JP5910163B2 - 部品内蔵樹脂多層基板およびその製造方法 - Google Patents

部品内蔵樹脂多層基板およびその製造方法 Download PDF

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本発明は、部品内蔵樹脂多層基板およびその製造方法に関するものである。
従来技術に基づく部品内蔵樹脂多層基板の一例が、特開2008−130915号公報(特許文献1)に記載されている。特許文献1では、ビアホール導体を外周部に配置することによってシールド電極とする構成が開示されている。
特開2008−130915号公報
部品内蔵基板において、特許文献1に記載されたようにビアホール導体を形成するためには、穴あけ、穴埋めなどの工程に時間がかかり、製造コストもかかる。通常、ビアホールは平面的に見て円形であるので、シールド性を高めようとすると円の直径を大きくする必要が生じ、ビアホールを形成するためのスペースを余分に費やすという問題があった。
そこで、本発明は、部品内蔵樹脂多層基板において効率良くシールド性を高めた構成を提供することを目的とする。また、そのような構成の部品内蔵樹脂多層基板を得ることができる製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に基づく部品内蔵樹脂多層基板は、第1樹脂層および第2樹脂層を含む複数の樹脂層が積層されることによって形成された樹脂構造体と、上記第1樹脂層に取り囲まれるようにして上記樹脂構造体の内部に埋め込まれて配置された内蔵部品とを備え、上記第1樹脂層は、上記内蔵部品を収容するための第1開口部および上記内蔵部品の側方に位置するように壁状部を受け入れるための第2開口部を有し、上記第2樹脂層の一部が、上記第1樹脂層の側へと折れ曲がって厚み方向に上記第2開口部に入り込んで壁状部をなしており、上記壁状部は上記内蔵部品の側方に位置し、上記壁状部の少なくとも一方の表面には第1導体層が設けられている。
本発明によれば、壁状部に設けられた第1導体層が内蔵部品の側方のシールド部材としての役割を果たすので、効率良くシールド性を高めた構成とすることができる。
本発明に基づく実施の形態1における部品内蔵樹脂多層基板の断面図である。 本発明に基づく実施の形態1における部品内蔵樹脂多層基板の内蔵部品と壁状部とを透視した平面図である。 本発明に基づく実施の形態1における部品内蔵樹脂多層基板の製造方法のフローチャートである。 本発明に基づく実施の形態1における部品内蔵樹脂多層基板の製造方法の第1の工程の説明図である。 本発明に基づく実施の形態1における部品内蔵樹脂多層基板の製造方法の第2の工程の説明図である。 本発明に基づく実施の形態1における部品内蔵樹脂多層基板の製造方法の第3の工程の説明図である。 本発明に基づく実施の形態1における部品内蔵樹脂多層基板の製造方法の第4の工程の説明図である。 本発明に基づく実施の形態1における部品内蔵樹脂多層基板の製造方法の第5の工程の説明図である。 本発明に基づく実施の形態1における部品内蔵樹脂多層基板の製造方法の第6の工程の説明図である。 本発明に基づく実施の形態1における部品内蔵樹脂多層基板の製造方法の第7の工程の説明図である。 本発明に基づく実施の形態1における部品内蔵樹脂多層基板の製造方法の第8の工程の説明図である。 本発明に基づく実施の形態1における部品内蔵樹脂多層基板の製造方法の第9の工程の説明図である。 本発明に基づく実施の形態1における部品内蔵樹脂多層基板の製造方法の第10の工程の説明図である。 本発明に基づく実施の形態1における部品内蔵樹脂多層基板の製造方法の第11の工程の説明図である。 本発明に基づく実施の形態1における部品内蔵樹脂多層基板の製造方法の途中で得られる第2樹脂層の平面図である。 本発明に基づく実施の形態1における部品内蔵樹脂多層基板の製造方法の途中で得られる第2樹脂層に設けられる切込みの説明図である。 本発明に基づく実施の形態1における部品内蔵樹脂多層基板の製造方法の第12の工程の説明図である。 