず、精製グリセリンであってもよいし、粗製グリセリンであってもよい。また、上記グリセリンの原料についても特に限定されず、上記グリセリンは、例えば、エチレン、プロピレンなどから化学合成されたグリセリンであってもよいし、バイオディーゼルの製造における植物油などのエステル交換反応で生じるような天然資源由来のグリセリンであってもよい。さらに、上記グリセリンとしては、本発明のプロパンジオールの製造方法により得られる反応結果物(通常、プロパンジオールを含む組成物である)から回収した未反応のグリセリンを利用(再利用)することもできる。
上記グリセリンの純度は、特に限定されないが、触媒の失活を抑制する観点で、90重量%以上(例えば、90〜100重量%)が好ましく、より好ましくは95重量%以上、さらに好ましくは98重量%以上である。
[水素]
本発明のプロパンジオールの製造方法において使用する水素(水素ガス)は、そのままで(実質的に水素のみの状態で)用いてもよいし、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス等により希釈した状態で用いてもよい。また、さらに、水素としては、本発明のプロパンジオールの製造方法により得られる反応結果物から回収した水素を利用(再利用)することもできる。
[触媒]
本発明のプロパンジオールの製造方法において使用する触媒は、担体に担持されたイリジウムと、ニッケル、レニウム、ロジウム、パラジウム、白金、及びオスミウムからなる群より選択された少なくとも1種の金属とを含む触媒(グリセリンの水素化反応用触媒)である。なお、上記触媒は、本発明のプロパンジオールの製造方法におけるグリセリンと水素の反応の主触媒として位置づけられる。
上記担体としては、公知乃至慣用の触媒における担体が使用でき、特に限定されないが、例えば、無機物担体、有機物担体などが挙げられる。上記無機物担体としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ホウ素などの無機酸化物、該無機酸化物の2種以上の複合体(例えば、ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、亜鉛、及びホウ素から選択された2種以上の元素の複合酸化物等;例えば、ゼオライト、シリカ−アルミナなど)、活性炭、ケイソウ土などが挙げられる。上記有機物担体としては、例えば、多孔質ポリマー粒子、イオン交換樹脂などが挙げられる。中でも、上記担体としては、無機酸化物又はその複合体が好ましく、より好ましくはシリカ、ゼオライトである。上記担体としては、市販品を利用することもできる。
上記担体の形状は、特に限定されず、例えば、粉末、押出成型物、噴霧成型物、球形成型物、打錠成型物などの任意の形状のものが使用できる。また、上記担体のサイズ(粒径など)についても、適宜選択可能である。
上記触媒は、担体に担持されたイリジウム(Ir)を含む。上記担体に担持されるイリジウム(Ir)の量は、特に限定されないが、イリジウムと担体の総量(100重量%)に対して、0.01〜50重量%が好ましく、より好ましくは1〜20重量%である。イリジウムの量が0.01重量%未満であると、グリセリンの転化率が著しく低下する場合がある。一方、イリジウムの量が50重量%を超えると、触媒費用が高くなり、経済的に不都合になる場合がある。なお、上記触媒において、担体に担持されるイリジウムの量は、例えば、触媒の調製時に、担体に対して含浸させる溶液(イリジウムを含有する溶液)の濃度や含浸させる量を調整すること等により制御することができる。
上記触媒において、イリジウムを担体に担持させる方法は、特に限定されず、公知乃至慣用の担持方法(例えば、含浸法、気相蒸着法、担持錯体分解法等)を利用することができる。具体的には、例えば、イリジウムを含有する溶液(例えば、塩化イリジウム酸水溶液など)を担体に含浸させた後、乾燥させ、次いで焼成する方法により担持させることができる。なお、イリジウムを含有する溶液の担体への含浸、及び乾燥は、繰り返して実施することにより、担体に担持させるイリジウムの量を多くすることができる。イリジウムを含有する溶液を含浸させる際の温度、該溶液を含浸させた担体を乾燥させる際の温度は、特に限定されない。
