WO2019146038A1 - テープ切断治具 - Google Patents

Abstract

テープ切断治具（１０）は、第１刃部（２０ａ）及び第２刃部（２１ａ）と一対の把持部（２１ａ、２１ｂ）とを備えるハサミ型の治具本体（１２）と、第１刃部の側方に配置されるテープ保持部（３０）および切断後のテープ（１）の先端部（１ａ）を支持する先端支持部（４０Ａ）と、切断後のテープ（１）の先端部（１ａ）を先端支持部（４０Ａ）と共に挟み込むための先端挟持部（１６Ａ）とを備える。テープ保持部（３０）は、互いに隣接する部品収容部（２ａ）の間の位置で切断されるようにテープ（１）を位置決めした状態で保持する。先端支持部（４０Ａ）および先端挟持部（１６Ａ）には、切断後のテープ（１）の先端部（１ａ）を協働して挟み込むことにより当該先端部（１ａ）を所定形状に成形する第１成型部（４１）及び第２成型部（５１ａ）がそれぞれ備えられている。

Description

テープ切断治具

　本発明は、テープフィーダで使用される部品供給用のテープを切断するためのテープ切断治具に関するものである。

　テープを担体として部品を供給するテープフィーダを備えた部品実装装置が知られている。部品供給用テープ（以下、部品テープと称す）は、複数の部品収容部が形成されたキャリアテープと、各部品収容部を覆うようにキャリアテープに貼付けられたカバーテープとで構成されている。部品テープは、リールに巻回された状態でテープフィーダにセットされている。テープフィーダは、部品テープをリールから引き出しながら、部品取り出し位置の直前で部品テープを開封する、具体的には、部品の取りだしが可能となるように、カバーテープを剥離、又は切開するように構成されている。

　例えば特許文献１には、カバーテープをカッターで切開することによって部品テープを開封するテープフィーダが開示されている。このテープフィーダは、所定位置に後続する部品テープ（後続テープ）の先端を予めセットしておくと、先行する部品テープ（先行テープ）の部品が無くなった後、自動的に後続テープがローディングされる、いわゆるスプライシングレス方式のテープフィーダである。

　このテープフィーダでは、後続テープがローディングされる度に、テープ先端のキャリアテープとカバーテープとの間にカッターを挿入させる必要がある。そのため、部品テープの先端は、カッターの前記挿入が円滑かつ確実に行われ得るように適切に処理されている必要がある。具体的には、１）隣接する部品収容部の間の位置で部品テープが切断されることにより、当該切断位置が部品テープの先端とされていること、２）部品テープの先端は、カッターの挿入に適した形状に成型されている（折り曲げられている）こと、が求められる。

　このような部品テープ先端の処理作業は比較的面倒である。そのため、例えば特許文献２に開示されるようなテープ切断治具が提案されている。このテープ切断治具は、開閉可能に連結された上部と下部とを備えたホッチキスタイプの構造を有しており、上部と下部との間に部品テープを位置決めした状態で挟み込むことで、上記１）、２）の作業を同時に行えるように構成されている。このテープ切断治具によれば、上記の処理作業を簡単に行うことが可能となる。

　しかし、特許文献２のようなホッチキスタイプのテープ切断治具は、部品テープが位置決めされるとはいっても、部品テープの切断位置が目視できないため、正確に切断されるか否かを作業者が見極め難い。また、全体を掌で覆うように握って使用する必要があるため、その操作性を考慮すると大型化が難い。つまり、大型化すると治具を把持し難くなり、操作も行い難くなる。そのため、例えば幅の広い部品テープを対象とするような場合には不向きである。従って、この点に改善の余地がある。

特開２０１４－７２４６２号公報 特開２０１６－３６００３号公報

　本発明は、テープ幅が比較的広い部品供給用のテープにも対応し易く、しかもテープ切断位置を目視しながら作業を行うことが可能な、より使い易いテープ切断治具を提供することを目的とする。

　そして、本発明は、長手方向に一定の間隔で部品収容部が並んだ部品供給用のテープを切断するためのテープ切断治具であって、第１刃部及び第２刃部と、一対の把持部とを備え、前記一対の把持部を握り締める切断操作を受けることにより第１刃部及び第２刃部の間に挟み込んだテープを切断するハサミ型の治具本体と、第１刃部の側方に配置されて当該第１刃部と共に変位可能に設けられ、第１刃部及び第２刃部に対して交差する状態で前記テープを保持するテープ保持部と、第１刃部及び第２刃部による切断後の前記テープの先端部を支持する先端支持部と、第１刃部及び第２刃部による切断後のテープの前記先端部を先端支持部と共に挟み込むための先端挟持部とを備え、前記テープ保持部は、互いに隣接する部品収容部の間の位置でテープが切断されるように当該テープを位置決めした状態で保持し、前記先端支持部および前記先端挟持部は、前記切断後のテープの先端部を協働して挟み込むことにより当該先端部を所定形状に成形する第１成型部及び第２成型部をそれぞれ備えるものである。

本発明の第１実施形態に係るテープ切断治具の斜視図である。 部品供給用のテープの平面図である。 テープ（第１型テープ）の断面図（図２ＡのＩＩＢ－ＩＩＢに相当する断面図）である。 テープ（第２型テープ）の断面図（図２ＡのＩＩＢ－ＩＩＢに相当する断面図）である。 カバーテープの開封（切開）状態を示すテープの平面図である。 テーブルの平面図である。 テープ固定部材がセットされた状態のテープ切断治具の斜視図である。 後側から視たテープ切断治具の要部拡大図（一部断面図）ある。 第１型テープを第１テープ保持部（第１ピッチ用保持部）に固定した状態のテープ切断治具の要部斜視図である。 テープ切断治具のテーブル部分の要部平面図である。 使用手順を説明するためのテープ切断治具の要部斜視図（部品テープ、テープ固定部材及び第１型テープ用先端支持部がセットされた段階）である。 図９Ａの状態のテープ切断治具の要部断面図である。 使用手順を説明するためのテープ切断治具の要部斜視図（部品テープの切断作業の段階）である。 図１０Ａの状態のテープ切断治具の要部断面図である。 使用手順を説明するためのテープ切断治具の要部斜視図（部品テープの成型作業の段階）である。 図１１Ａの状態のテープ切断治具の要部断面図である。 第２型テープを第１テープ保持部（第１ピッチ用保持部）に固定した状態のテープ切断治具の要部斜視図である。 使用手順を説明するためのテープ切断治具の要部斜視図（部品テープの切断作業が完了した段階）である。 図１３Ａの状態のテープ切断治具の要部断面図である。 使用手順を説明するためのテープ切断治具の要部斜視図（部品テープの成型作業の段階）である。 図１４Ａの状態のテープ切断治具の要部断面図である。 本発明の第２実施形態に係るテープ切断治具の要部斜視図（テーブルが第１作業位置に配置された状態）である。 テープ切断治具の要部斜視図（テーブルが第２作業位置に配置された状態）である。 テープ切断治具のテーブル部分の断面図（テーブルが第１作業位置に配置された状態）である。 テープ切断治具のテーブル部分の断面図（テーブルが第２作業位置に配置された状態）である。 テープ切断治具の使用手順を示す図（部品テープの切断が完了した段階）である。 テープ切断治具の使用手順を示す図（テーブルが第２作業位置にセットされた段階）である。 テープ切断治具の使用手順を示す図（部品テープの先端部の成型作業の段階）である。

　図１は、本発明の第１実施形態に係るテープ切断治具１０の斜視図である。このテープ切断治具１０は、部品実装装置に搭載される図外のテープフィーダで使用される部品供給用のテープ１（以下、部品テープ１と称す）に対して事前に所定の加工処理を施すものである。具体的には、テープ切断治具１０は、部品テープ１を切断し、その切断された部品テープ１の先端部を所定形状に成型するものである。

　［部品テープ１の説明］
　図２Ａは、部品テープ１の平面図であり、図２Ｂは、部品テープ１の断面図（図２ＡのＩＩＢ－ＩＩＢ線断面図である）である。

　部品テープ１は、長手方向に一定間隔で部品が収容されたリボン状のものであり、リールに巻回された状態でテープフィーダにセットされる。部品テープ１は、キャリアテープ２とカバーテープ３とで構成されている。

　キャリアテープ２には、複数の部品収容部２ａが長手方向に一定の間隔で形成されている。各部品収容部２ａには、部品（図示省略）が収容されている。また、キャリアテープ２には、その幅方向（長手方向と直交する方向）の一端側（図２Ａでは上側）に、複数の送り孔２ｂが長手方向に一定の間隔（配列ピッチＰ）で形成されている。送り孔２ｂは、テープフィーダに部品テープ１がセットされたときに、テープ送り用のスプロケットが噛合されるものである。前記部品収容部２ａは、これら送り孔２ｂと一定の位置関係を保って形成されている。

　カバーテープ３は、部品収容部２ａを覆うようにキャリアテープ２の上面に貼付けられている。このカバーテープ３は、透明な樹脂製フィルムからなり、その幅方向の両端部がキャリアテープ２に貼付されている。

　キャリアテープ２は、紙材や樹脂などの可撓性を有する材料で形成されている。具体的な材料は、収容される部品のサイズ、用途、コスト等により決まり、紙製のものは、例えば図２Ｂに示すように、裏面に凹凸が無く全体に亘って一定の厚みを有した構造とされ、樹脂製のものは、例えば図２Ｃに示すように、部品収容部２ａに対応する部分が裏面側に突出するようにエンボス加工が施された構造とされる。以下の説明では、適宜、図２Ｂに示すような部品テープ１を「第１型テープ１Ａ」と称し、図２Ｃに示すような部品テープ１を「第２型テープ１Ｂ」と称する。