本発明に基づく実施の形態1における部品内蔵樹脂多層基板の製造方法の第13の工程の説明図である。 本発明に基づく実施の形態1における部品内蔵樹脂多層基板の製造方法の第14の工程の説明図である。 本発明に基づく実施の形態1における部品内蔵樹脂多層基板の製造方法の途中で得られる第2樹脂層に設けられる切込みの第1の変形例の平面図である。 本発明に基づく実施の形態1における部品内蔵樹脂多層基板の製造方法の途中で得られる第2樹脂層に設けられる切込みの第2の変形例の平面図である。 本発明に基づく実施の形態1における部品内蔵樹脂多層基板の製造方法の途中で得られる第2樹脂層の変形例の平面図である。 本発明に基づく実施の形態2における部品内蔵樹脂多層基板の断面図である。 本発明に基づく実施の形態2における部品内蔵樹脂多層基板の製造方法の第1の説明図である。 本発明に基づく実施の形態2における部品内蔵樹脂多層基板の製造方法の第2の説明図である。 本発明に基づく実施の形態2における部品内蔵樹脂多層基板の第1の変形例の断面図である。 本発明に基づく実施の形態2における部品内蔵樹脂多層基板の第2の変形例の実装部品を載せる前の状態の断面図である。 本発明に基づく実施の形態2における部品内蔵樹脂多層基板の第2の変形例の断面図である。 本発明に基づく実施の形態3における部品内蔵樹脂多層基板の断面図である。 本発明に基づく実施の形態3における部品内蔵樹脂多層基板の製造方法の途中で得られる第2樹脂層の平面図である。 本発明に基づく実施の形態3における部品内蔵樹脂多層基板の製造方法の途中で得られる第2樹脂層の断面図である。 本発明に基づく実施の形態3における部品内蔵樹脂多層基板の変形例の断面図である。
(実施の形態1)
(構成)
図1を参照して、本発明に基づく実施の形態1における部品内蔵樹脂多層基板について説明する。本実施の形態における部品内蔵樹脂多層基板101の断面図を図1に示す。部品内蔵樹脂多層基板101は、第1樹脂層21および第2樹脂層22を含む複数の樹脂層2が積層されることによって形成された樹脂構造体3と、第1樹脂層21に取り囲まれるようにして樹脂構造体3の内部に埋め込まれて配置された内蔵部品4とを備える。第2樹脂層22の一部が、第1樹脂層21の側へと折れ曲がって厚み方向に入り込んで壁状部5をなしている。壁状部5は内蔵部品4の側方に位置する。壁状部5の少なくとも一方の表面には第1導体層61が設けられている。部品内蔵樹脂多層基板101の内部には、導体パターン7が設けられ、導体パターン7同士を接続するように、または、導体パターン7と内蔵部品4とを接続するように、ビア導体6が設けられている。樹脂構造体3の下側表面には外部電極18が設けられ、上側表面には外部電極19が設けられている。外部電極18,19は導体パターン7のうち、最外表面に露出したものである。外部電極18,19はそれぞれビア導体6によって樹脂構造体3の内部の導体パターン7と接続されている。
(作用・効果)
本実施の形態では、第2樹脂層22の一部が、第1樹脂層21の側へと折れ曲がって厚み方向に入り込んで内蔵部品4の側方に位置するように壁状部5をなしており、なおかつ、壁状部5の少なくとも一方の表面には第1導体層61が設けられているので、壁状部5に設けられた第1導体層61が内蔵部品4の側方のシールド部材としての役割を果たす。本実施の形態では、このような構成によって内蔵部品4の側方のシールドをするので、効率良くシールド性を高めた構成とすることができる。
樹脂層2は、金属箔付きの樹脂シートを使用して作製することができ、壁状部5に設けられた第1導体層61は、樹脂層2の材料となる樹脂シートの表面にあった金属箔を部分的に残すことによって実現することができるので、樹脂層に穴をあけて新たな導体を注入するような工程は不要であり、処理時間および加工コストを低減することができる。
