JP5692513B2 - ガラスフィルム積層体 - Google Patents
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Description
本発明は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイや、太陽電池、リチウムイオン電池、デジタルサイネージ、タッチパネル、電子ペーパー等のデバイスのガラス基板、及び有機EL照明等のデバイスのカバーガラスや医薬品パッケージ等に使用されるガラスフィルムを、支持体によって支持したガラスフィルム積層体に関する。
省スペース化の観点から、従来普及していたCRT型ディスプレイに替わり、近年は液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ等のフラットパネルディスプレイが普及している。これらのフラットパネルディスプレイにおいては、さらなる薄型化が要請されている。特に有機ELディスプレイには、折りたたみや巻き取ることによって持ち運びを容易にすると共に、平面だけでなく曲面にも使用可能とすることが求められている。また、平面だけでなく曲面にも使用可能とすることが求められているのはディスプレイには限られず、例えば、自動車の車体表面や建築物の屋根、柱や外壁等、曲面を有する物体の表面に太陽電池を形成したり、有機EL照明を形成したりすることができれば、その用途が広がることとなる。従って、これらデバイスに使用される基板やカバーガラスには、更なる薄板化と高い可撓性が要求される。
有機ELディスプレイに使用される発光体は、酸素や水蒸気等の気体が接触することにより劣化する。従って有機ELディスプレイに使用される基板には高いガスバリア性が求められるため、ガラス基板を使用することが期待されている。しかしながら、基板に使用されるガラスは、樹脂フィルムと異なり引っ張り応力に弱いため可撓性が低く、ガラス基板を曲げることによってガラス基板表面に引っ張り応力がかけられると破損に至る。ガラス基板に可撓性を付与するためには超薄板化を行う必要があり、下記特許文献1に記載されているような厚み200μm以下のガラスフィルムが提案されている。
フラットパネルディスプレイや太陽電池等の電子デバイスに使用されるガラス基板には、透明導電膜等の膜付け処理や、洗浄処理等、様々な電子デバイス製造関連の処理がなされる。ところが、これら電子デバイスに使用されるガラス基板のフィルム化を行うと、ガラスは脆性材料であるため多少の応力変化により破損に至り、上述した各種電子デバイス製造関連処理を行う際に、取り扱いが大変困難であるという問題がある。加えて、厚み200μm以下のガラスフィルムは可撓性に富むため、製造関連処理を行う際に位置決めを行い難いという問題もある。
そこで、ガラスフィルムの取り扱い性を向上させるために、下記特許文献2に記載されている積層体が提案されている。下記特許文献2では、支持ガラス基板とガラスシートとが繰返しの使用によってもほぼ一定に維持される粘着剤層を介して積層された積層体が提案されている。これによれば、単体では強度や剛性のないガラスシートを用いても、従来のガラス用液晶表示素子製造ラインを共用して、液晶表示素子を製造することが可能となり、工程終了後は、ガラス基板を剥離することが可能となっている。また、支持体を使用しているため、製造関連処理の際の位置決めも行いやすい。
しかしながら、ガラスシートの更なる超薄板化を図り、ガラスフィルムにまで超薄板化を行うと、上述した積層体であったとしても、電子デバイス作製後にガラスフィルムを支持ガラス基板から剥離することが困難となる。ガラスフィルムを支持ガラス基板から剥離する際には、ガラスフィルムのコーナー部から剥離を開始する。しかしながら、特許文献2に記載の積層体は、ガラスフィルムの全ての面が支持ガラス基板と接触している。そのため、ガラスフィルムのコーナー部を把持し難くなることにより、ガラスフィルムの剥離の際、ガラスフィルムのコーナー部に破損や欠けが生じ易くなるという問題がある。特にガラスフィルムと支持ガラスとの粘着力が強い場合、この問題が顕著となる。この問題を解決するために、ガラスフィルムを支持ガラス基板から一部食み出させて積層させることも考えられるが、位置決め時にピン等が積層体に打突することによって、支持ガラス基板から露出しているガラスフィルムが破損するという問題がある。