上記担体にイリジウムを含有する溶液を含浸させ、乾燥させた後、担体を焼成する際の温度は、特に限定されないが、例えば、大気中において427〜727℃が好ましく、より好ましくは427〜527℃である。また、焼成する際の雰囲気は、上述のように大気中に限定されず、例えば、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気、水素等の還元性ガス雰囲気などで焼成することができる。中でも、不活性ガス雰囲気、還元性ガス雰囲気が好ましい。
上記触媒は、上述の担体に担持されたイリジウムのほか、ニッケル(Ni)、レニウム(Re)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、及びオスミウム(Os)からなる群より選択された少なくとも1種の金属(金属元素)を含む。上記金属(Ni、Re、Rh、Pd、Pt、及びOsからなる群より選択された少なくとも1種の金属)を含むことにより、グリセリンの水素化分解物の中でも、プロパンジオール(特に、1,3−プロパンジオール)の選択率が向上する。上記金属の中でも、特に、1,3−プロパンジオールの選択率向上の観点で、レニウムが好ましい。
上記触媒において、ニッケル、レニウム、ロジウム、パラジウム、白金、及びオスミウムからなる群より選択された少なくとも1種の金属が含まれる態様は、特に限定されないが、例えば、上記金属が金属単体、金属塩、若しくは金属錯体として含まれる態様、又は、上記金属が担体に担持された状態で含まれる態様などが挙げられる。上記の中でも、ニッケル、レニウム、ロジウム、パラジウム、白金、及びオスミウムからなる群より選択された少なくとも1種の金属は、担体に担持された状態で含まれていることが好ましく、特に、イリジウムを担持している担体に担持された状態で含まれていることがより好ましい。即ち、上記触媒は、担体に、イリジウム、並びに、ニッケル、レニウム、ロジウム、パラジウム、白金、及びオスミウムからなる群より選択された少なくとも1種の金属が担持された触媒であることが好ましい。
上記触媒における、上記のニッケル、レニウム、ロジウム、パラジウム、白金、及びオスミウムの量(合計量)は、特に限定されないが、イリジウム(100重量部)に対して、10〜1000重量部が好ましく、より好ましくは50〜500重量部である。上記金属の量(合計量)が10重量部未満であると、プロパンジオール(特に、1,3−プロパンジオール)の選択率が低下する場合がある。一方、上記金属の量(合計量)が1000重量部を超えると、製造コストが高くなる場合がある。
上記のニッケル、レニウム、ロジウム、パラジウム、白金、及びオスミウムからなる群より選択された少なくとも1種の金属を担体に担持させる場合、その方法は特に限定されず、公知乃至慣用の担持方法を利用することができる。具体的には、例えば、ニッケル、レニウム、ロジウム、パラジウム、白金、及びオスミウムからなる群より選択された少なくとも1種の金属を含有する溶液(金属含有溶液)を担体(例えば、イリジウムを含有する溶液を含浸させ、乾燥させた後の担体)に含浸させ、乾燥させた後、焼成する方法などが挙げられる。なお、上記金属含有溶液を含浸させる際の温度、該溶液を含浸させた担体を乾燥させる際の温度は特に限定されない。また、上記担体を焼成する際の温度も、特に限定されず、例えば、上記で例示した焼成時の加熱温度の範囲から適宜選択することができる。
上記触媒が、担体にイリジウム及びレニウムを担持した触媒である場合、レニウム(Re)とイリジウム(Ir)の重量比[レニウム/イリジウム]は、特に限定されないが、1/10〜10/1(0.1〜10)が好ましく、より好ましくは1/2〜7/2(0.5〜3.5)、さらに好ましくは1/1.25〜3/1(0.8〜3)である。レニウムとイリジウムの重量比[レニウム/イリジウム]が10/1を超えると、1,3−プロパンジオールの選択率が低下する場合がある。
上記触媒が、担体にイリジウム及びレニウムを担持した触媒である場合、レニウム(Re)とイリジウム(Ir)のモル比[レニウム/イリジウム]は、特に限定されないが、1/10〜10/1(0.1〜10)が好ましく、より好ましくは1/2〜7/2(0.5〜3.5)、さらに好ましくは1/1〜3/1(1〜3)である。レニウムとイリジウムのモル比[レニウム/イリジウム]が10/1を超えると、1,3−プロパンジオールの選択率が低下する場合がある。