従来技術のように、導体ビアを配列することによってカーテン状にシールドを実現しようとした場合、50〜100μm程度の穴を連結させながらあけなければならず、平面的に見てシールドの外形線に凹凸ができてしまう。また、シールドの幅が大きくなってしまう。これに対して、本実施の形態では、シールドは金属箔を垂れ込ませることによって形成可能であるので、たとえば、厚み10μmの銅箔が厚み25μmの樹脂シートの表面に形成されたものを用いるとして、合計厚みは35μmであり、厚み35μmのものが折れ曲がる程度の幅を確保するだけで済むので、シールド形成に必要な平面的領域の面積を小さくすることができる。シールド形成に要する面積を小さくすることができるので、内蔵部品を配置する面積を大きく確保することができる。
従来技術のように、樹脂層にレーザで穴あけをして導体ペーストを充填して硬化させることによってビア導体を形成して、このビア導体によってシールドを実現しようとする方法では、通常、導体ペーストとしてSn−Ag系、Ag系またはCu系の導体ペーストを用いるが、このように形成したビア導体は最初から金属構造物として形成されたものに比べて抵抗値が高くなる。たとえば、四端子法によって抵抗値を測定した場合、銅の抵抗値は1.7×10-8Ω・mであるのに対して、Sn−3Ag−0.5Cuの抵抗値は11.4×10-8Ω・mであり、Sn−58Biの抵抗値は48.5×10-8Ω・mである。
本実施の形態では、樹脂シートの表面に形成されていた銅箔などの金属箔を折り曲げることによってシールドを形成するので、金属箔の材料である金属そのままの抵抗値をシールドの抵抗値とすることができる。したがって、抵抗値が低いシールドを形成することができる。本実施の形態では、このようにシールドの抵抗値を低くすることができるので、シールド特性を向上させることができる。
本実施の形態では、部品内蔵樹脂多層基板の表面や側面にシールド部材が露出しないようにシールドを実現することが可能である。したがって、部品内蔵樹脂多層基板と他の基板などとが近接した場合でもシールド部材が原因となる短絡を防止することができる。
本実施の形態では、内蔵部品4の側方にシールド部材としての第1導体層61が配置されているので、樹脂構造体3を圧着するための加圧時に、内蔵部品4の近傍に作用する圧力が逃げにくくなる。したがって、圧着時に内蔵部品4に十分な圧力がかかることとなるので、内蔵部品4と周辺の樹脂層2との接続性の向上を図ることができる。
本実施の形態では、内蔵部品4の側方に硬い部材である第1導体層61が配置されているので、圧着時の内蔵部品4のいわゆる回転ずれ(θ回転)を抑えることができる。回転ずれ(θ回転)とは、平面的に見て、内蔵部品4が時計回りや反時計回りに回転することである。
なお、本実施の形態における部品内蔵樹脂多層基板101を平面的に見て、内部に配置された内蔵部品4と壁状部5とを透視したところを図2に示す。図2に示すように、平面的に見て内蔵部品4の周囲を取り囲むように壁状部5が設けられていることが好ましい。平面的に見て内蔵部品4の一部の辺のみに沿うように壁状部5が設けられていたとしても一定の効果は得られるが、壁状部5は、図2に示すように内蔵部品4の全ての辺に沿って内蔵部品4を取り囲むように設けられている方が、より確実なシールドを行なえるので好ましい。
なお、図2に示した例においては、壁状部5は4つの直線状の部分に分かれている。壁状部5は内蔵部品4を取り囲む全周にわたって完全に連続している必要はなく、図2に示した例のように途中に切れている箇所があってもよい。
(製造方法)
図3〜図22を参照して、本実施の形態における部品内蔵樹脂多層基板の製造方法について説明する。この部品内蔵樹脂多層基板の製造方法のフローチャートを図3に示す。この部品内蔵樹脂多層基板の製造方法は、部品内蔵樹脂多層基板の製造方法であって、内蔵部品を支持するための下部樹脂層を配置する工程S1と、前記内蔵部品を収容するための第1開口部および前記内蔵部品の側方に位置するように壁状部を受け入れるための第2開口部を有する第1樹脂層を前記下部樹脂層の上側に積み重ねて配置する工程S2と、前記第1開口部に前記内蔵部品を挿入する工程S3と、第1導体層が設けられかつ前記壁状部となるべき部分が折れ曲がることができるように切込みが形成された第2樹脂層を前記第1樹脂層の上側に積み重ねる工程S4と、前記第2樹脂層の、前記第1導体層が設けられかつ前記壁状部となるべき部分を、前記第1樹脂層の側へと折り曲げて前記第2開口部に挿入することによって前記壁状部とする工程S5と、前記第1樹脂層および前記第2樹脂層を含む積層体を加熱しながら加圧する工程S6とを含む。後述するように、工程S5は省略することができる。