　なお、詳細な説明を省略するが、前記テープフィーダは、いわゆるスプライシングレス方式のテープフィーダであって、カバーテープ３をカッターで切開することによって部品テープ１を開封する構成を有する。具体的には、図３に示すように、カバーテープ３の幅方向中央部を長手方向に切開しつつ両側に押し広げることによって部品テープ１を開封する。このようなテープフィーダでは、部品テープ１のローディングの際に、部品テープ１の先端部１ａのキャリアテープ２とカバーテープ３との間に図外の前記カッターが挿入される。そのため、部品テープ１の先端部１ａは、カッターの挿入が円滑かつ確実に行われ得るように事前に加工処理が施されているのが好適である。具体的には、１）隣接する部品収容部２ａの間の位置で、長手方向と直交する方向に直線的に部品テープ１が切断され（図２Ａの符号Ｃｕの位置）、当該切断位置が部品テープ１の先端とされている、２）部品テープ１の先端部が所定形状に成型されている、のが好適である。前記テープ切断治具１０は、このような事前の加工処理を部品テープ１に施すためのものである。

　なお、図２Ａでは、部品テープ１の切断位置（符号Ｃｕの位置）は隣接する部品収容部２ａの中間であるが、好ましい切断位置は必ずしも中間とは限らず、中間からずれた位置の場合もある。

　［テープ切断治具１０の構成］
　図１に示すように、テープ切断治具１０は、治具本体１２と、部品テープ１を保持するためのテーブル１４と、テーブル１４に回動可能に支持された２つの先端挟持部１６Ａ、１６Ｂと、これら先端挟持部１６Ａ、１６Ｂを加圧（押圧）するための加圧部材１７と、テーブル１４に部品テープ１を固定するためのテープ固定部材１８とを備えている。

　前記治具本体１２は、一端部（先端）に第１刃部２０ａを、他端（後端）に第１把持部２０ｂを各々具備する第１部材２０と、一端（先端）に第２刃部２１ａを、他端（後端）に第２把持部２１ｂを各々具備する第２部材２１と、これら第１部材２０と第２部材２１とを回動可能に相互に枢着する枢軸２３とを備えたハサミ型の構造を有している。第１刃部２０ａ及び第２刃部２１ａは、共に刃線が直線状に延びた直刃である。治具本体１２は、第１把持部２０ｂ及び第２把持部２１ｂを把持してこれらを握り締める操作（切断操作と称す）を受けることにより、第１刃部２０ａと第２刃部２１ａとの間に挟み込んだ部品テープ１を切断する。なお、図１では示されていないが、第１把持部２０ｂと第２把持部２１ｂとの間には、これを互いに離間する方向に付勢する、すなわち、図１に示すように第１刃部２０ａと第２刃部２１ａとが開く方向（治具本体１２が刃開き状態となる方向）に付勢するバネ部材が介設されていてもよい。

　なお、以下のテープ切断治具１０に関する説明では、特に言及する場合を除き、図１中に示すように、前記枢軸２３の軸方向を「幅方向」と称し、第１刃部２０ａの刃線が延在する方向を「前後方向」と称する。そして、第１刃部２０ａ（第２刃部２１ａ）の側を「前」、第１把持部２０ｂ（第２把持部２１ｂ）の側を「後」とする。

　前記テーブル１４は、治具本体１２の第１刃部２０ａの側方に配置されている。具体的には、図４に示すように、第１刃部２０ａは、第２刃部２１ａの左側に位置している。テーブル１４は、この第１刃部２０ａのさらに左側、つまり第１刃部２０ａを挟んで第２刃部２１ａとは反対側に配置されている。

　テーブル１４は、略平坦な上面１４ａ（本発明の「テープ保持面」に相当する）を有する平面視長方形の偏平な金属製のブロック状部材である。当例では、前後に並ぶ２つの平面視略長方形のブロック状部材によって１つのテーブル１４が構成されている。テーブル１４は、その上面１４ａが前後方向・幅方向からなる平面と平行でかつ当該刃線よりも若干下方に位置するように、具体的には部品テープ１の厚み分程度下方に位置するように配置されている。テーブル１４は、ブラケット１５を介して第１部材２０に固定されており、これにより、第１刃部２０ａと一体に前記枢軸２３を支点として回動可能となっている。

　テーブル１４の上面１４ａには、前後２つのテープ保持部３０、３１（第１テープ保持部３０、第２テープ保持部３１）と、前後２つの先端支持部４０Ａ、４０Ｂ（第１型テープ用先端支持部４０Ａ、第２型テープ用先端支持部４０Ｂ）とが設けられている。

　テープ保持部３０、３１は、治具本体１２の第１刃部２０ａ及び第２刃部２１ａを幅方向に横断する状態、詳しくは、部品テープ１を隣接する部品収容部２ａの間の位置で、長手方向と直交する方向に直線的に切断することができる状態（すなわち、交差する状態）で保持するものである。

　第１テープ保持部３０は、テーブル１４の前後方向中央部よりも後側に位置し、第２テープ保持部３１は、テーブル１４の前後方向中央部よりも前側に位置する。

　第１テープ保持部３０は、部品テープ１を切断する際に部品テープ１を保持するものである。また、部品テープ１が第１型テープ１Ａである場合、部品テープ１を切断し、さらにその先端部１ａを所定形状に成型するものである。第２テープ保持部３１は、部品テープ１が第２型テープ１Ｂである場合にその先端部１ａを所定形状に成型する際に第２型テープ１Ｂを保持するものである。

　第１テープ保持部３０は、全体が第１刃部２０ａの範囲内に位置しており、第２テープ保持部３１は、その大部分が第１刃部２０ａの先端よりも前側に飛び出ている。

　第１テープ保持部３０は、さらに前後に並ぶ第１ピッチ用保持部３２と第２ピッチ用保持部３３とを含む。これら保持部３２、３３は、部品収容部２ａの配列ピッチＰが互いに異なる部品テープ１を保持するものである。具体的には、第１ピッチ用保持部３２は後側に位置し、部品収容部２ａが２ｍｍピッチで配列された部品テープ１を保持するものである。第２ピッチ用保持部３３は前側に位置し、部品収容部２ａが４ｍｍピッチで配列された部品テープ１を保持するものである。

　第１ピッチ用保持部３２には、ピッチ表示３６ａと、幅方向に並ぶ一対の位置決めピン３７ａ、３７ａとが設けられ、同様に、第２ピッチ用保持部３３には、ピッチ表示３６ｂと、幅方向に並ぶ一対の位置決めピン３７ｂ、３７ｂとが設けられている。

　ピッチ表示３６ａ、３６ｂは、部品テープ１の種類を示す表示である。図示の例では、第１ピッチ用保持部３２には、部品収容部２ａの配列が２ｍｍピッチであることを示す「Ｐ２」の表示が設けられ、第２ピッチ用保持部３３には、部品収容部２ａの配列が４ｍｍピッチであることを示す「Ｐ４」の表示が設けられている。なお、当例では、２ｍｍピッチの部品テープ１が本発明の「第１のテープ」に相当し、４ｍｍピッチの部品テープ１が本発明の「第２のテープ」に相当する。

　位置決めピン３７ａ、３７ａ及び位置決めピン３７ｂ、３７ｂは、それぞれ、部品テープ１を位置決めするものである。位置決めピン３７ａ、３７ａの間隔と位置決めピン３７ｂ、３７ｂの間隔とは同じであり、これらの間隔は、何れも部品テープ１の送り孔２ｂの間隔Ｄ（図２Ａ参照）の整数倍と等しい。つまり、第１ピッチ用保持部３２において、部品テープ１は、２つの送り孔２ｂに位置決めピン３７ａ、３７ａが挿入されることで位置決めされ、第２ピッチ用保持部３３において、部品テープ１は、２つの送り孔２ｂに位置決めピン３７ｂ、３７ｂが挿入されることで位置決めされる。これにより、第１ピッチ用保持部３２及び第２ピッチ用保持部３３のそれぞれにおいて、部品テープ１を治具本体１２の刃部２０ａ、２１ａに対して所定の位置で保持することが可能となっている。これにより、部品テープ１を刃部２０ａ、２１ａと交差するようにテープ保持部３２、３３に保持させて切断操作を行うことにより、作業者に依らず、繰返し、正確に所定の位置で部品テープ１の切断を行うことが可能となっている。

　なお、第１ピッチ用保持部３２の位置決めピン３７ａ、３７ａの位置、および第２ピッチ用保持部３３の位置決めピン３７ｂ、３７ｂの位置は、これら保持部３２、３３に保持された部品テープ１の隣接する部品収容部２ａの間の位置（図２Ａの符号Ｃｕの位置）が、丁度、治具本体１２（第１刃部２０ａ及び第２刃部２１ａ）によりテープ切断が行われる位置に配置されるように設定されている。

　第２テープ保持部３１も第１テープ保持部３０と同様に、前後に並ぶ第１ピッチ用保持部３４と第２ピッチ用保持部３５とを含む。第１ピッチ用保持部３４は後側に位置し、第２ピッチ用保持部３５は前側に位置する。

　第１ピッチ用保持部３４の構成は、第１テープ保持部３０の第１ピッチ用保持部３２と同等であり、第２ピッチ用保持部３５の構成は、同第２ピッチ用保持部３３と同等である。すなわち、第１ピッチ用保持部３４には、ピッチ表示３６ｃと一対の位置決めピン３７ｃ、３７ｃとが設けられ、第２ピッチ用保持部３５には、ピッチ表示３６ｄと一対の位置決めピン３７ｄ、３７ｄとが設けられている。

