JP5909690B2 - キャリアテープ切断装置および切断方法 - Google Patents

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Description

本発明は、キャリアテープを切断する装置および方法に関する。
従来より、部品実装装置の移戴ヘッドのノズルに部品を供給するために、キャリアテープが使用されている。キャリアテープは、部品を収容する凹部状またはエンボス状の複数の収容部がテープ長手方向に並んで形成されたベーステープと、部品が収容された状態の複数の収容部を覆うようにベーステープに貼り付けられたトップテープとを備える。部品実装装置の移戴ヘッドのノズルがキャリアテープの収容部内の部品を吸着できるように、トップテープはベーステープから剥離される。
トップテープのベーステープからの剥離について、例えば特許文献1には、刃先を備える剥離部材を用いることによって実行されることが開示されている。具体的には、テープ長手方向に搬送される(送られる)キャリアテープのテープ経路上に剥離部材が配置されている。移動中のキャリアテープの前端側からトップテープとベーステープとの間にテープ長手方向に剥離部材の刃先が進入することにより、トップテープがベーステープから剥離される。なお、特許文献1に記載された部品供給装置は、移動中のキャリアテープにおけるトップテープのテープ幅方向の一方側の部分をベーステープから連続的に剥離するように構成されている。
米国特許第7713376号公報
しかしながら、特許文献1に記載された部品供給装置のように、移動中のキャリアテープにおけるトップテープとベーステープとの間に剥離部材の刃先を進入させてトップテープをベーステープから剥離する場合、剥離部材の刃先のトップテープとベーステープとの間への進入が失敗する場合がある。特に、キャリアテープの移動速度が高速になればなるほど、例えば、キャリアテープの移動中に起こる振動等を原因としてキャリアテープの位置ずれ等が生じ、それによりブレードの刃先のベーステープとトップテープとの間への進入が失敗する可能性が高くなる。
例えば、剥離部材の刃先がトップテープとベーステープとの間に進入できずに、トップテープが剥離されていない状態のキャリアテープがそのまま送られる可能性がある。また、例えば、剥離部材の刃先がベーステープのテープ移動方向の前端面側に接触してキャリアテープを停止させる可能性がある。
そこで、本発明は、移動中のキャリアテープにおけるベーステープとトップテープとの間に、ベーステープからトップテープを剥離するための剥離部材の刃先をより確実に進入させることを課題とする。
上述の課題を解決するために、本発明の第1の態様によれば、
部品を収容する複数の収容部が形成された主面を備えるベーステープと複数の収容部を覆うようにベーステープの主面にテープ幅方向の両端側が貼り付けられたトップテープとを備えるキャリアテープを切断するキャリアテープ切断装置であって、
テープ長手方向と交差する方向にキャリアテープを切断して切断面を形成する切断機構と、
ベーステープの主面の一部を押圧可能な押圧部材とを有し、
押圧部材によってベーステープの主面の一部をトップテープを介して押圧してベーステープの切断面に連通する凹部をベーステープの主面に形成することにより、キャリアテープの切断端におけるトップテープとベーステープとの間に隙間を形成する、キャリアテープ切断装置が提供される。
本発明の第2の態様によれば、
押圧部材は、ベーステープの主面に対して傾斜し、ベーステープの主面と切断面とで構成される角部に接触する傾斜面を備える、第1の態様に記載のキャリアテープ切断装置が提供される。
本発明の第3の態様によれば、
切断機構が、テープ長手方向と交差して切断する切断方向にトップテープ側から主面に向かって相対的に移動してトップテープおよびベーステープを切断する刃部材と、
刃部材の少なくとも一部がベーステープの主面と反対側の裏面とを切断方向に相対的に通過可能にベーステープの裏面を支持する支持部材とを有し、
トップテープおよびベーステープを切断方向に切断する刃部材の刃先がベーステープの裏面を通過した後において押圧部材がベーステープの主面と切断面とで構成される角部に当たるように、押圧部材が、刃部材の刃先に対して切断方向の後方側に、刃部材とともに切断方向に移動可能に設けられている、第1または第2の態様に記載のキャリアテープ切断装置が提供される。
本発明の第4の態様によれば、
切断機構が、キャリアテープを面方向視でV字状または鋸刃状に切断するように構成されている、第1から第3の態様のいずれか一に記載のキャリアテープ切断装置が提供される。
本発明の第5の態様によれば、
