JP6656667B2 - 2−メチルテトラヒドロフランの製造方法 - Google Patents

2−メチルテトラヒドロフランの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、温和な条件下、レブリン酸から2−メチルテトラヒドロフラン(以後、「MTHF」と称する場合がある)を選択的、且つ効率よく製造する方法に関する。
持続可能社会の構築に向けて、再生可能資源であるバイオマス由来の化学製品を利用することが望まれている。例えば、レブリン酸は木質系バイオマスのリグノセルロースから得られるケトカルボン酸であり、レブリン酸からラクトン、ジオール、環状エーテル等を製造することができる。
レブリン酸から得られる環状エーテルとしては、MTHFが知られている。MTHFは、テトラヒドロフラン(THF)に代わる溶媒として有用であり、MTHFに水を加えるときれいに相分離する特性を有するため、溶媒として使用すると反応生成物の精製処理を容易に行うことができる。また、リチウムイオンバッテリーの電解液成分等としても有用である。
レブリン酸からMTHFを得る反応としては、Ru−Triphos錯体、Ru−N−Triphos錯体等の均一系触媒を使用し、酸の存在下で反応させる方法が知られている。しかし、前記均一系触媒と酸を使用する方法では使用できる反応器の材質が限られる上、そのような反応器は非常に高価であること、反応終了後に前記酸を塩基で中和し、中和によって生成する塩を除去する等の精製処理を施す必要があり、精製処理に手間とコストがかかることが問題であった。その他、レブリン酸からMTHFを得る反応として、Pd−Re/C、Ni−Cu/SiO2等の固体触媒を使用し、気相流通系ワンパス反応を行う方法が知られている。前記固体触媒を使用する方法では、反応生成物の精製処理における手間とコストを削減することができるが、収率良くMTHFを得る為に高温及び/又は高水素圧条件下で反応を行う必要があった(非特許文献1〜5)。
D. C. Elliott, J. G. Frye, US patent, US5883266 (1999) W. Leitner et al., Angew. Chem. Int. Ed., 2010, 32, 5510-5514. J.S. Chang et al., ChemSusChem, 2011, 4, 1749-1752. P. W. Miller, et al., ACS Catal., 2015, 5, 2500-2512 M. Beller, et al., Angew. Chem. Int. Ed., 2015, 54, 5196-5200.
従って、本発明の目的は、レブリン酸から、温和な条件下で、簡便且つ効率よくMTHFを製造する方法を提供することにある。
本発明者等は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、下記特定の固体触媒を使用すると、レブリン酸からMTHFを、温和な条件下でも、ワンポットで簡便に、効率よく、且つ安価に製造することができることを見いだした。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
すなわち、本発明は、下記金属触媒の存在下でレブリン酸から2−メチルテトラヒドロフランを製造する2−メチルテトラヒドロフランの製造方法を提供する。
金属触媒:金属種として下記M1とM2が酸性担体に担持されてなる触媒
(M1)ロジウム、白金、ルテニウム、イリジウム、及びパラジウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属
(M2)バナジウム、モリブデン、タングステン、及びレニウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属
本発明は、また、酸性担体が、ゼオライト、硫酸化ジルコニア、及びリン酸ジルコニウムからなる群より選択される少なくとも1種の担体である前記の2−メチルテトラヒドロフランの製造方法を提供する。
本発明は、また、金属触媒が、金属種としてM1とM2を、M21モルに対してM1を2〜100モルの範囲で含有する前記の2−メチルテトラヒドロフランの製造方法を提供する。
本発明は、また、金属触媒の使用量(M1金属換算)が、レブリン酸の0.01〜30モル%である前記の2−メチルテトラヒドロフランの製造方法を提供する。