[共触媒]
本発明のプロパンジオールの製造方法において用いる共触媒は、固体酸である。固体酸とは、ブレンステッド酸及び/又はルイス酸の特性を示す固体であり、ハメットの酸度関数(H0)が6.8以下のものである。なお、ハメットの酸度関数(H0)は、公知乃至慣用の方法により測定でき、例えば、アンモニアを使用した昇温脱離法、アンモニアやピリジンを使用したin situ FT−IR法等により測定できる。上記固体酸としては、公知乃至慣用の固体酸を使用することができ、特に限定されないが、例えば、担体(例えば、シリカ、アルミナ、ゼオライト、シリカ−アルミナなど)に無機酸類、有機酸類(例えば、有機スルホン酸類等)を担持した固体;ガリウムシリケート、アルミノシリケート、ボロシリケート等の結晶性金属シリケート(例えば、ゼオライトなど);ヘテロポリ酸又はその塩;担体(例えば、シリカ、アルミナなど)にヘテロポリ酸又はその塩を担持した固体;酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化チタン(TiO2)などの酸性の金属酸化物;カルボキシル基、スルホン酸基等の酸基を有するポリマー(例えば、陽イオン交換樹脂など)などが挙げられる。上記固体酸としては、市販品を利用することもできる。
中でも、グリセリンの転化率及びプロパンジオール(特に、1,3−プロパンジオール)の選択率を向上させることができる点で、ゼオライト、陽イオン交換樹脂が好ましく、共触媒の再利用の点では、ゼオライト(特に、プロトン置換されたゼオライト)がより好ましい。上記固体酸は、本発明のプロパンジオールの製造方法における共触媒として1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
上記ゼオライトとしては、公知乃至慣用の天然ゼオライトや合成ゼオライトを使用することができ、特に限定されないが、例えば、A型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、L型ゼオライト、β型ゼオライト、モルデナイト、フェリエライト、MCM−22、ZSM−5などが挙げられる。中でも、グリセリンの転化率及びプロパンジオール(特に、1,3−プロパンジオール)の選択率向上の観点では、モルデナイト、β型ゼオライト(Beta型ゼオライト)、ZSM−5が好ましく、さらに、グリセリンと水素とを反応させる熱水条件下における安定性の観点では、ZSM−5(特に、プロトン型のZSM−5(H−ZSM−5))が特に好ましい。上記ゼオライトは、公知乃至慣用の方法(例えば、水熱合成法)により合成することができ、その製法(合成法)は特に限定されない。なお、上記ゼオライトが有するイオン種(カチオン種)は、公知乃至慣用のイオン交換操作により適宜変更することもできる。
上記陽イオン交換樹脂としては、公知乃至慣用の陽イオン交換樹脂を使用することができ、特に限定されないが、例えば、酸基(スルホン酸基やカルボキシル基等)を有するスチレン−ジビニルベンゼン共重合体、酸基を有するアクリルポリマーなどが挙げられる。上記陽イオン交換樹脂としては、例えば、ローム・アンド・ハース社製のAmberlystシリーズなどの市販品が例示される。
上記固体酸の形状は、特に限定されず、例えば、粉末、押出成型物、噴霧成型物、球形成型物、打錠成型物などの任意の形状のものが使用できる。また、上記固体酸のサイズ(粒径など)についても、適宜選択可能である。
上記固体酸における鉄(Fe)の含有量は、特に限定されないが、0.01重量%未満が好ましく、より好ましくは0.001重量%未満、さらに好ましくは0重量%である。鉄の含有量が0.01重量%以上であると、触媒が被毒され、グリセリンの転化率が著しく低下する場合がある。なお、上記固体酸における鉄の含有量は、例えば、誘導結合プラズマ原子発光分析(ICP−AES)などにより分析することが可能である。上記固体酸における鉄の含有量は、例えば、硝酸水溶液による洗浄処理等により低減することができる。
[本発明のプロパンジオールの製造方法]