部品を収容する複数の収容部が形成された主面を備えるベーステープと複数の収容部を覆うようにベーステープの主面にテープ幅方向の両端側が貼り付けられたトップテープとを備えるキャリアテープを切断するキャリアテープ切断方法であって、
テープ長手方向と交差する方向にキャリアテープを切断し、
ベーステープの主面の一部を押圧可能な押圧部材を用意し、
押圧部材によってベーステープの主面の一部をトップテープを介して押圧してベーステープの切断面に連通する凹部をベーステープの主面に形成することにより、キャリアテープの切断端におけるトップテープとベーステープとの間に隙間を形成する、キャリアテープ切断方法が提供される。
本発明によれば、移動中のキャリアテープにおけるベーステープとトップテープとの間に、ベーステープからトップテープを剥離するための剥離部材の刃先をより確実に進入させることができる。
一例の部品供給装置の概略的構成図 キャリアテープの前端面側部分を示す図 トップテープ剥離機構の分解図 トップテープ剥離機構の斜視図 トップテープを部分的に剥離する直前のトップテープ剥離機構の上面図 トップテープを部分的に剥離中のトップテープ剥離機構の上面図 キャリアテープ切断装置の全体図 キャリアテープ切断装置の部分的斜視図 キャリアテープ切断装置によって形成された前端面を備えるキャリアテープの斜視図 キャリアテープ切断装置によるキャリアテープの切断の流れを説明するための図 キャリアテープ切断装置によるキャリアテープの切断の流れを説明するための図 キャリアテープ切断装置によるキャリアテープの切断の流れを説明するための図 別の実施の形態に係る、キャリアテープ切断装置によって形成された新たな前端面を備えるキャリアテープの斜視図 さらに別の実施の形態に係る、キャリアテープ切断装置によって形成された新たな前端面を備えるキャリアテープの斜視図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
まず、本実施の形態のキャリアテープ切断装置を説明する前に、本発明の前提である部品供給装置について説明する。
図1は、一例の部品供給装置の構成を概略的に示している。部品供給装置100は、部品実装装置の移戴ヘッド200のノズル202に部品を供給するように構成されている。具体的には、部品供給装置100は、図2に示すテープ長手方向に複数の部品が収容されたキャリアテープ300を部品供給位置Qに向かってキャリアテープ300が送られるテープ送り方向Aへ順次送り、部品供給位置Qで移戴ヘッド200のノズル202に部品を供給する。
図2は、キャリアテープ300のテープ長手方向の前端面側部分(部品供給位置Qに向かってキャリアテープ300が送られる方向であるテープ送り方向Aへのテープの移動時において前側(先端側)になる端面側の部分)を示している。なお、図2に示す直交座標系u−v−wにおいて、u軸方向はテープ幅方向に対応し、v軸方向はテープ長手方向に対応し、w軸方向はテープ厚さ方向に対応している。
図2に示すように、キャリアテープ300は、部品実装装置の移戴ヘッド200のノズル202に供給される部品を収容する複数の収容部302がテープ長手方向(v軸方向)に並んで形成されたベーステープ304と、収容部302を覆うようにベーステープ304にテープ幅方向(u軸方向)の両端側が貼り付けられたトップテープ306とを有する。また、キャリアテープ300は、ベーステープ304にテープ長手方向に並んで形成され、テープ厚さ方向(w軸方向)に貫通する複数の送り孔308を有する。
図2に示すように、トップテープ306は、送り孔308が形成された部分を除くベーステープ304の主面304aの部分に接着剤等によって貼り付けられている。具体的には、トップテープ306は、テープ幅方向(u軸方向)の中央部分(収容部302を覆う部分)を除いて両端側部分310a、310bがベーステープ304の主面304aに貼り付けられている。
また、本実施の形態の場合、キャリアテープ300のベーステープ304は紙などの塑性変形しやすい低弾性の材料から作製されている。具体的には、ある一定以上の力で押圧されると押圧された部分が凹部状に塑性変形する材料からベーステープ304は作製されている。一方、トップテープ306は、ベーステープ304に比べて薄く、ベーステープ304を塑性変形させる力で押圧されても、押圧解除後に元の形状に戻ることができる高弾性を有する樹脂材料から作製されている。