　第１ピッチ用保持部３４の位置決めピン３７ｃ、３７ｃの位置、および第２ピッチ用保持部３５の位置決めピン３７ｄ、３７ｄの位置は、切断後の部品テープ１（第２型テープ１Ｂ）が、これら保持部３４、３５に保持されたときに、その先端部１ａが第２型テープ用先端支持部４０Ｂに配置され得るように設定されている。なお、第２テープ保持部３１（第１ピッチ用保持部３４、第２ピッチ用保持部３５）のピッチ表示３６ｃ、３６ｄ及び位置決めピンの位置３７ｃ、３７ｃ、３７ｄ、３７ｄの位置は、第１テープ保持部３０（第１ピッチ用保持部３２、第２ピッチ用保持部３３）のピッチ表示３６ａ、３６ｂ及び位置決めピンの位置３７ａ、３７ａ、３７ｂ、３７ｂに対して所定寸法だけ左方にオフセットされている。

　前記２つの先端支持部４０Ａ、４０Ｂ（第１型テープ用先端支持部４０Ａ、第２型テープ用先端支持部４０Ｂ）は、治具本体１２（第１刃部２０ａ及び第２刃部２１ａ）による切断後の部品テープ１の先端部１ａを支持し、２つの先端挟持部１６Ａ、１６Ｂと共に当該先端部１ａを所定形状に成型するものである。詳しくは、第１型テープ用先端支持部４０Ａは、第１型テープ１Ａの先端部１ａを成型するためのものであり、第２型テープ用先端支持部４０Ｂは第２型テープ１Ｂの先端部１ａを成型するためのものである。

　前記各先端支持部４０Ａ、４０Ｂは、当該テーブル１４の左端に、当該テーブル１４と一体的に設けられている。詳しくは、第１型テープ用先端支持部４０Ａは、第１テープ保持部３０の右側に位置し、第２型テープ用先端支持部４０Ｂは、第２テープ保持部３１の右側に位置している。

　第１型テープ用先端支持部４０Ａは、部品テープ１が第１型テープ１Ａである場合にその先端部１ａを所定形状に成型するための成型部４１を有する。この成型部４１は、図４、図６及び図９Ｂに示すように、上面１４ａの右端に設けられた右斜め上方に延びる傾斜面１４ｂと、上面１４ａのうち当該傾斜面１４ｂ以外の部分であって当該傾斜面１４ｂに隣接する部分とからなる。この成型部４１は、図４に示すように、テーブル１４のうち、第１テープ保持部３０に対応する領域に亘って前後方向、すなわち、第１テープ保持部３０に保持された部品テープ１の長手方向と直交する方向に延在している。

　第２型テープ用先端支持部４０Ｂは、部品テープ１が第１型テープ２Ｂである場合にその先端部１ａを所定形状に成型するための成型部４２を有する。成型部４２は、テーブル１４の上面１４ａと、当該上面１４ａの右端に設けられた２筋の溝状の凹部１４ｃとからなる。各凹部１４ｃは、断面形状が略半円形であり、テーブル１４の右端から左側に向かって互いに平行に延びている。各凹部１４ｃは、第２テープ保持部３１の各保持部３４、３５に対応する位置に設けられている。具体的には、後側の凹部１４ｃは、第１ピッチ用保持部３４に保持された第２型テープ１Ｂの部品収容部２ａの幅方向中央に対応する位置に設けられており、前側の凹部１４ｃは、第２ピッチ用保持部３５に保持された第２型テープ１Ｂの部品収容部２ａの幅方向中央に対応する位置に設けられている。

　前記テープ固定部材１８は、部品テープ１の切断の際に当該部品テープ１をテーブル１４に固定するものであり、図１、図５及び図７に示すように、テーブル１４の上面１４ａに着脱自在に設けられている。テープ固定部材１８は、可撓性を有する紐状体４４によりテーブル１４に連結されており、使用時以外は、テーブル１４の下方に紐状体４４を介して垂下される（図１参照）。なお、図５では紐状体４４を省略している（他の図面についても、殆どの図面で紐状体４４を省略している）。

　テープ固定部材１８は、図５及び図７に示すように、直方体状の金属製のブロック部材であり、その長手方向の一端部に貫通孔１８ａを備えている。一方、図１及び図４に示すように、テーブル１４の上面１４ａには、固定ピン４６ａと、一対の規制ピン４６ｂ、４６ｂと、磁石４７とが設けられている。一対の規制ピン４６ｂ、４６ｂは、前記上面１４ａの後端部分に、幅方向に所定間隔を隔てて立設されており、固定ピン４６ａは、前記１４ａの中央部に立設されている。

　テープ固定部材１８は、両規制ピン４６ｂ、４６ｂの間に介在され、かつ貫通孔１８ａに固定ピン４６ａが挿入されることで前記上面１４ａの第１テープ保持部３０にセットされる。

　このようにセットされたテープ固定部材１８は、図４に示すように、第１ピッチ用保持部３２及び第２ピッチ用保持部３３を前後方向に横断する状態、より詳しくは、一対の位置決めピン３７ａ、３７ａの間、及び一対の位置決めピン３７ｂ、３７ｂの間を横断する状態となる。テープ固定部材１８は、この状態で規制ピン４６ｂ、４６ｂ及び固定ピン４６ａによって前後左右に拘束されるとともに、前記上面１４ａのうち両規制ピン４６ｂ、４６ｂの間の位置に埋設された前記磁石４７の磁力によって当該上面１４ａ（第１テープ保持部３０）に保持される。

　テープ固定部材１８は、長手方向に並ぶ２つの切欠部１９ａ、１９ｂを備えている。これらの切欠部１９ａ、１９ｂは、テープ固定部材１８を第１テープ保持部３０にセットした状態で、上面１４ａとテープ固定部材１８との間に幅方向に貫通する空間を形成する。後側の切欠部１９ａは、第１ピッチ用保持部３２の位置決めピン３７ａ、３７ａと第２ピッチ用保持部３３の位置決めピン３７ｂ、３７ｂとの間に位置し、前側の切欠部１９ｂは、第２ピッチ用保持部３３の位置決めピン３７ｂ、３７ｂの前方に位置するように設けられている。これら切欠部１９ａ、１９ｂは、後述する通り、第１テープ保持部３０に第２型テープ１Ｂを裏向きの姿勢でセットした際に、部品収容部２ａに対応する突出部分を逃がすためのものである。

　前記一対の先端挟持部１６Ａ、１６Ｂ（第１型テープ用先端挟持部１６Ａ、第２型テープ用先端挟持部１６Ｂ）は、治具本体１２による切断後の部品テープ１の先端部１ａを所定形状に成型するために、前記先端支持部４０Ａ、４０Ｂと共に当該先端部１ａを挟み込むものである。

　第１型テープ用先端挟持部１６Ａは、部品テープ１が第１型テープ１Ａである場合に、部品テープ１の先端部１ａを第１型テープ用先端支持部４０Ａの成型部４１と共に挟み込むものである。第１型テープ用先端挟持部１６Ａは、図１に示すように、テーブル１４の後端面に沿って延びるアーム部５０ａと、アーム部５０ａの先端から前後方向の前方に向かって延びる成型部５１ａとを備えたＬ字型の形状を有している。成型部５１ａは、部品テープ１の先端部１ａを挟み込む部分である。

　アーム部５０ａの基端部は、前後方向に延びる枢軸５２ａを介してテーブル１４の後端面に回転自在に支持されている。これにより、第１型テープ用先端挟持部１６Ａは、テーブル１４に回転自在に支持されている。詳しくは、第１型テープ用先端挟持部１６Ａは、図６に示すように、成型部５１ａが第１型テープ用先端支持部４０Ａと共に部品テープ１の先端部１ａを挟み込む成型位置Ｐ１（一点鎖線で示す位置）と、この成型位置Ｐ１から退避して部品テープ１の先端部１ａを開放する所定の退避位置Ｐ０（二点鎖線で示す位置）とに亘って変位可能となっている。

　成型部５１ａは、第１型テープ用先端挟持部１６Ａが成型位置Ｐ１に配置された状態において、第１型テープ用先端支持部４０Ａの成型部４１のうち、前記傾斜面１４ｂ以外の部分に対向する平坦な基準面５３ａ（図１１Ｂ参照）と、前記傾斜面１４ｂに対向する傾斜面５３ｂとを備えている（図１１Ｂ参照）。基準面５３ａ及び傾斜面５３ｂは、共に前記枢軸５２ａと平行に延びている。この構成により、第１型テープ用先端挟持部１６Ａ（成型部５１ａ）及び第１型テープ用先端支持部４０Ａ（成型部４１）は、第１テープ保持部３０に支持された部品テープ１の先端部１ａを挟み込み、当該部分を上向きに屈曲した形状に成型する（図１１Ｂ参照）。

　上記の通り、枢軸５２ａは前後方向に延びる軸である。つまり、枢軸５２ａは、第１テープ保持部３０に支持される部品テープ１の長手方向と直交する方向（枢軸２３と直交する方向）であってかつテーブル１４の上面１４ａと平行な方向（第１刃部２０ａの刃線と平行な方向）に延びる軸である。そして、上述の通り、第１型テープ用先端支持部４０Ａの成型部４１（上面１４ａ及び傾斜面１４ｂ）が前後方向に延在する一方で、成型部５１ａ（基準面５３ａ及び傾斜面５３ｂ）も前後方向に延在している。従って、成型部５１ａは、その長手方向（前後方向）に亘る当該成型部５１ａと第１型テープ用先端支持部４０Ａの成型部４１との距離関係が等しく保たれた状態で枢軸５２ａを中心として変位（回動）する。