本発明は、また、水の存在下で反応を行う前記の2−メチルテトラヒドロフランの製造方法を提供する。
本発明のMTHFの製造方法によれば、石油資源に代えて、バイオマス由来のレブリン酸からMTHFを、温和な条件下でも、ワンポットで簡便に、効率よく、且つ選択的に製造することができ、製造に要するエネルギー、手間、時間、及び試薬を最小限にとどめることができる。また、反応に酸を使用しないため、酸に耐性を有する、高価な反応器を使用する必要が無い。その上、中和処理など、反応に酸を使用することによって必要となる後処理も省略することができる。このようにして得られるMTHFは、THFに代わる溶媒として有用である。その他、リチウムイオンバッテリーの電解液成分等としても有用である。従って、本発明のMTHFの製造方法は工業的にMTHFを製造する方法として好適である。
(金属触媒)
本発明のMTHFの製造方法は、下記金属触媒を使用することを特徴とする。
金属触媒:金属種として下記M1とM2が酸性担体に担持されてなる触媒
(M1)ロジウム、白金、ルテニウム、イリジウム、及びパラジウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属
(M2)バナジウム、モリブデン、タングステン、及びレニウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属
本発明では、金属触媒として、触媒活性を有する上記金属種を担体に担持したものを使用する。それにより、金属種同士の界面面積を稼ぐことができ、触媒活性点を多く露出させることができる。そのため、本発明における金属触媒は優れた触媒活性を発揮することができる。
また、本発明における金属触媒は、金属種が担体に担持されたものであるので、反応終了後は、濾過、遠心分離等の物理的な分離手段により金属触媒を反応生成物から容易に、分離、回収することができ、反応生成物から触媒を除去する精製処理に要するコストを最小限とすることができる。また、分離し、回収された金属触媒は、そのままで、又は洗浄、乾燥等を施した後、再利用することができる。そのため、高価な金属触媒を繰り返し利用することができる。本発明のMTHFの製造方法は、前記効果を併せ持つ金属触媒を使用するため、MTHFの製造コストを大幅に削減することができる。
金属種M1は、ロジウム、白金、ルテニウム、イリジウム、及びパラジウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属(特に、貴金属)である。なかでも反応中間体であるγ−バレロラクトン(GVL)の水素化反応を効率よく促進することができる点で、ロジウム、白金、ルテニウム、及びパラジウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属が好ましく、特に副生物の生成量が極めて低く、高い選択率でMTHFを製造することができる点でロジウム、白金、及びパラジウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属が好ましく、とりわけロジウム及び/又は白金が、より温和な温度、且つより短い反応時間で効率よくMTHFが得られる点で好ましい。
金属種M2は、バナジウム、モリブデン、タングステン、及びレニウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属(特に、ルイス酸性を有する金属)である。
金属種M1とM2の組み合わせとしては、なかでも、パラジウム−レニウム、ルテニウム−レニウム、ロジウム−モリブデン、ロジウム−タングステン、ロジウム−バナジウム、ロジウム−レニウム、白金−モリブデン、白金−レニウムの組み合わせが、反応中間体であるGVLの水素化反応を効率よく促進し、MTHFを収率良く製造することができる点で好ましく、パラジウム−レニウム、ロジウム−レニウム、白金−モリブデン、白金−レニウムの組み合わせ(特に、パラジウム−レニウム、白金−モリブデンの組み合わせ)が、副生物の生成量が極めて低く、選択率にMTHFを製造することができる点で好ましく、とりわけ白金−モリブデンが、より温和な温度、且つより短い反応時間で効率よく選択的にMTHFを製造することができる点で好ましい。