キャリアテープ300は、図1に示すように、部品供給装置100の外部に配置されてキャリアテープ300を巻回するリール(図示せず)から、部品供給装置100の本体102に形成されたテープ投入口106を介して部品供給装置100の本体102内に投入される。なお、キャリアテープ300は、トップテープ306が貼り付けられた側であるキャリアテープ300の主面300aを上方に向けた状態でテープ送り方向Aのキャリアテープ300の前端面312側からテープ長手方向にテープ投入口106に投入される。
部品供給装置100の本体102内に投入されたキャリアテープ300は、本体102内に設けられたテープ経路Pに沿って、本体102に設けられて上方に向かって開口する部品供給口108に向かってテープ長手方向(テープ送り方向A)に送られる。キャリアテープ300をテープ経路Pに沿って送るために、複数のスプロケット104a〜104cがテープ経路P上に配置されている。複数のスプロケット104a〜104cは、その歯がキャリアテープ300の送り孔308に係合した状態で回転することにより、キャリアテープ300を部品供給口108に向かって送る。
部品実装装置の移戴ヘッド200のノズル202は、部品供給装置100の本体102の部品供給口108を介して、キャリアテープ300の収容部302にそれぞれ収容されている部品を順次吸着する。すなわち、部品供給口108が、移戴ヘッド200のノズル202が部品を吸着する位置である部品供給位置Qに設けられている。
部品供給位置Qで移戴ヘッド200のノズル202がキャリアテープ300の収容部302に収容されている部品を吸着するために、部品供給装置100は、キャリアテープ300のトップテープ306を剥離して収容部302内に収容されている部品を外部に露出させるトップテープ剥離機構110を有する。
この一例の部品供給装置100のテープ剥離機構110は、部品供給位置Qに対してテープ送り方向Aの上流側に配置され、トップテープ306を部分的にベーステープ304から剥離するように、具体的にはテープ送り方向Aに送られるキャリアテープ300のトップテープ306のテープ幅方向の一方側の部分をベーステープ304から連続的に剥離するように構成されている。
図3Aはトップテープ剥離機構110の分解図であり、図3Bはトップテープ剥離機構110の斜視図である。図4Aは、テープ送り方向Aに送られるキャリアテープ300のトップテープ306をベーステープ304から部分的に剥離する直前のトップテープ機構110を上方から見た図である。図4Bは、テープ送り方向Aに送られるキャリアテープ300のトップテープ306をベーステープ304から部分的に剥離中のトップテープ剥離機構110の上面図である。
図3Aおよび図3Bに示すように、トップテープ剥離機構110は、キャリアテープ300のベーステープ304からトップテープ306を部分的に剥離する剥離部112と、剥離部112によって部分的に剥離されたトップテープ306の部分を、図4Bに示すように送り孔308側に折り返す折り返し部114とを有する。
剥離部112は、短冊状であって、トップテープ306をベーステープ304から剥離するための刃部112aを形成することによって作製されている。刃部112aは、トップテープ306をベーステープ304から剥離する刃先112bと、剥離されたトップテープ306の部分をガイドしてベーステープ304から離間するようにすくい上げるすくい面112cと、トップテープ306とベーステープ304との間に進入する刃先先端112dとを有する。
折り返し部114は、剥離部112の上方側である上面112e側に取り付けられる。また、剥離部112によって剥離されたトップテープ306の部分がキャリアテープ300の送り孔308側に折り返されるように、剥離されたトップテープ306の部分をガイドする凹状の円錐状湾曲面114aを備える。円錐状湾曲面114aは、剥離部112の上面112eから延在して凹状に湾曲してオーバーハングしている。
図4Aに示すように、トップテープ剥離機構110は、剥離部112の刃先先端112dがトップテープ306とベーステープ304との間の未接着部分(すなわち、テープ幅方向における両端側310a、310bの間の部分)に進入できるように、部品供給装置100の本体102に設けられている。また、折り返し部114の凹状の円錐状湾曲面114aは、キャリアテープ300の送り孔308側に開いている。
キャリアテープ300が複数のスプロケット104a〜104cによって部品供給位置Qに向かってテープ送り方向Aに送られると、トップテープ剥離機構110の剥離部112の刃先先端112dが、キャリアテープ300の前端面312側からトップテープ306とベーステープ304との間に進入する。
トップテープ剥離機構110の剥離部112の刃先先端112dがトップテープ306とベーステープ304との間に進入した状態のキャリアテープ300が部品供給位置Qに向かってテープ送り方向A)さらに送られると、剥離部112の刃先112bがトップテープ306の一部分(テープ幅方向の片方側部分)をベーステープ304から連続的に剥離し始める。