　なお、第１型テープ用先端挟持部１６Ａのコーナ部分、すなわちアーム部５０ａと成型部５１ａとの間の部分にはプランジャからなる規制部材５６が設けられている。規制部材５６は、第１型テープ用先端挟持部１６Ａの変位を規制し、図６中の実線に示すように、第１型テープ用先端挟持部１６Ａを成型位置Ｐ１と退避位置Ｐ０との間の所定の仮置き位置Ｐ２に保持するものである。この仮置き位置Ｐ２は、第１テープ保持部３０に支持される部品テープ１が両成型部４１、５１ａの間に挟み込まれる直前の位置であって成型部５１ａと部品テープ１との間に隙間が形成される位置である。

　規制部材５６（プランジャ）は、第１型テープ用先端挟持部１６Ａに固定されたシリンダ部５７ａと、シリンダ部５７ａに出没可能に保持されたピン部５７ｂと、シリンダ部５７ａに内蔵されて、ピン部５７ｂを突出方向に付勢するバネ部材（図示省略）とで構成されている。規制部材５６は、第１型テープ用先端挟持部１６Ａが退避位置Ｐ０から成型位置Ｐ１に変位する過程でテーブル１４に当接し、これにより、当該第１型テープ用先端挟持部１６Ａを仮置き位置Ｐ２に保持する。そして、この仮置き位置Ｐ２において第１型テープ用先端挟持部１６Ａが上方から加圧（押圧）されると、規制部材５６に内蔵されたバネ部材の付勢力に抗してピン部５７ｂがシリンダ部５７ａ内に没入し、これにより、第１型テープ用先端挟持部１６Ａが仮置き位置Ｐ２から成型位置Ｐ１に変位することを許容する。

　一方、前記第２型テープ用先端挟持部１６Ｂは、部品テープ１が第２型テープ１Ｂである場合に、第２型テープ１Ｂの先端部１ａを第２型テープ用先端支持部４０Ｂと共に挟み込むものである。

　第２型テープ用先端挟持部１６Ｂは、図１に示すように、テーブル１４の後端面に沿って延びるアーム部５０ｂと、アーム部５０ｂの先端から前後方向の後方に向かって延びる成型部５１ｂとを備えたＬ字型の形状を有している。第２型テープ用先端挟持部１６Ｂの基本的な構成は、成型部５１ｂの形状が第１型テープ用先端挟持部１６Ａの成型部５１ａと異なる以外、第１型テープ用先端挟持部１６Ａと共通している。そのため、ここでは、主に第１型テープ用先端挟持部１６Ａとの相違点について詳述し、その他の構成については省略又は簡略に説明する。

　第２型テープ用先端挟持部１６Ｂのアーム部５０ｂは、枢軸５２ｂを介してテーブル１４の前端面に回転自在に支持されている。これにより、第２型テープ用先端挟持部１６Ｂは、成型部５１ｂが第２型テープ用先端支持部４０Ｂと共に部品テープ１の先端部１ａを挟み込む成型位置Ｐ１と、この成型位置Ｐ１から退避して部品テープ１の先端部１ａを開放する退避位置Ｐ０とに亘って変位可能となっている。また、第２型テープ用先端挟持部１６Ｂのコーナ部分には、第１型テープ用先端挟持部１６Ａと同様にプランジャからなる規制部材５６が設けられており、これにより、第２型テープ用先端挟持部１６Ｂも、成型位置Ｐ１と退避位置Ｐ０との間の所定の仮置き位置Ｐ２に保持可能となっている。

　成型部５１ｂは、第２型テープ用先端挟持部１６Ｂが成型位置Ｐ１に配置された状態において、テーブル１４の上面１４ａに対向する平坦な基準面５４ａ（図１４Ｂ参照）と、第２型テープ用先端支持部４０Ｂの２つの前記凹部４２にそれぞれ対応する２つの凸部５４ｂ（図１４Ｂ参照）とを備えている。基準面５４ａは枢軸５２ｂと平行に延びている。また、凸部５４ｂは、前記凹部４２に対応する略半円形の断面形状を有している。つまり、第２型テープ用先端挟持部１６Ｂ（成型部５１ｂ）及び第２型テープ用先端支持部４０Ｂ（成型部４２）は、第２テープ保持部３１に支持された部品テープ１の先端部１ａを挟み込むことにより、より詳しくは、先頭の部品収容部２ａよりも先端側の部分のみを挟み込むことにより、部品収容部２ａの幅方向中央に対応する位置に、当該部品テープ１の長手方向に延びる円弧状の湾曲部分を成型する。

　なお、第１テープ保持部３０、第１型テープ用先端支持部４０Ａ及び第１型テープ用先端挟持部１６Ａは、切断後の第１型テープ１Ａの先端部１ａを成型するものであり、適宜、これらをまとめて第１成型機構部Ｍｏ１と称する（図１、図５参照）。また、第２テープ保持部３１、第２型テープ用先端支持部４０Ｂ及び第２型テープ用先端挟持部１６Ｂは、切断後の第２型テープ１Ｂの先端部１ａを成型するものであり、適宜、これらをまとめて第２成型機構部Ｍｏ２と称する（図１、図５参照）。

　前記加圧部材１７は、仮置き位置Ｐ２にセットされた第１型テープ用先端挟持部１６Ａ及び第２型テープ用先端挟持部１６Ｂを上から加圧（押圧）するものである。この加圧部材１７は、第２部材２１に固定されており、第２刃部２１ａと一体に前記枢軸２３を支点として変位（回動）する。

　図１に示すように、加圧部材１７は、第２部材２１に固定されたブラケット６０と、このブラケット６０に固定された前後一対の加圧部６２Ａ、６２Ｂ（第１加圧部６２Ａ、第２加圧部６２ｂ）とを備えている。

　ブラケット６０は、例えば金属板のプレス加工品である。ブラケット６０は、第２刃部２１ａの外側（すなわち第２刃部２１ａを挟んで第１刃部２０ａとは反対側）に位置し、第２刃部２１ａとほぼ平行にその刃線に沿った方向に延びる縦板部６１ａと、その上端からテーブル１４側に向かって延びる上板部６１ｂとを有する。縦板部６１ａと上板部６１ｂとは略直角を成している。

　前記一対の加圧部６２Ａ、６２Ｂは、上板部６１ｂに固定されている。各加圧部６２Ａ、６２Ｂは、前記先端挟持部１６Ａ、１６Ｂの規制部材５６と同様のプランジャで構成されている。すなわち、加圧部６２Ａ、６２Ｂ（プランジャ）は各々、上板部６１ｂに固定されたシリンダ部６３ａと、シリンダ部６３ａに出没可能に保持されたピン部６３ｂ（本発明の「当接部」に相当する）と、シリンダ部６３ａに内蔵されて、ピン部６３ｂを突出方向に付勢するバネ部材６３ｃ（図１０Ａ参照／本発明の「付勢部材」に相当する）とで構成されている。加圧部６２Ａ、６２Ｂは、ピン部６３ｂが上板部６１ｂから下方に突出する状態で当該上板部６１ｂに固定されている。これにより、治具本体１２の切断操作に伴い、仮置き位置Ｐ２にセットされた先端挟持部１６Ａ、１６Ｂを加圧部材１７によって上から加圧可能となっている。具体的には、後側の第１加圧部６２Ａが第１型テープ用先端挟持部１６Ａの成型部５１ａを加圧（押圧）し、前側の第２加圧部６２Ｂが第２型テープ用先端挟持部１６Ｂの成型部５１ｂを加圧する。

　なお、各加圧部６２Ａ、６２Ｂは、前記切断操作において、部品テープ１の切断が完了する位置まで両刃部２１ａ、２１ｂが変位した後に、前記成型部５１ａ、５１Ｂを加圧し始めるように、第２刃部２１ａの刃線よりも上方、換言すれば第２刃部２１ａの回転遅れ方向にオフセットされている。また、各加圧部６２Ａ、６２Ｂは、第１把持部２０ｂと第２把持部２１ｂとが互いに当接して第１刃部２０ａと第１把持部２０ｂとが重なりあった治具本体１２の刃閉じ状態において、ピン部６３ｂがその可動ストロークの途中に位置するように、つまり、シリンダ部６３ａに内蔵された前記バネ部材６３ｃの弾発力（付勢力）によって前記成型部５１ａ、５１ｂが加圧されているようにブラケット６０に固定されている。

　以上説明したテープ切断治具１０では、第１テープ保持部３０、第１型テープ用先端支持部４０Ａ及び第１型テープ用先端挟持部１６Ａが、それぞれ、本発明の「テープ保持部」、「先端支持部」及び「先端挟持部」に相当する。また、成型部４１、成型部５１ａが、それぞれ、本発明の「第１成形部」、「第２成型部」に相当する。

　［部品テープ１の加工処理の手順］
　次に、テープ切断治具１０を用いた部品テープ１の加工処理の手順について説明する。最初に、図２Ｂに示す第１型テープ１Ａ（部品収容部２ａの配列ピッチが２ｍｍ）の加工処理の手順について、図７～図１１Ｂを用いて説明する。

　まず、治具本体１２を刃開き状態にした状態で、図６～図９Ａに示すように、第１型テープ１Ａを第１テープ保持部３０の第１ピッチ用保持部３２にセットする。

　具体的には、治具本体１２を横断するように第１型テープ１Ａを配置し、送り孔２ｂに位置決めピン３７ａ、３７ａを挿入する。この際、第１型テープ１Ａは表向き、つまり、カバーテープ３が上（反上面１４ａ側）に位置するようにセットする。これにより第１型テープ１Ａを第１テープ保持部３０に対して位置決めする。