酸性担体としては、例えば、ゼオライト、硫酸化ジルコニア、リン酸ジルコニウム、モンモリロナイト、シリカ、アルミナ等を挙げることができる。本発明においては、なかでもゼオライト、硫酸化ジルコニア、又はリン酸ジルコニウムが好ましく、MTHFを収率よく製造することができる点で、ゼオライト[例えば、β型ゼオライト(SiO2/Al23(モル比)=25〜150)、Y型ゼオライト(SiO2/Al23(モル比)=4〜200)、ZSM−5型ゼオライト(SiO2/Al23(モル比)=20〜1200)、モルデナイト型ゼオライト(SiO2/Al23(モル比)=9〜100)等が含まれる]、又は硫酸化ジルコニアが好ましく、特にβ型ゼオライトが、副生物の生成量が極めて低く、高い選択率でMTHFを製造することができる点で好ましい。
酸性担体の比表面積(BET法による)は、例えば10〜1000m2/g、好ましくは100〜800m2/g、特に好ましくは300〜700m2/gである。
酸性担体の平均粒子径(レーザー回折・散乱法による)は、例えば0.1〜50μm、好ましくは0.1〜20μm、特に好ましくは0.1〜0.5μmである。
β型ゼオライトとしては、例えば、商品名「JRC−Z−HBベータ」(触媒学会参照触媒)、商品名「zeolite beta(H−beta)」(zeolyst社製)等の市販品を好適に使用することができる。
担体に担持される金属種M1とM2の態様は特に限定されることがなく、例えば、金属単体、金属塩、金属酸化物、金属水酸化物、又は金属錯体等を挙げることができる。
金属種M1の担持量(金属換算)は、上記担体の、例えば0.1〜20重量%程度、好ましくは0.5〜15重量%、特に好ましくは1〜10重量%である。担持量が上記範囲を上回ると、活性点が減少するためか、触媒活性が低下してMTHFの収率が低下する傾向がある。一方、担持量が上記範囲を下回ると、十分な触媒活性が得られ難くなる傾向がある。
金属種M1の担持量(金属換算)は、M21モルに対して、例えば2〜100モルの範囲であり、その上限は、好ましくは90モル、より好ましくは70モル、更に好ましくは50モル、特に好ましくは30モル、最も好ましくは18モルである。下限は、好ましくは5モル、特に好ましくは8モル、最も好ましくは12モルである。金属触媒は、金属種M1とM2の界面に活性点を有すると考えられる。そして、金属種M1とM2の含有割合が上記範囲を外れ、M1とM2の一方が過剰になると、過剰の金属種によってもう一方の金属種が覆われて界面が減少し、活性点が減少するためか、触媒活性が低下してMTHFの収率が低下する傾向がある。
本発明における金属触媒は、例えば、含浸法により調製することができる。
含浸法は、上記金属種を含む化合物(=金属化合物)を溶解して得られる溶液(例えば、水溶液)に担体を浸漬して前記金属化合物を含浸させた後、乾燥させ、更に焼成することにより金属種を担体に担持させる方法である。溶液中の金属化合物濃度や、担体の浸漬時間等を調整することにより、担持量を制御することができる。
金属種として上記M1とM2を含有する金属触媒は、担体に金属種M1を含む化合物を溶解して得られる溶液(以後、「M1含有溶液」と称する場合がある)とM2を含む化合物を溶解して得られる溶液(以後、「M2含有溶液」と称する場合がある)を順次含浸させる方法(=逐次含浸法)や担体にM1含有溶液とM2含有溶液を同時に含浸させる方法(=共含浸法)により調製することができる。逐次含浸法により金属触媒(2)を調製する場合は、担体をM1含有溶液とM2含有溶液に順次浸漬し、その都度焼成を行う。共含浸法により金属触媒を調製する場合は、M1含有溶液とM2含有溶液の混合液中に担体を含浸し、その後焼成を行う。
本発明における金属触媒としては、共含浸法により金属種M1とM2を担持して得られたものが、MTHFをより選択的に製造することができる点で好ましい。
例えばM1としてのPtとM2としてのMoが、担体としてのβ型ゼオライト(H−beta)に、共含浸法により担持された金属触媒(例えば、Pt−Mo/H−beta)は、Pt化合物(例えば、H2PtCl6等)とMo化合物[例えば、(NH46Mo724・4H2O等]を水に溶解して得られる溶液中にβ型ゼオライトを浸漬し、その後、引き揚げて乾燥させ、更に焼成することにより調製することができる。