以下に、各工程について詳しく説明する。
まず、図4に示すような樹脂層20uを用意する。樹脂層20uは、ビア導体6と導体パターン7とを有する。樹脂層20uの下面に設けられた導体パターン7は外部電極18となる。樹脂層20uは、導体箔付き樹脂シートを用い、レーザ光の照射などによってビア孔をあけ、ビア孔に導体ペーストを充填することによって、作製することができる。
内蔵部品を支持するための下部樹脂層を配置する工程S1として、図5に示すように、下部樹脂層20を樹脂層20uに積み重ねる。下部樹脂層20は、内蔵部品4を支持するためのものであり、ビア導体6と導体パターン7とを有する。
図6に示すように、内蔵部品を収容するための第1開口部31および内蔵部品4の側方に位置するように壁状部を受け入れるための第2開口部32を有する第1樹脂層21を用意する。工程S2として、図7に示すように、第1樹脂層21を下部樹脂層20の上側に積み重ねて配置する。さらに工程S3として、図8に示すように、第1開口部31に内蔵部品4を挿入する。
一方、これらの工程とは別に、予め、第1導体層61が設けられかつ壁状部5となるべき部分が折れ曲がることができるように切込みが形成された第2樹脂層22を作製しておく。この作製方法について詳しく説明する。このような第2樹脂層22を得るためには、まず図9に示すような導体箔付き樹脂シート12を用意する。導体箔付き樹脂シート12は銅箔付き樹脂シートであってよい。導体箔付き樹脂シート12は樹脂シート本体の一方の表面に導体箔17が形成されたものである。導体箔17はたとえば銅箔である。図10に示すように、導体箔17と反対の側からレーザを照射するなどの方法によって、ビア孔11をあけ、切込み10を形成する。ビア孔11はのちにビア導体6を形成するためのものである。切込み10はのちに壁状部5を形成するためのものである。図11に示すようにレジストパターン13を形成する。図12に示すようにレジストパターン13をマスクとして導体箔17のエッチングを行ない、導体パターン7を形成する。このとき、導体パターン7は、のちに第1導体層61となる部分を含むように形成される。レジストパターン13を剥離させ、図13に示す構造を得る。ビア孔11に導体ペーストを充填し、図14に示すようにビア導体6を形成する。こうして、第1導体層61が設けられかつ壁状部5となるべき部分が折れ曲がることができるように切込みが形成された第2樹脂層22を得る。この時点での第2樹脂層22を平面的に示すと図15のようになる。図15においては切込み10は太線で示されている。図15においては、内蔵部品4が重なる領域は二点鎖線で示されている。切込み10は、内蔵部品4が重なる領域の四辺を取り囲んでいる。切込み10は、平面的に見て、それぞれコの字形をなすように形成されている。図16を参照して、切込み10の形状についてより詳しく説明する。1つの切込み10は、1本の線分である主辺10aの両端から同じ側に折れ曲がるように同じ長さの副辺10bが延在するような形状で形成されている。2本の副辺10bは線対称な関係にある。2本の副辺10bは、主辺10aから遠ざかるほど広がるように配置されている。
工程S4として、このような第2樹脂層22を、図17に示すように、第1樹脂層21の上側に積み重ねる。図17では、第2樹脂層22は図14に示した姿勢に比べて上下反転されている。このように積み重ねることによって図18に示す構造を得る。