　次に、第１型テープ１Ａの上からテープ固定部材１８をセットする。具体的には、貫通孔１８ａに固定ピン４６ａを挿入させつつテープ固定部材１８を両規制ピン４６ｂ、４６ｂの間に配置する。セットされたテープ固定部材１８は磁石４７の磁力でテーブル１４に保持される。これにより第１型テープ１Ａは、上記の通り位置決めされた状態でテーブル１４上（第１ピッチ用保持部３２）に固定される。

　次に、第１型テープ用先端挟持部１６Ａをセットする。すなわち、第１型テープ用先端挟持部１６Ａを退避位置Ｐ０から仮置き位置Ｐ２に移動（回動）させる。この状態では、図６の実線に示すように、規制部材５６のピン部５７ｂは突出しており、成型部５１ａは、図９Ｂに示すように、第１型テープ用先端支持部４０Ａの成型部４１から離反した位置に保持される。つまり、成型部５１ａ及び第１型テープ用先端支持部４０Ａの成型部４１は未だ第１型テープ１Ａを挟み込んでいない。

　次に、図１０Ａに示すように、切断操作を行う。すなわち、治具本体１２の第１把持部２０ｂ及び第２把持部２１ｂを把持し、これらを握り締めることによって第１刃部２０ａ及び第２刃部２１ａの間に第１型テープ１Ａを挟み込む。

　この切断操作により、まず、第１型テープ１Ａが第１刃部２０ａと第１把持部２０ｂとの間に挟み込まれて第１型テープ１Ａが切断される。この時点では、加圧部材１７の加圧部６２Ａ（ピン部６３ｂ）と第１型テープ用先端挟持部１６Ａ（成型部５１ａ）との間には未だ隙間Ｃがあり、図１０Ｂに示すように、第１型テープ１Ａの先端部１ａは成型部５１ａと第１型テープ用先端支持部４０Ａの成型部４１との間に挟み込まれていない。そして、さらに切断操作が進むと、図１１Ａに示すように、加圧部材１７の加圧部６２Ａ（ピン部６３ｂ）が第１型テープ用先端挟持部１６Ａ（成型部５１ａ）に当接し、第１型テープ用先端挟持部１６Ａが加圧される。これに伴い、規制部材５６のピン部５７ｂがシリンダ部５７ａ内に没入し、第１型テープ用先端挟持部１６Ａが仮置き位置Ｐ２から成型位置Ｐ１に変位する。そして、治具本体１２が完全な刃閉じ状態によると、図１１Ｂに示すように、第１型テープ１Ａの先端部１ａが成型部５１ａと第１型テープ用先端支持部４０Ａの成型部４１との間に挟み込まれ、当該先端部１ａが成型される。

　このように、治具本体１２が完全な刃閉じの状態になるまで切断操作を行うことにより、第１型テープ１Ａの切断、およびその先端部１ａの成型が連続して行われることとなる。なお、その後の第１型テープ１Ａの取り外しは、上述した手順と逆の手順で行うことができる。

　以上は、部品収容部２ａの配列ピッチが２ｍｍの第１型テープ１Ａに加工処理を施す場合の手順である。部品収容部２ａの配列ピッチが４ｍｍの第１型テープ１Ａに加工処理を施す場合には、第１型テープ１Ａを第２ピッチ用保持部３３にセットし、上述した手順と同じ手順に従って作業を行う。これにより、同様に第１型テープ１Ａに加工処理を施すことができる。

　次に、図２Ｃに示すような第２型テープ１Ｂ（部品収容部２ａの配列ピッチが２ｍｍ）の加工処理の手順について説明する。なお、第１型テープ１Ａの加工処理手順と共通する手順については説明を簡略に説明する。

　まず、図１２に示すように、第２型テープ１Ｂを第１テープ保持部３０の第１ピッチ用保持部３２にセットし、その上からテープ固定部材１８をセットする。この場合は、第２型テープ１Ｂは裏向き、つまり、カバーテープ３が下（上面１４ａ側）に位置するようにセットする。なお。第２型テープ１Ｂの場合には、部品収容部２ａの部分が裏面側に突出しているが、当該突出部分は、同図に示すように、テープ固定部材１８の後側の切欠部１９ａに介挿される。そのため、第２型テープ１Ｂは、当該突出部分を切欠部１９ａに逃がした状態で、テープ固定部材１８によってテーブル１４上（第１ピッチ用保持部３２）に固定される。

　次に、図１３Ａ及び図１３Ｂに示すように、切断操作を行う。この際は、第１型テープ用先端挟持部１６Ａをセットすることなく切断操作を行う。これにより第２型テープ１Ｂの切断のみを行う。

　切断後、テープ固定部材１８を取り外す。そして、第２型テープ１Ｂを第１テープ保持部３０（第１ピッチ用保持部３２）から一旦取り外し、第２テープ保持部３１の第１ピッチ用保持部３４にセットし直す。第２型テープ１Ｂは裏向きでセットする。この際、第２型テープ１Ｂの先端部１ａに近い２つの送り孔２ｂに位置決めピン３７ｃ、３７ｃが挿入されるようにする。このように第２型テープ１Ｂが第１ピッチ用保持部３４にセットされることで、当該第２型テープ１Ｂの先端部１ａが第２型テープ用先端支持部４０Ｂの成型部４２に配置される。

　次に、治具本体１２を刃開き状態に戻す。そして、第２型テープ用先端挟持部１６Ｂをセット（仮置き位置Ｐ２にセット）した後、再度、切断操作を行う。これにより、図１４Ａに示すように、加圧部材１７により第２型テープ用先端挟持部１６Ｂ（成型部５１ｂ）を加圧する。この加圧により、第２型テープ用先端挟持部１６Ｂが仮置き位置Ｐ２から成型位置Ｐ１に変位し、図１４Ｂに示すように、第２型テープ１Ｂの先端部１ａが成型部５１ｂと第２型テープ用先端支持部４０Ｂの成型部４２との間に挟み込まれ、凹部１４ｃ及び凸部５４ｂによって当該先端部１ａの幅方向中央部に円弧状の湾曲部分が成型される。なお、その後の第２型テープ１Ｂの取り外しは、上述した手順と逆の手順で行うことができる。

　以上は、部品収容部２ａの配列ピッチが２ｍｍの第２型テープ１Ｂに加工処理を施す場合の手順である。部品収容部２ａの配列ピッチが４ｍｍの第２型テープ１Ｂに加工処理を施す場合には、まず、第２型テープ１Ｂを第１テープ保持部３０の第２ピッチ用保持部３３にセットして当該第２型テープ１Ｂを切断した後、当該第２型テープ１Ｂを第２テープ保持部３１の第２ピッチ用保持部３５にセットし直して当該第２型テープ１Ｂの先端部１ａを成型する。それ以外の手順は、上述した第２型テープ１Ｂの加工処理の手順と同等である。

　［作用効果］
　上述したテープ切断治具１０によれば、部品テープ１の切断作業と部品テープ１の先端部１ａの成形作業を同一の治具で行うことができる。特に、部品テープ１が第１型テープ１Ａの場合には、一度の切断操作によって、第１型テープ１Ａの切断と成型を連続して行うことができる。しかも、このテープ切断治具１０は、ハサミ型の治具本体１２をベースとし、この治具本体１２の第１刃部２０ａの側方に設けられたテーブル１４（テープ保持部３０）によって部品テープ１を保持した状態で当該部品テープ１を切断するため、部品テープ１の切断位置を目視し易い。また、幅の広い部品テープ１に対応すべく第１刃部２０ａ及び第２刃部２１ａの刃渡り寸法を大きくした場合でも、第１刃部２０ａ及び第２刃部２１ａの位置と第１把持部２０ｂ及び第２把持部２１ｂの位置とが前後方向に離れているため、刃部（カッター）と把持部とが略同位置にある従来のホッチキス型の治具に比べると操作性への影響が少ない。つまり、大型化により治具を把持し難くなって切断操作が行い難くなることがない。従って、このテープ切断治具１０は、幅が比較的広い部品テープ１にも対応し易く、しかも部品テープ１の切断位置を目視しながら作業を行うことが可能な、より使い易いものになる。

　また、このテープ切断治具１０によれば、部品収容部２ａの配列ピッチが異なる２種類の部品テープ１ばかりでなく、構造の異なる２種類の部品テープ１、具体的には、裏面に凹凸が無く全体が一定の厚みを有した紙製のキャリアテープ２を有する第１型テープ１Ａ、および部品収容部２ａに対応する部分が裏面側に突出するようにエンボス加工が施された樹脂製のキャリアテープ２を有する第２型テープ１Ｂについても加工処理を施すことができる。従って、共通のテープ切断治具１０でより多くの種類の部品テープ１に対応でき、利便性に優れる。

　また、このテープ切断治具１０によれば、第１成型機構部Ｍｏ１と第２成型機構部Ｍｏ２とが設けられており、部品テープ１の種類に応じて（すなわち第１型テープ１Ａか第２型テープ１Ｂかに応じて）、その先端部１ａを異なる形状に成型できる。つまり、共通のテープ切断治具１０で、部品テープ１の先端部１ａを異なる形状に成型できるため、この点でも利便性に優れる。

　また、このテープ切断治具１０によれば、第１型テープ用先端挟持部１６Ａをセットするか否かによって、部品テープ１の切断作業と成型作業の両方を行うか、若しくは切断作業のみを行うかを選択することができる。実施形態では、上記の通り、第１型テープ１Ａについては、第１型テープ用先端挟持部１６Ａをセットすることで切断作業と成型作業の両方を行い、第２型テープ１Ｂについては、第１型テープ用先端挟持部１６Ａをセットせずに切断作業のみを行っている。従って、このテープ切断治具１０によれば、部品テープ１の切断作業の際に、部品テープ１の先端部１ａの成型を行うか否かを任意に選択することができるという利点がある。