1としてRhを含有する金属触媒を製造する場合は、Pt化合物に代えてRh化合物(例えば、RhCl3・xH2O等)を使用し、M1としてRuを含有する金属触媒を製造する場合は、Pt化合物に代えてRu化合物(例えば、RuCl3等)を使用し、M1としてIrを含有する金属触媒を製造する場合は、Pt化合物に代えてIr化合物(例えば、IrCl3・xH2O等)を使用し、M1としてPdを含有する金属触媒を製造する場合は、Pt化合物に代えてPd化合物(例えば、Pd(NO32等)を使用すればよい。
また、M2としてVを含有する金属触媒を製造する場合は、Mo化合物に代えてV化合物(例えば、VCl3等)を使用し、M2としてWを含有する金属触媒を製造する場合は、Mo化合物に代えてW化合物(例えば、H42104212・xH2O等)を使用し、M2としてReを含有する金属触媒を製造する場合は、Mo化合物に代えてRe化合物(例えば、NH4ReO4等)を使用すればよい。
前記溶液中に担体を浸漬する際の温度は、例えば室温(1〜30℃)が好ましい。
前記溶液中に担体を浸漬する時間は、例えば1〜30時間程度、好ましくは1〜5時間である。
乾燥は、例えば乾燥機等を使用して、80〜150℃で1〜10時間程度加熱乾燥することが好ましい。
焼成は、例えばマッフル炉等を使用して、300〜700℃で1〜5時間加熱することが好ましい。
また、焼成後、更に還元処理を施してもよい。還元処理に使用する還元剤としては、例えば、水素(H2)等を挙げることができる。
還元処理温度及び時間としては、例えば0〜600℃(好ましくは、100〜200℃)の温度で、0.5〜5時間程度(好ましくは、0.5〜2時間)である。
上記調製方法により得られた金属触媒は、その後、洗浄処理(水や有機溶媒等により洗浄)、乾燥処理(真空乾燥等により乾燥)等を施してもよい。
[MTHFの製造方法]
本発明のMTHFの製造方法は、上記金属触媒の存在下でレブリン酸から2−メチルテトラヒドロフランを製造することを特徴とする。
本発明のMTHFの製造方法では、レブリン酸(LA)からγ−バレロラクトン(GVL)、1,4−ペンタンジオール(1,4−PeD)を経てMTHFを製造する(下記式(1)参照)。本発明では上記金属触媒を使用し、前記金属触媒における金属種M1とM2が下記式(1)中の水素化反応を促進し、酸性担体が下記式(1)中の分子内脱水反応を促進する作用を有するため、レブリン酸からワンポットでMTHFを製造することができ、多段階合成反応に比べて製造に要するエネルギー、手間、時間、及び試薬を最小限にとどめることができる。
Figure 0006656667
金属触媒の使用量(金属触媒に含まれるM1金属換算、2種以上使用する場合はその総量)は、レブリン酸の、例えば0.01〜30モル%程度、好ましくは0.1〜10モル%、特に好ましくは0.5〜5モル%である。金属触媒の使用量が上記範囲を下回るとMTHFを高収率で得ることが困難となる傾向がある。
反応に使用する水素の供給は、例えば水素雰囲気下で反応を行う方法や、水素ガスをバブリングする方法等により行われる。
本発明では上記金属触媒を使用するため温和な条件下で速やかに反応を進行させることができ、反応時の水素圧は、例えば、10MPa以下(例えば、0.1〜10MPa、好ましくは1〜10MPa)、好ましくは5MPa以下(例えば、0.1〜5MPa、好ましくは1〜5MPa)である。
また、反応温度は、例えば50〜200℃、好ましくは100〜180℃、特に好ましくは110〜150℃、最も好ましくは110〜140℃である。
反応時間は、例えば1〜48時間程度、好ましくは5〜36時間、特に好ましくは10〜24時間、最も好ましくは15〜24時間であり、反応温度によって適宜調整することができる。例えば、反応温度が低め(例えば130℃以下、好ましくは110〜130℃)の場合は、反応時間を長め(例えば、20〜24時間)に設定し、反応温度が高め(例えば130℃超、好ましくは130℃を超え150℃以下)の場合は、反応時間を短め(例えば、8〜15時間)に設定することでMTHFを収率良く製造することができる。
本発明では、反応を酸(例えば、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、安息香酸、酢酸等の有機酸;硝酸、リン酸、硫酸等の無機酸;酸性イオン液体等のルイス酸;及びこれらの塩から選択される少なくとも1種)の存在下で行う必要が無く、バッチ式で反応を行う場合の反応系に存在する前記酸の濃度は、例えば反応液全重量の0.5重量%以下程度、好ましくは0.1重量%以下、特に好ましくは0.01重量%以下である。尚、前記酸の濃度の下限はゼロ重量%である。そのため、耐酸性を有する高価な反応器を使用する必要が無く、反応終了後に酸を中和する処理も必要無い。