本発明のプロパンジオールの製造方法は、担体に担持されたイリジウムと、ニッケル、レニウム、ロジウム、パラジウム、白金、及びオスミウムからなる群より選択された少なくとも1種以上の金属とを含む触媒、並びに共触媒(固体酸)の存在下で、グリセリンと水素を反応させて、グリセリンの水素化分解物としてのプロパンジオール(特に、1,3−プロパンジオール)を製造する方法である。
上記触媒及び共触媒の存在下におけるグリセリンと水素との反応は、特に限定されず、液状グリセリンと水素ガスと上記触媒及び共触媒との三相系(気液固三相系)で進行させてもよいし、グリセリンガスと水素ガスと上記触媒及び共触媒との二相系(気固二相系)で進行させてもよい。中でも、グリセリンの炭素−炭素結合が切断されてエチレングリコール、エタノール、メタノール、メタン等が生成する副反応の進行を抑制する観点からは、上記反応を三相系(気液固三相系)で進行させることが好ましい。
なお、上記反応を三相系(気液固三相系)で進行させる場合には、グリセリンを水や有機溶媒などに溶解させたグリセリン溶液を原料として好ましく使用することができる。上記有機溶媒としては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどが使用できる。上記の中でも、反応性の観点で、上記グリセリン溶液としてグリセリンの水溶液を使用することが好ましい。
上記グリセリン溶液(特に、グリセリン水溶液)におけるグリセリンの濃度(グリセリン溶液100重量%に対する濃度)は、特に限定されないが、5〜98重量%が好ましく、より好ましくは10〜90重量%、さらに好ましくは15〜90重量%、特に好ましくは20〜80重量%である。グリセリンの濃度が5重量%未満であると、グリセリンの反応率(転化率)が低下する場合がある。一方、グリセリンの濃度が98重量%を超えると、グリセリン溶液の粘度が高くなり、操作が煩雑になる場合がある。
上記グリセリン溶液には、本発明の効果を阻害しない範囲でその他の成分(例えば、アルコール類など)を含有させてもよい。また、上記グリセリン溶液には、例えば、グリセリンの原料に由来する不純物(例えば、長鎖脂肪酸、金属塩、チオールやチオエーテルなどの含硫黄化合物、アミンなどの含窒素化合物等)が含まれる場合があるが、このような不純物は触媒を劣化させるおそれがあるため、公知乃至慣用の方法(例えば、蒸留、吸着、イオン交換、晶析、抽出等)により、できるだけグリセリン溶液から除去することが好ましい。
上記グリセリン溶液は、特に限定されないが、グリセリンと、必要に応じて水や有機溶媒、その他の成分とを均一に混合することにより得られる。この場合の混合には、特に限定されないが、例えば、公知乃至慣用の攪拌機などを用いることができる。
本発明のプロパンジオールの製造方法は、特に限定されず、回分方式(バッチ式)、半回分方式、連続流通方式のいずれの方式によっても実施することができる。
本発明のプロパンジオールの製造方法を回分方式で実施する場合には、例えば、回分式の反応器に、グリセリン(又はグリセリン溶液)、上記触媒及び共触媒、並びに水素(水素ガス)を仕込み、必要に応じて加熱し、攪拌下で反応させることによって実施することができる。
本発明のプロパンジオールの製造方法を回分方式で実施する場合、反応器へのグリセリンと水素の仕込み量は、特に限定されないが、グリセリンと水素のモル比[水素(mol)/グリセリン(mol)]が、1以上であることが好ましく、より好ましくは4以上、さらに好ましくは10以上である。上記モル比が1未満であると、グリセリンの反応率(転化率)が低下する場合がある。
本発明のプロパンジオールの製造方法を回分方式で実施する場合、上記触媒の使用量(仕込み量)は、特に限定されないが、グリセリン100重量部に対し、0.01〜50重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜20重量部である。上記使用量が0.01重量部未満であると、グリセリンの反応率(転化率)が低下する場合がある。一方、上記使用量が50重量部を超えると、コスト面で不利となる場合がある。
本発明のプロパンジオールの製造方法を回分方式で実施する場合、上記共触媒の使用量(仕込み量)は、特に限定されないが、触媒100重量部に対し、1〜200重量部が好ましく、より好ましくは3〜100重量部である。上記使用量が1重量部未満であると、グリセリンの反応率(転化率)が低下する場合がある。一方、上記使用量が200重量部を超えると、コスト面で不利となる場合がある。