　また、第１型テープ用先端挟持部１６Ａの成型部５１ａは、上述した通り、その長手方向（前後方向）に亘る当該成型部５１ａと第１型テープ用先端支持部４０Ａの成型部４２との距離関係が等しく保たれた状態で枢軸５２ａを中心として変位する。そのため、部品テープ１の先端部１ａをその幅方向に亘って均一な圧力で挟み込むことができる。従って、このテープ切断治具１０によれば、部品テープ１（第１型テープ１Ａ）の先端部１ａをその幅方向全体に亘ってより適切に成型できるという利点もある。この点は、第２型テープ用先端挟持部１６Ｂ（成型部５１ｂ）と第２型テープ用先端支持部４０Ｂ（成型部４２）とで第２型テープ１Ｂの先端部１ａを成型する場合についても同様である。

　また、このテープ切断治具１０によれば、第１型テープ用先端挟持部１６Ａをセットした状態で切断操作を行った場合でも、部品テープ１の切断が完了するまで、つまり加圧部材１７により第１型テープ用先端挟持部１６Ａ（成型部５１ａ）が加圧されるまでは、部品テープ１が第１型テープ用先端挟持部１６Ａと第１型テープ用先端支持部４０Ａとによって挟持されることがない（図１０Ａ～図１１Ｂ参照）。そのため、部品テープ１の切断段階で部品テープ１が意図せず第１型テープ用先端挟持部１６Ａ（成型部５１ａ）により押されて切断位置がずれるなどの不都合が生じることが防止される。

　また、このテープ切断治具１０によれば、加圧部材１７に加圧部６２Ａ、６２Ｂが設けられており、図１１Ａ、１４Ａに示す用に、治具本体１２が完全な刃閉じ状態になるまで切断操作を行えば、加圧部６２Ａ、６２Ｂに内蔵のバネ部材の弾発力により先端挟持部１６Ａ、１６Ｂが加圧される。つまり、治具本体１２が完全な刃閉じ状態になるまで切断操作を行えば、一定の力で先端挟持部１６Ａ、１６Ｂが加圧される。従って、作業者が異なることによる成型精度のバラツキを抑制することができ、その結果、部品テープ１の先端部１ａの成型精度をより均一に保つことが可能となる。

　［第２実施形態］
　図１５Ａは、本発明の第２実施形態に係るテープ切断治具１１の要部斜視図である。なお、第２実施形態のテープ切断治具１１の大部分の構成は第１実施形態のテープ切断治具１０と共通するため、以下の説明では、第１実施形態との共通点については同一符号を付して説明を省略又は簡略化し、主に第１実施形態との相違点について詳述する。

　第２実施形態のテープ切断治具１１は、概略的には、第２テープ保持部３１が省略されたものである。つまり、テーブル１４には、第１テープ保持部３０（以下、単にテープ保持部３０と称す）のみが設けられている。これに伴い、第２型テープ用先端支持部４０Ｂがテーブル１４とは別体に設けられている。具体的には、金属製のブロック状の第２型テープ用先端支持部４０Ｂが治具本体１２の前方に配置されている。この第２型テープ用先端支持部４０Ｂは、テーブル１４の上面１４ａとほぼ面一となる上面４３と、この上面４３に形成された２筋の溝状の凹部４３ａとからなる成型部４２を有する。各凹部４３ｂは、第１実施形態の凹部１４ｃと同等の形状であり、断面形状が略半円形で互いに平行に幅方向に延びている。

　また、ブラケット１５には前後方向に延びるレール７０が固定され、このレール７０に前記テーブル１４が移動自在に装着されている。これにより、図１５Ａに示すように、前記テーブル１４（すなわち、テープ保持部３０）が、第１刃部２０ａに対して幅方向に対向する第１作業位置Ａ１と、図１５Ｂに示すように、第２型テープ用先端支持部４０Ｂに対して幅方向に対向する第２作業位置Ａ２とに亘って移動可能となっている。

　なお、テープ切断治具１１には、テーブル１４を第１作業位置Ａ１及び第２作業位置Ａ２のそれぞれに位置決めするための位置決め機構が設けられている。当例では、この位置決め機構はディテント機構であるがこれ以外の機構であってもよい。

　ディテント機構は、図１６Ａに示すように、テーブル１４に固定されたプランジャ７２と、ブラケット１５に形成された２つの凹部７４Ａ、７４Ｂと、テーブル１４の可動域を規制する一対のストッパ７５、７５とで構成されている。プランジャ７２は、いわゆるボールプランジャであり、シリンダ部７３ａと、シリンダ部７３ａに出没可能かつ転動可能に保持されたボール（剛球）７３ｂと、ボール７３ｂを突出方向に付勢する図外のバネ部材とを含む。プランジャ７２は、テーブル１４の移動に伴いボール７３ｂが回転するように、当該ボール７３ｂがブラケット１５に押し付けられた状態で当該テーブル１４に固定されている。そして、ブラケット１５におけるボール７３ｂの移動経路上であって第１作業位置Ａ１及び第２作業位置Ａ２に対応する位置に、ボール７３ｂが嵌り込むことが可能な凹部７４Ａ、７４Ｂが形成されている。つまり、テーブル１４が第１作業位置Ａ１に配置されると、図１６Ａに示すように、ボール７３ｂが後側の凹部７４Ａに嵌合して当該テーブル１４が当該第１作業位置Ａ１に保持され、テーブル１４が第２作業位置Ａ２に配置されると、図１６Ｂに示すように、ボール７３ｂが前側の凹部７４Ｂに嵌合して当該テーブル１４が第２作業位置Ａ２に保持されるようになっている。

　なお、前記一対のストッパ７５、７５は、例えばブラケット１５に装着されたボルトの頭部からなり、一方は第１作業位置Ａ１の後方の所定位置に、他方は第２作業位置Ａ２の前方の所定位置にそれぞれ配置されている。これにより、テーブル１４の可動域が第１作業位置Ａ１と第２作業位置Ａ２との間に規制されている。

　次に、第２実施形態のテープ切断治具１１を用いた部品テープ１の加工処理の手順について説明する。

　ここでは、最初に、図２Ｃに示すような第２型テープ１Ｂ（部品収容部２ａの配列ピッチが４ｍｍ）の加工処理について説明する。

　まず、テーブル１４を第１作業位置Ａ１にセットする。そして、図１５Ａに示すように、第２型テープ１Ｂをテープ保持部３０（第２ピッチ用保持部３３）にセットしこれをテープ固定部材１８で固定する。その後、切断操作を行い、図１７Ａに示すように、第２型テープ１Ｂを切断する。

　第２型テープ１Ｂの切断作業が完了したら、治具本体１２を刃開き状態に戻し、第２型テープ１Ｂを第１ピッチ用保持部３２に固定した状態のまま、テーブル１４を第１作業位置Ａ１から第２作業位置Ａ２に移動させる。これにより、第２型テープ１Ｂの先端部１ａを、第１刃部２０ａの位置から第２型テープ用先端支持部４０Ｂの成型部４２にスライドさせる。そして、図１７Ｂに示すように、第２型テープ用先端挟持部１６Ｂをセットした後、再度、切断操作を行う。これにより、図１７Ｃに示すように、第２型テープ１Ｂの先端部１ａを成型部５１ｂと第２型テープ用先端支持部４０Ｂの成型部４２とで挟み込み、当該先端部１ａを成型する。

　なお、部品収容部２ａの配列ピッチが２ｍｍの第２型テープ１Ｂについては、当該第２型テープ１Ｂを第１ピッチ用保持部３２にセットする点が異なる以外、上記と同様の手順で第２型テープ１Ｂの加工処理を行うことができる。

　一方、図２Ｂに示すような第１型テープ１Ａに加工処理を施す場合であるが、この場合の手順は第１実施形態のテープ切断治具１０を用いる場合と大差は無い。すなわち、まず、テーブル１４を第１作業位置Ａ１にセットする。そして、第１型テープ１Ａをテープ保持部３０にセットしてテープ固定部材１８で固定した後、第１型テープ用先端挟持部１６Ａをセットする。この際、部品収容部２ａの配列ピッチが２ｍｍの第１型テープ１Ａの場合には、第１ピッチ用保持部３２に第１型テープ１Ａをセットし、部品収容部２ａの配列ピッチが４ｍｍの第１型テープ１Ａの場合には、第１ピッチ用保持部３２に第１型テープ１Ａをセットする。

　その後、切断操作を行う。これにより第１型テープ１Ａの切断作業と成型作業とを連続して行うことができる。

　以上のような第２実施形態のテープ切断治具１１によれば、特に、第２型テープ１Ｂの加工処理の作業性を向上させることができる。すなわち、このテープ切断治具１１によれば、第２型テープ１Ｂの切断後、テープ保持部３０に第２型テープ１Ｂを固定したままテーブル１４を第１作業位置Ａ１から第２作業位置Ａ２に移動させることで、第２型テープ１Ｂの先端部１ａを第２型テープ用先端支持部４０Ｂに配置することができる。そのため、第１実施形態のように、テープ切断後、第２型テープ１Ｂを一旦第１テープ保持部３０から取り外して第２テープ保持部３１にセットし直す作業が不要となる。従って、第２実施形態のテープ切断治具１１によれば、上述した第１実施形態のテープ切断治具１０と同等の作用効果を享受しながら、特に、第２型テープ１Ｂの加工処理の作業性を向上させることができるという利点がある。