上述の問題を解決するために、下記特許文献3には、薄板ガラス基板と端部に凹陥部が設けられた支持ガラス基板からなるガラス積層体が記載されている。凹陥部で露出している薄板ガラス基板の端部を把持することができるため、薄板ガラス基板の剥離時に、薄板ガラス基板が破損することを防止することができる。また、薄板ガラス基板よりも支持ガラス基板の方が一回り大きいことから、位置決め時にピン等が打突することによる薄板ガラス基板の破損も、ある程度防止されている。
しかしながら、特許文献3に記載の発明では、薄板ガラス基板の全ての端辺が、支持ガラス基板によって保護されているということにはなっていない。即ち、前記凹陥部においては、薄板ガラス基板が支持ガラス基板端部から露出しているため、当該凹陥部に、何か障害物が打突した場合、薄板ガラス基板に直接打突することとなり、薄板ガラス基板が破損するという問題が生じる。
本発明は、上述したような従来技術の問題点を解決するためになされたものであって、支持体によってガラスフィルムを適切に保護することが可能となると共に、ガラスフィルムと支持体とを容易に剥離することを可能とするガラスフィルム積層体を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、支持体にガラスフィルムを積層したガラスフィルム積層体であって、前記支持体は、前記ガラスフィルムから食み出しており、前記支持体の端辺には、薄肉部が設けられ、前記ガラスフィルムの端辺の少なくとも一部が、前記薄肉部上で、前記支持体から離間していることを特徴とするガラスフィルム積層体に関する。
請求項2に係る発明は、前記薄肉部は、前記ガラスフィルムの少なくとも1箇所のコーナー部が前記支持体から離間するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載のガラスフィルム積層体に関する。
請求項3に係る発明は、前記ガラスフィルムは、前記ガラスフィルムの端辺から0.5〜15mmの幅で前記支持体と離間していることを特徴とする請求項1又は2に記載のガラスフィルム積層体に関する。
請求項4に係る発明は、前記ガラスフィルムと前記支持体との前記薄肉部における離間間隔は、0.01mm以上であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のガラスフィルム積層体に関する。
請求項5に係る発明は、前記支持体は、支持ガラスであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガラスフィルム積層体に関する。
請求項6に係る発明は、前記ガラスフィルム及び前記支持ガラスの相互に接触する側の表面の表面粗さRaが夫々2.0nm以下であることを特徴とする請求項5に記載のガラスフィルム積層体に関する。
請求項7に係る発明は、前記ガラスフィルム、及び前記支持ガラスは、オーバーフローダウンドロー法によって成形されていることを特徴とする請求項5または6のいずれかに記載のガラスフィルム積層体に関する。
請求項8に係る発明は、前記ガラスフィルムの厚みは、300μm以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のガラスフィルム積層体に関する。
請求項1に係る発明によれば、支持体は、ガラスフィルムから食み出して積層されていることから、ガラスフィルムを適切に保護することができる。ガラスフィルム積層体側面から、位置決めピン等や、予期していない障害物等の何かが打突したとしても、支持体に直接打突し、ガラスフィルムには直接打突しない。これにより、ガラスフィルムが破損することを防止することができる。また、前記支持体の端辺には、薄肉部が設けられ、前記ガラスフィルムの端辺の少なくとも一部が、前記薄肉部上で、前記支持体から離間していることから、当該薄肉部からガラスフィルムを容易に把持することができ、ガラスフィルム剥離時にガラスフィルムが破損することを効果的に防止することができる。さらに、薄肉部は、支持体のガラスフィルム側の表面の肉厚のみが減少していることから、支持体端辺から外方側にガラスフィルムが露出することもなく、ガラスフィルムを適切に保護することができる。
請求項2に係る発明によれば、前記薄肉部は、前記ガラスフィルムの少なくとも1箇所のコーナー部が前記支持体から離間するように設けられていることから、薄肉部からガラスフィルムのコーナー部を容易に把持することができ、ガラスフィルム剥離時にガラスフィルムが破損することを効果的に防止することができる。