反応はバッチ式、セミバッチ式、連続式などの何れの方法で行うこともできる。
反応は液相で行うことが好ましい。すなわち、本発明の反応は液相反応が好ましい。レブリン酸の沸点が高いので、気相で反応を行うと反応生成物が分解し、MTHFの収率が低下する傾向がある。
液相で反応を行う場合、溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、1,4−ジオキサン、THF、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、トルエン、ヘキサン、ドデカン、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン等を挙げることができる。
溶媒としては、なかでも、水が最も好ましい。すなわち、本発明の反応は水の存在下で行うことが好ましい。溶媒としてメタノール、エタノール、ジエチルエーテルを使用した場合は、副生物の生成量が上昇する傾向があり、2−プロパノール、1,4−ジオキサンを使用した場合は、GVLの水素化反応速度が低下する傾向がある。
溶媒(特に、水)の使用量は、バッチ式で反応させる場合はレブリン酸の初期濃度が例えば0.01〜10重量%程度となる範囲が好ましい。
反応終了後、反応生成物は、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製できる。
本発明のMTHFの製造方法によれば、レブリン酸を効率よく転化して、MTHFを選択的且つ高収率で製造することができる。レブリン酸の転化率は、例えば80%以上、好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上である。MTHFの選択率は、例えば45%以上、好ましくは65%以上、より好ましくは80%以上、更に好ましくは85%以上である。また、MTHFの収率は、例えば10%以上、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上、特に好ましくは50%以上、最も好ましくは70%以上、とりわけ好ましくは80%以上である。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
(金属触媒の調製:共含浸法)
2PtCl6 0.05mM水溶液4mLと(NH46Mo724・4H2O 2.4mgを水50mLに溶解して得られた溶液中に、室温(25℃)条件下で、モルデナイト型ゼオライト(商品名「JRC−Z−HM90」、SiO2/Al23(モル比)=90、触媒学会参照触媒、比表面積:450m2/g超)1gを4時間浸漬した。浸漬後、減圧下でロータリーエバポレーターを使用して水を留去し、110℃の乾燥機で5時間乾燥させ、得られた粉末を空気雰囲気下、マッフル炉を使用し500℃で3時間焼成して金属触媒(1)[Pt担持量:5重量%、Mo担持量:1重量%]を得た。
(MTHFの製造)
テフロン(登録商標)製内筒を備えた、50mLステンレス製オートクレーブに、レブリン酸1ミリモルと金属触媒(1)100mg[レブリン酸の2モル%(Pt金属換算)]、及び水3mLを仕込み、水素圧5MPaの条件下、150℃で4時間反応させて反応生成物を得た。ガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)を使用して原料の転化率(conv.[%])及び各反応生成物の収率(yield[%])を測定した。
実施例2〜9
1とM2の組み合わせを下記表1に記載の通りに変更した触媒を使用した以外は実施例1と同様に行った。
Figure 0006656667
Figure 0006656667
実施例10〜14
担体を下記表2に記載の通りに変更した触媒を使用し、下記式(3)に記載の反応条件で反応を行った以外は実施例1と同様に行った。
Figure 0006656667
Figure 0006656667
実施例15〜21
担体をβ型ゼオライト(商品名「zeolite beta(H−beta)」、zeolyst社製、SiO2/Al23(モル比)=25)に変更し、金属種PtとMoのモル比を下記表3に記載の通りに変更した触媒を使用し、下記式(4)に記載の反応条件で反応を行った以外は実施例1と同様に行った。