　なお、この第２実施形態では、第１型テープ用先端支持部４０Ａ、第１型テープ用先端挟持部１６Ａが、それぞれ、本発明の「第１先端支持部」、「第１先端挟持部」に相当し、第２型テープ用先端支持部４０Ｂ、第２型テープ用先端挟持部１６Ｂが、それぞれ、本発明の「第２先端支持部」、「第２先端挟持部」に相当する。

　［その他の変形例等］
　上述したテープ切断治具１０、１１は本発明に係るテープ切断治具の好ましい実施形態の例示であって、その具体的な構成は本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、以下のような構成も適用可能である。

　実施形態では、テープ切断治具１０、１１として、第１型テープ１Ａについては、その先端部１ａを上向きに屈曲した形状に成型し（図１１Ｂ参照）、第２型テープ１Ｂについては、その先端部１ａの幅方向中央部に円弧状の湾曲部分を成型するものについて説明した。しかし、テープ切断治具１０、１１は、部品テープ１の先端部１ａをこれら以外の形状に成型する場合にも適用可能である。

　実施形態では、テーブル１４（テープ保持部３０、３１）に各先端挟持部１６Ａ、１６Ｂが回動自在に設けられている。すなわち、各先端挟持部１６Ａ、１６Ｂは第１部材２０側に設けられている。しかし、各先端挟持部１６Ａ、１６Ｂは第２部材２１側に設けられていてもよい。例えば、各先端挟持部１６Ａ、１６Ｂは、第２刃部２１ａと共に移動し、部品テープ１が治具本体１２（第１刃部２０ａ及び第２刃部２１ａ）により切断された後に、当該部品テープ１の先端部１ａをテープ用先端支持部４０Ａ、４０Ｂと共に挟み込むように設けられていてもよい。

　実施形態では、各先端挟持部１６Ａ、１６Ｂには、これらを仮置き位置Ｐ２に保持するために規制部材５６が設けられている。しかし、規制部材５６を省略することにより、成型位置Ｐ１に配置された各先端挟持部１６Ａ、１６Ｂを加圧部材１７によって加圧（押圧）するように構成してもよい。

　実施形態のテープ切断治具１０、１１は、第１型テープ１Ａと第２型テープ１Ｂの両タイプの部品テープ１に加工処理を施すことが可能な構成である。しかし、テープ切断治具１０、１１は、何れか一方のタイプの部品テープ１にのみ加工処理を施す構成であってもよい。

　以上、実施形態に沿って説明した本発明についてまとめると以下の通りである。

　本発明は、長手方向に一定の間隔で部品収容部が並んだ部品供給用のテープを切断するためのテープ切断治具であって、第１刃部及び第２刃部と一対の把持部とを備え、前記一対の把持部を握り締める切断操作を受けることにより第１刃部及び第２刃部の間に挟み込んだテープを切断するハサミ型の治具本体と、第１刃部の側方に配置されて当該第１刃部と共に変位可能に設けられ、第１刃部及び第２刃部に対して交差する状態で前記テープを保持するテープ保持部と、第１刃部及び第２刃部による切断後の前記テープの先端部を支持する先端支持部と、第１刃部及び第２刃部による切断後のテープの前記先端部を先端支持部と共に挟み込むための先端挟持部とを備え、前記テープ保持部は、互いに隣接する部品収容部の間の位置でテープが切断されるように当該テープを位置決めした状態で保持し、前記先端支持部および前記先端挟持部は、前記切断後のテープの先端部を協働して挟み込むことにより当該先端部を所定形状に成形する第１成型部及び第２成型部をそれぞれ備えるものである。

　このテープ切断治具では、第１、第２刃部に対して交差する状態でテープ保持部にテープを保持させ、一対の把持部を把持して切断操作を行えば、テープが第１、第２刃部によって切断され、さらに切断されたテープの先端部が先端支持部の第１成型部と先端挟持部の第２成型部とにより挟み込まれて当該先端部が所定形状に成型される。そのため、テープの切断作業とテープ先端部の成形作業とを同一の治具で連続して行うことが可能となる。しかも、このテープ切断治具は、ハサミ型の治具本体をベースとし、この治具本体の第１刃部の側方に設けられたテープ保持部によって上記の通りテープを保持した状態で当該テープを切断するため、テープの切断位置を目視し易い。また、幅の広いテープに対応すべく第１、第２刃部の刃渡り寸法を大きくした場合でも、第１、第２刃部の位置と一対の把持部の位置が離れているため、刃部（カッター）と把持部とが略同位置にある従来のホッチキス型の治具に比べて操作性への影響が少ない。従って、このテープ切断治具は、テープの幅が比較的広い部品供給用のテープにも対応し易く、しかもテープ切断位置を目視しながら作業を行うことが可能な、より使い易いものとなる。

　上記のテープ切断治具において、前記先端挟持部は、テープの前記先端部を前記第１成型部及び前記第２成型部によって挟み込む成型位置と、当該成型位置から退避して前記先端部を開放する所定の退避位置とに亘って変位可能となるように前記テープ保持部に支持され、前記治具本体には、前記第２刃部に固定的に設けられて、前記成型位置に先端挟持部が配置されている場合に当該先端挟持部の前記第２成型部を加圧する加圧部材が備えられている。

　このテープ切断治具では、成型位置に先端挟持部が配置されている場合にのみテープの先端部が前記第１、第２成型部によって成型される。そのため、テープ切断の際に、テープの先端部を前記所定形状に成型するか否かを選択することが可能となる。

　また、上記のテープ切断治具は、前記成型位置と前記退避位置との間の位置であってかつ前記第１成型部及び前記第２成型部によりテープが挟み込まれる前の所定の仮置き位置に先端挟持部を位置させる規制部材をさらに備え、前記加圧部材は、前記治具本体の切断操作によりテープが切断された後に、前記仮置き位置に保持された先端挟持部の前記第２成型部を加圧し、前記規制部材は、前記成型部が前記加圧されることにより前記先端挟持部が仮置き位置から成型位置へ変位することを許容する。

　この構成によれば、先端挟持部を仮置き位置にセットした状態で切断操作を行っても、テープの切断が完了するまでは、テープが先端支持部の第１成型部と先端挟持部の第２成型部とによって挟み込まれることがない。そのため、テープの切断時に先端挟持部がテープを押圧して切断位置がずれるなどの不都合が生じることを防止できる。

　上記のテープ切断治具において、前記加圧部材は、前記第２成型部に当接する当接部と、当該当接部を付勢する付勢部材とを備え、前記付勢部材の付勢力により前記第２成型部を加圧する。

　この構成によれば、テープの先端部をより均一な圧力で挟み込むことが可能となるため、テープの先端部の成型精度を均一に保つことが可能となる。

　上記のテープ切断治具において、前記先端挟持部は、前記テープ保持部に対し、当該テープ保持部に保持されたテープの長手方向と直交する直交方向に延びる軸回りに回転自在に支持され、前記第１成型部及び前記第２成型部は、前記直交方向と平行に延在している。

　この構成によれば、テープの幅方向、すなわちテープの長手方向と直交する方向に亘って均一な圧力で当該テープを挟み込むことが可能となる。そのため、テープの先端部をより適切に前記所定形状に成型することが可能となる。

　上記のテープ切断治具において、前記テープ保持部は、第１のテープを保持するための第１保持部と、当該第１保持部に隣接して設けられて、前記部品収容部の配列ピッチが前記第１のテープとは異なる第２のテープを保持するための第２保持部とを含む。

　この構成によれば、部品収容部の配列ピッチが異なる２種類のテープの切断および先端部の成型を共通のテープ切断治具で行うことが可能となる。

　上記のテープ切断治具において、前記テープ保持部はテープ保持面を有し、当該テープ切断治具はさらに、前記テープ保持面にテープを固定するテープ固定部材を備える。

　この構成によれば、より安定的にテープの切断作業を行うことが可能となる。

　上記のテープ切断治具においては、前記テープ保持部、前記先端支持部及び前記先端挟持部を第１成型機構部と定義したときに、当該第１成型機構部に隣接する位置に、当該第１成型機構部による成型形状とは異なる形状にテープの先端部を成型するための前記テープ保持部、前記先端支持部及び前記先端挟持部を備えた第２成型機構部を備えているのが好適である。

　この構成によれば、共通のテープ切断治具で、テープの先端部を選択的に異なる形状に成型することが可能となる。

　また、上記のテープ切断治具においては、前記テープ保持部、前記先端支持部及び前記先端挟持部を第１成型機構部と定義したときに、当該第１成型機部に隣接する位置に、当該第１成型機部による成型形状とは異なる形状にテープの先端部を成型するための前記テープ保持部、前記先端支持部及び前記先端挟持部を備えた第２成型機構部を備え、前記加圧部材は、前記第１成型機部の先端挟持部の第２成型部を加圧する第１加圧部と、前記第２成型機構の先端挟持部の第２成型部を加圧する第２加圧部とを含むものであってもよい。

　この構成の場合も共通のテープ切断治具で、テープの先端部を選択的に異なる形状に成型することが可能となる。特に、各加圧部により成型部が加圧されるので、より適切にテープの先端部を成型することが可能となる。

　また、上記のテープ切断治具において、前記先端支持部を第１先端支持部と定義するとともに、前記先端挟持部を第１先端挟持部と定義したときに、前記テープ保持部に保持されたテープの長手方向と直交する直交方向における第１刃部の前方に配置される第２先端支持部と、前記テープ保持部に支持され、前記第２先端支持部と共にテープの先端部を挟み込むための第２先端挟持部と、を含み、前記テープ保持部は、前記第１刃部の側面に対向する第１作業位置と前記第２先端支持部に対向する第２作業位置との間で前記治具本体に対して前記直交方向に移動可能に設けられ、前記第２先端支持部及び前記第２先端挟持部の第１成形部及び第２成型部は、前記第２先端支持部及び前記第２先端挟持部の第１成形部及び第２成型部による成型形状とは異なる形状にテープの先端部を成型するものであってもよい。