一方、本発明のプロパンジオールの製造方法を連続方式(連続流通方式)で実施する場合には、例えば、内部に上記触媒及び共触媒を滞留させた流通式反応器の一端に、グリセリン(又はグリセリン溶液)及び水素(水素ガス)を連続的に供給し、他端から上記触媒を含まない反応液を連続的に排出させる方法により、グリセリンと水素の反応を行うことができる。なお、上記流通式反応器における反応は、移動床、懸濁床、固定床など、いずれによっても行うことができる。
上記の中でも、本発明のプロパンジオールの製造方法は、連続流通方式で実施することが好ましく、プロパンジオール(特に、1,3−プロパンジオール)の選択率及び収率が高く、触媒の分離プロセスが不要である点で、流通式反応器としてトリクルベッド反応器を用いることがより好ましい。なお、上記トリクルベッド反応器とは、固体触媒が充填された触媒充填層を内部に有し、該触媒充填層に対して液体(本発明では、例えば、グリセリン溶液)と気体(本発明では、水素)とを共に、反応器の上方から下向流(気液下向並流)で流通する形式の反応器(固定床連続反応装置)である。
上記グリセリンと水素の反応における温度(反応温度)は、特に限定されないが、80〜350℃が好ましく、より好ましくは90〜300℃、さらに好ましくは100〜200℃である。反応温度が80℃未満であると、グリセリンの反応率(転化率)が低下する場合がある。一方、反応温度が350℃を超えると、グリセリンの分解(例えば、炭素−炭素結合の開裂など)が生じやすく、プロパンジオール(特に、1,3−プロパンジオール)の選択率が低下する場合がある。
上記グリセリンと水素の反応における水素の圧力(反応圧力、グリセリンと水素の反応における水素圧)は、特に限定されないが、1〜50MPaが好ましく、より好ましくは3〜40MPa、さらに好ましくは5〜30MPaである。反応圧力が1MPa未満であると、グリセリンの反応率(転化率)が低下する場合がある。一方、反応圧力が50MPaを超えると、高度な耐圧性を有する反応器が必要となるため、製造コストが高くなってしまう場合がある。
本発明のプロパンジオールの製造方法には、上述の水素とグリセリンとを反応させる工程のほか、必要に応じてその他の工程が含まれていてもよい。具体的には、例えば、グリセリンを精製したり、グリセリン溶液を調製・精製したりする工程等を含んでいてもよいし、反応により得られた反応結果物(例えば、グリセリン、水素、及びグリセリンの水素化分解物等を含む溶液)を分離したり、グリセリンの水素化分解物を精製する工程、触媒を回収する工程、触媒を焼成等により再生する工程等を含んでいてもよい。
本発明のプロパンジオールの製造方法は、グリセリンと水素との反応を特定の触媒及び共触媒の存在下で行うものであり、硫酸を使用することなく、グリセリンを高い反応率で反応させることができ、なおかつ、グリセリンの水素化分解物の中でも、プロパンジオール(特に、1,3−プロパンジオール)を高い選択率で生成させることができる。このため、本発明のプロパンジオールの製造方法によると、プロパンジオール(特に、1,3−プロパンジオール)を高い収率で得ることができる。また、本発明のプロパンジオールの製造方法は、硫酸を使用しなくてもよいため反応器の選択の幅が広く、例えば、ステンレス製の反応器を使用することも可能である。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって限定されるものではなく、前記及び後記の趣旨に適合しうる範囲で適宜変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1
(触媒の調製)
担体として、シリカ(商品名「G−6」、富士シリシア化学(株)製)を使用した。上記担体に、塩化イリジウム酸を使用して調製したイリジウム濃度(Ir濃度)4.47重量%の水溶液を滴下して、上記担体全体を湿潤させた後、該担体を110℃で2時間乾燥させた。そして、このような塩化イリジウム酸水溶液の滴下と乾燥を繰り返した(最後の乾燥の時間は12時間とした)。次に、上記担体に対し、過レニウム酸アンモニウム水溶液の滴下と乾燥を、先の塩化イリジウム酸水溶液の滴下と乾燥と同様にして行い、イリジウム、レニウム、及び担体の総量に対して、イリジウム(Ir)の量が4重量%、レニウム(Re)の量が3.9重量%となるように担持させた。乾燥後の担体を、空気雰囲気下(大気中)、500℃、3時間の条件で焼成して、触媒(Ir−ReOx/SiO2)を得た。なお、上記触媒におけるイリジウムとレニウムのモル比[Ir/Re]は1/1である。