具体的には、剥離部112の刃先112bが、テープ幅方向において送り孔202bから遠い側であるキャリアテープ300の側端面314a側のトップテープ306の部分をベーステープ304から連続的に剥離し始める。刃先112bによって剥離されたトップテープ306の側端面314a側の部分は、キャリアテープ200が送られるにしたがって、すくい面112cにガイドされ、折り返し部114の湾曲面114aに向かう。
さらに、部品供給位置Qに向かってテープ送り方向Aにキャリアテープ200が送られるにしたがって、図4Bに示すように、ベーステープ304から剥離されたトップテープ306の側端面314a側の部分が、折り返し部114の凹状の円錐状湾曲面114aによって送り孔308側(側端面314b側)に折り返される。
このトップテープ剥離機構110により、キャリアテープ300の収容部302にそれぞれ収容された部品が順次露出するようにトップテープ306がベーステープ304から部分的に剥離された状態のキャリアテープ300を、部品供給位置Qに送ることができる。それにより、部品実装装置の移戴ヘッド200のノズル202は、ベーステープ304の複数の収容部302にそれぞれ収容された部品を部品供給位置Qで順次吸着して取り出すことができる。
ここまでは、本発明のキャリアテープ切断装置の前提である部品供給装置を、図1〜図4Bに示す部品供給装置100を例に挙げて説明してきた。以下、本実施の形態に係るキャリアテープ切断装置について説明する。
まず、本実施の形態に係るキャリアテープ切断装置の目的について説明する。
上述した一例の部品供給装置100のように、テープ送り方向Aに移動中のキャリアテープ300におけるトップテープ306とベーステープ304との間に、キャリアテープ300のテープ送り方向Aの前端面312側からトップテープ剥離機構110の剥離部112の刃先112bをキャリアテープ300のテープ長手方向に進入させる場合、その進入が失敗する可能性がある。キャリアテープ300の移動速度(送り速度)が高速になればなるほど、例えば、キャリアテープ300の移動中に起こる振動等を原因としてキャリアテープ300の位置ずれ等が生じ、それによりトップテープ306とベーステープ304との間への剥離部112の刃先112bの進入が失敗する可能性が高くなる。
トップテープ306とベーステープ304との間へのトップテープ剥離機構110の剥離部112の刃先112bの進入が失敗すると、例えば、トップテープ306が剥離されていない状態のキャリアテープ300が部品実装装置の移戴ヘッド200のノズル202が部品を吸着する位置である部品供給位置Qに送られる可能性がある。また、例えば、剥離部112の刃先112bがベーステープ304の前端側に接触してキャリアテープ300を停止させる可能性がある。
そこで、本実施の形態のキャリアテープ切断装置10は、移動中のキャリアテープ300におけるトップテープ306とベーステープ304との間に部品供給装置100のトップテープ剥離機構110の剥離部112の刃先112bをより確実に進入させることを目的とする。
図5〜図7を用いて本実施の形態のキャリアテープ切断装置を説明する。図5は、キャリアテープ切断装置の全体図である。図6は、キャリアテープ切断装置の部分的な斜視図である。図7は、キャリアテープ切断装置によって形成された新たな前端面312を備えるキャリアテープ300を示している。
図5に示すように、キャリアテープ切断装置10は、キャリアテープ300のテープ長手方向と交差する方向、例えばテープ厚さ方向に移動して、キャリアテープ300を挟んで切断(せん断)する第1および第2の刃部材12、14を備えるはさみ状の切断機構を有する。第1および第2の刃部材12、14は、図6に示すように、キャリアテープ300をテープ長手方向と交差する方向に切断する鋸刃状の刃先12a、14aを備える。
第1および第2の刃部材12、14の刃先12a、14aは、図7に示すように、切断によって形成された新たな前端(切断端)312にテープ長手方向(v軸方向)(テープ送り方向A)に突出する突出部316が形成されるように、キャリアテープ300を、面方向視で(テープ厚さ方向に見て)鋸刃状に切断する。突出部316は、ベーステープ304に対して貼り付けられていないトップテープ306のテープ幅方向の部分と対向するベーステープ304の部分とによって構成される。
第1および第2の刃部材12、14の刃先12a、14aによってキャリアテープ300がテープ長手方向と交差する方向(例えば、テープ厚さ方向)に切断されるとき、キャリアテープ300は第2の刃部材14に対して位置決めされている。