請求項3に係る発明によれば、前記ガラスフィルムは、前記ガラスフィルムの端辺から0.5〜15mmの幅で前記支持体と離間していることから、ガラスフィルムを容易に把持することができると共に、ガラスフィルムが支持体から離間していることによるガラスフィルムの垂れ下がり等の影響を小さくすることができる。
請求項4に係る発明によれば、前記ガラスフィルムと前記支持体との前記薄肉部における離間間隔は、0.01mm以上であることから、薄肉部上に存在する支持体とガラスフィルムとの隙間から樹脂フィルム等の剥離用シートを挿入することによって、ガラスフィルムと支持体とを容易に剥離することができる。
請求項5に係る発明によれば、前記支持体は、支持ガラスであることから、ガラスフィルムと支持ガラスとの熱膨張係数を合わせやすく、製造関連処理の際に熱処理を行ったとしても、熱反りや割れ等が生じにくいガラスフィルム積層体とすることが可能となる。
請求項6に係る発明によれば、前記ガラスフィルム及び前記支持ガラスの相互に接触する側の表面の表面粗さRaが夫々2.0nm以下であることから、ガラスフィルムと支持ガラスとが滑らかな表面同士で接触するため密着性が良く、接着剤を使用しなくてもガラスフィルムと支持ガラスとを強固に安定して積層させることが可能となる。
請求項7に係る発明によれば、ガラスフィルム、及び支持ガラスは、オーバーフローダウンドロー法によって成形されていることから、研磨工程を必要とすることなく極めて表面精度の高いガラスを得ることが可能となる。これにより、ガラスフィルムと支持ガラスとをより強固に積層させることが可能となる。
請求項8に係る発明によれば、前記ガラスフィルムの厚みは、300μm以下であることから、よりコーナー部に割れ、欠け等が発生しやすい厚み300μm以下の超薄板ガラスであったとしても、容易に支持体から剥離することができる。
以下、本発明に係るガラスフィルム積層体の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
本発明に係るガラスフィルム積層体(1)は、図1に示す通り、ガラスフィルム(2)と支持体(3)とからなっており、支持体(3)には、薄肉部(4)が設けられている。
ガラスフィルム(2)の材質としては、ケイ酸塩ガラスが用いられ、好ましくはシリカガラス、ホウ珪酸ガラスが用いられ、最も好ましくは無アルカリガラスが用いられる。ガラスフィルム(2)にアルカリ成分が含有されていると、表面において陽イオンが脱落し、いわゆるソーダ吹きの現象が生じ、構造的に粗となる。この場合、ガラスフィルム(2)を湾曲させて使用していると、経年劣化により粗となった部分から破損する可能性がある。尚、ここで無アルカリガラスとは、アルカリ成分(アルカリ金属酸化物)が実質的に含まれていないガラスのことであって、具体的には、アルカリ成分の重量比が1000ppm以下のガラスのことである。本発明でのアルカリ成分の重量比は、好ましくは500ppm以下であり、より好ましくは300ppm以下である。
ガラスフィルム(2)の厚みは、好ましくは300μm以下、より好ましくは5μm〜200μm、最も好ましくは5μm〜100μmである。コーナー部に割れ、欠け等が発生しやすい厚み300μm以下の超薄板ガラスであったとしても、容易に支持体から剥離することができる。また、ハンドリング性が困難で、かつ、位置決めミスやパターニング時のずれ等の問題が生じやすいガラスフィルム(2)に対して、製造関連処理を容易に行うことができる。5μm未満であると、ガラスフィルム(2)の強度が不足がちになり、ガラスフィルム積層体(1)からガラスフィルム(2)を剥離して、デバイスに組み込む際に破損を招き易くなる。
支持体(3)は、ガラスフィルム(2)を支持するためのものであって、ガラスフィルム(2)の端部を保護するため、ガラスフィルム(2)よりも食み出している。支持体(3)の食み出し量は、1mm〜20mmであることが好ましい。支持体(3)の食み出し量が1mm未満であると、支持体(3)の端辺(32)に薄肉部(4)を作製し難くなるおそれがある。一方、支持体(3)の食み出し量が20mmを超えると、支持体(3)に占めるガラスフィルム(2)の面積が減少することにより、生産効率が悪化するおそれがある。
支持体(3)は、ガラスフィルム(2)を支持可能であれば、その材質については特に限定されず、合成樹脂板、天然樹脂板、木板、金属板、ガラス板、セラミック板等を使用することができる。また、支持体(3)の厚みについても特に限定されない。支持体(3)に剛性が要求される場合には、厚みのある樹脂板やガラス板等を使用することができる。一方、支持体(3)には剛性が要求されず、ガラスフィルム(2)のハンドリングの改善等を目的とする場合は、PETフィルム等の樹脂フィルムを使用することもできる。