図18では、第2樹脂層22のうち壁状部5となるべき部分の先端が第1樹脂層21の上面に引っ掛かるようにして載っているが、ここで、工程S5として何らかの突起で押すなどの方法により、壁状部5となるべき部分を第2開口部32内に押し込む。すなわち、第2樹脂層22の、第1導体層61が設けられかつ壁状部5となるべき部分を、第1樹脂層21の側へと折り曲げて第2開口部32に挿入することによって壁状部5とする。こうして図19に示す構造を得る。
図18では、第2樹脂層22のうち壁状部5となるべき部分の先端の近傍において第1樹脂層21と第2樹脂層22との間に段差が設けられていることによって、第2樹脂層22のうち壁状部5となるべき部分の先端が第1樹脂層21の上面に引っ掛かるようにして載っている例を示したが、このような段差はなくてもよい。
ここでは、工程S5を行なうことによって、第2樹脂層22のうち壁状部5となるべき部分を第1樹脂層21の側へと折り曲げることを前提に説明したが、これはあくまで一例である。のちの工程S6によって第2樹脂層22のうち壁状部5となるべき部分が第2開口部32内へと垂れ下がることができるのであれば、工程S5は省略することができる。
工程S5を行なう場合も行なわない場合も、さらに、第2樹脂層22の上側に他の樹脂層2を必要な数だけ積み重ねる。
工程S6として、第1樹脂層21および第2樹脂層22を含む積層体を加熱しながら加圧する。こうすることにより、第2樹脂層22のうち壁状部5となるべき部分の先端がまだ第2開口部32内へと折れ曲がっていなかった場合にも、第2樹脂層22全体が軟らかくなることにより、第2樹脂層22のうち壁状部5となるべき部分の先端が第2開口部32内へと垂れ下がる。第2樹脂層22のうち壁状部5となるべき部分の先端が工程S5によって既に第2開口部32内に押し込まれていた場合は、その姿勢で第2樹脂層22が軟らかくなる。樹脂層はいずれも流動化して隙間に流れ込み、溶着して一体化する。第1開口部31内で内蔵部品4の周辺に生じていた間隙は埋まり内蔵部品4は周辺の樹脂と密着する。第2樹脂層22のうち第2開口部32内に向かって垂れ下がった部分は、第2開口部32を取り巻く周辺の樹脂と密着し、壁状部5となる。第2開口部32内にあった空隙は周囲の樹脂が流れ込むことにより埋まる。こうして、図1に示した部品内蔵樹脂多層基板101が得られる。
なお、ここでは、図15に太線で示したような切込み10を一例として示したが、切込みの形状は他にも考えられる。たとえば、図20に太線で示す切込み10iや、図21に太線で示す切込み10jであってもよい。また、切込みと第1導体層61の端部とが、平面的に見て一致せずに離れていてもよい。ここまでの例では、4つの切込みに囲まれた領域の中に1つの内蔵部品4のみが配置される例となっていたが、配置される内蔵部品4の数は1個とは限らない。図22に示すように複数個の内蔵部品4が配置され、その周囲を切込みが取り囲む構成であってもよい。本実施の形態では、内蔵部品の個数に合わせた効果的なシールドをすることができる。
(実施の形態2)
(構成)
本発明に基づく実施の形態2における部品内蔵樹脂多層基板について説明する。本実施の形態における部品内蔵樹脂多層基板102の断面図を図23に示す。
部品内蔵樹脂多層基板102は、基本的には実施の形態1で説明した部品内蔵樹脂多層基板101と同様の構成であるが、以下の点が異なる。
部品内蔵樹脂多層基板102においては、内蔵部品4wは複数の樹脂層2のうち第1樹脂層21を含む2以上の樹脂層2である樹脂層群8にまたがって配置されており、壁状部5は樹脂層群8にまたがるように配置されている。
(作用・効果)
本実施の形態では、壁状部5が樹脂層群8にまたがるように配置されており、壁状部5の少なくとも一方の表面には第1導体層61が設けられているので、壁状部5に設けられた第1導体層61が内蔵部品4wの側方のシールド部材としての役割を果たす。本実施の形態では、このような構成によって内蔵部品4wの側方のシールドをするので、効率良くシールド性を高めた構成とすることができる。