詳細に説明すると、キャリアテープ切断装置10は、図6に示すように、第2の刃部材14の刃先14aがベーステープ304の裏面(主面304aの反対側の表面)304bに当接した状態で該ベーステープ304の裏面304bを支持するテープ支持部材16を切断機構の一部として有する。テープ支持部16は、第2の刃部材14に取り付けられている。テープ支持部16は、ベーステープ304の裏面304bを支持する支持面16aを備える。テープ支持部材36の支持面16aには、キャリアテープ300の送り孔308に挿通される少なくとも2つの位置決めピン18が設けられている。
位置決めピン18が送り孔308に挿通された状態でテープ支持部材16の支持面16a上にベーステープ304の裏面304bが載置されることにより、キャリアテープ300は、ベーステープ304の主面304aが第1の刃部材12の刃先12aに向いた状態で第2の刃部材14に対して位置決めされる。
また、キャリアテープ切断装置10は、ベーステープ304の主面304aに凹部304eを形成する押圧部材20を有する。図7に示すように、第1および第2の刃部材12、14によって新たに形成されたキャリアテープ300の切断端312(すなわちベーステープ304の切断面304c)に凹部304eが連通するように、押圧部材20は凹部304eをベーステープ304の主面304aに形成する。
図6に示すように、押圧部材20は、可撓性を備える湾曲された金属板部材であって、ベーステープ304の主面304aと切断面(新たな前端面)304cとで構成される角部304dの少なくとも一部を押圧して凹部状に塑性変形させる押圧面20aを備える。具体的には、押圧部材20は、図7に示すように、キャリアテープ300における突出部316におけるベーステープ304の切断面304cと主面304aとで構成される角部304dに凹部304eを形成する。押圧部材20の押圧面20aは、例えば、位置決めピン18によって位置決めされた状態のベーステープ304の主面304aに対して傾斜し、ベーステープ304の主面304aと切断面304cとので構成される角部304dの少なくとも一部と接触する傾斜面で構成される。このような押圧部材20の押圧面20aによって形成される凹部304eは、図7に示すように、部品供給装置100のトップテープ剥離機構110の剥離部112の刃先112bをベーステープ304とトップテープ306との間に導くために、ベーステープ304の切断面304cからベーステープ304とトップテープ306との間に向かって延在する傾斜面で構成される。なお、押圧部材20の押圧面20aは、詳細は後述するが、トップテープ306を介してベーステープ304の角部304dを押圧する。
押圧部材20はさらに、図5および図6に示すように、第1の刃部材12の所定の位置に取り付けられている。この所定の位置は、第1の刃部材12の刃先12aがベーステープ304の裏面304bをテープ切断方向に通過した後において、平面視で押圧部材20の押圧面20aが突出部316におけるベーステープ304の主面304aと切断面304cとで構成される角部304dに当たることができる第1の刃部材12上の位置である。すなわち、押圧部材20は、第1の刃部材12の刃先12aに対してテープ切断方向の後方側にあって、第1の刃部材12とともにテープ切断方向に移動する。
テープ切断装置10によるキャリアテープ300の切断の流れを図8A〜図8Cを参照しながら説明する。なお、図8A〜図8Cは、テープ幅方向と直交し、トップテープ306のテープ幅方向中心を通過する断面(テープ長手方向の断面)を示している。
まず、キャリアテープ300が、テープ支持部材16の支持面16aおよび位置決めピン18により、キャリアテープ切断装置10の第2の刃部材14に対して位置決めされる。
次に、図8Aに示すように、第1の刃部材12の刃先12aがテープ切断方向(例えばテープ厚さ方向)に第2の刃部材14の刃先14aに向かって移動することにより、第1の刃部材12の刃先12aと第2の刃部材14の刃先14aとによってキャリアテープ300がテープ長手方向と交差する方向(例えば、テープ厚さ方向)にせん断される。その結果、キャリアテープ300に切断面、すなわち突出部316を含む新しい前端面312が形成される。
さらに、第1の刃部材12の刃先12aがベーステープ304の裏面304bを通過した後もテープ切断方向に移動し続けることにより、第1の刃部材12に設けられた押圧部材20の押圧面20aが、突出部316におけるベーステープ304の主面304aと切断面304cとで構成される角部304dをトップテープ306を介して押圧する。図8Bに示すように、ベーステープ304の主面304aと切断面304cとで構成される角部304dが凹部状に塑性変形される(凹部304eが形成される)。