(グリセリンの水素化反応)
内容積190mLのオートクレーブ(ガラス製の内管を有する)中に、上記で製造した触媒(Ir−ReOx/SiO2)150mg、及び水16gを入れ、水素圧8MPa、200℃、1時間の条件で加熱し、触媒の前処理(還元処理)を行った。
前処理の終了後、オートクレーブを冷却し、水素を排出した。次いで、オートクレーブ内に、グリセリン(和光純薬工業(株)製、>99%)4g及びH−ZSM−5(商品名「JRC−Z5−90H(1)、ズードケミー触媒(株)及び一般社団法人触媒学会製;ZSM−5型ゼオライト、Si/Al2=90)10mgを素早く入れ、密封した後、オートクレーブ内の空気を1MPaの水素で3回置換した。次に、オートクレーブの内温が120℃になるまで加熱して、グリセリンの水素化反応(還元反応)を実施した。反応時間は24時間とした。なお、オートクレーブの内温が120℃に到達した時点で、水素圧(初期圧力)は8MPa(ゲージ圧)であった。また、反応中、マグネチックスターラーによる攪拌回転数は500rpmに設定した。
(生成物の分析)
グリセリンの水素化反応を終了させた後、ガスクロマトグラフィー(ガスクロマトグラフ装置:「GC−2014」((株)島津製作所製)、GCカラム:TC−WAX、DB−FFAP、検出器:FID)により生成物の定量分析を行い、グリセリンの転化率、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1−プロパノール、2−プロパノール、プロパンの選択率を算出した。結果を表1に示す。なお、生成物の同定は、GC−MS(「QP5050」、(株)島津製作所製)により行った。
実施例2
H−ZSM−5の量を60mgに変更したこと以外は実施例1と同様の手順で、触媒の調製、グリセリンの水素化反応、及び生成物の分析を行った。生成物の分析結果を表1に示す。
実施例3
10mgのH−ZSM−5の代わりに、商品名「Amberlyst 70」(陽イオン交換樹脂(酸性陽イオン交換樹脂)、ローム・アンド・ハース社製)10mgを使用したこと以外は、実施例1と同様の手順で、触媒の調製、グリセリンの水素化反応、及び生成物の分析を行った。生成物の分析結果を表1に示す。
実施例4
商品名「Amberlyst 70」(陽イオン交換樹脂、ローム・アンド・ハース社製)の量を50mgに変更したこと以外は、実施例3と同様の手順で、触媒の調製、グリセリンの水素化反応、及び生成物の分析を行った。生成物の分析結果を表1に示す。
実施例5
10mgのH−ZSM−5の代わりに、H−mordenite(商品名「HSZ−620HOD」、東ソー(株)製;モルデナイト型ゼオライト、Si/Al2=15.7)10mgを使用したこと以外は、実施例1と同様の手順で、触媒の調製、グリセリンの水素化反応、及び生成物の分析を行った。生成物の分析結果を表1に示す。
実施例6
10mgのH−ZSM−5の代わりに、H−beta(商品名「HSZ−930HOA」、東ソー(株)製;Beta型ゼオライト、Si/Al2=27)10mgを使用したこと以外は、実施例1と同様の手順で、触媒の調製、グリセリンの水素化反応、及び生成物の分析を行った。生成物の分析結果を表1に示す。
実施例7
10mgのH−ZSM−5の代わりに、下記の手順で調製したシリカ−アルミナ50mgを使用したこと以外は、実施例1と同様の手順で、触媒の調製、グリセリンの水素化反応、及び生成物の分析を行った。生成物の分析結果を表1に示す。
(シリカ−アルミナの調製)
室温で、商品名「JRC−SAL−3」(シリカ−アルミナ[SiO2:86重量%、Al23:13重量%、Na2O:0.02重量%、SO4:0.6重量%、Fe:0.01重量%];日揮触媒化成(株)及び一般社団法人触媒学会製)を0.5M硝酸水溶液により室温で4時間洗浄し、その後、乾燥させて、シリカ−アルミナを調製した。
実施例8