Figure 0006656667
Figure 0006656667
実施例22〜25
金属種PtとMoのモル比(Pt:Mo)を15:1として、担体への金属種Ptの担持量を下記表4に記載の通りに変更した触媒を使用し、下記式(5)に記載の反応条件で反応を行った以外は実施例1と同様に行った。尚、金属量が一定となるように金属触媒の使用量を調整した。
Figure 0006656667
Figure 0006656667
実施例26〜32
溶媒を下記表5に記載の通りに変更し、下記式(6)に記載の反応条件で反応を行った以外は実施例1と同様に行った。
Figure 0006656667
Figure 0006656667
実施例33〜39
反応温度、反応時間、及び水素圧を下記表6に記載の通りに変更し、下記式(7)に記載の反応条件で反応を行った以外は実施例1と同様に行った。
Figure 0006656667
Figure 0006656667
実施例40
下記式(8)に記載の金属触媒(Fresh)、及び反応条件で反応を行った以外は実施例1と同様に行った。
実施例41
実施例40の反応終了後、遠心分離により金属触媒と反応液を分離し、上澄みを除いた後、残った金属触媒に何も処理を施さず、これを金属触媒(1st Reuse)として再使用した以外は実施例40と同様に行った。
実施例42
実施例41の反応終了後、遠心分離により金属触媒と反応液を分離し、上澄みを除いた後、残った金属触媒に何も処理を施さず、これを金属触媒(2nd Reuse)として再使用した以外は実施例40と同様に行った。
実施例43
実施例42の反応終了後、遠心分離により金属触媒と反応液を分離し、上澄みを除いた後、残った金属触媒に何も処理を施さず、これを金属触媒(3rd Reuse)として再使用した以外は実施例40と同様に行った。
Figure 0006656667
Figure 0006656667
実施例44、比較例1〜2
下記表8に記載の金属触媒、及び下記式(9)に記載の反応条件で反応を行った以外は実施例1と同様に行った。
Figure 0006656667
Figure 0006656667
実施例45、参考例1〜5
本発明に係るレブリン酸からMTHFを製造する方法と、非特許文献1〜5に記載のレブリン酸からMTHFを製造する方法について、使用する触媒、反応温度、水素圧、溶媒、レブリン酸の転化率、及びMTHFの収率を下記表に記載した。下記表からわかるように、本発明の方法では、参考例1〜5の方法より温和な条件下(低い温度、低い水素圧)で、参考例1〜5の方法と同等の収率でMTHFを製造することができる。また、参考例1、2、4、5の方法では有機溶媒を使用するため、比例費の増加に伴い製造コストが上昇したり、厳しい排水の排出規制を受ける等の問題が発生するが、本発明の方法では水を溶媒として使用するため、比例費の増加による製造コストの上昇を抑制することができる。また、排水の排出規制を受けることもない。更に、参考例3〜5では酸の存在下で反応を行うが、本発明の方法では酸を必要としない。
Figure 0006656667

Claims (4)

  1. 下記金属触媒の存在下でレブリン酸から2−メチルテトラヒドロフランを製造する2−メチルテトラヒドロフランの製造方法。
    金属触媒:金属種として下記組みあわせのM1とM2が下記担体に担持されてなる触媒
    1−M2:パラジウム−レニウム、白金−モリブデン、ルテニウム−レニウム、ロジウム−タングステン、又はロジウム−バナジウム
    担体:β型ゼオライト、Y型ゼオライト、ZSM−5型ゼオライト、モルデナイト型ゼオライト、硫酸化ジルコニア、及びリン酸ジルコニウムからなる群より選択される少なくとも1種の酸性担体
  2. 金属触媒が、金属種としてM1とM2を、M21モルに対してM1を2〜100モルの範囲で含有する請求項1に記載の2−メチルテトラヒドロフランの製造方法。
  3. 金属触媒の使用量(M1金属換算)が、レブリン酸の0.01〜30モル%である請求項1又は2に記載の2−メチルテトラヒドロフランの製造方法。
  4. 水の存在下で反応を行う請求項1〜の何れか1項に記載の2−メチルテトラヒドロフランの製造方法。
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