支持体(3)として、支持ガラス(31)を使用することが好ましい。これにより、ガラスフィルム(2)と支持ガラス(31)との熱膨張係数を合わせやすく、製造関連処理の際に熱処理を行ったとしても、熱反りや割れ等が生じにくいガラスフィルム積層体とすることが可能となる。支持ガラス(31)については、ガラスフィルム(2)との30〜380℃における熱膨張係数の差が、5×10−7/℃以内のガラスを使用することが好ましい。支持ガラス(31)の材質としては、ガラスフィルム(2)と同様、ケイ酸塩ガラス、シリカガラス、ホウ珪酸ガラス、無アルカリガラス等が用いられる。支持ガラス(31)とガラスフィルム(2)とは、同一のガラスを使用することがさらに好ましい。
支持ガラス(31)の厚みは、400μm以上であることが好ましい。支持ガラス(31)の厚みが400μm未満であると、支持ガラス単体で取り扱う場合に、強度の面で問題が生じるおそれがあるからである。支持ガラス(31)の厚みは、400μm〜700μmであることが好ましく、500μm〜700μmであることが最も好ましい。これによりガラスフィルム(2)を確実に支持することが可能となるとともに、ガラスフィルム(2)と支持ガラス(31)とを剥離する際に生じ得る破損を効果的に抑制することが可能となる。
ガラスフィルム(2)及び支持ガラス(31)の相互に接触する側の表面粗さRaは夫々2.0nm以下であることが好ましい。これにより、ガラスフィルム(2)と支持ガラス(31)とが滑らかな表面同士で接触するため密着性が良く、接着剤を使用しなくてもガラスフィルム(2)と支持ガラス(31)とを強固に安定して積層させることが可能となる。ガラスフィルム(2)及び支持ガラス(31)の上記表面の表面粗さRaは、夫々1.0nm以下であることが好ましく、0.5nm以下であることがより好ましく、0.2nm以下であることが最も好ましい。
ガラスフィルム(2)及び支持ガラス(31)の相互に接触する側の表面のGI値は夫々1000pcs/m2以下であることが好ましい。これにより、ガラスフィルム(2)と支持ガラス(31)との接触面が清浄であるため表面の活性が損なわれておらず、接着剤を使用しなくてもガラスフィルム(2)と支持ガラス(31)とをより強固に安定して積層させることが可能となる。本明細書においてGI値とは、1m2の領域内に存在する長径1μm以上の不純粒子の個数(pcs)のことである。ガラスフィルム(2)及び支持ガラス(31)の上記表面のGI値は、夫々500pcs/m2以下であることがより好ましく、100pcs/m2以下であることが最も好ましい。
本発明に使用されるガラスフィルム(2)及び支持ガラス(31)は、ダウンドロー法によって成形されていることが好ましい。ガラスフィルム(2)の表面をより滑らかに成形することができるからである。特に、図2に示すオーバーフローダウンドロー法は、成形時にガラス板の両面が、成形部材と接触しない成形法であり、得られたガラス板の両面(透光面)には傷が生じ難く、研磨しなくても高い表面品位を得ることができる。これにより、ガラスフィルム(2)と支持ガラス(31)とをより強固に積層させることが可能となる。
断面が楔型の成形体(7)の下端部(71)から流下した直後のガラスリボン(G)は、冷却ローラ(8)によって幅方向の収縮が規制されながら下方へ引き伸ばされて所定の厚みまで薄くなる。次に、前記所定厚みに達したガラスリボン(G)を徐冷炉(アニーラ)で徐々に冷却し、ガラスリボン(G)の熱歪を除き、ガラスリボン(G)を所定寸法に切断する。これにより、ガラスフィルム(2)又は支持ガラス(31)となるガラスシートが成形される。
薄肉部(4)は、支持体(3)上の端辺(32)に、ガラスフィルム(2)側の表面が一部削られた状態で設けられる。これにより、ガラスフィルム(2)の端辺(21)の少なくとも一部が、薄肉部(4)上で、隙間(41)を隔てて支持体(32)から離間することとなる。従って、薄肉部(4)から離間しているガラスフィルム(2)の端辺(21)を容易に把持することができ、ガラスフィルム(2)剥離時にガラスフィルム(2)が破損することを効果的に防止することができる。さらに、薄肉部(4)は、ガラスフィルム(2)側の表面の肉厚のみが減少していることから、支持体(3)の端辺(32)から外方側にガラスフィルム(2)が露出することもなく、ガラスフィルム(2)を適切に保護することができる。