共触媒として使用するシリカ−アルミナの量を150mgに変更したこと以外は実施例7と同様の手順で、触媒の調製、グリセリンの水素化反応、及び生成物の分析を行った。生成物の分析結果を表1に示す。
実施例9
10mgのH−ZSM−5の代わりに、ZrO2(商品名「RC−100P」、第一稀元素化学工業(株)製)10mgを使用したこと以外は、実施例1と同様の手順で、触媒の調製、グリセリンの水素化反応、及び生成物の分析を行った。生成物の分析結果を表1に示す。
実施例10
10mgのH−ZSM−5の代わりに、TiO2(商品名「P25」、日本アエロジル(株)製)10mgを使用したこと以外は、実施例1と同様の手順で、触媒の調製、グリセリンの水素化反応、及び生成物の分析を行った。生成物の分析結果を表1に示す。
比較例1
H−ZSM−5(共触媒)を使用しなかったこと以外は実施例1と同様の手順で、触媒の調製、グリセリンの水素化反応、及び生成物の分析を行った。生成物の分析結果を表1に示す。
比較例2
10mgのH−ZSM−5の代わりに、MgO(商品名「500A」、宇部マテリアルズ(株)製)10mgを使用したこと以外は、実施例1と同様の手順で、触媒の調製、グリセリンの水素化反応、及び生成物の分析を行った。生成物の分析結果を表1に示す。
比較例3
10mgのH−ZSM−5の代わりに、CeO2(商品名「HS」、第一稀元素化学工業(株)製)10mgを使用したこと以外は、実施例1と同様の手順で、触媒の調製、グリセリンの水素化反応、及び生成物の分析を行った。生成物の分析結果を表1に示す。
参考例1
10mgのH−ZSM−5の代わりに、硫酸(H2SO4)1.5mgを使用したこと以外は、実施例1と同様の手順で、触媒の調製、グリセリンの水素化反応、及び生成物の分析を行った。生成物の分析結果を表1に示す。
Figure 0005914122
表1に示すように、本発明のプロパンジオールの製造方法(実施例)によると、硫酸を使用することなく、グリセリンを高い転化率で反応させることができ、プロパンジオール(特に、1,3−プロパンジオール)を高選択率で得ることができた。共触媒としてH−ZSM−5(60mg)、シリカ−アルミナ(150mg)を使用した場合(実施例2、8)のプロパンジオール(特に、1,3−プロパンジオール)の収率は、共触媒として硫酸を使用した場合(参考例1)と同程度であった。さらに、共触媒としてAmberlyst 70(10mg、50mg)を使用した場合(実施例3、4)のプロパンジオール(特に、1,3−プロパンジオール)の収率は、共触媒として硫酸を使用した場合(参考例1)よりも高かった。
一方、共触媒を使用しない場合(比較例1)、共触媒として強塩基性を示すMgOを使用した場合(比較例2)、弱塩基性を示すCeO2を使用した場合(比較例3)には、いずれもグリセリンの転化率が低く、プロパンジオールを高収率で得ることはできなかった。
表1で用いた略号は以下の通りである。
1,3−PrD : 1,3−プロパンジオール
1,2−PrD : 1,2−プロパンジオール
1−PrOH : 1−プロパノール
2−PrOH : 2−プロパノール
Propane : プロパン
グリセリンの水素化反応において使用した触媒を繰り返し再使用した場合の活性(触媒活性)を、以下の実施例11、実施例12、比較例4により評価した。
実施例11
実施例3におけるグリセリンの水素化反応(1回目の反応、触媒の使用回数:1回目)の終了後、反応溶液から触媒(Ir−ReOx/SiO2)及び共触媒(Amberlyst 70)を遠心分離により回収した。次いで、回収した触媒及び共触媒を500℃で3時間焼成した。
次に、上記で回収した触媒(焼成後;共触媒は焼成により燃焼されている)に、未使用の触媒(Ir−ReOx/SiO2)約15mgを加え、さらに前処理したものを2回目の反応における触媒として使用し、共触媒として未使用の商品名「Amberlyst 70」10mgを使用して、実施例3と同様の手順で、グリセリンの水素化反応(2回目の反応、触媒の使用回数:2回目)を実施した。反応終了後、反応溶液から触媒(Ir−ReOx/SiO2)及び共触媒(Amberlyst 70)を遠心分離により回収した。次いで、回収した触媒及び共触媒を500℃で3時間焼成した。