図8Cに示すように、第1の刃部材12がテープ切断方向と逆方向に移動して押圧部材20の押圧面20aがトップテープ306から離間すると、ベーステープ304に比べて厚みが薄く、相対的に高弾性の樹脂材料から作製されたトップテープ306は、押圧部材20の押圧面20aと接触する前のような状態に戻る。一方、塑性変形する低弾性の材料(例えば紙材質等)から作製されたベーステープ304は、元の状態に戻らず、凹部304eが形成された状態を維持する。
このようなキャリアテープ切断装置10によってベーステープ304の主面304aに形成されてベーステープ304の切断面304cに連通する凹部304eにより、キャリアテープ300の切断端(新たな前端)312におけるベーステープ304とトップテープ306との間に隙間が形成される。その結果、部品供給装置100のトップテープ剥離機構110の剥離部112の刃先先端112bは、その隙間を介して、テープ長手方向に移動中のキャリアテープ300におけるベーステープ304とトップテープ306との間にさらにより確実に進入することができる。
また、キャリアテープ切断装置10によって形成された新たな前端312までトップテープ306のテープ幅方向の両端側310a、310bがベーステープ304の主面304aに貼り付けられた状態のキャリアテープ300を、部品供給装置100のトップテープ剥離機構110に向かって送ることができる。すなわち、トップテープ306のテープ幅方向の少なくとも一方の端側が部分的にベーステープ304から剥離した状態でテープ経路Pに沿って送ることにより起こりうるトラブルの発生を抑制することができる。例えば、トップテープ剥離機構110に到達する前にトップテープ306が剥がれて部品が収容部302から脱落したり、部分的に剥離したトップテープ306によってキャリアテープ300が移動不可能にテープ経路Pに詰まることなどが抑制される。
さらに、キャリアテープ切断装置10の第1および第2の刃部材12、14が面方向視で鋸刃状にキャリアテープ300を切断することにより、押圧部材20の押圧面20aとキャリアテープ300のトップテープ306との接触面積を小さくすることができる。それにより、トップテープ306への押圧力が小さくなる。その結果、トップテープ306を永久的に折り曲げることなく、ベーステープ304の主面304aに凹部304eをより容易に形成することができる。
以上、本実施の形態によれば、移動中のキャリアテープ300におけるベーステープ304とトップテープ306との間に、ベーステープ304からトップテープ306を剥離するための剥離部材の刃先(例えば、部品供給装置100のトップテープ剥離機構110の剥離部112の刃先先端112b)をより確実に進入させることができる。
上述の実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されない。
例えば、上述の実施の形態のキャリアテープ切断装置10は、図7に示すようにキャリアテープ300を鋸刃状に切断するが、これに限らない。例えば、図9に示すように、キャリアテープ300を面方向視でV字状に切断してもよい。V字状に切断することによってキャリアテープ300に形成された突出部316’におけるベーステープ304の主面304に、ベーステープ304の切断面304c’に連通する凹部304e’が形成される。
また、例えば、図10に示すように、テープ長手方向(テープ送り方向A)に突出する突出部を形成することなくキャリアテープ300を直線状に切断してもよい。この場合、ベーステープ304に対して貼り付けられていないトップテープ306のテープ幅方向の中央部分に対向するベーステープ304の主面304aに、ベーステープ304の切断面304c’’に連通する凹部304e’’が形成される。
広義には、キャリアテープのベーステープからトップテープを剥離するための剥離部材の刃先(例えば、図3Bに示す部品供給装置100のトップテープ剥離機構110の剥離部112の刃先先端112b)がテープ長手方向に移動中のキャリアテープの前端(切断端)側からテープ長手方向に進入することが可能な、キャリアテープの前端(切断端)(ベーステープの切断面)に連通する凹部がベーステープの主面に形成されればよい。すなわち、キャリアテープのテープ送り方向の前端(切断端)におけるトップテープとベーステープとの間に隙間が形成されればよい。