ここでは、樹脂層2の厚みの2倍の高さを有する内蔵部品4wを例にとって説明したが、より大きな厚みを有する内蔵部品に対しても対応可能である。内蔵部品の厚みが樹脂層の厚みのn倍であるとしたとき、壁状部が折れ曲がって入り込む厚みは樹脂層n枚分であればより確実にシールドができるので好ましいが、樹脂層m枚分(m<n)に壁状部が入り込むのみであっても内蔵部品の側面のうちの少なくとも一部を覆う形となるので一定のシールド効果は期待できる。
本実施の形態では、内蔵部品の高さに合わせた効果的なシールドをすることができる。
(製造方法)
図24、図25を参照して、本実施の形態における部品内蔵樹脂多層基板の製造方法について説明する。図4、図5に示す工程までは、実施の形態1と同じである。図5に示した状態からさらに、図24に示すように第1開口部31および第2開口部32を有する樹脂層2を必要な数だけ積み重ねる。このとき積み重ねる樹脂層2の中には第1樹脂層21が含まれる。図25に示すように、樹脂層群8によって深く形成された第1開口部31に内蔵部品4wを挿入する。実施の形態1で図9〜図14を参照して説明したのと同様の方法により予め第2樹脂層22を作製しておく。本実施の形態では、第2樹脂層22を作製する際に形成する切込みは、壁状部に求められる深さに応じて副辺を長くした形状で形成すべきである。
第2樹脂層22を積み重ねて、壁状部5となるべき部分を第2開口部32内に押し込み、さらに上側の樹脂層2を必要な数だけ積み重ねる。第1樹脂層21および第2樹脂層22を含む積層体を加熱しながら加圧する。こうすることにより、樹脂層はいずれも流動化して隙間に流れ込み、溶着して一体化する。こうして、図23に示した構造が得られる。
なお、図26に示すように、内蔵部品4wより上側において内蔵部品4wの上方をシールドするための導体層63を有する樹脂層2を重ねる構成としてもよい。このような構成であれば、壁状部5に設けられた第1導体層61による側方のシールドの他に上方のシールドもすることができるので、内蔵部品に関してより確実なシールドをすることができる。
この場合、図27に示すように、上面に部品実装用の電極64を設けておいて、図28に示すように実装部品9を載置する構造としてもよい。このように実装部品9を配置する場合、特に、内蔵部品4wと実装部品9との間のシールドを確保することが望まれるので、両者の間に導体層63を設けておくことが好ましい。
導体層63および電極64は、いずれも導体パターン7と同様に、金属箔付き樹脂シートの表面に付いていた金属箔をパターニングすることによって形成することができる。
(実施の形態3)
(構成)
本発明に基づく実施の形態3における部品内蔵樹脂多層基板について説明する。本実施の形態における部品内蔵樹脂多層基板103の断面図を図29に示す。
部品内蔵樹脂多層基板103は、基本的には実施の形態1で説明した部品内蔵樹脂多層基板101と同様の構成であるが、以下の点が異なる。
部品内蔵樹脂多層基板103においては、第2樹脂層22は、内蔵部品4の上方において内蔵部品4の少なくとも一部に重なるように配置された上方被覆部28を含み、上方被覆部28には、平面的に見て内蔵部品4の少なくとも一部に重なるように第2導体層62が設けられている。
本実施の形態における部品内蔵樹脂多層基板103を得るためには、第2樹脂層22としては、図30、図31に示す構成のものを用いればよい。図30に第2樹脂層22の平面図を示し、図31に同じく断面図を示す。
(作用・効果)
本実施の形態では、壁状部5に設けられた第1導体層61による側方のシールドの他に上方被覆部28に設けられた第2導体層62による上方のシールドもすることができるので、内蔵部品に関してより確実なシールドをすることができる。特に第2樹脂層22という同一の樹脂層2の表面にある導体箔をパターニングすることによって、第1導体層61と第2導体層62との両方を同時に作製することができ、第2樹脂層22を積み重ねることによって配置することができるので、余分な工程を増やすことなく上方のシールド部材を得ることができる。