その後、上記で回収した触媒(焼成後;共触媒は焼成により燃焼されている)に、未使用の触媒(Ir−ReOx/SiO2)約15mgを加え、さらに前処理したものを3回目の反応における触媒として使用し、共触媒として未使用の商品名「Amberlyst 70」10mgを使用して、実施例3と同様の手順で、グリセリンの水素化反応(3回目の反応、触媒の使用回数:3回目)を実施した。
1〜3回目の反応における生成物の分析結果を表2に示す。
実施例12
実施例2におけるグリセリンの水素化反応(1回目の反応、触媒の使用回数:1回目)の終了後、反応溶液から触媒(Ir−ReOx/SiO2)及び共触媒(H−ZSM−5)を遠心分離により回収した。次いで、回収した触媒及び共触媒を500℃で3時間焼成した。
次に、上記で回収した触媒及び共触媒(焼成後)に、未使用の触媒(Ir−ReOx/SiO2)約15mgを加え、さらに前処理したものを2回目の反応における触媒及び共触媒として使用し、実施例2と同様の手順で、グリセリンの水素化反応(2回目の反応、触媒の使用回数:2回目)を実施した。反応終了後、反応溶液から触媒(Ir−ReOx/SiO2)及び共触媒を遠心分離により回収した。次いで、回収した触媒及び共触媒を500℃で3時間焼成した。
その後、上記で回収した触媒及び共触媒(焼成後)に、未使用の触媒(Ir−ReOx/SiO2)約15mgを加え、さらに前処理したものを3回目の反応における触媒及び共触媒として使用して、実施例2と同様の手順で、グリセリンの水素化反応(3回目の反応、触媒の使用回数:3回目)を実施した。
1〜3回目の反応における生成物の分析結果を表2に示す。
比較例4
比較例1におけるグリセリンの水素化反応(1回目の反応、触媒の使用回数:1回目)の終了後、反応溶液から触媒(Ir−ReOx/SiO2)を遠心分離により回収した。次いで、回収した触媒を500℃で3時間焼成した。
次に、上記で回収した触媒(焼成後)に、未使用の触媒(Ir−ReOx/SiO2)約15mgを加え、さらに前処理したものを2回目の反応における触媒として使用し、比較例1と同様の手順で、グリセリンの水素化反応(2回目の反応、触媒の使用回数:2回目)を実施した。反応終了後、反応溶液から触媒(Ir−ReOx/SiO2)を遠心分離により回収した。次いで、回収した触媒を500℃で3時間焼成した。
その後、上記で回収した触媒(焼成後)に、未使用の触媒(Ir−ReOx/SiO2)約15mgを加え、さらに前処理したものを3回目の反応における触媒として使用して、比較例1と同様の手順で、グリセリンの水素化反応(3回目の反応、触媒の使用回数:3回目)を実施した。
1〜3回目の反応における生成物の分析結果を表2に示す。
Figure 0005914122
表2に示すように、共触媒(Amberlyst 70、H−ZSM−5)を使用した場合(実施例11、12)と共触媒を使用しない場合(比較例4)とを比較すると、共触媒を使用した場合には触媒の活性低下が抑制されていることが判明した。これは、共触媒が触媒の安定化に寄与していることを示唆する結果である。また、特に、共触媒としてH−ZSM−5を使用すると、該共触媒の新たな添加を要することなく触媒の再使用ができ、コスト面で有利である。

Claims (5)

  1. 触媒及び共触媒の存在下、グリセリンと水素とを反応させてプロパンジオールを生成させる方法であって、
    前記触媒は、シリカに担持されたイリジウムと、レニウムとを含む触媒であり、
    前記共触媒は、ゼオライト、陽イオン交換樹脂、硝酸を担持したシリカ−アルミナ、酸化ジルコニウム、及び酸化チタンからなる群から選択される少なくとも1種の固体酸であることを特徴とするプロパンジオールの製造方法。
  2. 前記反応における反応温度が80〜350℃である請求項1に記載のプロパンジオールの製造方法。
  3. 前記反応における反応圧力が1〜50MPaである請求項1又は2に記載のプロパンジオールの製造方法。
  4. 前記触媒におけるレニウムとイリジウムの重量比[レニウム/イリジウム]が0.1〜10である請求項1〜3のいずれか1項に記載のプロパンジオールの製造方法。
  5. 前記固体酸が、陽イオン交換樹脂及びゼオライトからなる群より選択された少なくとも1種の固体酸である請求項1〜4のいずれか1項に記載のプロパンジオールの製造方法。
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