薄肉部(4)は、図3に示す通り、ガラスフィルム(2)の少なくとも1箇所のコーナー部(22)が支持体(3)から離間するように設けられていることが好ましい。これにより、薄肉部(4)からガラスフィルム(2)のコーナー部(22)を容易に把持することができ、ガラスフィルム(2)剥離時にガラスフィルム(2)が破損することを効果的に防止することができる。具体的には、薄肉部(4)は、支持体(3)の角部(33)に設けられることが好ましい。図1ではガラスフィルム(2)の1箇所のコーナー部(22)が離間するように薄肉部(4)が設けられているが、これには限定されず、薄肉部(4)が2箇所以上の支持体(3)の角部(33)に設けられていてもよい。
薄肉部(4)の形状は、ガラスフィルム(2)のコーナー部(22)が離間するように設けることができれば、特には限定されない。例えば、薄肉部(4)は、図1(b)に示す通り、端辺(32)に段差を設けることで形成されていてもよい。また、図3(b)に示す通り、端辺(32)に近づくに連れて下がるように傾斜する傾斜部(34)を設けることで形成されていることが好ましい。これにより、ガラスフィルム(2)剥離時に、PETフィルム等の剥離用シートを、隙間(41)からガラスフィルム(2)と支持体(3)との間に挿入する際に、傾斜部(34)が剥離用シートを案内するガイドとなるので、剥離用シートを挿入し易くなる。
薄肉部(4)の形成方法については、特に限定されないが、研磨、研削、サンドブラスト、エッチング等を行うことによって形成することができる。特に支持体(3)に、PET等の樹脂材料や金属を使用した場合、プレスすることによって薄肉部(4)を形成することもできる。また、薄肉部(4)を支持体(3)成形後に支持体(3)を加工することで形成してもよく、支持体(3)成形時に、薄肉部(4)を同時に形成してもよい。図4(a)に示す通り、第1の支持分体(35)上に、第1の支持分体(35)よりも一回り小さい第2の支持分体(36)を積層固着することで支持体(3)とし、薄肉部(4)を作製してもよい。この場合、第1の支持分体(35)はガラスフィルム(2)よりも一回り大きく、第2の支持分体(36)はガラスフィルム(2)よりも一回り小さいことが好ましい。これにより、ガラスフィルム(2)の周囲に沿って、隙間(41)を容易に設けることができる。
薄肉部(4)は、ガラスフィルム(2)の端辺(21)から0.5〜15mmの幅で支持体(3)と離間していることが好ましい。これにより、ガラスフィルム(2)を容易に把持することができると共に、ガラスフィルム(2)が支持体(3)から離間していることによるガラスフィルム(2)の垂れ下がり等の影響を小さくすることができる。ガラスフィルム(2)の支持体(3)との離間幅が0.5mm未満であると、ガラスフィルム(2)の剥離時にガラスフィルム(2)を剥離し難くなるおそれがある。一方、ガラスフィルム(2)の支持体(3)との離間幅が15mmを超える場合は、ガラスフィルム(2)が薄肉部(4)と接触するおそれがある。薄肉部(4)は、ガラスフィルム(2)の端辺(21)から1〜10mmの幅で支持体(3)と離間していることが、より好ましい。
ガラスフィルム(2)と支持体(3)との薄肉部(4)における離間間隔hは、0.01mm以上であることが好ましい。これにより、薄肉部(4)上に存在する支持体(3)とガラスフィルム(2)との隙間(41)から樹脂フィルム等の剥離用シートを挿入することによって、ガラスフィルム(2)と支持体(3)とを容易に剥離することができる。薄肉部(4)における離間間隔hが0.01mm未満であると、ガラスフィルム(2)を把持し難くなるおそれがある。離間間隔hは、ガラスフィルム(2)を剥離する際に使用する樹脂フィルム等の剥離用シートの厚みよりも大きいことが好ましい。一方、支持体(3)の耐久性等を考慮すると、薄肉部(4)における離間間隔hは、使用する支持体(3)の厚みの1/2以下であることが好ましく、1/3以下であることがより好ましい。
支持体(3)にガラスフィルム(2)を積層させてガラスフィルム積層体(1)を作製する際に、図4(b)に示す通り、ガラスフィルム(2)と支持体(3)との間に、接着剤層(5)を使用して積層させてもよい。ガラスフィルム(2)は最後に剥離されるため、接着剤層(5)には、微粘着性の接着剤を使用することが好ましく、具体的にはその粘着力が0.002〜2.00N/25mmであることが好ましく、0.005〜1.00N/25mmであることがより好ましく、0.01〜0.7N/25mmであることが最も好ましい。