なお、ここまでの各実施の形態では、積層したときに第2樹脂層22の上面となる側に第1導体層61が形成されており、その結果、壁状部5として折り曲げたときに壁状部5の内側表面に第1導体層61が位置する例を示して説明していたが、第1導体層61が形成される面はこちら側の面とは限らない。第2樹脂層22の反対側の面に形成されていてもよい。この場合、積層したときに第2樹脂層22の下面となる側に第1導体層61が形成されていることになる。壁状部5として折り曲げたときには壁状部5の外側表面に第1導体層61が位置することになる。その場合に得られる製品は、たとえば図32に示す部品内蔵樹脂多層基板104のようになる。
なお、ここまでの各実施の形態では、壁状部を形成するために第2樹脂層に設ける切込みを、平面的に見て内側すなわち内蔵部品側に向かって突出する向きのコの字形としていたが、この逆であってもよい。言い換えれば、壁状部を形成するための切込みは、平面的に見て外側すなわち内蔵部品から遠ざかる側に向かって突出する向きのコの字形としてもよい。
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
2,20u 樹脂層、3 樹脂構造体、4,4w 内蔵部品、5 壁状部、6 ビア導体、7 導体パターン、8 樹脂層群、9 実装部品、10,10i,10j 切込み、11 ビア孔、12 導体箔付き樹脂シート、13 レジストパターン、17 導体箔、18,19 外部電極、20 下部樹脂層、21 第1樹脂層、22 第2樹脂層、28 上方被覆部、31 第1開口部、32 第2開口部、61 第1導体層、62 第2導体層、63 導体層、64 電極、101,102,103,104 部品内蔵樹脂多層基板。

Claims (5)

  1. 第1樹脂層および第2樹脂層を含む複数の樹脂層が積層されることによって形成された樹脂構造体と、
    前記第1樹脂層に取り囲まれるようにして前記樹脂構造体の内部に埋め込まれて配置された内蔵部品とを備え、
    前記第1樹脂層は、前記内蔵部品を収容するための第1開口部および前記内蔵部品の側方に位置するように壁状部を受け入れるための第2開口部を有し、
    前記第2樹脂層の一部が、前記第1樹脂層の側へと折れ曲がって厚み方向に前記第2開口部に入り込んで壁状部をなしており、前記壁状部は前記内蔵部品の側方に位置し、前記壁状部の少なくとも一方の表面には第1導体層が設けられている、部品内蔵樹脂多層基板。
  2. 上から見たときに前記内蔵部品の周囲を取り囲むように前記壁状部が設けられている、請求項1に記載の部品内蔵樹脂多層基板。
  3. 前記内蔵部品は前記複数の樹脂層のうち前記第1樹脂層を含む2以上の樹脂層である樹脂層群にまたがって配置されており、前記壁状部は前記樹脂層群にまたがるように配置されている、請求項1または2に記載の部品内蔵樹脂多層基板。
  4. 前記第2樹脂層は、前記内蔵部品の上方において前記内蔵部品の少なくとも一部に重なるように配置された上方被覆部を含み、前記上方被覆部には、上から見たときに前記内蔵部品の少なくとも一部に重なるように第2導体層が設けられている、請求項1から3のいずれかに記載の部品内蔵樹脂多層基板。
  5. 部品内蔵樹脂多層基板の製造方法であって、
    内蔵部品を支持するための下部樹脂層を配置する工程と、
    前記内蔵部品を収容するための第1開口部および前記内蔵部品の側方に位置するように壁状部を受け入れるための第2開口部を有する第1樹脂層を前記下部樹脂層の上側に積み重ねて配置する工程と、
    前記第1開口部に前記内蔵部品を挿入する工程と、
    第1導体層が設けられかつ前記壁状部となるべき部分が折れ曲がることができるように切込みが形成された第2樹脂層を前記第1樹脂層の上側に積み重ねる工程と、
    前記第1樹脂層および前記第2樹脂層を含む積層体を加熱しながら加圧する工程とを含む、部品内蔵樹脂多層基板の製造方法。
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