　この構成によれば、テープ保持部を第１作業位置に配置した状態でテープを切断し、そのまま第１先端支持部と第１先端挟持部とでテープの先端部を成型する作業形態と、テープ保持部を第１作業位置に配置した状態でテープを切断した後、テープ保持部を第２作業位置に移動させて、第２先端支持部と第２先端挟持部とでテープの先端部を成型する作業形態とを実行することが可能となる。そのため、共通のテープ切断治具で、テープの先端部を選択的に異なる形状に成型することが可能となる。

　また、上記のテープ切断治具においては、前記先端支持部を第１先端支持部と定義するとともに、前記先端挟持部を第１先端挟持部と定義したときに、前記テープ保持部に保持されたテープの長手方向と直交する直交方向における第１刃部の前方に配置される第２先端支持部と、前記テープ保持部に支持され、前記第２先端支持部と共にテープの先端部を挟み込むための第２先端挟持部と、を含み、前記テープ保持部は、前記第１刃部の側面に対向する第１作業位置と前記第２先端支持部に対向する第２作業位置との間で前記治具本体に対して前記直交方向に移動可能に設けられ、前記加圧部材は、第１先端挟持部の第２成型部を加圧するための第１加圧部と、第２先端挟持部の第２成型部を加圧する第２加圧部とを含み、前記第２先端支持部及び前記第２先端挟持部の第１成形部及び第２成型部は、前記第２先端支持部及び前記第２先端挟持部の第１成形部及び第２成型部による成型形状とは異なる形状にテープの先端部を成型するものであってもよい。

　この構成の場合も上記同様に、共通のテープ切断治具で、テープの先端部を選択的に異なる形状に成型することが可能となる。特に、各加圧部により成型部が加圧されるので、より適切にテープの先端部を成型することが可能となる。

　１　テープ
　１ａ　先端部
　１Ａ　第１型テープ
　１Ｂ　第２型テープ
　１０，１１　テープ切断治具
　１２　治具本体
　１４　テーブル
　１６Ａ　第１型テープ用先端挟持部
　１６Ｂ　第２型テープ用先端挟持部
　１７　加圧部材
　２０ａ、２１ａ　刃部
　２１ａ、２１ｂ　把持部
　３０　第１テープ保持部
　３１　第２テープ保持部
　４０Ａ　第１テープ用先端支持部
　４０Ｂ　第２テープ用先端支持部
　４１，４２、５１ａ、５１ｂ　成型部
　６１Ａ　第１加圧部
　６１Ｂ　第２加圧部
　Ｍｏ１　成型機構部
　Ｍｏ２　成型機構部
　Ｐ０　退避位置
　Ｐ１　成型位置
　Ｐ２　仮置き位置

Claims (11)

1. 　長手方向に一定の間隔で部品収容部が並んだ部品供給用のテープを切断するためのテープ切断治具であって、
   　第１刃部及び第２刃部と一対の把持部とを備え、前記一対の把持部を握り締める切断操作を受けることにより第１刃部及び第２刃部の間に挟み込んだテープを切断するハサミ型の治具本体と、
   　第１刃部の側方に配置されて当該第１刃部と共に変位可能に設けられ、第１刃部及び第２刃部に対して交差する状態で前記テープを保持するテープ保持部と、
   　第１刃部及び第２刃部による切断後の前記テープの先端部を支持する先端支持部と、
   　第１刃部及び第２刃部による切断後のテープの前記先端部を先端支持部と共に挟み込むための先端挟持部とを備え、
   　前記テープ保持部は、互いに隣接する部品収容部の間の位置でテープが切断されるように当該テープを位置決めした状態で保持し、
   　前記先端支持部および前記先端挟持部は、前記切断後のテープの先端部を協働して挟み込むことにより当該先端部を所定形状に成形する第１成型部及び第２成型部をそれぞれ備える、ことを特徴とするテープ切断治具。
2. 　請求項１に記載のテープ切断治具において、
   　前記先端挟持部は、テープの前記先端部を前記第１成型部及び前記第２成型部によって挟み込む成型位置と、当該成型位置から退避して前記先端部を開放する所定の退避位置とに亘って変位可能となるように前記テープ保持部に支持され、
   　前記治具本体には、前記第２刃部に固定的に設けられて、前記成型位置に先端挟持部が配置されている場合に当該先端挟持部の前記第２成型部を加圧する加圧部材が備えられている、ことを特徴とするテープ切断治具。
3. 　請求項２に記載のテープ切断治具において、
   　前記成型位置と前記退避位置との間の位置であってかつ前記第１成型部及び前記第２成型部によりテープが挟み込まれる前の所定の仮置き位置に先端挟持部を位置させる規制部材をさらに備え、
   　前記加圧部材は、前記治具本体の切断操作によりテープが切断された後に、前記仮置き位置に保持された先端挟持部の前記第２成型部を加圧し、
   　前記規制部材は、前記成型部が前記加圧されることにより前記先端挟持部が仮置き位置から成型位置へ変位することを許容する、ことを特徴とするテープ切断治具。
4. 　請求項２又は３に記載のテープ切断治具において、
   　前記加圧部材は、前記第２成型部に当接する当接部と、当該当接部を付勢する付勢部材とを備え、前記付勢部材の付勢力により前記第２成型部を加圧する、ことを特徴とするテープ切断治具。
5. 　請求項２乃至４の何れか一項に記載のテープ切断治具において、
   　前記先端挟持部は、前記テープ保持部に対し、当該テープ保持部に保持されたテープの長手方向と直交する直交方向に延びる軸回りに回転自在に支持され、
   　前記第１成型部及び前記第２成型部は、前記直交方向と平行に延在している、ことを特徴とするテープ切断治具。
6. 　請求項１乃至５の何れか一項に記載のテープ切断治具において、
   　前記テープ保持部は、第１のテープを保持するための第１保持部と、当該第１保持部に隣接して設けられて、前記部品収容部の配列ピッチが前記第１のテープとは異なる第２のテープを保持するための第２保持部とを含む、ことを特徴とするテープ切断治具。
7. 　請求項１乃至６の何れか一項に記載のテープ切断治具において、
   　前記テープ保持部はテープ保持面を有し、当該テープ切断治具はさらに、前記テープ保持面にテープを固定するテープ固定部材を備える、ことを特徴とするテープ切断治具。
8. 　請求項１乃至７の何れか一項に記載のテープ切断治具において、
   　前記テープ保持部、前記先端支持部及び前記先端挟持部を第１成型機構部と定義したときに、
   　当該第１成型機構部に隣接する位置に、当該第１成型機構部による成型形状とは異なる形状にテープの先端部を成型するための前記テープ保持部、前記先端支持部及び前記先端挟持部を備えた第２成型機構部を備えている、ことを特徴とするテープ切断治具。
9. 　請求項２に記載のテープ切断治具において、
   　前記テープ保持部、前記先端支持部及び前記先端挟持部を第１成型機構部と定義したときに、
   　当該第１成型機部に隣接する位置に、当該第１成型機部による成型形状とは異なる形状にテープの先端部を成型するための前記テープ保持部、前記先端支持部及び前記先端挟持部を備えた第２成型機構部を備え、
   　前記加圧部材は、前記第１成型機部の先端挟持部の第２成型部を加圧する第１加圧部と、前記第２成型機構の先端挟持部の第２成型部を加圧する第２加圧部とを含む、ことを特徴とするテープ切断治具。
10. 　請求項１乃至７の何れか一項に記載のテープ切断治具において、
    　前記先端支持部を第１先端支持部と定義するとともに、前記先端挟持部を第１先端挟持部と定義したときに、
    　前記テープ保持部に保持されたテープの長手方向と直交する直交方向における第１刃部の前方に配置される第２先端支持部と、
    　前記テープ保持部に支持され、前記第２先端支持部と共にテープの先端部を挟み込むための第２先端挟持部と、を含み、
    　前記テープ保持部は、前記第１刃部の側面に対向する第１作業位置と前記第２先端支持部に対向する第２作業位置との間で前記治具本体に対して前記直交方向に移動可能に設けられ、
    　前記第２先端支持部及び前記第２先端挟持部の第１成形部及び第２成型部は、前記第２先端支持部及び前記第２先端挟持部の第１成形部及び第２成型部による成型形状とは異なる形状にテープの先端部を成型する、ことを特徴とするテープ切断治具。
11. 　請求項２に記載のテープ切断治具において、
    　前記先端支持部を第１先端支持部と定義するとともに、前記先端挟持部を第１先端挟持部と定義したときに、
    　前記テープ保持部に保持されたテープの長手方向と直交する直交方向における第１刃部の前方に配置される第２先端支持部と、
    　前記テープ保持部に支持され、前記第２先端支持部と共にテープの先端部を挟み込むための第２先端挟持部と、を含み、
    　前記テープ保持部は、前記第１刃部の側面に対向する第１作業位置と前記第２先端支持部に対向する第２作業位置との間で前記治具本体に対して前記直交方向に移動可能に設けられ、
    　前記加圧部材は、第１先端挟持部の第２成型部を加圧するための第１加圧部と、第２先端挟持部の第２成型部を加圧する第２加圧部とを含み、
    　前記第２先端支持部及び前記第２先端挟持部の第１成形部及び第２成型部は、前記第２先端支持部及び前記第２先端挟持部の第１成形部及び第２成型部による成型形状とは異なる形状にテープの先端部を成型する、ことを特徴とするテープ切断治具。

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