本発明に係るガラスフィルム積層体(1)に対して成膜、洗浄、パターニング等の製造関連処理を行った後、薄肉部(4)からガラスフィルム(2)の剥離を行う。剥離を行う際には、ガラスフィルム(2)と薄肉部(4)との隙間(41)から指や、ピンセット等の把持具を使用して、ガラスフィルム(2)のコーナー部(22)を把持し、支持体(3)からガラスフィルム(2)を引き剥がすことで、ガラスフィルム(2)を支持体(3)から剥離する。あるいは、PETフィルム等の樹脂フィルムのような剥離用シートを、隙間(41)からガラスフィルム(2)と支持体(3)との間に挿入し、コーナー部(22)を始端として、徐々にガラスフィルム(2)を浮かせることで、ガラスフィルム(2)と支持体(3)とを剥離させてもよい。支持体(3)に可撓性を有する樹脂フィルムを使用している場合は、薄肉部(4)付近の支持体(3)をガラスフィルム(2)と反対側へ折り曲げることによって、容易にガラスフィルム(2)のコーナー部(22)を把持することができる。剥離後のガラスフィルム(2)は、夫々の用途として(例えば電子デバイスのガラス基板等として)、電子デバイス等に組み込まれる。
図5、図6は、本発明に係るガラスフィルム積層体(1)の、他の実施形態である。図5は、長尺な樹脂フィルム(PETフィルム等)製の支持体(3)上に、ガラスフィルム(2)が所定の長さ毎に断続的に積層されており、ガラスフィルム積層体(1)を巻き回すことによって、ロール体(6)とされている。これにより、ガラスフィルム積層体(1)の輸送効率を向上させることができる。さらに、ロール・ツー・ロール工程を使用することにより、製造関連処理の効率化も図ることができる。各ガラスフィルム(2)の少なくとも1箇所以上の端辺(21)には、薄肉部(4)が夫々設けられている。図6に示す通り、ガラスフィルム(2)は、支持体(3)上に連続的に積層されており、ガラスフィルム(2)の端辺(21)に沿って連続的に薄肉部(4)が形成されていてもよい。
本発明は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイや太陽電池等のデバイスに使用されるガラス基板、及び有機EL照明のカバーガラスを作製する際に好適に使用することができる。
1 ガラスフィルム積層体
2 ガラスフィルム
21 端辺
22 コーナー部
3 支持体
31 支持ガラス
32 端辺
4 薄肉部
5 接着剤層
6 ロール体
2 ガラスフィルム
21 端辺
22 コーナー部
3 支持体
31 支持ガラス
32 端辺
4 薄肉部
5 接着剤層
6 ロール体
Claims (8)
- 支持体にガラスフィルムを積層したガラスフィルム積層体であって、
前記支持体は、前記ガラスフィルムから食み出しており、
前記支持体の端辺には薄肉部が設けられ、
前記ガラスフィルムの端辺の少なくとも一部が、前記薄肉部上で、前記支持体から離間していることを特徴とするガラスフィルム積層体。 - 前記薄肉部は、前記ガラスフィルムの少なくとも1箇所のコーナー部が前記支持体から離間するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載のガラスフィルム積層体。
- 前記ガラスフィルムは、前記ガラスフィルムの端辺から0.5〜15mmの幅で前記支持体と離間していることを特徴とする請求項1又は2に記載のガラスフィルム積層体。
- 前記ガラスフィルムと前記支持体との前記薄肉部における離間間隔は、0.01mm以上であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のガラスフィルム積層体。
- 前記支持体は、支持ガラスであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガラスフィルム積層体。
- 前記ガラスフィルム及び前記支持ガラスの相互に接触する側の表面の表面粗さRaが夫々2.0nm以下であることを特徴とする請求項5に記載のガラスフィルム積層体。
- 前記ガラスフィルム、及び前記支持ガラスは、オーバーフローダウンドロー法によって成形されていることを特徴とする請求項5または6のいずれかに記載のガラスフィルム積層体。
- 前記ガラスフィルムの厚みは、300μm以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のガラスフィルム積層体。
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