さらに、上述の実施の形態の場合、図8Bに示すように、押圧部材20の押圧面20aは、ベーステープ304の主面304aに対して傾斜する傾斜面であって、ベーステープ304の主面304aと切断面304cとで構成される角部304dに当接するが、これに限らない。広義には、ベーステープの主面の一部を押圧可能な押圧部材は、ベーステープの主面に対してトップテープを介して接触することにより、キャリアテープの切断端(ベーステープの切断面)に連通する凹部をベーステープの主面に形成することができればよい。
さらにまた、上述の実施の形態の場合、図5および図6に示すように、キャリアテープ切断装置10は、2つの刃部材それぞれの刃先によってキャリアテープを挟んで切断するはさみ状の切断機構を備えるが、これに限らない。広義には、キャリアテープ切断装置の切断機構は、テープ長手方向に交差する方向に、ベーステープの主面側から裏面側に向かって、あるいはその逆方向にキャリアテープに対して相対的に移動することによってキャリアテープを切断することができる刃先を備える刃部材を少なくとも一つ備えていればよい。ただし、上述の実施の形態のように、ベーステープの主面に凹部を形成する押圧部材が刃部材に取り付けられている場合、押圧部材が取り付けられた刃部材は、ベーステープの主面側から裏面側に向かって移動する必要がある。
加えて、上述の実施の形態の場合、図5および図6に示すように、ベーステープ304の主面304aに凹部304eを形成する押圧部材20は、第1の刃部材20に取り付けられているが、これに限らない。広義には、押圧部材は、キャリアテープの切断後に、キャリアテープの切断端(ベーステープの切断面)に連通する凹部をベーステープの主面に形成できればよい。
本発明は、塑性変形が可能なベーステープを備えるキャリアテープであれば適用可能である。
10 トップテープ剥離装置
12 刃部材(第1の刃部材)
12a 刃先
14 刃部材
16 支持部材
20 押圧部材
300 キャリアテープ
304 ベーステープ
304a 主面
306 トップテープ

Claims (5)

  1. 部品を収容する複数の収容部が形成された主面を備えるベーステープと複数の収容部を覆うようにベーステープの主面にテープ幅方向の両端側が貼り付けられたトップテープとを備えるキャリアテープを切断するキャリアテープ切断装置であって、
    テープ長手方向と交差する方向にキャリアテープを切断して切断面を形成する切断機構と、
    ベーステープの主面の一部を押圧可能な押圧部材とを有し、
    押圧部材によってベーステープの主面の一部をトップテープを介して押圧してベーステープの切断面に連通する凹部をベーステープの主面に形成することにより、キャリアテープの切断端におけるトップテープとベーステープとの間に隙間を形成する、キャリアテープ切断装置。
  2. 押圧部材は、ベーステープの主面に対して傾斜し、ベーステープの主面と切断面とで構成される角部に接触する傾斜面を備える、請求項1に記載のキャリアテープ切断装置。
  3. 切断機構が、テープ長手方向と交差して切断する切断方向にトップテープ側から主面に向かって相対的に移動してトップテープおよびベーステープを切断する刃部材と、
    刃部材の少なくとも一部がベーステープの主面と反対側の裏面とを切断方向に相対的に通過可能にベーステープの裏面を支持する支持部材とを有し、
    トップテープおよびベーステープを切断方向に切断する刃部材の刃先がベーステープの裏面を通過した後において押圧部材がベーステープの主面と切断面とで構成される角部に当たるように、押圧部材が、刃部材の刃先に対して切断方向の後方側に、刃部材とともに切断方向に移動可能に設けられている、請求項1または2に記載のキャリアテープ切断装置。
  4. 切断機構が、キャリアテープを面方向視でV字状または鋸刃状に切断するように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のキャリアテープ切断装置。
  5. 部品を収容する複数の収容部が形成された主面を備えるベーステープと複数の収容部を覆うようにベーステープの主面にテープ幅方向の両端側が貼り付けられたトップテープとを備えるキャリアテープを切断するキャリアテープ切断方法であって、
    テープ長手方向と交差する方向にキャリアテープを切断し、
    ベーステープの主面の一部を押圧可能な押圧部材を用意し、
    押圧部材によってベーステープの主面の一部をトップテープを介して押圧してベーステープの切断面に連通する凹部をベーステープの主面に形成することにより、キャリアテープの切断端におけるトップテープとベーステープとの間に隙間を形成する、キャリアテープ切断方法。
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